(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、希釈剤流量を制御するための専用の制御弁を設定することが必要となり、この専用の制御弁を設けるための設備コストが発生することや、専用の制御弁を制御する制御が追加されることで設計が複雑化する等の問題があった。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、既存のシステムの構成を生かして希釈剤を燃焼器に供給することができるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムおよびガスタービンの燃焼器への流体供給制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、燃料を供給する燃料供給源と、希釈剤を供給する希釈剤供給源と接続され、切り替え制御に従って燃料又は希釈剤を燃焼器に導く流路と、
流量計によって計測された流量計測値、及び、前記流路の流量の目標値に基づき決定される弁開度指令値に応じて、前記流路を流れる燃料又は希釈剤の流量を調整する第1流調弁と、希釈剤の供給が要求された場合、前記希釈剤供給源から前記燃焼器に希釈剤を供給するための流路に切り替える切り替え制御を実行するとともに、前記目標値を、予め決められた流量の希釈剤を供給するための目標値である第1流量指令値に変更した後、希釈剤の供給を開始する制御装置と、を備える。また、前記第1流調弁
及び前記流量計は、前記流路のうち、前記燃料供給源に接続され前記燃料のみが流れる流路と、前記希釈剤供給源に接続され前記希釈剤のみが流れる流路との接続点よりも下流側に設けられていることを特徴とする。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、燃料を燃焼器に供給する流路を利用して、希釈剤を燃焼器に供給することができる。よって、既存の設備を利用して希釈剤を燃焼器に供給することができるため、希釈剤の流量を制御して燃焼器に供給するための設備コスト等を抑えることができる。
【0007】
(2)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記制御装置は、前記流路を流れる流体の流量に基づき、前記流路の流量を前記第1流量指令値に近づけるように前記第1流調弁を制御する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、現実の2次燃料供給ライン52の流量に基づき、燃焼器31〜33に供給する希釈剤の流量を目標値に近づけるように制御することができる。
【0008】
(3)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記流路は、パージ空気を供給するパージラインの下流側と接続されており、前記制御装置は、前記パージラインの圧力を検出する圧力計の検出結果に基づき、前記流路の流量を前記第1流量指令値に近づくように前記第1流調弁を制御する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、現実のパージ空気の流量に基づき、燃焼器に供給する希釈剤の流量を目標値に近づけるように制御することにより、燃焼器に導入される希釈剤の流量をより正確に、目標値に近づけるように制御することができる。これにより、ガスタービン排ガス中のNOx、その他、汚染物質をより効率的に低減することができる。
【0009】
(4)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記希釈剤供給源は、パージ空気を供給するパージラインを介して前記流路と接続されており、前記制御装置は、希釈剤の供給が要求された場合、前記パージラインを介して前記希釈剤供給源から前記燃焼器に希釈剤を供給するための流路に切り替える切り替え制御を実行するとともに、前記目標値を、前記第1流量指令値に変更した後、希釈剤の供給を開始する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、既設のパージラインを利用して、パージ空気と希釈剤を流路に供給することができるため、コストダウンに繋がる。
【0010】
(5)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記流路は、前記第1流調弁を備える第1流路と、前記第1流路と並列に接続される第2の流調弁を備える第2流路とを有し、前記第2流路の最大流量が前記第1流路の最大流量よりも小さく、前記制御装置は、前記燃焼器に供給する流体に応じて、前記第1流調弁および前記第2流調弁を制御する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、燃料の供給量に比べて希釈剤の供給量が少ない場合、流量の少ない方の第2流路を介して、希釈剤を燃焼器に出力させることができる。従って、希釈剤を供給する際の流量制御性を向上させることができる。
【0011】
(6)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記制御装置は、2次燃料の供給が要求された場合、前記燃料供給源から前記燃焼器に燃料を供給するための流路に切り替える切り替え制御を実行するとともに、前記目標値を、予め決められた流量の燃料を供給するための目標値である第2流量指令値に変更する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、燃料を燃焼器に供給する流路を利用して、希釈剤を燃焼器に供給することができる。よって、既存の設備を利用して希釈剤または燃料を燃焼器に供給することができるため、設備コスト等を抑えることができる。
【0012】
(7)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムにおいて、前記制御装置は、希釈剤の供給が要求された場合、前記目標値を、予め決められた流量の燃料を供給するための目標値である第2流量指令値から前記第1流量指令値に変更し、又は、希釈剤の供給停止が要求された場合、前記目標値を、前記第1流量指令値から前記第2流量指令値に設定を変更する。
これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システムは、希釈剤の供給の開始又は停止に応じて、目標値を切り替えることができる。
【0013】
(8)また、本発明の一態様によるガスタービンの燃焼器への流体供給制御方法は、燃料を供給する燃料供給源と、希釈剤を供給する希釈剤供給源と接続され、切り替え制御に従って燃料又は希釈剤を燃焼器に導く流路と、
流量計によって計測された流量計測値、及び、前記流路の流量の目標値に基づき決定される弁開度指令値に応じて、前記流路を流れる燃料又は希釈剤の流量を調整する流調弁とを備え、当該流調弁
及び前記流量計は、前記流路のうち、前記燃料供給源に接続され前記燃料のみが流れる流路と、前記希釈剤供給源に接続され前記希釈剤のみが流れる流路との接続点よりも下流側に設けられているシステムに含まれる制御装置が、希釈剤の供給が要求された場合、前記希釈剤供給源から前記燃焼器に希釈剤を供給するための流路に切り替える切り替え制御を実行するとともに、前記目標値を、予め決められた流量の希釈剤を供給するための目標値である第1流量指令値に変更し、前記切替制御および前記第1流量指令値の変更後、希釈剤の供給を開始する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既存のシステムの構成を生かして希釈剤を燃焼器に供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、流体供給制御システム100については、
図2を参照して説明する。
初めに、
図1を参照して、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100に適用可能なガスタービン1の一例について説明する。
ガスタービン1は、
図1に示すように、外気を圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機2と、燃料ガスに圧縮空気を混合して燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼ガスにより駆動するタービン4と、を備えている。
【0017】
空気圧縮機2は、圧縮機ロータ5と、これを回転可能に覆う圧縮機ケーシング6とを有している。
燃焼器3は、燃料ガス及び空気圧縮機2からの圧縮空気を受け入れてこれらを噴出する燃料供給器7と、燃料供給器7から燃料ガス及び圧縮空気が内部に噴射されて、燃料ガスの燃焼領域を形成する燃焼筒8とを有している。
タービン4は、燃焼ガスにより回転するタービンロータ9と、このタービンロータ9を回転可能に覆うタービンケーシング10とを有している。空気圧縮機2の圧縮機ロータ5は、タービンロータ9と接続され、このタービンロータ9と一体回転する。
【0018】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100の一例を示すブロック図である。
図2に示す通り、ガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100は、主に、1次燃料供給源21と、複数の燃焼器31〜33と、希釈剤供給源41と、2次燃料供給源51と、圧縮機61と、複数のマニホールド71,72とを備える。なお、ガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100において、1次燃料供給源21と、複数の燃焼器31〜33と、2次燃料供給源51と、圧縮機61と、複数のマニホールド71,72は、既存の設備である。本実施形態おいて、希釈剤供給源41と、この希釈剤供給源41からの希釈剤を2次燃料供給ライン52に供給する希釈剤供給ライン42と、2次燃料供給ライン52への希釈剤の供給を遮断する遮断弁43とが、新設の構成である。
【0019】
1次燃料供給源21は、1次燃料供給ライン22とマニホールド72を介して、複数の燃焼器31〜33に、例えば天然ガス等の高エネルギー燃料(以下、1次燃料という)を供給する。この1次燃料供給源21は、1次燃料供給ライン22を介してマニホールド72と接続される。このマニホールド72は、複数の燃焼器31〜33と接続されている。本実施形態において、
図1に示される燃焼器3は、複数の燃焼器31〜33の一例である。
【0020】
2次燃料供給源51は、2次燃料供給ライン52とマニホールド71を介して、複数の燃焼器31〜33に、例えば合成ガスまたはプロセスガス等の低エネルギー燃料(以下、2次燃料という)を供給する。この2次燃料供給源51は、2次燃料供給ライン52を介してマニホールド71と接続される。このマニホールド71は、複数の燃焼器31〜33と接続されている。なお、2次燃料供給ライン52において、2次燃料供給源51の方を上流側、燃焼器31〜33の方を下流側という。
この2次燃料供給ライン52には、上流側から下流側に向かって、遮断弁53、流量計54、流調弁55が、この順番に設けられている。
【0021】
遮断弁53は、2次燃料供給源51から2次燃料供給ライン52への2次燃料の供給を遮断する。また、遮断弁53による遮断が解除された場合、2次燃料供給ライン52は、2次燃料供給源51からの2次燃料を、マニホールド71を介して複数の燃焼器31〜33へ供給する。
流量計54は、2次燃料供給ライン52を上流側から下流側に流れる流体の流量を計測し、計測結果を制御装置101に出力する。
流調弁55は、制御装置101の制御により、2次燃料供給ライン52を上流側から下流側に流れる流体の流量を調整する。なお、流調弁55によって調整される流量は、弁の開口度合いを示す弁開度によって示される。本実施形態において、流調弁55に設定された弁開度指令値が入力された場合、流調弁55は、入力された弁開度指令値に従って、弁の開口(弁開度)を変更する。
【0022】
希釈剤供給源41は、希釈剤供給ライン42を介して、例えば水、蒸気、その他ガス状の希釈剤等(以下、希釈剤という)を2次燃料供給ライン52に供給する。この希釈剤供給ライン42は、上流側の一端が希釈剤供給源41と接続され、下流側の一端が2次燃料供給ライン52の遮断弁53と流量計54との間に接続されている。
また、希釈剤供給ライン42には、遮断弁43が設けられている。この遮断弁43は、希釈剤供給源41から2次燃料供給ライン52への希釈剤の供給を遮断する。また、遮断弁43による遮断が解除された場合、2次燃料供給ライン52は、希釈剤供給源41からの希釈剤を、マニホールド71を介して複数の燃焼器31〜33へ供給する。
【0023】
圧縮機61は、パージライン62を介して、2次燃料供給ライン52にパージ空気を供給する。このパージライン62は、上流側の一端が圧縮機61と接続され、下流側の一端が2次燃料供給ライン52の流調弁55とマニホールド71との間に接続されている。
また、パージライン62には、遮断弁63が設けられている。この遮断弁63は、圧縮機61から2次燃料供給ライン52へのパージ空気の供給を遮断する。また、遮断弁63による遮断が解除された場合、2次燃料供給ライン52は、圧縮機61からのパージ空気を、マニホールド71を介して複数の燃焼器31〜33へ供給する。
【0024】
制御装置101は、1次燃料あるいは2次燃料の供給要求があった場合、複数の燃焼器31〜33に、1次燃料あるいは2次燃料を供給するための制御を実行する。また、希釈剤の供給要求があった場合、制御装置101は、希釈剤とパージ空気とをあわせて、複数の燃焼器31〜33に供給するための制御を実行する。
【0025】
次に、
図3を参照して、制御装置101の詳細について説明する。
図3(a)は、制御装置101の一例を示す図である。
図3(b)は、制御装置101の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3(b)に示す通り、制御装置101は、入力部102と、記憶部103と、流量指令値決定部104と、出力部105と、遮断弁制御部106と、1次燃料供給制御部107と、2次燃料供給制御部108と、希釈剤供給制御部109と、パージ空気供給制御部110と、を備える。
入力部102は、希釈剤注入ON信号、希釈剤注入OFF信号、2次燃料注入ON信号および2次燃料注入OFF信号を入力する。希釈剤注入ON信号は、希釈剤の供給開始を要求するコマンドである。希釈剤注入OFF信号は、希釈剤の供給停止を要求するコマンドである。2次燃料注入ON信号は、2次燃料の供給開始を要求するコマンドである。2次燃料注入OFF信号は、2次燃料の供給停止を要求するコマンドである。
この入力部102は、例えば、ユーザ操作によって受け付けたコマンドあるいは他の制御装置によって生成されたコマンドを受け付ける。希釈剤注入ON信号、希釈剤注入OFF信号、2次燃料注入ON信号および2次燃料注入OFF信号は、これらコマンドの一種である。
【0026】
記憶部103は、制御装置101の制御に要する種々の情報やプログラム等を記憶する。また、記憶部103は、希釈剤注入時の希釈剤流量の目標値として予め決められている値を示す流量指令値S1と、2次燃料供給時の2次燃料流量の目標値として予め決められている値を示す流量指令値S2とを記憶する。なお、本実施形態において、流量指令値S1は、流量指令値S2に比べて、小さい値である。これら流量指令値S1,S2は、それぞれ、予め決められた流量の希釈剤あるいは2次燃料を供給するために決められている流量の目標値である。
【0027】
流量指令値決定部104は、入力部102から入力するコマンド(例えば、希釈剤注入ON信号等)に応じて、流調弁55の弁開度を制御する弁開度指令値S3を決定し、出力部105に出力する。本実施形態において、流量指令値決定部104は、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S3を決定し、出力部105に出力する。
具体的に説明すると、入力部102から希釈剤注入ON信号を入力した場合、流量計54によって計測された流量計測値に基づき、流調弁55から下流側に排出される希釈剤を含む流体の流量を流量指令値S1が示す目標値に近づけるように、流調弁55の弁開度を制御するための弁開度指令値S3を決定する。一方、入力部102から2次燃料注入ON信号あるいは希釈剤注入OFF信号を入力した場合、流量計54によって計測された流量計測値に基づき、流調弁55から下流側に排出される希釈剤を含む流体の流量を流量指令値S2が示す目標値に近づけるように、流調弁55の弁開度を制御するための弁開度指令値S3を決定する。
【0028】
また、流量指令値決定部104は、入力部102から希釈剤注入OFF信号や2次燃料注入OFF信号を入力した場合、流調弁全閉フラグを立てる。一方、希釈剤の注入準備の完了あるいは2次燃料の注入準備の完了を確認した後、流量指令値決定部104は、流調弁全閉フラグを解除する。これにより、流調弁55は、希釈剤の注入準備の完了あるいは2次燃料の注入準備の完了を確認するまで、全閉に制御されている。
なお、流調弁全閉フラグとは、流調弁55の弁を全閉に制御するか否かを示す情報である。流調弁全閉フラグが立っている場合、流量指令値決定部104は、流調弁55を全閉に制御する弁開度指令値S3を出力部105を介して流調弁55に出力する。一方、流調弁全閉フラグが解除されている場合、流量指令値決定部104は、流量の目標値に応じた弁開度で流調弁55を開くように制御する弁開度指令値S3を決定し、出力部105を介して流調弁55に出力する。
【0029】
なお、希釈剤の注入準備の完了を確認した場合とは、(1)2次燃料供給源51からの2次燃料の供給が停止されていること、(2)流調弁55から下流側に排出される希釈剤を含む流体の流量を流量指令値S1が示す目標値に近づけるように流調弁55の弁開度を制御するための弁開度指令値S3が決定されていること、および、(3)遮断弁53を遮断して遮断弁43,63の遮断を解除することにより希釈剤の流路を確立したことを、確認した場合をいう。また、2次燃料の注入準備の完了を確認した場合とは、(1)希釈剤供給源41からの希釈剤の供給が停止されていること、(2)流調弁55から下流側に排出される2次燃料を含む流体の流量を流量指令値S2が示す目標値に近づけるように流調弁55の弁開度を制御するための弁開度指令値S3が決定されていること、および、(3)遮断弁53の遮断を解除して遮断弁43,63を遮断することにより2次燃料の流路を確立したことを、確認した場合をいう。
また、流調弁全閉フラグを立てる処理や解除する処理は、流量指令値決定部104だけでなく、遮断弁制御部106が実行するものであってもよい。
【0030】
出力部105は、流量指令値決定部104から入力した弁開度指令値S3を流調弁55に出力する。流調弁55は、入力部102から入力する弁開度指令値S3に従って、弁の開口(弁開度)を制御する。
【0031】
遮断弁制御部106は、入力部102から入力するコマンド(例えば、希釈剤注入ON信号等)に応じて、遮断弁43,53,63を制御する。この遮断弁制御部106は、入力部102から希釈剤注入ON信号あるいは2次燃料注入OFF信号を入力した場合、遮断弁53を遮断するとともに、遮断弁43,63の遮断を解除する。一方、入力部102から2次燃料注入ON信号あるいは希釈剤注入OFF信号を入力した場合、この遮断弁制御部106は、遮断弁53の遮断を解除するとともに、遮断弁43,63を遮断する。
【0032】
1次燃料供給制御部107は、1次燃料の供給要求に基づき、1次燃料供給源21から1次燃料を供給させ、1次燃料の供給停止の要求に基づき、1次燃料供給源21からの1次燃料の供給を停止させる。
2次燃料供給制御部108は、2次燃料の供給要求に基づき、2次燃料供給源51から2次燃料を供給させ、2次燃料の供給停止の要求に基づき、2次燃料供給源51からの2次燃料の供給を停止させる。
希釈剤供給制御部109は、希釈剤の供給要求に基づき、希釈剤供給源41から希釈剤を供給させ、希釈剤の供給停止の要求に基づき、希釈剤供給源41からの希釈剤の供給を停止させる。
パージ空気供給制御部110は、パージ空気の供給要求に基づき、圧縮機61からパージ空気を供給させ、パージ空気の供給停止の要求に基づき、圧縮機61からのパージ空気の供給を停止させる。
【0033】
なお、本発明は、
図3(b)に示す機能構成に限られず、
図3(a)に示すような構成によって、
図3(b)に示すような処理機能部を構成するものであってもよい。
図3(a)には、切替器111と、演算器112と、制御器113と、切替器114とを備える。なお、
図3(a)に示す構成は、制御装置101の一部である。
切替器111は、希釈剤注入ON信号あるいは2次燃料注入OFF信号を入力した場合、希釈剤注入時の流量指令値S1を演算器112に出力する。また、切替器111は、2次燃料注入ON信号あるいは希釈剤注入OFF信号を入力した場合、2次燃料供給時の流量指令値S2を演算器112に出力する。
演算器112は、切替器111から流量指令値S1を入力した場合、この流量指令値S1から、流量計54によって計測された流量計測値を減算した値を制御器113に出力する。また、演算器112は、切替器111から流量指令値S1を入力した場合、この流量指令値S1から、流量計54によって計測された流量計測値を減算した値を制御器113に出力する。
制御器113は、演算器112から入力する演算結果に基づき、切替器114の弁開度を制御する。
切替器114は、制御器113によって指示された弁開度に応じて流調弁55の開口を制御して、2次燃料供給ライン52を上流側から下流側に向けて流れる流体の流量を調整する。また、切替器114は、流調弁全閉フラグが立っている場合、流調弁55の弁開度を全閉に制御する、つまり、2次燃料供給ライン52を遮断する。
【0034】
このように、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100は、1次燃料供給源21と2次燃料供給源51とを備える燃焼器システムに適用される制御である。この燃焼器システムでは、2次燃料の供給が要求された場合、遮断弁53の遮断を解除して2次燃料供給源51から燃焼器31〜33に希釈剤を供給するための流路に形成する制御を実行することにより、2次燃料供給ライン52が2次燃料を燃焼器31〜33に導くことができる。また、希釈剤の供給が要求された場合、希釈剤供給源41から燃焼器31〜33に希釈剤を供給するための流路に切り替える切り替え制御を実行することにより、2次燃料供給ライン52が希釈剤を燃焼器31〜33に導くことができる。
【0035】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るガスタービンの流体供給制御方法に含まれる希釈剤制御方法の一例について説明する。
図4は、本実施形態に係るガスタービンの希釈剤制御方法の一例について説明するためのフローチャートである。
(ステップST101)
制御装置101の入力部102は、希釈剤注入ON信号あるいは希釈剤注入OFF信号を入力する。
(ステップST102)
希釈剤注入ON信号を入力した場合、制御装置101の流量指令値決定部104は、2次燃料供給源51から2次燃料が供給中であるか否かを判定する。なお、流量指令値決定部104は、2次燃料供給制御部108から入力されるコマンドや2次燃料供給ON信号あるいは2次燃料供給OFF信号に基づき、2次燃料が供給中であるか否かを判定することができる。
(ステップST103)
2次燃料が供給中であると判定した場合、流量指令値決定部104は、2次燃料供給制御部108に対して、2次燃料の供給を停止するよう指示する。そして、2次燃料供給制御部108は、2次燃料供の供給を停止するよう2次燃料供給源51を制御する。
【0036】
(ステップST104)
次いで、流量指令値決定部104は、希釈剤を供給するための弁開度指令値S3を決定する。なお、ステップST102において、2次燃料が供給中でないと判定した場合も同様に、流量指令値決定部104は、希釈剤を供給するための弁開度指令値S3を決定する。
本実施形態において、流量指令値決定部104は、流量計54によって計測された流量計測値と、記憶部103から読み出した希釈剤注入時の流量値として予め決められている流量指令値S1とに基づき、希釈剤を供給するための弁開度指令値S3を決定する。
(ステップST105)
そして、この遮断弁制御部106は、遮断弁53を遮断して、2次燃料供給源51から2次燃料を供給する2次燃料供給ライン52を遮断する。また、遮断弁制御部106は、遮断弁43の遮断を解除して、希釈剤供給源41から希釈剤を供給する希釈剤供給ライン42と2次燃料供給ライン52からなる流路を開放する。さらに、遮断弁制御部106は、遮断弁63の遮断を解除して、圧縮機61からパージ空気を供給するパージライン62と2次燃料供給ライン52をからなる流路を開放する。遮断弁制御部106は、遮断弁53を遮断するとともに遮断弁43,63の遮断を解除して、希釈剤の注入する準備ができたことを確認した後、パージ空気の供給を要求するコマンドと、希釈剤の供給を要求するコマンドを出力する。
【0037】
(ステップST106)
そして、パージ空気供給制御部110は、遮断弁制御部106からのコマンドに基づき、パージライン62にパージ空気を排出するよう圧縮機61を制御する。これにより、2次燃料供給ライン52にパージ空気が供給され、マニホールド71を介して排出される。そして、パージ空気により、2次燃料供給ライン52に残っていた2次燃料が、マニホールド71を介して排出される。
(ステップST107)
また、希釈剤供給制御部109は、遮断弁制御部106からのコマンドに基づき、希釈剤供給ライン42に希釈剤を排出するよう希釈剤供給源41を制御する。これにより、2次燃料供給ライン52に希釈剤が供給され、マニホールド71を介して排出される。
【0038】
(ステップST108)
一方、ステップST101において、入力部102が希釈剤注入OFF信号を入力した場合、遮断弁制御部106は、希釈剤供給制御部109に対して、希釈剤の供給を停止するよう指示する。そして、希釈剤供給制御部109は、希釈剤の供給を停止するよう希釈剤供給源41を制御する。
(ステップST109)
そして、遮断弁制御部106は、遮断弁43を遮断して、希釈剤供給源41と2次燃料供給ライン52を遮断する。次いで、遮断弁制御部106は、流調弁全閉フラグを立てる。
(ステップST110)
流量指令値決定部104は、流調弁全閉フラグに従って、流調弁55を全閉に制御する弁開度指令値S3を決定し、出力部105を介して流調弁55に出力する。これにより、流調弁55は全閉となる。
【0039】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係るガスタービンの流体供給制御方法に含まれる2次燃料制御方法の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係るガスタービンの2次燃料制御方法の一例について説明するためのフローチャートである。
(ステップST201)
制御装置101の入力部102は、2次燃料注入ON信号あるいは2次燃料注入OFF信号を入力する。
(ステップST202)
2次燃料注入ON信号を入力した場合、制御装置101の流量指令値決定部104は、希釈剤供給源41から希釈剤が供給中であるか否かを判定する。なお、流量指令値決定部104は、希釈剤供給制御部109から入力されるコマンドや希釈剤注入ON信号あるいは希釈剤注入OFF信号に基づき、希釈剤が供給中であるか否かを判定することができる。
(ステップST203)
希釈剤が供給中であると判定した場合、流量指令値決定部104は、希釈剤供給制御部109に対して、希釈剤の供給を停止するよう指示する。そして、希釈剤供給制御部109は、希釈剤の供給を停止するよう希釈剤供給源41を制御する。
【0040】
(ステップST204)
次いで、流量指令値決定部104は、2次燃料を供給するための弁開度指令値S3を決定する。なお、ステップST202において、希釈剤が供給中でないと判定した場合も同様に、流量指令値決定部104は、2次燃料を供給するための弁開度指令値S3を決定する。
本実施形態において、流量指令値決定部104は、流量計54によって計測された流量計測値と、記憶部103から読み出した2次燃料注入時の流量値として予め決められている流量指令値S2とに基づき、2次燃料を供給するための弁開度指令値S3を決定する。
(ステップST205)
そして、この遮断弁制御部106は、遮断弁43を遮断して、希釈剤供給源41と2次燃料供給ライン52を遮断する。また、遮断弁制御部106は、遮断弁63を遮断して、圧縮機61からパージ空気を供給するパージライン62と2次燃料供給ライン52からなる流路を遮断する。さらに、遮断弁制御部106は、遮断弁53の遮断を解除して、2次燃料供給源5と2次燃料供給ライン52とを接続する。遮断弁制御部106は、遮断弁43,63を遮断するとともに遮断弁53の遮断を解除して、2次燃料の注入する準備ができたことを確認した後、2次燃料を2次燃料供給ライン52に供給するコマンドを2次燃料供給制御部108に出力する。
【0041】
(ステップST206)
また、2次燃料供給制御部108は、遮断弁制御部106からのコマンドに基づき、2次燃料供給ライン52に2次燃料を排出するよう2次燃料供給源51を制御する。これにより、2次燃料供給ライン52に2次燃料が供給され、マニホールド71を介して排出される。
【0042】
(ステップST207)
一方、ステップST201において、入力部102が2次燃料注入OFF信号を入力した場合、遮断弁制御部106は、2次燃料供給制御部108に対して、2次燃料の供給を停止するよう指示する。そして、2次燃料供給制御部108は、2次燃料の供給を停止するよう2次燃料供給源51を制御する。
(ステップST208)
そして、遮断弁制御部106は、遮断弁53を遮断して、2次燃料供給源51と2次燃料供給ライン52を遮断する。次いで、遮断弁制御部106は、流調弁全閉フラグを立てる。
(ステップST209)
流量指令値決定部104は、流調弁全閉フラグに従って、流調弁55を全閉に制御する弁開度指令値S3を決定し、出力部105を介して流調弁55に出力する。これにより、流調弁55は全閉となる。
【0043】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る他のガスタービンの流体供給制御方法の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係るガスタービンの流体供給制御方法の一例について説明するためのフローチャートである。なお、
図6に示すガスタービンの制御方法において、ステップST101〜108は、
図4に示す処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。
(ステップST309)
次いで、流量指令値決定部104は、2次燃料を供給するための弁開度指令値S3を設定する。本実施形態において、流量指令値決定部104は、流量計54によって計測された流量計測値と、記憶部103から読み出した2次燃料注入時の流量値として予め決められている流量指令値S2とに基づき、2次燃料を供給するための弁開度指令値S3を決定する。
(ステップST310)
そして、この遮断弁制御部106は、遮断弁43を遮断して、希釈剤供給源41と2次燃料供給ライン52を遮断する。また、遮断弁制御部106は、遮断弁63を遮断して、圧縮機61からパージ空気を供給するパージライン62と2次燃料供給ライン52からなる流路を遮断する。
【0044】
このように、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100によると、2次燃料を燃焼器3に供給するための2次燃料供給ラインと、燃焼器31〜33に供給する2次燃料の供給量を制御するための流調弁55を用いて、希釈剤の流量を制御して燃焼器31〜33に供給することができる。これにより、既存の設備を利用して希釈剤を燃焼器31〜33に供給することができるため、希釈剤の流量を制御して燃焼器31〜33に供給するための設備コストを抑えることができる。
また、2次燃料供給ライン52を流れる流体の流量に基づき、2次燃料供給ライン52の流量を、燃焼器31〜33に供給する希釈剤の流量に近づけるように流調弁55を制御する。これにより、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100は、現実の2次燃料供給ライン52の流量に基づき、燃焼器31〜33に供給する希釈剤の流量を目標値に近づけるように制御することができる。
【0045】
[第2実施形態]
次に、
図7,8を参照して、本実施形態に係るガスタービンの制御システム200の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施形態に係るガスタービンの制御システム200の一例を示すブロック図である。
図8は、本実施形態に係る制御装置101の機能構成の一例を示す図である。
本実施形態に係るガスタービンの制御システム200は、第1実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100に比べて、パージライン62に排出される圧縮機61からの吐出圧力の検出値に基づき、圧縮機61からのパージ流量を推定するパージ流量推定部201を備える点が異なる。それ以外は、概ね、第1実施形態と同様の機能と構成を備えるものであるため、詳細な説明は省略する。
図7に示す通り、パージライン62には、圧縮機61からの吐出圧力を検出する圧力計64が設けられている。圧力計64は、検出した吐出圧力の検出値を、パージ流量推定部201に出力する。
図8に示す通り、パージ流量推定部201は、制御装置101に含まれる構成である。パージ流量推定部201は、圧力計64から入力する吐出圧力の検出値に基づき、パージライン62に流れるパージ空気の流量を推定し、推定結果を流量指令値決定部104に出力する。
【0046】
本実施形態において、流量指令値決定部104は、パージ流量推定部201によって推定されたパージ空気の流量と、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S3を決定する。
具体的に説明すると、入力部102から希釈剤注入ON信号を入力した場合、流量計54によって計測された流量計測値、およびパージ流量推定部201によって推定されたパージ空気の流量に基づき、マニホールド71に導入される希釈剤を含む流体の流量を流量指令値S1が示す目標値に近づけるように、流調弁55の弁開度を制御するための弁開度指令値S3を決定する。本実施形態において、流量指令値S1が示す目標値は、燃焼器31〜33に供給される希釈剤の量が予め決められた設定値に近づくように流調弁55を制御するために決められた値であってもよい。
このように、本実施形態に係るガスタービンの制御システム200によると、圧縮機61から出力されるパージ空気の流量と、希釈剤供給源41から供給される希釈剤の流量に基づき、流調弁55を制御することにより、燃焼器31〜33に導入される希釈剤の流量をより正確に、目標値に近づけるように制御することができる。これにより、ガスタービン排ガス中のNOx、その他、汚染物質をより効率的に低減することができる。
なお、本実施形態に係るガスタービンの制御方法としては、第1実施形態において説明した制御方法を適用することができる。
【0047】
[第3実施形態]
次に、
図9を参照して、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム300の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム300の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム300は、第1実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100に比べて、分岐ライン57に接続される流調弁56を備える点、燃焼器31〜33に供給する流体の流量に応じて流調弁55,56を制御する点が異なる。
この分岐ライン57は、流量計54と流調弁55との間において2次燃料供給ライン52から分岐して流調弁55の下流側に合流する流路である。つまり、流調弁56は、流調弁55と並列に接続されている。この分岐ライン57の径は、2次燃料供給ライン52の径に比べて小さい。つまり、分岐ライン57を通過する流体の最大流量は、2次燃料供給ライン52を通過する流体の最大流量に比べて少ない。流調弁56が通過させる最大流量は、流調弁55が通過させる最大流量に比べて小さい。
このように、希釈剤および2次燃料を燃焼器31〜33に供給する流路は、流調弁55を備える2次燃料供給ライン52(第1流路)と、流調弁55に対して並列に接続される流調弁56を備える分岐ライン57(第2流路)とを含む。この2次燃料供給ライン52と分岐ライン57との合流点の下流側は燃焼器31と接続されており、上流側は流量計54と接続されている。
【0048】
本実施形態において、制御装置101の流量指令値決定部104は、燃焼器31〜33に希釈剤を供給する場合、例えば、希釈剤ON信号を入力した場合、流調弁55を全閉に制御するとともに、弁開度指令値S4に従って流調弁56の弁開度を制御する。つまり、流量指令値決定部104は、流調弁55の弁解度を全閉に制御する流体指令値S3を決定して出力部105を介して流調弁55に出力し、流調弁56の弁解度を制御する流体指令値S4を決定して出力部105を介して流調弁56に出力する。なお、弁開度指令値S4は、流調弁56の弁開度を制御するためのコマンドである。
これにより、制御装置101は、流調弁56から下流側に排出される希釈剤を含む流体の流量を流量指令値S1が示す目標値に近づけるように、流調弁55,56の弁開度を制御することができる。よって、2次燃料の供給量に比べて希釈剤の供給量が少ない場合、流量の少ない方の分岐ライン57を介して、希釈剤をマニホールド71に出力させることができる。従って、希釈剤を供給する際の流量制御性を向上させることができる。
【0049】
なお、本発明はこれに限られず、決定された弁開度指令値S3,S4の値に応じて、流調弁55,56の弁解度を制御するものであってもよい。
例えば、制御装置101は、燃焼器31〜33に供給する流体の流量に応じて、全閉する流調弁を、流調弁55,56で切り替える制御するものであってもよい。例えば、燃焼器31〜33に供給する流体の流量が閾値よりも多い場合、制御装置101は、流調弁56を全閉に制御するとともに、流調弁55を制御して2次燃料供給ライン52の下流側の流体の流量を調整する。一方、流量が閾値よりも少ない場合、制御装置101は、流調弁55を全閉に制御するとともに、流調弁56を制御して分岐ライン57の下流側の流体の流量を調整する。
また、制御装置101は、燃焼器31〜33に供給する流体の流量に応じて、流調弁55,56の弁開度を制御するものであってもよい。つまり、流調弁55の下流側の流量と流調弁56の下流側の流量を加算して、燃焼器31〜33に供給する流体の流量になるように、流調弁55,56の弁開度を制御するものであってもよい。
【0050】
なお、本実施形態において、流量指令値決定部104は、第1実施形態のように、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S4を決定するものであってもよい。また、流量指令値決定部104は、第2実施形態のように、パージ流量推定部201によって推定されたパージ空気の流量と、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S4を決定するものであってもよい。
なお、本実施形態に係るガスタービンの制御方法としては、第1実施形態において説明した制御方法を適用することができる。
【0051】
[第4実施形態]
次に、
図10を参照して、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム400の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム400の一例を示すブロック図である。
本実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム400は、第1実施形態に係るガスタービンの燃焼器への流体供給制御システム100に比べて、圧縮機61からのパージ空気を供給するパージライン62が2次燃料供給ライン52の流調弁55の上流側に接続されており、希釈剤供給源41からの希釈剤を供給する希釈剤供給ライン42がパージライン62と接続されている点が異なる。それ以外は、概ね、第1実施形態と同様の機能と構成を備えるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0052】
本実施形態において、遮断弁制御部106は、希釈剤の供給が要求された場合、遮断弁53を遮断して、2次燃料供給源51から2次燃料を供給する2次燃料供給ライン52を遮断する。また、遮断弁制御部106は、遮断弁43の遮断を解除して、圧縮機61からパージ空気を供給するパージライン62と希釈剤供給源41から希釈剤を供給する希釈剤供給ライン42を開放して、パージライン62および希釈剤供給ライン42を、2次燃料供給ライン52と接続する。
【0053】
また、遮断弁制御部106は、遮断弁53を遮断するとともに遮断弁43の遮断を解除して、希釈剤の注入する準備ができたことを確認した後、パージ空気の供給を要求するコマンドと、希釈剤の供給を要求するコマンドを出力する。
このように、本実施形態に係るガスタービンの制御システム400によると、遮断弁43により、パージ空気と希釈剤を2次燃料供給ライン52に供給する流路を遮断することができるため、パージライン62および希釈剤供給ライン42のそれぞれに遮断弁を用意しなくてすむため、コストダウンに繋がる。また、既存のパージライン62に希釈剤供給源41を接続することができるため、既存のシステム構成を生かして、希釈剤を供給することができる。
【0054】
なお、本実施形態において、流量指令値決定部104は、第1実施形態のように、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S4を決定するものであってもよい。また、流量指令値決定部104は、第2実施形態のように、パージ流量推定部201によって推定されたパージ空気の流量と、流量計54によって計測された流量計測値と、流量指令値S1,S2とに基づき、弁開度指令値S4を決定するものであってもよい。
なお、本実施形態に係るガスタービンの制御方法としては、第1実施形態において説明した制御方法を適用することができる。
【0055】
また、上述の第1〜4本実施形態において、2次燃料供給ライン52の流量は、流量計54が計測する例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、2次燃料供給ライン52に設けられる流調弁55の上流側と下流側の圧力の差分に基づいて、2次燃料供給ライン52の流量を求めるものであってもよい。また、流調弁55の弁開度に基づき推定される2次燃料供給ライン52の流量(推定値)を求めるものであってもよい。さらに、2次燃料供給ライン52内の流体の温度を計測する温度計の計測結果に基づき、上記推定値を補正するものであってもよい。
【0056】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。