(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内側エンクロージャは、前記フライホイールマスの前記第1部分の破壊から生じる亀裂に耐え、かつ、その後の前記フライホイールマスの前記第2部分の破壊による亀裂にも耐える、請求項1に記載の装置。
前記フライホイールマスの前記第2部分は、前記フライホイールマスの前記第1部分によって格納された運動エネルギーの量と実質的に等しい運動エネルギーの量を格納するように設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明のいくつかの実施形態を説明する。デザイン、図面および説明は本願発明の実施形態の一例に過ぎず、これに限定するものではない。例えば、ここに開示されたもの以外の実施形態は、これらの特徴を含んでも含まなくてもよい。また、開示された利点および利益は、本願発明の特定の実施形態にのみ適用され、開示される発明はそれに限定されない。
【0018】
図1は、電気機械式フライホイール100を示す。電気的相互接続104は、エネルギー
変換ブロック102、パワーエレクトロニクスおよびコントロール106、および、電力ネットワーク108を電気的に接続する。
【0019】
特に断らない限り、ここで使用する用語“接続”は、Bに直接接続されるA、Dを介してEに間接的に接続されるCを指す。
【0020】
エネルギー
変換ブロック102は、スピニングアセンブリ110およびコアアセンブリ112を有する。格納システム101は、以下で説明するひとつ以上の格納特徴を有する。スピニングアセンブリ110は、電動発電機ローター114、フライホイールマス116、および、ハブ118を有する。コアアセンブリ112は、電動発電機ステーター120および電動発電機ステーターサポート122を有する。さまざまな例において、スピニングアセンブリ110は、示すように、シャフトレスである。
【0021】
電気的相互接続104は、任意の電気的導体接続、電気的インターフェース装置、電気的トランスデューサ等を有する。パワーエレクトロニクスおよびコントロール106は、任意のシリコンおよび/または半導体装置、および/またはデジタルプロセッサ、およびヒューマンインターフェースを含む関連インターフェースを有する。電力ネットワーク108は、1)ある例において、エネルギー
変換ブロック102への電力源であり、2)ある例において、エネルギー
変換ブロック102からの電力ユーザであり、3)ある例において、エネルギー
変換ブロック102への電力源であり、かつ、エネルギー
変換ブロック102からの電力のユーザである。
【0022】
図2は、選択された電気機械式フライホイール装置の機能およびイクイップメント200を示す。エネルギーストレージ202はフライホイール動作の中心である。電気機械式フライホイールにおいて、エネルギーストレージ202およびエネルギー変換204は運動エネルギーを電力に変換する手段、および/または、電力を運動エネルギーに変換するための手段を与える。エネルギー伝達206は、エネルギー変換のイクイップメント220、216と電力ネットワーク108との間で電力の伝達をもたらす。さまざまな例において、回路ブレーカー230のような電気スイッチは、電力伝達を可能にする導体の接続および切断をもたらす。さまざまな例において、他の電気機械式フライホイール装置の機能は、以下に説明するいくつかの補助サポート機能を有する。
【0023】
エネルギーストレージ202はスピニングアセンブリ110を使用する。さまざまな例において、サスペンションシステム210はスピニングアセンブリ110を支持する。サスペンションイクイップメントは、ベアリングまたはそれと同様の部材212を有する。ある例において、受動シャットダウンシステム215は、シャットダウンなどの選択された動作再開においてスピニングアセンブリ110を支持する。
【0024】
エネルギー変換204は、ジェネレータまたは電動発電機のような運動エネルギーを電力に変換する手段を利用する。電動発電機220が示されている。電動発電機220は、ローター114およびステーター120を有し、スピニングアセンブリ110を回転駆動するための手段、および、スピニングアセンブリ110によって回転駆動される手段を与える。さまざまな例において、パワーエレクトロニクス216は、電動発電機220および/または電力ネットワーク108から放出される電気波形の調整を可能にする。例えば、さまざまな例において、パワーエレクトロニクス216は、中間DCバス有するAC−ACコンバータにおいて周波数変換を与える。また、パワーエレクトロニクス216はフライホイールのローター114を加速するような可変速度駆動機能を与える。
【0025】
さまざまな例において、補助サポート機能208は以下に詳細に説明する補助サポートイクイップメントにより実行される。補助サポート機能208は、ハウジング240、安全装置242、真空装置244、冷却装置248、および、マン-マシンインターフェース246を有する。
【0026】
制御機能205は、監視、評価、命令および他の電気機械式フライホイール機能の制御の一つ以上を与える。特に、制御機能205は、エネルギーストレージ202、エネルギー変換204、エネルギー伝達206、および補助サポート208機能のひとつ以上の監視および/または制御を通じて電気機械式フライホイールの動作を可能にする。
【0027】
図3Aは、電気機械式フライホイールの第1部分300を示す。エネルギー
変換ブロック302は付加的な外側ハウジング338により包囲された内側ハウジング328に包囲されている。
【0028】
エネルギー
変換ブロック302は、スピニングアセンブリ310およびコアアセンブリ321を有する。スピニングアセンブリ310内に含まれるのは、電動発電機ローター314、電動発電機ローター314に接続され外周を取り囲むフライホイールマス316、フライホイールマス316に結合されたハブ318、および、可動サスペンションエレメント344である。いくつかの例において、非磁性のスリーブが、とりわけローター314を支持するために、ローター314とフライホイールマス316との間に挿入されている。ローター314、フライホイールマス316、ハブ318および可動サスペンションエレメント344は、軸線x−xに関して回転対称である。さまざまな例において、ハブ318はローター314に対して位置350に、および、フライホイールマス316に対して位置352に、それぞれまたは一方に取り付けられている。可動サスペンションエレメント344に対向して、内側ハウジング332の第1の壁を介して支持された固定サスペンションエレメント346がもうけられている。コアアセンブリ312には、ステーター320およびステーターサポート322が含まれる。ある例において、ステーターサポート322は内側ハウジング334の第2の壁に結合されている。
【0029】
電動発電機ステーター320の外周を包囲するのは、電動発電機ローター314である。さまざまな例において、ローター314は、磁石部354および非磁石部356を有する。ある例において、非磁石部356は、磁石部354をブロックまたは支持するマトリクス材料を有する。ある例において、磁気ローター部は、積層構造である。
【0030】
さまざまな例において、ステーター320は、可変電流を流すことができる導電体巻き線を有する一つ以上のコイルを有する磁石構造を含む。それによって、磁気構造体の磁束を変化させることができる。ある例において、第1ステーターコイル364は、軸線x−xに対してほぼ垂直に交差する軸線y−yの周りに形成されている。ある例において、第2ステーターコイル368は軸線x−xの周りに形成されている。ある例において、複数の第1ステーターコイル364が軸線y−yの周りに形成され、一つ以上の第2ステーターコイル368が軸線x−xの周りに形成されている。第1ステーターコイル364はアーマチュアコイルであり、第2ステーターコイル368はフィールドコイルである。
【0031】
またある例において、電動発電機360は、内部構成(ローターがステーターを包囲する)で示されるような単極装置である。当該単極装置は、a)ローター314と類似の回転可能ローターが、コイルレスの積層磁石構造を有し、b)ステーター320に類似の固定中心ステーターは磁気構造体内部の磁束を形成するためのコイルを有する積層磁気構造体を有し、c)ローターはステーターを包囲している。
【0032】
図3Bは、
図1の電気機械式フライホイールとともに使用するスピニングアセンブリ300Bを示す。スピニングアセンブリ部品は、フライホイールマス357、電動発電機ローター352、および、ハブ358を有する。さまざまな例において、フライホイールマス357は、ひとつ以上の層354、356を有する。それぞれの層は一つ以上の材料から形成されている。材料は、ひとつの以上のローター速度、温度を含む環境、寿命、強度、耐久性、信頼性、脱ガス量、および、他の動作性、信頼性およびコストに耐える基準に適した材料特性を与えるよう選択される。概して、適切な材料としては、ポリマー補強ファイバーの合成物、例えば、グラスファイバーおよび一つ以上の種類およびグレードのエポキシ補強カーボンを有するグラスファイバーおよびポリマー補強カーボンの強い合成物を含む。ここに参考文献として組み込む、「移動エネルギーストレージ用のフライホイールシステム用ハブおよびシリンダデザイン」と題する、米国特許第6,175,172号には、フライホイールマス構造技術および材料が開示されている。
【0033】
当業者であれば理解できるように、フライホイールマスの故障は、安全性に関するリスクをもたらす。特に、電動発電機の速度は、異常環境内でフライホイールマスストレスを作り出す。例えば、フープストレスは、フライホイールマスの故障の原因となる。このような故障中のエネルギーは、消散させなければならず、故障した部材は封じ込めなければならない。
【0034】
エネルギー消散手段は特定の時間間隔にわたって解放される特定量のエネルギーを消散するように設計される。エネルギー消散手段の電力定格は、単位時間あたりに放出される故障に関連するエネルギーを減少させることにより減少する。エネルギー消散手段の電力容量定格は故障による全エネルギー放出量を減少させることによって減少させることができる。
【0035】
ある例において、故障によるエネルギー量およびそのエネルギーの放出速度は、少なくとも第1および第2部分を有するフライホイールマスを使用することで減少する。ここで、第1部分は、速度超過などに起因して第2部分が故障する前に故障するように設計されている。フライホイールマスの故障はフライホイールマスの物理的特性を超える条件が原因であるか、フライホイールマスの一部が故意に弱い機械的故障および/または爆発、加熱、切断、衝撃等などの極端な力の印加に起因する。
【0036】
ある例において、フライホイールマスの一部はフライホイールマスのレイヤーである。例えば、第1部分として第1層および第2部分として第2層を有する2部構成のフライホイールマスが使用される。
【0037】
図3B、3Cに示すように、フライホイールマス357は、2つのレイヤー354、356を有する。2つのレイヤーは電動発電機ローターに隣接する内側レイヤー354および外側レイヤー356を含む。速度超過で故障するシナリオでは、外側レイヤー356の故障は、内側レイヤー354の故障の前に生じるように設計されている。外側レイヤー356の故障は、繊維およびマトリクス材料を含む材料、レイヤーの厚さ、製造方法、第1レイヤーと第2レイヤーとの間のインターフェース材料、衝撃装置、爆破装置、および真空エンクロージャ加圧などを適当に使うことにより実施可能である。
【0038】
外側レイヤー356が壊れたとき、外側レイヤー、すなわちフライホイールマスの最大直径部分が失われるので、先端速度(先端速度=半径×角速度、または、先端速度=r×ω)は最初減少する。先端速度は、その後、フライホイールマスを遅くさせるウインデージなどの摩擦プロセスを含むエネルギー消散プロセスにより、さらに減少する。さまざまな例において、フライホイールの速度超過による故障は、電気機械式フライホイール電動発電機への電力供給を断つ。つまり、フライホイールマス故障後にフライホイールマスの速度を増加または維持するための手段が断たれる。
【0039】
速度超過中にフライホイールマスの外側部分を擬制にしながらフライホイールマスの内側部分を保存することにより、速度超過によりフライホイールマスの故障が起きた場合に解放される全エネルギー量を減少させることができる。フライホイールマスが故障中に解放されるエネルギーの速度も減少する。結果として、フライホイールの故障により解放されるエネルギーを消散するように設計された安全装置の定格電力が減少する。
【0040】
ある例において、フライホイールマス357の内側レイヤー354および外側レイヤー356は、運動エネルギーを等しい割合(50/50)または、ほぼ等しい割合(50/50±20%)で保存するように設計される。この例において、エネルギー消散の電力定格は、他で要求されるものの約半分にまで減少される。
【0041】
ある例において、フライホイールマス357の内側レイヤー354は強度S1を有する材料から形成されており、フライホイールマス357の外側レイヤー356は強度S2を有する材料から形成されている。S1およびS2は、外側レイヤー356が電動発電機の第1の超過速度で故障し、内側レイヤー354はそれより速い電動発電機の第2の超過速度で故障するように選択される。下記の表は、選択材料の例を示す。
【表1】
【0042】
SI単位系におけるゼロ度での極限強度(MPa)において、300−400の範囲のグラスファイバー材料、1000−1300の範囲の低強度カーボンファイバー材料、および、1300−1600の範囲の高強度カーボンファイバー材料を含む。
【0043】
ある例において、中間および外側レイヤーはカーボンファイバー材料を含み、内側レイヤーはグラスファイバーを含む。他の例において、3つのレイヤーのすべては、実質的にカーボンファイバー材料から形成されている。さまざまな例において、ひとつ以上のレイヤーはテンションをかけてファイバーを巻くことにより予め応力がかけられており、固有の圧縮応力を有する円筒形シェルを実質的に形成する。
【0044】
図4は、第2の実施形態にかかる電気機械式フライホイール400を示す。エネルギー変換ブロック402は、外側ハウジング(図示せず)によって、全体または一部を包囲された内側ハウジング428によって包囲されている。
【0045】
エネルギー変換ブロック402は、スピニングアセンブリ410およびコアアセンブリ412を有する。スピニングアセンブリ410は、電動発電機ローター414、ローターを包囲し、かつ、結合されたフライホイールマス416、フライホイールマス416に接続されたハブ418、ハブ418を支持するためのサポートピン496、および、ハブ418を支持するための可動サスペンションアセンブリ492を含む。
【0046】
さまざまな例において、フライホイールマス416は、一つ以上の種類またはグレードのガラス繊維および、一つ以上の種類またはグレードの炭素繊維のような異なる材料の層を有する。ここに参考文献として組み込む、“HUB CYLINDER DESIGN FOR FLYWHEEL SYSTEM FOR MOBILE ENERGY STORAGE”と題する米国特許第6,175,172号にはフライホイールマス構造技術および材料が記載されている。
【0047】
図に示すように、フライホイールマス416は、ローターに隣接する第一の層としての内側層417、中間層419、および、外側層421を有する。ある例において、中間層419および外側層421は炭素繊維材料を含み、内側層417はガラス繊維を含む。他の例において、三層すべてが実質的に炭素繊維から形成されている。さまざまな例において、一つ以上の層が、テンションがかかった巻き繊維により予め応力がかけられており、固有の圧縮応力によって実質的に円筒形状のシェルを形成する。
【0048】
サポートピン496、可動サスペンションアセンブリ492、および、ハブ418は同軸上に配置されており、軸線x−xに関して回転対称である。サポートピン496は上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494との間のギャップ491の中に配置されている。ステーターサポート422から延在するのは、上部ベアリングキャリア490である。ハウジング432の第1の壁に支持されるのは、下部ベアリングキャリア494である。ある例において、上部ベアリングキャリア490の軸線x−xに沿った長さ493は、上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494との間でサポートピン496を回転可能に保持するように機能する。この意味で、上部および下部ベアリングキャリアはサポートピン496を介してスピニングアセンブリ410を捕捉する手段を与え、受動シャットダウンを含む機能に対して有用である。さまざまな例において、下部ベアリングキャリア494および可動サスペンションアセンブリ492は第1の電磁気ベアリングを導入する。
【0049】
第2の電磁気ベアリング451は、上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494から離隔されている。第2の電磁気ベアリング451は、ステーターサポート422によって支持された固定ベアリングステーター454、ステーターを磁化するための電気巻き線452、ローターに結合された対向位置ローター456を有する。図に示すように、電磁石の係合面498、499は、電磁石ベアリング力が軸線x−xに対して垂直となるように、軸線x−xに対して平行である。他の例において、上記傾斜した電磁石ベアリング面は、軸線x−xに平行な線に沿った成分と、軸線x−xに対して垂直な線に沿った成分とを有する電磁気ベアリング力を与える。
【0050】
コアアセンブリ412には、ステーター420および、内側ハウジング428の第2の壁434に結合されたステーターサポート422が含まれる。電動発電機ローター414は電動発電機ステーターを包囲する。さまざまな例において、ローターは磁石および非磁石部分(例えば、
図3の354、356参照)を有する。ある例において、非磁石部分は磁石部分を支持またはブロックするマトリクス材料を含む。ある例において、磁石ローター部分は積層体構造を有する。
【0051】
さまざまな例において、ステーター420は、可変電流を運ぶことができる導電体巻き線を有する一つ以上の一体型コイルを含む磁石構造を有する。それによって、磁石構造は、磁束を変化させる。
【0052】
典型的な、単極ステーターは、少なくとも2つの周辺リムおよび一つのより小さい中間リムを有する。これらのリムは、鉄のような磁性材料を含む。さまざまな例において、リムはそれぞれが実質的に環状の積層構造体である。
【0053】
図に示すように、ステーター420は、3つの大きい直径のリム464、466、470および2つの小さい直径のリム484、488を有する。実質的に環状またはドーナツ形状のポケット481が大きい直径のリムと小さい直径のリムとの間に形成されている。これらの3つのポケットの中で、軸線x−xを回転軸として、それを包囲するようにコイルが配置され、フィールド巻き線482、486を形成する。フィールドコイルに加え、ステーター420はアーマチュアコイル450も含む。
【0054】
アーマチュアコイル450は、各アーマチュアコイルが回転軸x−xと実質的に垂直の軸線y−yを包囲するように、大きいリム464、466、470の周辺においてスロット483と嵌合する(
図3参照)。
【0055】
ステーター420の各リムに対して、複数のローター磁極が存在する。外側のステーターリム464、470は軸線方向に離隔したローター磁極462、468(図中の実線で示す)を有し、中央のステーターリム466は軸方向に隣接するローター磁極463、469(図中の破線で示す)を有する。隣接するリム用のローター磁極(例えば、462、463)は軸線方向(x−x)に離隔されているだけでなく、ひとつのリム用のローター磁極が隣接するリムと関連する最も近いローター磁極から90電気角度だけ半径方向に離隔されるように、半径方向においても離隔されている。
【0056】
さまざまな例において、ターボ分子ポンプのような内部真空ポンプがフライホイールマス416から分子を除去するために与えられる。特に、速度が最大となるフライホイールマス周縁から分子を除去する。ここに参考文献として組み込む、米国特許第5,462,402号の“FLYWHEEL WITH MOLECULAR PUMP”には、ターボ分子ポンプおよびそれを組み込んだフライホイールシステムが記載されている。
【0057】
ある例において、第1の真空ポンプは、フライホイールマスの面459に関して近接して離隔された、ハウジング壁434から支持された固定ラビリンス形状リング458により形成されている。さまざまな例において、ラビリンスリングの溝は、動くフライホイール面459に対して排気作用を与える。ある例において、その溝は流れの方向に沿って概して減少する断面積を有するスパイラル形状である。またある例において、第2の真空ポンプは上記したものに類似のラビリンスリングによって形成される。それは、ステーター周辺部品(大きい直径のステーターリング454、464、466、470など)に固定されるか、または、対向位置ローター極(456、462、463、469、468)に固定される。
【0058】
ある例において、吸気領域および排気領域は真空可能な内側ハウジング428の内部に含まれる。吸気領域の少なくとも一部は、内側ハウジング428、ハブ418の外側面417、および、フライホイールマス416の外周面413の部分によって画定された境界を有する。排気領域の少なくとも一部は、真空バリアハウジングおよびコアアセンブリ412の部分によって画定された境界を有する。第1ドラグポンプは、フライホイールマス416の面459と真空バリアのハウジング壁434との間に設けられる。第2ドラグポンプは少なくともひとつのステーターリング466とローター414との間に設けられる。
【0059】
図5Aは、2+2極のシングルステージ単極装置500A用の隣接極平面におけるローター極の半径方向の千鳥配列を示す。ローター断面
図502およびローター514を参照して、第1極462は第1極平面Y1に配置され、反対位置の極463は同じ平面内に配置されている。同様の時計回りに隣接する極面Y2において、隣接する面の極465はY1面の極の間にある。この断面図では、Y2面464内の第2極は存在しない。
【0060】
極面Y1、Y2の平面
図504、506は各極面における極462、463、464および465を示す。それらは90°の角度だけ分離されている。この4極実施形態において、極は同様に90電気角度だけ分離されている。
【0061】
さまざまな例において、磁路は、隣接する千鳥格子極の間で伸長する。例えば、極アセンブリ508、510に示すように、磁路466、468は、極対462、463と463、464との間で伸長する。ここに示すように、磁路462−466−465および463−468−464によって、2つの連続磁路が4極装置ローター内に形成される。ある例において、それぞれの磁路アセンブリ462−466−465および463−468−464は、中央部466および468が他の関連部材462、465および463、464とそれぞれ実質的に直角に接続された、“Z”字形状を有する。とりわけ、この構造は磁路の容量を保存する。
【0062】
図5Bは、3ステージ装置用のローターおよびステーターを示す。各ステージは4つの極500Bを有する。ここで、ローター磁路アセンブリ560が、通常は円筒形のローター構造がロールしていない、つまり、平坦面として図示されている。磁路アセンブリ520、522、523、521は部材519の間にスペースを有する格子569を作るように配列されている。さまざまな例において、当該スペースは、非磁性体によって充填されてよい。
【0063】
格子569は、複数のステージA、B、Cが、それぞれ4つの極を有するように構成されている。例えば、ステージAは、第1の完全極557および、2つの半分極553、555からなる第2の極を有するN極面を有する。ステージAは、2つの完全極559、560を有するS極面を有する。したがって、ステージAのN極面およびS極面は全部で4つの完全な極を有する。
【0064】
各ステージは4つの磁路アセンブリまたはローター格子部を有する。例えば、ステージAは磁路アセンブリ520、522、520および522を有する。ステージBは磁路アセンブリ523、521、523、521を有する。ステージCはステージAと同様に、磁路アセンブリ520、522、520および522を有する。さまざまな例において、磁路アセンブリは、その向きのみが異なる。ここで、例えば、アセンブリ520は、アセンブリ522と軸線x−xと平行な軸線の周りに180°回転だけ異なると同時に、アセンブリ521と軸線x−xと垂直な軸線の周りに180°回転だけ異なる。
【0065】
ステーター562の断面図が示されている。ステーターは大きな直径のリム534、536、538、540、および、小さい直径のリム544、546、548を軸線x−xを中心軸として有する。第1および第2の大きい直径の中間リム536、538は、大きい直径のリム534、540の外周に間に挿入される。ひとつの小さい直径のリムは、リムが、534、544、536、546、538、548および540の順番で積まれるように、大きい直径のリムの各一対の間に挿入される。リムは、壁530を介して支持される結合されたステーターサポート532によって支持される。
【0066】
複数のアーマチュア巻き線、例えば、571、572は、スロットまたはより小さい構造を介して複数の大きい直径のリム外周部574と嵌合する。フィールド巻き線535、537、539は、ステーターの回転軸x−xを、各フィールド巻き線が一対の大きい直径リムの間にあるように、小さい直径のリムのそれぞれを包囲する一本のフィールド巻き線で包囲する。
【0067】
ローター569の格子構造は、ステーター534の第1リムがステージAのN極に対応し、ステーター536の第3リムがステージAのS極およびステージBのS極に対応し、ステーターの第4リムがステージBのN極およびステージCのN極に対応し、ステーターの第7リムがステージCのS極に対応するように、配置される。
【0068】
さまざまな例において、ベアリングがスピニングアセンブリおよびフライホイールマス116、316、416を支持するのに使用される。ここで示すスピニングアセンブリを支持するのに十分なベアリングの任意の組み合わせが、使用可能である。
【0069】
図6は、下部ベアリングキャリアおよびいくつかの関連部品600を示す。図面の上半分に示すように、フライホイールマスに結合するためのハブ618、ハブ618を支持するためのサポートピン696、ハブ618を支持するための可動サスペンションアセンブリ692、および、下部ベアリングキャリア694がもうけられている。ハブ618、サポートピン696、および可動サスペンションアセンブリ692は一緒に固定して結合されている(
図6では分解図で示す)。
【0070】
さまざまな例において、可動サスペンションアセンブリ692は、可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリングローター602を有する。ある例において、ベアリングは可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリング面603を有する。当該面は軸線x−xに平行なx1−x1軸線と当該面とによりなす角度θ1=0°で方向付けられている。ある例において、ベアリングは、0<θ1<90°(傾斜面)の角度を向いた面603を有する。それにより、軸線x−xに垂直な軸線に平行な電磁気ベアリング力成分、および、軸線x−xに平行な電磁気ベアリング力成分が与えられる。
【0071】
さまざまな例において、可動サスペンションアセンブリ692は、可動サスペンションアセンブリ永久磁石604を有する。また、ある例において、永久磁石は電磁気ベアリングローター602に付加される。ある例において、可動サスペンションアセンブリ磁石ホルダ606は可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリングローターおよび可動サスペンションアセンブリ永久磁石の一方又は両方を保持するためのホルダを与える。
【0072】
可動サスペンションアセンブリ692が電磁気ベアリングローター602を有する場合、下部ベアリングローターキャリア694は、対応する下部ベアリングキャリア電磁気ベアリングステーター614およびステーターを磁化するための下部ベアリングキャリアステーター電磁気コイル616を有する。ステーターは、ハウジングの壁632によって支持される下部ベアリングキャリアフレーム612によって支持される。
【0073】
ある例において、ベアリングステーターは積層構造である。ある例において、ベアリングは下部ベアリングキャリア電磁石ベアリング面615を有する。当該面は、軸線x−xに平行なx2−x2軸および当該面とのなす角度θ2=0°で方向付けられる。ある例において、ベアリングは、0<θ2<90°(傾斜面)の角度を向いた面615を有する。それによって、軸線x−xに垂直な軸線に平行な電磁気ベアリング力成分、および、軸線x−xに平行な電磁気ベアリング力成分が与えられる。当業者が理解するように、ベアリング面603、615は直線のローター面が直線のステーター面と一致し、かつ、傾斜ローター面と傾斜ステーター面とが一致するように、連係する。
【0074】
可動サスペンションアセンブリ永久磁石604が使用される場合、下部ベアリングキャリア694は、対向位置の永久磁石620を有する。ある例において、下部ベアリングキャリア永久磁石ホルダ619は、下部ベアリングキャリアフレーム612から支持され、永久磁石620を支持する。
【0075】
さまざまな例において、下部ベアリングキャリア694は、減摩ベアリング622のような下部ベアリングキャリアランディングベアリングを有する。ランディングベアリングは下部ベアリングキャリアフレーム612から支持される。ある例において、ダンピング材料624はランディングベアリングに対する着座材を与える。
【0076】
図7は、上部ベアリングキャリアおよびいくつかの関連部品700を示す。上部ベアリングキャリア790は、固定プレート702および可動プレート704を有する。
【0077】
固定プレート702は溝形式のコイルスペース706を有する。当該溝は可動プレート730に面する固定プレート702の側にある。コイル707により包囲される磁気材料を磁化するための電気コイル722が含まれる。
【0078】
可動プレート704はスプリングスペース708および機械的ベアリングスペース710を有する。スプリングスペース708は、可動プレート704の減少する直径部が固定プレート732に面するプレートの側に延在し、かつ、コイルスプリング720のようなスプリングがこのスペースを占めるように形成される。ベアリングスペース710は、固定プレート732に面する可動プレート面と対向する可動プレート面734の中心のキャビティである。この電磁石の動作はスプリングを圧縮しプレートを一緒に引く。
【0079】
さまざまな例において、上部ベアリングキャリア790は、減摩ベアリング716のような上部ベアリングキャリアランディングベアリングを有する。ランディングベアリングは可動プレートキャビティ710内に配置される。ある例において、ダンピング材料718はランディングベアリングに対する着座材を提供する。
【0080】
図6および
図7に示すように、サポートピン696は上部ベアリングキャリア790および下部ベアリングキャリア694との間で伸長する。また、上部ベアリングキャリアランディングベアリング716、サポートピン696、可動サスペンションアセンブリ692、下部電磁石ベアリングステーター614、下部ベアリングキャリア永久磁石620、および下部ベアリングキャリアランディングベアリング622は、可動プレート704が下部ベアリングキャリア793の方向に移動するとき、サポートピンの上方端728および下方端628が上部ランディングベアリング716および下部ランディングベアリング622とそれぞれ係合し、かつ、それぞれのランディングベアリング726、626の中央アパーチャと係合するように、軸線x−xを中心として配置される。
【0081】
図8は、電気機械式フライホイール800の他の実施形態を示す。フライホイールマス831は、金属ライナー830を有する単極電動発電機ローターを包囲しかつ結合されている。ローターは、N極ローター824、832を有する。S極ローターは図示していない。
図5BのステージAおよびステージBを参照して、S極ローターが同様に配置される。
【0082】
ステーターサポート811は電動発電機ステーター828に結合される。フィールド巻き線826およびアーマチュア巻き線820は上述したのと同様の方法で一体化される。
【0083】
ローター830およびフライホイールマス831を支持するのは、ハブ846である。当該ハブは上部および下部ベアリングキャリア860、862との間に係合および/または配置されたサポートピン864によって支持される。
図6および
図7に、同様のベアリングキャリアが詳細に示されている。第1電磁気ベアリング866は下部ベアリングキャリア内に配置される。第2電磁式ベアリング870は第1および第2ベアリングキャリアから離隔されており、ベアリングステーター818、ベアリングローターおよびステーターを磁化するためのステーターコイル814を有する。
【0084】
電磁気フライホイールハウジングは内部真空バリア812を有する。ある例において、外側ハウジング807は真空バリアを支持する。適当な真空バリアの材料として、ステンレススチールおよび当業者に周知の他の材料が含まれる。
【0085】
さまざまな例において、ステーターサポート811は中空構造を有し、同軸チューブ801が内部に配置されている。同軸チューブ801はステーターサポート802に進入する液体冷媒を閉じこめる。サポート構造の内径と同軸チューブ801の外径との間の環状部分はステーターサポート803を流れる冷媒用の流路を与える。環状部分を通じて流れる冷媒はステーター828から熱を吸収し、さまざまな例において、流入口802内にポンプによって戻る前にクーラーによって冷却される。
【0086】
ある例において、熱パイプ808はステーターを冷却する。複数の熱パイプの各々は、ステーターに近接した位置にステーターアマーチュア巻き線スロット872のような熱吸収第1端を有する。熱パイプの熱放出端は真空バリア874に接触するほど真空バリアに近接した位置にあり、または、上述の冷媒流によって冷却される。
【0087】
上述したように、電気機械式フライホイール100における、冷却装置248およびステーターサポート122などのシステムおよび構造体は、相関設計されている。
【0088】
格納システム101は相関設計の付加的な例を与える。さまざまな格納システムの例において、複数の相関構造は、構造サポート、真空バリア、一次圧力壁、冷媒流路、および、熱伝達経路のひとつ以上を与える。当業者が理解するように、一次圧力エンクロージャの一次圧力壁は、とりわけ、到達圧力およびフライホイールマスが故障中に放出された副産物を封じ込める。
【0089】
図9Aは、多目的格納システム900Aの断面分解図を示す。多目的格納システムは、真空バリアを与えるための内側エンクロージャ906、一次圧力壁を与えるための中間エンクロージャ904、および、冷媒流路を与えるための外側エンクロージャ902を有する。複数のエンクロージャのこれらおよび他の特徴は以下で詳細に説明する。当業者が理解するように、一次圧力壁の厚さは、典型的に、到達圧力およびフライホイールマスの故障中に放出される副産物を封じ込めるために必要な強さに応じて決定される。よって、一次圧力壁の厚さは、壁材料、および、対抗するべき圧力および力を含む条件に依存する。真空バリアは一次圧力壁によって支持される場合、典型的に、その厚さは、一次圧力壁に比べ薄くできる。例えば、さまざまな例において、アルミニウム製の真空バリア壁の厚さに対する鋼鉄製の一次圧力壁の厚さの比率は、2から20の範囲が好ましい。
【0090】
内側エンクロージャ906は内側シリンダ壁936を有する。内蓋916はシリンダフランジ946を介してシリンダの一端を閉じるように動作する。内底926はシリンダの反対端を閉じる。この例において、ステーターサポート987は内蓋の中央部からぶら下がっている。内側エンクロージャは、例えば、アルミニウムおよび/またはステンレススチールのような金属の適当な真空シーリング材から形成されている。アルミニウムおよびステンレススチールは、酸化および汚染物質の形成を防止するため、クリーンな真空環境を促進する。さまざまな例において、クリーンな真空環境はドラグポンプを含む真空ポンプの動作を促進し、かつ、適当な真空圧力を維持する。
【0091】
中間エンクロージャ904は内側エンクロージャ906を内包する。中間エンクロージャは内側シリンダ壁934を有する。内側エンクロージャ916の蓋が中間シリンダ944の端面と中間蓋との間でシールされるように、中間蓋914はシリンダの一端を閉じるように動作する。中間底924はシリンダの反対端を閉じる。中間エンクロージャは、例えば、鋼鉄および/または鋼鉄合金のような適当な圧力容器材料から形成されている。適当な材料の厚さは、使用される材料および選択された設計の破損のシナリオ中に吸収されなければならないエネルギーを考慮して選択される。さまざまな例において、圧力容器の壁の厚さおよび/または強度はエネルギー消散要求を制限することにより減少させることができる。例えば、フライホイールマスは、フライホイールの故障によるエネルギー解放を減速または減少させる特徴を有してよい。
【0092】
内側および中間エンクロージャ906、904との間のギャップが示されているが、そのギャップにフィットするインターフェースおよび/または伝達化合物を有してもよい。それにより、一つの壁から他の壁へ熱伝導が可能になる。例えば、ステーターから放射される熱(例えば、
図8の828)は内側エンクロージャ936の壁に伝達し、ギャップがなければ、中間エンクロージャ934の壁に熱伝導する。
【0093】
外側エンクロージャ902は中間エンクロージャ904を内包する。外側エンクロージャは外側シリンダ壁932を有する。外蓋912はシリンダフランジ942を介してシリンダの一端を閉じるように動作し、外底922は反対端を閉じる。外側エンクロージャは、鋼鉄または鋼鉄合金のような適当な真空シーリング材から形成されている。
【0094】
分流隔壁908は中間壁934と外側壁932との間の環状路を、内側および外側環状路に分割するための円筒形隔壁938を有する。円筒形隔壁の端部は、円筒形隔壁と中間シリンダ壁934、内蓋916、および/または中間蓋914のような隣接構造との間にシーリングを与えるための内側に向いたシールリング948を有する。ひとつ以上の冷媒排出コンジット958がシールリングを貫通し、内側環状空間951と流体的に係合するための手段を与える。隔壁は金属およびプラスチックのような適当な冷媒流路材料から形成される。実施形態において、隔壁は高密度のポリエチレンプラスチックまたは塩化ポリビニルプラスチックのようなプラスチックから形成される。
【0095】
図9Bは、
図9Aの格納システムの断面の略示図である。内側壁936は中間壁934によって周りを覆われ、中間壁は外側壁932によって周りを覆われている。外側壁は隔壁938の周りに位置し、隔壁は中間壁934の周りに位置する。その結果、中間壁と外側壁との間の環状空間が内側環状空間951および外側環状空間953に分割される。
【0096】
図9Cは、組み立て後の
図9Aの格納システム900Cを示す。ステーター120、ローター114、および、フライホイールマスを有するフライホイールの内部は省略してある。フライホイール内部については
図8を参照せよ。
【0097】
フライホイールの動作中、熱は内側エンクロージャのフライホイール空間981内に解放される。さまざまな例において、この熱は冷媒(矢印で示す)および包囲体983の一方または両方に伝達される。冷媒が流路および冷却システムのどこかを通じて移動するに従い、熱は冷媒によって交互に吸収・放出される。
【0098】
冷媒は、ステーターサポート環状流空間992を画定するステーターサポート中央キャビティ991内に挿入される冷媒吸入コンジット988を通じて格納システム960に流入する。流入コンジット962からの冷媒流は、環状流空間964を流れ、ステーターサポート壁993に伝達される熱を吸収する。ステーターサポート環状空間966からの冷媒流は、外蓋912と中間蓋914との間の流体プレナム968に移送される。プレナム970を離れた流れは、外側環状空間953に移送される。さまざまな例において、冷媒は外側エンクロージャ壁932をまたぐ熱伝導を介して包囲体983へ熱を放出する。外側環状空間953からの流れ972は内側環状空間974に移送される。さまざまな例において、冷媒は中間および内側エンクロージャ壁934、936をまたぐ熱伝導により熱を吸収する。内側環状空間951からの冷媒の流れ976は冷媒排出コンジット978に伝達される。
【0099】
ある例において、格納システムの性能はハイブリッド格納構造を使用することにより強化される。ハイブリッド格納構造は、例えば、オーバーコートまたはオーバーラップのような外側構造によって強化された比較的薄い壁のエンクロージャを有する。典型的なオーバーラップは、グラスファイバーおよび/またはカーボンファイバーのポリマーマトリクスを含む。強化性能は、強度の向上、軽量化、および部品数の減少の一つ以上を含む。
【0100】
図9Dは、ハイブリッドの一次圧力エンクロージャ900Dを利用する格納システムの断面略示図である。ハイブリッド一次圧力エンクロージャ917は、中間シェル911および外側オーバーラップ913を有する。上述した真空バリアに類似の内側エンクロージャ909はフランジ915を有する。フランジは一方側でハイブリッド一次圧力エンクロージャと、反対側で内側および中間蓋907、905との間に挿着される。
【0101】
さまざまな例において、オーバーラップの厚さt14および中間シェルの厚さt12は、ハイブリッド一次圧力エンクロージャ側壁の厚さt15を画定する。シェルの底は、厚さt10を有し、ある例において、底は、オーバーラップされないため、t10>t12である。当業者が理解するように、材料の厚さは、材料の種類、環境および期待される耐荷重を含むファクタに基づいて選択される。
【0102】
さらにさまざまな例において、ハイブリッド一次圧力エンクロージャは、中間シェル911と外側オーバーラップ913との間で軸線x−x方向に軸荷重を伝達する。例えば、中間シェルとオーバーラップ921との間のインターフェースに適用される接着剤、および/または、中間シェル923の粗い外側面は、軸方向の相対移動を制限する。
【0103】
蓋905、907をハイブリッド一次圧力エンクロージャ917に取り付けるためのクロージャ特徴が設けられる。第1の例901において、ヘッド付きクロージャボルトが、蓋に取り付けるために使用される。圧力エンクロージャの上面925における螺刻ボア951、並びに、フランジ949、内蓋947、および、内蓋945との嵌合を通じて、螺刻ボルト961が使用される。第2の例903において、圧力エンクロージャの上面における螺刻ボア967、並びに、フランジおよび蓋との嵌合を通じて、螺刻スタッドが挿入される。その上にナットが取り付けられてクロージャが完成する。さまざまな例において、オーバーラップに配置された螺刻挿入は、シェル内の螺刻ボア(図示せず)よりも強固なボルト結合を与える。
【0104】
図9Eは、ハイブリッド内側エンクロージャ900Eを利用する格納システムの断面略示図である。ハイブリッド内側エンクロージャ971は内側エンクロージャおよび一次圧力エンクロージャの両方の機能を有する。ハイブリッド内側エンクロージャは内側シェル937および外側オーバーラップ939を有する。内側シェルは上述した真空バリアと類似しており、フランジ915を有する。フランジは一方側でハイブリッド内側エンクロージャと他方側で内側および中間蓋933,931の間に挿入される。
【0105】
さまざまな例において、オーバーラップの厚さt24は内側シェルの厚さt22とともに、ハイブリッド内側エンクロージャ壁の厚さt25を画定する。当業者が理解するように、材料の厚さは、材料の種類、環境および所望の耐荷重を含むファクタに基づいて選択される。
【0106】
また、さまざまな例において、ハイブリッド一次圧力エンクロージャは内側シェル937と外側オーバーラップ939との間でx−x方向に荷重の移動をもたらす。例えば、内側シェルとオーバーラップ973および/または内側シェル975の粗い表面との間のインターフェースに付着された接着剤が軸線方向の相対移動を制限する。他のクロージャ特徴は、当業者に周知のものである。
【0107】
動作中、電気機械式フライホイールのフライホイールマスは、フライホイール充電中に電動発電機によって加速される。充電中に、エネルギーは電動発電機に伝達される。放電中に、電動発電機はフライホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、それに伴いフライホイールマスは減速する。パワーエレクトロニクスは、電動発電機および機械的に結合されたフライホイールマスを駆動させるためにネットワーク電力の変換を与える。パワーエレクトロニクスは、電力が伝送される電気ネットワークによる使用に適した波形に、電動発電機で生成された電力を変換する。
【0108】
動作中、格納システムは一次圧力壁を与える。例えば、
図9Cに示すように、格納システム900Cが与える一次圧力壁906は、フライホイールの故障が生じた場合に壊れる。さまざまな例において、フライホイールスペース981内の真空維持を可能にする真空バリアが内側エンクロージャ902によって与えられる。冷媒流スペースが外側エンクロージャ902によって与えられる。冷媒流スペースは、分流シュラウド908によって内側流路951および外側流路953に分割される。ステーターサポート987内に流れる冷媒によって吸収される熱、および、内側環状流路内を流れる冷媒によって吸収される熱は、外側エンクロージャ壁932を通じる外部環境983への熱伝達によって、および、熱旋風クーラーなど(図示せず)による外部流体から格納システムへの熱伝達の一方または両方によって放出される。
【0109】
複数のエンクロージャを使用する他の例として、エンクロージャどうし間での移動を制限するような入れ子状エンクロージャによる機械的なアイソレーションがある。
【0110】
図10A−10Dは、
図8に示すものと類似の電気機械式フライホイールのような電気機械式フライホイール用の機械的アイソレーションシステム1000A−Dを示す。
図10Aは、外側アセンブリ1003および内側アセンブリ1001である。
【0111】
外側アセンブリ部分は、外側エンクロージャ1002、外側エンクロージャの蓋1012、内側エンクロージャ1006、内側エンクロージャの蓋1016、および、ステーターサポート1018を有する。内側アセンブリ部分は、中間エンクロージャ1044、ステーターサポート1018、内側蓋1016、および、中間蓋1014を有する。ステーター、ローター、ベアリング、および、上述した他の部品は、説明の都合上、
図10A−Cには示していない。これらについては、上述した説明を参照されたい。
【0112】
バネ状、ダンピング状、および/またはピボット状のアセンブリ間の動きの制限/緩衝を与える材料および/または装置によって、内側および外側アセンブリ1001、1003は、少なくとも部分的に機械的に分離される。さまざまな例において、アセンブリの中心線が発散するような半径方向のオフセット、アセンブリの軸線方向のスペースが変化するような軸方向オフセット、および、これらのミスアライメントの組み合わせによって、アセンブリは分離可能である。
【0113】
ある例において、内側アセンブリ1001は、下部のピボット型サポート1030および、ひとつ以上の上部の弾性サポート1020−1023によって支持される。下部のピボット型サポートは雌ピボット構造1032と嵌合する雄ピボット構造1034を有する。ピボットが実質的に尖っているか、またはボールおよびソケットのように丸まっているか、または、当業者の知る他の形状をとるかは、材料、耐荷重、速度、および製造および組み立てのひとつ以上の変数によって影響される。また、雌雄嵌合が、外側エンクロージャの外側チューブ1042および中間エンクロージャ底1040に存在するか否かは、製造および組み立て工程を考慮した変数により影響される。
【0114】
内側および外側アセンブリ1001、1003が一緒に取付けられるとき、外側エンクロージャ1002は内側アセンブリ1001に対してサポートを与える。
【0115】
半径方向および軸線方向の両方のサポートは、雄ピボット突起1035を受ける雌ピボットソケット1033を介してピボットサポート1030によって与えられる。中間エンクロージャ1004の底1040は外側エンクロージャの底1042から支持される。
【0116】
半径方向のサポートは、内側および外側エンクロージャ1005の間の環状スペース内に配置される弾力性サポート1020−1023によって与えられる。
図10Aに示すように、弾力性サポート1020、1022は、中間エンクロージャ1044の外側面1051と外側エンクロージャ1046の内側面1052との間に伸長する。さまざまな例において、弾力性サポートは、外側エンクロージャと中間エンクロージャの一方または両方に、接着剤、ねじまたは当業者に周知の手段によって結合される。
【0117】
弾力性サポートは、機械的スプリングダンパー装置のような機械的装置、および、圧縮性、ダンピング特性、バネ係数および動作温度などの所望の特性を有するバルク材料から形成されるサポートを有する。適切なバルク材料は、加えられる荷重および所望の動作条件に対応するように選択される。典型的な材料は、天然ゴム、ブチルゴムを含む合成ゴム、および、ポリウレタンのようなさまざまなポリマーを含む。典型的な製品として、BASF社製のCellasto(商標)、DuPont社製のVamac(商標)がある。
【0118】
図10Dはバルク1000Dから形成される弾力性支持ブロックを示す。ブロックは、幅w1および高さh1の断面を有する。ブロックは長さl1を有し、それは選択された材料から形成される際に適当なサポートを与えるべく断面積に応じて選択される。ブロックは中間エンクロージャ1004の外側面1044とインターフェースするための第1面1076を有する。第1端部における第1面と反対側の第2端部には外側エンクロージャ1002の内径1046とインターフェースするための第2面がある。第2面は、実際には第2端部から切断されたV字形状部分1073から生じる2つの部分1072、1074を有する。材料の選択に従うブロックの幾何学形状の変化により、ブロックは当業者が理解するように広範囲の設計基準に適応するよう取付可能である。
【0119】
図10Bにおいて、内側エンクロージャt1の中心軸線および外側エンクロージャt2の中心軸線は、アセンブリ1001、1003が垂直軸線“v”から離れる方向へ支持フロア1029の突然の傾き動作などを経験した後に、同軸ではなくなる。移動から生じる慣性力に応じて、中心軸は垂直軸線から離れるように動き、垂直軸線に対して角度θ1、θ2が形成される。環状空間の対向側に配置される弾力性サポートは、変化した環状空間と一致する。
【0120】
特に、縮んだ弾力性サポート1020は、減少したギャップg0と一致し、伸びた弾力性サポート1023は、増加したギャップg3と一致する。さまざまな例において、弾力性サポートは圧縮される、均一な環状空間に設置されるとき圧縮される。さまざまな例において、弾力サポートは均一の環状空間に設置されるとき伸ばされる。
【0121】
弾力性サポートはピボットサポートによって、内側エンクロージャの移動を制限するように作用する。この例では、アセンブリ1001、1003は、内側エンクロージャの傾斜角度θ1より大きい傾斜角度θ2(θ2>θ1)まで外側エンクロージャが傾斜する動きに応答する。当業者が理解するように、内側エンクロージャの動きを制限することで、電磁気ベアリング(例えば、451、692、694)が磁気で浮上したスピニングアセンブリ(例えば、310、410)がステーター(例えば、422)に対する位置に保持されることを保証するべく印加されなければならない力を減少させることができる。
【0122】
ある例において、フライホイールマスが故障したとき電磁気ベアリング(例えば、451、692、694)はステーター(例えば、422)に関する位置にスピニングアセンブリ(例えば、310、410)を保持することができない。
図3A―3Cとともに上述したように、フライホイールマスの故障はフライホイール内に保存されたエネルギーを消散させる。当業者が理解するように、フライホイールマスの故障中に解放されるエネルギーを消散させる安全装置が必要である。
【0123】
図11Aは、エネルギー消散装置1100Aを有する電気機械式フライホイールを示す外側アセンブリ1003は内側アセンブリ1001を内包し、内側アセンブリ1001はスピニングアセンブリ310およびコアアセンブリ312を内包する。内側アセンブリは、内側および外側アセンブリの間に挿入された下部ピボットサポート1030により底で支持される。内側および外側アセンブリの間の環状空間1021内に配置された上部弾性サポート1020、1022は、内側アセンブリに横方向のサポートを与える。
【0124】
とりわけ、変動するフライホイールマス1172の部分および/または粒子が内側エンクロージャ1006に衝突する際、フライホイールマスの故障は内側アセンブリ1001に対して角運動量を伝達する傾向がある。内側アセンブリが回転する範囲で、角運動量は、ピボットサポート1130での摩擦力によって、および/または、環状空間1021内に配置された流体1170によって印加される粘性力によって消散される。しかし、ステーターコイルからのステーター配線はこの相対回転運動を妨げる。例えば、ステーター320から外側アセンブリ1074の位置まで伸長するステーター配線1160(便宜上、一本のみ記載)は、内側アセンブリがピボットサポート1030上で自由に回転することを禁止する。この例において、ステーター配線は内側エンクロージャの蓋開口部1162、中間エンクロージャの蓋開口部1164、および外側エンクロージャの蓋開口部1166を通過する。外側アセンブリに関して回転するように内側アセンブリを自由にするには、ステーター配線の分離が必要である。ステーター配線の分離装置1103が以下で説明される。
【0125】
図11Bは、ステーター配線カップリング1100Bの斜視図を示す。
図11Cはステーター配線カップリング1100Cの側面図を示す。図において、ステーター配線カップリング1103は中間エンクロージャの蓋1014と外側エンクロージャの蓋1012の間に配置され、軸線x−xは、蓋1012、1014、1016の中心を通る。さまざまな実施形態において、ステーター配線カップリングは壊れやすい接続、爆発カップリング、弾力性カップリング、バネ負荷カップリング、プラグおよびソケット結合、動く部品間で導電材料を使ったカップリングなどのいずれかである。
【0126】
ある例において、ステーター配線カップリングはプラグ1104およびソケット1102を含む。ここで、ステーター配線1160は内側エンクロージャ開口部1162(
図11Aおよび11C参照)、中間エンクロージャ開口部1164を通過し、カップリングプラグ1104に導電的に固定される。例えば、ステーターが複数の巻き線(ひとつのステーター配線が示されている)を有する場合、ひとつ以上のステーター配線が単一のプラグに固定されてもよい。外側アセンブリ1074の外側の位置から伸長するカップリング配線1168は、カップリングソケット1102に導電的に固定される。上部開口部1166および下部開口部1162、1164の相対回転がステーター配線カップリングにテンションを与えるときに、ステーター配線カップリングを分離する力が与えられる。ソケットからプラグを引き抜くのに十分な力が印加されたとき、ステーター配線カップリングは分離される。
【0127】
ある例において、ステーター配線1160、ステーター配線カップリング1103、カップリング配線1168が実質的に直線1180に沿って配置され、軸線x−xに平行な線x1−x1に関して角度φをなすように、上部開口部1166および下部開口部1162、1164は角度βだけオフセットされている。外側エンクロージャの蓋1012が中間エンクロージャの蓋1014および内側エンクロージャの蓋1016に関して反時計回りに回転するとき、ステーター配線カップリングにはテンションがかけられる。当業者が理解するように、角度アレンジメントβ>0、φ>0は(β=0、φ=0の場合のアレンジメントに比べ)、内側エンクロージャの蓋1014および中間エンクロージャの蓋1016に関する外側エンクロージャの蓋1012の小さい相対回転によって、カップリングを分離できる。
【0128】
ある例において、内側エンクロージャの蓋1014および中間エンクロージャの蓋1016に関する外側エンクロージャの蓋1012の相対回転が存在する場合、複数のステーター配線カップリングが交互に分離するように設計される。例えば、複数のステーター配線カップリング1103がそれぞれステーター配線1160およびカップリング配線1168を有する。それぞれのステーター配線は、内側および中間エンクロージャの蓋1016、1014内の同じ開口部1162、1164を通過し、それぞれのカップリング配線は外側エンクロージャの蓋1012内の同じ開口部1166を通過する。また、それぞれのステーター配線およびカップリング配線の組み合わせは、他のステーター配線およびカップリング配線の組み合わせと異なる長さを有する。当業者が理解するように、ステーター配線およびカップリング配線の長さの異なる組み合わせは、エンクロージャ蓋の相対回転に応答してステーター配線カップリング分離の交互シーケンスを与えるべく使用される。
【0129】
図11Dは、プラグおよびソケットステーター配線カップリング1100Dの実施形態を示す。ステーター配線1160は、カップリングプラグに導電的に取り付けられ、カップリング配線1168はカップリングソケット1102に導電的に取り付けられる。プラグおよびソケットの嵌合は導体1160、1168の間に電流経路を与える。プラグおよびソケットアレンジメントは、バネ、弾性部品および重力を使ったものを含む。
【0130】
ある例において、
図11Dに示すプラグおよびソケットは、電気的コンタクトを作り保持するために締まりばめに頼っている。例えば、wp>wsおよび/またはhp>hsが締まりばめを与える。他の締まりばめアレンジメントも、縁溝フィット、円錐フィット等のようなプラグおよびソケットの嵌合を与える。
【0131】
当業者が理解するように、プラグおよびソケット設計は、銅、銀、金、これらの材料の合金などのようなプラグおよびソケット用の導電材料を利用する。さまざまな例において、導電材料はプラグとソケットとの間の空間を導電材料が満たし、および/または、組み立て前に一方または両方の部品をコーティングするのに使用される。導電材料は、ラメラグラファイト、金、薄膜堆積したコバルトまたはニッケルと金との合金(<1重量%、つまり、硬質金)、パラジウムニッケルおよびパラジウムコバルト、ポリフェニルエーテル(PPE)、破砕した亜鉛または銀を含む導電グリースなどの導電潤滑油およびシーラントグリースを含む。
【0132】
この例において、ステーター配線は、内側エンクロージャの蓋開口部1162、中間エンクロージャの蓋開口部1164、および、外側エンクロージャの蓋開口部1166を通過する。外側アセンブリに関して、内側アセンブリを自由に回転させるには、ステーター配線を分離する必要がある。ステーター配線分離デバイス1103は以下に説明される。
【0133】
図12Aから12Eは、外側アセンブリに対して内側アセンブリを自由に回転させるための他の手段を示す。ここで、切断機構は、ステーター配線を上部および下部ステーター配線セグメント1168、1160のような分離セグメントに分離する。
【0134】
図12Aは、スロット付きコーン形カッター1200A形式の第1カッター機構を示す。概して円錐または円錐台形のボディ1202はカッターエンド1203および非カッターエンド1205を有する。ボディは、長さ方向に沿って対向するスロット1240を有する。長さ方向には、コーンの軸線x−xに対して垂直な面にカッタージョー1206、1208を有する第1および第2ハーフボディ1226、1228が形成されている。ジョーは、ジョーが閉じたときに、ステーター配線が切断されるカッターノッチ1216、1218のような対向するカッター面を有する。
【0135】
図12Bは、
図12Aのカッター機構内に挿入されるステーター配線1200Bを示す。特に、ステーター配線1230は円錐カッターボディおよび円筒構造1204のようなカッターレシーバを通過する。さまざまな例において、円筒構造は中間エンクロージャ蓋開口部1164および外側エンクロージャ蓋開口部1166と同じ任意の適当な寸法を有する。ある例において、開口部は、分離カッターレシーバ用の台座を与える。
【0136】
本例は、ステーター配線が移動するとき円錐カッターを機能させる、ステーター配線と円錐カッターの間にカップリングを与える。例えば、ブロックが大きくてカッターの非カッターエンド1205が通過できないとき、ステーター配線に取り付けられたブロック1232がカップリングを与える。この結果、カッター/ブロック・インターフェースにより、カッターはステーター配線とともに移動させられる。
図12Bに示すように、カッターレシーバ1204を介してステーター配線を引っ張るステーター配線の移動1209により、円錐カッターはカッターレシーバ内部に引き込まれる。カッターとレシーバとの間のインターフェース(dz2>dz1)により、カッタージョー1206、1208は閉まり、ステーター配線を切断する。
【0137】
図12C、12Dは、円錐カッターおよびジョーの詳細1200C、1200Dを示す。
図12Cは、円錐カッタージョー1206、1208を示し、
図12Dは開いたジョー1242の平面図、ジョー1244の側面図、および、閉じたジョー1246の平面図を示す。特に、ジョーの側面1244は重なったジョーを示す。これにより、ジョーの閉止が容易になる。当業者が理解するように、開示されたものと類似のさまざまな円錐カッター構成がステーター配線カッターを与えるために使用可能である。
【0138】
図12Eは、ピン型ジョーステーター配線カッター1200Eを示す。ここで、重なったジョー1256、1258は一方側でピボット1280を有し、他のジョーに対して相対的に回転する。通常の開放位置1252において、ジョーはステーター配線(図示せず)が通過する通路1272の周りに位置する。切断位置1254において、ジョーは旋回して通路1274を閉じ始める。完全に閉止した位置1256において、通路は完全に閉じられ1257、ステーター配線は完全に切断される。
【0139】
ピン型ジョーカッター1200Eの動作は上記した方法のいずれを使ってもよい。例えば、
図12Eのひとつに類似のコーン構成などが含まれる。他の手段がステーター配線切断ジョーを動作させるために使用されてもよい。例えば、磁力(例えば、モーターまたはソレノイド)、空力(例えば、空気動作モーターまたはプランジャー)、膨張、および、推進力装置がカッターを動作させるのに使用されても良い。他の例において、配線がひとつ以上のジョーに接触した状態でステーター配線が動けば、ステーター配線およびジョーと係合して、ジョーを別に動作させることなくステーター配線の切断が達成される。
【0140】
本願発明のさまざまな実施形態を説明してきたが、これらは例示に過ぎず、発明を限定するものではない。発明の思想および態様から離れることなく、さまざまな修正および変更が可能であることは当業者の知るところである。本願発明の範囲および態様は、以下の特許請求の範囲の記載およびその均等の範囲において解釈されるべきである。