特許第6155146号(P6155146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155146
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】受信装置及び送信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/038 20130101AFI20170619BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20170619BHJP
   H04B 7/15 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   H04B10/038
   H04B10/27
   H04B7/15
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-188708(P2013-188708)
(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-56754(P2015-56754A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年2月2日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、独立行政法人情報通信研究機構、「高い臨時設営性を持つ有無線両用通信技術の研究開発」副題「光ファイバ伝送とW帯無線伝送を柔軟に切替可能な通信方式を実現する要素デバイス及びシステム化技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】大石 将之
(72)【発明者】
【氏名】西村 公佐
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−046413(JP,A)
【文献】 特開平11−331043(JP,A)
【文献】 特開2003−174409(JP,A)
【文献】 特開平03−274928(JP,A)
【文献】 特開2000−341175(JP,A)
【文献】 特開平03−068228(JP,A)
【文献】 大石 将之、西村 公佐,ファブリ・ペロー・レーザの相互注入同期を利用した光回線断検出法,電子情報通信学会2013年総合大会講演論文集 通信2,2013年 3月 5日,p.396
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B10/00−10/90
H04J14/00−14/08
H04B 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入力ポート及び光出力ポートを有する受信装置であって、
アンテナで受信した無線信号を電気信号に変換し、前記電気信号で変調した光信号を出力する無線受信手段と、
前記光入力ポートで受信した光信号のレベルを検出する検出手段と、
前記光入力ポートで受信した光信号及び前記無線受信手段が出力する光信号から1つを選択し、選択した光信号を前記光出力ポートに向けて出力する選択手段と、
前記アンテナ経由で無線制御信号を送受信する制御手段と、
オン状態で前記制御手段に電力供給し、オフ状態で前記制御手段に電力供給しない継電手段と、
を備えており、
前記継電手段が前記オフ状態であるときには前記無線受信手段には電力が供給されず、
前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記継電手段を前記オン状態にすることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、電力供給されると、対向する装置に第1制御信号を1回以上送信し、前記第1制御信号の応答を前記対向する装置から受信しない場合、前記対向する装置に第2制御信号を送信し、前記無線受信手段に電力が供給される様に制御し、かつ、前記選択手段が前記光出力ポートに向けて出力する光信号が、前記無線受信手段が出力する光信号となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記継電手段は前記オン状態で前記無線受信手段に電力供給することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、電力供給されると、対向する装置に第1制御信号を1回以上送信し、前記第1制御信号の応答を前記対向する装置から受信しない場合、前記対向する装置に第2制御信号を送信し、前記選択手段が前記光出力ポートに向けて出力する光信号が、前記無線受信手段が出力する光信号となるように制御することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第2制御信号は、前記制御手段と通信する前記対向する装置の通信機能に電力を供給するための信号であることを特徴とする請求項2又は4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが前記閾値より大きい状態では、前記継電手段を前記オフ状態にすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の受信装置。
【請求項7】
光入力ポート及び光出力ポートを有する送信装置であって、
光信号を電気信号に変換し、前記電気信号を無線信号に変換してアンテナ経由で送信する無線送信手段と、
前記光入力ポートで受信した光信号のレベルを検出する検出手段と、
前記無線送信手段及び前記光出力ポートを含む出力先から1つを選択し、選択した出力先に向けて前記光入力ポートで受信した光信号を出力する選択手段と、
前記アンテナ経由で無線制御信号を送受信する制御手段と、
オン状態で前記制御手段に電力供給し、オフ状態で前記制御手段に電力供給しない継電手段と、
を備えており、
前記継電手段が前記オフ状態であるときには前記無線送信手段には電力が供給されず、
前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記継電手段を前記オン状態にすることを特徴とする送信装置。
【請求項8】
前記継電手段は、前記アンテナ経由で受信する所定の制御信号により前記オン状態になるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
前記制御手段は、対向する装置と前記無線制御信号により通信した結果に応じて、前記無線送信手段に電力が供給される様に制御し、前記光入力ポートで受信した光信号を前記無線送信手段に向けて出力する様に前記選択手段を制御することを特徴とする請求項7に記載の送信装置。
【請求項10】
前記継電手段は前記オン状態で前記無線送信手段に電力供給することを特徴とする請求項7又は8に記載の送信装置
【請求項11】
前記制御手段は、対向する装置と前記無線制御信号により通信した結果に応じて、前記光入力ポートで受信した光信号を前記無線送信手段に向けて出力する様に前記選択手段を制御することを特徴とする請求項10に記載の送信装置。
【請求項12】
前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが前記閾値より大きい状態では、前記継電手段を前記オフ状態にすることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項13】
第1ファイバから光信号を入力し、第2ファイバから光信号を出力する送信装置と、前記第2ファイバから光信号を入力し、第3ファイバから光信号を出力する受信装置と、を含む通信システムであって、
前記送信装置は、
前記第1ファイバから受信した光信号を無線信号に変換して前記受信装置に送信する無線送信手段と、
前記受信装置と無線制御信号を送受信する第1制御手段と、を備え、
前記第1ファイバから受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態では、前記第1ファイバから受信した光信号を前記第2ファイバに出力し、前記第1ファイバから受信した光信号のレベルが前記閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記第1制御手段に電力を供給し、
前記受信装置は、
前記送信装置から受信する無線信号を光信号に変換して前記第3ファイバに出力する無線受信手段と、
前記送信装置と無線制御信号を送受信する第2制御手段と、
前記第2ファイバから受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態では、前記第2ファイバから受信した光信号を前記第3ファイバに出力し、前記第2ファイバから受信した光信号のレベルが前記閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記第2制御手段に電力を供給し、
前記第1制御手段に電力が供給されていない間、前記無線送信手段には電力が供給されず、
前記第2制御手段に電力が供給されていない間、前記無線受信手段には電力が供給されないことを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光伝送路の障害時に無線伝送路で救済する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大容量の伝送が可能であり、通信品質の安定している光ファイバが通信媒体として、コア・ネットワーク及びアクセス・ネットワークにおいて広く使用されている。しかしながら、光ファイバが断線すると、その復旧には、まず保守者が断線箇所に駆けつけ、断線部分を含む区間の再接続を行う必要があり、復旧までに時間がかかる。したがって、特許文献1は、光ファイバによる光伝送路に対して無線による予備伝送路を設け、光伝送路の障害時、無線による予備伝送路に切り替えて通信を継続させる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−278620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成は、パッシブ光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)において、局側光終端装置(OLT:Optical Line Terminal)と加入者側光終端装置(ONU:Optical Network Unit)との間のいずれの箇所で断線したとしても同じ1つの無線伝送路で救済するというものである。
【0005】
しかしながら、光伝送路での伝送容量が高くなると、その救済のためには、数十GHzの周波数帯域の無線伝送路を使用しなければならない。数十GHzの周波数帯域では見通し内通信となり、かつ、使用する周波数が高くなる程、その伝送距離は短くなる。つまり、光伝送路での伝送容量が高くなると、アクセス区間の光伝送路を1つの無線伝送路で救済することはできず、光伝送路を複数の区間に分割し、各区間に対して無線装置で予備伝送路を構成して区間毎に救済することが必要となる。
【0006】
この様に、1つの光伝送路を複数の区間に分割し、区間毎に救済する構成においては、消費電力の削減のため、障害が発生していない場合には、各無線通信を行う機能部への電力供給を停止し、障害が発生した場合、障害区間の救済を行うのに必要な機能部のみに給電を行うように制御する必要がある。
【0007】
本発明は、1つの光伝送路を複数の区間に分割し、区間毎に無線伝送路で救済する構成において、消費電力を低減できる受信装置及び送信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、受信装置は、光入力ポート及び光出力ポートを有する受信装置であって、アンテナで受信した無線信号を電気信号に変換し、前記電気信号で変調した光信号を出力する無線受信手段と、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルを検出する検出手段と、前記光入力ポートで受信した光信号及び前記無線受信手段が出力する光信号から1つを選択し、選択した光信号を前記光出力ポートに向けて出力する選択手段と、前記アンテナ経由で無線制御信号を送受信する制御手段と、オン状態で前記制御手段に電力供給し、オフ状態で前記制御手段に電力供給しない継電手段と、を備えており、前記継電手段が前記オフ状態であるときには前記無線受信手段には電力が供給されず、前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記継電手段を前記オン状態にすることを特徴とする。
【0009】
本発明の一側面によると、送信装置は、光入力ポート及び光出力ポートを有する送信装置であって、光信号を電気信号に変換し、前記電気信号を無線信号に変換してアンテナ経由で送信する無線送信手段と、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルを検出する検出手段と、前記無線送信手段及び前記光出力ポートを含む出力先から1つを選択し、選択した出力先に向けて前記光入力ポートで受信した光信号を出力する選択手段と、前記アンテナ経由で無線制御信号を送受信する制御手段と、オン状態で前記制御手段に電力供給し、オフ状態で前記制御手段に電力供給しない継電手段と、を備えており、前記継電手段が前記オフ状態であるときには前記無線送信手段には電力が供給されず、前記検出手段は、前記光入力ポートで受信した光信号のレベルが閾値より大きい状態から前記閾値以下になると、前記継電手段を前記オン状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
1つの光伝送路を複数の区間に分割し、区間毎に無線伝送路で救済する構成において、消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態によるシステム構成図。
図2】区間#2及び#4で障害が発生した場合の状態の説明図。
図3】一実施形態による無線伝送路への切り替えの説明図。
図4】一実施形態による無線伝送路への切り替えの説明図。
図5】一実施形態による無線伝送路への切り替えの説明図。
図6】一実施形態による受信装置の構成図。
図7】一実施形態による送信装置の構成図。
図8】一実施形態によるトリガ信号受信部の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。また、以下の実施形態は例示であり本発明を実施形態の内容に限定するものではない。
【0013】
図1は、一実施形態による通信システムの構成図である。図1において、局側光終端装置(OLT)3は、加入者側光終端装置(ONU)4と通信する。図1の例においては、OLT3とONU4とを接続する光伝送路を4つの区間(区間#1〜#4)に分割し、各区間の光伝送路の障害時に、障害区間を無線伝送路で復旧させるための送信装置(TX)1と受信装置(RX)2が各区間に設けられている。なお、本例では区間数は4であるが、任意の区間数を使用できる。以下では、OLT3からONU4方向、つまり、下り方向について、障害発生時、どの様に区間の救済を行うかについて説明するが、上り方向についても同様である。また、以下の説明において、区間#k(k=1〜4の整数)の送信装置1及び受信装置2を、それぞれ、TX#k及びRX#kと表記する。
【0014】
まず、正常時、つまり、障害が発生していない場合、OLT3が送信する光信号は、単に、各送信装置1及び各受信装置2を通過してONU4が受信する。その後、図1の区間#2及び#4で同時に障害が発生したものとする。本実施形態において、送信装置1及び受信装置2は、入力される光信号のレベルを監視しており、このレベルが閾値以下となると、無線通信に必要な機能ブロックと、対向装置と制御信号を送受して無線伝送路への切り替え制御を行う制御部に電力供給を行う。図2は、区間#2及び#4で同時に障害が発生した場合の各送信装置1及び各受信装置2の光信号の検出状況を示している。図2に示す様に、区間#2での障害により、RX#2、TX#3、RX#3、TX#4、RX#4の5つの装置が光断を検出する。
【0015】
したがって、RX#2、TX#3、RX#3、TX#4、RX#4の制御部に電力が供給される。本実施形態において、受信装置2の制御部は、起動すると対向する送信装置1の制御部が起動しているかを問い合わせる問い合わせ信号を繰り返し無線で送信する。送信装置1の制御部は、起動すると対向する受信装置2からの問い合わせ信号を待ち、問い合わせ信号を受信すると、確認信号を無線で送信する。図3に示す様に、区間#2及び#4で同時に障害が発生した場合、TX#3及びRX#3の組と、TX#4及びRX#4の組は、図3の双方向の点線の矢印で示す様に、問い合わせ信号と確認信号の交換を行うことができる。一方、RX#2は、TX#2の制御部が起動していないため、図3の片方向の矢印で示す様に、問い合わせ信号に対する応答としての確認信号を受信しない。
【0016】
本実施形態では複数の区間で同時に障害が発生した場合、上流側の区間から順次、無線伝送路への切り替えを行う。つまり、本例では区間#2の無線伝送路への切り替えをまず行う。図3に示す様に、問い合わせ信号と確認信号の交換を行うことができたTX#3及びRX#3と、TX#4及びRX#4は、それぞれ、無線伝送路への切り替えが必要ないと判断して待機する。一方、確認信号を受信できなかったRX#2は、自区間を無線伝送路に切り替える必要があると判断して、図4に示す様に、所定のトリガ信号をTX#2に無線で送信する。このトリガ信号については後述するが、送信装置1は、対向する受信装置2からトリガ信号を受信すると、無線通信に必要な機能ブロック及び制御部に電力供給を行う様に構成されている。
【0017】
TX#2の制御部は、トリガ信号により給電され、これによりRX#2の制御部と通信を開始する。RX#2の制御部は、無線伝送路への切り替えが必要であることを認識しているため、その旨をTX#2の制御部に通知し、その後、TX#2及びRX#2は、無線機能ブロックにより無線伝送路がアクティブになると、当該無線伝送路へと信号を切り替える。図5の実線の片方向の矢印は、区間#2において無線伝送路への切り替えが完了したことを示している。切り替えによりRX#2は、TX#3に向けて光信号を送信するため、光信号を受信しないのは、RX#4のみとなる。TX#3、RX#3、TX#4は、光信号のレベルが閾値以上となることから、無線通信に必要な機能ブロック及び制御部への給電が停止される。したがって、RX#4は、確認信号を受信しなくなり、よって、連続して所定回数だけ確認信号を受信しないと、トリガ信号をTX#4に送信する。以後の処理は、区間#2の切り替えと同様である。
【0018】
以上の構成により光伝送路を複数の区間に分割して、区間毎の無線伝送路により救済を行い、かつ、無線通信に必要な機能ブロックや制御部等への電力供給を抑えることができる。
【0019】
続いて、受信装置2の構成について図6を用いて説明する。光入力ポート21には光ファイバが接続され対向する送信装置1からの光信号が入力される。入力された光信号は、光スプリッタ6で分岐されて検出部24及び選択部22に出力され、検出部24において光信号レベルの監視を行う。なお、光スプリッタ6が光検出部24に向けて出力する光信号のレベルは、入力光信号の監視を行える程度のもので良い。選択部22は、通常時、入力される光信号を出力光ポート23に向けて出力する。なお、出力光ポート23には、光ファイバの一端が接続され、この光ファイバの他の一端は、1つ下流の送信装置1又はONU4に接続される。
【0020】
選択部22は、入力された光信号ではなく、無線受信部28が出力する光信号を出力光ポート23に向けて出力することができる。なお、選択部22は、ラッチ型であり、出力光ポート23に出力する光信号を切り替えるときのみ電力供給を必要とする。無線への迂回時に、対向する送信装置1が送信した無線信号は、アンテナ29により無線周波数帯の電気信号に変換され無線受信部28に入力される。無線受信部28の増幅部282は、電気信号を増幅し、光変調部281は、連続光を電気信号で変調して選択部22に出力する。
【0021】
電源部25は、受信装置2の各部の動作電力を供給する。なお、制御部27と、無線受信部28と、選択部22には、継電部26を経由して電力供給を行う様に構成されている。継電部26は、例えば、リレーであり、オン状態とオフ状態の2つの状態をとり得る。ここで、継電部26がオン状態であると、電源部25は、制御部27、無線受信部28及び選択部22と接続され、これらに電力供給を行う。一方、継電部26がオフ状態であると、電源部25は、制御部27、無線受信部28及び選択部22とは切り離され、これらに電力供給を行わない。なお、電源部25と検出部24は直接接続され、常時電力供給が行われる。検出部24は、入力された光信号のレベルが所定の閾値以上であると継電部26をオフ状態とし、入力された光信号のレベルが所定の閾値を下回ると、継電部26をオン状態にする。これにより制御部27は起動し、上述した様に、対向する送信装置1の制御部に問い合わせ信号の送信を開始し、確認信号を受信しないとトリガ信号を送信する。また、無線伝送路への切り替えが必要な場合には、その旨を示す無線信号を送信装置1に送信すると共に、選択部22を無線受信部28からの光信号を選択する様に制御する。
【0022】
続いて、送信装置1の構成について図7を用いて説明する。光入力ポート11には光ファイバが接続され、1つ上流の受信装置2又はOLT3からの光信号が入力される。入力された光信号は、光スプリッタ6で分岐されて検出部14及び選択部12に出力され、検出部14において光信号レベルの監視を行う。なお、光スプリッタ6が光検出部14に向けて出力する光信号のレベルは、入力光信号の監視を行える程度のもので良い。選択部12は、通常時、入力される光信号を出力光ポート13に向けて出力する。なお、出力光ポート13には、光ファイバの一端が接続され、この光ファイバの他の一端は対向する受信装置2に接続される。
【0023】
選択部12は、出力光ポート13ではなく、無線送信部18に向けて入力された光信号を出力することができる。なお、選択部12は、ラッチ型であり光信号の出力先を切り替えるときのみ電力供給を必要とする。無線への迂回時に、選択部12は、無線送信部18の変換部181に光信号を出力し、変換部181は光信号を電気変換して、無線周波数帯の電気信号に変換する。増幅部182は電気信号を増幅し、アンテナ19から無線信号として出力する。
【0024】
電源部15は、送信装置1の各部の動作電力を供給する。なお、制御部17と、無線送信部18と、選択部12には、継電部16を経由して電力供給を行う様に構成されている。継電部16は、例えば、リレーであり、オン状態とオフ状態の2つの状態をとり得る。ここで、継電部16がオン状態であると、電源部15は、制御部17、無線送信部18及び選択部12と接続され、これらに電力供給を行う。一方、継電部16がオフ状態であると、電源部15は、制御部17、無線送信部18及び選択部12とは切り離され、これらに電力供給を行わない。電源部15と検出部14は直接接続され、常時電力供給が行われる。検出部14は、入力された光信号のレベルが所定の閾値以上であると継電部16をオフ状態とし、入力された光信号のレベルが所定の閾値を下回ると、継電部16をオン状態にする。これにより制御部17は、上述した様に、対向する受信装置2の制御部からの問い合わせ信号に対して確認信号を送信する。
【0025】
以下、トリガ信号について説明する。本実施形態において受信装置2の制御部27は、例えば、無線受信部28が対向する無線送信部18との無線通信において使用する周波数及び制御部17と制御部27との通信で使用する周波数とは異なる所定周波数の無線信号をトリガ信号として送信する。送信装置1のフィルタ部7は、アンテナ19が受信したこのトリガ信号を通過させる帯域通過フィルタであり、継電部16は、このトリガ信号によりオン状態にされる。これにより、制御部17は起動し、対向する受信装置2の制御部27と通信を開始し、対向する受信装置2から無線伝送路への切り替えを指示されると、無線送信部18に光信号を出力する様に選択部12を制御する。例えば、トリガ信号は、無線通信において使用するのとは異なる周波数の正弦波とすることができる。
【0026】
また、トリガ信号として、受信装置2の制御部27は、制御部17との通信に使用する周波数の無線信号であって、所定以上のレベルのものを送信できる。この場合、送信装置1のフィルタ部7は、図8のトリガ信号受信部8に置き換えられる。アンテナ19で電気信号に変換されたトリガ信号は、整流部で整流され、フィルタ部で波形成形されてツェナーダイオードに入力される。波形成形後の信号レベルが所定値以上であると、ツェナーダイオードは電流を流し、これにより継電部16をオン状態にする。なお、ツェナーダイオードの代わりにオペアンプを使用できる。なお、オペアンプを使用する場合には、トリガ信号受信部8にも常時電力供給を行う。
【0027】
なお、上述した実施形態では、継電部26をオン状態にすると、制御部27、無線受信部28及び選択部22に電力供給を行っていた。しかしながら、継電部26をオン状態にしたときには、制御部27のみに電力供給を行い、無線伝送路への切り替えが必要な場合に、制御部27が、別の継電部を制御して、無線受信部28及び選択部22に電力供給を行う構成であっても良い。また、同様に、継電部16をオン状態にしたときには、制御部17のみに電力供給を行い、無線伝送路への切り替えが必要な場合に、制御部17が、別の継電部を制御して、無線送信部18及び選択部12に電力供給を行う構成であっても良い。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8