特許第6155172号(P6155172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6155172バイアス部材による感光体の帯電方法、バイアス帯電ユニット及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155172
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】バイアス部材による感光体の帯電方法、バイアス帯電ユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
   G03G15/02 101
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-231787(P2013-231787)
(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2014-106533(P2014-106533A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】13/684,617
(32)【優先日】2012年11月26日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユー・リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョハン・ジュンジンガー
(72)【発明者】
【氏名】ガエターノ・ジェイ・ラヴィーン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・マクガイア
(72)【発明者】
【氏名】ウラディスラフ・スコロホドフ
(72)【発明者】
【氏名】ナン−シン・フー
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−307311(JP,A)
【文献】 特開2004−333962(JP,A)
【文献】 特開2006−243411(JP,A)
【文献】 特開平09−106141(JP,A)
【文献】 特開平05−019590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアス帯電部材と感光体の表面部の摩耗および汚染を少なくする方法であって、
感光体を設けるステップと、
前記感光体を帯電させるバイアス帯電部材を設けるステップと、
ナー汚染、および前記感光体の前記表面部および前記バイアス帯電部材の表面部の両方の摩耗率を低減させるために、前記バイアス帯電部材をパルス振動させて、前記感光体の表面部と接触かつ分離させるステップと、を含み、
前記バイアス帯電部材をパルス振動させて、前記感光体の前記表面部と接触かつ分離させる前記ステップが、前記感光体の前記表面部に接触する前記帯電部材の振動を通して実現される、方法。
【請求項2】
前記バイアス帯電部材をパルス振動させて、前記感光体の前記表面部と接触かつ分離させる前記ステップが、圧電トランスデューサ、電気モータ、空気圧式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、線形アクチュエータ、コンビネーションドライブ、熱バイモルフおよび電気活性ポリマから成る群から選択されるアクチュエータを用いて実現される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイアス帯電部材のパルス振動が、約100Hzから約10kHzの周波数で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バイアス帯電部材が前記感光体の前記表面部と接触している期間中に前記周波数を変調して前記バイアス帯電部材と前記感光体の前記表面部との間の摩擦を低減させるステップを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バイアス帯電ローラのパルス振動が、約5%から約95%のデューティサイクルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バイアス帯電部材のパルス振動が、約5μmから約1000μmの振幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記バイアス帯電部材のパルス振動が、方形、正弦波形、および鋸波形からなる群から選択される波形を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記バイアス帯電部材が、ローラ、ブラシ、パッド、およびブレードからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アイドリング期間中に前記バイアス帯電部材を持ち上げて前記感光体から離し、前記バイアス帯電部材と前記感光体との長時間の接触を防ぐステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記バイアス帯電部材の表面抵抗率が、約103ohm/mから約1013ohm/mである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
バイアス帯電部材の摩耗および汚染を少なくする前記方法が、乾式静電複写装置内で用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
導電性の芯を有するバイアス帯電部材と、
前記芯上に軸方向に支持された外層と、
ナー汚染、および感光体の表面部および前記バイアス帯電部材の表面部の両方の摩耗率を低減させるために、前記バイアス帯電部材をパルス振動させて、前記感光体の前記表面部と接触かつ分離させるアクチュエータと、を含み、
前記アクチュエータのパルス振動が、約100Hzから約10kHzの周波数で行われる、バイアス帯電ユニット。
【請求項13】
前記アクチュエータが、圧電トランスデューサ、電気モータ、空気圧式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、線形アクチュエータ、コンビネーションドライブ、熱バイモルフおよび電気活性ポリマから成る群から選択される、請求項12に記載のバイアス帯電ユニット。
【請求項14】
前記アクチュエータのパルス振動が、約5%から約95%のデューティサイクルを有する、請求項12に記載のバイアス帯電ユニット。
【請求項15】
前記バイアス帯電部材の表面抵抗率が、約103ohm/mから約1013ohm/mである、請求項12に記載のバイアス帯電ユニット。
【請求項16】
前記バイアス帯電部材が、ローラ、ブラシ、パッド、およびブレードからなる群から選択される、請求項12に記載のバイアス帯電ユニット。
【請求項17】
静電潜像を受けるよう設定された帯電面を有する電子写真式画像形成部材と、
現像材料を前記帯電面に塗布して、前記帯電面上に現像画像を形成する現像部品と、
前記現像画像を前記帯電面から下地に転写する転写部品と、
バイアス帯電部材であって、
導電性の芯と、
前記芯上に軸方向に支持された外層と、
ナー汚染、および前記電子写真式画像形成部材の前記表面部および前記バイアス帯電部材の表面部の両方の摩耗率を低減させるために、前記バイアス帯電部材をパルス振動させて、前記電子写真式画像形成部材の前記帯電面に接触かつ分離させるよう構成されたアクチュエータと、を含むバイアス帯電部材と、を含み、
前記バイアス帯電部材が約100Hzから約10kHzで振動する、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にバイアス帯電部材に関し、より具体的には、印刷装置における振動式バイアス帯電部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の電子写真式印刷処理では、感光部材をほぼ均一な電位に帯電させてその表面を感光性にする。感光部材の帯電部は、再生される原本の光画像に露光される。
【0003】
帯電した感光部材を露光させることにより、感光部材上の照射される領域内の電荷を選択的に消散させる。これにより、原本内に含まれる情報領域に対応する感光部材上に静電潜像が記録される。静電潜像が感光部材上に記録された後、現像材料をその静電潜像に引き寄せることにより潜像は現像される。一般に、現像材料にはトナー粒子が含まれ、このトナー粒子は摩擦電気によりキャリア粒体に付着する。このトナー粒子は、このキャリア粒体から潜像に引き付けられ、感光部材上でトナー粉末画像を形成する。次いで、このトナー粉末画像は感光部材からコピーシートに転写される。
【0004】
このトナー粒子に熱を加えて熱粉末画像をコピーシートに恒久的に定着させる。
【0005】
上記に記載したような印刷装置では、バイアス帯電ローラ(BCR)が環境にやさしく帯電性能に優れているため、乾式静電複写システム内の主な帯電装置としてますます使用されるようになっている。ほとんどのBCRは、感光部材すなわち感光体に接触するが、中には非接触式の種類のBCRを使用する製造業者もある。接触式のBCRは、従来のスコロトロン帯電に対して次のような利点がある。a)均一かつ安定した帯電を行うことができる。b)オゾンまたはその他のコロナの副産物の排出を削減することができる。c)AC/DC電圧の供給要求を低減することができる。d)保守メンテナンスの回数を抑えることができる。印刷サイクルを数多く繰り返すと、接触式BCRは、トナー/添加物により汚染され、直接接触するBCRにより感光部材の摩耗率が上昇し、BCRおよび感光部材の両方の全体の耐用期間が短くなることが広く認識されている。非接触式BCRを用いることによりこれらの問題に対処可能であるが、関連して上昇した摩耗率で帯電を安定させるKNEE電圧すなわちVACが上昇するなど、別の技術的な犠牲を余儀なくされる。
【0006】
米国特許第8,126,344号明細書、米国特許第7,711,285号明細書、米国特許第7,526,243号明細書、米国特許第7,266,338号明細書、米国特許第7,079,786号明細書、米国特許第6,836,638明細書、米国特許第6,470,161号明細書は全て振動補助式クリーニングシステムの使用に関し、この振動補助式クリーニングシステムは高周波数で振動して、感光体のクリーニング面にとらわれた粒子の付着を緩和し、その上、この振動がもたらす緩和時間による感光体の表面の損傷を少なくする。バイアス帯電ローラまたはブラシの例は、米国特許第7,177,572号、および米国特許第6,022,660号に示される。
【0007】
しかし、よりしっかりと構成されたBCRに対する要求が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、この要求に応じて、以後本明細書では、バイアス帯電ユニットと感光体の両方の汚染および摩耗を軽減する手段として、感光体と高周波数でパルス振動して接触する振動補助式バイアス帯電ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、バイアス帯電部材を含む乾式静電複写装置の概略図である。
図2図2は、図1の乾式静電複写装置の感光体とパルス振動して接触する振動補助式バイアス帯電ユニットを示す概略立面図である。
図3A図3Aは、回転する感光体と静的接触するバイアス帯電ローラが表す帯電曲線を示すチャート図である。
図3B図3Bは、不均一な帯電に関連する、駆動周波数05Hzでパルス振動するバイアス帯電ローラが表す、目で確認できるほど歪んだ帯電曲線を示すチャート図である。
図3C図3Cは、不均一な帯電に関連する、駆動周波数50Hzでパルス振動するバイアス帯電ローラが表す、目で確認できるほど歪んだ帯電曲線を示すチャート図である。
図3D図3Dは、駆動周波数200Hzでパルス振動するバイアス帯電ローラが表す、均一な帯電の様子を示すチャート図である。
図3E図3Eは、駆動周波数1500Hzでパルス振動するバイアス帯電ローラが示す、図3Aに示される接触モードと同じように安定して帯電する感光体の表面を示すチャート図である。
図4図4は、振動補助式バイアス帯電ローラと比較した、接触式バイアス帯電ローラのKNEE曲線を示すチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を好ましい実施形態に関連して説明するが、本開示がこの実施形態に制限されることを意図しないことを理解されたい。それどころか、付随する請求項によりを規定された本発明の趣旨および範囲に含むことができるものとして、全ての代替物、修正物および同等物に本開示が及ぶことを意図する。
【0011】
本開示の特徴の一般的な理解を得るために図面を参照するが、これらの図面では、全体を通して同一の要素を示すために同様の参照符号が用いられる。
【0012】
図1を参照すると、他の乾式静電複写機も周知の通り同様に、プリンタ10では、再生される電子文書すなわち原本または一連の原本の電子画像または光学画像を投影して、または走査して、感光体ドラム10の帯電面12上に静電潜像を形成することができるが、ベルトの形態の感光体も既知であり感光体ドラムに代用することも可能である。このドラムは導電性の下地の上に配置された感光性下地を含み、矢印16の方向に回転して、回転経路の周りに配置された種々の処理ステーションを順番に通過させて、このドラムの連続部分を移動させる。モータ24がローラ22を回転させて、ドラムを矢印16の方向に進める。ドラム10は、駆動装置などの好適な手段によりモータ24と連結する。
【0013】
最初にドラムの連続部分は、帯電ステーションAを通過する。この帯電ステーションAでは、高電圧源28に接続する、全体として参照符号26で示されるコロナ発生装置がバイアス帯電ローラの形態で、好ましくは負の非常に均一な電位にドラム10を選択的に帯電させる。
【0014】
図1に示すデジタル印刷機では、ドラム10は画像形成ステーションBを通過する。この画像形成ステーションBでは、ROS(ラスタ出力スキャナ)36が画像を一連の水平走査線に配列させることができ、これらの各線はインチ毎に明確な数の画素を有する。ROS36はその間に接続する回転多面鏡のブロックを有するレーザ(図示せず)を含むことができる。このROS36が、ドラム10の感光面12を露光する。
【0015】
印刷装置は、代替的に光レンズ複写機でもよいことを理解されたい。この光レンズ複写機では、再生される文書は画像形成ステーションに配置された圧盤の上に載せられ、タングステンハロゲンランプなどの光源により、既知の方式で照射される。ミラー系により、このように露光された文書の画像がドラム上に形成される。光学画像により、画像構成内のドラム表面を選択的に放電し、これにより画像形成ステーションにて原本の静電潜像がドラム上に記録される。
【0016】
参照符号34で示される現像ステーションC、すなわち現像システムまたは現像ユニットでは、現像される材料を静電潜像に接触させる。好ましくは、現像剤ユニットは筺体内に取り付けられた現像ローラを含む。したがって、現像ユニット34は現像ローラ40を含む。ローラ40はトナー粒子45を潜像に接触させる。好適な現像装置のバイアスは、現像ユニット34に電気的に接続する電源42により実現することができる。
【0017】
現像ユニット34は、ドラム10の感光面12の帯電画像領域を現像する。現像ユニットは、磁気を帯びたブラックトナー粒子45を含み、例えば、このブラックトナー粒子45は、感光面と、現像ユニット内の電気的にバイアスをかけられた現像ローラとの間に存在する静電界により帯電される。磁気ローラ40は、電源42により電気的にバイアスをかけられる。
【0018】
支持材料(画像受取り部材)のシート54を移動させて、転写ステーションDでトナー画像と接触させる。支持材料のシートは、好適なシート供給装置(図示せず)により転写ステーションDに進められる。好ましくは、このシート供給装置は供給ローラを含み、この供給ローラはコピーシートのスタックの上段シートと接触する。供給ローラは、最上段のシートをスタックからシュータに進めさせるために回転し、このシュータにより移動中の支持材料のシートが誘導されて、時間系列でドラム10の感光面と接触する。これにより、ドラム10の感光面上に現像されたトナー粉末画像が転写ステーションDで支持材料のシートと接触する。
【0019】
転写ステーションDは、バイアス転写ローラの形態のコロナ発生装置58を含み、このコロナ発生装置58が、シート54の裏側に適した極性のイオンを塗布する。これにより、トナー粉末画像がドラム12からシート54に引き付けられる。すなわち、感光面12から支持材料54にトナー粒子を引き付けることができる指向性力場が形成される。転写後、シートは矢印62の方向に向かってコンベヤ(図示せず)へ移動を続け、このコンベヤがシートを定着ステーションEへ進ませる。
【0020】
定着ステーションEは、全体として参照符号64で示される定着組立体を含み、この定着組立体が転写される粉末画像をシート54に恒久的に定着させる。好ましくは、この定着組立体64は、熱を加えられた定着ローラ66および圧力ローラ68を含む。トナー粉末画像が定着ローラ66に接触した状態で、シート54は定着ローラ66と圧力ローラ68の間を通過する。この方式では、トナー粉末画像はシート54に恒久的に定着する。定着後、操作者が印刷装置から後で取り出せるよう、シュータ70により移動シート54は排紙トレイ72に誘導される。その他に定着後の動作として、例えば、ホチキス留め、製本、両面印刷ためのシートの反転および戻しなどが含まれ得ることは言うまでもない。
【0021】
感光面12から支持材料のシートが分離した後、感光面上の画像領域および非画像領域により運ばれる残余トナー粒子は、クリーニングステーションFで取り除かれる。真空補助式静電ブラシ型クリーナユニット74をクリーニングステーションFに配置して、ドラムの表面に残っている残余トナーを取り除く。
【0022】
その中に本開示の振動補助式バイアス帯電ローラを組み込む電子写真式印刷装置の一般的な動作を説明するための本出願の目的に対しては、上記の説明で十分だと思われる。
【0023】
本開示によって、最初に図2を参照して、感光体への影響(摩耗率などの)を抑え、帯電ユニットへの低減し、感光体上の均一な帯電電位を実現する、改良型バイアス帯電ユニットおよび感光面または受光面を帯電させる方法を説明する。図2では、振動補助式バイアス帯電ローラ26は、特にパルス振動機能を備えており、このパルス振動機能により、帯電ローラ26は感光面12と断続的に接触する。バイアス帯電ローラ26は、導電性の芯25およびこの芯上に軸方向に支持された外層27を含む。最初は、図2の左側に示される通り、バイアス帯電ローラ26は感光面12と所定の高さ「h」で隔てられており接触していない、次いで、パルス振動を与えられ、感光面12との接触と分離を順次繰り返す。バイアス帯電ローラ26にパルス振動を与えるためのアクチュエータ機構のうちの1つは、従来から取り付けられた圧電トランスデューサ(PZT)30である。その他のアクチュエータも使用することができ、その中には、例えば、電気モータ、空気圧式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、線形アクチュエータ、コンビネーションドライブ、熱バイモルフおよび電気活性ポリマが含まれる。バイアス帯電ローラのパルス振動は、約5%から約95%のデューティサイクルを有する。帯電ユニット26が振動モードにあるため、トナーまたは添加物が帯電ユニット26の表面に閉じ込められることはほとんどない。したがって、バイアス帯電ローラおよび感光体の汚染および摩耗率は低減される。
【0024】
一例としてバイアス帯電ローラ26が図1に示されているが、例えば、ブラシ、パッド、ブレードなどを含む、その他のバイアス帯電部材を用いることも可能であることは理解されよう。
【0025】
振動補助式BCRの帯電性能を検査するために、約103ohm/mから約1013ohm/mまでの表面抵抗率を有するBCRパッドを含む感光体ドラムに対して、BCRパッドを軽くたたくためのPZTの形態の一体型アクチュエータを有する半円筒形のBCRパッドを製造した。 高電圧源(HVPS)をBCRパッドの金属の芯に接続した。BCRパッドを、PZTにより、調整可能な周波数および振幅で駆動させた。PZTとBCRパッドの金属の芯の間に、絶縁層を配置して高電圧衝撃下のPZTを保護した。3rpsのドラム回転速度で84mmのUDSスキャナ上にて調査テストを実行した。
【0026】
テスト中、駆動振幅±400μmを選択した。この振幅では、BCRの表面上に帯電トナー/添加物が閉じ込められることを避ける可能性がある。BCRパラメータ上のHVPSは、Vdcを−500V、VACの振幅を0から13kV、周波数を1kHzに設定した。図3A図3Eに示す通り、PZT上で周波数を調整して異なる周波数でBCRを駆動させた。図3Aに示す通り、接触モードでは、BCRは回転する感光体に静的に接触し、感光体を安定して帯電させる。図3Bおよび図3Cに示される、周波数05Hzおよび50Hzの場合、不均一な帯電に関連して目で確認できるほど歪んだ帯電曲線が示される。図3Dの200Hzのように周波数が高くなると、均一な帯電が現れる。図3Eに示す1500Hzなどの上記の周波数では、感光体表面は、図3Aに示す接触モードと同様に安定して帯電される。したがって、BCRは高周波数では帯電の均一性に影響を及ぼすことなく感光体面に接触して、パルス振動可能であることが示される。さらに、接触式BCR上のKNEE曲線と振動補助式BCR上のKNEE曲線は類似のKNEEVACを有してほとんど同じである。このことは、VACバイアスが帯電部材および感光体の両方の摩耗率に著しい影響を及ぼすために重要である。バイアス帯電ローラのパルス振動は、約50Hzから約10kHzの周波数、および約5μmから約1000μmの振幅でよい。
【0027】
改良されたバイアス帯電の方法が開示され、この方法には、感光体上でのより低い摩擦を実現するために、振動するバイアス帯電部材を移動させて、感光体と接触および分離させるステップを含むことが明らかであろう。さらに、より長時間の振動により、バイアス帯電部材はきれいな状態を保つことができ、それにより鉛画質不良の原因となる帯電不良を防止することができる。また、バイアス帯電部材の表面は短いパルスの間だけ感光体に接触するため、2つの個体間の摩擦は最小となる。さらに、バイアス帯電部材は、アイドル時間中、持ち上げられて感光体から離されて、長時間の接触を防ぐことができる。バイアス帯電部材をパルス振動させて、感光体に接触および分離させる状態で接触させる周波数を変調して、バイアス帯電部材および感光体の両方を最小の摩擦で緩和させることができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4