特許第6154684号(P6154684)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154684
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】角形状の缶詰用缶胴体及び缶詰用缶体
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/032 20060101AFI20170619BHJP
   B65D 8/04 20060101ALI20170619BHJP
   B65D 17/40 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   B65D21/032
   B65D8/04 G
   B65D17/40
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-141118(P2013-141118)
(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公開番号】特開2015-13667(P2015-13667A)
(43)【公開日】2015年1月22日
【審査請求日】2016年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】505440295
【氏名又は名称】北海製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生石 久義
(72)【発明者】
【氏名】和田 幸廣
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−105717(JP,A)
【文献】 実開昭59−150724(JP,U)
【文献】 実開昭52−001425(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/032
B65D 8/04
B65D 17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム板打抜き絞り加工された有底筒状缶胴体であって、
互いに対向する各1対の長辺及び短辺からなる角形状の底面部と、
該底面部の外周縁から立上る側壁部と、
該側壁部の該長辺及び該短辺に対応する部分に形成された複数の縦ビードとを備え、
該缶胴体の開口端部に、角形状の長手方向の端部に開口タブを備えるイージーオープン缶蓋が巻締められることにより缶詰用缶体を形成する角形状の缶詰用缶胴体において、
該底面部の外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された周状突出部と、
該周状突出部の内周側に形成された角形状のパネル部と、
該パネル部の長手方向の少なくとも一端部に連接して該周状突出部に入り込み、該缶詰用缶体を積み重ねたときに該開口タブを収容可能な凹部を形成する湾形状部と
該湾形状部の該長辺側と該周状突出部とを接続する傾斜部とを備え、
該周状突出部は該湾形状部が入り込む部分で他の部分よりも幅が狭く且つ突出量が少なくなっていることを特徴とする角形状の缶詰用缶胴体。
【請求項2】
請求項1記載の角形状の缶詰用缶胴体において、前記缶詰用缶体を重ねたときに、前記周状突出部は前記湾形状部が入り込む部分で前記開口タブとの間に間隙を存することを特徴とする角形状の缶詰用缶胴体。
【請求項3】
アルミニウム板打抜き絞り加工された有底筒状缶胴体であって、互いに対向する各1対の長辺及び短辺からなる角形状の底面部と、該底面部の外周縁から立上る側壁部と、該側壁部の該長辺及び該短辺に対応する部分に形成された複数の縦ビードとを備える角形状の缶詰用缶胴体と、
角形状の長手方向の端部に開口タブを備え、該缶胴体の開口端部に巻締められたイージーオープン缶蓋とを備える角形状の缶詰用缶体において、
該底面部の外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された周状突出部と、
該周状突出部の内周側に形成された角形状のパネル部と、
該パネル部の長手方向の少なくとも一端部に連接して該周状突出部に入り込み、該缶詰用缶体を積み重ねたときに該開口タブを収容可能な凹部を形成する湾形状部と
該湾形状部の該長辺側と該周状突出部とを接続する傾斜部とを備え、
該周状突出部は該湾形状部が入り込む部分で他の部分よりも幅が狭く且つ突出量が少なくなっていることを特徴とする角形状の缶詰用缶体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角形状の缶詰用缶胴体及び缶詰用缶体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンマ、イワシ等の魚介類等を内容物とする缶詰用缶体では、互いに対向する各1対の長辺及び短辺からなる角部が丸みをおびた長方形状の角形状の底面部と、該底面部の外周縁から立上る側壁部とを備える浅型で角部が丸みをおびた長方形状の角形状の缶詰用缶胴体が用いられている。
【0003】
前記缶詰用缶胴体は、前記側壁部の開口端部に、角形状の缶蓋が巻締められることにより缶詰用缶体を形成する。前記缶蓋としては、例えば、角形状の長手方向の端部に開口タブを備えるイージーオープン缶蓋が用いられる。
【0004】
前記缶詰用缶胴体は、アルミニウム板を打抜き絞り加工することにより有底筒状体として得ることができるが、このようにするときには前記缶詰用缶体を形成したときに十分なパネル強度を得ることができないことがある。そこで、前記側壁部の前記長辺及び短辺に対応する部分に複数の縦ビードを形成することにより、パネル強度が向上された缶詰用缶胴体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、前記パネル強度を向上させるために、前記底面部の外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された接地部となる周状突出部を備える缶詰用缶胴体も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
ところが、前記底面部の外周縁の全周に亘って前記周状突出部を備える缶詰用缶胴体は、前記開口タブを備える前記イージーオープン缶蓋を巻締めて缶詰用缶体を形成したときに、複数の該缶詰用缶体を積み重ねることが難しいという問題がある。前記問題は、一の缶詰用缶体に他の缶詰用缶体を積み重ねると、前記底面部の外周縁の全周に亘って形成されている前記周状突出部が前記開口タブに乗り上げ、姿勢が不安定になることによる。
【0007】
そこで、前記周状突出部に不連続部を設け、該不連続部に前記開口タブを収容可能とした缶詰用缶胴体が知られている(例えば、特許文献3,4参照)。
【0008】
前記魚介類等を内容物とする缶詰用缶体では、缶蓋を巻締めた空缶を加圧装置に入れて外部から加圧し缶胴部が変形する圧力を測定する方法により測定されるパネル強度として、好ましくは0.9MPaのパネル強度が必要とされる。このとき、前記不連続部に前記開口タブを収容可能とした缶詰用缶胴体を用いる缶詰用缶体によれば、厚さ0.25mmのアルミニウム板を用い、前記縦ビード部を設けることにより、1.2MPaのパネル強度を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭59−150724号公報
【特許文献2】特開平5−42938号公報
【特許文献3】特開2010−105717号公報
【特許文献4】特開2010−132321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、省資源による環境対策及びコストダウンのために、前記アルミニウム板を薄肉化し、例えば0.22mmの厚さにすることが検討されている。しかしながら、前記アルミニウム板を薄肉化すると、前記缶詰用缶胴体を用いる前記缶詰用缶体では前記パネル強度が0.8MPaとなり、十分なパネル強度を得ることができないという不都合がある。
【0011】
本発明は、かかる不都合を解消して、缶詰用缶体としたときに、複数の缶詰用缶体を安定に積み重ねることができると共に、材料を薄肉化しても十分なパネル強度を得ることができる缶詰用缶胴体を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の目的は、前記缶詰用缶胴体を用いて形成される缶詰用缶体を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明の角形状の缶詰用缶胴体は、アルミニウム板打抜き絞り加工された有底筒状缶胴体であって、互いに対向する各1対の長辺及び短辺からなる角部が丸みをおびた長方形状の角形状の底面部と、該底面部の外周縁から立上る側壁部と、該側壁部の該長辺及び該短辺に対応する部分に形成された複数の縦ビードとを備え、該缶胴体の開口端部に、角形状の長手方向の端部に開口タブを備えるイージーオープン缶蓋が巻締められることにより缶詰用缶体を形成する角形状の缶詰用缶胴体において、該底面部の外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された周状突出部と、該周状突出部の内周側に形成された角形状のパネル部と、該パネル部の長手方向の少なくとも一端部に連接して該周状突出部に入り込み、該缶詰用缶体を積み重ねたときに該開口タブを収容可能な凹部を形成する湾形状部と、該湾形状部の該長辺側と該周状突出部とを接続する傾斜部とを備え、該周状突出部は該湾形状部が入り込む部分で他の部分よりも幅が狭く且つ突出量が少なくなっていることを特徴とする。
【0014】
本発明の角形状の缶詰用缶胴体は、前記側壁部の開口端部に、前記イージーオープン缶蓋が巻締められることにより缶詰用缶体を形成する。このとき、本発明の前記缶詰用缶胴体によれば、前記周状突出部に前記湾形状部を備えているので、該湾形状部により形成される前記凹部に前記開口タブを収容することができ、前記缶詰用缶体としたときに複数の該缶詰用缶体を安定に積み重ねることができる。また、本発明の缶詰用缶胴体は、前記湾形状部の前記長辺側と前記周状突出部とを接続する傾斜部を備えることにより、前記缶詰用缶体を積み重ねたときに、前記開口タブと前記湾形状部との位置が一致していなくても、該傾斜部により該開口タブを該湾形状部の位置に案内することができる。従って、本発明の缶詰用缶胴体によれば、前記缶詰用缶体を形成したときに、複数の該缶詰用缶体を容易に積み重ねることができる。
【0015】
また、本発明の缶詰用缶胴体によれば、前記周状突出部は、長辺部は接地部となるが短辺部の前記湾形状部が入り込む部分では他の部分よりも幅が狭く且つ外方への突出量が少なく非接地部となっているものの全周に亘って連続しており、不連続となる部分がない。従って、前記縦ビードと共に前記周状突出部を備える本発明の缶詰用缶胴体によれば、材料のアルミニウム板を薄肉化しても、前記缶詰用缶体としたときに十分なパネル強度を得ることができる。
【0016】
また、前記縦ビードを備えることにより、薄肉のアルミニウム板から打抜き加工したときに缶胴側面に発生しやすい加工しわ、厚みむらを解消して、美粧性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の缶詰用缶胴体において、前記缶詰用缶体を重ねたときに、前記周状突出部は前記湾形状部が入り込む部分で前記開口タブとの間に間隙を存することが好ましい。本発明の缶詰用缶胴体によれば、前記間隙を存することにより、前記周状突出部が前記開口タブに乗り上げることを確実に阻止することができ、複数の前記缶詰用缶体をさらに安定に積み重ねることができる。
【0020】
また、本発明の角形状の缶詰用缶体は、アルミニウム板打抜き絞り加工された有底筒状缶胴体であって、互いに対向する各1対の長辺及び短辺からなる角形状の底面部と、該底面部の外周縁から立上る側壁部と、該側壁部の該長辺及び該短辺に対応する部分に形成された複数の縦ビードとを備える角形状の缶詰用缶胴体と、角形状の長手方向の端部に開口タブを備え、該缶胴体の開口端部に巻締められるイージーオープン缶蓋とを備える角形状の缶詰用缶体において、該底面部の外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された周状突出部と、該周状突出部の内周側に形成された角形状のパネル部と、該パネル部の長手方向の端部に連接して該周状突出部に入り込み、該缶詰用缶体を積み重ねたときに該開口タブを収容可能な凹部を形成する湾形状部と、該湾形状部の該長辺側と該周状突出部とを接続する傾斜部とを備え、該周状突出部は該湾形状部が入り込む部分で他の部分よりも幅が狭く且つ突出量が少なくなっていることを特徴とする。
【0021】
本発明の角形状の缶詰用缶体は、本発明の角形状の缶詰用缶胴体の前記側壁部の開口端部に前記イージーオープン缶蓋を巻締めることにより形成される。
【0022】
この結果、本発明の角形状の缶詰用缶体によれば、前記湾形状部により形成される前記凹部に前記開口タブを収容することができ、複数の該缶詰用缶体を安定に積み重ねることができる。また、本発明の角形状の缶詰用缶体によれば、材料のアルミニウム板を薄肉化した缶詰用缶胴体を用いても、十分なパネル強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の缶詰用缶胴体の構成を示す斜視図。
図2】本発明の缶詰用缶体の構成を示す斜視図。
図3】本発明の缶詰用缶胴体の底面図。
図4】本発明の缶詰用缶体を積み重ねた状態を底面側から見た平面図。
図5図4のV−V線断面図。
図6図4のVI−VI線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の角形状の缶詰用缶胴体1は、アルミニウム板打抜き絞り加工された有底筒状体であり、底面部2と、底面部2の外周縁から立上る側壁部3と、側壁部3に形成された複数の縦ビード4a,4bとを備えている。
【0026】
前記アルミニウム板は、缶内面側には透明なポリエステルフェノール系塗料が塗装されており、缶外面側にはポリエステルアミノ系塗料による印刷が施されている。また、前記アルミニウム板は、缶内外面のいずれか一方、又は両方にポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム等のフィルムが接着されて、該フィルムからなる樹脂被覆層が形成されていてもよい。
【0027】
底面部2は互いに対向する各1対の長辺5及び短辺6と、長辺5と短辺6とを接続する曲線部7とからなり、角部が丸みをおびた長方形状の角形状を備えている。また、縦ビード4aは側壁部3の長辺5に対応する部分に形成されており、縦ビード4bは側壁部3の短辺6に対応する部分に形成されている。
【0028】
缶詰用缶胴体1は、図2に示すように、側壁部3の開口端部に、角形状のイージーオープン缶蓋8が巻締められることにより、角部が丸みをおびた長方形状の角形状の缶詰用缶体9を形成する。イージーオープン缶蓋8は、缶詰用缶胴体1の底面部2に対応する角部が丸みをおびた長方形状の角形状を備え、長手方向の端部に開口タブ10を備えている。また、イージーオープン缶蓋8は、側壁部3の内周側にスコア部11を備えており、開口タブ10を起立させて引き上げることによりスコア部11に沿って開口することができる。
【0029】
缶詰用缶胴体1の底面部2は、図3に示すように、外周縁の全周に亘って外方に突出して形成された周状突出部12を備え、周状突出部12は底面部2の長手方向に沿って接地部となる稜部12a,12bを備えている。また、底面部2は、周状突出部12の内周側に形成された角形状のパネル部13と、周状突出部12とパネル部13との間に形成された細幅でパネル部13よりも缶内方に凹入した環状溝部14とを備えている。
【0030】
本実施形態では、パネル部13の長手方向の両端部に、環状溝部14を介して該端部に連接し、周状突出部12に入り込む湾形状部15が形成されている。この結果、周状突出部12は、各湾形状部15が入り込む部分に、他の部分よりも幅が狭くなっている狭隘部12cを備えている。
【0031】
また、湾形状部15の長辺5側には、湾形状部15と周状突出部12とを接続する傾斜部16が形成されており、傾斜部16は周状突出部12の稜部12bに連接している。また、周状突出部12の狭隘部12cでは、短手方向に沿う稜部12dの突出量が他の部分より少なくなっている。
【0032】
このとき、図4及び図5に示すように、湾形状部15は傾斜部16、稜部12dと共に、開口タブ10を収容する凹部17を形成している。また、図6に示すように、稜部12dは開口タブ10との間に間隙Cを備えている。
【0033】
凹部17によれば、複数の缶詰用缶体9を積み重ねたときに、開口タブ10と湾形状部15との位置が一致していなくても、傾斜部16により開口タブ10を湾形状部15の位置に案内することができる。また、凹部17によれば、稜部12dと開口タブ10との間に間隙Cを存しているので、周状突出部12が開口タブ10に乗り上げることを確実に阻止することができる。
【0034】
従って、缶詰用缶胴体1は、凹部17を備えていることにより、缶詰用缶体9としたときに複数の缶詰用缶体9を安定に積み重ねることができる。
【0035】
本実施形態では、缶詰用缶胴体1の底面部2において、パネル部13の長手方向の両端部に湾形状部15とその両側の傾斜部16が形成されている。しかし、湾形状部15とその両側の傾斜部16は、パネル部13の長手方向のいずれか一方の端部のみに形成されていてもよい。
【0036】
また、缶詰用缶胴体1において、周状突出部12は、狭隘部12cにおいて他の部分よりも幅が狭く、稜部12dの外方への突出量が他の稜部12a,12bよりも少なくなっているものの底面部2の全周に亘って連続しており、不連続となる部分がない。従って、缶詰用缶胴体1によれば、材料のアルミニウム板を薄肉化しても、缶詰用缶体9としたときに十分なパネル強度を得ることができる。
【0037】
次に、缶内面側に透明なポリエステルフェノール系塗料が塗装されており、缶外面にポリエステルアミノ系塗料による印刷が施されている厚さ0.22mmのアルミニウム板を打抜き絞り加工して、角形状の缶詰用缶胴体1を形成した。また、缶詰用缶胴体1の開口端部にイージーオープン缶蓋8を巻締めて、角形状の缶詰用缶体9を形成した。
【0038】
缶詰用缶体9は、底面部2の最大長が96.3mm、最大幅が51.5mm、缶蓋巻締部の最大長が106.3mm、最大幅が62.4mmであり、稜部12a,12bの接地部から缶詰用缶胴体1の巻締部までの缶高が30mmであった。また、周状突出部12の長辺部は幅が15mmで湾形状部15からの高さが4.4mmであり、短辺部は幅が5.5mmで湾形状部15からの高さが2mmであった。また、缶詰用缶体9は、ISO方式による内容量が147mlであった。
【0039】
次に、缶蓋を巻締めた空缶を加圧装置に入れて外部から加圧し缶胴部が変形する圧力を測定する方法により、この缶詰用缶体9のパネリング強度を測定した。この結果、缶詰用缶体9のパネリング強度は、魚介類等を内容物とする缶詰用缶体で必要とされる0.9MPaのパネル強度に対し、1.0MPaであった。従って、本実施形態の缶詰用缶胴体1によれば、材料を薄肉化しても、缶詰用缶体9としたときに十分なパネル強度を得ることができることが明らかである。
【符号の説明】
【0040】
1…缶詰用缶胴体、 2…底面部、 3…側壁部、 4a,4b…縦ビード、 5…長辺、 6…短辺、 8…イージーオープン缶蓋、 9…缶詰用缶体、 10…開口タブ、 12…周状突出部、 13…パネル部、 15…湾形状部、 16…傾斜部、 17…凹部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6