特許第6155089号(P6155089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6155089ポリオキシアルキレンアルキルアミン含有界面活性剤組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155089
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】ポリオキシアルキレンアルキルアミン含有界面活性剤組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/44 20060101AFI20170619BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20170619BHJP
   C07C 213/04 20060101ALI20170619BHJP
   C07C 217/08 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   C11D1/44
   C11D3/04
   C07C213/04
   C07C217/08
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-101145(P2013-101145)
(22)【出願日】2013年5月13日
(65)【公開番号】特開2014-221854(P2014-221854A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】390003001
【氏名又は名称】川研ファインケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行
(74)【代理人】
【識別番号】100103506
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 弘晋
(72)【発明者】
【氏名】須田 裕喜
【審査官】 小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−173700(JP,A)
【文献】 特開2005−154370(JP,A)
【文献】 米国特許第05972867(US,A)
【文献】 特開昭53−016012(JP,A)
【文献】 特開2012−140527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00− 19/00
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 99/00
C07B 31/00− 63/04
C07C 1/00−409/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(2)の脂肪族一級アルキルアミン1モルに対して亜リン酸及び/又は亜硫酸水素ナトリウムの存在下で下記一般式(3)のアルキレンオキサイドを1〜3モル反応させることを特徴とする下記一般式(1)のポリオキシアルキレンアルキルアミンを含有する界面活性剤組成物の製造方法。
【化1】
[但し式(2)中、Rは直鎖、分枝鎖を含んでもよい炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基又はアルキル基/アルケニル基の混合物を示す。式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、混合物でも良い。]
【化2】
[但し式中Rは直鎖、分枝鎖を含んでもよい炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基又はアルキル基/アルケニル基の混合物を示し、AO、AOは各々オキシエチレン基、オキシプロピレン基から選ばれるオキシアルキレン基であり、同時にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の混合でも良い。m,nは互いに独立に0以上の実数であり、1≦(m+n)≦3の関係がある。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経時着色することの少ない色相良好なポリオキシアルキレンアルキルアミン含有界面活性剤組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンは、一般的には無触媒、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物などのアルカリ触媒の存在下において、脂肪族アミンにアルキレンオキサイドを付加して製造されている。
【0003】
界面活性剤としての性能、アミン臭発生の防止等の理由により、脂肪族アミン1モルに対して1モル以上のアルキレンオキサイドを反応させるが、脂肪族アミン1モルに対してアルキレンオキサイドの付加モル数が2モル以上の化合物は、反応時あるいは、反応後経時的に着色が顕著になるという問題がある。
【0004】
脂肪族アミン1モルに対してアルキレンオキサイド平均付加モル数が1モル以上2モル未満であっても、一般的な方法で製造されたポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物中には付加モル数2以上のポリオキシアルキレンアルキルアミンを含有するため脂肪族アミン1モルに対してアルキレンオキサイドの付加モル数が2以上の化合物に比較して緩やかではあるが着色傾向にある。
【0005】
即ち脂肪族アミン1モルに対して1モル以上のアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルアミンには常に経時的な着色の問題が付きまとうことになる。
【0006】
かかる問題を解決するため、前記着色を防止する方法として、低温で反応させる方法(特許文献1)、金属酸化物触媒または酸触媒を用いる方法(特許文献2)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−96186号公報
【特許文献2】特開2005−154370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの方法であっても、色調改善効果が得られるのは、脂肪族アミン1モルに対するアルキレンオキサイド付加モル数が少ない場合に限られ、付加モル数が2モルを超えて多くなるにつれ、色調改善効果は不十分となる。例えば、付加モル数が2モルを超える場合にはガードナーが1以下のものは得られていない。
【0009】
尚、明細書内で使用する色相に関わる数値であるAPHA及びガードナーは、基準油脂分析試験法に沿って測定されたものである。APHAとガードナーとの関係は、色味の違いにより確定的ではないが、一般的にAPHA300がガードナー色数1とほぼ同等であり、APHA300以下はガードナー色数1以下に相当するとされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、ポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物に種々添加剤を加えて、80℃保存時の色相悪化が改善されるかどうか検討した。
【0011】
検討の結果、特定の還元性無機化合物である亜リン酸及び/又は亜硫酸水素ナトリウムを合成時あるいは合成直後に添加することにより特異的にポリオキシアルキレンアルキルアミンの経時熱着色を抑制或いは改善することが分かった。
【0012】
即ち本発明は、
(A)ポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物及び
(B)亜リン酸及び/又は亜硫酸水素ナトリウムを
(C)組成物全体に対してB成分を0.1〜2.0Wt%の濃度で含有する
ことを特徴とするポリオキシアルキレンアルキルアミン含有界面活性剤組成物、及び下記一般式(2)の脂肪族一級アルキルアミン1モルに対して亜リン酸及び/又は亜硫酸水素ナトリウムの存在下で下記一般式(3)のアルキレンオキサイドを1〜3モル反応させることを特徴とする下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を含有する界面活性剤組成物の製造方法に関するものである。
【0013】
【化1】
【0014】
[但し式中Rは直鎖、分枝鎖を含んでもよい炭素数6〜22のアルキル基、アルケニル基又はアルキル基/アルケニル基の混合物を示し、AO、AOは各々オキシエチレン基、オキシプロピレン基から選ばれるオキシアルキレン基であり、同時にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の混合でも良い。m,nは互いに独立に0以上の実数であり、1≦(m+n)≦3の関係がある。式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、混合物でも良い。]
【発明の効果】
【0015】
本発明のポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を含む界面活性剤組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルアミンの優れた性能を損なうことなく、経時的な色相安定性に優れ、その効果は、本発明のポリオキシアルキレンアルキルアミンを含む界面活性剤組成物を配合した配合組成物の色相安定性に及ぶ為、ポリオキシアルキレンアルキルアミンを澄明な液体洗浄剤をはじめ各種化粧品に対して高濃度で配合できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
本発明界面活性剤組成物の主成分であるポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物(A)は、アルキル鎖長、POA付加モル数を調整することにより様々な特性を出すことのできるノニオン性界面活性剤である。
【0018】
対応する脂肪族アミン1モルに
(i) エチレンオキサイド及び/又は
(ii) プロピレンオキサイドを
(iii) 合計で1モル以上、3モル以下で付加反応させる
ことにより得ることができる。
【0019】
ポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物(A)の好ましい具体例としては、PEG−2ヘキシルアミン、PEG−1/PPG−1ヘキシルアミン、PPG−2ヘキシルアミン、PEG−2オクチルアミン、PEG−1/PPG−1オクチルアミン、PPG−2オクチルアミン、PEG−2デシルアミン、PEG−1/PPG−1デシルアミン、PPG−2デシルアミン、PEG−2ドデシルアミン、PEG−1/PPG−1ドデシルアミン、PPG−2ドデシルアミン、PEG−2ココナッツアミン、PEG−1/PPG−1ココナッツアミン、PPG−2ココナッツアミン、PEG−2テトラデシルアミン、PEG−1/PPG−1テトラデシルアミン、PPG−2テトラデシルアミン、PEG−2ペンタデシルアミン、PEG−1/PPG−1ペンタデシルアミン、PPG−2ペンタデシルアミン、PEG−2ヘキサデシルアミン、PEG−1/PPG−1ヘキサデシルアミン、PPG−2ヘキサデシルアミン、PEG−2オクタデシルアミン、PEG−1/PPG−1オクタデシルアミン、PPG−2オクタデシルアミン、PEG−2アラキジルアミン、PEG−1/PPG−1アラキジルアミン、PPG−2アラキジルアミン、PEG−2ベヘニルアミン、PEG−1/PPG−1ベヘニルアミン、PPG−2ベヘニルアミン、PEG−2オレイルアミン、PEG−1/PPG−1オレイルアミン、PPG−2オレイルアミンが挙げられる。
【0020】
好適なポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物として、一般式(1)
【0021】
【化2】
【0022】
[但し式中Rは前記定義に同じで、AO、AOは各々オキシエチレン基、オキシプロピレン基から選ばれるオキシアルキレン基であり、同時にオキシエチレン基、オキシプロピレン基の混合でも良い。m,nは互いに独立に0以上の実数であり、1≦(m+n)≦3の関係がある。]
で示されるポリオキシアルキレンアルキルアミンの混合物を挙げることができる。
【0023】
これらの好適要素例がポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物(A)全体の平均として、一般式(1)に示されるnとmが1≦(m+n)≦3となるように混合されている。
【0024】
特に好ましくは、PEG−2ドデシルアミンやPEG−2ココナッツアミン、PEG−2テトラデシルアミンである。
【0025】
原料となる脂肪族アミンは、前記一般式(2)で表され、炭素数6〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン又は、それらの混合物である。この時、原料のモノアルキルアミンの炭化水素鎖長を即ちポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物の疎水基長を変えることにより様々な配合品への効果を与えることができる。
【0026】
例えば疎水基長が炭素数10以下であれば、洗浄剤組成物に配合した場合初期起泡を改善し、疎水基長が炭素数10〜16では、配合物の増粘、増泡に寄与し、炭素数18以上になるとコンディショニング効果を与える性能を有する。
【0027】
本発明の脂肪族第1級アミンのアルキレンオキサイド付加物混合物(A)におけるヒドロキシアルキル基置換数に呼応するm,nは混合物全体の平均値で互いに独立に0以上の実数であり、1≦(m+n)≦3の関係であることが重要である。
【0028】
m+nが1未満である場合、激しいアミン臭が発生する場合があり好ましくない。m+nが3より大きい場合、アルキレンオキサイド付加物自身に着色が見られ、配合組成物の色相悪化にも繋がる。
【0029】
本発明におけるB成分は亜リン酸及び/又は亜硫酸水素ナトリウムである。本発明者は、還元性無機塩をはじめとする各種添加剤による色相改善特性を検討したが、亜リン酸及び亜硫酸水素ナトリウムにのみ色相改善効果が認められた。
【0030】
本発明の色相改善効果は、単に初期色相を悪化させないだけではなく、過酷な条件下において色相値(ガードナ数/APHA)を減少させる効果を併せ持つ。本発明界面活性剤組成物の色相安定性の効果は、本発明界面活性剤組成物を含有する配合品、例えば台所洗剤、身体洗浄剤、シャンプー組成物等に配合しても維持されるため、本発明界面活性剤組成物を使用することによりこれらの配合製品高濃度のポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を配合することができる。
【0031】
B成分の混合時期及び添加量に関して述べる。本発明界面活性剤組成物は、B成分をA成分合成後、B/(A+B)が0.1〜2.0Wt%含有する様に添加溶解させることによって製造できるが、B成分が本発明の添加量でA成分の合成条件を大きく変化させない為、A成分合成をB成分の存在下に実施しても良い。A成分の合成をB成分の存在下に行うと初期色相が若干改善される効果がある。
【0032】
本発明界面活性剤組成物は経時的に若干の色相改善を呈しながら色相を安定化させるが、経時的に落ち着く色相はB成分の添加時期よらず一定である。
【0033】
B成分の配合量は、B/(A+B)が0.1〜2.0Wt%になるように添加することが好ましい。B/(A+B)が0.1Wt%を下回ると色相安定性が認められず好ましくなく、2.0Wt%を超えて配合すると、本発明界面活性剤組成物を配合する配合品に配合される他の酸化還元性物質に影響がある場合や、結晶析出が発生する可能性があり好ましくない。
【実施例】
【0034】
本発明の効果に関して以下の実施例によりさらに詳細に説明する。なお、表中の配合率は重量に基づくものである。
【0035】
以下の方法により本件発明のポリオキシアルキレンアルキルアミン(一般式(1))に関わる物質を製造し、全てH−NMRで構造を確認した。
【0036】
色相安定性の指標として80℃で3日保存後の色相の変化を指標とした。
【0037】
色相がガードナー2程度であったものがガードナー8まで悪化してしまう。
【0038】
製造例1 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA400だった。
【0039】
製造例2 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.2モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.2mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA500だった。
【0040】
製造例3 ココナッツアミンのエチレンオキサイド3.0モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(3.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHAでは測定不能でガードナーによると5であった。
【0041】
製造例4 ココナッツアミンのエチレンオキサイド1.5モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(1.5mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA300だった。
【0042】
製造例5 オクチルアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにオクチルアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.1mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA350だった。
【0043】
製造例6 ラウリルアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにラウリルアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.1mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA400だった。上記の通り合成した各ポリオキシアルキレンアルキルアミンに種々の添加剤を加え、80℃で3日間保存した時の色相を確認した。なお、色相値はAPHA300がガードナー色数1とほぼ同等としている。評価結果を表1及び表2に示す。
【0044】
表1及び表2の結果から、実施例において、熱に対しても色相が悪化することなく、改善されていることがわかる。実施例1〜9と比較例1を比較すれば明らかである。また、実施例1〜4、乃至は実施例5〜9を見ると、添加量を減らしても着色防止効果が見られた。更に、エチレンオキサイドの付加量が多い場合、合成品取り上げ時の色相が非常に悪いにもかかわらず、色相の改善効果が認められた。
【0045】
以上のように、ポリオキシアルキレンアルキルアミンに亜リン酸又は亜硫酸水素ナトリウムを添加することで色相良好なポリオキシアルキレンアルキルアミンを得ることができる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
実施例15 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成(B成分の存在下で合成する例)
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)、亜リン酸(0.02mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA250だった。
【0049】
実施例16 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)、亜硫酸水素ナトリウム(0.02mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA250だった。
【0050】
実施例15及び16で試作したポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を含有する界面活性剤組成物の初期色相はAPHAで250程度であった。80℃3日後のAPHAは200程度に測定され、B成分をA成分混合物の製造時に添加してもその効果が変わらない事を確認した
【0051】
本発明界面活性剤組成部を台所洗剤に高濃度配合したときの配合品の色相変化に関して調査した。実施例17は実施例4で試作した本件発明界面活性剤組成物を配合し、比較例11は、製造例2のポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を使用して試作した
【0052】
台所洗剤処方 実施例17 比較例11
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40% 40%
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 15% 15%
実施例4のポリオキシアルキレンアルキルアミン 15%
製造例2のポリオキシアルキレンアルキルアミン 15%
安息香酸ナトリウム 1% 1%
エタノール 5% 5%
プロピレングリコール 10% 10%
精製水 残部 残部
【0053】
実施例17の初期色相はAPHA20であり80℃3日後の色相はAPHA40であった。一方比較例11の初期色相はAPHA100であり、80℃3日後の色相はAPHA400であり、本件発明界面活性剤組成物の色相改善効果が配合品にも影響を与えていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のポリオキシアルキレンアルキルアミン含有界面活性剤組成物は色相良好で経時着色することが少ないので、化粧品や洗浄剤等の配合品に配合しても色相良好で経時着色することがないため有用である。