特許第6154619号(P6154619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6154619混雑状況提示サーバ、混雑状況提示方法、プログラム、および混雑状況提示システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154619
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】混雑状況提示サーバ、混雑状況提示方法、プログラム、および混雑状況提示システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20170619BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   B65G63/00 J
   G08G1/13ZJT
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-23163(P2013-23163)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-152016(P2014-152016A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】516033145
【氏名又は名称】阪神国際港湾株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正治
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−252533(JP,A)
【文献】 特開2012−155553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/13
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示システムであって、
前記携帯端末は、
前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバへ送信する送信手段と、
前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列に入った後に、前記待機列中にいる旨を前記サーバへ通知する通知手段と、
前記サーバから受信した前記ゲートに到着する予定時刻の情報を表示する第1の表示手段と、
前記待機列に入った後に、前記サーバから受信した待ち時間及び待機台数の情報を表示する第2の表示手段と、を備え、
前記サーバは、
記携帯端末から前記位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段と、
前記携帯端末から前記待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段と、
算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段と、を備える
ことを特徴とする混雑状況提示システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記ネットワークを介して、さらに管理者のクライアント端末に接続され、
前記クライアント端末は、
前記管理者が管理している前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバから受信して表示する表示手段と、
前記サーバを介して、管理している前記コンテナ運搬車両へメッセージを配信する配信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の混雑状況提示システム。
【請求項3】
コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示システムで行われる混雑状況提示方法であって、
前記携帯端末は、
前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバへ送信する送信ステップと、
前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列に入った後に、前記待機列中にいる旨を前記サーバへ通知する通知ステップと、
前記サーバから受信した前記ゲートに到着する予定時刻の情報を表示する第1の表示ステップと、
前記待機列に入った後に、前記サーバから受信した待ち時間及び待機台数の情報を表示する第2の表示ステップと、を含み、
前記サーバは、
記携帯端末から前記位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出ステップと、
前記携帯端末から前記待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出ステップと、
算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信ステップと、を含む
ことを特徴とする混雑状況提示方法。
【請求項4】
コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバであって、
記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段と、
前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段と、
算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする混雑状況提示サーバ。
【請求項5】
コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバで行われる混雑状況提示方法であって、
記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出ステップと、
前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出ステップと、
算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする混雑状況提示方法。
【請求項6】
コンピュータを、コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバとして機能させるためのプログラムであって、
記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段、
前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段、
算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナターミナルの混雑状況を提示する混雑状況提示システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
港湾におけるコンテナターミナルなどは、非常に広い敷地を有している。したがって、コンテナを運搬するトレーラなどのコンテナ運搬車両のドライバは、貨物を積載したコンテナをコンテナターミナルに搬入または搬出する場合、予め運送会社から、指定のターミナルゲートから入場するように指示されている。
【0003】
従来、コンテナターミナルにコンテナを搬入する場合、コンテナ運搬車両のドライバが、搬入するコンテナに関する情報を記載した搬入票を持参して入場ゲートの係員に渡し、係員が、ゲートに設置された端末に搬入票の内容を入力し、コンテナを降ろすべき場所や作業識別番号などを紙に印字し、ドライバに手渡していた。
【0004】
また、コンテナターミナルからコンテナを搬出する場合にも、コンテナ運搬車両のドライバが、搬出するコンテナに関する情報を記載した搬出票を持参して入場ゲートの係員に渡し、係員が、ゲートに設置された端末に搬出票の内容を入力し、コンテナを受け取るべき場所や作業識別番号などを紙に印字し、ドライバに手渡していた。
【0005】
しかしながら、上述した運用方法では、多くの情報を係員が手作業で入力するため、ターミナルゲートでの受け付け時間が長くなり、さらに、ターミナルゲートを通過した後、ヤード内作業が滞留することもあり、コンテナターミナル周辺における交通渋滞の原因となっている。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、コンテナターミナルの入口ゲートの混雑状況に応じて、待機場に待避するか否かを指示することにより、コンテナターミナルの入口ゲートの混雑を防止するようなコンテナ運搬車両の管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−297392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術の場合、コンテナ運搬車両のドライバは、管理装置から待機場に待避するか否かが指示されて初めて、コンテナターミナルの入り口ゲートが混雑していることを知ることになり、自ら、混雑状況を調べる手段がない課題があった。
【0009】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、コンテナターミナルのゲートにおける混雑状況を容易に確認することが可能な混雑状況提示システムなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するための第1の発明は、コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバであって、記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段と、前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段と、算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする混雑状況提示サーバである。
第1の発明によって、コンテナターミナルの事業者は、コンテナ運搬車両の待機情報等を把握し、ドライバ等に対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。
【0013】
第2の発明は、コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバで行われる混雑状況提示方法であって、記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出ステップと、前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出ステップと、算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする混雑状況提示方法である。
第2の発明によって、コンテナターミナルの事業者は、コンテナ運搬車両の待機情報等を把握し、ドライバ等に対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。
【0014】
第3の発明は、コンピュータを、コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とネットワークを介して接続され、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示サーバとして機能させるためのプログラムであって、記携帯端末から前記コンテナ運搬車両の位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段、前記携帯端末から前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段、算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段、として機能させるためのプログラムである。
第3の発明に係るプログラムを汎用のコンピュータにインストールすることによって第1の発明を得て、第2の発明を実行することができる。
【0015】
第4の発明は,コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示システムであって、前記携帯端末は、前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバへ送信する送信手段と、前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列に入った後に、前記待機列中にいる旨を前記サーバへ通知する通知手段と、前記サーバから受信した前記ゲートに到着する予定時刻の情報を表示する第1の表示手段と、前記待機列に入った後に、前記サーバから受信した待ち時間及び待機台数の情報を表示する第2の表示手段と、を備え、前記サーバは、記携帯端末から前記位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出手段と、前記携帯端末から前記待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出手段と、算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする混雑状況提示システムである。
第4の発明によって、コンテナターミナルの事業者は、コンテナ運搬車両の待機情報等を把握し、ドライバ等に対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。
【0016】
前記サーバは、前記ネットワークを介して、さらに管理者のクライアント端末に接続され、前記クライアント端末は、前記管理者が管理している前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバから受信して表示する表示手段と、前記サーバを介して、管理している前記コンテナ運搬車両へメッセージを配信する配信手段と、を備えることが望ましい。
これにより、管理者は、クライアント端末を用いて、管理しているコンテナ運搬車両の位置を把握できるとともに、必要に応じてメッセージを配信することができる。
【0018】
第5の発明は、コンテナ運搬車両に設置された携帯端末とサーバとがネットワークを介して接続される、コンテナターミナルのゲートにおける前記コンテナ運搬車両の混雑状況を提示する混雑状況提示システムで行われる混雑状況提示方法であって、前記携帯端末は、前記コンテナ運搬車両の位置情報を前記サーバへ送信する送信ステップと、前記コンテナ運搬車両が前記ゲートの待機列に入った後に、前記待機列中にいる旨を前記サーバへ通知する通知ステップと、前記サーバから受信した前記ゲートに到着する予定時刻の情報を表示する第1の表示ステップと、前記待機列に入った後に、前記サーバから受信した待ち時間及び待機台数の情報を表示する第2の表示ステップと、を含み、前記サーバは、記携帯端末から前記位置情報を受信し、前記コンテナ運搬車両の走行状態を分析するとともに、前記ゲートまでの経路を分析して、前記ゲートに到着する予定時刻を算出する第1の算出ステップと、前記携帯端末から前記待機列中にいる旨の通知を受信すると、前記コンテナ運搬車両から前記ゲートまでの経路、及び、過去の待ち時間の実績に基づいて、前記ゲートに到着するまでの待ち時間を算出するとともに、前記経路及び前記コンテナ運搬車両の全長に基づいて、他のコンテナ運搬車両の待機台数を算出する第2の算出ステップと、算出した情報を前記携帯端末へ送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする混雑状況提示方法である。
第5の発明によって、コンテナターミナルの事業者は、コンテナ運搬車両の待機情報等を把握し、ドライバ等に対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、コンテナターミナルの混雑状況を容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態に係る混雑状況提示システムの構成例を示す図である。
図2】サーバのハードウェアの構成例を示す図である。
図3】データベース管理システムが管理するデータベースの一例を示す図である。
図4】サーバの機能構成例を示すブロック図である。
図5】携帯端末のハードウェアの構成例を示す図である。
図6】混雑状況提示処理を説明するフローチャートである。
図7】ログイン画面の表示例を示す図である。
図8】予定登録画面の表示例を示す図である。
図9】走行時情報画面の表示例を示す図である。
図10】待機列情報画面の表示例を示す図である。
図11】ターミナルゲート周辺の混雑状況の表示処理を説明するフローチャートである。
図12】混雑状況画面の表示例を示す図である。
図13】混雑状況画面の他の表示例を示す図である。
図14】混雑状況画面のさらに他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
[本発明の実施の形態]
(混雑状況提示システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る混雑状況提示システム1の構成例を示す図である。なお、サーバ2、クライアント端末3、および携帯端末4の数は、任意であり、それぞれ複数設けることも勿論可能である。
【0023】
図1に示すように、混雑状況提示システム1は、サーバ2、クライアント端末3、および携帯端末4がネットワーク5を介して接続されることで構成されている。
【0024】
本発明は、コンテナターミナルのゲートにおけるコンテナ運搬車両の待ち状況を分析し、コンテナ運搬車両のドライバや運送会社に、リアルタイムで待ち状況に関する情報を配信することにより、無駄な待ち時間の削減や配車の効率化を図ることができるシステムを提供することである。
【0025】
コンテナとは、内部に物を納めるための容器である。
コンテナターミナルとは、コンテナ船が接岸してコンテナを積み降ろしする専用の岸壁を備え、コンテナを運搬・保管する固定施設(例えば、コンテナヤード、ターミナルゲートなど)、および荷役用可動施設(例えば、クレーンなど)で構成され、コンテナの海上輸送と陸上輸送の結節点となる港湾施設の総称である。
ターミナルゲートとは、コンテナ運搬車両がコンテナターミナルに入場またはコンテナターミナルから退場するための出入口である。
コンテナ運搬車両は、1つのコンテナを積荷し、1日に2〜3回運送する。
【0026】
サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等からなるコンピュータシステムであって、例えば、コンテナターミナルを所有・管理する事業者が保有する装置である。サーバ2は、WEBベースのPHP(Hypertext Preprocessor)でユーザインターフェースを構築し、RDB(Relational
Database)でデータベース(DB)管理システム20を管理(運用)する。
【0027】
データベース管理システム20は、ドライバ情報データベース(DB)21、運送会社情報データベース(DB)、ターミナルオペレータ情報データベース(DB)23、位置情報データベース(DB)24、配信文データベース(DB)25を管理する。各データベースが記憶する情報の詳細は、図3を参照して後述する。
【0028】
サーバ2は、コンテナ運搬車両のドライバに関する情報、コンテナターミナルで搬出入を行う運送会社に関する情報、およびターミナルオペレータに関する情報を予め取得し、データベース管理システム20のドライバ情報データベース(DB)21、運送会社情報データベース(DB)22、ターミナルオペレータ情報データベース(DB)23にそれぞれ記憶させる。
ターミナルオペレータとは、コンテナターミナルでコンテナの荷役及び保管を行う事業者のことである。
【0029】
サーバ2は、携帯端末4からネットワーク5を介して、携帯端末4が設置されたコンテナ運搬車両の位置情報を受信すると、その位置情報を位置情報データベース24に記憶する。またサーバ2は、受信した位置情報に基づいて、ターミナルゲートに到着するまでにかかる時間(待ち時間)および他の待機車両の台数を算出し、算出結果を待ち状況に関する情報として携帯端末4に送信する。
【0030】
クライアント端末3は、CPU、ROM、RAM、HDD、入力部、表示部等からなるコンピュータシステムであって、例えば、コンテナターミナルで荷役及び保管を行う事業者(ターミナルオペレータ)、または、コンテナターミナルから搬出入を行うコンテナ運搬車両の運送会社が保有する装置である。クライアント端末3は、管理者の指示に応じて、ネットワーク5を介してサーバ2にアクセスし、コンテンツ運搬車両の待ち状況に関する情報を受信し、待ち状況に関する表示画面を表示させる。その表示画面の詳細は、図13および図14を参照して後述する。
【0031】
携帯端末4は、CPU、ROM、RAM、入力部、および表示部などを実装した携帯型コンピュータであって、例えば、スマートフォン、カメラ付き携帯電話機、タブレット端末(携帯情報端末)等である。携帯端末4は、GPS(Global Positioning System)機能を備えており、現在の位置情報(緯度、経度)を取得する。
【0032】
携帯端末4は、コンテナ運搬車両の所定の位置(例えば、運転席付近)に設置されており、コンテナ運搬車両のドライバの指示に応じて、ネットワーク5を介してサーバ2にアクセスし、コンテンツ運搬車両の待ち状況に関する情報を受信し、待ち状況に関する表示画面を表示させる。その表示画面の詳細は、図7図10を参照して後述する。
【0033】
ネットワーク5は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークであり、有線、無線は特に問わない。
【0034】
(サーバの構成)
図2は、サーバ2のハードウェアの構成例を示す図である。尚、図2の構成はあくまで一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。また、クライアント端末3も基本的にサーバ2と同様の構成を有する。
【0035】
サーバ2(クライアント端末3)を実現するコンピュータは、制御部11、記憶部12、メディア入出力部13、通信制御部14、入力部15、表示部16、周辺機器I/F(インターフェース)部17等が、バス18を介して接続される。
【0036】
制御部11は、CPU、ROM、RAM等で構成される。CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各部を駆動制御し、サーバ2が行う後述する処理を実現する。ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは、揮発性メモリであり、記憶部12、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部11が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0037】
記憶部12は、HDDであり、制御部11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等を格納する。プログラムに関しては、OSに相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。これらの各プログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0038】
メディア入出力部13(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)等のメディア入出力装置を有する。通信制御部14は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク5間の通信を媒介する通信インターフェースであり、ネットワーク5を介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
【0039】
入力部15は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。入力部15を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。表示部16は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
【0040】
周辺機器I/F(インターフェース)部17は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部17を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部17は、USB(Universal Serial Bus)やIEEE(The
Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。バス18は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0041】
図3は、サーバ2のデータベース管理システム20が管理するデータベースの一例を示す図である。図3に示すように、データベース管理システム20は、少なくとも、ドライバ情報データベース(DB)21、運送会社情報データベース(DB)22、ターミナルオペレータ情報データベース(DB)23、位置情報データベース(DB)24、配信文データベース(DB)25を管理する。
【0042】
図3に示すように、ドライバ情報データベース21は、少なくとも、ドライバID、ドライバ名、所属運送会社ID、目的、パスワード、ゲート番号、走行状態、到着予定時刻を、1つのコンテナの運送予定毎に記憶する。ドライバIDは、コンテナ運搬車両のドライバを一意に識別するための情報である。ドライバ名は、コンテナ運搬車両のドライバの名前である。所属運送会社IDは、ドライバが所属する運送会社を一意に識別するための情報である。目的は、コンテナの搬入または搬出等を示す情報である。パスワードは、ドライバを認証するための情報である。ゲート番号は、ターミナルゲートを一意に識別するための情報である。走行状態は、走行中、待機中、またはゲート通過等を示す情報である。到着予定時刻は、目的ターミナルゲートまでの走行距離、道路幅や季節、曜日、時間帯などを考慮して算出された到着時刻である。
【0043】
運送会社情報データベース22は、少なくとも、運送会社ID、運送会社名、パスワードを、運送会社毎に記憶する。運送会社IDは、運送会社を一意に識別するための情報であり、ドライバ情報データベース21の所属運送会社IDと紐付けられている。運送会社名は、運送会社の名称である。パスワードは、運送会社を認証するための情報である。
【0044】
ターミナルオペレータ情報データベース23は、少なくとも、ターミナルID、ターミナル名、パスワード、管理ゲート番号を、ターミナルオペレータ毎に記憶する。ターミナルIDは、コンテナターミナルでコンテナの荷役及び保管を行う事業者を一意に識別するための情報である。ターミナル名は、コンテナの荷役及び保管を行う事業者の名称である。パスワードは、ターミナルオペレータを認証するための情報である。管理ゲート番号は、ターミナルゲートを一意に識別するための情報であり、ドライバ情報データベース21のゲート番号と紐付けられている。
【0045】
位置情報データベース24は、少なくとも、ドライバID、位置情報取得日時、位置情報(緯度、経度)を、1つのコンテナの運送予定毎に記憶する。ドライバIDは、コンテナ運送車両のドライバを一意に識別するための情報であり、ドライバ情報データベース21のドライバIDと紐付けられている。位置情報取得日時は、ドライバIDが所有する携帯端末4が設置されたコンテナ運搬車両の位置を取得した日時である。位置情報は、携帯端末4が設置されたコンテナ運搬車両の位置(緯度、経度)を示す情報である。
【0046】
配信文データベース25は、少なくとも、日時、発信者、受信者、配信文を、配信文が配信される毎に記憶する。日時は、配信文が配信された日時である。発信者は、配信文を発信した人の名前または発信者を一意に識別するための情報(例えば、IDやメールアドレス)である。受信者は、配信文を受信した人の名前または受信者を一意に識別するための情報(例えば、IDやメールアドレス)である。配信文は、配信文の内容を示す情報である。
【0047】
図4は、サーバ2の機能構成例を示すブロック図である。図4に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図2の制御部11により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
【0048】
交通状況分析部11Aは、位置情報データベース24に記憶されている位置情報を読み出し、コンテナ運搬車両の現在位置とコンテナターミナルの目的ゲートとを結ぶ経路を分析し、コンテナ運搬車両が目的ゲートに到着する予定時刻を算出する。
【0049】
また交通状況分析部11Aは、携帯端末4から、コンテナ運搬車両が目的ゲートの待機列に入った旨の通知を受けると、コンテナ運搬車両の現在位置(待機位置)と目的ゲートとを結ぶ経路の距離、および、過去の待ち時間の実績(例えば、待機位置と待機台数に関する過去のデータが記憶されたテーブル)に基づいて、目的ゲートに到着するまでの待ち時間を算出する。
【0050】
さらに交通状況分析部11Aは、コンテナ運搬車両の現在位置と目的ゲートとを結ぶ経路の距離、および、コンテナ運搬車両の全長に基づいて、目的ゲートに到着するまでの他の車両の待機台数を算出する。
【0051】
提示部11Bは、交通状況分析部11Aの分析結果に基づいて、クライアント端末3または携帯端末4に、混雑状況に関する情報を提示する。
【0052】
(携帯端末の構成)
図5は、携帯端末3のハードウェアの構成例を示す図である。尚、図5の構成は、あくまで一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0053】
携帯端末3は、制御部31、記憶部32、通信制御部33、入力部34、表示部35、GPS受信部36などが、バス37を介して接続される。
【0054】
制御部31は、CPU、ROM、RAM等で構成される。制御部31は、記憶部32に記憶されたプログラムに基づいて所定の処理を行い、通話機能、ブラウザ機能、およびメール機能などを実現する。
【0055】
記憶部32は、制御部31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS等を格納するとともに、通信制御部33経由で提供されたデータ等を記憶する。
【0056】
通信制御部33は、通信制御装置、通信ポート等を有し、携帯端末4とネットワーク5間の通信を媒介する通信インターフェースであり、ネットワーク5を介して、他のコンピュータ又は他の携帯端末との音声通信やデータ通信の制御を行う。
【0057】
入力部34は、ボタンやタッチパネルなどで構成され、操作指示、動作指示、データ入力等を行う。表示部35は、液晶パネル等のディスプレイ装置であり、制御部31から供給される情報を表示する。入力部34および表示部35は、タッチパネルディスプレイのように、一体となっていても良い。
【0058】
GPS受信部36は、図示しないGPSアンテナを用いて、現在位置(緯度、経度)を受信する。
【0059】
(混雑状況提示処理)
図6は、混雑状況提示システム1が実行する、コンテナ運搬車両がターミナルゲートに到着するまでの混雑状況の提示処理を説明するフローチャートである。この処理を開始するにあたり、サーバ2のデータベース管理システム20のドライバ情報データベース21〜ターミナルオペレータ情報データベース23には、各種情報が取得され、予め記憶されているものとする。また図6の説明に当たり、図7図10を参照し、対応する表示例も説明する。
【0060】
ステップS1において、携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバによる操作に応じて、サーバ2から混雑状況の提示を受けるためのログイン画面を表示部35に表示させ、ログイン処理を行う。
【0061】
図7は、ログイン画面41の表示例を示す図である。
【0062】
図7に示すように、ログイン画面41には、ログインIDを入力する入力エリア42、パスワードを入力する入力エリア43、ログインするためのボタン44が表示されている。コンテナ運搬車両のドライバは、入力エリア42に、ログインID(ドライバID)を入力し、入力エリア43に、ログインパスワードを入力し、ボタン44を押下することで、ログイン処理を行うことができる。
【0063】
図6の説明に戻る。携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバによるログイン処理を検知すると、ログイン情報(ドライバIDおよびパスワード)を、ネットワーク5を介してサーバ2に送信する。ステップS2において、サーバ2の制御部11は、携帯端末4から受信したログイン情報に基づいて、ドライバ情報データベース21に記憶されているドライバ情報と照合し、コンテナ運搬車両のドライバの認証処理を行う。
【0064】
以下、認証に成功した場合について説明するが、認証に失敗した場合には、携帯端末4からサーバ2へのアクセスは許可されず、図6の混雑状況提示処理は終了される。なお、一度、携帯端末4においてログイン処理が行われると、ログイン情報が記憶部32に記憶されるため、2度目のログイン時には、ログイン情報の入力は不要となる。
【0065】
携帯端末4の制御部31は、サーバ2からアクセスが許可されると、ステップS3において、予定登録画面を表示部35に表示させ、コンテナ運搬車両のドライバに予定の登録を行わせる。
【0066】
図8は、予定登録画面51の表示例を示す図である。
【0067】
図8に示すように、予定登録画面51には、運送会社を入力する入力エリア52、ゲート番号を入力する入力エリア53、目的を入力する入力エリア54が表示されている。コンテナ運搬車両のドライバは、その日の予定(業務)に関して、入力エリア52に、所属する運送会社を入力し、入力エリア53に、コンテナを運搬する際に利用するゲート番号を入力し、入力エリア54に、業務の目的(例えば、実搬入、実搬出、空搬入、空搬出)を入力することで、予定登録を行うことができる。なお、入力エリア52〜54は、直接入力させるだけでなく、予め設定されている複数の項目の中から所望の項目を選択させることもできる。
【0068】
図6の説明に戻る。携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバにより予定が登録されたことを検知すると、ステップS4において、登録情報(所属運送会社ID、ゲート番号、および目的)、およびGPS受信部36が受信した現在の位置情報を、ネットワーク5を介してサーバ2に送信する。
【0069】
ステップS5において、サーバ2の制御部11は、携帯端末4から送信されてきた登録情報および位置情報を、通信制御部14を介して受信する。ステップS6において、サーバ2のデータベース管理システム20は、ステップS5の処理で受信した位置情報、およびステップS2の処理で認証したログイン情報に含まれるドライバIDを紐付けて、位置情報データベース24に記憶させる。なお、コンテナ運搬車両の位置情報は所定時間毎に受信され、位置情報データベース24に、継続的に記憶される。
【0070】
ステップS7において、サーバ2の交通状況分析部11Aは、交通情報を提供する所定のサイトを参照し、ステップS5の処理で受信したコンテナ運搬車両の位置情報に基づいて、現在のコンテナ運搬車両の走行状態(走行中、待機中、またはゲート通過)を分析する。またサーバ2の交通状況分析部11Aは、ステップS5の処理で受信した登録情報に含まれるゲート番号から、対応するゲートの位置(緯度、経度)を把握し、分析した走行状態、および、現在位置と目的ゲートとを結ぶ経路の距離に基づいて、コンテナ運搬車両がゲートに到着する予定時刻を算出する。
【0071】
ステップS8において、サーバ2の交通状況分析部11Aは、ステップS7の処理で分析した走行状態および算出した到着予定時刻、ステップS5の処理で受信した登録情報に含まれる所属運送会社ID、ゲート番号、および目的、並びにステップS2の処理で認証したログイン情報に含まれるドライバIDを紐付けて、ドライバ情報データベース21に記憶させる。
【0072】
ステップS9において、サーバ2の交通状況分析部11Aは、ステップS7の処理で分析した走行状態、および算出した到着予定時刻を、走行時に関する情報として、ネットワーク5を介して携帯端末4に送信する。
【0073】
ステップS10において、携帯端末4の制御部31は、サーバ2から受信した走行時に関する情報に基づいて、走行時情報画面を表示部35に表示させる。
【0074】
図9は、走行時情報画面61の表示例を示す図である。
【0075】
図9に示すように、走行時情報画面61には、地図を表示する表示エリア62、サーバ2やクライアント端末3から配信されてきた配信文を表示する表示エリア63、ドライバによって押下されるボタン64およびボタン65が表示されている。
【0076】
表示エリア62には、コンテナ運搬車両が走行している周辺の地図が表示され、その地図上に、コンテナ運搬車両の現在位置を示す情報、および、目的地となるコンテナターミナルの位置を示す情報が、それぞれマークM1、マークM2で表示される。表示エリア63には、混雑状況に関する情報が記載された配信文が表示される。ボタン64は、前の表示画面に戻る場合に押下される。ボタン65は、コンテナ運搬車両がコンテナターミナルの目的ゲートの入場待ちをしている待機列に入った場合に押下される。走行時情報画面61の上方には、行き先のゲート番号(図9の例の場合、ゲートNo.C−2)、および到着予定時刻(図9の例の場合、15:45)が表示されている。また、マークM1とマークM2とを結ぶ経路、および混雑状況を色分け表示させるようにしてもよい。
【0077】
図6の説明に戻る。ステップS11において、携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバにより、走行時情報画面61のボタン65が押下されたか否かを判定し、ボタン65が押下されていないと判定した場合、ステップS10に戻り、走行時情報画面61の表示状態を継続する。
【0078】
図9に示した走行時情報画面61において、表示エリア63に表示される地図、および地図上のマークM1の表示位置は、コンテナ運搬車両の走行に伴って、そこに設置された携帯端末4の位置情報が変化するため、所定時間毎に最新の位置情報がGPS受信部36にて受信され、その位置情報に基づいて更新される。
【0079】
ステップS11において、携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバにより、走行時情報画面61のボタン65が押下されたと判定した場合、ステップS12に進み、ネットワーク5を介してサーバ2に対し、待機列情報の送信を要求する。
【0080】
つまり、コンテナ運搬車両のドライバは、コンテナ運搬車両の走行を続行し、コンテナターミナルのターミナルゲート付近に到着した際、目的ゲートの入場待ちをしている車両の待機列に入ると、その旨をサーバ2に通知するためにボタン65を押下する。これによって、サーバ2に待機列情報の送信を要求することができる。
【0081】
ステップS13において、サーバ2の交通状況分析部11Aは、携帯端末4からの要求に基づいて、位置情報データベース24に記憶されているコンテナ運搬車両の現在位置(待機位置)と目的ゲートとを結ぶ経路の距離、および過去の待ち時間の実績に基づいて、目的ゲートに到着するまでの待ち時間を算出する。
【0082】
ステップS14において、サーバ2の交通状況分析部11Aは、コンテナ運搬車両の現在位置と目的ゲートとを結ぶ経路の距離、およびコンテナ運搬車両の全長に基づいて、目的ゲートに到着するまでの他の車両の待機台数を算出する。
【0083】
ステップS15において、サーバ2の提示部11Bは、ステップS13の処理で算出された待ち時間、およびステップS14の処理で算出された他の車両の待機台数を、待機列情報としてネットワーク5を介して携帯端末4に送信する。
【0084】
ステップS16において、携帯端末4の制御部31は、サーバ2から受信した待機列情報に基づいて、待機列情報画面を表示させる。
【0085】
図10は、待機列情報画面71の表示例を示す図である。
【0086】
図10に示すように、待機列情報画面71には、地図を表示する表示エリア72、サーバ2やクライアント端末3から配信されてきた配信文を表示する表示エリア73、ドライバによって押下されるボタン74およびボタン75が表示されている。
【0087】
表示エリア72には、ターミナルゲート周辺の地図が表示され、その地図上に、コンテナ運搬車両の現在位置を示す情報、および、待機列にいる他の車両の位置を示す情報が、それぞれマークM11、マークM12で表示される。表示エリア73には、混雑状況に関する情報が記載された配信文が表示される。ボタン74は、前の表示画面に戻る場合に押下される。ボタン75は、コンテナ運搬車両がコンテナターミナルの目的ゲートを通過し、業務を完了した場合に押下される。待機列情報画面71の上方には、行き先のゲート番号(図10の例の場合、ゲートNo.C−2)、他の車両の待機台数(図10の例の場合、84台)、待ち時間(図10の例の場合、45分)、および到着予定時刻(図10の例の場合、16:30)が表示されている。
【0088】
図6の説明に戻る。ステップS17において、携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバにより、待機列情報画面71のボタン75が押下されたか否かを判定し、ボタン75が押下されていないと判定した場合、ステップS16に戻り、待機列情報画面71の表示状態を継続する。
【0089】
図10に示した待機列情報画面71において、表示エリア73に表示される地図上のマークM11、マークM12の表示位置は、コンテナ運搬車両の走行に伴って、そこに設置された携帯端末4の位置情報が変化するため、所定時間毎に最新の位置情報がGPS受信部36にて受信され、その位置情報に基づいて更新される。
【0090】
ステップS17において、携帯端末4の制御部31は、コンテナ運搬車両のドライバにより、待機列情報画面71のボタン75が押下されたと判定した場合、ステップS18に進み、ネットワーク5を介してサーバ2に対し、ゲート通過を通知する。
【0091】
つまり、コンテナ運搬車両のドライバは、コンテナターミナルの目的ゲートを通過し、業務を完了した後、その旨をサーバ2に通知するためにボタン75を押下する。これによって、サーバ2にゲート通過を通知することができる。
【0092】
ステップS19において、サーバ2のデータベース管理システム20は、携帯端末4からのゲート通過通知に基づいて、ドライバ情報データベース21、および位置情報データベース24を更新する。例えば、データベース管理システム20は、業務完了を受けて、データベースから情報を削除するか、または、完了フラグを立てる。
【0093】
以上のように、コンテナ運搬車両のドライバは、コンテナターミナルの目的ゲートまでの混雑状況をリアルタイム、かつ、容易に把握することが可能となる。
【0094】
(混雑状況表示処理)
図11は、サーバ2が実行する、コンテナターミナルのターミナルゲート周辺の混雑状況の表示処理を説明するフローチャートである。
【0095】
ステップS31において、サーバ2の制御部11は、データベース管理システム20で管理しているドライバ情報データベース21から各コンテナ運搬車両のドライバに関する情報、位置情報データベース24から各コンテナ運搬車両の位置情報、および配信文データベース25から配信文に関する情報を取得する。
【0096】
ステップS32において、サーバ2の制御部11は、ステップS31の処理で取得した情報に基づいて、表示部15に、混雑状況画面を表示させる。
【0097】
図12は、混雑状況画面81の表示例を示す図である。
【0098】
図12に示すように、混雑状況画面81には、地図を表示する表示エリア82、配信文を入力する入力エリア83および入力エリア84、配信文を管理する表示エリア85、操作者によって押下されるボタン86、ボタン87、およびボタン88、配信状況を管理する表示エリア89が表示されている。
【0099】
表示エリア82には、コンテナターミナル周辺の地図が表示され、その地図上に、各コンテナ運搬車両の位置を示す情報が、マークM21で表示される。入力エリア83には、コンテナ運搬車両向けに配信する配信文が入力される。入力エリア84には、運送会社向けに配信する配信文が入力される。表示エリア85には、サーバ2から配信された配信文に関する情報が表示される。ボタン86、ボタン87は、入力された配信文を送信する場合に押下される。ボタン88は、表示エリア85に表示されている配信文に関する情報を消去する場合に押下される。表示エリア89には、他の端末から配信された配信文に関する情報が表示される。
【0100】
図11の説明に戻る。ステップS33において、サーバ2の制御部11は、操作者により、混雑状況画面81の入力エリア83または入力エリア84に配信文が入力され、ボタン86またはボタン87が押下されたか否かを判定し、配信文の配信操作が行われたと判定した場合、所定の宛先に配信文を送信し、ステップS34に進む。これにより、携帯端末4の表示部35において、例えば、図9に示す表示エリア63や図10に示す表示エリア73に、配信文が表示されるとともに、サーバ2の表示部15において、図12に示す表示エリア85や表示エリア89に、配信文に関する情報が表示される。
【0101】
ステップS34において、サーバ2のデータベース管理システム20は、配信した情報(例えば、配信文、発信者、受信者、日時)に基づいて、配信文データベース25を更新する。
【0102】
一方、ステップS33において、サーバ2の制御部11は、操作者により、配信文の配信操作が行われていないと判定した場合、ステップS34の処理をスキップし、ステップS35に進む。
【0103】
ステップS35において、サーバ2の制御部11は、操作者により、混雑状況表示処理の終了が指示されたか否かを判定し、混雑状況表示処理の終了が指示されていないと判定した場合、ステップS32に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0104】
図12に示した混雑状況画面81において、表示エリア82に表示される地図上のマークM21の表示位置は、各コンテナ運搬車両の走行に伴って、各携帯端末4の位置情報が変化するため、所定時間毎に最新の位置情報に基づいて更新される。
【0105】
ステップS35において、サーバ2の制御部11は、操作者により、混雑状況表示処理の終了が指示されたと判定した場合、処理を終了する。
【0106】
以上のように、サーバ2の管理者は、コンテナターミナル周辺の混雑状況を容易に把握することが可能となる。また、混雑状況を確認し、コンテナ運搬車両のドライバや運送会社に対し、ターミナル及び周辺の状況等に関する注意情報を配信文として送信することが可能になる。これにより、効率的な運行管理を行うことができる。
【0107】
以上においては、サーバ2における、コンテナターミナルのターミナルゲート周辺の混雑状況を表示する処理例について説明したが、ターミナルオペレータや運送会社等のクライアント端末3においても、同様の表示処理を行うことができる。
【0108】
より具体的には、例えば、クライアント端末3の制御部11は、サーバ2にアクセスためのログイン処理後、サーバ2のデータベース管理システム20で管理されているドライバ情報データベース21の各コンテナ運搬車両のドライバに関する情報、位置情報データベース24の各コンテナ運搬車両の位置情報、および配信文データベース25の配信文に関する情報を、それぞれネットワーク5を介して受信する(ステップS31)。
【0109】
そして、クライアント端末3は、受信した情報に基づいて、表示部15に混雑状況画面を表示させる(ステップS32)。
【0110】
図13は、クライアント端末3がターミナルオペレータの場合における混雑状況画面91の表示例を示す図である。
【0111】
図13に示すように、混雑状況画面91には、地図を表示する表示エリア92、配信文を入力する入力エリア93および入力エリア94、配信文を管理する表示エリア95、操作者によって押下されるボタン96、ボタン97、およびボタン98、配信状況を管理する表示エリア99が表示されている。
【0112】
表示エリア92には、コンテナターミナル周辺の地図が表示され、その地図上に、各コンテナ運搬車両の位置を示す情報が、マークM31で表示される。入力エリア93には、全てのコンテナ運搬車両向けに配信する配信文が入力される。入力エリア94には、ゲート別に待機するコンテナ運搬車両向けに配信する配信文が入力される。表示エリア95には、クライアント端末3から配信された配信文に関する情報が表示される。ボタン96、ボタン97は、入力された配信文を送信する場合に押下される。ボタン98は、表示エリア95に表示されている配信文に関する情報を消去する場合に押下される。表示エリア99には、他の端末から配信された配信文に関する情報が表示される。
【0113】
図14は、クライアント端末3が運送会社の場合における混雑状況画面101の表示例を示す図である。
【0114】
図14に示すように、混雑状況画面101には、地図を表示する表示エリア102、配信文を入力する入力エリア103および入力エリア104、ドライバを管理する表示エリア105、配信文を管理する表示エリア106、操作者によって押下されるボタン107、ボタン108、およびボタン109、配信状況を管理する表示エリア110が表示されている。
【0115】
表示エリア102には、コンテナターミナル周辺の地図が表示され、その地図上に、各コンテナ運搬車両の位置を示す情報が、マークM41で表示される。入力エリア103には、運送会社に所属する全てのコンテナ運搬車両向けに配信する配信文が入力される。入力エリア104には、コンテナ運搬車両別に配信する配信文が入力される。表示エリア105には、ドライバに関する情報が表示される。表示エリア106には、クライアント端末3から配信された配信文に関する情報が表示される。ボタン107、ボタン108は、入力された配信文を送信する場合に押下される。ボタン109は、表示エリア106に表示されている配信文に関する情報を消去する場合に押下される。表示エリア110には、他の端末から配信された配信文に関する情報が表示される。
【0116】
また表示エリア102の下方には、自社車両の表示を行う場合に押下されるボタン111が表示されている。図14の例では、表示部102に表示された各コンテナ運搬車両の位置を示す情報のマークM41のうち、ボタン111が押下されると、自社車両であることが視認できるようなマークM42の表示に切り替わる。この表示方法は、特に問合わないが、例えば、色を変更したり、点滅表示させたりする。
【0117】
以上のように、クライアント端末3の管理者は、コンテナターミナル周辺の混雑状況を容易に把握することが可能となる。また、混雑状況を確認し、コンテナ運搬車両のドライバ等に対し、ゲート情報を配信することで、コンテナ運搬車両の無駄な待ち時間を減らすような運行パターンを間接的に誘導し、結果として、交通渋滞の緩和が可能となる。
【0118】
[本発明の実施の形態における効果]
1.以上のように、コンテナターミナルの事業者は、コンテナ運搬車両の待機情報等を把握し、ドライバ等に対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。また、運送会社は、混雑状況に応じて、ドライバ等に対し、従事する業務の順番を変更する指示を配信することができる。
2.コンテナ運搬車両のドライバは、リアルタイム、かつ、容易にコンテナターミナルの目的ゲートまでの待ち時間および待機車両台数を知るとともに、運送会社等から、運行変更指示を受けることができる。
3.運送会社は、自社のコンテナ運搬車両の待機情報を把握し、ドライバに対してゲートの混雑状況の情報配信を行うことができる。また、運送会社は、ゲート付近の混雑状況に応じて、ドライバ等に対し、従事する業務の順番を変更する指示を配信することができる。
【0119】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る混雑状況提示システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0120】
1………混雑状況提示システム
2………サーバ
3………クライアント端末
4………携帯端末
5………ネットワーク
11………制御部
12………記憶部
14………通信制御部
16………表示部
31………制御部
35………表示部
36……GPS受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14