【実施例】
【0034】
本発明の効果に関して以下の実施例によりさらに詳細に説明する。なお、表中の配合率は重量に基づくものである。
【0035】
以下の方法により本件発明のポリオキシアルキレンアルキルアミン(一般式(1))に関わる物質を製造し、全て
1H−NMRで構造を確認した。
【0036】
色相安定性の指標として80℃で3日保存後の色相の変化を指標とした。
【0037】
色相がガードナー2程度であったものがガードナー8まで悪化してしまう。
【0038】
製造例1 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA400だった。
【0039】
製造例2 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.2モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.2mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA500だった。
【0040】
製造例3 ココナッツアミンのエチレンオキサイド3.0モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(3.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHAでは測定不能でガードナーによると5であった。
【0041】
製造例4 ココナッツアミンのエチレンオキサイド1.5モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(1.5mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA300だった。
【0042】
製造例5 オクチルアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにオクチルアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.1mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA350だった。
【0043】
製造例6 ラウリルアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにラウリルアミン(1.0mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.1mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA400だった。上記の通り合成した各ポリオキシアルキレンアルキルアミンに種々の添加剤を加え、80℃で3日間保存した時の色相を確認した。なお、色相値はAPHA300がガードナー色数1とほぼ同等としている。評価結果を表1及び表2に示す。
【0044】
表1及び表2の結果から、実施例において、熱に対しても色相が悪化することなく、改善されていることがわかる。実施例1〜9と比較例1を比較すれば明らかである。また、実施例1〜4、乃至は実施例5〜9を見ると、添加量を減らしても着色防止効果が見られた。更に、エチレンオキサイドの付加量が多い場合、合成品取り上げ時の色相が非常に悪いにもかかわらず、色相の改善効果が認められた。
【0045】
以上のように、ポリオキシアルキレンアルキルアミンに亜リン酸又は亜硫酸水素ナトリウムを添加することで色相良好なポリオキシアルキレンアルキルアミンを得ることができる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
実施例15 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成(B成分の存在下で合成する例)
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)、亜リン酸(0.02mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA250だった。
【0049】
実施例16 ココナッツアミンのエチレンオキサイド2.1モル付加物の合成
1リットルのオートクレーブにココナッツアミン(1.0mol)、亜硫酸水素ナトリウム(0.02mol)を仕込み、窒素置換、昇温後に150±5℃でエチレンオキサイド付加(2.0mol)を実施した。エチレンオキサイド導入後1時間の熟成を行い、熟成終了後の反応液を1リットルのナスフラスコに移し、トッピング(70〜80℃、−0.096MPa、15分間)を行い、目的物を取り上げた。取り上げ品の色相はAPHA250だった。
【0050】
実施例15及び16で試作したポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を含有する界面活性剤組成物の初期色相はAPHAで250程度であった。80℃3日後のAPHAは200程度に測定され、B成分をA成分混合物の製造時に添加してもその効果が変わらない事を確認した
【0051】
本発明界面活性剤組成部を台所洗剤に高濃度配合したときの配合品の色相変化に関して調査した。実施例17は実施例4で試作した本件発明界面活性剤組成物を配合し、比較例11は、製造例2のポリオキシアルキレンアルキルアミン混合物を使用して試作した
【0052】
台所洗剤処方 実施例17 比較例11
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 40% 40%
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 15% 15%
実施例4のポリオキシアルキレンアルキルアミン 15%
製造例2のポリオキシアルキレンアルキルアミン 15%
安息香酸ナトリウム 1% 1%
エタノール 5% 5%
プロピレングリコール 10% 10%
精製水 残部 残部
【0053】
実施例17の初期色相はAPHA20であり80℃3日後の色相はAPHA40であった。一方比較例11の初期色相はAPHA100であり、80℃3日後の色相はAPHA400であり、本件発明界面活性剤組成物の色相改善効果が配合品にも影響を与えていることがわかる。