特許第6154659号(P6154659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6154659-カーテンレールへのキャップの取付構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154659
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】カーテンレールへのキャップの取付構造
(51)【国際特許分類】
   A47H 1/04 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   A47H1/04 F
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-99760(P2013-99760)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-217635(P2014-217635A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 智
(72)【発明者】
【氏名】松本 寛
(72)【発明者】
【氏名】張替 寛司
【審査官】 小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−314011(JP,A)
【文献】 特開平09−140556(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3169212(JP,U)
【文献】 特開2012−217474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(11)、天井又は窓枠に取付けられかつ前記壁(11)、前記天井又は前記窓枠に平行に延びて設けられるカーテンレール(12)と、前記カーテンレール(12)の端部に取付けられ前記カーテンレール(12)の端面を閉止するキャップ(13)とを備えたカーテンレールへのキャップの取付構造において、
頭部(16a)に被係止突起(16b)が形成されたキャップ固定具(16)が前記カーテンレール(12)の端面に取付けられ、
前記キャップ(13)の前記カーテンレール(12)への取付面に前記キャップ固定具(16)の被係止突起(16b)に係止可能な係止部(13b,13c)が形成され、
前記キャップ(13)を前記カーテンレール(12)の端面に対して平行にスライドさせて、前記被係止突起(16b)に前記係止部(13b,13c)係止させることにより、前記キャップ(13)が前記カーテンレール(12)の端面に取付けられた状態で前記被係止突起(16b)が前記キャップ(13)の前記カーテンレール(12)への取付面とは反対側から視認不能に形成された
ことを特徴とするカーテンレールへのキャップの取付構造。
【請求項2】
前記キャップ固定具(16)が雄ねじ部(16c)又はピン部を有し、前記雄ねじ部(16c)又は前記ピン部が螺合又は挿着されるC字状溝(14p,14r)又は通孔が前記カーテンレール(12)の端面にこのカーテンレール(12)の長手方向に延びて形成された請求項1記載のカーテンレールへのキャップの取付構造。
【請求項3】
前記C字状溝(14p,14r)又は前記通孔は、前記カーテンレール(12)を連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝又は通孔を兼ねる請求項2記載のカーテンレールへのキャップの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁、天井又は窓枠に取付けられたカーテンレールの端部にキャップを取付けるための構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非対称な横断面輪郭を有するカーテンレールの端部を内嵌するための嵌合凹部を有し、左右及び上下を反転すると、反転前と反転後の外形が面対称となり、嵌合凹部の内周輪郭が、カーテンレールの横断面と、それを上下の中心線に関して180度回転したものとを包絡するように形成された両端共通レールエンドキャップが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この両端共通レールエンドキャップでは、嵌合凹部の内底面が少なくとも2段に形成され、浅い内底面にカーテンレールの端面の少なくとも一部が当接するように構成される。また相互に直交する連結部材の一方の板部が深い内底面に止めねじを介して上下反転可能に固定され、他方の板部がカーテンレールに止めねじを介して固定される。
【0003】
このように構成された両端共通レールエンドキャップレールでは、エンドキャップのカーテンレール側の内端面に形成した嵌合凹部が、カーテンレール横断面の上下の中心線に関して対称であるため、レールエンドキャップを上下の中心線に関して180度回転させ、次いで、横断面に垂直な中心線に関して180度回転させると、回転後の嵌合凹部は回転前の嵌合凹部と面対称になる。嵌合凹部の内周輪郭はカーテンレール横断面を包絡するため、レールエンドキャップの嵌合凹部は左右のいずれのカーテンレールエンドにも外嵌することができる。このとき、嵌合凹面の上下中心線上にねじ止めした連結部材は、ねじを弛めて上下を反転すると、回転後の結合部材は回転前の結合部材と面対称になる。このように、アングル状結合部材の他方の板部は左右いずれのカーテンレールエンドにもねじ止めできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−196408号公報(請求項1及び2、段落[0007]及び[0008]、図1図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示された両端共通レールエンドキャップでは、相互に直交する連結部材のうち一方の板部を深い内底面に固定する止めねじが露出しないため、見栄えを損なわないけれども、相互に直交する連結部材のうち他方の板部をカーテンレールに固定する止めねじがカーテンレールの下面に露出してしまい、見栄えを損なう不具合があった。
【0006】
本発明の第1の目的は、キャップを固定するためのキャップ固定具を露出させないことにより、カーテンレール及びキャップの見栄えを良くすることができる、カーテンレールへのキャップの取付構造を提供することにある。本発明の第2の目的は、カーテンレールの壁等への取付け後に、キャップ固定具をカーテンレールに螺合又は挿着するための工具を使うことができない場所でも、キャップをカーテンレールの端部に容易に取付けることができる、カーテンレールへのキャップの取付構造を提供することにある。本発明の第3の目的は、C字状溝又は通孔が、カーテンレールを連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝又は通孔を兼ねるため、カーテンレールに特殊な加工を施す必要がなく、これによりカーテンレール及びキャップを取付場所に速やかに取付けることができる、カーテンレールへのキャップの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1図3に示すように、壁11、天井又は窓枠に取付けられかつ壁11、天井又は窓枠に平行に延びて設けられるカーテンレール12と、カーテンレール12の端部に取付けられカーテンレール12の端面を閉止するキャップ13とを備えたカーテンレールへのキャップの取付構造において、頭部16aに被係止突起16bが形成されたキャップ固定具16がカーテンレール12の端面に取付けられ、キャップ13のカーテンレール12への取付面にキャップ固定具16の被係止突起16bに係止可能な係止部13b,13cが形成され、キャップ13をカーテンレール12の端面に対して平行にスライドさせて、被係止突起16bに係止部13b,13c係止させることにより、キャップ13がカーテンレール12の端面に取付けられた状態で被係止突起16bがキャップ13のカーテンレール12への取付面とは反対側から視認不能に形成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1図3に示すように、キャップ固定具16が雄ねじ部16c又はピン部を有し、雄ねじ部16c又はピン部が螺合又は挿着されるC字状溝14p,14r又は通孔がカーテンレール12の端面にカーテンレール12の長手方向に延びて形成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に図1図3に示すように、C字状溝14p,14r又は通孔が、カーテンレール12を連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝又は通孔を兼ねることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の観点のカーテンレールへのキャップの取付構造では、カーテンレールの端面に取付けられたキャップ固定具の被係止突起に、キャップの係止部が係止したときに、被係止突起がキャップのカーテンレールへの取付面とは反対側から視認できないので、キャップを固定するためのキャップ固定具が露出しない。この結果、カーテンレール及びキャップの見栄えを良くすることができる。
【0011】
本発明の第2の観点のカーテンレールへのキャップの取付構造では、カーテンレールを壁等に取付ける前に、カーテンレール端面のC字状溝又は通孔に工具を用いてキャップ固定具の雄ねじ部又はピンを螺合又は挿着しておくことにより、このカーテンレールを壁等に取付けた後に、キャップ固定具をカーテンレールに螺合又は挿着するための工具を使うことなく、キャップをカーテンレールの端部に容易に取付けることができる。また故障したランナを新品のランナに交換するとき、工具を用いずに、キャップを壁等から離す方向にスライドさせるだけで、キャップをカーテンレールから取外すことができるので、ランナを容易に交換できる。
【0012】
本発明の第3の観点のカーテンレールへのキャップの取付構造では、C字状溝又は通孔が、カーテンレールを連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝又は通孔を兼ねるので、即ちカーテンレールを連結するために既にカーテンレールに形成されているので、カーテンレールに特殊な加工を施す必要がない。この結果、カーテンレールを取付場所の寸法に合せて切断した後に、カーテンレールの端面にC字状溝又は通孔にキャップ固定具を螺合又は挿着することにより、カーテンレール及びキャップを取付場所に速やかに取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明実施形態のカーテンレールへのキャップの取付手順を示すカーテンレール及びキャップを斜め下方から見た要部斜視図である。
図2】そのキャップをカーテンレールに取付ける直前の状態を示すカーテンレール及びキャップを斜め上方から見た要部斜視図である。
図3】カーテンレールを壁に取付けた状態を示すカーテンレールの横断面図である。
図4】そのカーテンレールのレール本体から第1〜第3カバー体を取外した状態を示す図3に対応する横断面図である。
図5】(a)は壁に取付けられたブラケットの正面図であり、(b)はブラケットにレール本体を取付けたけれどもこのレール本体をブラケットに固定していない状態を示す図4のA−A線断面図であり、(c)はブラケットにレール本体を取付けた後にこのレール本体をブラケットに固定した状態を示す図4のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1及び図3に示すように、部屋の壁11に取付けられたカーテンレール12が壁11に平行に延びて設けられ、カーテンレール12の両端部に取付けられたキャップ13がカーテンレール12の端面を閉止するように構成される。カーテンレール12は、壁11に平行に延びて設けられ下面に第1及び第2レール溝14a,14bが間隔をあけて互いに平行に形成されたレール本体14と、レール本体14の長手方向に延びて設けられ少なくとも第1レール溝14aの一方の側縁を覆う第1カバー体21と、レール本体14の長手方向に延びて設けられ少なくとも第2レール溝14bの他方の側縁を覆う第2カバー22体と、レール本体14の長手方向に延びて設けられ少なくとも第1レール溝14aの他方の側縁及び第2レール溝14bの一方の側縁を覆う第3カバー体23とを備える。
【0015】
レール本体14は、アルミニウム又はアルミニウム合金の押出し成形や、アルミニウム又はアルミニウム合金の引抜き成形等により形成されることが好ましい。そしてレール本体14は、図3及び図4に詳しく示すように、天井と平行に略一直線状に延びる上片14cと、上片14cの幅方向の中央に所定の間隔をあけてそれぞれ垂設された第1アウタ側片14d及び第1インナ側片14eと、上片14cの幅方向のうち壁11とは反対側の端部に所定の間隔をあけてそれぞれ垂設された第2アウタ側片14f及び第2インナ側片14gと、第1アウタ側片14dの下端から第1インナ側片14eの下端に向って水平方向に延びる第1アウタ下片14hと、第1インナ側片14eの下端から第1アウタ側片14dの下縁に向って水平方向に延びる第1インナ下片14iと、第2アウタ側片14fの下端から第2インナ側片14gの下端に向って水平方向に延びる第2アウタ下片14jと、第2インナ側片14gの下端から第2アウタ側片14fの下縁に向って水平方向に延びる第2インナ下片14kとを有する。第1アウタ下片14h及び第1インナ下片14iの互いに対向する縁は所定の間隔をあけて平行に設けられ、これにより第1アウタ下片14h及び第1インナ下片14iの間にレール本体14の長手方向に延びる上記第1レール溝14aが形成される。また第2アウタ下片14j及び第2インナ下片14kの互いに対向する縁は所定の間隔をあけて平行に設けられ、これにより第2アウタ下片14j及び第2インナ下片14kの間にレール本体14の長手方向に延びる上記第2レール溝14bが形成される。更にレール本体14は、上片14cの基端部下面に突設されたアッパ係止片14mと、上片14cのうちアッパ係止片14m及び第1アウタ側片14d間の中央下面に垂設された横断面略J字状のロア係止片14nとを有する。
【0016】
一方、レール本体14の端面には、キャップ13をカーテンレール12の端部に取付けるためのキャップ固定具16が取付けられる(図1及び図2)。このキャップ固定具16は、被係止突起16bが形成された大径の頭部16aと、この頭部16aの先端面から突設された小径の雄ねじ部16cとを有する。この頭部16aは、大径の円柱状に形成され、頭部16aの軸方向中央にリング状の小径部16dを形成することにより、頭部16aの基端に上記被係止突起16bが形成される。また頭部16aの基端面には、ねじ回し工具のプラスドライバの先端部が係合可能な十字状穴16eが形成される。更にレール本体14の端面には、キャップ固定具16の雄ねじ部16cを螺合可能な一対のC字状溝14p,14rが形成される。これらのC字状溝14p,14rのうち一方のC字状溝14pはレール本体14のロア係止片14nの基端近傍にレール本体14の長手方向に延びて形成され、他方のC字状溝14rはレール本体14の第2インナ側片14gの下端近傍にレール本体14の長手方向に延びて形成される。これらのC字状溝14p,14rにキャップ固定具16の雄ねじ部16cを螺合することにより、レール本体14の端面からキャップ固定具16の頭部16aのみが突出するように構成される。なお、C字状溝14p,14rは、カーテンレール12を連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝を兼ねる。
【0017】
一方、キャップ13は、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(以下、ABS樹脂という)、ポリスチレン樹脂等のプラスチックにより形成されることが好ましい。そしてキャップ13は、底面がカーテンレール12の端面に相応する偏平な長方形状に形成された浅い箱状のキャップ本体13aと、箱状のキャップ本体13aの内面に間隔をあけてそれぞれ形成された一対の係止部13b,13cとを有する(図1及び図2)。キャップ本体13aには、カーテンレール12に対向する面を開放する開口部13dと、キャップ13をレール本体14の端部に取付けたときに壁11に対向する側面を切欠いた切欠き部13eとが形成される。また一対の係止部13b,13cは、キャップ13がカーテンレール12に取付けられたときに、レール本体14端面の一対のC字状溝14p,14rに対向する位置にそれぞれ形成される。また係止部13b,13cは、キャップ固定具16の被係止突起16bを挿入可能な箱状部13f,13gと、箱状部13f,13gに形成されキャップ固定具16の小径部16dを挿入可能な略Ω字状の凹部13h,13iとからなる。凹部13h,13iの直径はキャップ固定具16の小径部16dの外径より僅かに大きく形成され、凹部13h,13iの入口の幅はキャップ固定具16の小径部16dの外径より僅かに狭く形成される。これによりキャップ固定具16の小径部16dを凹部13h,13iに挿入したときに、節度感を与えるとともに、キャップ固定具16の小径部16dが意図せずに凹部13h,13iから抜けるのを防止できる。上記箱状部13f,13g及び凹部13h,13iは、壁11(図3及び図4)に対向する面が開口するようにそれぞれ形成される。これによりキャップ13をレール本体14の端部に、図1(b)の破線矢印で示すようにスライドさせて取付けることができる。なお、図2の符号13jは、キャップ13の上面に形成された窪み部である。この窪み部13jに指を挿入してキャップを把持することにより、指が滑ることなく、キャップ13をレール本体14から取外すことができる。またこの窪み部13jは室内側からは殆ど見えないようになっている。更に窪み部13jは、第2カバー体22が線膨張(熱膨張)した際に、線膨張した第2カバー体22を逃がす空間として機能する。一方、図2の符号13kは、キャップ本体13a内面にキャップ本体13aの長手方向に延びて形成されたリブである。また図2の符号13m,13nは上記リブ13kに形成された隙間であり、これらの隙間13m,13nは、第3カバー体23が線膨張(熱膨張)した際に、線膨張した第3カバー体23の第3取付片33a,33cをそれぞれ逃がす空間として機能する。
【0018】
一方、第1〜第3カバー体21〜23は、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチックにより形成されることが好ましい(図1図3)。第1カバー体21は、図3に示すように、第1レール溝14aの一方の側縁と、第1アウタ下片14hの下面と、ロア係止片14nの下面と、後述するブラケット17の下面とを覆う帯板状に形成される。そして第1カバー体21は第1取付具31を介してレール本体14に取付けられる。この第1取付具31は、第1カバー体21の上面から上方に向って突設され上端近傍に対向面とは反対側の面にそれぞれ凹部31b,31dが形成された一対の第1取付片31a,31cと、これらの第1取付片31a,31cの凹部31b,31dがそれぞれ係合する一対の第1被取付片31e,31fとを有する。一対の第1被取付片31e,31fのうち一方の第1被取付片31eはレール本体14のロア係止片14nから突設され、他方の第1被取付片31fはレール本体14の第1アウタ側片14dから突設され、これらの第1被取付片31e,31fは互いに対向して設けられる。
【0019】
第2カバー体22は、図3に示すように、第2レール溝14bの他方の側縁と第2インナ下片14kの下面とを覆うロアカバー部22aと、第2インナ側片14gの外面を覆うサイドカバー部22bとを有する。そして第2カバー体22は第2取付具32を介してレール本体14に取付けられる。この第2取付具32は、第2カバー体22のサイドカバー部22bの上端及び下部からそれぞれ第2インナ側片14gに向って水平方向に突設され先端近傍の下面に凹部32b,32dがそれぞれ形成された一対の第2取付片32a,32cと、これらの第2取付片32a,32cの凹部32b,32dがそれぞれ係合する一対の第2被取付片32e,32fとを有する。一対の第2被取付片32e,32fのうち一方の第2被取付片32eは、レール本体14の第2インナ側片14gの上部から外方に突設された後に上方に突設されて、横断面略逆L字状に形成される。また一対の第2被取付片32e,32fのうち他方の第2被取付片32fは、レール本体14の第2インナ側片14gの下端から下方に突設された後に外方に突設され更に上方に突設されて、横断面略逆J字状に形成される。なお、第2カバー体22が第2取付具32を介してレール本体14に取付けられて、一対の第2取付片32a,32cが一対の第2被取付片32e,32fにそれぞれ係合したときに、第2カバー体22のロアカバー部22a上面が第2取付具32の他方の第2被取付片32f下面に圧接され、これにより第2カバー体22がレール本体14に固定されるようになっている。
【0020】
第3カバー体23は、図3に示すように、第1レール溝14aの他方の側縁と、第1インナ下片14iの下面と、第2アウタ下片14jの下面と、第2レール溝14bの一方の側縁とを覆う帯板状に形成される。そして第3カバー体23は第3取付具33を介してレール本体14に取付けられる。この第3取付具33は、第3カバー体23の上面に上方に向って突設され上端近傍に対向面とは反対側の面にそれぞれ凹部33b,33dが形成された一対の第3取付片33a,33cと、これらの第3取付片33a,33cの凹部33b,33dがそれぞれ係合する一対の第3被取付片33e,33fとを有する。一対の第3被取付片33e,33fのうち一方の第3被取付片33eはレール本体14の第1インナ下片14iから水平に突設され、他方の第3被取付片33fはレール本体14の第2アウタ下片14jから水平に突設され、これらの第3被取付片33e,33fは互いに対向して設けられる。
【0021】
一方、レール本体14はブラケット17を介して壁11に取付けられる(図3図5)。このブラケット17は、壁11にビス18により取付けられるブラケット本体17aと、このブラケット本体17aの中央にピン17bを介して枢着されたレバー17cとを有する。上記ブラケット本体17aは鋼板のプレス成形等により形成されることが好ましい。またレバー17cは、レール本体14のロア係止片14nに離脱可能に係止するロア被係止部17dと、ロア被係止部17dをロア係止片14nに係止させるか或いはロア係止片14nから離脱させるようにロア被係止部17dを回動させる操作部17eとからなる。更にブラケット本体17aの上縁には、上記アッパ係止片14mが離脱可能に係止するアッパ被係止部17fが形成される。なお、図5の符号17g,17hはブラケット本体17aにそれぞれ形成された第1及び第2円形凸部であり、図5の符号17iは操作部17eに形成された円形凹部である。レバー17cがピン17bを中心に回転して、円形凹部が第1円形凸部に嵌合して一時的に固定され、円形凹部が第2円形凸部に嵌合して一時的に固定されるようになっている。
【0022】
一方、第1及び第2レール溝14a,14bを通ってカーテンレール12の内外に位置する複数のランナ19が第1及び第2レール溝14a,14bに沿ってそれぞれ移動可能に設けられる(図3及び図4)。これらのランナ19は、第1及び第2レール溝14a,14bを通ってレール本体14の内外に位置するランナ本体19aと、ランナ本体19aのうちレール本体14内に位置する部分に挿通された一対の軸19bと、これらの軸19bの一端及び他端にそれぞれ回転可能に取付けられた4つのローラ19cと、ランナ本体19aのうちレール本体14外に位置する部分から垂下されたヒートン19dとを有する。第1レール溝14aに沿って移動するランナ19において、軸19bの一端に回転可能に取付けられたローラ19cはレール本体14の第1アウタ下片14h上を転動し、軸19bの他端に回転可能に取付けられたローラ19cはレール本体14の第1インナ下片14i上を転動するように構成される。また第2レール溝14bに沿って移動するランナ19において、軸19bの一端に回転可能に取付けられたローラ19cはレール本体14の第2アウタ下片14j上を転動し、軸19bの他端に回転可能に取付けられたローラ19cはレール本体14の第2インナ下片14k上を転動するように構成される。更にヒートン19dとは、カーテンの上縁に所定の間隔をあけて取付けられたフック(図示せず)を吊下げるための吊下げ具である。
【0023】
次にカーテンレール12及びキャップ13の取付手順を説明する。先ずレール本体14を壁11に取付ける前に、レール本体14の両端面にそれぞれ形成された一対のC字状溝14p,14rにプラスドライバを用いてキャップ固定具16の雄ねじ部16cをそれぞれ螺合する(図1(a)及び図2)。ここで、図1(b)では、レール本体14に第1〜第3カバー体21〜23が既に取付けられているけれども、実際には、これらのカバー体21〜23はレール本体14を壁11に取付けた後に取付けられる。次いでブラケット17をビス18により壁11に取付ける(図5(a))。このときブラケット17のレバー17cは、円形凹部17iが第1円形凸部17gに嵌合して、操作部17eが下方に垂下した状態に保たれる。そしてレール本体14のアッパ係止片14mをブラケット17のアッパ被係止部17fに係止させた状態で、レバー17cの操作部17eを操作して、円形凹部17iを第1円形凸部17gから離脱させ(図5(b))、更にレバー17cの操作部17eを図5(b)の破線矢印で示すように、ピン17bを中心に回転させる。これによりブラケット17のロア被係止部17dがレール本体14のロア係止片14nに係止するので、レール本体14はブラケット17を介して壁11に取付けられる(図5(c))。このとき円形凹部17iが第2円形凸部17hに嵌合する。次に第1カバー体21を第1取付具31を介してレール本体14に取付け、第2カバー体22を第2取付具32を介してレール本体14に取付け、第3カバー体23を第3取付具33を介してレール本体14に取付ける。更にレール本体14の第1及び第2レール溝14a,14bに複数のランナ19を挿入した後に、レール本体14の両端部にキャップ13をそれぞれ取付ける(図1(b))。なお、ランナ19のヒートン19dにカーテンのフックを係止すれば、カーテンがカーテンレール12に取付けられる。
【0024】
このように構成されたカーテンレール12へのキャップ13の取付構造では、カーテンレール12の端面に取付けられたキャップ固定具16の被係止突起16bに、キャップ13の係止部14p,14rが係止したときに、被係止突起16bがキャップ13のカーテンレール12への取付面とは反対側から視認できないので、キャップ13を固定するためのキャップ固定具16が露出しない。この結果、カーテンレール12及びキャップ13の見栄えを良くすることができる。また故障したランナ19を新品のランナ19に交換するとき、プラスドライバ等の工具を用いずに、キャップ13を壁11から離す方向にスライドさせるだけで、キャップ13をカーテンレール12から取外すことができるので、ランナ19を容易に交換できる。更にC字状溝14p,14rが、カーテンレール12を連結するために連結ピンが挿着されるC字状溝を兼ねるので、即ちカーテンレール12を連結するために既にカーテンレール12に形成されているので、カーテンレール12に特殊な加工を施す必要がない。この結果、カーテンレール12を取付場所の寸法に合せて切断した後に、カーテンレール12の端面にC字状溝14p,14rにキャップ固定具16を螺合することにより、カーテンレール12及びキャップ13を取付場所に速やかに取付けることができる。
【0025】
なお、上記実施の形態では、カーテンレールを壁に取付けたが、カーテンレールを天井又は窓枠に取付けてもよい。また、上記実施の形態では、第1及び第2レール溝を有するレール本体を挙げたが、単一のレール溝を有するレール本体にも本発明を適用できる。また、上記実施の形態では、レール本体の端面にC字状溝を形成したが、レール本体の端面に通孔を形成してもよい。更に、上記実施の形態では、キャップ固定具がレール本体の端面のC字状溝に螺合可能な雄ねじ部を有するように構成したが、キャップ固定具がレール本体の端面のC字状溝に挿着可能なピン部を有するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0026】
11 壁
12 カーテンレール
13 キャップ
13b,13c 係止部
14p,14r C字状溝
16 キャップ固定具
16a 頭部
16b 被係止突起
16c 雄ねじ部
図1
図2
図3
図4
図5