特許第6154537号(P6154537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154537
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】推力偏向装置
(51)【国際特許分類】
   F42B 10/66 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   F42B10/66
【請求項の数】12
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-504102(P2016-504102)
(86)(22)【出願日】2015年2月17日
(86)【国際出願番号】JP2015054239
(87)【国際公開番号】WO2015125766
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2016年4月15日
(31)【優先権主張番号】特願2014-29641(P2014-29641)
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】森脇 敦
(72)【発明者】
【氏名】田尻 慎介
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 史典
(72)【発明者】
【氏名】日向 大輔
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許発明第03738107(DE,C1)
【文献】 米国特許第03150486(US,A)
【文献】 米国特許第03986683(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 10/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するシュラウドと、
前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、
前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、
前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、
を備え、
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられている推力偏向装置。
【請求項2】
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材が平板状であり、
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面が平行である請求項1に記載の推力偏向装置。
【請求項3】
前記圧力変更部が、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面から垂直方向に突出した凸部である請求項1または2に記載の推力偏向装置。
【請求項4】
前記圧力変更部が、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面に設けられた凹部である請求項1または2に記載の推力偏向装置。
【請求項5】
記噴射方向偏向部材の面に設けられた圧力変更部の少なくとも1つが、前記シュラウドの一面に設けられた全ての圧力変更部よりも前記ノズルの近くに配置されている請求項1から4の何れか一項に記載の推力偏向装置。
【請求項6】
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材と、前記圧力変更部との間の間隙が、前記ノズルの中心軸から外側に向かうにつれて順次小さくなる請求項1から5の何れか一項に記載の推力偏向装置。
【請求項7】
前記圧力変更部が前記回転駆動軸を取り囲むように設けられている請求項1から6の何れか一項に記載の推力偏向装置。
【請求項8】
開口部を有するシュラウドと、
前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、
前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、
前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、
を備え、
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面のうち少なくともいずれか一方の面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられ、
前記圧力変更部が前記噴射方向偏向部材の面から突出した凸部であり、
非偏向動作状態における前記噴射方向偏向部材が、前記ノズルの中心軸と前記回転駆動軸の回転軸とを含む平面に直交して配置されたとき、前記凸部の前記ノズルの中心軸側を向く面における前記噴射方向偏向部材の表面からの長さが、前記凸部の前記中心軸側を向く面とは反対側を向く面における前記噴射方向偏向部材の表面からの長さより短い推力偏向装置。
【請求項9】
開口部を有するシュラウドと、
前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、
前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、
前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、
を備え、
前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面のうち少なくともいずれか一方の面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられ、
前記シュラウドの一面は、
前記開口部が形成された径方向内側面と、
前記回転駆動軸が貫通するとともに前記径方向内側面よりも前記噴射方向偏向部材から離間した位置に設けられた径方向外側面と、
を有し、
前記圧力変更部は、前記径方向内側面と前記径方向外側面とを接続するとともに、これら径方向内側面と径方向外側面との間に前記回転駆動軸の延びる方向に沿う段差面を形成する前記シュラウドにおける段差部である推力偏向装置。
【請求項10】
前記圧力変更部が、前記噴射方向偏向部材の対向する面から垂直方向に突出した凸部であり、
前記ノズルは、前記シュラウドから突出する突出部を有し、
前記突出部における前記ノズルの径方向外側を向く面、及び、前記凸部のうちの少なくとも一方から他方に向かって突出するリブ部をさらに備える請求項1から9の何れか一項に記載の推力偏向装置。
【請求項11】
前記回転駆動軸は、前記噴射方向偏向部材が前記ノズルの内部に配置された状態で、前記回転駆動軸の中心軸と、前記噴射方向偏向部材における前記ノズルの周方向に沿う幅方向の中心線とが交わらない位置に配置されている請求項1から10の何れか一項に記載の推力偏向装置。
【請求項12】
前記噴射方向偏向部材は、
前記回転駆動軸が設けられた基端部と、
前記基端部から屈曲又は湾曲して延びる先端部と、
を有する請求項11に記載の推力偏向装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛しょう体の飛しょう中の制御を行う推力偏向装置に関する。
本願は、2014年2月19日に出願された特願2014−029641号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
飛しょう体には、飛しょう体の姿勢制御及び飛行方向の制御を行うために、推進エンジンから噴射される高温ガスの噴射方向を制御して推力の方向を変え、制御に必要な運動を飛しょう体に発生させる推力偏向装置が設けられる。
【0003】
そのような推力偏向装置の一例として、高温ガスを噴射するノズルの出口近傍に高温ガスの噴射を妨げるジェットタブ偏向体と呼ばれる部材を配置した推力偏向装置を図14から16に示す。図14は従来の推力偏向装置の斜視図、図15は飛しょう体の開口端に配置された推力偏向装置の平面図、図16図15のKK線における推力偏向装置の断面図を概略的に示している。
【0004】
図14から図16に示すように、推力偏向装置は、円筒形のシュラウド7、前記シュラウド7の内部に前記シュラウド7と同心軸を有して設けられて高温ガスを噴射する円筒状のノズル4、前記シュラウド7の一面を構成して前記ノズル4を取り囲む平板状のフランジ3、前記ノズル4と前記シュラウド7との間において前記フランジ3を貫通して設けられた円柱状の回転駆動軸71〜74、前記フランジ3に対向するように前記回転駆動軸71〜74に取り付けられた平板状のジェットタブ偏向体11〜14を有している。
【0005】
前記ジェットタブ偏向体11〜14は、前記回転駆動軸71〜74によって回転し、その先端を前記ノズル4の上方に移動させることが可能である。図15では前記ジェットタブ偏向体13が前記ノズル4の上方に移動された状態が図示されている。このように前記ジェットタブ偏向体11〜14が前記ノズル4の上方に移動されると、前記ノズル4から噴射される高温ガスが前記ジェットタブ偏向体に衝突し、その噴射方向が変化する。所望の噴射方向に応じて前記ジェットタブ偏向体の移動量を制御すると、飛しょう体に作用する推力の方向を変化させ、飛しょう体の姿勢制御及び飛行方向の制御を実現する(例えば、特許文献1)。
【0006】
しかしながら、このように構成されたジェットタブ偏向体を有する推力偏向装置において、推力偏向のために前記ジェットタブ偏向体を前記ノズル上に移動させると、前記ジェットタブ偏向体は2000℃にも達しうる極めて高温のガスにさらされることとなる。図16に示すように、前記ジェットタブ偏向体13に衝突した高温ガスは矢印51で示すように、高温を保ったまま前記ジェットタブ偏向体13と前記フランジ3との間の間隙に侵入し、前記回転駆動軸73まで到達する。そのため、前記回転駆動軸73が高温ガスにより高温に加熱され、前記回転駆動軸73を回転させて前記ジェットタブ偏向体13を制御するための軸受けや駆動部が損傷するという課題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4274610号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明では、推力偏向時に高温ガス流がジェットタブ偏向体とフランジとの間を通って回転駆動軸に達することによって回転駆動軸の軸受けや駆動部を損傷させることを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る推力偏向装置は、開口部を有するシュラウドと、前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、を備え、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられている。
【0010】
このように構成された推力偏向装置は、回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部によってシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間に異なる間隔の間隙が形成され、断面積が急激に縮小された部分及び急激に拡大された部分が形成される。そのため、断面積が急激に拡大された部分にガスが流入する際に圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなる。それによって、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に高温ガスが侵入することが抑制される。従って、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に侵入した高温ガスによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制する。
【0011】
また本発明の第二の態様に係る推力偏向装置では、上記第一の態様における前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材が平板状であり、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面が平行であってもよい。
【0012】
このように構成された推力偏向装置は、圧力変更部によって前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する平行な面の間の間隔に異なる間隔の間隙が形成され、断面積が急拡大する部分によって圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなる。それによって、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に高温ガスが侵入することが抑制される。従って、高温ガスによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制する。
【0013】
また本発明の第三の態様に係る推力偏向装置では、上記第一または第二の態様における前記圧力変更部が、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面から垂直方向に突出した凸部であってもよい。
【0014】
このように構成された推力偏向装置は、垂直方向に突出した凸部である圧力変更部によってシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間に異なる間隔の間隙が形成され、断面積が急拡大する部分によって圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなる。それによって、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に高温ガスが侵入することが抑制される。従って、高温ガスによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制する。また、突出した凸部により、噴射方向偏向部材に衝突した高温ガスが直線的に回転駆動軸に向かうことが回避される。
【0015】
また本発明の第四の態様に係る推力偏向装置では、上記第一または第二の態様における前記圧力変更部が、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の対向する面に設けられた凹部であってもよい。
【0016】
このように構成された推力偏向装置は、凹部である圧力変更部によってシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間に異なる間隔の間隙が形成され、断面積が急拡大する部分によって圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなる。それによって、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に高温ガスが侵入することが抑制される。従って、高温ガスによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制する。また、追加的な部材を必要とせず、既存のシュラウドの一面及び噴射方向偏向部材に凹部を設けるため、推力偏向装置の軽量化が図られる。
【0017】
また本発明の第五の態様に係る推力偏向装置では、上記第一から第四のいずれかの態様における前記噴射方向偏向部材の面に設けられた圧力変更部が、前記シュラウドの一面に設けられた圧力変更部よりも前記ノズルの近くに配置されてもよい。
【0018】
このように構成された推力偏向装置は、まずノズルの近くへ配置された噴射方向偏向部材の面に設けられた圧力変更部によって、噴射方向偏向部材の表面に沿って流れる高温ガスが回転駆動軸に直接到達することを抑制し、次いでシュラウドの一面に設けられた圧力変更部によって、噴射方向偏向部材の面に設けられた圧力変更部の外側を回り込む高温ガスに対して大きな流路抵抗を発生させる。
【0019】
また本発明の第六の態様に係る推力偏向装置では、上記第一から第五のいずれかの態様における前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材と、前記圧力変更部との間の間隙が、前記ノズルの中心軸から外側に向かうにつれて順次小さくなってもよい。
【0020】
このように構成された推力偏向装置は、最もノズルに近く最も高温となる圧力変更部によって形成される間隙の間隔が大きいので、圧力変更部が熱膨張した際における各圧力変更部と噴射方向偏向部材またはシュラウドの一面との間隔を極めて小さい一定のものにすることができる。
【0021】
また本発明の第七の態様に係る推力偏向装置では、上記第一から第六のいずれかの態様における前記圧力変更部が前記回転駆動軸を取り囲むように設けられてもよい。
【0022】
このように構成された推力偏向装置は、高温ガスが回転駆動軸へ到達することをより効果的に抑制することができるとともに、圧力変更部を小型化し、推力偏向装置の軽量化が図られる。
【0023】
また本発明の第八の態様に係る推力偏向装置では、上記第一または第二の態様における開口部を有するシュラウドと、前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、を備え、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面のうち少なくともいずれか一方の面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられ、前記圧力変更部が前記噴射方向偏向部材の面から突出した凸部であり、非偏向動作状態における前記噴射方向偏向部材が、前記ノズルの中心軸と前記回転駆動軸の回転軸とを含む平面に直交して配置されたとき、前記凸部の前記ノズルの中心軸側を向く面における前記噴射方向偏向部材の表面からの長さが、前記凸部の前記中心軸側を向く面とは反対側を向く面における前記噴射方向偏向部材の表面からの長さより短くともよい。
【0024】
このように構成された推力偏向装置は、圧力変更部が不均一に加熱されて熱膨張する場合であっても、熱膨張した圧力変更部と噴射方向偏向部材またはシュラウドの一面との間隔を極めて小さい一定のものにすることができる。
【0025】
また本発明の第九の態様に係る推力偏向装置では、上記第一の態様における開口部を有するシュラウドと、前記シュラウドの内部に配置されて前記シュラウドの開口部を介してガスを噴射するノズルと、前記シュラウドの一面を貫通して前記シュラウドの中心軸と平行に配置された回転駆動軸と、前記シュラウドの外側に位置する前記回転駆動軸の一部に設けられて前記シュラウドの一面に対向する噴射方向偏向部材と、を備え、前記シュラウドの一面及び前記噴射方向偏向部材の前記シュラウドの一面に対向する面のうち少なくともいずれか一方の面に前記回転駆動軸へ向かうガスの流れに対向して配置された圧力変更部が設けられ、前記シュラウドの一面は、前記開口部が形成された径方向内側面と、前記回転駆動軸が貫通するとともに前記径方向内側面よりも前記噴射方向偏向部材から離間した位置に設けられた径方向外側面と、を有し、前記圧力変更部は、前記径方向内側面と前記径方向外側面とを接続するとともに、これら径方向内側面と径方向外側面との間に前記回転駆動軸の延びる方向に沿う段差面を形成する前記シュラウドにおける段差部であってもよい。
【0026】
ノズルから噴出したガスがシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間を通過する際には、まず、噴射方向偏向部材により近い側の径方向内側面に沿って流通する。ここで、圧力変更部としての段差部が形成されていることで、径方向外側面の位置ではガスの流路の断面積が急拡大し、圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなって回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制することができる。さらに、径方向内側面に沿って流通するガスは、そのまま、ノズルの径方向外側に向かって流通するため、径方向外側面から離れた位置でガスが流通する。従って、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部から離れた位置をガスが流通し、これら軸受けや駆動部の損傷を抑制することが可能である。
【0027】
また本発明の第十の態様に係る推力偏向装置では、上記第一から第九のいずれかの態様における前記圧力変更部が、前記噴射方向偏向部材の対向する面から垂直方向に突出した凸部であり、前記ノズルは、前記シュラウドから突出する突出部を有し、前記突出部における前記ノズルの径方向外側を向く面、及び、前記凸部のうちの少なくとも一方から他方に向かって突出するリブ部をさらに備えていてもよい。
【0028】
このようにリブ部を設けることで、圧力変更部とノズルとの間の隙間をさらに小さくすることができるとともにガスの流れ方向を変えることができる。このため、圧力損失が増大して、ガスがシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間を通過しにくくなる。従って、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部のガスによる損傷を抑制することが可能である。
【0029】
また本発明の第十一の態様に係る推力偏向装置では、上記第一から第十のいずれかの態様における前記回転駆動軸は、前記噴射方向偏向部材が前記ノズルの内部に配置された状態で、前記回転駆動軸の中心軸と、前記噴射方向偏向部材における前記ノズルの周方向に沿う幅方向の中心線とが交わらない位置に配置されていてもよい。
【0030】
噴射方向偏向部材におけるシュラウドの一面に対向する面に沿って流通するガスは、噴射方向偏向部材の中心線の延びる方向に沿って流通する。従って、回転駆動軸の中心軸が噴射方向偏向部材の中心線から位置ズレした状態となるように回転駆動軸を設けることで、ガスが回転駆動軸に向かって流通してしまうことを抑制できる。この結果、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部のガスによる損傷を抑制することが可能である。
【0031】
また本発明の第十二の態様に係る推力偏向装置では、上記第十一の態様における前記噴射方向偏向部材は、前記回転駆動軸が設けられた基端部と、前記基端部から屈曲又は湾曲して延びる先端部と、を有していてもよい。
【0032】
噴射方向偏向部材におけるシュラウドの一面に対向する面に沿って流通するガスは、先端部の延びる方向に沿って流通する。先端部は基端部に対して屈曲又は湾曲して設けられているため、基端部は先端部の延びる方向とは異なる方向に延びている。従って、基端部に設けられた回転駆動軸に向かってガスが流通することを抑制することができ、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部のガスによる損傷を抑制することが可能である。
【発明の効果】
【0035】
上記の推力偏向装置では、圧力変更部によってシュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間に異なる間隔の間隙が形成され、断面積が急激に縮小された部分及び急激に拡大された部分が形成される。そのため、断面積が急激に拡大された部分にガスが流入する際に圧力損失が発生し、流路抵抗が大きくなる。それによって、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隙に高温ガスが侵入することが抑制される。従って、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隔に侵入した高温ガスが回転駆動軸に到達することによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】本発明の推力偏向装置の第1参考例を示す簡略化された平面図である。
図1B】本発明の推力偏向装置の第1参考例を示す簡略化された断面図である。
図2A】本発明の推力偏向装置の第2参考例を示す簡略化された平面図である。
図2B】本発明の推力偏向装置の第2参考例を示す簡略化された断面図である。
図3A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図3B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図4A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図4B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図5A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図5B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図6A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図6B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図7A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図7B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図8A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図8B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図9A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図である。
図9B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図である。
図10A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図であ る。
図10B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図であ る。
図11】本発明の推力偏向装置の第実施形態の変形例を示す簡略化された断面 図である。
図12A】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された平面図であ る。
図12B】本発明の推力偏向装置の第実施形態を示す簡略化された断面図であ る。
図13】本発明の推力偏向装置の第実施形態の変形例を示す簡略化された平面 図である。
図14】従来の推力偏向装置を示す斜視図である。
図15】従来の推力偏向装置を示す平面図である。
図16】従来の推力偏向装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して詳細に説明する。なお、添付した図面において同一の構成要素には同一の符号を付す。
【0038】
(第1参考例
図1Aは、本発明の第1参考例の推力偏向装置101を示す概略平面図であり、図1B図1Aに示された推力偏向装置101のAA線に沿った概略断面図である。
【0039】
本発明の第1参考例の推力偏向装置101は、図示しない飛しょう体の後端に取り付けられる。この推力偏向装置101は、円筒状のシュラウド102と、このシュラウド102の中心軸S104に中心軸が一致するように配置された円筒状のノズル104と、前記シュラウド102の一面を構成してノズル104を取り囲む平板状のフランジ103と、前記ノズル104と前記シュラウド102との間に前記フランジ103を貫通して前記シュラウド102の中心軸に対して平行に設けられた複数の円柱状の回転駆動軸140と、前記フランジ103に対して所定の間隔で対向するように前記回転駆動軸140のそれぞれに取り付けられて前記回転駆動軸140の中心軸S140を中心に回転することが可能な平板状のジェットタブ偏向体130〜133と、を備えている。ジェットタブ偏向体130〜133におけるシュラウド102の一面に対向する面は、シュラウド102の一面と平行となっている。4つの回転駆動軸140は、ノズル104の中心軸S104を通る互いに直交する2つの線上で、ノズル104の周方向に等距離に配置されている。それぞれの回転駆動軸140は、独立的に制御可能である。また、前記ジェットタブ偏向体130に対向する前記フランジ103の面には、前記フランジ103から突出するように圧力変更部110が設けられている。前記圧力変更部110と前記ジェットタブ偏向体130との間の間隙は、前記圧力変更部110が設けられていない前記フランジ103と前記ジェットタブ偏向体130との間の間隙よりも狭い間隔を有している。
【0040】
この推力偏向装置101が取り付けられた飛しょう体の飛しょう時には、前記ノズル104は矢印150に示すように高温ガスを噴射し、推力を発生させる。前記ジェットタブ偏向体130の1つを前記回転駆動軸140の中心軸S140を中心として回転させ、その先端を前記ノズル104の上方に移動させると、前記ノズル104から噴射される高温ガスの一部が前記ジェットタブ偏向体130のうち前記ノズル104の上方に移動した部分に衝突する。前記ジェットタブ偏向体130は前記回転駆動軸140の中心軸S140を中心として所望の回転角度に回転させることが可能である。そのため、前記ジェットタブ偏向体130の先端の前記ノズル104の上方への移動量を制御し、高温ガスの前記ジェットタブ偏向体130への衝突量を変更する。前記ジェットタブ偏向体130へ衝突した高温ガスはその噴射方向が変化するため、前記ジェットタブ偏向体130の先端の前記ノズル104の上方への移動量を制御することにより、高温ガスの噴射方向を所定量だけ偏向し、前記推力偏向装置101が取り付けられた飛しょう体の姿勢や飛行方向を制御する。
【0041】
前記ジェットタブ偏向体130に衝突した高温ガスのうち一部のガスは、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙に侵入する。侵入した高温ガスは、矢印151で示すように、前記ジェットタブ偏向体130に沿って前記ノズル104から離れる方向に前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙内を流れる。
【0042】
前記フランジ103の面には凸形状の断面形状を有する圧力変更部110が設けられている。そのため、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される流路は、断面積が急激に変化する部分を有する。具体的には、高温ガスが通過する前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙は、まず前記圧力変更部110が設けられていない断面積の広い部分を有する。次いで前記圧力変更部110によって間隙の断面積が急激に減少する。さらに前記圧力変更部110が設けられていない部分において間隙の断面積が急激に拡大する。
【0043】
流路の断面積の急激な拡大は圧力損失を発生させ、そのため流路抵抗が大きくなる。本発明の第1参考例においては、対向して配置された前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される間隙は、前記圧力変更部110が設けられた部分で急激に断面積が減少し、次いで前記圧力変更部110が設けられていない部分で急激に断面積が拡大する。このため、圧力損失による流路抵抗が大きくなる。前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される間隙内を、前記ジェットタブ偏向体130に沿って前記ノズル104から離れる方向に流れる高温ガスは、この断面積が急拡大する部分の大きな流路抵抗を受ける。そのため、高温ガスが前記回転駆動軸140まで到達することを抑制し、その結果、前記回転駆動軸140及び前記回転駆動軸140を駆動するための図示されない軸受けや駆動部の温度上昇による損傷を抑制する。
【0044】
前記圧力変更部110は、前記フランジ103と一体に形成されてもよく、または別の部材を取り付けて前記圧力変更部110とするものであってもよい。
【0045】
図1Aには、前記ノズル104に向かって凸である円弧状の平面形状を有し、両端が前記フランジ103の外縁まで延設されている前記圧力変更部110が示されている。しかしながら、前記圧力変更部110の形状はこれに限定されず、例えば直線状の平面形状や前記ノズル104に向かって凹である円弧状の平面形状であってもよい。また折れ線状やその他の曲線状であってもよい。さらに、図1Aには、両端が前記フランジ103の外縁まで延設された前記圧力変更部110が示されているが、両端が前記フランジ103の外縁まで延設されていなくともよい。この場合、前記圧力変更部110が小型化されるため、装置の軽量化を実現することができる。しかしながら、高温ガスが前記回転駆動軸140に到達することを確実に抑制するために、少なくとも、前記ジェットタブ偏向体130の回転可動範囲に渡って前記圧力変更部110が延設されていることが望ましい。また図1Bには前記圧力変更部110が高さよりも厚さが小さい平板状として図示されているが、前記圧力変更部110の断面形状を、厚さが比較的大きいブロック状としてもよい。圧力変更部110が平板状の場合、装置の軽量化を実現することができる。圧力変更部110がブロック状である場合、高温ガスの衝突に耐えうる剛性を有するという利点がある。
【0046】
前記ノズル104、前記フランジ103、前記ジェットタブ偏向体130及び前記圧力変更部110は、2000℃にも達しうる高温ガスの衝突に耐えうる耐熱性及び強度を有する材料からなることが好ましい。
【0047】
(第2参考例
図2Aは、本発明の第2参考例の推力偏向装置201を示す概略平面図であり、図2B図2Aに示された推力偏向装置201のBB線に沿った概略断面図である。
【0048】
第2参考例においては、前記第1参考例でフランジ103の上側に設けられていた圧力変更部110に代えて、ジェットタブ偏向体130上に圧力変更部120が設けられていることを特徴とする。
【0049】
この圧力変更部120は、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙に断面積が急激に減少する部分及び急激に拡大する部分を形成するため、第1参考例における前記圧力変更部110と同様に、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙を流れるガスに対して、断面積が急激に拡大する部分の圧力損失により大きな流路抵抗を発生させる。
【0050】
推力偏向のために前記ジェットタブ偏向体130の先端を前記ノズル104の上方に移動させると、高温ガスは前記ジェットタブ偏向体130の表面に沿って前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙に侵入する。従って前記ジェットタブ偏向体130に設けた前記圧力変更部120は、前記ジェットタブ偏向体130の表面に沿って侵入する高温ガスに対してより大きな流路抵抗を発生し、高温ガスが前記回転駆動軸140に直接到達することを抑制する。
【0051】
前記圧力変更部120は、前記ジェットタブ偏向体130と一体に形成されてもよく、または別の部材を取り付けて前記圧力変更部120とするものであってもよい。
【0052】
図2Aには、前記ノズル104に向かって凸である円弧状の平面形状を有する前記圧力変更部120が示されている。しかしながら、前記圧力変更部120の形状はこれに限定されず、例えば直線状の平面形状や前記ノズル104に向かって凹である円弧状の平面形状であってもよい。また折れ線状やその他の曲線状であってもよい。さらに、図2Aには、両端が前記ジェットタブ偏向体130の外縁まで延設された前記圧力変更部110が示されているが、両端が前記ジェットタブ偏向体130の外縁まで延設されていなくともよい。
【0053】
(第実施形態)
図3Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置301を示す概略平面図であり、図3B図3Aに示された推力偏向装置301のCC線に沿った概略断面図である。
【0054】
実施形態の推力偏向装置301は、フランジ103上に圧力変更部110が設けられると共に、ジェットタブ偏向体130上にも圧力変更部120が設けられていることを特徴とする。
【0055】
前記圧力変更部110、120は、第1参考例及び第2参考例における圧力変更部110、120と同様に、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙において、断面積が急激に減少する部分及び急激に拡大する部分を形成し、断面積が急拡大する部分における圧力損失による大きな流路抵抗を発生させる。
【0056】
実施形態における前記圧力変更部110、120は、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙に、複数の断面積が急激に拡大する部分を形成する。さらに、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙の形状が複数の屈曲部を有するクランク状となる。そのため、単一の圧力変更部110または120を設けた第1または第2参考例の推力偏向装置よりも大きな流路抵抗を発生させ、より確実に高温ガスの前記回転駆動軸140への到達を妨げることが可能となる。
【0057】
さらに、このように構成された第実施形態の前記推力偏向装置301における圧力変更部120は、前記ジェットタブ偏向体130の表面に沿って侵入する高温ガスが前記回転駆動軸140まで直接到達することを抑制する。前記圧力変更部110は、前記ジェットタブ偏向体130及び前記圧力変更部120の幅(延在方向の寸法)よりも広い幅を有することが可能であるため、前記圧力変更部120の外側を回り込んだ高温ガスを抑制する。そのため、前記圧力変更部120は前記圧力変更部110よりも前記ノズル104に近い部分に位置させるとよいが、前記圧力変更部110を前記圧力変更部120よりも前記ノズル104に近い部分に位置させることもできる。また、前記圧力変更部110、120は、前記ジェットタブ偏向体130が回転したときに前記圧力変更部120の回転軌跡が前記圧力変更部110と交差しない位置に配置されている。
【0058】
(第実施形態)
図4Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置401を示す概略平面図であり、図4B図4Aに示された前記推力偏向装置401のDD線に沿った概略断面図である。
【0059】
実施形態の推力偏向装置401は、フランジ103上に複数の圧力変更部110、111を設けている。この実施形態では、2つの圧力変更部110、111を設けた推力偏向装置401について説明するが、3つ以上の圧力変更部を設けてもよい。また、複数の圧力変更部はジェットタブ偏向体130上に設けてもよい。
【0060】
さらに、複数の圧力変更部を前記ジェットタブ偏向体130上及び前記フランジ103上に設けてもよい。複数の前記圧力変更部を前記ジェットタブ偏向体130上及び前記フランジ103上に設けた場合、前記ノズル104の中心軸S104と前記回転駆動軸140の中心軸S140を結ぶ直線上に沿って、どのような順序で前記圧力変更部を設けてもよい。例えば前記ノズル104の中心軸S104と前記回転駆動軸140の中心軸S140を結ぶ直線上に沿って、前記ジェットタブ偏向体130上に設けた前記圧力変更部と前記フランジ103上に設けた前記圧力変更部とを交互に配置することができる。このように構成した場合、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される間隙は複数回屈曲するクランク状の流路を形成するので、より流路抵抗を大きくすることができる。
【0061】
複数の前記圧力変更部を前記ジェットタブ偏向体130上及び前記フランジ103上に設ける場合、前記ジェットタブ偏向体130が回転したときに前記ジェットタブ偏向体130上に設けた前記圧力変更部の回転軌跡が前記フランジ上に設けた前記圧力変更部と交差しない位置に配置されている。
【0062】
また、複数の前記圧力変更部を前記ジェットタブ偏向体130上、前記フランジ103上またはその両方に設ける場合、前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が異なるように前記圧力変更部の高さを設定することができる。例えば、前記ノズル104に最も近い前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が最も大きく、前記ノズル104から最も遠い前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が最も小さく、その中間の前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が前記ノズル104から遠くなるにつれ、順次間隙が小さくなるように前記圧力変更部の高さが設定される。
【0063】
複数の前記圧力変更部を設けた場合、前記ノズル104に最も近く配置された前記圧力変更部は高温ガスに直接さらされるため、最も高温となり、前記ノズル104から遠くなるにつれ、順次前記圧力変更部の温度は低下する。そのため、前記ノズル104に最も近く配置された前記圧力変更部が最も大きく熱膨張し、前記ノズル104から遠くなるにつれ、順次前記圧力変更部の熱膨張が小さくなる。前記ノズル104に近く熱膨張が大きい前記圧力変更部ほど、前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙をあらかじめ大きくすることにより、推力偏向時に全ての前記圧力変更部が前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間に適切な大きさの間隙を形成することができるようになる。
【0064】
(第実施形態)
図5Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置501を示す概略平面図であり、図5B図5Aに示された推力偏向装置501のEE線に沿った概略断面図である。
【0065】
上記実施形態と異なり、第実施形態における圧力変更部120から122は対向するフランジ103及びジェットタブ偏向体130の面のうち少なくとも一方の面に形成された凹部である。この圧力変更部120から122は前記フランジ103及び前記ジェットタブ偏向体130のうちいずれか一方のみに形成されてもよく、両方に形成されてもよい。この凹部形状の圧力変更部は前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙の断面積が急激に拡大する部分を形成し、この部分における圧力損失によって前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙の流路抵抗を増大させ、侵入する高温ガスが前記回転駆動軸140まで到達することを抑制する。
【0066】
凹部形状の前記圧力変更部は、前記フランジ103または前記ジェットタブ偏向体130と一体として形成されてもよく、別の部材を前記フランジ103または前記ジェットタブ偏向体130に取り付けて凹部形状の前記圧力変更部を設けてもよい。
【0067】
前記フランジ103または前記ジェットタブ偏向体130と一体として形成された凹部形状の前記圧力変更部を採用する場合、追加的な部材が不要であるので、前記推力偏向装置501の軽量化に繋がる。また図5Bに示すように凹部形状の前記圧力変更部120から122を前記ジェットタブ偏向体130及び前記フランジ103の両方に形成する場合、凸部形状の圧力変更部と異なり、前記ジェットタブ偏向体130を回転させても前記ジェットタブ偏向体130側に形成された前記圧力変更部121、122と前記フランジ103側に形成された前記圧力変更部120とが衝突することがない。よって、任意の位置、形状または数で前記圧力変更部を設けることが可能となる。
【0068】
また、図5Aには前記フランジ103上に1つ、前記ジェットタブ偏向体130上に2つの前記圧力変更部を設けた例を示したが、配置される前記圧力変更部の数はいくつであってもよい。前記圧力変更部の数が多いほど多数の断面積が急激に拡大する部分を形成し、より効果的に流路抵抗を増大させる。また圧力変更部が凹部形状であるため、前記ジェットタブ偏向体130を回転させても前記ジェットタブ偏向体130側に形成された前記圧力変更部と前記フランジ103側に形成された前記圧力変更部とが衝突することがなく、前記圧力変更部の配置に関する自由度が増大する。
【0069】
また、複数の凹部形状の前記圧力変更部120が形成される場合、第実施形態において説明したように、前記ノズル104に最も近い前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が最も大きく、前記ノズル104から最も遠い前記圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が最も小さくすることができる。さらに、前記ノズル104と回転駆動軸140との間の中間部に設けられた圧力変更部と前記ジェットタブ偏向体130または前記フランジ103との間の間隙が前記ノズル104から遠くなるにつれ、順次間隙が小さくなるように前記圧力変更部の高さを設定することができる。このような前記圧力変更部を有する推力偏向装置では、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間の間隙に流入した高温ガスは、前記圧力変更部により形成された断面積が急激に拡大する部分で順次流路抵抗を受ける。このため、より効果的に前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される流路抵抗を大きくすることができる。
【0070】
また、例えば図1B図2Bに示すような凸部形状の前記圧力変更部と、図5Bに示すような凹部形状の前記圧力変更部とを組み合わせて使用してもよい。この場合、例えば前記ジェットタブ偏向体130上には凸部形状の前記圧力変更部を設け、フランジ103上には凹部形状の前記圧力変更部を設けてもよく、またはその反対に配置してもよい。さらに、前記ジェットタブ偏向体130上または前記フランジ103上に凸部形状の前記圧力変更部と凹部形状の前記圧力変更部とが混在して設けられてもよい。この場合、前記ジェットタブ偏向体130と前記フランジ103との間に形成される間隙は複雑な屈曲形状の流路を形成するので、より流路抵抗を大きくすることができる。
【0071】
(第実施形態)
図6Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置601を示す概略平面図であり、図6B図6Aに示された推力偏向装置601のFF線に沿った概略断面図である。
【0072】
実施形態の推力偏向装置601における圧力変更部113、123は、回転駆動軸140の周囲を取り囲むように形成されることを特徴とする。このように構成された圧力変更部は、高温ガスが前記回転駆動軸140に到達するのをより確実に抑制する。さらに、前記圧力変更部は前記回転駆動軸140の付近に配置すればよいので、前記圧力変更部を小型化し、前記推力偏向装置601を軽量化することが可能となる。さらに、図6Aに示すように、前記圧力変更部113及び123を前記回転駆動軸140の中心軸S140を中心とした同心円状に形成すれば、前記ジェットタブ偏向体130を回転させても前記圧力変更部113、123が互いに接触しない。そのため、前記推力偏向装置601の設計が容易になる。
【0073】
(第実施形態)
図7Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置701を示す概略平面図であり、図7B図7Aのノズル104の中心軸S104から見たフランジ103、ジェットタブ偏向体130、回転駆動軸140及び圧力変更部124を示す概略断面図である。前記推力偏向装置701は、前記ジェットタブ偏向体130を回転させることにより、前記ジェットタブ偏向体130の先端部が前記ノズルの上方に移動された偏向動作位置と、前記ジェットタブ偏向体130の先端部が前記ノズルの上方に移動されない非偏向動作位置と、を切り替えることができる。
【0074】
前記圧力変更部124は、前記ジェットタブ偏向体130から突出した凸部形状を有している。前記圧力変更部124は、前記圧力変更部124の一端124aにおける前記ジェットタブ偏向体130の面からの突出量がh0であり、他端124bでは突出量はh0よりも大きなh1である。
本実施形態では、非偏向動作位置は、図7Aの破線に示すようにジェットタブ偏向体130が配置された状態を示す。そして、非偏向動作位置では、圧力変更部124の一端124aはノズル104の中心軸S104側の端部となり、圧力変更部124の他端124bはノズル104の中心軸S104側とは反対側の端部となる。
【0075】
このような前記圧力変更部124を有する前記ジェットタブ偏向体130を前記回転駆動軸140の中心軸S140を中心にして回転させ、前記ジェットタブ偏向体130の先端を前記ノズル104の上に移動させる場合を考える。前記ジェットタブ偏向体130に衝突した高温ガスは前記ノズル104から放射状に放出される。従って、図7Aに示すように、前記ジェットタブ偏向体130を前記偏向動作位置に設定した場合、高温ガスは、前記圧力変更部124のうち、前記ノズル104の中心軸S104と前記回転駆動軸140の中心軸S140とを結ぶ線上にある部分、すなわち一端124aに主に衝突する。そのため、前記圧力変更部124の一端124aは高温となり、他端124bは比較的低温になる。そのため、前記圧力変更部124は温度分布に応じて不均一に熱膨脹する。しかしながら、前記圧力変更部124の一端124aは他端124bと比較して小さな突出量h0を有するので、一端124aが他端124bより高温になり、他端124bよりも熱膨張が大きくなった場合でも前記フランジ103と接触することはなく、前記ジェットタブ偏向体130の回転を妨げない。
【0076】
図7Bでは前記圧力変更部124の一端124aから他端124bまで下端が直線状である前記圧力変更部124を説明したが、様々な形状とすることができる。例えば、前記偏向動作位置に設定したときの前記圧力変更部124の温度分布に従って圧力変更部124が不均一に熱膨張した場合でも、前記圧力変更部124の下端と前記フランジ103との間の間隙を所定の間隔にすることができるように前記圧力変更部124の下端の形状を折れ線状または曲線状に設計することもできる。
【0077】
なお、このように構成された前記圧力変更部124は、より効果的に高温ガスの前記回転駆動軸140への到達を抑制するために、一定の突出量を有する例えば第1参考例や第2参考例において説明された圧力変更部と共に用いられてもよい。
【0078】
(第実施形態)
図8Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置801を示す概略平面図であり、図8B図8Aに示された推力偏向装置801のGG線に沿った概略断面図である。本実施形態の推力偏向装置801では、圧力変更部810が上記実施形態とは異なっている。
【0079】
ここで本実施形態では、シュラウド102の一面は、ノズル104が配置されてシュラウド102の開口部102aが形成された径方向内側面811と、回転駆動軸140が貫通するとともに径方向内側面811よりもジェットタブ偏向体130〜133から離間した位置に設けられた径方向外側面812とを有している。さらに、シュラウド102には、径方向内側面811と径方向外側面822との間に、これら径方向内側面811と径方向外側面822とを接続するとともに回転駆動軸140の延びる方向に沿う段差面813が形成されている。
【0080】
そして、圧力変更部810は、段差面813を形成するシュラウド102の段差部815である。
【0081】
本実施形態の推力偏向装置801では、ノズル104から噴出したガス151がシュラウド102の一面とジェットタブ偏向体130〜133との間を通過する際には、まず、ジェットタブ偏向体130〜133により近い側の径方向内側面811に沿って流通する。ここで、圧力変更部810としての段差部815が形成されていることで、径方向外側面812の位置ではガス151の流路の断面積が急拡大し、圧力損失が発生する。この結果、ガス151の流路抵抗が大きくなって回転駆動軸140を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制することができる。
【0082】
さらに、径方向内側面811に沿って流通するガス151は、そのままノズル104の径方向外側に向かって流通する。このため、径方向外側面812から離れた位置でガス151が流通する。従って、回転駆動軸140を駆動するための軸受けや駆動部から離れた位置をガス151が流通し、これら軸受けや駆動部に直接ガスが接触することを抑制できる。この結果、これら軸受けや駆動部の損傷を抑制することが可能である。
【0083】
ここで、本実施形態では、一つの段差面813を形成した場合について説明したが、複数の段差面813をノズル104の径方向に離間して複数形成してもよい。即ち、少なくともシュラウド102の一面が、ノズル104が設けられた位置よりも回転駆動軸140が設けられた位置の方が、中心軸S104(S140)の方向に、ジェットタブ偏向体130〜133から離れた位置に設けられていればよい。
【0084】
(第実施形態)
図9Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置901を示す概略平面図であり、図9B図9Aに示された推力偏向装置901のHH線に沿った概略断面図である。本実施形態の推力偏向装置901は、リブ部910をさらに備えている点で上記実施形態とは異なっている。
【0085】
ここで本実施形態では、第2参考例と同様に、圧力変更部120が、ジェットタブ偏向体130〜133におけるシュラウド102の一面に対向する面から垂直方向に突出した凸状をなしている。また、ノズル104は、シュラウド102の一面から中心軸S104の方向に突出する突出部104aを有している。
【0086】
リブ部910は、ノズル104の突出部104aにおける径方向外側を向く面から圧力変更部120に向かって突出している。リブ部910の先端が圧力変更部120と隙間を空けて径方向に対向するように、リブ部910は圧力変更部120と近接する位置まで延びている。また、リブ部910は中心軸S104を中心とした環状をなしている。本実施形態では、リブ部910はノズル104の上面(ジェットタブ偏向体130〜133がノズル104内に配置された際に、ジェットタブ偏向体130〜133に対向する面)と面一になるように設けられている。
【0087】
このようにリブ部910を設けることで、圧力変更部120とノズル104との間の隙間をさらに小さくすることができるとともにガス151の流れ方向を変えることができる。よって、圧力損失が増大してガス151がシュラウド102の一面とジェットタブ偏向体130〜133との間を通過しにくくなる。具体的には図9Bに示すように、ガス151がリブ部910と圧力変更部120との間を流れる際に、シュラウド120の一面に向かうガスの流れ151aが形成される。この流れによって、圧力変更部120とシュラウド102との間のガス151に対する縮流効果を得ることができ、ガス151の圧力損失を増大させることができる。従って、回転駆動軸140を駆動するための軸受けや駆動部のガス151による損傷を抑制することが可能である。
【0088】
ここで、本実施形態では、リブ部910は圧力変更部120からノズル104の突出部104aに向かって突出するように設けられていてもよい。また、圧力変更部120及び突出部104aの両方にリブ部910が設けられてもよい。
【0089】
(第実施形態)
図10Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置101Aを示す概略平面図であり、図10B図10Aに示された推力偏向装置101AのII線に沿った概略断面図である。本実施形態の推力偏向装置101Aは、上述の各実施形態の推力偏向装置とはジェットタブ偏向体130A〜133Aが異なっている。
【0090】
ジェットタブ偏向体130A〜133Aでは、回転駆動軸140の中心軸S140が、ジェットタブ偏向体130A〜133Aにおけるノズル104の周方向に沿う幅Wの方向の中心線Lと交わらない。即ち、ノズル104の中心線Lに対して回転駆動軸140の中心軸S140が位置ズレするように回転駆動軸140が設けられている。
【0091】
本実施形態の推力偏向装置101Aによれば、ジェットタブ偏向体130A〜133Aにおけるシュラウド102の一面に対向する面に沿って流通するガス151は、ジェットタブ偏向体130A〜133Aの中心線Lの延びる方向に沿って流通する。従って、回転駆動軸140の中心軸S140がジェットタブ偏向体130A〜133Aの中心線Lから位置ズレした状態となるように回転駆動軸140を設けることで、ガス151が回転駆動軸140に向かって流通してしまうことを抑制できる。この結果、回転駆動軸140を駆動するための軸受けや駆動部のガス151による損傷を抑制することが可能である。
【0093】
(第実施形態)
図12Aは、本発明の第実施形態の推力偏向装置101Bを示す概略平面図であり、図12B図12Aに示された推力偏向装置101BのJJ線に沿った概略断面図である。本実施形態の推力偏向装置101Bは、上述の各実施形態の推力偏向装置とは、ジェットタブ偏向体130B〜133Bが異なっている。

【0094】
ジェットタブ偏向体130B〜133Bは、回転駆動軸140が設けられた基端部130Ba〜133Baと、基端部130Ba〜133Baから屈曲して回転駆動軸140から離間する方向に延びる先端部130Bb〜133Bbと、を有している。
【0095】
基端部130Ba〜133Baは、ジェットタブ偏向体130B〜133Bが非偏向動作位置にある状態(図12Aのジェットタブ偏向体132Bを参照)で、幅Wの方向の中心線L1がノズル104の周方向に沿って延びるように配置される。
【0096】
先端部130Bb〜133Bbは、基端部130Ba〜133Baに一体に形成されており、ジェットタブ偏向体130B〜133Bが非偏向動作位置にある状態では、幅Wの方向の中心線L2がノズル104に向かって延びるように配置される。この結果、ジェットタブ偏向体130B〜133Bは中心軸S104の方向から見てL字状をなしている。
【0097】
シュラウド102の一面に対向する面に沿って流通するガス151は、先端部130Bb〜133Bbの延びる方向に沿って流通する。ここで、先端部130Bb〜133Bbは基端部130Ba〜133Baに対して屈曲して設けられているため、基端部130Ba〜133Baは先端部130Bb〜133Bbの延びる方向とは異なる方向に延びている。従って、基端部130Ba〜133Baに設けられた回転駆動軸140に向かってガス151が流通することを抑制することができる。この結果、回転駆動軸140を駆動するための軸受けや駆動部のガス151による損傷を抑制することが可能である。
【0098】
ここで、本実施形態では、基端部130Ba〜133Baに対して先端部130Bb〜133Bbが屈曲して設けられているが、例えば、基端部130Ba〜133Baに対して先端部130Bb〜133Bbが湾曲するように設けられていてもよい。即ち、少なくとも基端部130Ba〜133Baの中心線L1と先端部130Bb〜133Bbの中心線L2とが異なる方向に延びていればよい。換言すると、ジェットタブ偏向体130B〜133Bがノズル104の内部に配置された状態(偏向動作位置)で、回転駆動軸140の中心軸S140と、先端部130Bb〜133Bbにおける中心線L2の延長線とが交わらない位置に配置されていればよい。
【0099】
ここで、図13に示すように本実施形態では、圧力変更部110は必ずしも設けられなくともよい。
【0100】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。従って、例えば上述の各実施形態を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
上記の推力偏向装置によると、シュラウドの一面と噴射方向偏向部材との間の間隔に侵入した高温ガスが回転駆動軸に到達することによる回転駆動軸の加熱を抑制し、回転駆動軸を駆動するための軸受けや駆動部の損傷を抑制できる。
【符号の説明】
【0102】
76、101、201、301、401、501、601、701、801、901、101A、101B 推力偏向装置
102 シュラウド
103 フランジ
104 ノズル
S104 ノズルの中心軸
110〜113、120〜124、810 圧力変更部
130〜133、130A〜133A、130B〜133B ジェットタブ偏向体
140 回転駆動軸
S140 回転駆動軸の中心軸
50、51、150、151、151a 高温ガスの流動
811 径方向内側面
812 径方向外側面
813 段差面
815 段差部
910 リブ部
基端部 130Ba〜133Ba
先端部 130Bb〜133Bb
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16