(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
本実施形態では、レストランにおいて客の順番待ちを管理する場合を例に説明するが、本発明は、病院、銀行、役所、アミューズメント施設、ショッピングモール、デパート、映画館など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用可能である。
【0014】
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。
図1に示すように、順番管理システム1000は、管理センター等に設置された順番管理サーバ100と、各施設に設置された順番管理端末200と、施設利用者が所有するユーザ端末300を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200およびユーザ端末300と通信ネットワークNを介して接続されている。なお、
図1の例では、順番管理端末200とユーザ端末300をそれぞれ1つのみ図示しているが、実際には、複数の施設に設置されている順番管理端末200が順番管理サーバ100によって管理されている。さらに、1施設には複数の順番管理端末200が設置されていてもよい。また、多数のユーザ端末300が順番管理サーバ100にアクセスすることができる。
【0015】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200またはユーザ端末300を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0016】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース110と、プロセッサ(アクセスキー生成部)120と、を備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2、アクセスキー管理テーブルTA3を備えている。
【0017】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)が登録されている。例えば、「レストランA」のレコードは、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」が設定されている。これらの情報は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店舗のオーナーなど)によって設定される。なお、1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。
【0018】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。例えばレストランAについては、順番待ちリストの1レコードに、受付番号「1」、受付時刻「13:03」、人数「3」等の情報が含まれている。
【0019】
ステータスには、順番到来前の状態である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態である「呼出中」、順番が来た組を席に案内した状態である「案内完了」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0020】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。順番待ちリストの内容は、順番管理端末200やユーザ端末300から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0021】
アクセスキー管理テーブルTA3には、各施設の順番管理端末200(パーソナルコンピュータ)で開いている操作画面から、順番管理サーバ100にアクセスする際に用いられるアクセスキーの情報が登録されている。順番管理端末200で開いている操作画面から順番管理サーバ100にアクセスする際には、初回だけキー情報を空の状態にしてアクセスする。順番管理サーバ100は、キー情報が空の状態でアクセスを受けた際には、乱数でアクセスキーを発行し、アクセスキー管理テーブルTA3に当該施設のアカウントと紐づけて登録しておく。発行されたアクセスキーは順番管理端末200へ送信され、以後、当該操作画面から順番管理サーバ100にアクセスする際には、そのアクセスキーが用いられる。当該順番管理端末200で別の操作画面を開いて順番管理サーバ100にアクセスする場合には、再びアクセスキーを空にしてアクセスする。順番管理サーバ100は、別の操作画面からのアクセス(すなわち、キーが空のアクセス)を受信すると、新たなアクセスキーを発行し、順番管理端末200に送信すると共に、アクセスキー管理テーブルTA3の情報を新たなアクセスキーで上書きする。これにより、最初の操作画面に割り当てられたアクセスキーは無効となる。更新後のアクセスキーは後から開いた操作画面からのアクセスでのみ利用できる。なお、ここでの操作画面とは、例えば、ウェブブラウザにおいて同一セッションで複数開くことが可能なウェブページである。各ウェブページ(操作画面)はタブを用いて切り替えることができる。なお、アクセスキーは、上述のようにアカウントと紐づけて登録し、アカウントの単位で管理してもよいが、例えば、順番管理端末200の端末IDと紐づけて登録し、端末ID単位で管理してもよいし、セッションIDと紐づけて登録し、セッションID単位で管理してもよい。
【0022】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。
【0023】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と、順番管理端末200およびユーザ端末300との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0024】
順番管理端末200は、サービスを提供する各施設内に設置され、利用者による順番待ちの登録受付の他、施設の従業者(店員)による順番待ち状況の確認や更新操作を受け付ける。レストランAでは、例えば店の入口付近に設置される。
【0025】
順番管理端末200には、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0026】
図2は、順番管理端末200の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末200は、プロセッサ210と、入力装置215と、表示装置216と、通信インタフェース220と、記憶資源230とを備える。順番管理端末200は、利用者が直接タッチパネルなどの入力装置215を操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、来店者の他、従業者等が想定される。例えば、来店者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録をするための入力を行い、従業者等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、施設の管理者や店員などを従業者等と総称する。
【0027】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源230に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0028】
入力装置215は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル215aを備えている。
【0029】
表示装置216は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0030】
通信インタフェース220は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース220は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0031】
記憶資源230は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源230は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0032】
記憶資源230には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース220を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源230には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0033】
ユーザ端末300は、サービスの利用者が所有する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルデバイスなどの端末である。ユーザ端末300は、プロセッサ310、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置320、液晶ディスプレイなどの表示装置330、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース340、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源350を備えている。記憶資源350には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサが実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)が記憶されている。利用者は、ユーザ端末300にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介して、各施設への順番待ちを登録することができる。なお、ユーザ端末300の各要素のハードウェア構成は、順番管理端末200の対応する要素と同様であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0034】
次に、本実施形態における順番管理システム1000の動作について説明する。
順番管理システム1000の利用者としては、施設の利用者や従業者等が想定される。利用者は、施設に設置されている順番管理端末200を操作して、順番待ちを登録することができる。また、所有するユーザ端末300を用いて予約用のウェブサイトに接続し、順番待ちの登録を行うこともできる。
【0035】
(順番管理端末200から順番管理サーバ100へのアクセス制御)
図3は、各施設の順番管理端末200から順番管理サーバ100へアクセスする際の手順を示すシーケンス図である。ここでは、順番管理端末200としてパーソナルコンピュータ(PC)を用いる場合を例に説明する。
【0036】
まず、施設の従業員等が順番管理端末200を操作してウェブページ(操作画面)1を開き、施設毎(ここでは「レストランA」)に付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)を入力し、順番管理サーバ100へのログインを行う(ステップS11)。
【0037】
順番管理端末200は、ログイン操作が検知されると、順番管理サーバ100に、入力されたアカウント、セッションID、およびアクセスキー情報(ここでは、キー情報を空で送る。)を送信する(ステップS12)。
【0038】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200から受信したアカウントの認証を行い、ログイン処理を行う(ステップS13)。
【0039】
次に、順番管理サーバ100は、新規のアクセスキーを生成して順番管理端末200に送信する(ステップS14)。新規のアクセスキーは、例えば乱数を発行することにより作成する。順番管理サーバ100は、作成したアクセスキーを、施設のアカウントと紐づけてアクセスキー管理テーブルTA3に登録する。なお、アクセスキーは、アカウントの単位で登録してもよいが、順番管理端末200の端末IDと紐づけて端末ID単位で管理してもよいし、セッションIDと紐づけてセッションID単位で管理してもよい。
【0040】
順番管理端末200は、生成されたアクセスキーを受信する(ステップS15)。ウェブページ1から次回以降順番管理サーバ100にアクセスする際には、受信したアクセスキー(ウェブページ1に割り当てられたアクセスキー)を用いる(ステップS16)。具体的には、順番管理サーバ100へのアクセスの際に、施設のアカウント、セッションID、および順番管理サーバ100への問い合わせ内容に関する情報と併せて、割り当てられたアクセスキーを送信する。
【0041】
次に、従業員等が順番管理端末200で別のウェブページ2を開いて、順番管理サーバ100へのアクセスが発生する操作を行うと(ステップS17)、順番管理端末200は、順番管理サーバ100に、施設のアカウント、セッションID、および空のアクセスキー情報を送信する(ステップS18)。
【0042】
順番管理サーバ100は、アクセスキーが空の状態での問い合わせを受信すると、新たにアクセスキーを生成して順番管理端末200に送信する(ステップS19)。さらに、順番管理サーバ100は、アクセスキー管理テーブルTA3に施設のアカウントと紐づけて登録されているアクセスキーの情報を、新たに作成したアクセスキーに更新する(ステップS20)。
【0043】
ウェブページ2から次回以降順番管理サーバ100にアクセスする際には、受信した更新後のアクセスキーを用いる(ステップS21)。
【0044】
なお、タブを用いてウェブページ1からウェブページ2に切り替えた後は、ウェブページ1に割り当てられた更新前のアクセスキーは無効となるため、ウェブページ1から順番管理サーバ100へのアクセスはできなくなる。このため、利用者が再びウェブページ1から順番管理サーバ100にアクセスしようとすると、ウェブページ2を利用するように促される。具体的には、例えば順番管理端末200の画面上に、ウェブページ2を利用するよう指示する警告メッセージ等が表示される。
【0045】
このように、新たに開かれたウェブページ(操作画面)からのアクセスを受信するたびにアクセスキーを更新することで、1つの施設の順番管理端末200から同時に順番管理サーバ100にアクセスできるウェブページを1つに制限することができる。順番管理端末200からは、最新の情報を取得するため定期的(例えば10秒毎)に自動で順番管理サーバ100に問い合わせを行う。したがって、複数のウェブページを開いている場合、全てのウェブページからの問い合わせが行われると、通信ネットワークNと順番管理サーバ100の負荷が非常に高くなってしまうが。しかし、本実施形態によれば、順番管理サーバ100に問い合わせを行うウェブページは、その時点でアクセスキーを与えられているウェブページに限られるため、順番管理サーバ100の負荷が高くなることを防止することができる。
【0046】
(順番待ちリストへの順番待ち登録)
次に、順番管理システム1000における順番待ちの登録受付処理の流れを
図4のフローチャートを用いて簡単に説明する。順番待ちの登録は、レストランAに来店した利用者やレストランAの従業者が、順番管理端末200を操作して行う。
【0047】
順番管理端末200は通信インタフェース220を介して、順番管理サーバ100からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS31)。
【0048】
次に、順番管理端末200は、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置216に表示させる(ステップS32)。受付画面には、例えば、順番待ちリストの情報(順番待ちをしている者の受付番号と現在のステータス情報)が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。さらに、現在順番待ちをしている待ち組数や、待ち時間の目安なども表示される。
【0049】
表示された受付画面に対して利用者が所定の操作入力を行い、順番待ちの受付に必要な情報(人数、席の希望等)の入力が完了すると(ステップS33:YES)、順番管理端末200は受付完了画面を表示する(ステップS34)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、現時点での待ち時間等が表示される。また、順番券を受け取るよう促すメッセージが表示され、利用者は、順番管理端末200に接続されたプリンタ(図示せず)から印刷される順番券を受け取ることができる。
【0050】
順番券には、例えば二次元コードが印刷されている。利用者は、自身のユーザ端末300を利用して順番券に印刷された二次元コードを読み取る。二次元コードを読み取ることで、ユーザ端末300の表示装置330には現在の順番待ち状況(現状の待ち組数や待ち時間など)が表示される。また、自身の順番が近づくと、呼出のためのリマインドメールが届くようにしてもよい。例えば、利用者が、二次元コードを読み込んだときに表示される案内にしたがってメールアドレスを入力することにより、リマインドメールを受信することができるようにしてもよい。
【0051】
確定した新規登録情報は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100に送信される(ステップS35)。順番管理サーバ100は、ある施設(ここでは、レストランA)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS36)。
【0052】
なお、上記の例では、利用者は順番管理端末200を用いて順番待ちの登録を行っているが、自身の所有するユーザ端末300を用いてウェブサイト経由で順番待ちの登録をすることもできる。この場合には、利用者は、まずユーザ端末300を操作して順番管理システム1000のウェブサイトにアクセスし、表示装置330に順番待ちの登録を行う店舗(レストランA)のウェブサイト用受付画面を表示させる。その後は、順番管理端末200を用いて登録する場合と同様の手順で行うことができる。
【0053】
(順番待ちリストの更新)
各施設の順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者等が順番管理端末200を用いて「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」等の操作を行った際に更新される。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た組を口頭で呼出したり、電話やメールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た組を実際に席に案内した状態であることを意味する。
【0054】
従業者等は、順番管理端末200を操作し、表示装置216に
図5に例示するようなステータス管理画面を表示させる。このステータス管理画面は、例えば1つのウェブページで構成される。
図5に示すように、ステータス管理画面には、順番待ちリストに登録されている順番待ち組のステータス情報が受付をした順番に表示される。具体的には、順番待ち組の「受付番号」、「人数」、「ステータス」等が表示される。
【0055】
従業者等が、ステータス管理画面に表示された順番待ちリストの中から、順番待ち状況の更新対象を特定し、その順番待ち組(例えば受付番号「1」)の行をスワイプすると(ステップS22)、指定した順番待ち組に対して「呼出」、「案内」、「取消」、「変更」のいずれかの操作を行うための操作ボタンが表示される。
【0056】
従業者等は、所望の操作ボタン(例えば「案内」)をタップすることで、ステータスの更新操作を行う。かかる操作がなされると、ステータスの更新指示をあらわすステータスの更新情報が、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100にアップロードされる。ステータスの更新情報には、更新対象のレコードを特定する情報と(例えば受付番号「1」)、更新操作内容(例えば「案内」)が含まれる。また、ステータスの更新情報と共に、レストランAのアカウント、セッションID、および現在操作を行っているウェブページに割り当てられたアクセスキー情報が順番管理サーバ100に送信される。なお、現在操作を行っているウェブページから順番管理サーバ100へのアクセスが初回の場合には、アクセスキーは空の状態で送信する。また、以前割り当てられたアクセスキーが無効になっている(他のウェブページが有効になっている)場合には、画面上に他のページを利用するよう促す警告メッセージ等が表示される。
【0057】
順番管理サーバ100は、受信したステータスの更新情報に基づき、当該施設の順番待ちリストを更新する。例えば、受付番号「1」に対して「案内」操作を行った場合には、受付番号「1」の順番待ち組のステータスが「案内済」に更新される。なお、順番管理端末200から受信したアクセスキーが空の状態の場合には、新たなアクセスキーを発行する。
【0058】
(施設内の複数の順番管理端末間での同期)
本実施形態では1施設で1台の順番管理端末200を利用する場合を想定しているが、上述したように、1施設で複数の順番管理端末200を利用してもよい。1施設で複数台の順番管理端末を利用する場合には、各順番管理端末間でデータが共有される。
図6は、3台の順番管理端末200A〜200Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。たとえば、ある施設(ここではレストランA)において順番管理端末200Aが操作されると(C1)、その操作内容(ここでは、ステータスの更新情報を想定)は順番管理サーバ100にアップロードされる(C2)。順番管理サーバ100は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2に登録されている施設のステータス情報を更新する(C3)。当該施設で利用されている順番管理端末200A以外の端末、すなわち順番管理端末200B及び200Cは、施設ごとに固有のアカウントをキーとして、ステータス管理テーブルTA2に登録されているステータス情報の問い合わせを行う(C4)。順番管理サーバ100は、順番管理端末200B及び200Cに対してアップデートされた最新のステータス情報を送信し(C5)、処理を終了する。これにより、当該施設で利用されている全ての順番管理端末200A〜200Cで、アップデートされた最新のステータス情報が共有される。
【0059】
この結果、最新の情報が、常に同期した状態で各順番管理端末200に反映され、これにより、1施設で複数台の順番管理端末200を利用する場合であっても、順番待ちの更新情報が一部の順番管理端末200において反映されない等の不具合を生ずることなく、最適な順番待ち管理を行うことが可能となる。
【0060】
なお、上述のように、1台の順番管理端末200で同時に順番管理サーバ100にアクセスできるウェブページは1つに制限されるため、1台の順番管理端末200でウェブページが複数開いていても、上記のデータ共有のためのステータス情報の問い合わせを行うことができるのは、アクセスキーを付与されている1つのウェブページだけとなる。
【0061】
なお、本実施形態では、1つの施設で一度に利用できるアクセスキーは1つに制限されるが、制限する数を複数(例えば2つ)にしてもよい。この場合には、順番管理サーバ100は、施設のアカウントと紐づけて2つまでのアクセスキーを登録し、さらに新たなウェブページからのアクセス(空のアクセスキーでのアクセス)を受信した場合には、登録されているアクセスキーのうちのいずれか(例えば最も古いもの)を無効にして新たに生成したアクセスキーを登録するようにしてもよい。
【0062】
(施設毎の順番管理サーバ100へのアクセス数の制限)
上述したように、1施設では複数の順番管理端末200を利用することができるが、順番管理サーバ100に同時にアクセスできる端末の数を施設毎に制限するようにしてもよい。順番管理端末200には、主にタブレット端末や、パーソナルコンピュータなどが含まれる。例えばタブレット端末については端末ID(UDID)で、パーソナルコンピュータについてはセッションIDで各端末を識別できる。したがって、順番管理サーバ100は、端末IDとセッションIDを利用して、1施設から同時にアクセスしている端末の数をカウントすることができる。さらに、本実施形態によれば、1台のパーソナルコンピュータから順番管理サーバ100へアクセスできるウェブページは有効なアクセスキーの数によって制限できる。したがって、順番管理サーバ100は、端末ID、セッションID、およびアクセスキーを利用して、1つの施設からのトータルのアクセス数を制限するようにしてもよい。
【0063】
以上のように、本実施形態によれば、順番管理端末200上で開かれている操作画面(ウェブページ)から順番管理サーバ100にアクセスする際には、操作画面毎に割り当てられるアクセスキーを用いるようにした。さらに、一度に使用できるアクセスキーの数を施設毎に制限するようにしたので、各施設側から順番管理サーバ100への問い合わせ元の数を制限し、サーバの負荷を低減することができる。
【0064】
また、アクセスキーの割り当ては、順番管理端末200の新たな操作画面からアクセスがある度に生成し、過去に割り当てたアクセスキーと置き換えていくようにしたので、順番管理端末200からの実際のアクセス状況に応じて効率よくアクセスキーを割り当てることができる。
【0065】
また、順番管理サーバ100は、1つの施設から同時に順番管理サーバ100に問い合わせできる問い合わせ元の数を、端末ID、セッションID、および有効なアクセスキーの数の合計で制限するようにしたので、端末の種類に関わらず問い合わせ元の数を正確に管理することができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【解決手段】施設における利用者の順番待ちを管理する順番管理システムであって、施設における順番待ちの登録操作と、登録された順番待ちのステータス情報の参照および更新操作を受け付ける順番管理端末と、順番管理端末を介して登録された順番待ちのステータス情報を施設毎に管理する順番管理サーバと、を備え、順番管理端末は、順番管理サーバに問い合わせを行うための操作画面を、1つのセッションで複数開くことが可能であり、順番管理サーバは、順番管理端末が順番管理サーバに問い合わせを行う際に用いるアクセスキーを生成するアクセスキー生成部を備え、アクセスキーは、操作画面毎に割り当てられ、施設毎に同時に使用可能なアクセスキーの数は一定数に制限されている。