(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる成分(A)のパーフルオロポリエーテルは、25℃で液状のものであり、重量平均分子量が5000以下が好ましい。また、25℃の粘度が5〜5000cStであることが好ましい。
パーフルオロポリエーテルとしては、下記一般式(2)
【0012】
(式中、R
1、R
3、R
4及びR
5は、同一又は異なって、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R
2はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を示し、d、e及びfは分子量が500〜5000となる0以上の数を示す。ただし、d=e=f=0となることはない。ここで、カッコ内に示される各パーフルオロアルキレンオキシ基はこの順で並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック重合でも構わない)
で表わされるパーフルオロポリエーテルが好ましい。
このようなパーフルオロポリエーテルとしては、例えば一般式(3)
【0014】
(式中、g及びhは分子量が500〜5000となる数を示し、g/hは0.2〜2である)
で表わされるFOMBLIN HC−04(重量平均分子量1500)、FOMBLIN HC−25(重量平均分子量3200)(以上、SOLVAY SOLEXIS社製)や、一般式(4)
【0016】
(式中、jは4〜500の数を示す)
で表わされるデムナムS−20(重量平均分子量2,700)、デムナムS−65(重量平均分子量4500)(以上、ダイキン工業社製)等の市販品を用いることができる。
【0017】
成分(A)のパーフルオロポリエーテルは、撥水・撥油性、化粧持続性の点から、重量平均分子量が500以上であるのが好ましく、1000以上がより好ましく、5000以下が好ましく、4500以下がより好ましい。ここで、重量平均分子量は、動粘度測定法で測定した値である。
【0018】
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、撥水・撥油性、化粧持続性の点から、含有量は、全組成中に0.01質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、20質量%以下であり、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.01〜20質量%であり、0.1〜15質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
【0019】
本発明で用いる成分(B)トリメチルシロキシケイ酸は、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH
3)
3SiO
1/2]
x[SiO
2]
y(xは1〜3、yは0.5〜8)で表されるものが好ましい。
市販品としては、予め溶剤に溶解させたもので、KF−7312J(固形分50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、KF−9021(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)、X21−5249(50%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(以上、信越化学工業社製)、(SS4267(35%ジメチルポリシロキサン溶液)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、BY11−018(30%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液)(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等を使用することができる。
【0020】
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌上へ均一な化粧膜を形成し、肌への密着性に優れ、肌のうるおい感の持続性に優れる点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上であり、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、40質量%以下であり、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.1〜40質量%であり、0.3〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。なお、肌への密着性に優れるとは、肌と油中水型乳化化粧料のフィット感であり、鏡で見た時に、化粧料が肌に対して追随性に優れていることを表している。
【0021】
本発明において、成分(A)と成分(B)の質量割合(A)/(B)は、肌のうるおい感に優れ、肌に押し広げた時の感触に厚み感があり、艶のある仕上がりが得られ、時間を経ても、うるおい感が持続するとともに、色移りを抑制する点から、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、50以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。また、成分(A)と成分(B)の質量割合(A)/(B)は、0.05〜50が好ましく、0.1〜20がより好ましく、0.3〜10がさらに好ましい。
【0022】
成分(C)の高重合ポリエーテル変性シリコーンは、前記一般式(1)で表されるものである。式中、Rはメチル基又はフェニル基であり、Aはメチル基、フェニル基および一般式:−C
3H
6O(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
bR'で示されるポリオキシアルキレン基からなる群から選択される基である。上式で示されるポリオキシアルキレン基において、R'は水素原子、アシル基及び炭素数1〜4のアルキル基から選択される基である。アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等が挙げられ、炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基等が挙げられる。また、aは20〜50の整数であり、20〜30が好ましく、bは20〜50の整数であり、20〜30が好ましい。成分(C)中、ポリオキシアルキレン基の含有量は特に限定されないが、ポリオキシアルキレン基の含有量が20〜70質量%であるのが好ましい。
また、mは150〜1000の整数であり、200〜600が好ましく、nは1〜20の整数であり、1〜10が好ましい。
【0023】
このような高重合ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、次の一般式で表されるものが挙げられる。
【0025】
(式中、R、R’、m、n、a及びbは、前記と同じ意味を示す)
成分(C)の高重合ポリエーテル変性シリコーンとしては、BY22−008M(シクロペンタシロキサン溶液)、BY11−030(シクロペンタシロキサン溶液)(以上、東レ・ダウコーニング社製)等の市販品を用いることができる。
【0026】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができ、乳化安定性に優れ、使用感に優れる点から、含有量は、全組成中に0.01質量%以上であり、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がよりさらに好ましく、20質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.01〜20質量%であり、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がよりさらに好ましい。
【0027】
本発明において、成分(A)と成分(C)の質量割合(A)/(C)は、艶のある仕上がりが得られ、時間を経ても、うるおい感が持続するとともに、色移りを抑制する点から、0.05以上であり、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、200以下であり、100以下が好ましく、50以下がより好ましい。また、成分(A)と成分(C)の質量割合(A)/(C)は、0.05〜200であり、0.5〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。
【0028】
また、成分(B)と成分(C)の質量割合(B)/(C)は、肌に押し広げた時の感触に厚み感があり、艶のある仕上がりが得られ、時間を経ても、うるおい感が持続するとともに、色移りを抑制する点から、0.1以上が好ましく、0.25以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、200以下が好ましく、100以下がより好ましく、25以下がさらに好ましい。また、成分(B)と成分(C)の質量割合(B)/(C)は、0.1〜200が好ましく、0.25〜100がより好ましく、0.5〜25がさらに好ましい。
【0029】
成分(D)の不揮発性油は、25℃で液状のものである。ここで、液状とは流動性を有するもので、クリーム状やペースト状のものも含まれる。また、不揮発性とは、25℃、常圧で24時間放置後の重量減少率が1%以下のものである。
また、成分(D)の不揮発性油性物質は、のびが良く、被膜感を抑制し、肌への密着性を向上させる点から、溶解度パラメーター(SP値)が16.5以上であり、17.5以上が好ましく、19以上がより好ましく、23以下が好ましく、22以下がより好ましい。また、成分(D)の溶解度パラメーターは、16.5〜23が好ましく。17.5〜22がより好ましく、19〜22がさらに好ましい。
【0030】
ここで、SP値とは、溶解度パラメーターδであって、液体の分子凝集エネルギーEと分子容Vからδ=(E/V)
1/2(J/cm
3)で与えられる物質定数である。SP値は、各種方法で求められるが、本発明においては、Fedorsの方法に従い (J. BRANDR UP著「POLYMER HANDBOOK 4
th 」JHON WILEY & SONS,INC 1999年発行)、VII685〜686項に示されるパラメーターを用いて求めたものである。
【0031】
具体的には、例えば、イソノナン酸イソトリデシル(16.5)、リンゴ酸ジイソステアリル(17.9)、ミリスチン酸イソステアリル(16.9)、トリイソステアリン(17.1)、リン酸トリスエトキシジグリコール(18.1)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(18.2)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(18.6)、ジイソステアリン酸ジグリセリル(18.7)、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル(19.1)、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(19.2)、dl−α−トコフェロール(19.4)、メチルフェニルポリシロキサン(20.0)、モノイソステアリン酸ジグリセリル(21.7)等の極性油が挙げられる。
【0032】
成分(D)の不揮発性油は1種又は2種以上用いることができ、被膜感を抑制することが出来、のびが良く、艶のある仕上がりが得られる点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上であり、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以下であり、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に0.1〜10質量%であり、0.5〜8質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。
【0033】
また、成分(A)と成分(D)の質量割合(A)/(D)は、艶のある仕上がりが得られ、時間を経ても、うるおい感が持続するとともに、色移りを抑制する点から、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、30以下が好ましく、10以下がより好ましく、3.3以下がさらに好ましい。また、成分(A)と成分(D)の質量割合(A)/(D)は、0.05〜30が好ましく、0.1〜10がより好ましく、0.3〜3.3がさらに好ましい。
【0034】
成分(E)の揮発性のシリコーン油は、沸点が常圧において260℃以下である低沸点鎖状シリコーン油、低沸点環状シリコーン油が好ましい。
低沸点鎖状シリコーン油は、次の一般式:
【0036】
〔式中、sは0〜5の整数を示す。〕
で表され、具体例としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等が挙げられる。市販品としては、シリコーンSH200 C Fluid(2cs)(東レ・ダウコーニング社製)等が例示される。
また、低沸点環状シリコーン油は、次の一般式:
【0038】
〔式中、tは3〜6の整数を示す。〕
で表され、具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロへプタシロキサン等が挙げられる。市販品としては、シリコーンSH245(東レ・ダウコーニング社製)等が例示される。
成分(E)の揮発性のシリコーン油としては、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
【0039】
成分(E)の揮発性のシリコーン油は1種又は2種以上用いることができ、成分(B)及び成分(C)の分散性に優れ、使用感に優れる点から、含有量は、全組成中に1質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、60質量%以下であり、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に1〜60質量%であり、10〜50質量%が好ましく、25〜45質量%がより好ましい。
【0040】
本発明の油中水型乳化化粧料は、さらに、(F)疎水化処理粉体を含有することができる。
成分(F)の粉体は、通常の化粧料に用いられる粉体を疎水化処理したものである。
処理される粉体としては、通常の化粧料に用いられる体質顔料、着色顔料であれば制限されず、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン及びカーボンブラック、これらの複合体等の無機粉体;ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、長鎖アルキルリン酸金属塩、N−モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、これらの複合体等の有機粉体;さらに、上記無機粉体と有機粉体との複合粉体などが挙げられる。
【0041】
粉体を疎水化処理するには、公知の疎水化処理剤及び公知の疎水化処理方法を用いれば良く、例えば、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、油剤等の表面処理剤を用い、乾式処理、湿式処理等を行うことができる。表面処理剤の具体例としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアルコキシシラン等のフッ素系化合物;メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状シリコーン、片末端又は両末端トリアルコキシ基変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン系化合物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸;ラウロイルリジン等のアミノ酸系化合物などが挙げられる。中でも、肌への付着性の点から、シリコーン処理が好ましい。
【0042】
疎水化処理量は粉体によって異なるが、処理される粉体の質量に対して、分散性に優れる点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。そして、分散性に優れる点から、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、疎水化処理量は、粉体質量に対して、0.05〜50質量%であるのが好ましく、0.1〜20質量%処理されるのがより好ましい。
【0043】
成分(F)は、カバー力に優れ、仕上がりの点から、平均粒子径が0.1〜20μm、更に、0.1〜10μmであるのが好ましい。
なお、本発明において、成分(F)の粒子径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA−920)で測定する。
【0044】
成分(F)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌に自然な化粧効果を付与する点から、含有量は、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に0.1〜40質量%が好ましく、3〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
【0045】
本発明に用いられる水の含有量は、使用感、保存安定性の点から、全組成中に、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。また、水の含有量は、全組成中に5〜60質量%であるのが好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
【0046】
本発明の油中水型乳化化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性成分、前記以外の粉体、前記以外の水溶性及び油溶性ポリマー、前記以外の界面活性剤、エタノール、多価アルコール、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
【0047】
本発明の油中水型乳化化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。
また、化粧水、乳液、クリーム、美容液、洗浄剤等のスキンケア化粧料;ファンデーション、化粧下地、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメイクアップ化粧料などとして適用することができる。中でも、ファンデーション、化粧下地が好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0048】
<1> 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)25℃で液状のパーフルオロポリエーテル 0.01〜20質量%、
(B)トリメチルシロキシケイ酸 0.1〜40質量%、
(C)一般式(1)
【0050】
(式中、Aはメチル基、フェニル基及び一般式:−C
3H
6O(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
bR’(R’は水素原子、アシル基及び炭素数1〜4のアルキル基から選択される基を示し、aは20〜50の整数であり、bは20〜50の整数である)で示されるポリオキシアルキレン基から選択される基を示し、Rはメチル基又はフェニル基を示し、mは150〜1000の整数を示し、nは1〜20の整数を示す。ただし、分子中のAのうち、少なくとも1個はポリオキシアルキレン基を示す。]
で表される高重合ポリエーテル変性シリコーン 0.01〜20質量%、
(D)25℃で液状であり、かつ溶解度パラメーターが16.5以上の不揮発性油 0.1〜10質量%、
(E)揮発性のシリコーン油 1〜60質量%
を含有し、成分(A)及び(C)の質量割合(A)/(C)が、0.05〜200である油中水型乳化化粧料。
【0051】
<2>成分(A)は、重量平均分子量が、好ましくは500以上であって、1000以上がより好ましく、5000以下が好ましく、4500以下がより好ましい前記<1>記載の油中水型乳化化粧料。
<3>成分(A)が、好ましくは、下記一般式(2)
【0053】
(式中、R
1、R
3、R
4及びR
5は、同一又は異なって、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ基を示し、R
2はフッ素原子又はパーフルオロアルキル基を示し、d、e及びfは分子量が500〜5000となる0以上の数を示す。ただし、d=e=f=0となることはない。ここで、カッコ内に示される各パーフルオロアルキレンオキシ基はこの順で並んでいる必要はなく、またランダム重合でもブロック重合でも構わない)
で表わされるものであって、一般式(3)又は(4)
【0055】
(式中、g及びhは分子量が500〜5000となる数を示し、g/hは0.2〜2である)
【0057】
(式中、jは4〜500の数を示す)
で表わされるものがより好ましい前記<1>又は<2>記載の油中水型乳化化粧料。
<4>成分(A)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、また、成分(A)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.1〜15質量%であって、1〜10質量%がより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<5>成分(B)が、好ましくは、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物で、[(CH
3)
3SiO
1/2]
x[SiO
2]
y(xは1〜3、yは0.5〜8)で表されるものがより好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
【0058】
<6>成分(B)の含有量が、好ましくは、0.3質量%以上であって、0.5質量%以上がより好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、また、成分(B)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.3〜20質量%であって、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<7>成分(A)と成分(B)の質量割合(A)/(B)が、好ましくは、0.05以上であって、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、50以下が好ましく、20以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、また、成分(A)と成分(B)の質量割合(A)/(B)は、好ましくは、0.05〜50であって、0.1〜20がより好ましく、0.3〜10がさらに好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<8>成分(C)が、好ましくは、次の一般式
【0060】
(式中、Rはメチル基又はフェニル基を示し、R’は水素原子、アシル基及び炭素数1〜4のアルキル基から選択される基を示し、mは150〜1000の整数を示し、nは1〜20の整数を示し、aは20〜50の整数を示し、bは20〜50の整数を示す)
で表されるものである前記<1>〜<7>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<9>成分(C)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.05質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上がよりさらに好ましく、10質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、また、成分(C)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.05〜10質量%であって、0.1〜2質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がよりさらに好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
【0061】
<10>成分(A)と成分(C)の質量割合(A)/(C)が、好ましくは、0.5以上であって、1以上がより好ましく、100以下が好ましく、50以下がより好ましく、また、成分(A)と成分(C)の質量割合(A)/(C)は、好ましくは、0.5〜100であって、1〜50がより好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<11>成分(B)と成分(C)の質量割合(B)/(C)が、好ましくは、0.1以上であって、0.25以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、200以下が好ましく、100以下がより好ましく、25以下がさらに好ましく、また、成分(B)と成分(C)の質量割合(B)/(C)は、好ましくは、0.1〜200であって、0.25〜100がより好ましく、0.5〜25がさらに好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
【0062】
<12>成分(D)の不揮発性油が、好ましくは、溶解度パラメーター(SP値)が、17.5以上であって、19以上がより好ましく、23以下が好ましく、22以下がより好ましく、また、成分(D)の溶解度パラメーターは、好ましくは、16.5〜23であって、17.5〜22がより好ましく、19〜22がさらに好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<13>成分(D)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.5質量%以上であって、1質量%以上がより好ましく、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、また、成分(D)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.5〜8質量%であって、1〜6質量%がより好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<14>成分(A)と成分(D)の質量割合(A)/(D)が、好ましくは、0.05以上であって、0.1以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましく、30以下が好ましく、10以下がより好ましく、3.3以下がさらに好ましく、また、成分(A)と成分(D)の質量割合(A)/(D)は、好ましくは、0.05〜30であって、0.1〜10がより好ましく、0.3〜3.3がさらに好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<15>成分(E)の揮発性のシリコーン油が、好ましくは、次の一般式:
【0064】
〔式中、sは0〜5の整数を示す。〕
で表される低沸点鎖状シリコーン油、又は、次の一般式:
【0066】
〔式中、tは3〜6の整数を示す。〕
で表される低沸点環状シリコーン油であって、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルシクロへプタシロキサンがより好ましく、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンがさらに好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<16>成分(E)の含有量が、好ましくは、全組成中に10質量%以上であって、25質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、また、成分(E)の含有量は、好ましくは、全組成中に10〜50質量%であって、25〜45質量%がより好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
【0067】
<17>さらに、(F)疎水化処理粉体を含有する前記<1>〜<16>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
<18>成分(F)の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、また、成分(F)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.1〜40質量%であって、3〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい前記<17>記載の油中水型乳化化粧料。
<19>水の含有量が、好ましくは、全組成中に、5質量%以上であって、10質量%以上がより好ましく、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、また、水の含有量が、全組成中に、5〜60質量%であって、10〜40質量%がより好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の油中水型乳化化粧料。
【実施例】
【0068】
実施例1〜12、比較例1〜5
表1及び表2に示す組成の油中水型乳化化粧料を製造し、各油中水型乳化化粧料を指先で取り、「肌に押し広げたときの感触」、スポンジで肌に塗布した直後の「うるおい感」及び「艶のある仕上がり」、塗布後4時間経過後の「うるおい感」及び「ティッシュへの色移りのしにくさ」を評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
【0069】
(製造方法)
実施例1〜12、比較例1〜5について、全量を300gのスケールで計量を行う。成分(A)〜(E)を含む油相について、ディスパー(500r/min、5分)を用いて予備分散を行う。次に、粉体相を油相中に分散(1500r/min、10分)させ、粉体相が均一に分散したことを確認する。粉体相が均一になった油相を用い、ディスパー(1500r/min)で攪拌しながら徐々に水相を添加して、乳化を行い、乳化保持をした後、ホモミキサーで粘度調整(5000r/min)を行い、脱泡して、油中水型乳化化粧料を得た。
【0070】
(評価方法)
15名の専門パネラーが、油中水型乳化化粧料を指先で取り、「肌に押し広げたときの感触」、スポンジで肌に塗布した直後の「うるおい感」及び「艶のある仕上がり」、塗布後25℃、4時間経過後の「うるおい感」及び「ティッシュへの色移りのしにくさ」を以下の基準で評価した。結果を15名の積算値で示す。
【0071】
(1)肌に押し広げたときの感触;
4;厚み感がある。
3;やや厚み感がある。
2;あまり厚み感がない。
1;厚み感がない。
【0072】
(2)塗布直後のうるおい感;
4;うるおい感がある。
3;ややうるおい感がある。
2;あまりうるおい感がない。
1;うるおい感がない。
【0073】
(3)塗布直後の艶のある仕上がり;
4;仕上がりに艶がある。
3;仕上がりにやや艶がある。
2;仕上がりにあまり艶がない。
1;仕上がりに艶がない。
【0074】
(4)塗布後、4時間経過後のうるおい感;
4;うるおい感がある。
3;ややうるおい感がある。
2;あまりうるおい感がない。
1;うるおい感がない。
【0075】
(5)塗布後、4時間経過後のティッシュへの色移りのしにくさ;
4;色移りしにくい。
3;あまり色移りしない。
2;やや色移りする。
1;色移りする。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】