特許第6154841号(P6154841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6154841
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】携帯端末、情報通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-57505(P2015-57505)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-178492(P2016-178492A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2015年7月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】松木 友明
(72)【発明者】
【氏名】山下 明子
(72)【発明者】
【氏名】岩見 大介
(72)【発明者】
【氏名】西田 和広
【審査官】 河合 弘明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−027475(JP,A)
【文献】 特開2013−019761(JP,A)
【文献】 特開2009−282930(JP,A)
【文献】 特開2012−059023(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3110219(JP,U)
【文献】 特開2000−200315(JP,A)
【文献】 特開2014−64062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C21/00−21/36
23/00−25/00
G01S 5/00−5/14
19/00−19/55
G08B19/00−21/24
23/00−31/00
H04M 1/00
1/24−1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末との間で情報を送受信可能な携帯端末であって、
前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信する受信部と、
前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態とを取得する取得部と、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に所定の検出タイミングに達すると、前記ユーザの移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出する検出部と、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、前記検出部が一のタイミングで前記移動手段の変化を検出した場合には、前記一のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態と、次のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態とに基づいて、前記移動状態の正誤性を判定する正誤性判定部と、
前記正誤性判定部によって前記移動状態が正しいと判定されると、前記取得部が取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知し、前記正誤性判定部によって前記移動状態が誤っていると判定されると、前記取得部が取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知しない通知部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記動作モードは、前記携帯端末のユーザの移動状態を追跡するモードである、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記取得部が所定周期で取得した前記位置情報及び前記移動状態、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記通知部は、前記検出部が前記移動手段の変化を検出した直後に取得された前記位置情報及び前記移動状態、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知する、
請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記通知部は、前記検出部によってユーザが所定エリアに入ったと検出された場合、又は前記ユーザが前記所定エリアから出たと検出された場合において、前記検出部が前記移動手段の変化を検出すると、前記位置情報及び前記移動状態、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記検出部は、ユーザが乗り物に乗ったことを検出すること、又は前記ユーザが乗り物から降りたことを検出することにより、前記移動手段の変化を検出する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記通知部は、予め指定された指定期間内に前記検出部が前記移動手段の変化を検出すると、前記位置情報及び前記移動状態、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記取得部は、第1周期で前記移動状態を取得し、前記第1周期よりも間隔が長い第2周期で前記位置情報を取得する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記携帯端末は、ユーザの腕に装着される腕時計型端末である、
請求項1からのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
携帯端末から通信端末へ情報を通知する情報通知方法であって、
前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信するステップと、
前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態とを取得するステップと、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に所定の検出タイミングに達すると、前記ユーザの移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出するステップと、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、一のタイミングで前記移動手段の変化を検出した場合には、前記一のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態と、次のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態とに基づいて、前記移動状態の正誤性を判定するステップと、
前記移動状態が正しいと判定されると、取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知し、前記移動状態が誤っていると判定されると、取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知しないステップと、
を備える情報通知方法。
【請求項10】
通信端末へ情報を通知可能な携帯端末が有するコンピュータに、
前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信するステップと、
前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態とを取得するステップと、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に所定の検出タイミングに達すると、前記ユーザの移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出するステップと、
前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、一のタイミングで前記移動手段の変化を検出した場合には、前記一のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態と、次のタイミングで特定された前記ユーザの移動状態とに基づいて、前記移動状態の正誤性を判定するステップと、
前記移動状態が正しいと判定されると、取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知し、前記移動状態が誤っていると判定されると、取得した前記位置情報及び前記移動状態を示す情報を前記通信端末に通知しないステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、情報通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供を狙った犯罪が発生する中、子供から離れた位置にいる親が子供の状態を把握したいというニーズが高まっている。離れた位置にいる子供の状態を親が把握するための方法として、例えば特許文献1には、親の携帯端末からの指示に応じて、子供の携帯端末が、周辺の画像、周辺の音、又は子供の位置等の情報を親の携帯端末に送信する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−64885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、子供は、様々な移動手段(例えば、徒歩、バス、電車等)で目的地まで移動する。従来の方法を用いることにより、親は、子供がいる位置、周辺の画像、周辺の音を把握することができるが、例えば、子供がバスや電車に無事に乗車できたかどうかまでは確認できなかった。また、子供が移動手段を間違えてしまったとしても、親は、想定していた移動手段とは異なる移動手段で子供が移動していることを把握できなかった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、携帯端末のユーザの移動状態をより適切に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、通信端末との間で情報を送受信可能な携帯端末であって、前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信する受信部と、前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態に関する状態情報とを取得する取得部と、前記状態情報に基づいて前記移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出する検出部と、前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、前記検出部が前記移動手段の変化を検出すると、前記取得部が取得した前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知する通知部と、を備える携帯端末を提供する。
【0007】
また、前記動作モードは、前記携帯端末のユーザの移動状態を追跡するモードであることとしてもよい。
【0008】
また、前記携帯端末は、前記取得部が所定周期で取得した前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を記憶する記憶部を更に備え、前記通知部は、前記検出部が前記移動手段の変化を検出した直後に取得された前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知することとしてもよい。
【0009】
また、前記通知部は、前記検出部によってユーザが所定エリアに入ったと検出された場合、又は前記ユーザが前記所定エリアから出たと検出された場合において、前記検出部が前記移動手段の変化を検出すると、前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知することとしてもよい。
【0010】
また、前記検出部は、ユーザが乗り物に乗ったことを検出すること、又は前記ユーザが乗り物から降りたことを検出することにより、前記移動手段の変化を検出することとしてもよい。
【0011】
また、前記通知部は、予め指定された指定期間内に前記検出部が前記移動手段の変化を検出すると、前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知することとしてもよい。
【0012】
また、前記取得部は、第1周期で前記状態情報を取得し、前記第1周期よりも間隔が長い第2周期で前記位置情報を取得することとしてもよい。
【0013】
また、前記携帯端末は、前記検出部によって検出される所定の移動手段及び前記移動手段による移動距離に基づいて、前記位置情報の正誤性を判定する判定部を更に備えることとしてもよい。
【0014】
また、前記携帯端末は、前記検出部によって検出される所定の移動手段及び前記移動手段の継続時間に基づいて、前記状態情報の正誤性を判定する判定部を更に備えることとしてもよい。
【0015】
また、前記携帯端末は、ユーザの腕に装着される腕時計型端末であることとしてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、携帯端末から通信端末へ情報を通知する情報通知方法であって、前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信するステップと、前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態に関する状態情報とを取得するステップと、前記状態情報に基づいて前記移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出するステップと、前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、前記移動手段の変化を検出すると、取得した前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知するステップと、を備える情報通知方法を提供する。
【0017】
本発明の第3の態様においては、通信端末へ情報を通知可能な携帯端末が有するコンピュータに、前記通信端末から、前記携帯端末の所定の動作モードの実行指示を受信するステップと、前記携帯端末の位置情報と、前記携帯端末のユーザの移動状態に関する状態情報とを取得するステップと、前記状態情報に基づいて前記移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて前記ユーザの移動手段の変化を検出するステップと、前記実行指示を受けて前記動作モードで動作している際に、前記移動手段の変化を検出すると、取得した前記位置情報及び前記状態情報、又は前記位置情報及び前記移動手段を示す情報を前記通信端末に通知するステップと、を実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯端末のユーザの移動状態をより適切に把握できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る通信システムSの構成の一例を示す概略図である。
図2】携帯端末1の表示部12の表示例を示す図である。
図3】通信端末2のモード選択画面の一例を示す図である。
図4】通信端末2の通知画面の一例を示す図である。
図5】携帯端末1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】記憶部14が記憶している位置情報及び状態情報の一例を示す表である。
図7】移動手段の変化の検出タイミングの一例を説明するための模式図である。
図8】通信端末2への通知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係る携帯端末1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
[通信システムの概要]
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの概要について説明する。
【0021】
図1は、第1の実施形態に係る通信システムSの構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、通信システムSは、携帯端末1と、通信網である携帯電話網Nを介して携帯端末1と通信可能な通信端末2とを有する。
【0022】
携帯端末1は、子供によって使用される装着型端末である。具体的には、携帯端末1は、子供の腕(具体的には手首)に装着される腕時計型端末である。携帯端末1は、表示画面及びタッチパネルが重畳された表示部12と、携帯端末1を手首に固定するためのベルト18とを有する。子供は、手首に携帯端末1が装着された腕を適宜回転や上下動しながら、表示部12の表示画面を見たり、タッチパネルを介して入力操作を行ったりする。携帯端末1は、単独で携帯電話の機能を有しており、子供は、携帯端末1を用いて通話をしたりメールを送受信したりすることができる。
【0023】
図2は、携帯端末1の表示部12の表示例を示す図である。図2(a)は、表示部12に時計が表示された状態を示している。ユーザである子供が表示部12にタッチすると、図2(b)に示すメニュー画面に遷移する。子供は、メニュー画面に表示された複数の項目の中から、処理を実行させたい項目を選択可能である。
例えば、携帯端末1は、子供がメニュー画面の電話を選択すると電話を発信するための画面(図2(c))に切り替え、ウォッチを選択するとタイマー等の時間に関する機能を起動するための画面(図2(d))に切り替える。また、携帯端末1は、子供がメニュー画面のメールを選択するとメッセージをメール送信するための画面(図2(e))に切り替え、履歴を選択すると操作履歴を表示する画面(図2(f))に切り替える。
【0024】
図1に戻り、通信端末2は、携帯端末1のユーザである子供の親によって使用される端末である。通信端末2は、例えばスマートフォン、携帯電話及びコンピュータ等のように通信機能を有する任意の端末であり、携帯電話網Nを介して携帯端末1との間で情報を送受信する。通信端末2では、親が携帯端末1と連携して動作を実行するモードを選択可能である。
【0025】
図3は、通信端末2のモード選択画面の一例を示す図である。図3に示すモード選択画面では、見守りモード、お出かけモードを選択可能である。
見守りモードは、携帯端末1のユーザである子供の位置や移動状態を追跡するモードである。見守りモードを選択することで、通信端末2は、携帯端末1から通知された子供の位置や移動状態を表示部に表示できる。例えば、子供が所定場所(例えば学校や塾)に到着したり所定場所から出発したりすると、携帯端末1から位置情報等が通信端末2へ通知される。これにより、親は、子供の位置や移動状態を見守ることができる。
【0026】
お出かけモードは、例えば親と子供が一緒に出かけた際に子供が迷子になることを防止するために、子供(携帯端末1)が親(通信端末2)から所定距離以上離れると、携帯端末1の位置情報等が携帯端末1から通信端末2へ通知される。これにより、親は、迷子になった子供の位置等を容易に把握できる。
通信端末2では、見守りモード及びお出かけモードに限定されず、携帯端末1に対する様々なモードを選択可能である。
【0027】
本実施形態に係る携帯端末1は、詳細は後述するが、子供の移動状態に基づいて移動手段(例えば、徒歩、バス及び電車等)を検出可能である。そして、携帯端末1は、親が通信端末2で例えば見守りモードを選択した場合において移動手段の変化が検出されると、携帯端末1の位置及び子供の移動状態を通信端末2へ通知する。すると、通信端末2は、携帯端末1からの通知に対応した通知画面を表示させる。
【0028】
図4は、通信端末2の通知画面の一例を示す図である。図4に示す通知画面では、子供の位置P、及び移動状態(図4では徒歩)が表示されている。これにより、通知を受けた親は、通知画面を見ることで、例えば想定している移動手段に無事に乗車したか否かを把握することが可能となる。また、親は、子供が移動手段を間違えた場合に、通知された位置情報が示す子供に位置に応じた善後策(例えば、子供の近くにいる知人に子供への伝言を依頼する)を講じることが可能となる。
【0029】
[携帯端末の詳細構成]
図5を参照しながら、ユーザが子供である携帯端末1の詳細構成の一例について説明する。
【0030】
図5は、携帯端末1の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、携帯端末1は、通信IF部11と、表示部12と、検出センサ13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0031】
通信IF部11は、携帯電話網N(図1)と接続するための無線通信インターフェイスである。通信IF部11は、例えば変復調回路、高周波回路及びアンテナを含む。通信IF部11は、携帯電話網Nを介して通信端末2との間で情報の送受信を行ったり、通話を行ったりする。
【0032】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイである。表示部12は、制御部15の制御により、図2に示した各種画面を表示することができる。表示部12は、液晶ディスプレイを照らすバックライトを含んでもよい。
【0033】
検出センサ13は、携帯端末1の位置及び子供の移動状態(移動速度等)を検出するセンサである。検出センサ13は、例えばGPS(Global Positioning System)から緯度・経度情報を取得する位置センサ、及び加速度センサを有する。
検出センサ13は、位置センサがGPSから取得した緯度・経度情報に基づいて、携帯端末1の位置を検出する。また、検出センサ13は、例えば3軸方向の成分を検出可能な加速度センサが取得したユーザ(携帯端末1)の動きや振動等に基づいて、携帯端末1の移動速度等を検出する。検出センサ13は、検出結果を制御部15へ出力する。
【0034】
なお、検出センサ13は、加速度センサに加えて又は加速度センサの代わりに、高度情報や高低差情報を取得する気圧センサを有しても良い。これにより、気圧センサが取得したユーザ(携帯端末1)の動きに基づいて、携帯端末1の移動状態を検出する。
【0035】
記憶部14は、不揮発性メモリ(例えばROM)及び揮発性メモリ(例えばRAM)を含む。記憶部14は、制御部15により実行されるプログラムや、携帯端末1の位置情報及び子供の状態情報を記憶している。また、記憶部14は、制御部15がプログラムを実行することにより生成する各種のデータを一時的に記憶している。
【0036】
制御部15は、例えばCPUである。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、携帯端末1の各部を制御する。制御部15は、図5に示すように、受信部151と、モード実行部152と、取得部153と、検出部154と、通知部155とを有する。
【0037】
受信部151は、通信IF部11を介して通信端末2から情報を受信する。例えば、受信部151は、通信端末2から、携帯端末1の所定の動作モードの実行指示を受信する。具体的には、受信部151は、通信端末2で例えば図3に示す見守りモードやお出かけモードが選択されると、選択したモードに対応する動作モードの実行指示を受信する。受信部151は、受信した実行指示をモード実行部152に出力する。なお、受信部151は、図示しない外部サーバから地図情報等を受信してもよい。
【0038】
モード実行部152は、受信部151が受信した実行指示を受けて、通信端末2で選択されたモードに対応する動作モードを開始させる。例えば、モード実行部152は、通信端末2で見守りモードが選択されると、見守りモードに対応した子供の移動状態を追跡して通信端末2に情報を通知する動作モードを開始する。
【0039】
取得部153は、携帯端末1の位置情報と、子供の移動状態に関する状態情報とを取得する。具体的には、取得部153は、検出センサ13から、検出センサ13が検出した位置情報及び状態情報を取得する。取得部153は、取得した位置情報及び状態情報を検出部154に出力する。また、取得部153は、位置情報及び状態情報をそれぞれ所定周期で取得し、取得した位置情報及び状態情報を記憶部14に記憶させてもよい。
【0040】
図6は、記憶部14が記憶している位置情報及び状態情報の一例を示す表である。図6に示すように、位置情報及び状態情報は、位置及び移動状態を検出した時刻と対応付けて記憶されている。ここで、移動状態として子供の移動手段が記憶されており、例えばバス、徒歩、電車が記憶されている。なお、移動状態として、移動手段の代わりに、子供の移動速度が記憶されてもよい。
【0041】
図5に戻り、検出部154は、取得部153が取得した状態情報に基づいて子供の移動状態を特定し、特定した移動状態に基づいて子供の移動手段の変化を検出する。検出部154は、例えば移動状態としての移動速度から子供の移動手段を判定できるので、移動速度の変化が大きい場合には移動手段が変化したと検出する。また、検出部154は、例えば検出センサ13(加速度センサ)により取得された振動の度合いから子供の移動手段を判定できるので、振動の変化量の大きい場合には移動手段が変化したと検出する。
検出部154は、子供が乗り物(バスや電車)に乗ったことを検出すること、又は子供が乗り物から降りたことを検出することにより、子供の移動手段の変化を検出してもよい。ここで、乗り物(バスや電車)に乗ったことの検出タイミングは、子供が乗り物で移動している状態を検知したタイミングであり、好ましくは乗り物が出発したタイミングが望ましい。また、乗り物から降りたことの検出タイミングは、乗り物による移動状態から歩く又は走る状態に移行したことを検知したタイミングである。これにより、子供の移動手段の変化を簡易に検出しやすくなる。検出部154は、検出結果を通知部155に出力する。
【0042】
検出部154は、所定の検出タイミングになった際に、子供の移動手段の変化を検出してもよい。このように所定の検出タイミングで検出することで、常に検出する場合に比べて制御部15の処理負荷を低減できる。
【0043】
図7は、移動手段の変化の検出タイミングの一例を説明するための模式図である。図7では、子供が所定エリアR(例えば塾や自宅)に入るまでにはバスで移動し、所定エリアR内では子供は徒歩で移動し、所定エリアRから出た後はバスで移動するものと想定している。かかる場合、検出部154は、例えば検出センサ13(位置センサ)によって子供が図7に示す所定エリアRに入ったと検出された場合、又は子供が所定エリアRから出たと検出された場合、移動手段の変化の有無を検出する。ここで、例えば塾(所定エリアR)に入ったことの検出タイミングは、子供が所定エリアR内に入って停止状態に移行したことを検知したタイミングである。また、塾から出たことの検出タイミングは、子供が所定エリアRから出て歩く又は走る状態に移行したことを検知したタイミングである。すなわち、検出部154は、子供の移動手段が変化する可能性が高いと思われるタイミングで、移動手段の変化の有無を検出することになる。
同様に、検出部154は、例えば子供が自宅から出たことを検出してもよい。ここで、自宅から出たことの検出タイミングは、子供が歩く又は走る状態で自宅から離れていることを検知したタイミングである。
【0044】
また、検出部154は、予め指定された指定期間に移動手段の変化を検出してもよい。ここで、指定期間は、例えば親が予め設定してもよい。また、指定期間は、子供の予定を管理するスケジュール(当該スケジュールは、例えば記憶部14に記憶されている)に応じて設定されてもよい。これにより、親が子供の移動手段の変化を検出したいと思う期間に、移動手段の変化の有無を検出することになる。
【0045】
図5に戻り、通知部155は、実行指示を受けて所定の動作モード(例えば見守りモード)で動作している際に、検出部154が子供の移動手段の変化を検出すると、取得部153が取得した位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する。すなわち、通知部155は、移動手段の変化が検出されると、記憶部14に記憶された位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する。
【0046】
例えば、通知部155は、検出部154によって子供が所定エリアに入ったと検出された場合、又は子供が所定エリアから出たと検出された場合において、検出部154が移動手段の変化を検出すると、位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する。また、通知部155は、予め指定された指定期間内に検出部154が移動手段の変化を検出すると、位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する。
例えば、通知部155は、子供が自宅から出たことを通知する。これにより、親は、子供が自宅から塾に向かって出発したことを確認できる。また、通知部155は、子供が乗り物(バス又は電車)に乗ったこと又は降りたことを通知する。また、通知部155は、塾についた又は出たことを通知する。また、通知部155は、子供が所定経路から外れて移動している場合に通知を行ってもよい。
【0047】
通知部155が通信端末2に位置情報及び状態情報を通知すると、通信端末2は、例えば前述した図4に示す通知画面を表示する。すなわち、通信端末2は、子供の位置及び移動手段を示す情報を表示する。これにより、通信端末2のユーザである親は、変化後の移動手段に加えて、子供の位置も把握できる。なお、通信端末2は、変化前の移動手段及び変化後の移動手段の両方を表示させてもよい。
【0048】
通知部155は、検出部154が移動手段の変化を検出した直後に取得された位置情報及び状態情報を、通信端末2に通知してもよい。なお、これに限定されず、通知部155は、検出部154が移動手段の変化を検出した直前に取得された位置情報及び状態情報を、通信端末2に通知してもよい。このように、通知部155は移動手段の変化を検出した直近の位置情報及び状態情報を通知することで、親は、移動手段が変更された際の子供の位置や移動状態を直ぐに把握できる。
【0049】
なお、上記では、携帯端末1が子供の手首に装着される時計型端末であることとしたが、これに限定されない。例えば、携帯端末1は、紐等を介して子供の首に着ける装着型端末であってもよい。かかる装着型端末においても、装着型端末のユーザである子供の移動手段の変化を適切に検出可能である。このように、携帯端末1として様々な形態のウェアラブル端末が適用可能である。
【0050】
[通信端末への通知処理]
図8を参照しながら、携帯端末1による子供の移動手段の変化を検出した際の通信端末2への通知処理について説明する。通信端末2への通知処理は、携帯端末1の制御部15が記憶部14に記憶されたプログラムを実行することで実現される。なお、当該プログラムは、外部サーバからダウンロードされたものであってもよい。
【0051】
図8は、通信端末2への通知処理の一例を説明するためのフローチャートである。本フローチャートは、子供の親が、通信端末2で所定の動作モード(見守りモードやお出かけモード)を選択したところから開始される。
【0052】
親が所定の動作モードを選択すると、携帯端末1の受信部151は、携帯電話網Nを介して通信端末2から所定の動作モード(ここでは、見守りモードであるものとする)の実行指示を受信する(ステップS102)。すると、モード実行部152は、見守りモードに対応した動作を開始させる。
【0053】
次に、取得部153は、携帯端末1の位置情報と、携帯端末1のユーザである子供の移動状態に関する状態情報とを取得する(ステップS104)。すなわち、取得部153は、位置センサと加速度センサを含む検出センサ13から、検出センサ13が検出した位置情報及び状態情報を所定周期で取得する。
【0054】
次に、検出部154は、子供の移動手段の変化を検出する検出タイミングに達したか否かを判定する(ステップS106)。ここで、検出タイミングは、例えば位置センサによって子供が所定エリアに入ったと検出され、又は子供が所定エリアから出たと検出された場合である。また、検出タイミングは、予め指定された指定期間であってもよい。そして、ステップS106で検出タイミングに達していない場合には(No)、取得部153による位置情報及び状態情報の取得が、継続される。
【0055】
ステップS106で検出タイミングに達した場合には(Yes)、検出部154は、取得部153が取得した状態情報に基づいて、子供の移動手段が変化したか否かを判定する(ステップS108)。すなわち、検出部154は、状態情報に基づいて子供の移動状態(移動速度等)を特定し、特定した移動状態に基づいて移動手段が変化したか否かを判定する。そして、ステップS108で子供の移動手段が変化したと判定された場合には(Yes)、通知部155は、取得部153が取得した位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する(ステップS110)。例えば、通知部155は、検出部154が移動手段の変化を検出した直後に取得された位置情報及び状態情報を、通信端末2に通知する。通信端末2は、携帯端末1からの通知を受けて、例えば図4に示すような通知画面を表示する。
【0056】
一方で、ステップS108で子供の移動手段が変化していない場合には(No)、通知部155は、位置情報及び状態情報の通信端末2への通知を行わず、検出部154は、移動手段の変化するまで検出を継続する。
【0057】
通信端末2への通知後、制御部15は、上述したステップS104〜S110の動作を繰り返す。一方で、親が通信端末2で選択した動作モードを解除すると(ステップS112:Yes)、本処理が終了する。
【0058】
なお、上記では、携帯端末1の通知部155は、位置情報及び状態情報を通信端末2に通知することとしたが、これに限定されない。例えば、通知部155は、位置情報及び移動手段を示す情報を通信端末2に通知してもよい。移動手段を示す情報は、状態情報に比べて情報量が少ないので、状態情報に代えて移動手段を示す情報を通知することで、通信量を小さくできる。
また、上記では、通信端末2は、子供の移動手段の変化が検出されると、携帯端末1からの通知に対応した通知画面を表示することとしたが、これに限定されない。例えば、通信端末2は、携帯端末1からの通知に基づいて音声を出力したり、通信端末2を振動させたりして、親に報知してもよい。
【0059】
また、上記では、見守りモードの実行中の通信端末2への通知について説明したが、これに限定されない。例えば、お出かけモードの実行中に迷子になった子供の移動手段が変化した場合に、携帯端末1が位置情報及び状態情報を通信端末2に通知することとしてもよい。
【0060】
[第1の実施形態における効果]
以上の通り、第1の実施形態に係る携帯端末1は、携帯端末1のユーザである子供の移動状態に基づいて子供の移動手段の変化を検出する。そして、携帯端末1は、見守りモード等の所定の動作モードの実行中に子供の移動手段の変化を検出すると、取得した携帯端末1の位置情報と子供の移動状態に関する状態情報(又は子供の移動手段を示す情報)とを、通信端末2に通知する。
【0061】
かかる場合には、通信端末2のユーザである親は、子供が移動手段を変えた場合に、子供の位置や変更後の移動手段の通知を受けることで、子供の移動状態を適切に把握できる。例えば、親は、子供が想定している移動手段(バスや電車等)に無事に乗車したか否かを把握することができる。また、想定していた移動手段とは異なる移動手段を子供が選択した場合には、親は、通知される位置情報が示す子供の位置に応じた善後策(例えば、子供の近くにいる知人に子供への伝言を依頼する)を講じやすくなる。
【0062】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、通知部155は、子供の移動手段の変化を検出すると、移動情報及び状態情報を通信端末2に通知する。これに対して、第2の実施形態では、子供の移動手段の変化を検出すると、通知対象の位置情報及び状態情報の正誤性が判定され、正しいと判定された位置情報及び状態情報が通信端末2に通知される点で、第1の実施形態とは異なる。
【0063】
図9は、第2の実施形態に係る携帯端末1の機能構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態に係る携帯端末1は、第1の実施形態の構成(図5参照)に加えて、判定部156を更に有する。
【0064】
判定部156は、取得部153が取得した位置情報及び状態情報の正誤性を判定する。すなわち、判定部156は、記憶部14に記憶された、検出センサ13(位置センサ及び加速度センサ)が所定周期で検出した位置情報及び状態情報がそれぞれ正しいか否かを判定する。
【0065】
例えば、判定部156は、検出部154によって検出される所定の移動手段及び前記移動手段による移動距離に基づいて、位置情報の正誤性を判定してもよい。具体的には、判定部156は、一のタイミングで取得された位置情報が示す位置と、次のタイミングで取得された位置情報が示す位置との間の距離が所定値より大きい場合において、上記の二つのタイミングでそれぞれ取得された状態情報が示す移動手段が徒歩であると、二つのタイミングで取得された位置情報が誤検出であると判定する。
【0066】
また、判定部156は、検出部154によって検出される所定の移動手段及び前記移動手段の継続時間に基づいて、状態情報の正誤性を判定してもよい。具体的には、判定部156は、移動手段が電車やバス等の乗り物であると検出された場合において、当該乗り物での移動時間(移動手段の継続時間)が所定時間よりも短いと検出されると、状態情報が正しくないと判定する。
【0067】
通知部155は、判定部156の判定結果を受けて、通信端末2への通知を制御する。例えば、通知部155は、通信端末2に通知する予定だった位置情報及び状態情報が判定部156によって誤検出と判定された場合には、当該位置情報及び状態情報を通信端末2に送信しない。代わりに、通知部155は、前記位置情報及び状態情報の後に取得された位置情報及び状態情報(判定部156によって誤検出ではないと判定された位置情報及び状態情報)を通信端末2に通知する。これにより、誤検出の位置情報及び状態情報が通信端末2に通知されることを防止できるので、親が、子供の位置や移動状態を誤ることを防止できる。
【0068】
なお、誤検出を抑制する観点から、取得部153は、第1周期で状態情報を取得し、第1周期よりも間隔が長い第2周期で位置情報を取得してもよい。状態情報は子供の移動状態を示すが、移動手段の変化が短時間で行われた場合に、第1周期が短いと状態情報を適切に検出できない恐れがある。このため、位置情報の検出周期(第2周期)よりも短い第1周期で状態情報を検出することで、子供の移動手段の変化の誤検出を抑制できる。
【0069】
第2の実施形態によれば、携帯端末1は、子供の移動手段の変化を検出すると、判定部156によって通知する対象の位置情報及び状態情報の正誤性を判定し、誤検出と判定されなかった位置情報及び状態情報を通信端末2に通知する。これにより、高精度の位置情報及び状態情報が通信端末2に通知されるので、親は、子供が移動手段を変えた場合に子供の移動状態をより適切に把握できる。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯端末
2 通信端末
14 記憶部
151 受信部
153 取得部
154 検出部
155 通知部
156 判定部
S 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9