特許第6154792号(P6154792)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6154792エレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154792
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】エレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20170619BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20170619BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20170619BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   H04M3/00 E
   B66B5/00 G
   B66B3/00 U
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-197210(P2014-197210)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-72681(P2016-72681A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】簗瀬 誠司
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−197154(JP,A)
【文献】 特開2002−232475(JP,A)
【文献】 特開2005−026901(JP,A)
【文献】 特開2009−124444(JP,A)
【文献】 特開2014−057140(JP,A)
【文献】 特開2009−284254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B3/00−5/28
H04L12/00−12/26
12/50−12/955
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの異常の有無を監視する監視装置と、前記監視装置とIP通信網を介して通信接続され、前記エレベーターを遠隔的に監視する監視センターと、前記監視装置に通信接続され、前記監視装置及び前記IP通信網を介して前記監視センターとVoIPによる音声通話を行う通話装置とを備えた遠隔監視システムに設けられ、
前記IP通信網の通信状態を診断するエレベーターの通信状態診断装置において、
前記監視装置が設置される際に、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎに基づいて、前記音声通話の可否を判定する判定部とを備えたことを特徴とするエレベーターの通信状態診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーターの通信状態診断装置において、
前記測定部は、
前記監視装置に設けられ、前記IP通信網を介して前記監視センターから所定の第1のデータを受信することにより、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する監視装置用測定部と、
前記監視センターに設けられ、前記IP通信網を介して前記監視装置から所定の第2のデータを受信することにより、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する監視センター用測定部とから構成されたことを特徴とするエレベーターの通信状態診断装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエレベーターの通信状態診断装置において、
前記判定部による前記音声通話の可否の判定を開始させる操作を行う操作部と、
前記操作部の前記操作によって前記判定部が前記音声通話の可否の判定を開始した後、前記判定部の判定結果を報知する報知部とを備えたことを特徴とするエレベーターの通信状態診断装置。
【請求項4】
請求項3に記載のエレベーターの通信状態診断装置において、
前記報知部は、前記判定部の判定結果に加え、その判定結果を改善する所定の指示を報知することを特徴とするエレベーターの通信状態診断装置。
【請求項5】
エレベーターの異常の有無を監視する監視装置と、前記監視装置とIP通信網を介して通信接続され、前記エレベーターを遠隔的に監視する監視センターと、前記監視装置に通信接続され、前記監視装置及び前記IP通信網を介して前記監視センターとVoIPによる音声通話を行う通話装置とを備えた遠隔監視システムに用いられ、
前記IP通信網の通信状態を診断するエレベーターの通信状態診断方法において、
前記監視装置が設置される際に、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定し、
測定した前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎに基づいて、前記音声通話の可否を判定することを特徴とするエレベーターの通信状態診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔監視システムにおける監視装置と監視センターとを通信接続するIP通信網の通信状態を診断するエレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベーターには、当該エレベーターの異常の有無を監視する監視装置と、監視装置と公衆電話回線を介して通信接続され、エレベーターを遠隔的に監視する監視センターと、監視装置に通信接続された通話装置とを備えた遠隔監視システムが設けられている。この遠隔監視システムの通話装置は、例えば、エレベーターの乗りかご内に設けられたインターホンから成り、乗りかご内の利用者がこのインターホンを使用することにより、監視装置及び公衆電話回線を介して監視センターと音声通話を行うことができる。
【0003】
一方、遠隔監視システムの公衆電話回線の代替手段として、IP通信網が使用され始めており、従来よりアナログ伝送方式で行われていたインターホンと監視センターとの間の上記音声通話もIP通信網を使用する、いわゆるVoIP(Voice over Internet Protocol)が適用されることがある。
【0004】
ここで、IP通信網として、従来の電話回線や光ファイバー回線等によって提供されるインターネットやIP専用回線等に加え、携帯電話等のように無線通信帯域を使用した無線通信回線によって提供される無線IP通信網が知られてきている。この無線IP通信網を構築する無線IP通信機器は、配線を必要とせず設置作業が容易であることから、監視装置と監視センターとを無線IP通信網により接続する際に使用されることがある。
【0005】
しかしながら、無線IP通信網では、無線IP通信機器の設置場所における基地局からの電波の強度、及び反射波や他の通信機器から発せられた電波等によって通信品質が変動する等の異常が発生する可能性がある。そこで、このような無線IP通信網等の通信路の異常を検出する従来技術の1つとして、監視装置と監視センターとの間の通信路の状態を定期的に測定し、通信路の通信状態が正常の状態ではないと判断した場合に、その旨を警告する警告メッセージを監視センターへ送信する通報装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5224833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に開示された従来技術は、通報装置の設置作業が完了して監視装置及び監視センターによるエレベーターの監視が開始された後に、監視装置と監視センターとの間の通信路の状態を診断するものであるが、インターホン等の監視装置側の通話装置と監視センターとの間でVoIPを用いて行われる音声通話の可否についての確認は、監視装置をエレベーターに設置する際に行う必要がある。
【0008】
また、このようなVoIPによる音声通話の可否や通話品質に関する確認を含むIP通信網の通信状態の診断には、実際に監視装置の設置作業を行う保守員が通話装置で監視センターとの音声通話を実施することにより、VoIPによる音声通話の状態を確認する方法があるが、その音声通話の状態の良否の判断基準は人によりそれぞれ異なっている。そのため、監視装置をエレベーターに設置する際に当該方法を用いても、各エレベーターの現場毎にVoIPによる音声通話が可能となる一定の通話品質であることを確認し、その通話品質の状態を維持することが困難になっている。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、監視装置をエレベーターに設置する際に、VoIPによる監視装置側の通話装置と監視センターとの音声通話を定量的に診断することができるエレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明のエレベーターの通信状態診断装置は、エレベーターの異常の有無を監視する監視装置と、前記監視装置とIP通信網を介して通信接続され、前記エレベーターを遠隔的に監視する監視センターと、前記監視装置に通信接続され、前記監視装置及び前記IP通信網を介して前記監視センターとVoIPによる音声通話を行う通話装置とを備えた遠隔監視システムに設けられ、前記IP通信網の通信状態を診断するエレベーターの通信状態診断装置において、前記監視装置が設置される際に、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する測定部と、前記測定部によって測定された前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎに基づいて、前記音声通話の可否を判定する判定部とを備えたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明のエレベーターの通信状態診断方法は、エレベーターの異常の有無を監視する監視装置と、前記監視装置とIP通信網を介して通信接続され、前記エレベーターを遠隔的に監視する監視センターと、前記監視装置に通信接続され、前記監視装置及び前記IP通信網を介して前記監視センターとVoIPによる音声通話を行う通話装置とを備えた遠隔監視システムに用いられ、前記IP通信網の通信状態を診断するエレベーターの通信状態診断方法において、前記監視装置が設置される際に、前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定し、測定した前記IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎに基づいて、前記音声通話の可否を判定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のエレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法によれば、監視装置をエレベーターに設置する際に、VoIPによる監視装置側の通話装置と監視センターとの音声通話を定量的に診断することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る通信状態診断装置の一実施形態が設けられる遠隔監視システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2図1に示すエレベーターの構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る遠隔監視システムのIP通信網の通信状態の診断における監視センターの動作の流れを示すフローチャートである。
図4】本実施形態に係る遠隔監視システムのIP通信網の通信状態の診断における遠隔監視装置の動作の流れを示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る携帯端末のディスプレイに表示された情報のうち、IP通信網の通信状態の測定が失敗した旨の情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る携帯端末のディスプレイに表示された情報のうち、IP通信網の通信状態が正常である旨の情報の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る携帯端末のディスプレイに表示された情報のうち、IP通信網の通信状態が異常である旨の情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るエレベーターの通信状態診断装置及び通信状態診断方法を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0015】
本発明に係るエレベーターの通信状態診断装置の一実施形態は、例えば図1に示すように、エレベーター1の異常の有無を監視する監視装置としての遠隔監視装置2と、この遠隔監視装置2とIP通信網を介して通信接続され、エレベーター1を遠隔的に監視する監視センター3と、遠隔監視装置2に通信接続され、遠隔監視装置2及びIP通信網を介して監視センター3とVoIPによる音声通話を行う通話装置としてのインターホン4とを備えた遠隔監視システム100に設けられ、この遠隔監視システム100におけるIP通信網の通信状態を診断するものである。
【0016】
本実施形態では、遠隔監視システム100は、遠隔監視装置2と監視センター3との間のIP通信網を構築する装置として、例えば、遠隔監視装置2に取付けられ、遠隔監視装置2が監視センター3と通信するための通信装置5と、この通信装置5に取付けられ、電波の送受信を行うアンテナ6と、遠隔監視装置2及び監視センター3からそれぞれ離れた場所に設置された無線通信基地局7と、この無線通信基地局7と監視センター3とを通信接続する公衆IP通信回線8とを備えている。
【0017】
図2は遠隔監視システム100が適用されるエレベーター1の構成を示す図である。
【0018】
エレベーター1は、図2に示すように、昇降路(図示せず)内を昇降する乗りかご11と、一端が乗りかご11に取付けられた主ロープ12と、この主ロープ12の他端が取付けられ、昇降路内に吊り下げられた釣合い錘13とを備えている。
【0019】
また、エレベーター1は、昇降路の上方に位置する機械室(図示せず)に設けられ、乗りかご11及び釣合い錘13を駆動する巻上機14と、この巻上機14の近傍に配置されたそらせ車15と、乗りかご11の内壁に設けられ、乗りかご11の運転を操作する操作盤16と、機械室に設けられ、乗りかご11の運転を含む当該エレベーター1全体の動作を制御するエレベーター制御盤17とを有している。なお、操作盤16には、上述のインターホン4が設置されている。
【0020】
巻上機14は、主ロープ12が巻き掛けられた駆動シーブ14Aと、この駆動シーブ14Aを回転させる電動機14Bと、駆動シーブ14Aの回転を制動するブレーキ装置(図示せず)とを有している。エレベーター制御盤17は、操作盤16及び巻上機14の電動機14Bに接続されており、操作盤16の操作や乗場に設置された乗場釦(図示せず)の操作に応じて、巻上機14の電動機14Bを駆動することにより、乗りかご11を釣合い錘13に対して相対的に昇降させるようにしている。
【0021】
図1において、遠隔監視装置2は、例えば図示されないが、エレベーター1の異常の有無を監視するための各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUによる処理を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)とを含むハードウェアから構成されている。
【0022】
また、遠隔監視装置2は、エレベーター制御盤17に通信接続されており、このエレベーター制御盤17の制御信号に基づいて、エレベーター1の故障や利用者の閉じ込め等のエレベーター1の異常が発生したかどうかを判断する。そして、遠隔監視装置2は、エレベーター1の異常が発生したと判断すると、エレベーター1の異常信号を、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由して監視センター3へ送信する。
【0023】
さらに、遠隔監視装置2は、インターホン4と監視センター3の後述の通話装置33との双方向の音声通話を、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由してVoIPにより提供する。これにより、例えば、エレベーター1の故障に対応する保守員20や閉じ込めに遭遇した利用者(図示せず)がインターホン4を使用することにより、監視センター3内で待機するオペレータ(図示せず)に対して安否の確認や各種の操作を依頼するための連絡を行うことができる。
【0024】
監視センター3は、例えば図示されないが、エレベーター1の異常の有無を監視するための各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUによる処理を実行するためのプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置と、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)とを含むハードウェアから構成されている。
【0025】
また、監視センター3は、遠隔監視装置2から通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由して各種のデータや信号を受信する受信装置31と、公衆IP通信回線8、無線通信基地局7、アンテナ6、及び通信装置5を経由して各種のデータや信号を遠隔監視装置2へ送信する送信装置32と、監視センター3内のオペレータがエレベーター1の乗りかご11内の利用者と通話を行うための前述の通話装置33とを含んでいる。
【0026】
ここで、エレベーター1側のインターホン4と監視センター3の通話装置33との音声通話を、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を介してVoIPにより提供する場合には、これらの装置によって構築されるIP通信網に対して、一定以上の通信帯域を確保すると共に、一定基準以下のパケットゆらぎを確保する必要がある。
【0027】
そこで、本実施形態では、遠隔監視装置2は、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を介して監視センター3から所定の第1のデータを受信することにより、これらの装置によって構築されるIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する監視装置用測定部としての遠隔監視装置用測定部2Aを含んでいる。
【0028】
また、監視センター3は、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を介して遠隔監視装置2から所定の第2のデータを受信することにより、これらの装置によって構築されるIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定する監視センター用測定部34と、遠隔監視装置用測定部2A及び監視センター用測定部34によって測定されたIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎに基づいて、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の可否を判定する判定部35とを含んでいる。
【0029】
そして、本実施形態に係る通信状態診断装置は、判定部35による上記音声通話の可否の判定を開始させる操作を行う操作部21Aと、この操作部21Aの当該操作によって判定部35が上記音声通話の可否の判定を開始した後、判定部35の判定結果を報知する報知部21Bとを備えている。
【0030】
操作部21Aは、例えば、エレベーター1の保守管理を行う保守員20が携帯する携帯端末21に搭載され、保守員20が押下して各種の入力を受付ける操作釦(以下、便宜的に操作部21Aと同一の符号を付す)から成り、報知部21Bは、例えば、携帯端末21に搭載され、各種の情報を表示するディスプレイ(以下、便宜的に報知部21Bと同一の符号を付す)から成っている。このディスプレイ21Bは、判定部35の判定結果に加え、その判定結果を改善する所定の指示を表示する。
【0031】
このように構成した通信状態診断装置では、例えば、以下のようにして遠隔監視システム100におけるIP通信網の通信状態の診断が行われる。
【0032】
保守員20は、エレベーター1に遠隔監視装置2、通信装置5、及びアンテナ6を設置する際に、携帯している携帯端末21を遠隔監視装置2に接続して操作釦21Aを操作することにより、携帯端末21は、IP通信網の通信状態の測定を行うことを要求する測定要求信号を遠隔監視装置2へ送信する。遠隔監視装置2は、携帯端末21から測定要求信号を受信すると、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由して監視センター3の受信装置31に対して測定要求信号を受信した旨の測定要求通知を行う。
【0033】
その後、監視センター3の送信装置32は、公衆IP通信回線8、無線通信基地局7、アンテナ6、及び通信装置5を経由し、所定の第1のデータとして、例えば、IP通信網の通信帯域を測定するための所定の容量のデータ(以下、便宜的に通信帯域測定用データと称する)A1を遠隔監視装置2へ送信する。遠隔監視装置2の遠隔監視装置用測定部2Aは、監視センター3の送信装置32から通信帯域測定用データA1を受信してIP通信網の通信帯域を測定する。
【0034】
また、監視センター3bの送信装置32は、公衆IP通信回線8、無線通信基地局7、アンテナ6、及び通信装置5を経由し、所定の第1のデータとして、例えば、IP通信網のパケットゆらぎを測定するための所定の容量のデータ(以下、便宜的にパケットゆらぎ測定用データと称する)B1を一定間隔で一定期間送信し続ける。遠隔監視装置2の遠隔監視装置用測定部2Aは、監視センター3の送信装置32から一定間隔で送信され続けた同じ容量のデータB1のパケットの到着時間のばらつきを求めることにより、IP通信網のパケットゆらぎを測定する。
【0035】
そして、遠隔監視装置2は、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由し、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを監視センター3の受信装置31へ送信する。監視センター3の受信装置31は、遠隔監視装置2の遠隔監視装置用測定部2Aから受信したIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを判定部35へ送信する。
【0036】
一方、遠隔監視装置2は、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを送信した後、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由し、所定の第2のデータとして、例えば、IP通信網の通信帯域を測定するための所定の容量のデータ(以下、便宜的に通信帯域測定用データと称する)A2を監視センター3の受信装置31へ送信する。監視センター3の監視センター用測定部34は、受信装置31を介して遠隔監視装置2から通信帯域測定用データA2を受信すると、IP通信網の通信帯域を測定する。
【0037】
また、遠隔監視装置2は、通信装置5、アンテナ6、無線通信基地局7、及び公衆IP通信回線8を経由し、所定の第2のデータとして、例えば、IP通信網のパケットゆらぎを測定するための所定の容量のデータ(以下、便宜的にパケットゆらぎ測定用データと称する)B2を一定間隔で一定期間送信し続ける。
【0038】
監視センター3の監視センター用測定部34は、遠隔監視装置2から一定間隔で送信され続けた同じ容量のパケットゆらぎ測定用データB2のパケットの到着時間のばらつきを求めることにより、IP通信網のパケットゆらぎを測定する。そして、監視センター用測定部34は、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを監視センター3の判定部35へ送信する。
【0039】
監視センター3の判定部35は、遠隔監視装置2及び監視センター用測定部34からそれぞれ受信した測定結果からVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の可否を判定する。
【0040】
具体的には、判定部35は、遠隔監視装置2及び監視センター用測定部34からそれぞれ受信した測定結果において、例えば、IP通信網の通信帯域がそれぞれ100kps以上であり、かつIP通信網のパケットゆらぎがそれぞれ300msec以内である場合に、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が可能である(IP通信網の通信状態が正常である)と判定する。
【0041】
一方、判定部35は、遠隔監視装置2及び監視センター用測定部34からそれぞれ受信した測定結果において、例えば、IP通信網の通信帯域がそれぞれ100kps未満であり、又はIP通信網のパケットゆらぎがそれぞれ300msecを超えている場合に、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が不能である(IP通信網の通信状態が異常である)と判定する。
【0042】
そして、判定部35は、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の判定結果から携帯端末21のディスプレイ21Bに表示するための判定結果のデータを作成して送信装置32へ送信する。送信装置32は、判定部35から受信した判定結果のデータを、公衆IP通信回線8、無線通信基地局7、アンテナ6、及び通信装置5を経由して遠隔監視装置2へ送信する。
【0043】
遠隔監視装置2は、監視センター3の送信装置32から判定結果のデータを受信すると、この判定結果のデータを携帯端末21へ送信する。そして、携帯端末21は、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の判定結果に関する情報をディスプレイ21Bに表示すると共に、必要に応じて保守員20への作業指示を表示する。これにより、保守員20は、エレベーター1に遠隔監視装置2、通信装置5、及びアンテナ6を設置する際に、携帯端末21のディスプレイ21Bを確認することにより、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の可否を容易に把握することができる。
【0044】
次に、遠隔監視システム100におけるIP通信網の通信状態の診断における監視センター3の動作について、図3のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0045】
図3に示すように、まず受信装置31は、遠隔監視装置2から測定要求通知があったかどうかを確認する(ステップ(以下、Sと記す)301)。このとき、受信装置31は、測定要求通知がないことを確認すると(S301/NO)、S301の動作が繰り返される。
【0046】
S301において、受信装置31は、測定要求通知があったことを確認すると(S301/YES)、送信装置32は、通信帯域測定用データA1を遠隔監視装置2へ送信する(S302)。さらに、送信装置32は、パケットゆらぎ測定用データB1を遠隔監視装置2へ送信する(S303)。
【0047】
次に、受信装置31は、遠隔監視装置用測定部2AによるIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを遠隔監視装置2から受信したかどうかを確認する(S304)。S304において、受信装置31は、遠隔監視装置用測定部2AによるIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを受信していないことを確認すると(S304/NO)、受信装置31は、測定要求通知があったことを確認してから一定時間が経過したかどうかを判断する(S305)。
【0048】
このとき、受信装置31は、測定要求通知があったことを確認してから一定時間が経過していないと判断すると(S305/NO)、S304からの動作が繰り返される。一方、S305において、受信装置31は、測定要求通知があったことを確認してから一定時間が経過したと判断すると(S305/YES)、送信装置32は、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定が失敗した旨の測定失敗通知を遠隔監視装置2へ送信し(S306)、本実施形態に係る監視センター3の動作を終了する。
【0049】
一方、S304において、受信装置31は、遠隔監視装置用測定部2AによるIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果を受信したことを確認すると(S304/YES)、監視センター用測定部34は、受信装置31を介して通信帯域測定用データA2を遠隔監視装置2から受信したかどうかを確認する(S307)。
【0050】
S307において、監視センター用測定部34は、通信帯域測定用データA2を受信していないことを確認すると(S307/NO)、受信装置31を介して測定要求通知があったときから一定時間が経過したかどうかを判断する(S308)。
【0051】
S308において、監視センター用測定部34は、測定要求通知があったときから一定時間が経過していないと判断すると(S308/NO)、S307からの動作が繰り返される。S308において、監視センター用測定部34は、測定要求通知があったときから一定時間が経過したと判断すると(S308/YES)、S306の動作が行われる。
【0052】
一方、S307において、監視センター用測定部34は、通信帯域測定用データA2を受信したことを確認すると(S307/YES)、IP通信網の通信帯域の測定を実施する(S309)。その後、監視センター用測定部34は、受信装置31を介して遠隔監視装置2からパケットゆらぎ測定用データB2を受信したかどうかを確認する(S310)。
【0053】
S310において、監視センター用測定部34は、パケットゆらぎ測定用データB2を受信していないことを確認すると(S310/NO)、受信装置31を介して測定要求通知があったときから一定時間が経過したかどうかを判断する(S311)。このとき、監視センター用測定部34は、測定要求通知があったときから一定時間が経過していないと判断すると(S311/NO)、S310からの動作が繰り返される。
【0054】
S311において、監視センター用測定部34は、測定要求通知があったときから一定時間が経過したと判断すると(S311/YES)、S306の動作が行われる。一方、S310において、監視センター用測定部34は、パケットゆらぎ測定用データB2を受信したことを確認すると(S310/YES)、IP通信網のパケットゆらぎの測定を実施する(S312)。
【0055】
次に、判定部35は、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果からVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の可否を示すIP通信網の通信状態を判定する(S313)。そして、判定部35は、IP通信網の通信状態の判定結果のデータを作成し、送信装置32を介して判定結果のデータを遠隔監視装置2へ送信し、本実施形態に係る監視センター3の動作を終了する。
【0056】
次に、遠隔監視システム100におけるIP通信網の通信状態の診断における遠隔監視装置2の動作について、図4のフローチャートに基づいて詳細に説明する。また、以下の説明において、携帯端末21のディスプレイ21Bに表示される各情報についても、図5図7を適宜参照して詳細に示す。
【0057】
図4に示すように、まず遠隔監視装置2は、携帯端末21から測定要求信号を受信したかどうかを確認する(S401)。このとき、遠隔監視装置2は、測定要求信号を受信していないことを確認すると(S401/NO)、S401の動作が繰り返される。
【0058】
S401において、遠隔監視装置2は、測定要求信号を受信したことを確認すると(S401/YES)、監視センター3に対して測定要求通知を行う(S402)。次に、遠隔監視装置2は、監視センター3から通信帯域測定用データA1を受信したかどうかを確認する(S403)。
【0059】
S403において、遠隔監視装置2は、通信帯域測定用データA1を受信していないことを確認すると(S403/NO)、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したかどうかを判断する(S404)。S404において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過していないと判断すると(S404/NO)、S403からの動作が繰り返される。
【0060】
S404において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したと判断すると(S404/YES)、測定失敗通知を携帯端末21へ送信し(S405)、本実施形態に係る遠隔監視装置2の動作を終了する。これにより、IP通信網の通信状態の測定が失敗した旨の情報が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示される。このとき、例えば図5に示すように、「通信回線の状態測定に失敗しました」及び「もう一度実施して、再発する場合はお問い合わせ下さい。」の文言が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示されるが、遠隔監視装置2と監視センター3との間のIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果を示す具体的な数値は表示されない。
【0061】
一方、S403において、遠隔監視装置2は、通信帯域測定用データA1を受信したことを確認すると(S403/YES)、遠隔監視装置用測定部2Aは、IP通信網の通信帯域の測定を実施する(S406)。次に、遠隔監視装置2は、監視センター3からパケットゆらぎ測定用データB1を受信したかどうかを確認する(S407)。
【0062】
S407において、遠隔監視装置2は、パケットゆらぎ測定用データB1を受信していないことを確認すると(S407/NO)、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したかどうかを判断する(S408)。S408において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過していないと判断すると(S408/NO)、S407からの動作が繰り返される。S408において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したと判断すると(S408/YES)、S405の動作が行われる。
【0063】
一方、S407において、遠隔監視装置2は、パケットゆらぎ測定用データB1を受信したことを確認すると(S407/YES)、遠隔監視装置用測定部2Aは、IP通信網のパケットゆらぎの測定を実施する(S409)。そして、遠隔監視装置用測定部2Aは、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果のデータを監視センター3へ送信する(S410)。
【0064】
次に、遠隔監視装置2は、通信帯域測定用データA2を監視センター3へ送信する(S411)。その後、遠隔監視装置2は、パケットゆらぎ測定用データB2を監視センター3へ送信する(S412)。次に、遠隔監視装置2は、監視センター3から判定結果のデータを受信したかどうかを確認する(S413)。
【0065】
S413において、遠隔監視装置2は、判定結果のデータを受信していないことを確認すると(S413/NO)、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したかどうかを判断する(S414)。S414において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過していないと判断すると(S414/NO)、S413からの動作が繰り返される。S414において、遠隔監視装置2は、測定要求通知を行ってから一定時間が経過したと判断すると(S414/YES)、S405の動作が行われる。
【0066】
S413において、遠隔監視装置2は、判定結果のデータを受信したことを確認すると(S413/YES)、その判定結果のデータを携帯端末21へ送信し(S415)、本実施形態に係る遠隔監視装置2の動作を終了する。これにより、IP通信網の通信状態の判定結果に関する情報や保守員20への作業指示が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示される。
【0067】
その具体例として、判定部35によってVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が可能であると判定された場合には、図6に示すように、IP通信網の通信状態の判定結果を示す「通信回線の状態は正常です」の文言が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示されると共に、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果を示す具体的な数値が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示される。
【0068】
一方、判定部35によってVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が不能であると判定された場合には、図7に示すように、IP通信網の通信状態の判定結果を示す「通信回線の状態は異常です」の文言、及びその判定結果を改善する指示を示す「ノイズの影響がないか、また無線通信の場合はアンテナの取付けに問題ないか確認して下さい。調整後再実施して下さい。」の文言が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示されると共に、IP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎの測定結果を示す具体的な数値が携帯端末21のディスプレイ21Bに表示される。
【0069】
この携帯端末21のディスプレイ21Bの表示を確認した保守員20は、その表示の指示に従って、例えば、無線通信基地局7からの電波がより良好に受信できるように、アンテナ6の設置位置を調整した上で、上述したIP通信網の通信状態の測定を再度実施し、IP通信網の通信状態が改善されたかどうかを確認する。なお、保守員20がアンテナ6の設置位置等の設置状況を調整する際には、アンテナ6による電波の受信状況を携帯端末21のディスプレイ21Bに表示させながら調整してもよい。
【0070】
このように構成した本実施形態に係るエレベーター1の通信状態診断装置及び通信状態診断方法によれば、IP通信網を介してVoIPによるエレベーター1側のインターホン4と監視センター3との音声通話を行う遠隔監視システム100において、遠隔監視装置2がエレベーター1に設置される際に、遠隔監視装置用測定部2A及び監視センター用測定部34によって測定されたIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎから当該音声通話が可能となるかどうかを判定部35によって判定することができる。
【0071】
従って、保守員20の個人の感覚によらず、IP通信網の通信状態が良好であるかどうかを容易に把握することができる。このように、遠隔監視装置2がエレベーター1に設置される際に、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話を定量的に診断することができるので、遠隔監視システム100に対して優れた信頼性を得ることができる。
【0072】
また、本実施形態に係るエレベーター1の通信状態診断装置では、IP通信網の通信状態の診断において、遠隔監視装置用測定部2AがIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定すると共に、監視センター用測定部34がIP通信網の通信帯域及びパケットゆらぎを測定することにより、VoIPによるインターホン4と通話装置33との双方向の音声通話の可否についての判定結果を判定部35から得ることができる。これにより、エレベーター1の乗りかご11内の利用者や保守員20と監視センター3内のオペレータが、インターホン4及び通話装置33をそれぞれ用いて円滑に通話できるので、遠隔監視システム100におけるIP通信網の通信品質の安定性を高めることができる。
【0073】
また、本実施形態に係るエレベーター1の通信状態診断装置では、保守員20が携帯端末21を遠隔監視装置2に接続した状態で操作釦21Aを操作することにより、VoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話の判定結果を携帯端末21のディスプレイ21Bに迅速に表示することができる。これにより、保守員20が携帯端末21のディスプレイ21Bから当該音声通話の可否を容易に判断できるので、IP通信網の通信状態の診断における利便性を向上させることができる。
【0074】
また、本実施形態に係るエレベーター1の通信状態診断装置では、判定部35によってVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が不能であると判定された場合であっても、その音声通話の状態を改善する指示を、携帯端末21のディスプレイ21Bを介して保守員20に与えることにより、保守員20がアンテナ6の設置状況の調整作業を効率良く行うことができる。これにより、遠隔監視システム100におけるIP通信網の構築に係る時間を短縮することができる。
【0075】
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【0076】
また、本実施形態では、保守員20が携帯端末21の操作釦21Aを用いて判定部35による上記音声通話の可否の判定を開始させる操作を行い、その判定結果を携帯端末21のディスプレイ21Bに表示した場合について説明したが、この場合に限るものではない。例えば、保守員20が乗りかご11内に予め設けられた押釦等を用いて判定部35による当該音声通話の可否の判定を開始させる所定の操作を行ったり、その判定結果を乗りかご11内に予め設けられたディスプレイやランプ等に表示してもよいし、あるいは乗りかご11内に予め設けられた音声合成案内の文言によって提示してもよい。
【0077】
さらに、保守員20が遠隔監視装置2に設けられたスイッチ等を用いて判定部35による当該音声通話の可否の判定を開始させる所定の操作を行ったり、その判定結果を遠隔監視装置2に設けられたLEDやランプ等の表示手段、又はLED、液晶、及びEL等による文字表示ディスプレイに表示してもよい。
【0078】
また、本実施形態は、判定部35によってVoIPによるインターホン4と通話装置33との音声通話が不能であると判定された場合に、携帯端末21のディスプレイ21Bに、その判定結果を改善する所定の指示を判定結果と共に表示した場合について説明したが、当該所定の指示として、例えば、VoIPの音声サンプルレートを測定した通信帯域の測定結果を下回るようにIP通信網の通信帯域を低減することにより、VoIPによる当該音声通話を可能とするアドバイスを行ってもよい。あるいは、携帯電話で使用されているCELP(Code Excited Linear Prediction)やMELP(Mixed Excitation Linear Prediction)、AMBE(AMBE:Advanced Multiband Excite(米国DVSI社))等のように、IP通信網の通信帯域がより低速であっても当該音声通話が可能な音声符号化による音声通話方式を提案してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 エレベーター
2 遠隔監視装置(監視装置)
2A 遠隔監視装置用測定部(測定部、監視装置用測定部)
3 監視センター
4 インターホン(通話装置)
5 通信装置
6 アンテナ
7 無線通信基地局
8 公衆IP通信回線
17 エレベーター制御盤
21 携帯端末
21A 操作釦(操作部)
21B ディスプレイ(報知部)
31 受信装置
32 送信装置
33 通話装置
34 監視センター用測定部(測定部)
35 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7