特許第6155129号(P6155129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155129
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 1/00 20060101AFI20170619BHJP
   B42C 11/00 20060101ALI20170619BHJP
   B42C 19/02 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   B42C1/00 A
   B42C11/00
   B42C19/02
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-158234(P2013-158234)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-27771(P2015-27771A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】花本 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】原 義和
(72)【発明者】
【氏名】小川 秀明
(72)【発明者】
【氏名】森 一晃
(72)【発明者】
【氏名】高野橋 弘章
(72)【発明者】
【氏名】箕輪 陽介
(72)【発明者】
【氏名】河野 芳昭
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−94024(JP,A)
【文献】 特開2001−249597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 1/00−99/00
B65H 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の中用紙からなる用紙束を外用紙でくるむくるみ製本を行う後処理装置に接続され、前記外用紙及び中用紙を印刷して前記後処理装置に送出する印刷装置において、
前記後処理装置には、印刷された前記外用紙をくるみ製本機構への搬送期間と、印刷された前記中用紙を積載する中用紙積載部までの搬送期間が少なくとも一部で重なるように制御する搬送制御部が設けられ、
前記印刷装置は、前記後処理装置と連携して前記中用紙と前記外用紙の印刷を制御する制御部を備え、
前記制御部は、少なくとも一部で前記搬送期間が重なっている場合であって、前記後処理装置内部で発生した前記外用紙または中用紙の搬送異常が解消された後に印刷を再開する場合に、前記中用紙の印刷再開ポイントである中用紙の印刷再開情報と前記外用紙の印刷再開ポイントである外用紙の印刷再開情報を設定し、前記設定に応じて印刷の再開を制御する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、印刷して前記後処理装置に送出する前記中用紙及び前記外用紙の1枚ずつを管理番号で管理し、
前記中用紙の印刷再開情報は、印刷再開すべき前記中用紙の管理番号に関する情報で、
前記外用紙の印刷再開情報は、印刷再開すべき前記外用紙の管理番号に関する情報である
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記中用紙の前記中用紙積載部への積載途中で、前記外用紙に前記搬送異常が発生した場合には、
前記印刷制御部は、前記中用紙の印刷再開情報として、前記中用紙積載部へ最後に積載された前記中用紙の次の管理番号を設定し、前記外用紙の印刷再開情報として、前記搬送異常が発生した外用紙と同じ管理番号を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
複数枚の中用紙からなる用紙束を外用紙でくるむくるみ製本を行う後処理装置に接続され、前記外用紙及び中用紙を印刷して前記後処理装置に送出する印刷装置のコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、
前記後処理装置には、印刷された前記外用紙をくるみ製本機構への搬送期間と、印刷された前記中用紙を積載する中用紙積載部までの搬送期間が少なくとも一部で重なるように制御する搬送制御部が設けられ、
前記プログラムは、前記後処理装置と連携して前記中用紙と前記外用紙の印刷を制御する制御ステップを備え、
前記制御ステップは、少なくとも一部で前記搬送期間が重なっている場合であって、前記後処理装置内部で発生した前記外用紙または中用紙の搬送異常が解消された後に印刷を再開する場合に、前記中用紙の印刷再開ポイントである中用紙の印刷再開情報と前記外用紙の印刷再開ポイントである外用紙の印刷再開情報を設定し、前記設定に応じて印刷を再開するステップを有する
ことを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本機構を備える後処理装置に接続される印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置と印刷装置で印刷された用紙を製本する製本機能を備える後処理装置(製本装置)から構成される印刷システムについて種々の開発がされている。製本装置には、印刷済みの複数枚の中用紙(本文用紙)を整合して用紙束を形成する整合機構が設けられる。また、整合機構に離隔した位置には、整合機構から送り出された用紙束を印刷済みの外用紙(表紙用紙)により覆った状態で綴じる綴じ機構(綴じ部)が設けられる。更に、綴じ機構の出口側には、綴じ機構から送り出された冊子を受け取る受取ボックスが設けられる。
【0003】
製本装置を稼働(駆動)させることより、整合機構によって印刷済みの複数枚の中用紙を整合して用紙束を形成し、綴じ機構によって用紙束を印刷済みの外用紙により覆った状態で綴じる。これにより、冊子が作製されて受取ボックスに送り出され、受取ボックスに複数の冊子が蓄積されていく。
【0004】
製本装置内部では、外用紙と中用紙の2種類が相互に関連しながら搬送されるために、いずれかでジャムが発生した場合に、その状況に応じて再開する印刷内容を決定する必要がある。例えば、ジャムの発生した位置と、整合機構に用紙が存在するかに応じて、再開する印刷内容を決定するシステムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−94024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製本処理では、中用紙の印刷に時間がかかることが多い。そこで、印刷システムは、製本時間短縮を図るために、中用紙の印刷が終わってから外用紙印刷を行い、冊子状の中用紙と外用紙を結合してくるみ製本の糊付け等の処理を行うが、この先の製本処理中に、次の冊子用の中用紙が印刷され、後処理装置では印刷された中用紙の蓄積も同時に行われる。
【0007】
そこで、後処理装置(製本装置)内部で搬送異常(ジャム)が発生した場合に、ジャム解消後にそのまま印刷を再開すると問題を発生することがある。
例えば、後処理装置で搬送中の外用紙で搬送異常(ジャム)が発生した場合に、印刷装置で並行して行われている次の冊子用の中用紙印刷が中断され、あわせて印刷済の中用紙の後処理装置での蓄積も中断される。そして、外用紙のジャム解除後、印刷装置では、外用紙から印刷再開をすることになるが、中断によって次の冊子用の中用紙の印刷もリセットされるので、次の冊子用の中用紙印刷が、改めて先頭頁から行われることになる。そのために、再開時に、後処理装置に途中頁まで蓄積された印刷済の中用紙を廃棄しなければなくなる。
【0008】
本願発明は、上記課題に鑑み、後処理装置での搬送異常の発生後に、中用紙と外用紙に対してそれぞれ適切な位置から印刷を再開することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明は、複数枚の中用紙からなる用紙束を外用紙でくるむくるみ製本を行う後処理装置に接続され、前記外用紙及び中用紙を印刷して前記後処理装置に送出する印刷装置において、前記後処理装置には、印刷された前記外用紙をくるみ製本機構への搬送期間と、印刷された前記中用紙を積載する中用紙積載部までの搬送期間が少なくとも一部で重なるように制御する搬送制御部が設けられ、前記印刷装置は、前記後処理装置と連携して前記中用紙と前記外用紙の印刷を制御する制御部を備え、前記制御部は、少なくとも一部で前記搬送期間が重なっている場合であって、前記後処理装置で発生した前記外用紙または中用紙の搬送異常が解消された後に印刷を再開する場合に、前記中用紙の印刷再開ポイントである中用紙の印刷再開情報と前記外用紙の印刷再開ポイントである外用紙の印刷再開情報を設定し、前記設定に応じて印刷の再開を制御するものである。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、印刷して前記後処理装置に送出する前記中用紙及び前記外用紙の1枚ずつを管理番号で管理し、前記中用紙の印刷再開情報は、印刷再開すべき前記中用紙の管理番号に関する情報で、前記外用紙の印刷再開情報は、印刷再開すべき前記外用紙の管理番号に関する情報である。
【0011】
また、第3の発明は、第2の発明において、前記中用紙の前記中用紙積載部への積載途中で、前記外用紙に前記搬送異常が発生した場合には、前記印刷制御部は、前記中用紙の印刷再開情報として、前記中用紙積載部へ最後に積載された前記中用紙の次の管理番号を設定し、前記外用紙の印刷再開情報として、前記搬送異常が発生した外用紙と同じ管理番号を設定するものである。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、後処理装置での搬送異常の発生後に、中用紙と外用紙に対してそれぞれ適切な位置から印刷を再開することができる印刷装置を提供することができる。
第2の発明によれば、印刷再開ポイントの設定が容易にできる。また、第3の発明によれば、外用紙から印刷再開しても、途中まで印刷された中用紙が無駄になることがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】印刷システム1の主要なメカニズム構成を示す図である。
図2】印刷装置4と後処理装置6の主要ブロック図である。
図3】印刷からくるみ製本までの処理の概略手順を示すフローチャートである。
図4A】ジャム発生後の再開処理の手順を説明するフローチャート1である。
図4B】ジャム発生後の再開処理の手順を説明するフローチャート2である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。図1は、印刷システム1の主要な内部構成を示す図である。本発明の実施形態に係る印刷システム1は、表紙用紙である外用紙P2及び複数枚の本文用紙である中用紙P1に印刷を行い、印刷済みの中用紙P1及び複数枚の外用紙P2(用紙束PSと称す)に対して製本処理を施すことにより、冊子Bを作製するシステムである。
【0015】
つまり、印刷システム1は、複数枚の中用紙P1及び外用紙P2に印刷を行う印刷装置4と、この印刷装置4に隣接した位置に設けられかつ印刷済みの中用紙P1及び外用紙P2に対して製本機能を有する後処理装置6(製本装置)との組み合わせからなっている。
【0016】
印刷装置4は、印刷機構(印刷部)10、外用紙給紙部14、中用紙給紙部16、カセット18及び搬送路を有する。
印刷機構10は、画像データ(表紙画像データ及び本文画像データ)に基づいて複数枚の中用紙P1及び外用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷機構である。印刷機構10は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド10K,10C,10M,10Yを備えている。
【0017】
外用紙給紙部14は、外用紙P2を印刷機構10へ給紙するもので、印刷装置4の左側部に配置される。外用紙給紙部14は、複数枚の外用紙P2を積載する給紙トレイ14aと、この給紙トレイ14aに積載された外用紙P2を印刷機構10側へ送り出す複数の給紙ローラ14bとを備える。
【0018】
中用紙給紙部16は、中用紙P1を印刷機構10側へ給紙するもので、印刷機構10の下側に設けられる。中用紙給紙部16は、複数枚の中用紙P1を積載する給紙トレイ16aと、この給紙トレイ16aに積載された中用紙P1を印刷機構10側へ順次送り出す複数の給紙ローラ16bとを備えている。
【0019】
カセット18は、中用紙P1及び外用紙P2を一時的に収容するもので、印刷機構10左側上部に設けられている。
搬送路は、印刷搬送路20、外用紙給紙搬送路22、中用紙給紙搬送路24、スイッチバック搬送路26及び連絡搬送路28から構成される。
【0020】
印刷搬送路20は、印刷機構10を囲むように、中用紙P1及び外用紙P2を搬送するためのループ状の搬送路である。また、外用紙給紙搬送路22は、外用紙P2を印刷機構10側へ搬送するための搬送路で、外用紙給紙部14と印刷搬送路20との間に設けられる。また、中用紙給紙搬送路24は、中用紙P1を印刷機構10側へ搬送するための搬送路で、中用紙給紙部16と印刷搬送路20との間に設けられる。
【0021】
スイッチバック搬送路26は、中用紙P1及び外用紙P2を表裏反転させて印刷機構10側へ搬送するための搬送路で、印刷装置4の左部からカセット18内にかけて設けられる。このスイッチバック搬送路26の基端側(右端側)は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路20に接続、遮断可能になっている。
【0022】
連絡搬送路28は、印刷搬送路20から送り出された中用紙P1及び外用紙P2を後処理装置6側(右方向)へ搬送するため搬送路である。この連絡搬送路28の基端側(左端側)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路20に接続、遮断可能になっている。上記各搬送路に沿った位置には、中用紙P1及び外用紙P2を挟持して搬送する複数の搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0023】
後処理装置6は、中用紙積載部40、ストックトレイ42、断裁機構(断裁部)44及びくるみ綴じ機構50、排出コンベア58、受取ボックス60等を有する。中用紙積載部40は、印刷済みの複数枚の中用紙P1の1冊分を積載するもので、後処理装置6の右側上部に設けられる。中用紙積載部40は、印刷済みの中用紙P1を整合して用紙束PSを形成する。また、中用紙積載部40は、水平な軸心周りに回転することによって形成した用紙束PSをくるみ綴じ機構50側へ送り出す。
【0024】
ストックトレイ42は、印刷済みの中用紙P1を中用紙積載部40へ送る前に一時的に待機させるもので、後処理装置6の上部中央に設けられる。
断裁部44は、印刷装置4から送り出された印刷済みの中用紙P1を仕上がり寸法になるように断裁したり、ストックトレイ42から送り出された印刷済みの外用紙P2を用紙束PSの厚みに応じた寸法になるように断裁したりするものである。断裁部44は、ストックトレイ42の左側に設けられる。また、断裁部44は、後述する上部製本搬送路72を間にして印刷済みの中用紙P1及び外用紙P2を挟むように断裁する一対のカッタを備えている。
【0025】
くるみ綴じ機構50は、中用紙積載部40から送り出された用紙束PSを断裁部44から送り出された印刷済みの外用紙P2によってくるんだ状態(覆った状態の一例)で綴じるものである。くるみ綴じ機構50は、一対の搬送クランパ52、接着剤溜まり54、一対の折り曲げ部材56等を有する。くるみ綴じ機構50は、くるみ製本機構とも呼ぶ。
【0026】
一対の搬送クランパ52は、用紙束PSをクランプし、クランプした状態で、適宜方向(左右方向を含む)へ移動するものである。一対の搬送クランパ52は、用紙束PSの背面にホットメルト接着剤を塗布するための塗布位置AP、及び用紙束PSの背面に印刷済みの外用紙P2を接合させるための接合位置JPへ用紙束PSを移動する。なお、一対の搬送クランパ52は、中用紙積載部40から送り出された用紙束PSを公知の受取手段によって受け取ることができるようになっている。
【0027】
接着剤溜まり54は、用紙束PSの背面にホットメルト接着剤を塗布するためのもので、中用紙積載部40の斜め下側に設けられる。接着剤溜まり54は、ホットメルト接着剤を貯留する容器が設けられており、この接着剤溜まり54内には、塗布位置APに位置決めされた用紙束PSの背面にホットメルト接着剤を塗布する塗布ローラ61が設けられる。
【0028】
また、接着剤溜まり54には、塗布位置APに位置決めする前の用紙束PSの背面に粗加工を施すブラシ(図示省略)が設けられている。
一対の折り曲げ部材56は、接合位置JPに位置決めされた用紙束PSの背面に印刷済みの外用紙P2の裏面中央部を接合させつつ、用紙束PSをくるむように印刷済みの外用紙P2の両側を折り曲げるものである。一対の折り曲げ部材56が上下方向へスライド可能(又は揺動可能)に設けられる。なお、一対の折り曲げ部材56が上下方向へ揺動可能になっている代わりに、上下方向へスライド可能であっても構わない。
【0029】
排出コンベア58は、くるみ綴じ機構50から送り出された冊子Bを右方向へ搬送して、受取ボックス60に排出するものである。排出コンベア58は、くるみ綴じ機構50の出口側(製本処理機構の出口側)に設けられている。受取ボックス60は、くるみ綴じ機構50で作成された冊子Bを複数積み重ねて収納するボックスで、後処理装置6の下段に設けられる。
【0030】
また、後処理装置6は、搬送路として、導入搬送路70、上部製本搬送路72、下部製本搬送路74を有する。
導入搬送路70は、印刷装置4の連絡搬送路28から送り出された印刷済みの中用紙P1及び外用紙P2を後処理装置6内部へ搬送するためのものである。この導入搬送路70の基端部(左端部)は、連絡搬送路28の先端部(右端部)に接続して設けられる。
【0031】
上部製本搬送路72は、導入搬送路70から送り出された印刷済みの中用紙P1及び外用紙P2を中用紙積載部40方向へ搬送等するためのものである。この上部製本搬送路72の基端部は、公知の上部製本用フラッパの作動によって導入搬送路70の先端部(右端部)に接続、遮断可能である。
【0032】
下部製本搬送路74は、上部製本搬送路72から送り出された印刷済みの外用紙P2をくるみ綴じ機構50へ搬送するためのもので、上部製本搬送路72の下側に設けられる。
この下部製本搬送路74の基端部(左端部)は、公知の下部製本用フラッパ(図示省略)の作動によって上部製本搬送路72の基端部に接続、遮断可能である。
【0033】
また、後処理装置6の各搬送路には、印刷済みの中用紙P1及びまたは外用紙P2を挟持して搬送する複数の搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。また、ストックトレイ42の左側に位置する搬送ローラ対は、印刷済みの外用紙P2の搬送方向を反転させて搬送できるようになっている。
【0034】
なお、印刷済みの中用紙P1が中用紙積載部40まで搬送される経路(一点鎖線で示す)を第一搬送経路Q1、印刷済みの外用紙P2がくるみ綴じ機構50まで搬送される経路(破線で示す)を第二搬送経路Q2、用紙束PSが中用紙積載部40から接合位置JPまで搬送される経路(二点鎖線で示す)を第三搬送経路Q3とも称す。
【0035】
図2は、印刷装置4と後処理装置6の主要ブロック図である。印刷装置4は、メイン制御部100、印刷実行部110、搬送駆動部112、操作受付部114、表示部116、通信IF部118及びメモリ120等を有する。
【0036】
メイン制御部100は、印刷装置4全体を統括的に制御する制御部である。メイン制御部100は、CPUを有し、メモリ120に記憶された制御プログラムをCPUが読み出して実行することで、印刷装置4の各部を制御する。
【0037】
印刷実行部110は、印刷機構10を有し、各色ヘッドに対応する印刷データに基づき、画像ライン型のインクヘッド10K等を駆動して用紙へ画像や文字を印刷する。搬送駆動部112は、外用紙給紙部14や中用紙給紙部16や各搬送路に適宜配置される搬送ローラを駆動する駆動源とその駆動回路である。
【0038】
操作受付部114は、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー等の各種操作キーとを有し、利用者操作に基づく操作信号をメイン制御部100に通知する。
【0039】
表示部116は、印刷装置4の状態(用紙の枚数、インクの不足)や操作ガイダンスあるいは操作者からの入力指示を表示するもので、LCD等から構成される。通信IF部118は、印刷装置4と印刷装置4に接続される外部装置(本例では後処理装置6)間のデータの授受を行うものである。メモリ120は、制御プログラムや各種データを記憶し、また印字データを格納する印字データ格納部120aを有する。
【0040】
メイン制御部100は、印刷制御部102、搬送制御部104等を、CPUにより実行される機能部として有する。印刷制御部102は、印刷データに基づき印刷実行部110の各ヘッドの駆動を制御する。搬送制御部104は、搬送駆動部112を制御して、用紙の搬送を制御する。
【0041】
また、メイン制御部100は、印刷して後処理装置6に送出する中用紙P1及び外用紙P2の1枚ずつを管理番号で管理する。メイン制御部100は、中用紙P1及び外用紙P2の送出に合わせて、対応する管理番号を後処理装置6に通知する。
【0042】
メイン制御部100は、中用紙P1には、「頁番号」又は「頁番号と冊子の種類や番号」を管理番号として付番する。冊子の種類とは、異なる冊子をまとめて印刷するような場合に、冊子を区別するための情報で、例えばA,B,Cである。冊子の番号とは、印刷される冊子の通し番号(1,2、・・・)である。
【0043】
メイン制御部100は、外用紙P2には、冊子の番号を管理番号として付番する。外用紙P2の画像自体は同じであるが、メイン制御部100は、何冊目の外用紙P2であるかを通し番号で管理する必要があるからである。
【0044】
後処理装置6は、メイン制御部200、中用紙積載部センサ210、中用紙搬送駆動部212、外用紙搬送駆動部214、束搬送駆動部216、通信IF部218及びメモリ220等を有する。
【0045】
メイン制御部200は、後処理装置6全体を統括的に制御する制御部である。メイン制御部200は、CPUを有し、メモリ220に記憶された制御プログラムをCPUが読み出して実行することで、後処理装置6の各部を制御する。
【0046】
中用紙積載部センサ210は、中用紙積載部40に印刷済みの中用紙P1が積載されているかを検出するもので、例えば、反射型の光学センサである。中用紙積載部センサ210の検出信号は、メイン制御部200に通知される。
【0047】
中用紙搬送駆動部212は、導入搬送路70と上部製本搬送路72に適宜設けられる搬送ローラを駆動して、印刷済みの中用紙P1を中用紙積載部40まで搬送する駆動源と駆動回路である。外用紙搬送駆動部214は、導入搬送路70と下部製本搬送路74に適宜設けられる搬送ローラを駆動して、印刷済みの外用紙P2をくるみ綴じ機構50の閉じ位置まで搬送する駆動源と駆動回路である。
【0048】
束搬送駆動部216は、一対の搬送クランパ52を駆動する駆動源と駆動回路である。通信IF部218は、後処理装置6と印刷装置4間でデータの授受を行うものである。メモリ220は、制御プログラムやデータを記憶する。
【0049】
メイン制御部200は、中用紙搬送制御部202、外用紙搬送制御部204及び束搬送制御部206を、CPUにより実行される機能部として有する。中用紙搬送制御部202は、中用紙搬送駆動部212を制御して、印刷済みの中用紙P1を導入搬送路70と上部製本搬送路72を経由して中用紙積載部40まで搬送するよう制御する。中用紙搬送制御部202は、中用紙積載部センサ210により、中用紙積載部40での中用紙P1の有無を検出する。また、中用紙搬送制御部202は、中用紙積載部40に設けられたセンサ(不図示)により印刷済みの中用紙P1の第一搬送経路Q1による搬送が完了したことを検出する。
【0050】
外用紙搬送制御部204は、外用紙搬送駆動部214を制御して、印刷済みの外用紙P2を導入搬送路70と下部製本搬送路74を経由してくるみ綴じ機構50の閉じ位置まで搬送するよう制御する。また、外用紙搬送制御部204は、くるみ綴じ機構50の閉じ位置に設けられたセンサにより印刷済みの外用紙P2の第二搬送経路Q2による搬送が完了したことを検出する。
【0051】
束搬送制御部206は、1冊分の印刷済みの中用紙P1の積載が完了した場合に、束搬送駆動部216を制御して、中用紙積載部40に積載された用紙束PSを塗布位置AP及び接合位置JPまで移動させるように制御する。なお、中用紙搬送制御部202、外用紙搬送制御部204及び束搬送制御部206をまとめて搬送制御部とも称す。
【0052】
メイン制御部200は、中用紙搬送制御部202により印刷済みの中用紙P1の中用紙積載部40への搬送が1枚完了するごとに、完了した印刷済みの中用紙P1の管理番号(例えば頁番号)を、最新に積載された印刷済みの中用紙P1情報としてメイン制御部100に通知する。前述のように管理番号は、メイン制御部100から通知される。中用紙積載部40に積載された最新の中用紙P1の管理番号を第一搬送最終排出用紙の情報とも呼ぶ。
【0053】
同じく、メイン制御部200は、外用紙搬送制御部204により印刷済みの外用紙P2のくるみ綴じ機構50の閉じ位置までの搬送が完了するごとに、完了した外用紙P2の管理番号(例えば冊子の通し番号)を、外用紙P2情報としてメイン制御部100に通知する。最新に完了した外用紙P2の管理番号(例えば冊子の通し番号)を第二搬送最終排出用紙の情報とも呼ぶ。
【0054】
以上のような印刷システム1において、制御部100は、後処理装置6と連携して中用紙と外用紙の印刷を制御する。後処理装置6の各搬送路にはジャム(異常搬送)検知のセンサが適宜設けられ、メイン制御部200はジャム検知センサの信号等によりジャム発生を検出する。メイン制御部200は、ジャムが発生した場合にはメイン制御部100に通知し、メイン制御部100は、印刷を中止する。メイン制御部200は、ジャムが解除された場合にはメイン制御部100に解除を通知し、メイン制御部100は印刷を再開する。
【0055】
そして、メイン制御部100は、後処理装置6内部で発生した外用紙P2または中用紙P1のジャムが解消された後に印刷を再開する場合に、中用紙P1の印刷再開ポイントである中用紙の印刷再開情報と、外用紙P2の印刷再開ポイントである外用紙の印刷再開情報とを、第一搬送最終排出用紙の情報と第二搬送最終排出用紙の情報に基づいて設定し、設定に応じて印刷を再開する。第一搬送最終排出用紙の情報と第二搬送最終排出用紙の情報に基づく、印刷再開情報の設定の詳細については、図4のフローチャートで説明する。
【0056】
図3は、印刷からくるみ製本までの処理の概略手順を示すフローチャートである。フローチャートの左列の処理(ステップSで示す)が印刷装置4による処理で、右列の処理(ステップTで示す)が後処理装置6による処理である。印刷装置4の処理は主にメイン制御部100により実行され、後処理装置6の処理は主にメイン制御部200により実行される。操作者から印刷ジョブが指定されることにより印刷が開始される。
【0057】
メイン制御部100は、複数枚の中用紙P1の印刷・送出を行う(ステップS10)。先に、冊子Bの中用紙P1の印刷及び送出が行われる。先頭頁あるいは最終頁から中用紙P1が印刷され、印刷された中用紙P1が、連絡搬送路28を介して後処理装置6に送出される。後処理装置6では、印刷装置4から送出された印刷された中用紙P1を、上部製本搬送路72経由で中用紙積載部40に1枚ずつ搬送し(ステップT10)、中用紙積載部40で複数枚の中用紙P1として整合する(ステップT12)。印刷された中用紙P1は、第一搬送経路Q1(導入搬送路70、上部製本搬送路72)に沿って中用紙積載部40に積載される。また、印刷された中用紙P1は必要に応じて断裁部44で所定長にカットされ、カットされた印刷された中用紙P1が中用紙積載部40に積載される。
【0058】
印刷装置4のメイン制御部100は、中用紙一冊分の印刷を終了したかを判断する(ステップS12)。印刷装置4のメイン制御部100は、中用紙一冊分の印刷を終了していないと判断すると(ステップS12NO)、ステップS10に戻り、中用紙P1の次の頁の印刷・送出を行う。
【0059】
印刷装置4のメイン制御部100は、中用紙一冊分の印刷を終了したと判断すると(ステップS12YES)、外用紙P2の印刷・送出を行う(ステップS14)。同時に、印刷装置4のメイン制御部100は、中用紙一冊分の印刷終了情報を、後処理装置6のメイン制御部200に通知する。
【0060】
後処理装置6のメイン制御部200は、中用紙一冊分の印刷終了通知を受けたかを判断する(ステップT14)。後処理装置6のメイン制御部200は、中用紙一冊分の印刷終了通知を受けていないと判断すると(ステップT14NO)、ステップT10に戻る。
【0061】
後処理装置6のメイン制御部200は、印刷装置4から中用紙一冊分の印刷終了通知を受けたと判断すると(ステップT14YES)、用紙束PSの移動を行う(ステップT18)。束搬送制御部206は、束搬送駆動部216を駆動して、用紙束PSを一対の搬送クランパ52で挟んで、中用紙積載部40から塗布位置APへ移動する。用紙束PSは、塗布位置APでその背面に接着剤が塗布される。束搬送制御部206は、接着剤が塗布された用紙束PSを接合位置JPへ移動する。
【0062】
メイン制御部200の外用紙搬送制御部204は、印刷装置4から送出された印刷された外用紙P2を、導入搬送路70、上部製本搬送路72及び下部製本搬送路74を搬送する(ステップT16)。また、印刷された外用紙P2は必要に応じて断裁部44で所定長にカットされる。外用紙搬送制御部204は、印刷された外用紙P2をくるみ綴じ機構50の閉じ位置まで搬送する。
【0063】
用紙束PSの裏面に印刷された外用紙P2を接合してくるみ製本を行う(ステップT20)。印刷された外用紙P2の両側が、一対の折り曲げ部材56によって、用紙束PSをくるむように折り曲げられて、冊子Bが製作される。
【0064】
製作した冊子Bを受取りボックス60に排出する(ステップT22)。くるみ綴じ機構50から送り出された冊子Bが排出コンベア58によって、受取ボックス60に排出される。製作した冊子Bの排出後は、ステップT14に戻る。
【0065】
ステップS14の終了後に、印刷装置4のメイン制御部100は、目標冊数に達したかを判断する(ステップS16)。製作した冊子Bの部数が、指示された部数に達したかを判断する。メイン制御部100は、目標冊数に達したと判断すると(ステップS16YES)、印刷ジョブを終了する。目標冊数に達していないと判断すると(ステップS16NO)、ステップS20に戻り、次の冊子Bの中用紙P1の印刷を開始する。
【0066】
次の冊子B用に印刷された中用紙P1が送出される。そして、後処理装置6のメイン制御部200は、印刷された外用紙P2の搬送(ステップT16)やくるみ製本(ステップT20)と並行して、次の冊子B用に印刷された中用紙P1を中用紙積載部40に積載する処理を行う。つまり、メイン制御部200は、印刷された外用紙P2をくるみ綴じ機構50への搬送期間と、印刷された中用紙P1を積載する中用紙積載部40までの搬送期間が少なくとも一部で重なるように制御する。
【0067】
図4は、ジャム発生後の再開処理の手順を説明するフローチャートである。図4Aは、フローチャート1で、図4Bは、フローチャート2である。後処理装置6において、印刷された中用紙P1及び外用紙P2の搬送中に、搬送異常(例えばジャム)が発生する場合がある。ジャムが発生した用紙が取り除かれたことの通知(ジャムエラー解除通知)を後処理装置6から受けると、印刷装置4は、ジャムの発生した用紙と搬送の状況に応じて、図4に示す再開処理を行う。図4に示す処理は、主に印刷装置4のメイン制御部100によって実行される。
【0068】
後処理装置6のメイン制御部200は、印刷された中用紙P1が中用紙積載部40まで搬送が完了したら、排出通知として第一搬送最終排出用紙の情報をメイン制御部100に送る。同様にメイン制御部200は、印刷された外用紙P2がくるみ綴じ機構50の閉じ位置までの搬送が完了したら、排出通知として第二搬送最終排出用紙の情報をメイン制御部100に送る(ステップT30)。
【0069】
印刷装置4のメイン制御部100は、後処理装置6のメイン制御部200からの排出通知を受ける。メイン制御部100は、印刷された中用紙P1に関する第一搬送最終排出用紙の情報を受けて、第一搬送最終排出用紙の情報を更新する(ステップS32)。前述のように、第一搬送最終排出用紙の情報は、中用紙積載部40までの搬送が完了した最新の中用紙P1の管理番号(例えば頁番号)である。メイン制御部100は、第一搬送最終排出用紙の情報をメモリ120に記憶する。
【0070】
同様に、メイン制御部100は、印刷された外用紙P2に関する第二搬送最終排出用紙の情報を受けて、第二搬送最終排出用紙の情報を更新する(ステップS34)。メイン制御部100は、くるみ綴じ機構50の閉じ位置まで搬送が完了した最新の外用紙P2の管理番号(例えば冊子の通し番号)をメモリ20に記憶する。
【0071】
メイン制御部100は、後処理装置6からの通知によって後処理装置6でジャム発生したかを判断する(ステップS36)。メイン制御部100は、ジャム発生していないと判断すると(ステップS36NO)、ステップT30に戻る。
【0072】
メイン制御部100は、ジャムが発生したと判断すると(ステップS36YES)、ジャムしたのが印刷された外用紙P2であるかを判断する(ステップS38)。メイン制御部100は、ジャムしたのが印刷された外用紙P2でない(ステップS38NO)、つまり印刷された中用紙P1でジャムしたと判断すると、中用紙積載部センサ210がONであるかを判断する(ステップS40)。ジャム時に中用紙積載部センサ210がONであるかは、中用紙搬送制御部202からメイン制御部100に通知される。
【0073】
メイン制御部100は、中用紙積載部センサ210がONでないと判断すると(ステップS40NO)、ステップS42に進む。中用紙積載部センサ210がONでないということは、中用紙積載部40に印刷された中用紙P1が1枚も積載されていないことを示し、印刷された中用紙P1の先頭の頁でジャムが発生したことを意味する。
【0074】
メイン制御部100は、「再開情報2=部の中用紙先頭」に設定する(ステップS42)。再開情報とは、ジャム解消後に再開する印刷の情報であって、ここでは、再開情報1及び再開情報2の2つを有する。再開情報1は先に印刷が実行される再開情報であり、再開情報2は後に印刷が実行される再開情報である。メイン制御部100は、再開情報1及び再開情報2をメモリ120に格納する。なお、「部の中用紙先頭」とは、中用紙P1の印刷上での先頭頁の意味で、必ずしも冊子の先頭頁ではない。つまり、再開情報2として、中用紙P1の印刷の先頭頁が設定される。
【0075】
次に、メイン制御部100は、再開情報1=NULLを設定する(ステップS46)。つまり、再開情報1としては、何も設定しない。なぜなら、ジャムしたのが中用紙P1の印刷の先頭頁があるから、ジャム解消後は、同じく中用紙P1の印刷の先頭頁から印刷を再開すればよいからである。この場合には、再開ポイントは1つのみでよい。
【0076】
ステップS40に戻り、メイン制御部100は、中用紙積載部センサ210がONであると判断すると(ステップS40YES)、ステップS44に進む。途中の頁の中用紙P1で、ジャムが発生した場合である。メイン制御部100は、「再開情報2=第一搬送最終排出用紙番号+1」に設定する(ステップS44)。ジャムした中用紙P1の頁の番号が「第一搬送最終排出用紙情報+1」に相当するので、ジャム解消後は、第一搬送最終排出用紙情報+1の中用紙P1の頁から印刷再開すればよい。
【0077】
例えば、第一搬送最終排出用紙の情報が「6」であったとすると、中用紙P1の7頁目でジャムしたことになるので、中用紙P1の7頁目から印刷再開すればよい。また、メイン制御部100は、再開情報1=NULLを設定する(ステップS46)。
【0078】
ステップS38に戻り、メイン制御部100は、ジャムしたのが印刷された外用紙P2であると判断すると(ステップS38YES)、中用紙積載部センサ210がONであるかを判断する(ステップS50)。中用紙積載部センサ210がONでないと判断すると(ステップS50NO)、再開情報2=第二搬送最終排出用紙情報+1に設定し(ステップS52)、更に再開情報1=NULLに設定する(ステップS54)。
【0079】
第二搬送最終排出用紙情報+1は、くるみ綴じ機構50の閉じ位置までの搬送が完了した外用紙P2の次の外用紙P2のことで、つまり現にジャムした外用紙P2をさす。つまり、ジャムした外用紙P2から再度印刷することを意味する。例えば、第二搬送最終排出用紙情報が「4」、つまり4番目の冊子であったとすると、5番目の冊子の外用紙P2から印刷再開すればよい。
【0080】
また、中用紙積載部40には中用紙P1が全くないので、中用紙P1の印刷に関して、再開情報を設定する必要はないので、再開情報1=NULLに設定される。
ステップS50の戻り、中用紙積載部センサ210がONであると判断すると(ステップS50YES)、再開情報2=第一搬送最終排出用紙情報+1に設定する(ステップS56)。再開情報2は、第一搬送つまり中用紙P1に関する再開の設定であって、中用紙積載部40に現在積載された中用紙P1の次の頁から印刷再開する指示である。
【0081】
また、再開情報1=第二搬送最終排出用紙情報+1に設定する(ステップS58)。再開情報1は、第二搬送つまり外用紙P2に関する再開設定であって、くるみ綴じ機構50の閉じ位置までの搬送が完了した外用紙P2の次の外用紙P2のこと、つまり現にジャムした外用紙P2を意味する。つまり、ジャムした外用紙P2から印刷再開する指示である。
【0082】
図4Bに進む。メイン制御部100は、ジャムエラーが解除されたかを判断する(ステップS60)。メイン制御部100は、メイン制御部200からのジャムエラー解除通知で、ジャムエラー解除を判断する。メイン制御部100は、ジャムエラーが解除されていないと判断すると(ステップS60NO)、ステップS60をループする。
【0083】
メイン制御部100は、ジャムエラーが解除されたと判断すると(ステップS60YES)、メイン制御部100は、再開情報1≠NULLであるかを判断する(ステップS62)。メイン制御部100は、再開情報1≠NULLであると判断すると(ステップS62YES)、再開情報1から印刷再開する(ステップS64)。
【0084】
再開情報1≠NULLであるのは、中用紙積載部40に中用紙P1が積載された状態で、外用紙P2がジャムした場合である。ステップS50でYESの場合だけである。
この場合には、ステップS64で、メイン制御部100は、再開情報1から、つまりジャムした外用紙P2から印刷を再開する。続いて、メイン制御部100は、再開情報2から、中用紙積載部40に最新に積載された中用紙P1の次の頁から印刷を再開する(ステップS66)。
【0085】
一方、再開情報1≠NULLでないと判断すると(ステップS62NO)、つまり再開情報1=NULLの場合にはステップS64をジャンプして、再開情報2から印刷再開する(ステップS66)。ステップS46やステップS54の場合である。
【0086】
ステップS42のように、中用紙積載部40に中用紙P1が積載されていない状態で、中用紙P1がジャムした場合には、メイン制御部100は、中用紙P1の先頭から印刷を再開する。また、ステップS44のように、中用紙積載部40に中用紙P1が積載されている状態で、中用紙P1がジャムした場合には、メイン制御部100は、中用紙P1のジャムした頁から印刷を再開する。
【0087】
また、ステップS52のように、中用紙積載部40に中用紙P1が積載されていない状態で外用紙P2がジャムした場合には、メイン制御部100は、外用紙P2のジャムした番号から印刷を再開し、続いて、通常通り中用紙P1の印刷を先頭から開始する。
【0088】
以上のように、再開ポイントの情報を中用紙P1と外用紙P2に対応して計2つ設けることにより、中用紙P1と外用紙P2に対してそれぞれ適切な番号(位置)から印刷を再開することができる。例えば、中用紙P1の印刷途中から外用紙P2を再印刷した場合であっても、外用紙印刷後に続けて中用紙の印刷を再開するようにしたので、印刷途中の中用紙を廃棄する必要がなくなり、用紙を無駄にすることがない。
【0089】
なお、搬送異常の代表例としてジャムを説明したが、搬送異常はジャムに限らず、他のトラブルであってもよい。また印刷装置4の制御処理を、CPUによるソフトウェア処理として説明したが、一部あるいは全部をハードウェアで構成するようにしてもよい。
【0090】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0091】
1 印刷システム
4 印刷装置
6 後処理装置
10 印刷機構
12 印刷搬送路
14 外用紙給紙部
40 中用紙積載部
50 くるみ綴じ機構
70 導入搬送路
72 上部製本搬送路
74 下部製本搬送路
100 メイン制御部
102 印刷制御部
104 搬送制御部
110 印刷実行部
112 搬送駆動部
114 操作受付部
116 表示部
118 通信IF部
120 メモリ
200 メイン制御部
202 中用紙搬送制御部
204 外用紙搬送制御部
206 束搬送制御部
210 中用紙積載部センサ
212 中用紙搬送駆動部
214 外用紙搬送駆動部
216 束搬送駆動部
218 通信IF部
図1
図2
図3
図4A
図4B