(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の商品の個々を識別するための識別コードを無線送信する棚札装置と通信する第1の通信デバイスと、サーバ装置と通信する第2の通信デバイスと、表示デバイスと、操作者による指示を入力する入力デバイスとを備えた携帯端末を制御するコンピュータを、
前記第1の通信デバイスにより受信された前記識別コードを前記サーバ装置に通知するように前記第2の通信デバイスを制御する通知制御手段と、
前記サーバ装置により送信されて前記第2の通信デバイスにより受信された事前表示情報に基づく画像を表示するように前記表示デバイスを制御する表示制御手段と、
前記識別コードにより識別される商品の配送注文を受け付けるための受注処理を前記サーバ装置で行うための操作を前記入力デバイスにより入力される前記指示に基づいて受け付ける受付処理手段と、
前記第2の通信デバイスにより受信された前記事前表示情報に対して予め定められた処理を、前記事前表示情報に基づく画像が前記表示デバイスにより表示されているときに操作者による指示がなされたことに応じて、前記受付手段が前記操作を受け付けるのに先立って実行する実行手段と、
して機能させるための制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は本実施形態に係る配送注文受付システム100のブロック図である。
【0011】
配送注文受付システム100は、例えばスーパーマーケットなどの物販店での取扱商品を買物客の指定場所まで配送する、いわゆるネットスーパーサービスを提供する。配送注文受付システム100は、複数の棚札装置10、棚札管理装置20、携帯端末30およびサーバ装置40を含む。なお、
図1においては1つの棚札装置10のみを示している。
【0012】
棚札装置10は、物販店において陳列棚に陳列される複数の商品のそれぞれに対応して陳列棚に取り付けられる。
【0013】
図2は一例としての棚札画像61を表示している棚札装置10の外観の斜視図である。
【0014】
図2に示す棚札装置10は、物販店に設置され、商品71を陳列する陳列棚72の前縁72aに取り付けられている。棚札画像61は、商品71の商品名および売価を表している。
【0015】
棚札管理装置20は、物販店の事務室などに設置される。棚札管理装置20は、無線中継器21を介して、複数の棚札装置10のそれぞれと無線通信することができ、棚札装置10を管理する。具体的には棚札管理装置20は、棚札装置10の個々を識別可能に定められた棚札コードと、商品の個々を識別可能に定められた商品コードとの関連付けを管理する。棚札管理装置20は、この関連付けが変更された場合に、該当する棚札コードで識別される棚札装置10で表示する棚札画像を、新たに関連付けられる商品コードで識別される商品に関する情報を表すものに変更する。
【0016】
携帯端末30は、モバイルネットワーク300およびインターネット400を介してのデータ通信機能と、NFC(near field communication)によるデータ通信機能とを備える。携帯端末30は、ネットスーパーサービスの利用に関する手続きを買物客が行うために使用される。
【0017】
サーバ装置40は、ネットスーパーサービスを提供するための受注処理や配送指示管理処理などの種々の処理を行う。
【0018】
棚札装置10は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、NFCユニット13、メモリ14、表示デバイス15および伝送システム16を含む。
【0019】
棚札コントローラ11は、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)およびRAM(random-access memory)を含んだコンピュータを用いてなり、棚札装置10としての所期の機能を実現するべく各部を制御する。
【0020】
通信デバイス12は、無線中継器21と無線通信を行い、棚札コントローラと棚札管理装置20とのデータ通信を可能とする。通信デバイス12としては、例えばIEEE802.15.4に準拠した周知のデバイスが利用できる。
【0021】
NFCユニット13は、棚札装置10に近接された携帯端末30とNFCによるデータ通信を行う。
【0022】
メモリ14は、不揮発性のデータ記憶デバイスであり、複数の棚札装置10の個々を識別可能に定められたうちの1つの棚札コード14aを記憶する。かくしてメモリ14は、第1の記憶手段の一例である。
【0023】
表示デバイス15は、棚札コントローラ11の制御の下に表示内容を変更可能である。表示デバイス15としては、例えば電子ペーパーが利用できる。
【0024】
伝送システム16は、棚札コントローラ11、通信デバイス12、NFCユニット13、メモリ14および表示デバイス15の間でデータを伝送する。伝送システム16は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0025】
携帯端末30は、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、NFCユニット35、タッチパネル36、通信デバイス37および伝送システム38を含む。伝送システム38は、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、NFCユニット35、タッチパネル36および通信デバイス37の間でデータを伝送する。伝送システム38は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0026】
CPU31、ROM32、RAM33および補助記憶デバイス34は、伝送システム38により接続されてコンピュータを構成する。
【0027】
CPU31は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU31は、ROM32に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM32または補助記憶デバイス34に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、携帯端末30としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能は、例えば既存のスマートフォンが備える周知の機能であって良い。また上記の所期の機能は、後述する制御処理により実現される機能である。
【0028】
ROM32は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM32は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM32は、CPU31が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0029】
RAM33は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM33は、CPU31が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM33は、CPU31が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0030】
補助記憶デバイス34は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス34は、上記のアプリケーションプログラム、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU31での処理によって生成されたデータを保存する。
【0031】
NFCユニット35は、携帯端末30が棚札装置10に近接された際に、NFCユニット13との間でNFCによるデータ通信を行う。
【0032】
タッチパネル36は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスが利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面へのユーザのタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU31へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスが利用できる。
【0033】
通信デバイス37は、モバイルネットワーク300を介した通信を行う。通信デバイス37は、モバイルネットワーク300およびインターネット400を介してサーバ装置40と通信することもできる。
【0034】
携帯端末30のハードウェアとしては、既存のスマートフォンやタブレット端末などのような、アプリケーションプログラムを任意にインストール可能なデバイスをそのまま利用できる。そしてこの種のデバイスが備える補助記憶デバイス34に、そのデバイスの販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされることにより携帯端末30が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM32に記憶されていても良い。
【0035】
サーバ装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、補助記憶デバイス44、通信デバイス45および伝送システム46を含む。伝送システム46は、CPU41、ROM42、RAM43、補助記憶デバイス44および通信デバイス45の間でデータを伝送する。伝送システム46は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
【0036】
CPU41、ROM42、RAM43および補助記憶デバイス44は、伝送システム46により接続されてコンピュータを構成する。
【0037】
CPU41は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU41は、ROM42に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM42または補助記憶デバイス44に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、サーバ装置としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能のうちの1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
【0038】
ROM42は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM42は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM42は、CPU41が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0039】
RAM43は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM43は、CPU41が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM43は、CPU41が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0040】
補助記憶デバイス44は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス44は、上記のアプリケーションプログラム、CPU41が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU41での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス44は、関連付けテーブル44aを記憶する。関連付けテーブル44aは、棚札コードにファイルパスを関連付けたデータレコードの集合である。ファイルパスは、それに関連付けられた棚札コードで識別される棚札装置10が取り付けられた陳列棚に陳列される商品に関する事前表示情報を含んだデータファイルの保管場所およびファイル名を表す。なお、当該保管場所は、補助記憶デバイス44の中であっても良いし、インターネット400を介してアクセス可能な図示しない記憶デバイスの中であっても良い。かくして、棚札コードは複数の商品の個々を識別するための識別コードの一例なのであり、関連付けテーブル44aに含まれるデータレコードは、関連付け情報の一例である。そして補助記憶デバイス44は、第2の記憶手段の一例である。
【0041】
図3は関連付けテーブル44aの内容の一例を示す図である。
【0042】
図4,
図5,
図6は関連付けテーブル44aに記述されたファイルパスにより特定されるデータファイルが表す事前表示画面の例である。
図4は例えば、
図3中のファイルパスP1により特定される「popupA.htm」なるファイル名のデータファイルが表す事前表示画面を示す。
図5は例えば、
図3中のファイルパスP2により特定される「popupB.htm」なるファイル名のデータファイルが表す事前表示画面を示す。
図5は例えば、
図3中のファイルパスP3により特定される「popupC.htm」なるファイル名のデータファイルが表す事前表示画面を示す。
【0043】
図4〜6に示すように、事前表示画面は、商品の配送の注文とは直接の関係がない。
【0044】
通信デバイス45は、インターネット400を介した通信を行う。通信デバイス45は、インターネット400およびモバイルネットワーク300を介して携帯端末30と通信することもできる。
【0045】
このサーバ装置40のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を用いることができる。そしてこの種の装置が備える補助記憶デバイス44に、その装置の販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされるとともに、関連付けテーブル44aが書き込まれることによりサーバ装置が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM42に記憶されていても良い。
【0046】
次に配送注文受付システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0047】
携帯端末30において、前述したように補助記憶デバイス34に記憶された制御プログラムに基づくアプリケーションの起動を要求する操作が例えばタッチパネル36にて行われると、CPU31は制御プログラムに基づく制御処理を開始する。
【0048】
図7はCPU31の制御処理のフローチャートである。
【0049】
Act1においてCPU31は、予め定められたトップ画面を表示するようにタッチパネル36を制御する。この制御の下にタッチパネル36は、トップ画面を表示する。トップ画面は例えば、買物客に、配送を希望する商品が陳列された陳列棚に取り付けられた棚札装置に携帯端末30を近接させることを促すものである。
【0050】
Act2においてCPU31は、NFCユニット35によるNFC通信が開始したか否かを確認する。そしてCPU31は、NFC通信が開始していないためにNOと判定したならば、Act2を繰り返す。かくしてCPU31はAct2において、NFC通信が開始されるのを待ち受ける。
【0051】
買物客は、店舗に陳列された商品を確認しながら、購入したい商品を探す。そして買物客は、購入したい商品の配送を希望する場合には、その商品の陳列棚に取り付けられた棚札装置10に携帯端末30を近接させる。NFCユニット35がNFCユニット13に近接すると、棚札装置10は、棚札コントローラ11の制御の下に、メモリ14により記憶された棚札コード14aをNFCユニット13から無線送信する。そしてNFCユニット35は、このように無線送信された棚札コードを受信する。かくして棚札コントローラ11およびNFCユニット13の協働により、第1の送信手段としての機能が達成される。またNFCユニット35は、第1の受信手段および第1の通信デバイスの一例である。
【0052】
CPU31は、このようなNFC通信が開始されたことに応じてAct2にてYESと判定し、Act3へと進む。
【0053】
Act3においてCPU31は、NFCユニット35により受信されたデータが棚札コードであるか否かを確認する。NFCユニット35によるNFCを利用した通信では、棚札コード以外のデータの受信も行われ得る。そこでCPU31は、そのような別用途の通信が行われて、棚札コードが受信されたのでなければNOと判定し、Act2の待ち受け状態に戻る。しかしながらCPU31は、棚札装置10との上記のようなNFC通信が行われ、棚札コードが受信されたのならば、Act3でYESと判定し、Act4へと進む。
【0054】
Act4においてCPU31は、上記の受信された棚札コードを、サーバ装置40へと通知する。この通知は、例えばインターネット400にてサーバ装置40を特定するためのホスト名と棚札コードを含んだパス名とからなるURL(uniform resource locator)を用いて、通信デバイス37によりサーバ装置40へとアクセスすることにより行えば良い。あるいは、携帯端末30とサーバ装置40とのセッションを確立した後に、携帯端末30からサーバ装置へと棚札コードを転送するなど、その手法は任意であって良い。かくして通信デバイス37は、サーバ装置と通信する第2の通信デバイスの一例である。また制御プログラムに基づいて制御処理をCPU31が実行することによって、CPU31を中枢部分とするコンピュータは通知制御手段として機能する。そして当該コンピュータと通信デバイス37との協働により、通知手段としての機能が実現される。
【0055】
さてサーバ装置40が起動されると、CPU41は補助記憶デバイス44に記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。
【0056】
図4はCPU41の第1の実施形態における制御処理のフローチャートである。
【0057】
Act21においてCPU41は、棚札コードが通知されたか否かを確認する。そしてCPU41は、棚札コードが通知されていないためにNOと判定したならば、Act21を繰り返す。かくしてCPU41はAct21において、棚札コードが通知されるのを待ち受ける。そしてCPU41は、前述したように携帯端末30から棚札コードが通知されたならば、Act21にてYESと判定し、Act22へと進む。
【0058】
Act22においてCPU41は、携帯端末30とのセッションを確立する。
【0059】
Act23においてCPU41は、通知された棚札コードに関連付けられた操作画面情報を取得する。操作画面情報は、棚札コードから識別される商品の配送注文を受け付けるための操作画面を表したデータファイルである。操作画面情報は、典型的には補助記憶デバイス44に記憶されるが、棚札管理装置20が備える記憶デバイスや、図示しないその他の記憶デバイスに記憶されても良い。CPU41は、予め用意されて補助記憶デバイス44に記憶されたテーブルに基づいて棚札コードに関連付けられた操作画面情報を判定する。
【0060】
Act24においてCPU41は、通知された棚札コードが関連付けテーブル44aに含まれるか否かを確認する。そしてCPU41は、通知された棚札コードが関連付けテーブル44aに含まれるためにYESと判定したならば、Act25へと進む。
【0061】
Act25においてCPU41は、通知された棚札コードと同じデータレコードに含まれるファイルパスを関連付けテーブル44aから判定する。
【0062】
Act26においてCPU41は、上記の判定したファイルパスにより特定されるデータファイル、すなわち棚札コードに関連付けられた事前表示情報を取得する。かくして制御プログラムに基づいて制御処理をCPU41が実行することによって、CPU41を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
【0063】
Act27においてCPU41は、上記の取得した事前表示情報と、Act23で取得した操作画面情報とを含んだ応答情報を生成する。CPU41はこののちに、Act29へと進む。
【0064】
一方で、CPU41は、通知された棚札コードが関連付けテーブル44aに含まれないためにAct24にてNOと判定したならば、Act28へと進む。
【0065】
Act28においてCPU41は、Act23で取得した操作画面情報を含み、事前表示情報は含まない応答情報を生成する。CPU41はこののちに、Act29へと進む。
【0066】
Act29においてCPU41は、Act27またはAct28にて生成した応答情報をAct22で確立したセッションを介して携帯端末30へと送信するように通信デバイス45を制御する。Act27で生成した応答情報を送信する場合、事前表示情報が送信されることとなる。かくして制御プログラムに基づいて制御処理をCPU41が実行することによって、CPU41を中枢部分とするコンピュータは送信制御手段として機能する。そして当該コンピュータと通信デバイス45との協働により第2の送信手段としての機能が実現される。
【0067】
このようにして、携帯端末30が近接された棚札装置10を識別するための棚札コードに関連付けられた操作画面情報が、サーバ装置40から携帯端末30へと送られる。また、棚札コードに事前表示情報が関連付けられているならば、当該事前表示情報が、サーバ装置40から携帯端末30へと送られる。
【0068】
応答情報がインターネット400およびモバイルネットワーク300を介して携帯端末30に送達されると、通信デバイス37がこれを受信し、補助記憶デバイス34へと書き込む。かくして通信デバイス37は、第2の受信手段および第2の通信デバイスの一例である。
【0069】
さて携帯端末30においてCPU31は、
図3のAct4にて棚札コードを通知したのち、Act5へと進む。
【0070】
Act5においてCPU31は、上記のように棚札コードを通知したことに応じて確立されたセッションが無効となったか否かを確認する。そしてCPU31は、当該セッションが確立されたままであるためにNOと判定したならば、Act6へと進む。
【0071】
Act6においてCPU31は、上記のようにサーバ装置40から送信された応答情報が通信デバイス37により受信されたか否かを確認する。そしてCPU31は、応答情報が受信されていないためにNOと判定したならば、Act5に戻る。
【0072】
かくしてCPU31は、Act5,6において、セッションが無効となるか、あるいは応答情報が受信されるのを待ち受ける。そしてCPU31は、応答情報が受信されること無くセッションが無効となったならばAct5にてYESと判定し、Act7へと進む。
【0073】
Act7においてCPU31は、予め定められたエラー画面を表示するようにタッチパネル36を制御する。エラー画面は、異常の発生により配送の注文を行えないことを買物客に対して通知するための画面である。CPU31は、予め定められた一定の期間に、あるいはエラー画面の表示終了を指示する操作がタッチパネル36等にてなされるまでの期間に、エラー画面を表示させる。そしてエラー画面を表示すべき期間が終了したならば、Act1に戻って前述と同様の処理を繰り返す。かくして、タッチパネル36はトップ画面を表示する状態に遷移し、エラー画面の表示は終了される。
【0074】
CPU31は、Act5,6の待ち受け状態にあるときに、応答情報が上記のようにして通信デバイス37により受信されたならば、Act6にてYESと判定し、Act8へと進む。
【0075】
Act8においてCPU31は、受信された応答情報に事前表示情報が含まれるか否かを確認する。そしてCPU31は、事前表示情報が含まれるならばYESと判定し、Act9へと進む。
【0076】
Act9においてCPU31は、事前表示情報に基づく事前表示画面を表示するようタッチパネル36を制御する。具体的には、事前表示情報は例えば、
図3に示した例のように事前表示画面を定義するHTMLファイルとすることが考えられる。そしてこの場合にCPU31は、事前表示情報に基づいて事前表示画面を展開し、これをタッチパネル36に表示させる。かくして、タッチパネルは事前表示情報に基づく画像を表示する表示デバイスの一例であり、制御プログラムに基づいて制御処理をCPU31が実行することによって、CPU31を中枢部分とするコンピュータは表示制御手段として機能する。そして当該コンピュータとタッチパネル36との協働により、表示手段としての機能が実現される。
【0077】
Act10においてCPU31は、事前表示画面に設けられたボタンがタッチされたか否かを確認する。具体的には、事前表示画面中のボタンの領域内の位置情報がタッチパネル36が出力されたか否かを確認する。そしてCPU31は、該当する位置情報が出力されていないならばNOと判定し、Act10を繰り返す。かくしてCPU31はAct10において、ボタンがタッチされるのを待ち受ける。そしてCPU31は、該当する位置情報が出力されたことによりボタンタッチされたことが確認できたならば、Act10にてYESと判定し、Act11へと進む。
【0078】
Act11においてCPU31は、タッチされたボタンに対して特定の処理が割り当てられているか否かを確認する。例えば
図4中のボタンB1および
図6中のボタンB4は、事前表示画面の表示終了を操作者が指示するためのものであり、これは特定の処理が割り当てられているとしては扱わない。これに対して
図5中のボタンB2,B3は、ポイントの使用および貯蓄を操作者が指示するためのものであり、それらの処理は特定の処理として扱う。なお、ボタンへの処理の割り当てについては、例えば事前表示情報の中に定義される。そしてCPU31は、タッチされたボタンに特定の処理が割り当てられているためにYESと判定したならば、Act12へと進む。
【0079】
Act12においてCPU31は、上記のタッチされたボタンに割り当てられた処理を実行する。なお、この処理の内容は任意であってよく、かつ本実施形態の特徴ではないので、その詳細な説明は省略する。そしてCPU31は、当該処理を終えたならば、Act13へと進む。
【0080】
なおCPU31は、タッチされたボタンに特定の処理が割り当てられていないためにAct11にてNOと判定したならば、Act12をパスしてAct13へと進む。
【0081】
またCPU31は、受信された応答情報に事前表示情報が含まれないためにAct8にてNOと判定したならば、Act9〜12をいずれもパスしてAct13へと進む。
【0082】
Act13においてCPU31は、商品の配送の注文のための操作を受け付ける処理を実行する。CPU31は、具体的には、受信された応答情報に含まれた操作画面情報に基づいて操作画面をタッチパネル36に表示させ、この操作画面上でのタッチ操作を、タッチパネル36を介して受け付ける。そしてCPU31は、受け付けた操作の内容を通信デバイス37によりサーバ装置40へと通知する。この通知に対してサーバ装置4からは、別の操作画面情報が送られる場合がある。このような操作画面情報を通信デバイス37が受信したならば、CPU31は当該操作画面情報に基づいて、タッチパネル36に表示させる操作画面を更新する。そしてこの新たな操作画面上でのタッチ操作を、タッチパネル36を介して受け付ける。この処理の詳細は、例えば既存のネットスーパーサービスにおいて行われている処理と同様であって良い。かくしてタッチパネル36は、入力デバイスの一例である。また制御プログラムに基づいて制御処理をCPU31が実行することによって、CPU31を中枢部分とするコンピュータは受付処理手段として機能する。そして当該コンピュータとタッチパネル36との協働により、受付手段としての機能が実現される。
【0083】
なお、事前表示画面を表示していた場合には、最初に操作画面を表示することにより事前表示画面の表示は終了する。かくして、事前表示画面を表示した際には、特定の処理が割り当てられていないボタンがタッチされるか、あるいは特定の処理が完了したことが、その表示の終了条件とされる。CPU31は、事前表示画面を表示している状態から操作画面を表示する状態に速やかに移行できるよう、事前表示画面を表示して期間に、操作画面情報に基づく操作画面の展開を行っておくことが望ましい。
【0084】
さて、サーバ装置40のCPU41は、
図8のAct29にて応答情報を送信したのちには、Act30へと進む。
【0085】
Act30においてCPU41は、前述のように携帯端末30から通知される操作内容に応じて商品の配送に関する注文を受け付けるための受注処理を行う。この受注処理の詳細は、例えば既存のネットスーパーサービスにおいて行われている処理と同様であって良い。かくして制御プログラムに基づいて制御処理をCPU31が実行することによって、CPU31を中枢部分とするコンピュータは処理手段として機能する。またCPU31は、携帯端末30で事前表示画面を表示した場合には、この事前表示画面への操作に応じて事前表示画面の表示を終了すべき条件が成立したことに応じて受注処理を開始するのであり、CPU31を中枢部分とするコンピュータは処理制御手段として機能する。
【0086】
Act31においてCPU41は、Act22で確立したセッションを解消する。そしてCPU41はこののちに、Act21の待ち受け状態に戻る。
【0087】
以上のように配送注文受付システム100によれば、買物客が配送を希望する商品に対応する棚札装置10に携帯端末30を近づければ、該当する商品の配送に関する注文を受け付けるための操作画面が携帯端末30にて表示される。そして買物客は、操作画面上での操作を行うことにより商品の配送に関する注文を行うことができる。
【0088】
そして携帯端末30において、操作画面を表示するのに先立って、買物客が配送を注文しようとしている商品に関連付けて予め用意された事前表示情報が事前表示画面として表示する。これにより買物客が配送を注文しようとしている商品に関連する様々な情報を、携帯端末30での表示により買物客に閲覧させることができる。一般にタッチパネル36は、表示デバイス15に比べて視認性に優れ、また多くの情報を表示可能である。従って、タッチパネル36を棚札装置10の補助的な表示デバイスとして利用して事前表示情報を買物客に提示することとなり、表示デバイス15で表示できる情報よりも多くの情報を買物客に提示することが可能となる。
【0089】
また配送注文受付システム100によれば、事前表示画面の表示/非表示を、商品毎に定めることが可能であり、補助的な情報提示が必要な商品についてのみ事前表示画面を表示できる。
【0090】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0091】
棚札管理装置20とサーバ装置40とは、単一のサーバ装置に統合しても良い。
【0092】
商品の識別情報としては、JAN(Japanese article number)コードなどの種々のコードを棚札コードに代えて利用できる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 陳列棚に陳列された複数の商品に対応させて前記陳列棚に取り付けられる複数の棚札装置、携帯端末およびサーバ装置を備え、
前記複数の棚札装置はそれぞれ、
前記複数の商品の個々を識別するための識別コードの1つを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段により記憶された前記識別コードを無線送信する第1の送信手段とを具備し、
前記携帯端末は、
前記第1の送信手段により送信された前記識別コードを受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段により受信された前記識別コードを前記サーバ装置に通知する通知手段とを具備し、
前記サーバ装置は、
前記識別コードと事前表示情報との関連を表した関連付け情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記識別コードにより識別される商品の配送注文を、当該識別コードを通知した前記携帯端末での操作に応じて受け付けるための受注処理を行う処理手段と、
前記通知手段により通知された前記識別コードに前記関連付け情報で関連付けられた前記事前表示情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記事前表示情報を前記携帯端末へと送信する第2の送信手段と、
前記第2の送信手段により送信された前記事前表示情報に基づく表示の終了条件が成立したことに応じて前記受注処理を開始するように前記処理手段を制御する処理制御手段とを具備し、
前記携帯端末はさらに、
前記第2の送信手段により送信された前記事前表示情報を受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段により受信された前記事前表示情報に基づく画像を表示する表示手段と、
前記処理手段での受注処理のための前記操作を受け付ける受付手段とを具備する、ことを特徴とする配送注文受付システム。
[付記2] 前記取得手段は、前記通知手段により通知された前記識別コードが前記関連付け情報に含まれるならば、当該識別コードに関連付けられた前記事前表示情報を取得し、
前記処理制御手段は、前記通知手段により通知された前記識別コードが前記関連付け情報に含まれるならば、前記終了条件が成立したことに応じて前記受注処理を開始し、また前記通知手段により通知された前記識別コードが前記関連付け情報に含まれないならば、前記終了条件の成立を待つこと無く前記受注処理を開始するように前記処理手段を制御することを特徴とする付記1に記載の配送注文受付システム。
[付記3] 前記第1の送信手段は、それが備えられた前記棚札装置に対して前記携帯端末が近接したことに応じて前記識別コードを無線送信することを特徴とする付記1に記載の配送注文受付システム。
[付記4] 複数の商品の個々を識別するための識別コードと事前表示情報との関連を表した関連付け情報を記憶する記憶手段と、
携帯端末から前記識別コードが通知されたことに応じて、当該識別コードにより識別される商品の配送注文を、当該識別コードを通知した前記携帯端末での操作に応じて受け付けるための受注処理を行う処理手段と、
通知された前記識別コードに前記関連付け情報で関連付けられた前記事前表示情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記事前表示情報を前記携帯端末へと送信する送信手段と、
前記第2の送信手段により送信された前記事前表示情報に基づく表示の終了条件が成立したことに応じて前記受注処理を開始するように前記処理手段を制御する処理制御手段とを具備することを特徴とするサーバ装置。
[付記5] 複数の商品の個々を識別するための識別コードと事前表示情報との関連を表した関連付け情報を記憶する記憶デバイスと、通信デバイスとを備えたサーバ装置を制御するコンピュータを、
携帯端末から前記識別コードが通知されたことに応じて、当該識別コードにより識別される商品の配送注文を、当該識別コードを通知した前記携帯端末での操作に応じて受け付けるための受注処理を行う処理手段と、
通知された前記識別コードに前記関連付け情報で関連付けられた前記事前表示情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記事前表示情報を前記携帯端末へと送信するように前記通信デバイスを制御する送信制御手段と、
前記第2の送信手段により送信された前記事前表示情報に基づく表示の終了条件が成立したことに応じて前記受注処理を開始するように前記処理手段を制御する処理制御手段として機能させるための制御プログラム。
[付記6] 複数の商品の個々を識別するための識別コードを無線送信する棚札装置と通信する第1の通信デバイスと、サーバ装置と通信する第2の通信デバイスと、表示デバイスと、操作者による指示を入力する入力デバイスとを備えた携帯端末を制御するコンピュータを、
前記第1の通信デバイスにより受信された前記識別コードを前記サーバ装置に通知するように前記第2の通信デバイスを制御する通知制御手段と、
前記サーバ装置により送信されて前記第2の通信デバイスにより受信された事前表示情報に基づく画像を表示するように前記表示デバイスを制御する表示制御手段と、
前記識別コードにより識別される商品の配送注文を受け付けるための受注処理を前記サーバ装置で行うための操作を前記入力デバイスにより入力される前記指示に基づいて受け付ける受付処理手段として機能させるための制御プログラム。