特許第6154758号(P6154758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154758
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】ドライシロップ剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20170619BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170619BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 11/10 20060101ALI20170619BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   A61K31/198
   A61K9/10
   A61K47/10
   A61K47/32
   A61K47/38
   A61P11/02
   A61P11/10
   A61P27/16
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-17418(P2014-17418)
(22)【出願日】2001年11月20日
(65)【公開番号】特開2014-74079(P2014-74079A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2014年1月31日
【審判番号】不服2015-15153(P2015-15153/J1)
【審判請求日】2015年8月12日
(31)【優先権主張番号】特願2000-353839(P2000-353839)
(32)【優先日】2000年11月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001395
【氏名又は名称】杏林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100126653
【弁理士】
【氏名又は名称】木元 克輔
(74)【代理人】
【識別番号】100139000
【弁理士】
【氏名又は名称】城戸 博兒
(74)【代理人】
【識別番号】100152191
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 正人
(72)【発明者】
【氏名】星野 良市
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 堅
(72)【発明者】
【氏名】青木 芳延
【合議体】
【審判長】 大熊 幸治
【審判官】 安川 聡
【審判官】 小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第5401514号(US,A)
【文献】 特開平08−337532(JP,A)
【文献】 国際公開第96/034628(WO,A1)
【文献】 特開平06−116138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61K 31/00−33/44
IPC A61K 9/00− 9/72
IPC A61K 47/00−47/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
L−カルボシステイン、糖アルコール、高甘味度甘味剤、並びにクロスポビドン、カルメロース、及びカルメロースナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を含有し、用時水に懸濁して使用することを特徴とする、顆粒状のドライシロップ剤。
【請求項2】
L−カルボシステイン、糖アルコール、高甘味度甘味剤、及びカルメロースナトリウムを含有する、請求項1に記載のドライシロップ剤。
【請求項3】
L−カルボシステイン、糖アルコール、高甘味度甘味剤、及びクロスポビドンを含有する、請求項1に記載のドライシロップ剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L−カルボシステインの酸味を軽減させ、処方や携帯に便利で、そのままでも、あるいは水に懸濁または溶解して服用することができるドライシロップ剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
L−カルボシステインは気道粘膜に含まれる各種ムチンの含量比を正常化し、粘液の粘度を低下させる。また、線毛細胞などの粘膜上皮を修復することにより、粘液線毛輸送系を改善し、貯留物の排泄を促進する。これらの作用から本剤は、各種呼吸器疾患の去痰、慢性副鼻腔炎の排膿、滲出性中耳炎の排液に優れた効果が認められている。
L−カルボシステインの製剤としては錠剤、細粒剤、懸濁シロップ剤、シロップ剤がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的にシロップ剤のような液剤は、固形製剤と比較して薬局や病院等での調剤業務に手間がかかるうえ、患者が携帯するのにも不便である。一方、固形製剤では、嚥下能力の弱い小児や高齢者にとって服用させるのが困難である。このような点を改良し、より服用性に優れ、処方や携帯にも便利な製剤の開発は望まれるところである。
またL−カルボシステインは強い酸味を有するため、この酸味の軽減にはL−カルボシステインに対して多量の糖類を添加するか、またはL−カルボシステインを含んだ顆粒にコーティングなど特殊な加工を施す必要があった。そのため、多量の糖類を添加した製剤では、製造や包装コストが増す上、一回の服用量が多くなり、服用、調剤業務、携帯の際に不便であった。また、コーティングを施した製剤では、製造工程の複雑化と製造コストが増大するという医療経済上の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、L−カルボシステインを含んだ顆粒にコーティングなど特殊な加工をせずに、より簡便な製造工程でL−カルボシステインの酸味を軽減させ、服用、調剤ならびに携帯に便利で、水に懸濁して容易に服用することができるドライシロップ剤を完成させた。
すなわち、本発明は糖アルコール、高甘味度甘味剤、並びにクロスポビドン、カルメロース、及びカルメロースナトリウムからなる群より選ばれる1種又は2種以上の成分を配合することで、コーティングなど特殊な加工をする必要のない簡便な製造工程によってL−カルボシステインの酸味の軽減を達成したドライシロップ製剤を提供するものである。
このようにして得られたL−カルボシステインのドライシロップ剤は、調剤業務が比較的容易に行え、携帯する上にも便利で、用時水に懸濁して服用でき、なおかつ小児から高齢者まで服用可能な製剤である。
【0005】
本発明に用いられる糖アルコールとは、糖分子のカルボニル基を還元して得られる多価アルコールである。例えば、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、キシリトールなどが挙げられる。これらの糖アルコールは2種以上を用いてもよい。
【0006】
本発明に用いられる高甘味度甘味剤とは、ショ糖の10倍以上の甘味度を有する甘味剤である。例えば、アスパルテーム、サッカリン及びその塩類、グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸の塩類、アセスルファムカリウム、ステビアなどが挙げられる。これらの高甘味度甘味剤は2種以上を用いてもよい。
【0007】
本発明における製造方法としては特に限定はなく、流動層造粒法、攪拌造粒法、高速攪拌造粒法、転動流動層造粒法、乾式造粒法など公知のいかなる方法を用いても製造することができる。
【0008】
尚、本発明においては、服用性や商品的価値をさらに高めることを目的として、任意に結合剤や賦形剤、崩壊剤、着香剤、滑沢剤、着色剤などの医薬品添加物を配合することができる。これらの添加剤は1種又は2種以上であってもよい。
【0009】
任意に配合しうる結合剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキプロピルメチルセルロース(HPMC)、アラビアゴム末、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン、プルラン等を挙げることができる。これらは2種以上であってもよい。好ましい当該結合剤としては、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースを挙げることができる。
【0010】
任意に配合しうる崩壊剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。当該崩壊剤は、本発明に関わるドライシロップを懸濁液として調製した際に、L−カルボシステインの分散性を高める懸濁化剤としての働きを有する。例えば、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム等を挙げることができる。これらは2種以上であってもよい。好ましい当該崩壊剤としては、クロスポピドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムを挙げることができる。
【0011】
任意に配合しうる着香剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。例えば、オレンジエキス、オレンジ油、オレンジエッセンス、スペアミント油、ハッカ油、バニラフレーバー、レモン油、l−メントール、ピーチフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ストロベリーエッセンス等を挙げることができる。
【0012】
任意に配合しうる滑沢剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。例えば、含水二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸及びその塩類、フマル酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
【0013】
任意に配合しうる着色剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カラメル、等を挙げることができる。
【0014】
本発明に関わるドライシロップを懸濁液、または溶解液として調製する際にL−カルボシステインの溶解性をさらに高めることを目的として、任意に可溶化剤の医薬品添加物を配合することができる。
【0015】
任意に配合しうる可溶化剤としては、医薬品添加物として用い得るものであれば特に制限はない。例えば、無水クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等を挙げることができる。これらは2種以上であってもよい。
また場合により、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム等の医薬品添加物として用い得る保存剤を添加することができる。さらには部分アルファー化デンプン等の賦形剤を配合することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下参考例により本発明を説明するが、本発明はこれらの参考例によって限定されるものではない。
【参考例1】
【0017】
L−カルボシステイン250gに粉末還元麦芽糖水アメ402g、クロスカルメロースナトリウム37.5g、カルボキシメチルスターチナトリウム15g、安息香酸ナトリウム3g、アスパルテーム11.25g、黄色三二酸化鉄0.5gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース11.25gを95%エタノールに溶解した液を112.5g加えて、スピードニーダー(NSK−250型、岡田精工社製)により混練した後,ペレッター(EXKS−1型、不二パウダル社製)により押し出し造粒した。得られた造粒物を通気乾燥機(30C型、不二パウダル社製)で乾燥し、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に含水二酸化ケイ素15gとグレープフルーツフレーバー0.75gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例2】
【0018】
L−カルボシステイン250gに粉末還元麦芽糖水アメ450g、エリスリトール200.75g、クロスカルメロースナトリウム37.5g、カルボキシメチルスターチナトリウム15g、安息香酸ナトリウム3g、サッカリンナトリウム2.5g、グリチルリチン酸二カリウム5g、黄色三二酸化鉄0.5gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース11.25gを95%エタノールに溶解した液を112.5g加えて、スピードニーダー(NSK−250型、岡田精工社製)により混練した後,ペレッター(EXKS−1型、不二パウダル社製)により押し出し造粒した。得られた造粒物を通気乾燥機(30C型、不二パウダル社製)で乾燥し、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に含水二酸化ケイ素20gとグレープフルーツフレーバー1gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例3】
【0019】
L−カルボシステイン750gに粉末還元麦芽糖水アメ1197g、クロスカルメロースナトリウム112.5g、カルボキシメチルスターチナトリウム45g、安息香酸ナトリウム9gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース33.75g、黄色三二酸化鉄1.5gを95%エタノールに溶解した液を400g加えて、ハイスピードミキサー(FSGS−5型、深江工業社製)により攪拌し造粒した。得られた造粒物を通気乾燥機(30C型、不二パウダル社製)で乾燥し、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に部分アルファー化デンプン45gとオレンジエッセンス22.5g、アスパルテーム33.75gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例4】
【0020】
L−カルボシステイン1750gに粉末還元麦芽糖水アメ2793g、クロスカルメロースナトリウム262.5g、カルボキシメチルスターチナトリウム105g、安息香酸ナトリウム21gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース78.75g、黄色三二酸化鉄3.5gを70%エタノールに溶解した液を952g加えて、ハイスピードミキサー(FS−20型、深江工業社製)により攪拌し造粒した。得られた造粒物をフローコーター(FLO−15型、フロイント産業社製)で乾燥し、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に部分アルファー化デンプン105gとオレンジ油5.25g、アスパルテーム78.75gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例5】
【0021】
L−カルボシステイン4000gに粉末還元麦芽糖水アメ6504g、クロスカルメロースナトリウム600g、カルボキシメチルスターチナトリウム240g、安息香酸ナトリウム48gをとりフローコーター(FLO−15型、フロイント産業社製)内で流動化させ、ヒドロキシプロピルセルロースの3%水溶液を6000g噴霧し造粒した。得られた造粒物をフローコーター(FLO−15型、フロイント産業社製)内で乾燥した後、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に部分アルファー化デンプン240gとオレンジ油12g、アスパルテーム180gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例6】
【0022】
L−カルボシステイン1000gに粉末還元麦芽糖水アメ1596g、クロスカルメロースナトリウム150g、カルボキシメチルスターチナトリウム60g、安息香酸ナトリウム12g、ヒドロキシプロピルセルロース45g、部分アルファー化デンプン60g、オレンジ油3g、アスパルテーム45gを加えて混合した後、ローラーコンパクター(MINI型、フロイント産業社製)で圧縮成型し、平板状フレークを得た。このフレークをロールグラニュレーター(CRN−TS54型、日本グラニュレーター社製)で解砕した後に目開き500μmの篩で整粒しドライシロップ剤を得た。
【参考例7】
【0023】
L−カルボシステイン15600gに粉末還元麦芽糖水アメ19032g、クロスカルメロースナトリウム2340g、カルボキシメチルスターチナトリウム936g、安息香酸ナトリウム187.2g、三二酸化鉄31.2gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース499.2gを80%エタノールに溶解した液を7435g加えて、ハイスピードミキサー(FS−GS100型、深江工業社製)により攪拌し造粒した。得られた造粒物をフローコーター(MTT−200F型、フロイント産業社製)で乾燥し、目開き500μmの篩で整粒し顆粒を得た。この顆粒に無水クエン酸ナトリウム1653.6g、粉末還元麦芽糖水アメ4680g、部分アルファー化デンプン936g、ストロベリーエッセンス3.12g、アスパルテーム936gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【参考例8】
【0024】
L−カルボシステイン178gに粉末還元麦芽糖水アメ155.6g、クロスカルメロースナトリウム50g、無水リン酸水素二ナトリウム118g、無水クエン酸ナトリウム53g、デヒドロ酢酸ナトリウム45g、ソルビン酸カリウム14g、三二酸化鉄0.4g,含水二酸化ケイ素270gをとりフローコーター(FBG−1型、フロイント産業社製)内で流動化させ、L−カルボシステイン322g、水酸化ナトリウム74gを水304gに溶解した液を噴霧した後、ポリビニルアルコール(部分けん化物)52g、カラメル3gを水465gに溶解した液を噴霧し造粒した。得られた造粒物をフローコーター(FBG−1型、フロイント産業社製)内で乾燥し顆粒を得た。この顆粒にトウモロコシデンプン94gとストロベリーエッセンス0.5g、アスパルテーム30g、グリチルリチン酸二カリウム10gを加えて混合しドライシロップ剤を得た。
【参考例9】
【0025】
L−カルボシステイン15600gに粉末還元麦芽糖水アメ19032g、クロスカルメロースナトリウム2340g、カルボキシメチルスターチナトリウム936g、安息香酸ナトリウム187.2g、三二酸化鉄31.2gをとり混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース499.2gを70%エタノールに溶解した液を7625g加えて、ハイスピードミキサー(FS−GS100型、深江工業社製)により攪拌し造粒した。得られた造粒物をフローコーター(MTT−200F型、フロイント産業社製)で乾燥後、篩過整粒し顆粒を得た。この顆粒に無水クエン酸ナトリウム1653.6g、粉末還元麦芽糖水アメ4680g、部分アルファー化デンプン936g、ピーチフレーバー46.8g、アスパルテーム936gを加えて混合し、ドライシロップ剤を得た。
【0026】
(試験例1)
L−カルボシステイン、糖アルコール及び高甘味度甘味剤を以下の配合比で混合した対照製剤と参考例1〜9の製剤について味及び服用性について検討した。各々製剤試料を10%のL−カルボシステインを含むように水に懸濁して試験液とした。この液を健康成人に服用させ、味の官能試験を行った。その結果を表1および2に示した。
本試験結果からL−カルボシステインに糖アルコール及び高甘味度甘味剤を併用することで、味の良い服用性の優れたドライシロップ剤が得られることが見出された。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
(試験例2)
参考例3、4、5、6及び9で得られた本発明によるドライシロップ剤について、それぞれ1.5gを、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムから成る包装資材により分包包装し、40℃/75%RH中に6ケ月間保存し、L−カルボシステインの残存率をもとめた。その結果を表3に示す。いずれの参考例も安定であった。
【0030】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、L−カルボシステインの酸味を軽減したL−カルボシステインのドライシロップ剤を提供することによって、そのままでも服用し易く、用時水に懸濁あるいは溶解しても服用可能で、なおかつ小児から高齢者まで服用することができる。また本発明のL−カルボシステインのドライシロップ剤は調剤業務が比較的容易に行え、しかも携帯するうえで便利な製剤である。