【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に開示される工法では、
図4に示すようにエンドミルにより管端部1aの全周にわたってマンホール側壁2aに食い込む環状の溝11が形成され、ついでこの溝を利用して別の切削工具のミルにより作業溝11のマンホール外周側の側壁より管端部に沿って突出する溝12が管端部1aの周りに環状に形成されるが、溝11、12が形成された箇所は強度的に弱く、地震時の揺れにより下水道管1とマンホール2との間に相対的な変位を生ずると、前記溝11、12とくにマンホール外周近くの溝12が形成された箇所にクラックが入り易くなる。クラックが入ると、下水道管が地下深く埋設され、土被り厚さが大きな大口径管である場合、地下水が多量に流入する可能性があるが、溝11、12には
図5に示すように弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材13が充填され、このシール材13は地震時の揺れにより、マンホール2にクラックが入ったとき、緩衝材としての機能を果たして下水道管とマンホールの間の相対的な変位を吸収すると共に、シール機能を果たし、地下水の流入を防ぐことができるようにしている。このように前記溝11は、切削工具のミルで溝12を形成する際の作業溝としての機能を果たし(以下、この溝11を作業溝という)、溝12は、地震時の揺れにより下水道管1とマンホール2との間に相対的な変位を生じ、ずれを生じたときにクラックが入り易くなるように意図的に形成されている(そこで、この溝12を以下、クラック誘発溝という)。
【0009】
エンドミルや別の切削工具のミルを用いて前述の作業溝11やクラック誘発溝12を切削するのに
図3に示すようなガイド部材8を用いる場合には、事前にマンホール2の内径や肉厚、下水道管管端部1aの径や肉厚に関するデータを測定等により集めておき、このデータに基づいてマンホール内周面と同一面をなす下水道管管端面4の三次元曲線よりなる形状を求め、これより前記ガイド8aが管端面4の形状と合致するようにガイド部材8を組付けるが、この作業には手間がかかるうえ、下水道管1がマンホール2に偏心して取付けられていたり、傾斜して取付けられている場合、ガイド部材8を組付けたときのガイド8aの形状と管端面4の三次元曲線よりなる形状とにずれを生ずることがあり、これを調整するための調整は面倒で多大な手間を要する。
【0010】
本発明は、マンホールと下水道管との接続部分に耐震性を持たせるための前述する耐震化工法及び装置において、下水道管管端部の周りのマンホール側壁に前述の作業溝やクラック誘発溝をサーボモータを使用し、これをコンピュータ制御することにより、前述するようなガイド部材を組付けることなく簡単に精度よく形成することができる工法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一ないしほぼ同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される
耐震化工法に関する。
【0012】
第1工程の作業溝を形成した後の第2の切削工具のミルによるクラック誘発溝の形成は、作業溝と同様、制御装置がサーボモータを制御することにより行われるが、制御装置によりサーボモータを制御してミルを管軸方向に進退させるのに代え、前述したガイド8aと同様、作業溝をガイドとし、該作業溝に倣わせて第2の切削工具のミルを管端部の回りに周回させることによっても形成することができる。
【0013】
本発明工法により、
図4に示すような作業溝11とクラック誘発溝12が形成されるが、前述するようにとりわけクラック誘発溝12は地震時の揺れによってクラックを生じ易くするために形成され、クラックを生じ易くするにはクラック誘発溝12とマンホール外周面との間隔(以下、remという)を狭くする必要がある。remは
図4に示す例でいえば、ポイントP
1で最も小さくなるが、remは小さくなるほど、ミルによる切削時にクラックを生じたり、マンホール外周に穴があいたりするおそれがある。こうした問題を生ずることなく、地震時の揺れによりクラックを確実に生じさせるには、remを一定距離cにする必要があることが判明した(本発明者らの実験によれば、この距離cは50mm確保することが必要であることが判明した)。
【0014】
図6はマンホール2の軸心oを通り、マンホールに偏心なく取付けられる下水道管の軸心を通る横軸をy軸、該y軸と直交する水平面内での縦軸をx軸、x軸及びy軸と直交し、紙面に垂直な鉛直方向をz軸として、下水道管1がマンホール2にy軸に対する偏心量Eで取付けられた例を示すもので、
図7に示すようにポイントP
1(このP
1は、
図6に示すようにクラック誘発溝12のうち、マンホール軸心oから最も離れ、マンホール外周に最も近い点である)が基準点の1例である図の最左点(基準点は、図の最左点以外に例えば下水道管の頂点など任意の位置で定められる)より矢印の周方向に角θ旋回したときのx座標x
1(θ)は下記数1式で表され、これよりy座標y
1(θ)は、下記数2式で表される。なお、
図7においてy軸は、x軸及びz軸の交点である図面に対し垂直な軸で、図に点で示してある。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】
ここでRはマンホール外周までの半径、rは下水道管外周までの半径、aは下水道管1とクラック誘発溝12との間隔、wはクラック誘発溝12の溝巾、bはクラック誘発溝12の外周から作業溝11の溝底までの間隔、cは前述するように、地震時の揺れによってクラックを発生させると共に、ミルによるマンホールへの溝切削時にはマンホールにクラックや穴を開けない程度に必要とされる、溝からマンホール外周までの距離であるremを示す(
図6参照)。またEは、マンホール2の軸心oを通るy軸からの偏心量である。
ポイントP
1でのrem1(θ)は下記数3式で示される。
【0018】
【数3】
またrem1(θ)=cとなるような作業溝11の溝巾中心PCでのy座標は下記数4式で求められる。
【0019】
【数4】
【0020】
以上はポイントP
1でのremについて記述したが、下水道管の取付角度によっては作業溝11のなかでマンホール軸心oから最も離れ、マンホールの外周に最も近い点であるポイントP
2でのrem2の方がポイントP
1での前記rem1より小さい場合もありうる。この場合には、ポイントP
2が基準点の1例である
図7の最左点より周方向に角θ旋回したときのy座標y
2(θ)及びx座標x
2(θ)が前記数1式及び数2式と同様、数5式で求められ、この場合のポイントP
2でのrem2(θ)は下記数6式で求められる。
【0021】
【数5】
【数6】
【0022】
そしてrem2(θ)が前記cとなるような作業溝11の溝巾中心PCでのy座標は下記数7式で求められる。
【数7】
【0023】
以上のように、作業溝11の溝巾中心PCのy座標が数4式又は数7式を満足するように、y軸方向に進退しながら管軸の周りを旋回するエンドミルのy軸方向への動きを制御すれば、rem1(θ)又はrem2(θ)がcとなり、地震時の揺れにより作業溝11やクラック誘発溝12の形成箇所付近でマンホール側壁へのクラックを生じ易くし、またマンホール側壁に穴をあけることなく作業溝11及びクラック誘発溝12を形成することができる。
【0024】
以上は下水道管1がマンホール2の軸心oを通るy軸より偏心量Eで偏心してマンホール2に取付けられた場合について述べたが、下水道管1がマンホール2に偏心しないで取付けられている場合には、数1及び数5式のE=0として数4及び数7式のy(θ)が求められる。
【0025】
次に下水道管がマンホールに傾斜して取付けられている場合について説明する。
図8は、下水道管1が右に角α振られて横断面が矩形のマンホール14に取付けられている場合に形成される作業溝11と、マンホール外周までの前記距離remcを確保したクラック誘発溝12を示すもので、マンホール内側面と下水道管1の軸心であるy軸との交点を原点Gとすると、該原点Gからy軸方向にL離れ、かつ管内周の頂部における作業溝11の巾方向中央におけるy軸座標y(o)は、下記数8式で表される。
【0026】
【数8】
【0027】
ここでTはマンホール14の肉厚、lはクラック誘発溝12のy軸方向の長さであり、l
0=(w/2)tanαである。
また前記y(o)点から
図8の右方向に角θ旋回したときのy座標y(θ)は、下記数8式で表される。
【0028】
【数9】
【0029】
ここでδ=r・sinθ・tanαである。
下水道管1が角α傾いてマンホール2に取付けられた場合においては、数9式に従って作業溝11及びクラック誘発溝12を形成すれば、クラック誘発溝12からマンホール側壁外周までのremcが確保される。
【0030】
前述する作業溝11及びクラック誘発溝12は、エンドミル及びミルを下水道管1の周りに時計回り或いは反時計周りに一周させて形成することもできるし、半周ずつ逆向きに旋回させて形成することもできる。
図8に示す例において、下水道管1の右半分に前記数8式に従って作業溝11及びクラック誘発溝12を形成したのち、下水道管1の左半分に作業溝11を逆向きに形成する場合は、作業溝11及びクラック誘発溝12は下記数10式に従って形成される。
【0031】
【数10】
【0032】
ここでδは数9式と同様、δ=r・sinθ・tanαである。
以上はマンホール14が横断面矩形である場合の演算式を示したが、マンホールの横断面が円形である場合も同様にして前記y(θ)を求めることができる。
【0033】
請求項
1〜3に係る発明は、以上の技術事項に基づいてなされたもので、請求項
1に係る発明は、
エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、前記第2工程におけるミルによりクラック誘発溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときのクラック誘発溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem1(θ)=R−√〔x
1(θ)
2+y
1(θ)
2〕で表される
rem1(θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記クラック誘発溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数4式を満たすクラック誘発溝を形成することを特徴とする。
【0034】
【数4】
但し、y
1(θ)=√〔(R−c)
2−{(r+a+w)cosθ+E}
2〕
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量である。
【0035】
請求項
2に係る発明は、
エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、エンドミルにより作業溝を切削する際、下水道管の任意の基準点から下水道管の周方向に角θ旋回したときの作業溝からマンホール外周までの最短距離であり、かつrem2(θ)=R−√〔x
2(θ)
2+y
2(θ)
2〕で表されるrem2(θ)が切削時にマンホールにクラックを生じさせたり、マンホール外周に穴があかないようにし、かつ地震時の揺れにより前記作業溝でクラックを確実に生じさせるのに必要な所定量cとなるように、作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数7式を満たす作業溝を形成することを特徴とする。
【0036】
【数7】
但し、y
2(θ)=√〔(R−c)
2−{(r+a+w+b)cosθ+E}
2〕
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、b:クラック誘発溝の外周から作業溝の溝底までの間隔、E:下水道管の偏心量である。
【0037】
請求項
3に係る発明は、
エンドミルよりなる第1の切削工具を用い、マンホール側壁に接続される下水道管の管端部に対し、前記エンドミルをマンホール側壁の内周面と同一面をなす下水道管管端面の三次元曲線に沿うように管軸方向に進退させながら周方向に旋回させ、深さが下水道管管端部の内側から該管端部を径方向に突き切ってマンホール側壁に一定量食い込む環状の作業溝を前記管端部の周りに形成する第1工程と、該第1工程後、クランクアームと直交して突出するクランクピンを軸状のミルとした形態をなす第2の切削工具を用い、該切削工具のミルを管軸方向に向け、前記作業溝の溝縁から径方向に押込んで管端部を突き切るまで切込みを入れ、管端部を突き切ると、方向転換して前記管端部に沿うように管軸方向に移動させながら周方向に旋回させ、これにより管端部の周りのマンホール側壁を切削して管端部の周りに環状のクラック誘発溝を形成する第2工程と、該前記第1及び第2工程により形成された作業溝とクラック誘発溝のうち、少なくともクラック誘発溝に弾力性のあるゴムや樹脂製のシール材を充填する第3工程とからなる耐震化工法において、前記第1の切削工具のエンドミルは前記管軸方向への進退がサーボモータを含む直線運動機構により行われ、前記エンドミルを進退させるためのサーボモータの駆動は、マンホールや下水道管の径や肉厚、マンホールに接続された下水道管の偏心量や傾き等、マンホールや下水道管の各種データに基づいて制御装置により制御される耐震化工法であって、下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられており、作業溝が該溝の巾方向中央でのy(θ)座標が下記数9式を満たすように形成されることを特徴とする。
【0038】
【数9】
但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
0)
δ=r・sinθ・tanα
ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l
O=(w/2)tanαである。
【0039】
請求項
4に係る発明は、請求項1に係る発明を実施する装置に関するもので、前記下水道管内に下水道管と同軸をなして取外し可能に固定される環状の旋回用レールと、該旋回用レールに周方向に旋回可能に装着され、かつエンドミルを管軸のy軸方向に進退可能に支持するベースと、モータを駆動源として前記ベースを旋回用レールに沿って旋回させる旋回機構と、サーボモータを備え、前記ベースにy軸方向に進退可能に支持される前記エンドミルをy軸方向に進退させる直線運動機構と、前記エンドミル、前記旋回機構のモータ及び直線運動機構のサーボモータを制御する制御装置とからなり、該制御装置は切削のプログラム及び各種演算式を格納する記憶部と、マンホールや下水道管の各種データを入力する入力部と、前記旋回用レールを旋回するベースの旋回角度θを読取る読取手段と、前記記憶部に格納されたプログラムに基づいて前記エンドミルによる切削を行い、かつ前記入力部に入力されたデータにより前記記憶部に格納された演算式を演算し、この演算値に基づいて前記直線運動機構のサーボモータを制御する制御部とからなる請求項1記載の耐震化工法で用いられる
装置であって、
前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数4式を有することを特徴とする。
【0040】
【数4】
但し、y
1(θ)=√〔(R−c)
2−{(r+a+w)cosθ+E}
2〕
ここでR:マンホール外周の半径、r:下水道管外周の半径、a:下水道管とクラック誘発溝との間隔、W:作業溝の溝巾、w:クラック誘発溝の溝巾、E:下水道管の偏心量
【0041】
請求項
5に係る発明は、請求項
4に係る発明において、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数7式を有することを特徴とする。
【数7】
ここでy
2(θ)=√〔(R−c)
2−{(r+a+w+b)×cosθ+E}
2〕
【0042】
請求項
6に係る発明は、請求項4に係る発明において、下水道管がマンホールに角α傾斜して取付けられ、前記記憶部に格納される演算式が作業溝の巾方向中央でのy(θ)座標に関する下記数9式を有することを特徴とする。
【数9】
但し、L={(T−c)/cosα}−(W/2+l+l
0)
δ=r・sinθ・tanα
ここでT:マンホールの肉厚、l:クラック誘発溝の長さ、l
O=(w/2)tanα