【文献】
福島裕ら,新抗てんかん薬AD-810(Zonisamide)による難治てんかんの治験,臨床医薬,1986年,2(8),1179-87
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エーテル型添加剤が、α-モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテル、およびポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
エーテル型添加剤が、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとα-モノイソステアリルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとモノオレイルグリセリルエーテルの混合物、およびポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテルの混合物からなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
さらに、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
さらに、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントール及び大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0028】
(1)薬物
本発明の経皮吸収型製剤に配合される薬物は、1,2−ベンズイソキサゾール−3−メタンスルホンアミド(ゾニサミド)またはそのアルカリ金属塩である。ゾニサミドのアルカリ金属塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩が挙げられる。ゾニサミドは、例えば特公昭60−33114号公報、特公昭61−59288号公報、または米国特許第4172896号明細書に記載の方法に従って製造することができる。
【0029】
ゾニサミドは、てんかん、神経変性疾患(パーキンソン病を含む)などに有効であることが知られており(特公昭61−59288号公報、特許第3364481号公報)、日本においてはてんかんおよびパーキンソン病の治療薬として市販されている。よって、本発明の経皮吸収型製剤を、てんかんおよびパーキンソン病の治療に用いることができる。また、てんかんおよびパーキンソン病以外でも、ゾニサミドが有効な疾患であれば、本発明の経皮吸収型製剤をその治療に用いることができる。
【0030】
本発明の経皮吸収型製剤に配合される薬物は、薬物が塩の形態をとる場合には遊離塩基に換算して、経皮吸収型製剤(貼付製剤の場合は粘着剤層)100重量%中、通常、1〜50重量%程度であり、好ましくは、1〜40重量%程度、より好ましくは1〜30重量%程度であり、また好ましくは、5〜50重量%程度、より好ましくは5〜40重量%程度、さらに好ましくは5〜30重量%程度である。なお、ここで遊離塩基等に換算してとは、薬物が塩の形態をとっている場合、当該塩相当量は薬物の重量には含めないものとする意味である。
【0031】
(2)特定の添加剤
本発明における「エーテル型添加剤」とは、式(1):
【0033】
[式中、R
1は、炭素数8〜24の炭化水素基を表し、
R
2は、式(2):
【0037】
(式中、mは、1〜25の整数を表す。)
で表される基を表す。]
で表されるエーテルを表す。これらを1種または2種以上含んでいてもよい。
【0038】
本発明における「炭化水素基」とは、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数が8〜24のアルキル基、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数が8〜24のアルケニル基または炭素原子数が8〜24のアルキル基および/またはアルケニル基の混合系を表す。「炭素原子数」とは、各基の炭素原子の数を意味する。
【0039】
直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数が8〜24のアルキル基としては、具体的には、炭素原子数が8のn−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基および2−エチルヘキシル基などの全ての異性体を含むオクチル基、炭素原子数が9のn−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基およびネオノニル基などの全ての異性体を含むノニル基、炭素原子数が10のn−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基およびネオデシル基などの全ての異性体を含むデシル基、炭素原子数が11のn−ウンデシル基、イソウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基およびネオウンデシル基などの全ての異性体を含むウンデシル基、炭素原子数が12のn−ドデシル基(n−ラウリル基)、イソドデシル基(イソラウリル基)、sec−ドデシル基(sec−ラウリル基)、tert−ドデシル基(tert−ラウリル基)およびネオドデシル基(ネオラウリル基)などの全ての異性体を含むドデシル基(ラウリル基)、炭素原子数が13のn−トリデシル基、イソトリデシル基、sec−トリデシル基、tert−トリデシル基およびネオトリデシル基などの全ての異性体を含むトリデシル基、炭素原子数が14のn−テトラデシル基(n−ミリスチル基)、イソテトラデシル基(イソミリスチル基)、sec−テトラデシル基(sec−ミリスチル基)、tert−テトラデシル基(tert−ミリスチル基)およびネオテトラデシル基(ネオミリスチル基)などの全ての異性体を含むテトラデシル基(ミリスチル基)、炭素原子数が15のn−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、sec−ペンタデシル基、tert−ペンタデシル基およびネオペンタデシル基などの全ての異性体を含むペンタデシル基、炭素原子数が16のn−ヘキサデシル基(n−セチル基)、イソヘキサデシル基(イソセチル基)、sec−ヘキサデシル基(sec−セチル基)、tert−ヘキサデシル基(tert−セチル基)およびネオヘキサデシル基(ネオセチル基)などの全ての異性体を含むヘキサデシル基(セチル基)、炭素原子数が17のn−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、sec−ヘプタデシル基、tert−ヘプタデシル基およびネオヘプタデシル基などの全ての異性体を含むヘプタデシル基、炭素原子数が18のn−オクタデシル基(n−ステアリル基)、イソオクタデシル基(イソステアリル基)、sec−オクタデシル基(sec−ステアリル基)、tert−オクタデシル基(tert−ステアリル基)およびネオオクタデシル基(ネオステアリル基)などの全ての異性体を含むオクタデシル基(ステアリル基)、炭素原子数が19のn−ノナデシル基、イソノナデシル基、sec−ノナデシル基、tert−ノナデシル基およびネオノナデシル基などの全ての異性体を含むノナデシル基、炭素原子数が20のn−イコシル基、イソイコシル基、sec−イコシル基、tert−イコシル基およびネオイコシル基などの全ての異性体を含むイコシル基、炭素原子数が21のn−ヘンイコシル基、イソヘンイコシル基、sec−ヘンイコシル基、tert−ヘンイコシル基およびネオヘンイコシル基などの全ての異性体を含むヘンイコシル基、炭素原子数が22のn−ドコシル基、イソドコシル基、sec−ドコシル基、tert−ドコシル基およびネオドコシル基などの全ての異性体を含むドコシル基、炭素原子数が23のn−トリコシル基、イソトリコシル基、sec−トリコシル基、tert−トリコシル基およびネオトリコシル基などの全ての異性体を含むトリコシル基、ならびに炭素原子数が24のn−テトラコシル基、イソテトラコシル基、sec−テトラコシル基、tert−テトラコシル基、ネオテトラコシル基およびネオデシルテトラデシル基などの全ての異性体を含むテトラコシル基などが挙げられる。
【0040】
直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数が8〜24のアルケニル基としては、具体的には、炭素原子数が8のn−オクテニル基、イソオクテニル基、sec−オクテニル基、tert−オクテニル基およびネオオクテニル基などの全ての異性体を含むオクテニル基、炭素原子数が9のn−ノネニル基、イソノネニル基、sec−ノネニル基、tert−ノネニル基およびネオノネニル基などの全ての異性体を含むノネニル基、炭素原子数が10のn−デセニル基、イソデセニル基、sec−デセニル基、tert−デセニル基およびネオデセニル基などの全ての異性体を含むデセニル基、炭素原子数が11のn−ウンデセニル基、イソウンデセニル基、sec−ウンデセニル基、tert−ウンデセニル基およびネオウンデセニル基などの全ての異性体を含むウンデセニル基、炭素原子数が12のn−ドデセニル基、イソドデセニル基、sec−ドデセニル基、tert−ドデセニル基およびネオドデセニル基などの全ての異性体を含むドデセニル基、炭素原子数が13のn−トリデセニル基、イソトリデセニル基、sec−トリデセニル基、tert−トリデセニル基およびネオトリデセニル基などの全ての異性体を含むトリデセニル基、炭素原子数が14のn−テトラデセニル基、イソテトラデセニル基、sec−テトラデセニル基、tert−テトラデセニル基およびネオテトラデセニル基などの全ての異性体を含むテトラデセニル基、炭素原子数が15のn−ペンタデセニル基、イソペンタデセニル基、sec−ペンタデセニル基、tert−ペンタデセニル基およびネオペンタデセニル基などの全ての異性体を含むペンタデセニル基、炭素原子数が16のn−ヘキサデセニル基、イソヘキサデセニル基、sec−ヘキサデセニル基、tert−ヘキサデセニル基およびネオヘキサデセニル基などの全ての異性体を含むヘキサデセニル基、炭素原子数が17のn−ヘプタデセニル基、イソヘプタデセニル基、sec−ヘプタデセニル基、tert−ヘプタデセニル基およびネオヘプタデセニル基などの全ての異性体を含むヘプタデセニル基、炭素原子数が18のn−オクタデセニル基、イソオクタデセニル基、sec−オクタデセニル基、tert−オクタデセニル基、ネオオクタデセニル基、9−オクタデセニル基、リノイル基(cis−9,cis−12−オクタデカジエニル基)およびオレイル基などの全ての異性体を含むオクタデセニル基、炭素原子数が19のn−ノナデセニル基、イソノナデセニル基、sec−ノナデセニル基、tert−ノナデセニル基およびネオノナデセニル基などの全ての異性体を含むノナデセニル基、炭素原子数が20のn−イコセニル基、イソイコセニル基、sec−イコセニル基、tert−イコセニル基およびネオイコセニル基などの全ての異性体を含むイコセニル基、炭素原子数が21のn−ヘンイコセニル基、イソヘンイコセニル基、sec−ヘンイコセニル基、tert−ヘンイコセニル基およびネオヘンイコセニル基などの全ての異性体を含むヘンイコセニル基、炭素原子数が22のn−ドコセニル基、イソドコセニル基、sec−ドコセニル基、tert−ドコセニル基およびネオドコセニル基などの全ての異性体を含むドコセニル基、炭素原子数が23のn−トリコセニル基、イソトリコセニル基、sec−トリコセニル基、tert−トリコセニル基およびネオトリコセニル基などの全ての異性体を含むトリコセニル基、ならびに炭素原子数が24のn−テトラコセニル基、イソテトラコセニル基、sec−テトラコセニル基、tert−テトラコセニル基およびネオテトラコセニル基などの全ての異性体を含むテトラコセニル基などが挙げられる。
【0041】
本発明における炭化水素基の「混合系」とは、単一の炭化水素基でなく、複数の炭化水素基が含有されていることを意味する。例えば、アルキル(12〜14)は、炭素数12のドデシル基、炭素数13のトリデシル基、炭素数14のテトラデシル基の複数のアルキル基が含有されていることを意味し、オレイルセチルは、オレイル基とセチル基が含有されていることを意味する。
【0042】
R
1における好ましい範囲としては、炭素数が8〜24の炭化水素基、より好ましくは、炭素数が10〜18の炭化水素基、さらに好ましくは、炭素数が12〜18の炭化水素基である。
具体的には、好ましくは、炭素数が8〜24(より好ましくは炭素数が10〜18、さらに好ましくは炭素数が12〜18)の直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基、および混合系があげられる。
【0043】
式(1)で表されるエーテル型添加剤のうち、R
1は炭素数8〜24の炭化水素基を表し、R
2が式(2)で表されるグリセリル基である場合、すなわちグリセリルエーテル型添加剤である場合において、R
1としては、炭素数が10〜18の炭化水素基が好ましく、炭素数が12〜18の炭化水素基がより好ましく、炭素数が16〜18の炭化水素基がさらに好ましく、イソステアリル基またはオレイル基が最も好ましい。
【0044】
より具体的には、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、モノイソセチルグリセリルエーテル、ぎんざめ肝油中のアルキルグリセリルエーテルの主成分にあたるn−セチルグリセリルエーテルおよびn−ヘキサデセニルグリセリルエーテル、ならびに日本化粧品工業連合会の成分表示リストに登録されているイソデシルグリセリルエーテルが挙げられるが、本発明のグリセリルエーテル型添加剤としては、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、またはその混合物が好ましい。
【0045】
式(1)で表されるエーテル型添加剤のうち、R
1は炭素数8〜24の炭化水素基を表し、R
2が式(3)で表されるポリオキシエチレン基である式(1)の化合物の場合、すなわちPOEエーテル型添加剤である場合において、R
1が、直鎖状もしくは分枝状の炭素数8〜24のアルキル基、直鎖状の炭素数8〜24のアルケニル基または混合系の炭素数8〜24のアルキル基であるものが好ましく、直鎖状もしくは分枝状の炭素数12〜18のアルキル基、直鎖状の炭素数12〜18のアルケニル基または混合系の炭素数12〜18のアルキル基であるものがより好ましい。また、式(3)中の「m」は、酸化エチレンを付加重合して得られるPOEエーテル型添加剤における酸化エチレンの平均付加モル数を意味する整数値である。mは、1〜25の整数を表し、好ましくは2〜25の整数を表し、より好ましくは2〜20の整数を表し、さらに好ましくは2〜12の整数を表し、もっとも好ましくは3〜10の整数を表す。
より具体的には、R
1としては、デシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、エチルヘキシル基、ステアリル基、オレイル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)が好ましく、中でもドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基(セチル基)、オレイル基またはステアリル基がより好ましく、さらに、ドデシル基(ラウリル基)、ヘキサデシル基(セチル基)、オレイル基が最も好ましい。
好ましいPOEエーテル型添加剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(2−エチルヘキシル)エーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコール(C12〜13)エーテル、ポリオキシエチレン合成アルコール(C14〜15)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜15)エーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテルが挙げられる。
【0046】
式(1)の化合物のうち、好ましいエーテル型添加剤としては、式(4):
【0048】
[式中、R
1は、炭素数8〜24の炭化水素基を表す。]
で表されるグリセリルエーテル型添加剤、
または式(5):
【0050】
[式中、R
1は、炭素数8〜24の炭化水素基を表し、nは、2〜25の整数を表す。]
で表されるポリオキシエチレン(POE)エーテル型添加剤が挙げられる。
【0051】
より好ましいエーテル型添加剤としては、式(6):
【0053】
[式中、R
3は、炭素数16〜18の炭化水素基を表す。]
で表されるグリセリルエーテル型添加剤、
または式(7):
【0055】
[式中、R
1は、炭素数8〜24の炭化水素基を表し、pは、2〜20の整数を表す。]
で表されるポリオキシエチレン(POE)エーテル型添加剤が挙げられる。
式(4)中および式(5)中にR
1の好ましい範囲は上述したとおりであって、また、式(4)および式(5)中のR
1の値は、同一であっても、異なっていても良い。
また、式(7)中のR
1については、炭素原子数が12〜18のアルキル基またはアルケニル基が好ましく、式(6)中のR
3については、炭素原子数が16〜18のアルキル基またはアルケニル基が好ましく、それらの混合系でもよい。
式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤における「n」および式(7)で表されるPOEエーテル型添加剤における「p」も、各々独立して、酸化エチレンを付加重合して得られるPOEエーテル型添加剤における酸化エチレンの平均付加モル数を意味する整数値である。nは、2〜25の整数を表し、好ましくは2〜20の整数を表し、より好ましくは2〜12の整数を表し、もっとも好ましくは3〜10の整数を表す。pは、2〜20の整数を表し、好ましくは2〜12の整数を表し、もっとも好ましくは3〜10の整数を表す。
【0056】
本発明におけるエーテル型添加剤としては、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルが好ましく、本発明の経皮吸収型製剤にはこれらの好ましいエーテル型添加剤が1種含まれるかまたは2種以上含まれてよい。
さらに好ましいエーテル型添加剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルまたはこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
最も好ましいエーテル型添加剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。
【0058】
本発明においては、上述のごとく、エーテル型添加剤を1種または2種以上混合して用いることを特徴とするが、好ましい一態様として、
式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤と
(a)他の式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤
(b)式(4)で表されるグリセリルエーテル型添加剤
(c)ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤
のいずれか1種または2種以上の添加剤を併用する態様が挙げられる。この組合せにより、ゾニサミドの皮膚透過を顕著に促進することができる。
この併用において、好ましくは、
式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤が、式(5)においてnが2〜20、好ましくは2〜12、さらに好ましくは3〜10であるものである。
より好ましい併用としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテルであるエーテル型添加剤から選ばれた2種以上により、単独に比べてゾニサミドの皮膚透過を相乗的に促進することが可能である。とりわけ、ポリオキシエチレンラウリルエーテルについて、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、α−モノイソステアリルグリセリルエーテルおよびモノオレイルグリセリルエーテルから選ばれた1種以上のエーテル型添加剤との組み合わせ、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルとの組み合わせ、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルとの組み合わせが好ましい。
【0059】
本発明の経皮吸収型製剤は、エーテル型添加剤に加え、さらに、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含んでも良い。具体的には、
・式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤の少なくとも1種(式(5)においてnが2〜20、好ましくは2〜12、さらに好ましくは3〜10であるもの)、並びにミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む経皮吸収型製剤、
・式(4)で表されるグリセリルエーテル型添加剤の少なくとも1種、並びにミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む経皮吸収型製剤、
・式(5)で表されるPOEエーテル型添加剤の少なくとも1種(式(5)においてnが2〜20、好ましくは2〜12、さらに好ましくは3〜10であるもの)、式(4)で表されるグリセリルエーテル型添加剤の少なくとも1種、並びにミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む経皮吸収型製剤、
を提供する。この場合、エーテル型添加剤は、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、並びにミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチル、およびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む経皮吸収型製剤も提供する。
【0060】
以下、本発明に使用できるエーテル型添加剤の市販例を示す。
α−モノイソステアリルグリセリルエーテルは、医薬品添加物規格に収載されており、例えば、ペネトールGE−IS(花王株式会社製)として市販されている。
【0061】
モノオレイルグリセリルエーテルは、医薬部外品原料規格に収載されており、例えば、セラキルアルコール(日光ケミカルズ株式会社製)として市販されている。
【0062】
ポリオキシエチレンラウリルエーテルは、別名ラウロマクロゴールであり、日局および医薬部外品原料規格に記載されており 例えば、BLAUNON EL−1502.2、BLAUNON EL−1503P、BLAUNON EL−1505、BLAUNON EL−1505P、BLAUNON EL−1507、BLAUNON EL−1508P、BLAUNON EL−1509P、およびBLAUNON EL−1509.5(いずれも青木油脂工業株式会社製)、DKS NL−15、DKS NL−30、DKS NL−40、DKS NL−50、DKS NL−60、およびDKS NL−70(いずれも第一工業製薬株式会社製)、EMALEX 703、EMALEX 705、EMALEX 707、およびEMALEX 709(いずれも日本エマルジョン株式会社製)、エマルミンNL−70、エマルミンNL−80、エマルミンNL−90、エマルミンNL−100、エマルミンNL−110、およびラウロマクロゴール100(いずれも三洋化成工業株式会社製)、NIKKOL BL−2、NIKKOL BL−4.2、およびNIKKOL BL−9EX(いずれも日光ケミカルズ株式会社製)、ならびにエマルゲン104P、およびエマルゲン106(いずれも花王株式会社製)として市販されている。
【0063】
ポリオキシエチレンオレイルエーテルは医薬部外品原料規格、および医薬品添加物規格に収載されており、例えば、EMALEX 520(日本エマルジョン株式会社製)、BLAUNON EN−1507(青木油脂工業株式会社製)、エマルゲン420(花王株式会社製)、エマルミンCO−100(三洋化成工業株式会社製)、ノニオンE−215(日本油脂社製)、Newcol 1204(日本乳化剤社製)、およびNIKKOL BO−7V、BO−10V、BO−15V(日光ケミカルズ株式会社製)として市販されている。
【0064】
ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルは医薬部外品原料規格、および医薬品添加物規格に収載されており、例えば、NIKKOL BT−3、BT−5(日光ケミカルズ株式会社製)、ノイゲンET−115(第一工業製薬社製)およびサンノニックSS−90(三洋化成工業株式会社製)として市販されている。
【0065】
ポリオキシエチレンセチルエーテルは、例えば、EMALEX 120(日本エマルジョン株式会社製)、BLAUNON CH−310(青木油脂工業株式会社製)、エマルゲン220(花王株式会社製)、エマルミンCC−100(三洋化成工業株式会社製)、ノニオンP−210(日本油脂社製)、Newcol 1606(日本乳化剤社製)、およびNIKKOL BC−7、BC−10、BC−15(日光ケミカルズ株式会社製)として市販されている。
【0066】
他のPOEエーテル型添加剤として以下のものが挙げられる。
a)ポリオキシエチレンデシルエーテル: 例えば、FINESURF D−1303、FINESURF D−1305、FINESURF D−1307、およびFINESURF D−1310(いずれも青木油脂工業株式会社製)として市販されている。
【0067】
b)ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル: 医薬部外品原料規格に収載されており、例えば、EMALEX 1820(日本エマルジョン株式会社製)、FINESURF FO−80(青木油脂工業株式会社製)として市販されている。
【0068】
c)ポリオキシエチレントリデシルエーテル: 例えば、FINESURF TD−30、FINESURF TD−50、FINESURF TD−65、FINESURF TD−70、FINESURF TD−75、FINESURF TD−80、FINESURF TD−85、FINESURF TD−90、およびFINESURF TD−100(いずれも青木油脂工業株式会社製)、ノイゲンTDS−30、ノイゲンTDS−50、ノイゲンTDS−70、ノイゲンTDS−80、ノイゲンTDS−100、ノイゲンTDS−120(いずれも第一工業製薬株式会社製)、ならびにNewcol 1305(日本乳化剤株式会社製)として市販されている。
【0069】
d)ポリオキシエチレン(2−エチルヘキシル)エーテル: 例えば、BLAUNON EH−2、BLAUNON EH−4、BLAUNON EH−6、およびBLAUNON EH−11(いずれも青木油脂工業株式会社製)、ならびにNewcol 1004、Newcol 1006、およびNewcol 1008(いずれも日本乳化剤株式会社製)として市販されている。
【0070】
e)ポリオキシエチレンイソデシルエーテル: 例えば、FINESURF D−35、FINESURF D−60、FINESURF D−65、FINESURF D−85、セフティカットID−1033、セフティカットID−1055、およびセフティカットID−1061(いずれも青木油脂工業株式会社製)、ならびにノイゲンSD−30、ノイゲンSD−60、ノイゲンSD−70、ノイゲンSD−80、およびノイゲンSD−110(いずれも第一工業製薬株式会社製)として市販されている。
【0071】
f)ポリオキシエチレンイソセチルエーテル: 例えば、EMALEX 1605、およびEMALEX 1610(いずれも日本エマルジョン株式会社製)として市販されている。
【0072】
g)ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル: 例えば、EMALEX 2405、およびEMALEX 2410(いずれも日本エマルジョン株式会社製)として市販されている。
【0073】
h)ポリオキシエチレン合成アルコール(C12〜13)エーテル: 例えば、FINESURF NE−20、FINESURF NE−50、およびFINESURF NE−100(いずれも青木油脂工業株式会社製)、ならびにNewcol 2302、およびNewcol 2303(いずれも日本乳化剤株式会社製)として市販されている。
【0074】
i)ポリオキシエチレン合成アルコール(C14〜15)エーテル: 例えば、BLAUNON OX−33、およびBLAUNON OX−70(いずれも青木油脂工業株式会社製)として市販されている。
【0075】
j)ポリオキシエチレンアルキル(C12〜15)エーテル: 例えば、NIKKOL BD−4(日光ケミカルズ株式会社製)として市販されている。
【0076】
k)ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル: 例えば、FINESURF 230、FINESURF 250、FINESURF 270、およびFINESURF 290(いずれも青木油脂工業株式会社製)、ならびにNewcol NT−3、Newcol NT−5、Newcol NT−7、およびNewcol NT−9(いずれも日本乳化剤株式会社製)として市販されている。
【0077】
l)ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル: 例えば、ノイゲンET−69、およびノイゲンET−109(いずれも第一工業製薬株式会社製)、ならびにエマルミン 40、およびエマルミン 50(いずれも三洋化成工業株式会社製)として市販されている。
【0078】
本発明における式(1)で表されるエーテル型添加剤は、前記のように市販されているか、あるいは公知の化合物を原料に用いて公知の方法を用いて製造することができ、例えば以下に示す製造方法1および2に示す方法、下記の製造方法に類似の方法、または当業者に周知の合成方法を適宜組み合わせて製造することができる。
製造方法1:式(4)のエーテル型添加剤の製造方法としては、炭素数8〜24の直鎖または分岐のハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルケニル(ハロゲン化炭化水素)とグリセリンアルコラートとの縮合反応など公知の方法で得ることができる。合成法は公知の方法に従えばよく、予めグリセリンとカセイソーダまたはカセイカリなどでグリセリンアルコラートを調製し、更に、ハロゲン化炭化水素を反応させることで得られる。反応温度は100℃〜200℃、反応時間は1時間から5時間が適当である。得られた生成物は、通常、食塩などの無機塩を含むので、水洗、更に、メタノールまたはエタノールで再結晶を行ない、精製される。また、他の合成方法として、イソオクタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコールとエピクロロヒドリンからグリシジルエーテルを調製した後、それらのエポキシ結合を開環することでも得ることができる。得られた生成物は同様に食塩などの無機塩を含むので、水洗、更に、メタノールまたはエタノールで再結晶を行ない、精製される。
製造方法2:式(5)のエーテル型添加剤の製造方法としては、高級アルコール類に、まず1モルまたは2モルのエチレンオキシドを付加させたものを高純度に合成し、その後は通常の方法に従って、エチレンオキシドを所望のモル数まで付加させる方法、または、高級アルコール類を酸性触媒、多価金属触媒(酸化カルシウム、酸化マグネシウム)、または/および粘土鉱物触媒の存在下で、100〜150℃の温度で、低圧下でエチレンオキシドの付加を行う方法が挙げられる。
【0079】
その他の添加剤
本発明の他の一態様として、IPMおよび/あるいはラウリルアルコールを添加剤として使用できる。これらの添加剤は、一種以上のエーテル型添加剤と組み合わせても良い。すなわち、本発明は、(i)ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩、(ii)エーテル型添加剤、IPM、およびラウリルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種の特定の添加剤を含有する経皮吸収型製剤をも含む。すなわち、(i)ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩、(ii)IPMおよび/またはラウリルアルコールを含有する経皮吸収型製剤をも含む。
【0080】
本発明の経皮吸収型製剤に配合される特定の添加剤の配合量は、製剤(貼付製剤の場合には、粘着剤層)全量に対して、通常、0.01〜50重量%程度、好ましくは、0.1〜40重量%、より好ましくは、0.3〜40重量%、更に好ましくは、1〜40重量%である。
【0081】
(3)経皮吸収型製剤
本発明における経皮吸収型製剤の剤型としては、従来外用剤として使用されている剤型、例えば、貼付製剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ゲル状クリーム剤、ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、リニメント剤等、任意の剤型の外用剤として使用することができる。中でも貼付剤が好ましい。貼付剤(以下、貼付製剤ともいう。)とは、皮膚に貼り付けられる製剤全般を意味し、例えば、テープ製剤、パッチ製剤、パップ製剤、プラスター製剤等を含む。中でも、テープ製剤、またはパッチ製剤が特に好ましい。
本発明の経皮吸収型製剤は、製剤中に経皮吸収促進剤として上記特定の添加剤を適量配合させることにより、通常の方法で製造することができる。また、特定の添加剤と基剤との溶解性が思わしくない場合には溶解性を改善するために適宜溶媒を使用することもできる。次に、本発明の経皮吸収型製剤として、貼付製剤についてより詳細に説明する。
【0082】
貼付製剤の場合、上記特定の添加剤を、該製剤の粘着剤層に薬物(ゾニサミド)、並びに粘着剤と共に配合することができる。さらに必要に応じて、貼付製剤の製造に用いられる薬学的に許容される下記の製剤化成分を配合してもよい。
【0083】
本発明の貼付製剤に配合される薬物は、薬物が塩の形態をとる場合には遊離塩基に換算して、粘着剤層100重量%中、通常、1〜50重量%程度であり、好ましくは、貼付製剤の面積にもよるが、1〜40重量%程度、より好ましくは1〜30重量%程度であり、また好ましくは、5〜50重量%程度、より好ましくは5〜40重量%程度、さらに好ましくは5〜30重量%程度である。なお、ここで遊離塩基等に換算してとは、薬物が塩の形態をとっている場合、当該塩相当量は薬物の重量には含めないものとする意味である。
【0084】
本発明の貼付製剤に配合される特定の添加剤の配合量は、粘着剤層全量に対して、通常、0.01〜50重量%程度、好ましくは、0.1〜40重量%、より好ましくは、0.3〜40重量%、更に好ましくは、1〜40重量%である。添加剤を2種組み合わせる場合、その比率は適宜調整することが可能であるが、例えば、1:99〜99:1、好ましくは、1:9〜9:1の比率がよい。また、3種以上組み合わせる場合にも、同様に適宜調整することが可能である。
【0085】
本請求の範囲及び本明細書において、粘着剤層とは、支持体上に形成される薬物を含有する層のことであり、少なくとも、(i)薬物(ゾニサミド)、(ii)特定の添加剤、(iii)粘着剤を含有し、更にその他の製剤化成分を含んでいてもよい。
【0086】
本請求の範囲及び本明細書において単に「重量%」で表示されたものは、乾燥等によって溶媒等を実質的に含まない粘着剤層の総重量を100重量%としたときの重量%を意味する。
【0087】
本発明の貼付製剤に使用する粘着剤としては、皮膚安全性、薬物放出性、皮膚への付着性等を考慮して公知のものより適宜選択できる。好ましい粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等が例示できる。
【0088】
シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサン等のシリコーンゴムを主成分とするものが挙げられ、またゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプロピレンゴム、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が例示できる。
【0089】
アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体とする(共)重合体、具体的には、アクリル酸アルキルエステルを主体とする重合体、メタアクリル酸アルキルエステルを主体とする重合体、アクリル酸アルキルエステルを主体とする共重合体、メタアクリル酸アルキルエステルを主体とする共重合体、アクリル酸アルキルエステルとメタアクリル酸アルキルエステルを主体とする共重合体が挙げられる。この(共)重合体は、上述のような2種類以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体であってもよく、また(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合しうる官能性モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体であってもよい。
なお、ここで「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸又はメタアクリル酸」、或いは「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」を意味しており、また、「(共)重合体」とは、「重合体又は共重合体」、或いは「重合体及び/又は共重合体」を意味する。
【0090】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖又は分枝鎖の炭素数が1〜18のアルキルでエステル化された(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。官能性モノマーとしては、例えば、水酸基を有するモノマー((メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル等)、カルボキシル基を有するモノマー(マレイン酸ブチル、クロトン酸等)、アミド基を有するモノマー((メタ)アクリルアミド等)、アミノ基を有するモノマー(ジメチルアミノアクリル酸エステル等)、ピロリドン環を有するモノマー(N−ビニル−2−ピロリドン等)等が挙げられる。
【0091】
本発明のアクリル系粘着剤は、単独、または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、他の粘着剤との混合物であってもよい。他の粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。
【0092】
具体的な好ましいアクリル系粘着剤としては、これらに限らないが、例えば、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸シルクフィブロイン共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体等であり、例えば、市販品の三洋化成工業株式会社製「ポリシック410−SA」、東洋インキ製造株式会社製「オリバインBPS−4849−40」、ヘンケル社製「DURO−TAK87−2054」、「DURO−TAK 87−2194」、「DURO−TAK 87−2852」、「DURO−TAK87−4098」、「DURO−TAK 87−900A」、「DURO−TAK 387−2051」、「DURO−TAK387−2516」、コスメディ製薬株式会社製「MAS811」、「MAS683」、「MAS955」等が挙げられる。
【0093】
また、皮膚に対して適度な粘着性を持たせるために、必要に応じて硬化剤を添加してもよい。硬化剤としては、例えば、市販品の三洋化成工業株式会社製の「ポリシックSC−75」、東洋インキ製造株式会社製の「BHS8515」等が例示できる。その配合量としては、粘着剤の特性に合わせて適宜選択すればよく、例えば、粘着剤1重量部に対して0.001〜0.05重量部程度である。
【0094】
本発明の貼付製剤における粘着剤の配合量としては、粘着剤層中、薬物、特定の添加剤、および下記の必要に応じて添加する各種製剤化成分そのものを除いた残余であり、その量は粘着剤層を完成させるに必要な量である。したがって、例えば、粘着剤層が薬物を10重量%、特定の添加剤を20重量%含むものである場合、粘着剤は、約70重量%となる。
【0095】
ここで用いる粘着剤の粘着性は、医療用の貼付製剤として用いる程度のものであり、皮膚に貼付しやすく、また剥がすことにも特に問題のない程度の粘着性を意図する。
【0096】
本発明の貼付製剤中に必要に応じて配合される薬学的に許容される慣用の製剤化成分としては、配合しても不都合がなく、且つ、配合の必要性があるものならばいずれでもよく、例えば、安定化剤、粘着付与剤、可塑剤、香料、充填剤、増粘剤、硬化剤等が例示できる。
【0097】
安定化剤としては、これらに限らないが、例えば、アスコルビン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、酢酸トコフェロール、トコフェロール、没食子酸プロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
【0098】
粘着付与剤としては、これらに限らないが、例えば、エステルガム、グリセリン、水素添加ロジングリセリンエステル、石油樹脂、ロジン、ポリブテン等が挙げられる。可塑剤としては、これらに限らないが、例えば、ポリブテン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。香料としては、これらに限らないが、例えば、dl−メントール、オレンジ油、ハッカ油、レモン油、ローズ油等が挙げられる。充填剤としては、これらに限らないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アクリル酸デンプン100等が挙げられる。
【0099】
増粘剤としては、これらに限らないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、ペクチン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウム共重合体等が挙げられる。
【0100】
本発明の貼付製剤を皮膚からはがす際に肌残りがある場合にはさらに添加剤を加えることで性状改善を示す場合がある。例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが粘着剤層中の30%の場合、ポリオキシエチレンラウリルエーテルが粘着剤層中の15%、IPMが15%の場合に、肌残りがある性状を示す。以下の性状改善添加剤が、その肌残りの性状を改善すること見出した。
【0101】
本発明の貼付製剤は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントールおよび大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含んでもよい。
【0104】
で表され、式中のn
1は、2〜900の整数を表し、好ましくは2〜870の整数を表し、より好ましくは2〜570の整数を表す。ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール4000またはポリエチレングリコール20000が好ましい。
【0105】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、式:
【0107】
で表され、式中のn
2+n
4が50以上、n
3が3〜100の整数を表し、好ましくはn
2+n
4が100以上、n
3が3〜100の整数を表し、より好ましくはn
2+n
4が100〜250、n
3が3〜100を表す。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレン(70)グリコールが好ましい。
【0108】
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルは、式:
【0110】
(式中、R
4=C
16H
33またはC
18H
38あるいはその混合を示し、n
5が10以上、n
6が1以上の整数を示す。)で表され、好ましくはn
5が10以上、n
6が2以上の整数を表し、より好ましくはn
5が10〜30、n
6が3〜30の整数を表す。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルとしては、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテルまたはポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテルが好ましい。
【0111】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、式:
【化18】
【0112】
で表され、式中のR
5は炭素数8〜24の炭化水素基を表し、好ましくはR
5が炭素数11〜17の炭化水素基を表し、より好ましくはR
5が炭素数17の炭化水素基を表し、さらに好ましくはR
5がステアリル基を表す。また式中のn
7は2〜150の整数を表し、好ましくはn
7が5〜100の整数を表し、より好ましくはn
7が10〜60の整数を表す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとしては、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)またはモノステアリン酸ポリエチレングリコール(55)が好ましい。
【0113】
脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタンとしては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタンまたはモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好ましい。
【0114】
特定の添加剤を配合した貼付製剤が肌残りの性状を示す場合、性状改善添加剤をさらに添加すればよい。本発明の貼付製剤に配合される性状改善添加剤の配合量は、粘着剤層全量に対して、0.1〜20重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
【0115】
本発明における貼付製剤は、支持体の片面(一面)に上述の粘着剤層が形成され、粘着剤層の支持体と接触しない他方面には、適宜剥離ライナーが施されたものである。使用時にはこの剥離ライナーを剥がし、該貼付製剤の粘着剤層を皮膚に貼付することで経皮投与がされることとなる。
【0116】
支持体としては、薬物を透過しないもしくは透過しにくい素材のもの、薬物の放出に影響を及ぼさないものもしくは及ぼしにくいものであれば特に限定されず、伸縮性のものであっても、非伸縮性のものであってもよい。例えば、これらに限らないが、エチルセルロース、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、及びこれらの組合せが例示できる。また、粘着剤層が形成されない支持体の一面にPET製等の不織布が形成されていてもよい。また、単層構造の支持体であっても、複数の素材が積層された構造の支持体であってもよい。支持体は、無色透明であっても、白色又は肌色等に着色したものであってもよく、白色又は肌色等に着色したものは、支持体の表面を色素でコーティングしたものであっても、支持体中に色素又は顔料等を均一に練り込んだものであってもよい。
【0117】
粘着剤層が形成される支持体面は、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸化処理、ヘアライン加工、サンドマット加工等の表面処理をおこなっているものが好ましい。
【0118】
本発明の貼付製剤は通常の方法で製造することができる。例えば、「経皮適用製剤開発マニュアル」松本光男監修(1985)に記載のプラスター剤の製造に関する項に従って製造することができる。また、例えば、「経皮治療システム用貼付剤製造装置の開発(膜,32(2),116−119(2007))」に記載の装置、方法等により製造することができる。
【0119】
具体的には、本発明の貼付製剤、特にテープ製剤の調製において、粘着剤層を形成するには、通常の粘着テープの製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工法であり、これ以外にもホットメルト塗工法、電子線硬化エマルジョン塗工法等が用いられる。
【0120】
粘着剤層を溶剤塗工法で形成するには、例えば、薬物、粘着剤を含む混合液、及び経皮吸収促進剤や硬化剤等の製剤化成分と、有機溶媒とを混合して粘着剤層混合液を調製し、該混合液を支持体又は剥離ライナーの片面に塗布し、乾燥させて有機溶媒を除去し、乾燥の前後のいずれかのタイミングで剥離ライナー又は支持体を貼り合わせることによって製造することができる。得られる粘着剤層の厚さは約10〜約400μm程度、好ましくは約20〜約200μm程度の範囲である。但し、該粘着層の厚さはこれらの範囲に制限されず、これらより厚くても薄くても本発明の範囲である。
【0121】
粘着剤層の表面を被覆する剥離ライナーとしては、適宜選択されるが、その表面に剥離性能を有する剥離層を形成したもの、これらに限らないが、例えば、シリコン樹脂処理等をした紙バイナーやプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0122】
かくして得られた本発明の貼付製剤は、投与量等の要因に合わせて適当な大きさで製造されるか、又はカットしてそのような形態とされる。なお、その大きさの貼付製剤は実際に貼付する大きさよりも大きなテープとしていてもよく、また逆に小さなテープとしていてもよく、使用に際しては適宜切り取って使用したり、適当な枚数を並べて貼付してもよい。貼付される身体の部位は特に制限はないが、例えば、腕、肩、頸部、背中、腰、腹部、胸部、臀部、足等が挙げられる。本発明の貼付製剤は、貼付製剤に関する情報を記載した記載物とともに包装され、流通する。記載物はパッケージ上であってもよいし、パッケージ内に指示書として含めてもよい。
【0123】
次に、その他の経皮吸収型製剤である軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、及びローション剤の配合処方について簡単に説明する。
【0124】
軟膏剤は、薬物と、特定の添加剤に加えて、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸等の高級脂肪酸又はそのエステル、鯨ロウ等のロウ類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、親水ワセリン、プラスチベース等の炭化水素類を少なくとも配合するものである。この軟膏剤の製剤処方は、例えば、高級脂肪酸又はそのエステル5〜15重量%、界面活性剤1〜10重量%、薬物0.5〜10重量%、前記特定の添加剤0.1〜20重量%を室温又は加温下で混合し、ロウ類4〜10重量%、炭化水素50〜80重量%を加え、加温又は加熱融解し、50〜100℃に保ち、全成分が透明溶解液になった後、ホモミキサーで均一に混和する。その後、撹拌しながら室温まで下げることによって軟膏剤とするものである。
【0125】
ゲル剤は、薬物と、特定の添加剤に加えて、エタノール等の低級アルコール、水、カルボキシビニル重合体等のゲル化剤、トリエタノールアミン等の中和剤を少なくとも配合してなるものである。このゲル剤の製剤処方は、例えば、水55重量%以下にゲル化剤0.5〜5重量%を加えて膨張させる。一方、たとえば、薬物0.5〜10重量%と、前記特定の添加剤0.1〜20重量%をグリコール類40重量%以下と低級アルコール60重量%以下の混合物に溶解する。これら両者を混合し、更に中和剤を加えてpH4〜7となるように調整し、ゲル化剤が得られる。
【0126】
クリーム剤は、薬物と、特定の添加剤に加えて、ミリスチン酸エステル、オレイン酸エステル等の高級脂肪酸エステル、水、流動パラフィン等の炭化水素類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の乳化剤を少なくとも配合してなる。このクリーム剤の配合処方は、上記した薬物、前記特定の添加剤、高級脂肪酸エステル、水、炭化水素類、乳化剤を適量加え混合、撹拌することにより得られる。
【0127】
ローション剤は、薬物と、特定の添加剤に加えて、基材としてエタノール等の低級アルコール、水、グリセリン、及び/又はグリコール類を少なくとも配合する。このローション剤の配合処方は、上記した薬物、前記特定の添加剤、低級アルコール、水及び/又はグリコール類を適量加えて混合、撹拌することにより得られる。
【0128】
本発明の上記その他の経皮吸収型製剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、貼付製剤の場合と同様に、薬学的に許容される慣用の製剤化成分、例えば、安定化剤、香料、充填剤、増粘剤等を添加することができる。
【0129】
本発明の経皮吸収型製剤の好ましい態様としては、ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩;α−モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、およびポリオキシエチレンセチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種のエーテル型添加剤;並びに、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチルおよびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、および/またはポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントールおよび大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含有する経皮吸収型製剤が挙げられ、中でも、ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;並びに、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、オリーブ油、乳酸セチルおよびプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の添加剤、および/またはポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントールおよび大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含有する経皮吸収型製剤がより好ましく、ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;ミリスチン酸イソプロピル(IPM);並びにポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントールおよび大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含有する経皮吸収型製剤またはゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;並びにポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、乳酸エチル、乳酸セチル、炭酸プロピレン、メチルイソブチルケトン、l−メントールおよび大豆油からなる群より選択される少なくとも1種の性状改善添加剤を含有する経皮吸収型製剤が特に好ましい。
【0130】
また、本発明の経皮吸収型製剤のさらに別の好ましい態様としては、ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩、並びにポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとα−モノイソステアリルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとモノオレイルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとα−モノイソステアリルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとモノオレイルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルとα−モノイソステアリルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルとモノオレイルグリセリルエーテルの混合物、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物とからなる群より選択されるエーテル型添加剤を含有する経皮吸収型製剤が挙げられ、中でも、ゾニサミドまたはそのアルカリ金属塩、並びにポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとα−モノイソステアリルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンラウリルエーテルとモノオレイルグリセリルエーテルの混合物、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルとポリオキシエチレンオレイルエーテルとポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの混合物からなる群より選択されるエーテル型添加剤を含有する経皮吸収型製剤がより好ましい。
【実施例】
【0131】
以下に、実施例、比較例、参考例、試験例等を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の実施例等において「%」とあるのは「重量%(w/w%)」を意味する。
【0132】
支持体は、スリーエムヘルスケア株式会社製の50.8μmポリエチレンテレフタレート,エチレン酢酸ビニル共重合体ラミネートフィルム(Scotchpak#9732)を使用した。剥離ライナーは、藤森工業株式会社製のバイナシート64S−018Bを使用した。
【0133】
実施例1
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)1.78g、アセトン0.8ml、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、1,2−ベンズイソキサゾール−3−メタンスルホンアミド(ゾニサミド)を添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0134】
実施例2〜6、参考例1、2
実施例1のポリオキシエチレンラウリルエーテルの代わりに表1に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。用いたポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルのポリオキシエチレンの平均付加モル数は、それぞれ10、3、7であった。
【0135】
比較例1
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)2.19gにアセトン0.8mlを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドを添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0136】
比較例2
実施例1のポリオキシエチレンラウリルエーテルの代わりにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いてテープ製剤を製造した。
【0137】
試験例1
ヘアレスラット皮膚透過実験
In vitro拡散セルを用いて、6週令のヘアレスラットの腹部の皮膚に対しての実施例1〜6、参考例1〜2及び比較例1〜2で得られたテープ製剤についてのゾニサミドの皮膚透過性を調べた。すなわち、透過面積1.13cm
2のIn vitro拡散セルにヘアレスラットの皮膚をセットし、レシーバー液としてポリエチレングリコール400(マクロゴール400)とリン酸緩衝液の2:3混合液0.75mlを使用して、ドナー側の皮膚には各製剤を貼付した(n=4)。16時間にわたり37℃保温下、レシーバー液を撹拌した後、レシーバー液中のゾニサミド濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC AM312 ODS 5μm(6mmφ×150mm;YMC)、移動相:1%−酢酸:メタノール(3:2)、カラム温度:40℃、流速:1.5ml/分)により測定し、各製剤の透過量を求めた。結果を表1に示した。
【0138】
【表1】
【0139】
表1のとおり、透過促進剤としてよく知られているNMPではゾニサミドの透過が抑制されたが、本発明の特定の添加剤を使用することにより、ゾニサミドの皮膚透過を顕著に促進することが示された。このことは、本発明の特定の添加剤が特異的にゾニサミドの皮膚透過性を促進することを示している。
【0140】
実施例9
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)1.37g、アセトン0.8ml、並びに粘着剤層中の含有率が各々15%となるように第1の添加剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル及び第2の添加剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテルを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドを添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0141】
実施例10〜18
実施例9の第2の添加剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルの代わりに表2に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。
【0142】
比較例3
実施例9の第2の添加剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルの代わりにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いてテープ製剤を製造した。
【0143】
参考例3〜6
実施例1のポリオキシエチレンラウリルエーテルの代わりに表2に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。
【0144】
実施例19
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)1.37g、アセトン0.8ml、並びに粘着剤層中の含有率が各々15%となるように第1の添加剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル及び第2の添加剤としてポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドを添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0145】
実施例20〜21
実施例19の第2の添加剤であるポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテルの代わりに表2に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。
【0146】
実施例22
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)1.37g、アセトン0.8ml、並びに粘着剤層中の含有率が各々15%となるように第1の添加剤としてポリオキシエチレンアルキル(12〜14)エーテル及び第2の添加剤としてα−モノイソステアリルグリセリルエーテルを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドを添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0147】
実施例23
実施例22の第2の添加剤であるα−モノイソステアリルグリセリルエーテルの代わりに表2に示すモノオレイルグリセリルエーテルを用いてテープ製剤を製造した。
【0148】
試験例2
ヘアレスラット皮膚透過実験
試験例1と同様に実施例9〜23、比較例3および参考例3〜6で得られたテープ製剤についてのゾニサミドの皮膚透過性を調べた。結果を表2に示した。
【0149】
【表2】
【0150】
表2のとおり、本発明の特定の添加剤を2種組み合わせることにより、ゾニサミドの皮膚透過を顕著に促進することが示された。なお、第2の添加剤としてよく知られているNMPを組み合わせても全く促進効果は認められず、添加剤がない場合と同様であった。このことは、本発明の特定の添加剤の組み合わせが特異的にゾニサミドの皮膚透過性を相乗的に促進することを示している。
【0151】
実施例24
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、粘着剤層中の含有率が10%となるようにミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び性状改善添加剤として粘着剤層中の含有率が5%となるようにポリエチレングリコール200(マクロゴール200)を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0152】
実施例25〜45
実施例24の性状改善添加剤であるポリエチレングリコール200の代わりに表3に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。
【0153】
実施例46
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、粘着剤層中の含有率が15%となるようにミリスチン酸イソプロピル(IPM)を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0154】
実施例47
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が25%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、及び性状改善添加剤として粘着剤層中の含有率が5%となるようにポリエチレングリコール400(マクロゴール400)を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0155】
実施例48〜49
実施例47の性状改善添加剤であるポリエチレングリコール400の代わりに表3に示す種々の添加剤を用いてテープ製剤を製造した。
【0156】
実施例50
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が30%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0157】
試験例3
実施例24〜50で得られたテープ製剤についての性状を評価した。性状の判定は、膏体面に親指を押し付け剥がした時の肌残りについて、肌残りがなかった場合を「無」、肌残りがあった場合を「有」とした。表3に示すとおり、性状改善添加剤を追加して含有させることにより、製剤の性状を向上させることが示された。
【0158】
【表3】
【0159】
実施例51
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、粘着剤層中の含有率が10%となるようにα−モノイソステアリルグリセリルエーテル及び性状改善添加剤として粘着剤層中の含有率が5%となるようにポリエチレングリコール400を混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0160】
実施例52
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)0.69g、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、粘着剤層中の含有率が10%となるようにミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び性状改善添加剤として粘着剤層中の含有率が5%となるように乳酸エチルを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.4mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で2日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0161】
試験例4
試験例3と同じ方法で実施例51及び実施例52で得られたテープ製剤について、性状判定をおこなった。結果を表4に示した。
【0162】
試験例5
ヘアレスラット皮膚透過実験
In vitro拡散セルを用いて、6週令のヘアレスラットの腹部の皮膚に対しての実施例51及び実施例52で得られたテープ製剤についてのゾニサミドの皮膚透過性を調べた。すなわち、透過面積1.13cm
2のIn vitro拡散セルにヘアレスラットの皮膚をセットし、レシーバー液としてポリエチレングリコール400(マクロゴール400)とリン酸緩衝液の2:3混合液0.75mlを使用して、ドナー側の皮膚には各製剤を貼付した(n=4)。16時間にわたり32℃保温下、レシーバー液を撹拌した後、レシーバー液中のゾニサミド濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC AM312 ODS 5μm(6mmφ×150mm;YMC)、移動相:1%−酢酸:メタノール(3:2)、カラム温度:40℃、流速:1.5ml/分)により測定し、各製剤の透過量を求めた。結果を表4に示した。性状改善添加剤を加えても、特定の添加剤によるゾニサミドの皮膚透過性促進効果は維持されることが示された。
【0163】
【表4】
【0164】
実施例53
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)1.37g、並びに粘着剤層中の含有率が15%となるようにポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均付加モル数:10)、粘着剤層中の含有率が10%となるようにミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び粘着剤層中の含有率が5%となるようにモノオレイルグリセリルエーテルを混合した。この混合液に粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.8mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で7日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0165】
実施例54
実施例53のモノオレイルグリセリルエーテル代わりにモノステアリン酸ポリエチレングリコール(40)を用いてテープ製剤を製造した。
【0166】
比較例4
アクリル系粘着剤(MAS683、コスメディ製薬株式会社製、固形分36.5重量%)2.19gに粘着剤層中の含有率が20%となるように、ゾニサミドをアセトン0.8mlに懸濁して添加し、十分に攪拌した。得られた混合液を、乾燥後の粘着剤層の厚さが約60μmとなるように支持体上に展延し、室温で7日乾燥した。その後、剥離ライナーを貼り合わせてテープ製剤を製造した。
【0167】
試験例6
経皮吸収実験
7週齢のSD系雄ラットを麻酔し、背部を除毛した。1.5cm×1.5cmの大きさの実施例53、実施例54及び比較例4のテープ製剤を各々ラットの背部除毛部位に投与し、経時的に採血し、血漿を分離した。LC/MS/MSにより、ゾニサミドの血漿中濃度を測定した。その結果を
図1に示す。
図1のとおり、本発明の特定の添加剤を含有する製剤を使用することにより、添加剤を含有しない製剤に比較して、顕著に血漿中濃度が上昇した。すなわち、本発明の特定の添加剤により、ゾニサミドの皮膚透過性が促進された。