【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年4月14日、出願人のウェブサイト(http://game−dl.cdn.nicovideo.jp/game−play/noel_1/index.html)にて公開しました。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0019】
なお、以下の実施形態は、ネットワークNを介して構築されるネットワークシステムに含まれる複数のゲーム端末装置及びサーバ装置に対し、本発明に係るサーバシステム、プログラム及び情報獲得方法を適用した場合の実施形態である。
【0020】
まず、
図1を用いて本実施形態におけるコメント配信システム1の構成及びその概要について説明する。なお、
図1は、本実施形態のコメント配信システム1のブロック図である。
【0021】
本実施形態のコメント配信システム1は、
図1に示すように、ゲームサービスを提供するゲームサーバ装置100と、コメントを配信するコメント配信装置200と、複数の通信端末装置300とが、例えば、インターネットなどのネットワークNに接続可能に構成されている。
【0022】
ゲームサーバ装置100は、ネットワークNを介してサーバに通信接続された通信端末装置300を介して、ユーザにゲームをプレイさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。
【0023】
また、本実施形態のコメント配信システム1は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNS(Social Networking Service)サーバ装置を含んでもよい。なお、この場合において、SNSサーバ装置は、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置である。
【0024】
ゲームサーバ装置100が提供するゲームは、図示しないSNSサーバ装置が提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲームと呼ばれるゲームでもよい。ソーシャルゲームは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームでもよい。
【0025】
また、ゲームサーバ装置100が提供するゲームは、通信端末装置300のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えば、HTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)でもよい。
【0026】
ゲームサーバ装置100が提供するゲームは、ネットワークNを介して通信端末装置300と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームでもよい。
【0027】
通信端末装置300は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークNを介してゲームサーバ装置100に接続可能な装置である。なお、通信端末装置300とゲームサーバ装置100との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0028】
また、通信端末装置300は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。つまり、通信端末装置300は、ゲームサーバ装置100との通信を行うための通信制御機能、及び、ゲームサーバ装置100から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うWebブラウザ機能などを備え、ゲーム画面を表示させる処理を行う。
【0029】
通信端末装置300から所定のゲームを行う旨の要求をゲームサーバ装置100に対して行うと、通信端末装置300は、ゲームサーバ装置100のゲームサイトに接続され、ゲームが開始される。
【0030】
例えば、コメント配信システム1は、通信端末装置300の入力情報をゲームサーバ装置100に送信し、ゲームサーバ装置100は受信した入力情報に基づいてゲーム処理を行う。そして、ゲームサーバ装置100は、ゲーム処理結果を通信端末装置300に送信し、通信端末装置300は、ゲームサーバ装置100から受信したゲーム処理結果を表示する処理を行う。
【0031】
また、本実施の形態のゲームの処理は、ゲームサーバ装置100が一部又は全部を行ってもよいし、通信端末装置300が一部又は全部を行ってもよい。
【0032】
また、ゲームサーバ装置100は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0033】
また、ゲームサーバ装置100に記憶されるゲーム情報等の情報を、ネットワークN(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶するようにしてもよい。
【0034】
ここで、
図2を用いてコメント配信装置200の構成例について説明する。なお、
図2は、コメント配信装置200の各構成を示す機能ブロック図である。コメント配信装置200は、ゲームサーバ装置100が配信し、通信端末装置300にて行われているゲームに対して、ユーザが投稿したコメントを通信端末装置300から受信する。なお、コメントを投稿する形態としては、ゲームを行っているユーザ自身がコメントを投稿する形態や、あるユーザが行っているゲームに対して、他のユーザがコメントを投稿する形態がある。
【0035】
RPG(roleplaying game)や、シミュレーションゲームや、ノベルゲーム等のゲームでは、同じフィールドの場所であっても、当該場所に至るまでの進行具合により、ゲームの文脈が異なる。
【0036】
例えば、RPG等のゲームにおいては、イベントA(例えば、川に到着するイベント)とイベントB(例えば、ボートで川を下るイベント)を経てイベントC(例えば、城に到着するイベント)に至るルート(ルート1)と、イベントa(例えば、山に到着するイベント)とイベントb(例えば、車で山を登るイベント)を経てイベントC(例えば、城に到着するイベント)に至るルート(ルート2)とでは、同じイベントCに到達した場合であっても、ゲームの文脈が異なる。
【0037】
つまり、ユーザがルート2でイベントCに至ったときに、ルート1のイベントCで投稿されたコメント(例えば、ボートが沈みそうだった。もっと装備を軽くすべきだった。)が表示されると、まったく異なるゲームの文脈でコメントが表示されてしまい、当該ユーザに違和感を覚えさせる可能性がある。
【0038】
本実施例にかかるコメント配信装置200は、ユーザがルート1でイベントCに至ったときには、ルート1のイベントCで投稿されたコメントを配信し、ユーザがルート2でイベントCに至ったときには、ルート2のイベントCで投稿されたコメントを配信する。
【0039】
また、コメント配信装置200は、
図2に示すように、コメント受付部201と、状態解析部202と、コメント配信部203と、を備える。
【0040】
コメント受付部201は、ゲームが行われているときに、ユーザから送信されてきたコメントを受け付ける。例えば、コメント受付部201は、通信端末装置300aによりゲームサーバ装置100から配信されているゲームを行っている場合において、ゲームを行っているユーザが通信端末装置300aを利用してコメントを投稿してきたときに、当該コメントを受け付ける。
【0041】
状態解析部202は、コメント受付部201によりコメントを受け付けたときに、ゲームに関する状態を解析する。ゲームに関する状態とは、ゲームにおいて連続する複数のイベントの進展、または、ゲームにおけるストーリーの進展を含む。つまり、ゲームに関する状態とは、ゲーム中のある特定の一場面のみならず、ゲームの進行を代表する複数のイベントを含む概念である。例えば、どのステージまでクリアしているか、中ボスを倒している状態か否か、重要アイテムを保有している状態か否か、仲間がいる状態か否かなど、様々なゲームの進行がある。また、ゲームに関する状態は、前記のストーリーの進展などと、ゲームフィールドにおける場所や時間などの複合的な要素の組み合わせにより構成してもよい。状態解析部202は、通信端末装置300aにより行われているゲームの進行を監視しており、コメント受付部201によりコメントを受け付けたときに、ゲームに関する状態を解析する。
【0042】
コメント配信部203は、当該ユーザまたは他のユーザによりゲームが行われているときに、ゲームに関する状態と同じ状態になった場合、コメント受付部201により受け付けたコメントをゲームが行われているユーザ端末に配信する。例えば、コメント配信部203は、通信端末装置300aまたは通信端末装置300bなどを利用してゲームが行われているときに、過去に受け付けたコメントのゲームに関する状態と同じ状態になった場合、当該コメントを通信端末装置300aまたは通信端末装置300bに配信する。
【0043】
つまり、ユーザAがあるゲームに関する状態に対して、コメントを投稿した場合において、ユーザAが通信端末装置300aを利用してゲームを行い、再度、当該ゲームに関する状態と同じ状態になった場合、過去にユーザA自身が行ったコメントが通信端末装置300aに表示される。
【0044】
また、ユーザAがあるゲームに関する状態に対して、コメントを投稿した場合において、ユーザAとは異なるユーザBが通信端末装置300bを利用してゲームを行い、当該ゲームに関する状態と同じ状態になった場合、ユーザAが投稿したコメントが通信端末装置300bに表示される。
【0045】
このようにして、コメント配信装置200は、任意のタイミングでコメントを投稿することができ、投稿されたコメントをゲームの進行に適合したタイミングで配信することができる。
【0046】
また、コメント配信装置200は、
図2に示すように、関連付け部204と、判断部205と、を備える。関連付け部204は、状態解析部202によって解析されたゲームに関する状態にコメント受付部201で受け付けたコメントを関連付ける。詳細には、関連付け部204は、コメント受付部201によって通信端末装置300から受け付けたコメントを、通信端末装置300が行っているゲームのID、当該コメントを受け付けたときのゲームに関する状態、当該コメントが投稿された時刻等を関連付けて記憶部206に記憶する。
【0047】
判断部205は、ゲームが行われているときに、ゲームに関する状態と同じ状態になったか否かを判断する。コメント配信部203は、判断部205によりゲームに関する状態と同じ状態になったと判断された場合、関連付け部204によってゲームに関する状態に関連付けられているコメントを記憶部206から読み出し、読み出したコメントをゲームが行われている通信端末装置300に配信する。
【0048】
ここで、関連付け部204と、判断部205と、コメント配信部203の具体的な動作について説明する。例えば、ゲームに関する状態が、「イベントQi」→「イベントQj」→「イベントQk」、と変化するときに、「イベントQj」から「イベントQk」になる間は、ゲームは、「イベントQj」の状態にあると考えられる。関連付け部204は、「イベントQj」から「イベントQk」に変化する間にユーザからのコメントを受け付けた場合には、当該コメントを「イベントQj」に書かれたものとして記憶する。なお、関連付け部204は、「イベントQi」→「イベントQj」というゲームに関する状態に当該コメントを関連付ける。
【0049】
判断部205は、通信端末装置300を利用してユーザがゲームを行っているときに、ゲームが「イベントQi」から「イベントQj」に変化したか否かを判断する。
【0050】
コメント配信装置203は、例えば、通信端末装置300bにより行われているゲームが「イベントQi」から「イベントQj」に変化したと判断部205によって判断された場合、関連付け部204によって「イベントQi」→「イベントQj」に関連付けられているコメント通信端末装置300bに配信する。
【0051】
例えば、あるRPGにおいて、旅の仲間として宇宙人XとモンスターYとの何れかを選択する場面について、
図3を用いて説明する。なお、
図3は、通信端末装置300の表示部に表示されるRPGにおけるゲームの画面を模式的に示している。また、ゲームの画面には、コメントを入力するためのコメント入力部Aと、コメント入力部Aに入力されたコメントをコメント配信装置200に送信するための送信ボタンBが含まれている。利用者は、コメント入力部Aにコメントを入力し、送信ボタンBを操作することにより、ゲーム中はいつでもコメントをコメント配信装置200に送信することができる。
【0052】
利用者Aは、
図3(a)に示すように、旅の仲間を選択する画面において、通信端末装置300aを操作して、「X」ボタンCを選択して、宇宙人Xを選択する。なお、「Y」ボタンDを選択するとモンスターを選択することができる。
【0053】
通信端末装置300aの表示部は、
図3(b)に示すように、宇宙人が選択された画面に遷移する。
【0054】
利用者Aは、コメント入力部Aに「やっぱりここは宇宙人でしょ」というコメント(以下、コメントX1という。)を入力し、送信ボタンBを操作する。通信端末装置300aは、コメントX1をコメント配信装置200に送信する。コメント配信装置200は、受け付けたコメントX1に対して、宇宙人Xを選択したときのコメントであるという情報を関連付けて保存する。また、
図3(b)に示す画面において、ボタンEを操作すると次の場面に画面が遷移する。なお、画面の遷移は、ボタンEの操作ではなく、設定時間(例えば、10秒)か経過した場合に、次の画面に遷移する構成でもよい。
【0055】
つぎに、利用者Bが通信端末装置300bを利用して、利用者Aと同じRPGを行っており、旅の仲間として宇宙人XとモンスターYとの何れかを選択する場面に差し掛かった場合について、
図4を用いて説明する。
【0056】
利用者Bは、
図4(a)に示すように、旅の仲間を選択する画面において、通信端末装置300bを操作して、「X」ボタンCを選択して、宇宙人Xを選択する。
【0057】
通信端末装置300bの表示部が
図4(b)に示す画面に遷移したときに、コメントX1が当該画面に表示される。なお、コメントX1は、通信端末装置300bの表示部の一方側(例えば、右側)から一定速度で流れてきて、そのまま他方側(例えば、左側)に消えるようなスクロール表示されてもよいし、通信端末装置300bの表示部の所定の場所(右端など)に固定的に表示されてもよい。また、コメントX1が表示される場所は、画面中のどこでもよい。
【0058】
つぎに、利用者Cが通信端末装置300cを利用して、利用者Aと同じRPGを行っており、旅の仲間として宇宙人XとモンスターYとの何れかを選択する場面に差し掛かった場合について、
図5を用いて説明する。
【0059】
利用者Cは、
図5(a)に示すように、旅の仲間を選択する画面において、通信端末装置300bを操作して、「Y」ボタンDを選択して、モンスターYを選択する。
【0060】
通信端末装置300cの表示部が
図5(b)に示す画面に遷移したときに、コメントX1は表示されない。なお、他の利用者がモンスターYを選択したときに、コメントX2をコメント配信装置200に送信していた場合には、
図5(b)に示す画面にコメントX2が表示されることになる。
【0061】
ここで、コメントの配信手順について説明する。通信端末装置300からコメント配信装置200に対して、ゲーム中にコメントの有無についてリクエストを行い、当該リクエストに応じてコメント配信装置200から通信端末装置300にコメントを配信する構成が考えられる。
【0062】
他には、コメント配信装置200が通信端末装置300によるゲームの進行を監視し、当該ゲームの進行に基づいて、通信端末装置300にコメントを配信する構成が考えられる。
【0063】
このようにして、コメント配信装置200は、あるユーザ(コメントを投稿したユーザも含む)が行っているゲームにおいて、コメントが投稿されたときと同じゲームに関する状態になったときに、当該ゲームに関する状態に関連付けられているコメントを配信するので、任意のタイミングでコメントを投稿することができ、投稿されたコメントをゲームの進行に適合したタイミングで配信することができる。また、コメント配信装置200は、コメントの読み書きが文脈の違い(宇宙人の選択とモンスターの選択)を考慮しながら行えるようになり、ゲームの細かな分岐や状態を考慮しつつ、コメント体験をゲームでも実現可能となる。
【0064】
また、状態解析部202は、予め記憶しているゲームの進行に関する情報に基づいて、コメント受付部201によりコメントを受け付けた時点におけるゲームの進行の変化状態をゲームに関する状態として解析する構成でもよい。コメントを受け付けた時点とは、コメントを受け付けた前、後、および前後を含む概念である。
【0065】
例えば、状態解析部202は、予め記憶しているゲームの進行に関する情報が、・・・「イベントQi」→「イベントQj」→「イベントQk」・・・、である場合において、「イベントQJ」のときにコメントを受け付けた場合、当該コメントを受け付けた前からの変化状態である「イベントQi」→「イベントQj」をゲームに関する状態として解析する。
【0066】
また、例えば、状態解析部202は、予め記憶しているゲームの進行に関する情報が、・・・「イベントQi」→「イベントQj」→「イベントQk」・・・、である場合において、「イベントQJ」のときにコメントを受け付けた場合、当該コメントを受け付けた後までの変化状態である「イベントQj」→「イベントQk」をゲームに関する状態として解析する。
【0067】
また、例えば、状態解析部202は、予め記憶しているゲームの進行に関する情報が、・・・「イベントQi」→「イベントQj」→「イベントQk」・・・、である場合において、「イベントQJ」のときにコメントを受け付けた場合、当該コメントを受け付けた前後の変化状態である「イベントQi」→「イベントQj」→「イベントQk」をゲームに関する状態として解析する。
【0068】
また、ゲームの進行に関する情報は、AI(artificial intelligence)によりゲームを実行させて、実行させた結果を解析することにより取得してもよい。
【0069】
ここで、ゲームの進行に関する情報について説明する。ゲームの進行に関する情報とは、ゲームの進み具合によって形成されるゲームの文脈を意味する。特にRPG等のゲームにおいては、ストーリーの進展具合を、例えば中ボスを倒した状態か否か、重要人物の話を聞いた状態か否かというフラグによって管理を行う。また、重要アイテムを持っているか否かという持ち物データ等によっても管理を行う。
【0070】
例えば、ゲームに固有のフラグの変化やデータの変化を、ゲームの文脈を形成する要素として選別する。選別した固有のフラグやデータなどの要素をリスト化しておく。各要素の変化状態がゲームの文脈を形成するものとなる。また、当該リストを対象となるゲームごとに作成しておく。
【0071】
状態解析部202は、ユーザにより行われているゲームに対応するリストを参照し、ゲーム中において、リストに登録されている各要素を監視し、各要素の変化を検知することにより、ゲームに関する状態であるゲームの文脈を形成する。
【0072】
上述のようなフラグの変化によりゲームの状況を解析するためには、事前にゲームのストーリーやフラグに関する情報を得ておく必要がある。例えば、AIによりゲームを実行させた結果を解析することで、そのゲームのストーリーや、重要なフラグ情報を収集することも可能である。AIによりゲームを実行させた結果からフラグ情報を収集することで、ゲームに関する詳細な情報を予め有していなくても、任意のゲームについて適切なタイミングでコメントの配信を行うことができる。
【0073】
また、状態解析部202は、コメント受付部201によりコメントを受け付けた時点におけるゲーム中に示されるメッセージテキスト群をゲームに関する状態として解析する構成でもよい。メッセージテキスト群とは、一以上のメッセージテキストから構成される概念である。
【0074】
ここで、
図6および
図7に示すようなシナリオが書かれたノベルゲームを用いてメッセージテキスト群の構成について説明する。なお、
図6および
図7は、通信端末装置300の表示部に表示されるゲームの画面を模式的に示している。また、ゲームの画面には、コメントを入力するためのコメント入力部Aと、コメント入力部Aに入力されたコメントをコメント配信装置200に送信するための送信ボタンBが含まれている。利用者は、コメント入力部Aにコメントを入力し、送信ボタンBを操作することにより、ゲーム中はいつでもコメントをコメント配信装置200に送信することができる。
【0075】
通信端末装置300の表示部には、ゲームサーバ装置100から送信されてきたデータに基づいて、
図6(a)に示すように、「雨が降っている」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM1という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図6(b)に示すように、「目の前は真っ暗で人どころか町の明かりしか見えない状況だ」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM2という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図6(c)に示すように、「今どこにいてどう走っているのかも分からない。スマホは先ほどからずっと圏外を示している」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM3という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図6(d)に示すように、「どうやら完全に道に迷ったようだ」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM4という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図6(a)に示すように、「引き返すか、それともこのまま進むか X.引き返す Y.このまま進む」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM5という。)が表示される。なお、メッセージテキストM5は、「引き返すか、それともこのまま進むか」というメッセージテキストM5−1と、「X.引き返す」というメッセージテキストM5−2と、「Y.このまま進む」というメッセージテキストM5−3とから構成される。
【0076】
図7(a)に示す状態において、「X」ボタンCが選択された場合、通信端末装置300の表示部には、
図7(b)に示すように、「こういう時は引き返した方が良い。そうすれば国道か町には出れるだろう」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM6という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図7(c)に示すように、「そう思ってUターンしようとしたその時!」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM7という。)が表示される。
【0077】
また、
図7(a)に示す状態において、「Y」ボタンDが選択された場合、通信端末装置300の表示部には、
図7(d)に示すように、「確か先ほど、峠っぽいところは超えたハズだ。」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM8という。)が表示され、次ボタンEが操作されると、
図7(e)に示すように、「道も下りだからそのうち次の町に辿り着けるだろう」というメッセージテキスト(以下、メッセージテキストM9という。)が表示される。なお、メッセージテキストの遷移は、次ボタンEを操作しなくても、設定時間(例えば、10秒)か経過した場合に、
図7(a)に示すような選択枝のあるメッセージテキストまで、遷移する構成でもよい。
【0078】
本実施形態では、3つのメッセージテキストをメッセージテキスト群とし、当該メッセージテキスト群に受け付けたコメントが関連付けられるものとするが、メッセージテキスト群を構成するメッセージテキストの数は3つに限られない。
【0079】
また、メッセージテキストが遷移するときには、通信端末装置300からゲームサーバ装置100に対して次のメッセージテキストを送信するようにリクエストする構成でもよいし、所定のタイミングでゲームサーバ装置100から通信端末装置300にメッセージテキストを送信する構成でもよい。
【0080】
例えば、メッセージテキストM3が表示されている状態では、前々回のメッセージテキストM1と、前回のメッセージテキストM2と、今回のメッセージテキストM3とがメッセージテキスト群MG1になる。
【0081】
つまり、関連付け部204は、メッセージテキストM3が表示されている状態においてコメントを受け付けた場合、メッセージテキスト群MG1に当該コメントを関連付ける。コメント配信部203は、通信端末装置300bを利用してゲームが行われているときに、メッセージテキスト群MG1と同じ状態になった場合、メッセージテキスト群MG1に関連付けられているコメントをゲームが行われている通信端末装置300bに配信する。
【0082】
また、例えば、メッセージテキストM4が表示されている状態では、前々回のメッセージテキストM2と、前回のメッセージテキストM3と、今回のメッセージテキストM4とがメッセージテキスト群MG2になる。
【0083】
つまり、関連付け部204は、メッセージテキストM4が表示されている状態においてコメントを受け付けた場合、メッセージテキスト群MG2に当該コメントを関連付ける。コメント配信部203は、通信端末装置300bを利用してゲームが行われているときに、メッセージテキスト群MG2と同じ状態になった場合、メッセージテキスト群MG2に関連付けられているコメントをゲームが行われている通信端末装置300bに配信する。
【0084】
また、例えば、ボタンXを選択し、メッセージテキストM6が表示されている状態では、前々回のメッセージテキストM5−1と、前回のメッセージテキストM5−2と、今回のメッセージテキストM6とがメッセージテキスト群MG3になる。
【0085】
つまり、関連付け部204は、メッセージテキストM6が表示されている状態においてコメントを受け付けた場合、メッセージテキスト群MG3に当該コメントを関連付ける。コメント配信部203は、通信端末装置300bを利用してゲームが行われているときに、メッセージテキスト群MG3と同じ状態になった場合、メッセージテキスト群MG3に関連付けられているコメントをゲームが行われている通信端末装置300bに配信する。
【0086】
また、例えば、ボタンYを選択し、メッセージテキストM8が表示されている状態では、前々回のメッセージテキストM5−1と、前回のメッセージテキストM5−3と、今回のメッセージテキストM8とがメッセージテキスト群MG4になる。
【0087】
つまり、関連付け部204は、メッセージテキストM8が表示されている状態においてコメントを受け付けた場合、メッセージテキスト群MG4に当該コメントを関連付ける。コメント配信部203は、通信端末装置300bを利用してゲームが行われているときに、メッセージテキスト群MG4と同じ状態になった場合、メッセージテキスト群MG4に関連付けられているコメントをゲームが行われている通信端末装置300bに配信する。
【0088】
ノベルゲームのようなジャンルにおいては、メッセージテキスト群を解析することで、ゲームの状態を一意に特定することができる。メッセージテキスト群からゲームの状態を解析する構成とすることで、事前にゲームのストーリーに関する情報を有していなくても、適切なタイミングでコメントを配信することができる。
【0089】
また、状態解析部202は、コメント受付部201によりコメントを受け付けた時点におけるゲームの画像をゲームに関する状態として解析する構成でもよい。利用者は、視覚情報から大半の情報を得ている。つまり、利用者が考えるゲームの文脈の殆どは、通信端末装置300の表示部に表示されるゲームの画像から形成されるものと考えられる。また、ゲームの画面は、データ(文字、数値、数式など)に基づいて、レンダリング処理を行うことにより生成される。
【0090】
状態解析部202は、レンダリング処理の結果を利用することによりゲームの画像をデータに変換し、変換後のデータを解析することにより、ゲームの文脈を得ることが可能である。
【0091】
つぎに、コメント配信装置200の動作について、
図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0092】
ステップS1において、コメント受付部201は、ゲームが行われているときに、ユーザから送信されてきたコメントを受け付ける。
【0093】
ステップS2において、状態解析部202は、ステップS1の工程によりコメントを受け付けたときに、ゲームに関する状態を解析する。
【0094】
ステップS3において、関連付け部204は、ステップS2の工程により解析されたゲームに関する状態にステップS1の工程により受け付けたコメントを関連付けて、記憶部206に記憶する。
【0095】
ステップS4において、判断部205は、通信端末装置300を利用してゲームが行われているときに、記憶されているコメントに関連付けられているゲームに関する状態と、プレイされているゲームに関する状態と同じ状態になったか否かを判断する。
【0096】
ステップS5において、コメント配信部203は、ステップS4の工程によりゲームに関する状態と同じ状態になったと判断された場合、ステップS3の工程によってゲームに関する状態に関連付けられているコメントをゲームが行われている通信端末装置300に配信する。
【0097】
また、上述の実施形態において、コメント配信システム1は、ゲームサーバ装置100と、コメント配信装置200と、通信端末装置300とから構成されるものとして説明したが、当該構成に限られない。
【0098】
コメント配信システム2は、
図9に示すように、ゲームサーバ装置400と、通信端末装置300とから構成される。当該構成の場合には、ゲームサーバ装置400は、ゲームサービスを提供するゲームサーバ部401と、コメントを配信する配信部402とから構成される。ゲームサーバ部401は、上述したゲームサーバ装置100と同一の構成要素を有しており、ゲームサーバ装置100と同一の動作および機能を有する。配信部402は、上述したコメント配信装置200と同一の構成要素を有しており、コメント配信装置200と同一の動作および機能を有する。
【0099】
当該構成によれば、ゲームに関する状態は、配信部402の状態解析部によって解析しなくても、ゲームサーバ部401から取得することができるメリットがある。
【0100】
また、
図10は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータ500の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ500は、CPU501、主記憶装置502、補助記憶装置503、インタフェース504を備える。
【0101】
コメント配信装置200は、コンピュータ500に実装される。そして、コメント配信装置200の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置503に記憶されている。CPU501は、プログラムを補助記憶装置503から読み出して主記憶装置502に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU501は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置502に確保する。
【0102】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ500に、ゲームが行われているときに、ユーザから送信されてきたコメントを受け付ける第1ステップと、第1ステップによりコメントを受け付けたときに、ゲームに関する状態を解析する第2ステップと、当該ユーザまたは他のユーザによりゲームが行われているときに、ゲームに関する状態と同じ状態になった場合、第1ステップにより受け付けたコメントをゲームが行われている通信端末装置300に表示させる第3ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0103】
なお、補助記憶装置503は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース504を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークNを介してコンピュータ500に配信される場合、配信を受けたコンピュータ500が当該プログラムを主記憶装置502に展開し、上記処理を実行しても良い。
【0104】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置503に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)
であっても良い。
【0105】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【解決手段】ゲームが行われているときに、ユーザから送信されてきたコメントを受け付けるコメント受付部201と、コメント受付部201によりコメントを受け付けたときに、ゲームに関する状態を解析する状態解析部202と、当該ユーザまたは他のユーザによりゲームが行われているときに、ゲームに関する状態と同じ状態になった場合、コメント受付部201により受け付けたコメントをゲームが行われている通信端末装置300に配信するコメント配信部203とを備える。