(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155324
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】誘電性導波路を用いたチップ間通信
(51)【国際特許分類】
H01P 5/08 20060101AFI20170619BHJP
H01P 3/16 20060101ALI20170619BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20170619BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
H01P5/08 K
H01P5/08 L
H01P3/16
H01P3/08 100
H01L23/12 301Z
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-504722(P2015-504722)
(86)(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公表番号】特表2015-519782(P2015-519782A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】US2013035273
(87)【国際公開番号】WO2013152191
(87)【国際公開日】20131010
【審査請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】13/439,557
(32)【優先日】2012年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン エイ ハーブソマー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エフ ペイン
(72)【発明者】
【氏名】マルコ コルシ
(72)【発明者】
【氏名】バヘル エス ハルーン
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン アリ
【審査官】
佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102176522(CN,A)
【文献】
特開2001−358506(JP,A)
【文献】
特開2001−094365(JP,A)
【文献】
米国特許第05144320(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 3/00− 5/22
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の幅を有する第1の部分と前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する第2の部分とを有する導電性材料のマイクロストリップラインと、
前記マイクロストリップラインの前記第1の部分に電気的に結合される集積回路と、
前記集積回路の下方の導電性材料の第1の接地平面であって、前記マイクロストリップラインの下方に第1の距離で、前記集積回路の下方から延びて前記マイクロストリップラインの第1の部分の下方にあり、前記マイクロストリップラインの第2の部分の下方にない、前記第1の接地平面と、
前記第1の接地平面に電気的に結合される第2の接地平面であって、前記マイクロストリップラインの下方に前記第1の距離よりも大きい第2の距離で、前記マイクロストリップラインの第2の部分の下方に、そして前記第2の部分を越えて延びる、前記第2の接地平面と、
頂部表面を有するベース基板と、
誘電性コアと前記誘電性コアの周りの誘電性クラッディングとを有する誘電性導波管であって、前記誘電性コアが、前記基板の頂部表面上に形成される1つの表面を有し、前記誘電性コアの第1の端部が、前記第2の接地平面の上方で前記マイクロストリップラインの第2の部分に結合される、前記誘電性導波管と、
を含む、アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記集積回路と前記マイクロストリップラインとを支えるパッケージ基板を更に含む、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記第1の接地平面を前記第2の接地平面に結合するはんだボールを更に含む、アセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記誘電性コアが第1の誘電率を有し、前記ベース基板が前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有し、前記誘電性クラッディングが前記第1の誘電率よりも低い第3の誘電率を有する、アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記誘電性コアが第1の誘電率を有し、前記ベース基板が前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有し、前記誘電性クラッディングが前記第2の誘電率と等しい第3の誘電率を有する、アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記マイクロストリップラインが、前記第1の部分と前記第2の部分とを繋ぐ第3の部分を含み、前記第3の部分が、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて幅広となる、アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記マイクロストリップラインが、前記第1の部分と前記第2の部分とを繋ぐ第3の部分を含み、前記第3の部分が、前記第1の部分から前記第2の部分に向けて幅広となって丸くなる、アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記誘電性コアが、断面において概して長方形であり、前記ベース基板に取り付けられる1つの平面の側と他の3つの側上のクラッディングとを有する、アセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記第1及び第2の距離が、前記マイクロストリップラインの第1及び第2の部分のそれぞれに対して約50オームのマッチングインピーダンスを示す、アセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記ベース基板が印刷回路板である、アセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記第2の接地平面が前記集積回路と前記第1の接地平面と前記誘電性導波管との下方に延びる、アセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載のアセンブリであって、
別のマイクロストリップラインと前記別のマイクロストリップラインに結合される別の集積回路とを更に含み、
前記誘電性導波管が、前記別のマイクロストリップラインに結合される他の端部を有する、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的にチップ対チップ通信に関し、より具体的には、誘電性導波路を用いたチップ対チップ通信に関する。
【背景技術】
【0002】
最も広く用いられる相互接続システム(これは、ほとんどの電子デバイスで使用される)は、印刷回路基板(PCB)又はバックプレーンに組み込まれる金属トレースを用いている。このタイプのシステムでは、1つ又は複数のトレースに電気的に結合されるように集積回路(IC)がPCBに固定され、チップ間通信又はチップ対チップ通信が可能になる。この配置に伴う問題は、データレート又はデータ伝送に関する物理的限界に達していることであり、結果として、いくつかの異なるタイプの通信リンク、光リンク及びワイヤレスリンク、が開発されてきたか又は現在開発されている。これら開発中の技術はそれぞれ、伝送媒体、すなわち光リンクでは光ファイバ、ワイヤレスリンクでは金属導波路、を用いる。
【0003】
図1及び
図2を参照すると、ワイヤレスリンク又は光リンクを用いる相互接続システム100の例が見られる。この例において、伝送媒体104(これは、金属導波路又は光ファイバである)はPCB102に組み込まれている。IC106−1及び106−2が、PCB102に固定され、伝送媒体104のそれぞれの端部に近接して位置する。理論上、トランシーバ108−1及び108−2(これらは、光リンクの場合は光トランシーバであり、ワイヤレスリンクの場合は無線周波(RF)トランシーバである)は、IC106−1と106−2との間のチップ間通信を可能にする。しかしながら実際のところ、このチップ間通信は単純な作業ではない。例えば、システム100が光リンクを用いると想定すると、光トランシーバ108−1及び108−2は、光軸を有する、オンダイ発光ダイオード(LED)及び/又はフォトダイオードを有することになる(これは、現行の処理技術では困難である)。通常、LED(伝送用)は特定の波長又は周波数を有するレーザーダイオードであり、伝送媒体104(この例では光ファイバ)はLEDから発せられる光の波長に対応するような寸法とされる。典型的に、伝送媒体104(この例では光ファイバ)は帯域幅を向上させるための単一モードファイバであり、LEDから発せられる光の波長に関する直径を有する。例えば、近赤外線(すなわち、約0.7μmから約3μmの間の波長)の場合、単一モード光ファイバは概して、約8μmから約10μmの間の直径を有する。そのため、伝送媒体104(この例では光ファイバ)の光軸とLED(又はフォトダイオード)の光軸との間の位置合わせ不良(たとえ数ミクロンであっても)が、相互接続不良となるか又は相互接続しなくなる可能性がある。したがって、一般に、精密な機械加工又は他のより特異な微小光学構造が必要となる。金属導波路についても同様であって、すなわち、適切な位置合わせのために精密な機械加工が一般に必要となる。サブミリ波向けの金属導波路はかなり損失も大きく、導波路が動作する距離が実質的に制限される。
【0004】
したがって、改良された相互接続システムが求められている。
【0005】
従来システムのいくつかの他の例が下記文献に記載されている。
【特許文献1】米国特許番号第5,754,948号
【特許文献2】米国特許番号第7,768,457号
【特許文献3】米国特許番号第7,379,713号
【特許文献4】米国特許番号第7,330,702号
【特許文献5】米国特許番号第6,967,347号
【特許文献6】米国特許公開番号2009/0009408
【発明の概要】
【0006】
例示の実施形態が或る装置を提供する。この装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面とを有する回路ボードであって、第1の接地平面が回路ボードの第1の側に形成される回路ボード、回路ボードの第1の側に固定されるパッケージ基板であって、パッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第2の接地平面と、第1及び第2の接地平面に実質的に平行なマイクロストリップラインとを含み、マイクロストリップラインが、第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、マイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる第1の部分と、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、マイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置する第2の部分とを有する、パッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、マイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される集積回路(IC)、及び、回路ボードに固定される誘電性導波路であって、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、遷移領域に延びる誘電性導波路を含む。
【0007】
特定の実装において、波長は約1mmより短いか又は約1mmに等しいものとし得る。誘電性導波路はクラッディング(cladding)をさらに含み得、コアが第1の誘電率を有し、クラッディングは第2の誘電率を有し、第1の誘電率は第2の誘電率よりも大きい。パッケージ基板は第1及び第2の側を有し得、マイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され得、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され得、第1の接地平面はパッケージ基板の第2の側に形成され得る。1つ又は複数のはんだボールが第1及び第2の接地平面に固定され得る。インピーダンスは約50Ωであり得る。また、マイクロストリップラインの第1の部分は概して約25μmの幅を有する矩形であり得、マイクロストリップラインの第2の部分は概して約50μmの幅を有する矩形であり得る。
【0008】
別の態様において、説明される実施形態は、第1の側と第2の側と複数の回路ボード接地平面とを有する回路ボードであって、各回路ボード接地平面が回路ボードの第1の側に形成される回路ボード、複数のパッケージ基板であって、各パッケージ基板が回路ボードの第1の側に固定され、それぞれが回路ボード接地平面のうちの少なくとも1つとコロケートされ、各パッケージ基板が、その回路ボード接地平面に電気的に結合されるパッケージ基板接地平面と、そのパッケージ基板接地平面及びその回路ボード接地平面に実質的に平行なマイクロストリップラインとを含み、マイクロストリップラインが、そのパッケージ基板接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、そのパッケージ基板接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、マイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる第1の部分と、その回路ボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、その回路ボード接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、マイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、複数のパッケージ基板、複数のICであって、各ICが、パッケージ基板のうちの少なくとも1つに固定され、そのマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される、複数のIC、及び、回路ボードに固定される誘電性導波路ネットワークであって、誘電性導波路ネットワークからのコアが、各回路ボード接地平面の少なくとも一部に重なり、その遷移領域に延びる、誘電性導波路ネットワークを含む。
【0009】
特定の実装において、誘電性導波路ネットワークはさらに、クラッディングを有する複数の誘電性導波路であり得、コアは第1の誘電率を有し得、クラッディングは第2の誘電率を有し得、第1の誘電率は第2の誘電率よりも大きくし得る。各パッケージ基板は第1及び第2の側を有し得、マイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され得、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され得、パッケージ基板接地平面はパッケージ基板の第2の側に形成され得る。1つ又は複数のはんだボールが、各パッケージ基板について回路ボード接地平面及びパッケージ基板接地平面に固定され得る。
【0010】
別の態様において、実施形態は或る装置であり、この装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面と第2の接地平面とを有する回路ボードであって、第1及び第2の接地平面が回路ボードの第1の側に形成され、第1及び第2の接地平面が互いに離間される回路ボード、回路ボードの第1の側に固定される第1のパッケージ基板であって、第1のパッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第3の接地平面と、第1及び第3の接地平面に実質的に平行な第1のマイクロストリップラインとを含み、第1のマイクロストリップラインが、第3の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第3の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、第1のマイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第1のボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、第1のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第1のマイクロストリップラインの第2の部分が第1の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第1のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第1のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第1のIC、回路ボードの第1の側に固定される第2のパッケージ基板であって、第2のパッケージ基板が、第2の接地平面に電気的に結合される第4の接地平面と、第2及び第4の接地平面に実質的に平行な第2のマイクロストリップラインとを含み、第2のマイクロストリップラインが、第4の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第4の接地平面から第3の距離離れた第1の部分であって、第2のマイクロストリップラインの第1の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第2のボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第4の距離離れた第2の部分であって、第4の距離が第3の距離よりも長く、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が第2の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第2のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第2のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第2のIC、誘電性導波路であって、第1及び第2の端部を備え、回路ボードに固定され、第1及び第2の接地平面の少なくとも一部に重なるコアであって、コアの第1の端部が第1の遷移領域に延び、コアの第2の端部が第2の遷移領域に延び、コアが第1の誘電率を有する、コアと、コアに固定され、第2の誘電率を有するクラッディングであって、第1の誘電率が第2の誘電率よりも大きい、クラッディングとを有する、誘電性導波路を含む。
【0011】
特定の実装において、第1及び第2のパッケージ基板の各々は第1及び第2の側を有し得、マイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され得、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され得、その第1の接地平面がパッケージ基板の第2の側に形成され得る。1つ又は複数のはんだボールは第1及び第3の接地平面に固定され得、1つ又は複数のはんだボールが第2及び第4の接地平面に固定され得る。第1及び第2のマイクロストリップラインの各々の第1の部分は概して矩形であり得、第1及び第2のマイクロストリップラインの各々の第2の部分は概して矩形であり得る。
【0012】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面とを有する回路ボード、回路ボードの第1の側に形成されるチャネルであって、第1の接地平面がチャネルの少なくとも一部の下にあるチャネル、回路ボードの第1の側に固定されるパッケージ基板であって、パッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第2の接地平面と、第1及び第2の接地平面に実質的に平行なマイクロストリップラインとを含み、マイクロストリップラインが、第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、マイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、マイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、パッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、マイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される集積回路(IC)、及び、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、遷移領域に延び、チャネル内に固定される誘電性コアを含む。
【0013】
特定の実装において、装置はクラッディングをさらに含み得る。コアは第1の誘電率を有し得、クラッディングは第2の誘電率を有し得、第1の誘電率は第2の誘電率より大きくし得る。回路ボードは回路ボードの第1の接地平面から第1の側まで延在するバイアをさらに含み得、1つ又は複数のはんだボールが第2の接地平面及びバイアに固定され得る。マイクロストリップラインの第1の部分は概して矩形であり得る。
【0014】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と複数の回路ボード接地平面とを有する回路ボード、回路ボードの第1の側に形成されるチャネルネットワークであって、各回路ボード接地平面がチャネルネットワークの少なくとも一部の下にある、チャネルネットワーク、複数のパッケージ基板であって、各パッケージ基板が回路ボードの第1の側に固定され、各々が回路ボード接地平面のうちの少なくとも1つとコロケートされ、各パッケージ基板が、その回路ボード接地平面に電気的に結合されるパッケージ基板接地平面と、そのパッケージ基板接地平面及びその回路ボード接地平面に実質的に平行なマイクロストリップラインとを含み、マイクロストリップラインが、そのパッケージ基板接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、そのパッケージ基板接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、マイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、その回路ボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、その回路ボード接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、マイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、複数のパッケージ基板、複数のICであって、各ICが、パッケージ基板のうちの少なくとも1つに固定され、そのマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される、複数のIC、及び、チャネルネットワーク内に固定され、且つ、複数の端部を有する誘電性コアネットワークであって、誘電性導波路ネットワークのからの各端部が、回路ボード接地平面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に重なり、その遷移領域に延びる、誘電性コアネットワークを含む。
【0015】
特定の実装において、誘電性導波路ネットワークは、クラッディングを有する複数の誘電性導波路をさらに含み得る。コアは第1の誘電率を有し得、クラッディングは第2の誘電率を有し得、第1の誘電率は第2の誘電率より大きくし得る。回路ボードは複数のバイアをさらに有し得、各バイアは回路ボードの第1の側と回路ボード接地平面のうちの少なくとも1つとの間に延在し、少なくとも1つのはんだボールが、少なくとも1つのバイア及び少なくとも1つのパッケージ基板接地平面に固定される。
【0016】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面と第2の接地平面とを有する回路ボード、回路ボードの第1の側に形成され、第1の端部及び第2の端部を有するチャネルであって、チャネルの第1の端部が第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、チャネルの第2の端部が第2の接地平面の少なくとも一部に重なる、チャネル、回路ボードの第1の側に固定される第1のパッケージ基板であって、第1のパッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第3の接地平面と、第1及び第3の接地平面に実質的に平行な第1のマイクロストリップラインとを含み、第1のマイクロストリップラインが、第3の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第3の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、第1のマイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第1のボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、第1のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第1のマイクロストリップラインの第2の部分が第1の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第1のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第1のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第1のIC、回路ボードの第1の側に固定される第2のパッケージ基板であって、第2のパッケージ基板が、第2の接地平面に電気的に結合される第4の接地平面と、第2及び第4の接地平面に実質的に平行な第2のマイクロストリップラインとを含み、第2のマイクロストリップラインが、第4の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第4の接地平面から第3の距離離れた第1の部分であって、第2のマイクロストリップラインの第1の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第4の距離離れた第2の部分であって、第4の距離が第3の距離よりも長く、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が第2の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第2のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第2のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第2のIC、及び、第1及び第2の端部を備え、チャネルに固定される誘電性コアであって、誘電性コアの第1の端部が第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、誘電性コアの第2の端部が第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、誘電性コアの第1の端部が第1の遷移領域に延び、誘電性コアの第2の端部が第2の遷移領域に延び、誘電性コアが回路ボードの誘電率よりも大きい誘電率を有する、誘電性コアを含む。
【0017】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面と第1のマイクロストリップラインとを有する回路ボードであって、第1のマイクロストリップラインが第1の接地平面と概して平行である、回路ボード、回路ボードの第1の側に形成されるチャネルであって、第1の接地平面がチャネルの少なくとも一部の下にある、チャネル、回路ボードの第1の側に固定されるパッケージ基板であって、パッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第2の接地平面と、第1及び第2の接地平面に実質的に平行な第2のマイクロストリップラインとを含み、第2のマイクロストリップラインが、第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、第2のマイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置し、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が第1のマイクロストリップラインに電気的に結合される、第2の部分とを有する、パッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第2のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される集積回路(IC)、チャネル内に固定され、且つ、遷移領域内に位置し、且つ、第1のマイクロストリップラインに電気的に結合される金属導波路、及び、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、金属導波路に延び、且つ、チャネル内に固定される誘電性コアを含む。
【0018】
特定の実装において、パッケージ基板は第1及び第2の側を有し得、第2のマイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され、第1の接地平面はパッケージ基板の第2の側に形成され、パッケージ基板は、第2のマイクロストリップラインの第2の部分からパッケージ基板の第2の側まで延在するバイアをさらに含み、少なくとも1つのはんだボールがバイア及び第1のマイクロストリップラインに固定される。バイアは第1のバイアをさらに含み得、回路ボードは、第1の接地平面から回路ボードの第1の側まで延在する第2のバイアをさらに含み得、1つ又は複数のはんだボールが第2の接地平面及び第2のバイアに固定され得る。金属導波路は、第1のマイクロストリップラインと同一平面上にあり第1のマイクロストリップラインに電気的に結合される第1のプレートと、第1のプレートと同一平面上にあり第1のプレートに電気的に結合される第2のプレートと、第2のプレートと第1の接地平面との間に延在する複数の導波路バイアとをさらに含み得る。
【0019】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と複数の回路ボード接地平面と複数の回路ボードマイクロストリップラインとを有する回路ボード、回路ボードの第1の側に形成されるチャネルネットワークであって、各回路ボード接地平面がチャネルネットワークの少なくとも一部の下にある、チャネルネットワーク、複数のパッケージ基板であって、各パッケージ基板が回路ボードの第1の側に固定され、各々が回路ボード接地平面の少なくとも1つ及び回路ボードマイクロストリップラインの少なくとも1つとコロケートされ、各パッケージ基板が、その回路ボード接地平面に電気的に結合されるパッケージ基板接地平面と、そのパッケージ基板接地平面及びその回路ボード接地平面に実質的に平行なパッケージ基板マイクロストリップラインとを含み、パッケージ基板マイクロストリップラインが、そのパッケージ基板接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、そのパッケージ基板接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、パッケージ基板マイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、その回路ボード接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、その回路ボード接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、パッケージ基板マイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、パッケージ基板マイクロストリップラインの第2の部分が遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、複数のパッケージ基板、複数のICであって、各ICが、パッケージ基板のうちの少なくとも1つに固定され、そのマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される、複数のIC、複数の金属導波路であって、各金属導波路が、チャネルネットワーク内に固定され、且つ、パッケージ基板のうちの少なくとも1つについて遷移領域内に位置し、且つ、回路ボードマイクロストリップラインのうちの少なくとも1つに電気的に結合される、複数の金属導波路、及び、チャネルネットワーク内に固定され、且つ、複数の端部を有する誘電性コアネットワークであって、誘電性導波路ネットワークからの各端部が回路ボード接地平面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に重なり、その金属導波路に延びる、誘導性コアネットワークを含む。
【0020】
特定の実装において、誘導性導波路ネットワークは、クラッディングを有する複数の誘電性導波路をさらに含み得、コアは第1の誘電率を有し得、クラッディングは第2の誘電率を有し得、第1の誘電率は第2の誘電率より大きくし得る。各パッケージ基板は第1及び第2の側を有し得、マイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され得、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され得、パッケージ基板接地平面はパッケージ基板の第2の側に形成され得、各パッケージ基板は、そのパッケージ基板マイクロストリップラインの第2の部分からそのパッケージ基板の第2の側まで延在するパッケージ基板バイアをさらに含み得、1つ又は複数のはんだボールがパッケージ基板バイア及びその回路ボードマイクロストリップラインに固定され得る。
【0021】
別の態様において、装置は、第1の側と第2の側と第1の接地平面と第2の接地平面と第1のマイクロストリップラインと第2のマイクロストリップラインとを有する回路ボードであって、第1及び第2のマイクロストリップラインが回路ボードの第1の側に形成され、第1のマイクロストリップラインが、第1の接地平面とコロケートされ、第1の接地平面に概して平行であり、第2のマイクロストリップラインが、第2の接地平面とコロケートされ、第2の接地平面に概して平行である、回路ボード、回路ボードの第1の側に形成され、第1の端部及び第2の端部を有するチャネルであって、チャネルの第1の端部が第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、チャネルの第2の端部が第2の接地平面の少なくとも一部に重なる、チャネル、回路ボードの第1の側に固定される第1のパッケージ基板であって、第1のパッケージ基板が、第1の接地平面に電気的に結合される第3の接地平面と、第1及び第3の接地平面に実質的に平行な第3のマイクロストリップラインとを含み、第3のマイクロストリップラインが、第3の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第3の接地平面から第1の距離離れた第1の部分であって、第3のマイクロストリップラインの第1の部分が或る波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第1の接地平面から第2の距離離れた第2の部分であって、第2の距離が第1の距離よりも長く、第3のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第3のマイクロストリップラインの第2の部分が第1の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第1のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第3のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第1のIC、回路ボードの第1の側に固定される第2のパッケージ基板であって、第2のパッケージ基板が、第2の接地平面に電気的に結合される第4の接地平面と、第2及び第4の接地平面に実質的に平行な第4のマイクロストリップラインとを含み、第4のマイクロストリップラインが、第4の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第4の接地平面から第3の距離離れた第1の部分であって、第4のマイクロストリップラインの第1の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされる、第1の部分と、第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、且つ、第2の接地平面から第4の距離離れた第2の部分であって、第4の距離が第3の距離よりも長く、第4のマイクロストリップラインの第2の部分が前記波長を有する放射を伝搬するためのインピーダンスを有するような寸法とされ、第2のマイクロストリップラインの第2の部分が第2の遷移領域内に位置する、第2の部分とを有する、第2のパッケージ基板、パッケージ基板に固定され、且つ、第4のマイクロストリップラインの第1の部分に電気的に結合される第2のIC、チャネル内に固定され、且つ、第1の遷移領域に位置し、且つ、第1のマイクロストリップラインに電気的に結合される第1の金属導波路、チャネル内に固定され、且つ、第2の遷移領域に位置し、且つ、第2のマイクロストリップラインに電気的に結合される第2の金属導波路、及び、第1及び第2の端部を備え、チャネル内に固定される誘電性コアであって、誘電性コアの第1の端部が第1の接地平面の少なくとも一部に重なり、誘電性コアの第2の端部が第2の接地平面の少なくとも一部に重なり、誘電性コアの第1の端部が第1の金属導波路に延び、誘電性コアの第2の端部が第2の金属導波路に延び、誘電性コアが回路ボードの誘電率よりも大きい誘電率を有する、誘電性コアを含む。
【0022】
特定の実装において、パッケージ基板は第1及び第2の側を有し得、マイクロストリップラインはパッケージ基板の第1の側に形成され得、ICはパッケージ基板の第1の側に固定され得、第1の接地平面はパッケージ基板の第2の側に形成され得、第1のパッケージ基板は、第3の基板マイクロストリップラインの第2の部分から第1のパッケージ基板の第2の側まで延在する第1のバイアをさらに含み得、1つ又は複数のはんだボールが第1のバイア及び第1のマイクロストリップラインに固定され得、第2のパッケージ基板は、第4の基板マイクロストリップラインの第2の部分から第2のパッケージ基板の第2の側まで延在する第2のバイアをさらに含み得、1つ又は複数のはんだボールが第2のバイア及び第2のマイクロストリップラインに固定され得る。また、第1及び第2の金属導波路の各々は、そのマイクロストリップラインと同一平面上にありそのマイクロストリップラインに電気的に結合される第1のプレートと、第1のプレートと同一平面上にあり第1のプレートに電気的に結合される第2のプレートと、第2のプレートとその回路ボード接地平面との間に延在する複数の導波路バイアとをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【0024】
【
図2】切断線I−Iに沿った
図1の相互接続システムの断面図である。
【0025】
【
図3】本発明に従った相互接続システムの一例の図である。
【0026】
【
図4】切断線II−IIに沿った、
図3の相互接続システムの例示断面図である。
【0027】
【
図5】
図3及び
図4のマイクロストリップラインに関する配置例を示す等角図である。
【
図6】切断線III−IIIに沿った、
図3の相互接続システムの例示断面図である。
【0028】
【
図7】本発明に従った相互接続システムの一例の図である。
【0029】
【
図8】切断線IV−IVに沿った、
図7の相互接続システムの例示断面図である。
【0030】
【
図9】本発明に従った相互接続システムの一例の図である。
【0031】
【
図10】切断線VI−VIに沿った、
図9の相互接続システムの例示断面図である。
【0032】
【
図11】それぞれ、切断線V−V及びVII−VIIに沿った、
図7の相互接続システムの例示断面図である。
【0033】
【発明を実施するための形態】
【0034】
図3〜
図6を参照すると、本発明に従った相互接続システム200−Aの例を見ることができる。この例示のシステム200−Aにおいて、回路アセンブリ206−A1及び206−A2は、PCB202−Aに固定(すなわち接着)される誘電性導波路204−Aを介して互いに通信可能である。回路アセンブリ206−1及び206−2は、ボールグリッドアレイ(BGA)又ははんだボール(破線で示される)を介してパッケージ基板304−A(これは例えばPCBであり得る)に固定されるIC302−Aで形成され得る。パッケージ基板304−Aは、BGA又ははんだボール(すなわちはんだボール301−A)を用いてPCB202−Aに固定され得、これによってIC302−Aが少なくとも1つのはんだボールに電気的に結合され得る。回路アセンブリ206−1及び206−2のための付加的な機械的支持を提供するために、パッケージ基板304−AとPCB202−Aとの間にアンダーフィル層303−Aを含めることも可能である。パッケージ基板304−AとPCB202−Aとは、例えば約0.25mm分離され得る。誘電性導波路システムの他の例は、2010年9月21日出願の同時係属中の米国特許出願、出願番号12/887,270、発明の名称「高速デジタル相互接続及び方法」、及び、2010年9月21日出願の同時係属中の米国特許出願、出願番号12/887,323、発明の名称「サブミリ波通信リンクのためのチップ−誘電性導波路インターフェース」で見ることができる。同時係属中の各出願は、すべての目的のため参照により本書に組み込まれている。
【特許文献7】米国特許出願番号12/887,270
【特許文献8】米国特許出願番号12/887,323
【0035】
チップ間リンクを提供するために、パッケージ基板304−A及びPCB202−Aはアンテナシステムを含む。この例のアンテナシステム(回路アセンブリ206−A1を示す)は概して、マイクロストリップライン(これは、パッケージ基板304−Aと統合される導電層である)、接地平面306−A(これは、パッケージ基板304−Aと統合される導電層である)、及び接地平面308−A(これは、パッケージ基板308−Aと統合される導電層である)を含む。接地平面308−Aは、図示されるように及び例として、はんだボール301−A(これは、接地平面306−A及び308−Aを共に電気的に結合可能にし得る)を介して接地平面306−Aに結合される。この例に示されるように、誘電性導波路204−Aは、回路アセンブリ206−A1及び206−A2と同じ側又は表面に固定され、コア310−Aの一部が接地平面308−Aとマイクロストリップライン208−A1の一部との間に位置する遷移領域314−Aに延びる。典型的に、マイクロストリップライン208−A1(これは、パッケージ基板304−Aを介してIC302−Aに電気的に結合される)は、サブミリメートル(すなわち、約0.5mmから約1mmの間又は約1mm未満の波長)又はテラヘルツ放射(すなわち、約100GHzから約1THzの間)を伝送するような寸法とされる。この例の場合、マイクロストリップライン208−A1は、RF又はワイヤレス信号を誘電性導波路204−Aに伝送できるようにするために遷移領域314−Aに境界を備える、2つの部分を有する。マイクロストリップライン208−A1の1つの部分(これは、IC302−Aから遷移領域314−Aまで延びているように示される)は接地平面306−A1と概して平行であり、パッケージ基板304−A内のマイクロストリップライン208−A1と接地平面306−A1との間に電界を延在させることができる。マイクロストリップライン208−A1と接地平面306−A1との間は比較的短い距離であるため、マイクロストリップライン208−A1のこの部分は、所望のインピーダンス(すなわち約50Ω)を達成するように狭くし得る。遷移領域では、マイクロストリップライン208−A1とその接地平面(これは接地平面308−Aである)の間の分離に段階的増加が存在する。増加により、マイクロストリップライン208−A1のこの部分は、整合インピーダンス(すなわち約50Ω)を有するようにより広い。RF信号は、これによって回路アセンブリ206−A1及び206−A2から直接伝搬され得る。遷移領域314−Aの境界が急峻であるため、ほとんどの問題(すなわち反射)は、IC302−A内の信号処理(すなわち予歪)の使用に対して補償され得るか又はその使用によってフィルタリングされ得る。
【0036】
マイクロストリップライン208−A1は他の形状も有し得る。
図5では、マイクロストリップライン208−A1に関する例示の構成が見られる。この構成の場合、マイクロストリップライン208−A1は2つの部分209及び211を有する。図示されるように、部分209はIC302−Aに電気的に結合されるフィードラインとして機能可能であり、部分211は部分209の幅から広がる。この広がりはテーパを用いて達成され得るが、図示されるように、部分209に電気的に結合される部分211の端部は丸くなっている。
【0037】
さらに効率を改善するために、誘電性導波路204−A及びPCB202−Aは適切に構成され得る。典型的に及びこの例に示されるように、コア310−A(これは、例えば、ポリアミド、ポリエステル(polyster)、ロジャース・コーポレーションからのRO3006(商標)又はRO3010(商標)で形成され得、例えば約0.5mmの高さを有し得る)は、残りのコア310−Aを実質的に取り囲むクラッディング312−Aで、PCB202−A(これは、例えば、ロジャース・コーポレーションからのRO3003(商標)で形成され得る)に固定される。クラッディング312−A及びPCB202−Aはいずれもコア310−Aよりも低い誘電率を有し、クラッディング312−AはPCB202−Aと同じか又は同様の誘電率を有し得る。これにより、電界を閉じ込められたコア310−Aにし得る。また、誘電性導波路204−Aは、アンテナシステムから発せられる放射の波長に対応するような寸法とされ得る(すなわちサブミリ波長)。
【0038】
代替として、
図7〜
図12に示すように、誘電性導波路312−B、Cは、PCB202−B、Cと統合され得る。これらの例では、チャネルがPCB202−B、C内で配路され得、誘電性導波路204−B、Cは、チャネル内でPCB202−B、Cに固定され得る。図示されるように及びコア310−Aと同様に、コア310−B、Cは遷移領域314−B、Cに延びる。PCB202−B、Cは、
図11の例に示されるようにクラッディング312−B、Cとしても用いられ得るが、代替として、クラッディング材料がチャネル内に含められ得る。加えて、PCB202−B、Cの上方に延びるクラッディング312−B、Cの一部(これは破線で表示される)は省かれ得る。チャネルに固定されるコア310−B、Cの端部は、(例えば
図8に示されるように)テーパされるか、又は(例えば
図10に示されるように)「矩形」にすることも可能である。テーパされる場合、例えば、段の深さは約5ミルずつ増分され得る。
【0039】
図7及び
図8において、アンテナシステム及び遷移領域314−Bに関する構成の一例(システム200−B)が見られる。回路アセンブリ206−B1(例えば)用のアンテナシステムは、概して、マイクロストリップライン208−B1(これは、パッケージ基板304−B内に位置し、IC302−Bに電気的に結合される)及び接地平面306−B(これは、パッケージ基板304−B内に位置し、マイクロストリップライン208−B1の一部と概して平行であり、マイクロストリップライン208−B1の一部から離れている)で構成される。例えば、マイクロストリップライン208−B1の一部(これは、IC302−Bから遷移領域314−Bとの境界まで延在しているように示される)と接地平面306−Bは、約0.2mm離され得る。接地平面308−B(これは、図示されるように及び例として、PCB202−B内に位置する)は、遷移領域314−B内のマイクロストリップライン208−B1の一部と平行であり、遷移領域314−B内のマイクロストリップライン208−B1の一部から離れている。また、マイクロストリップライン208−B1との間の距離は、例えば、接地平面308−Bから約1mm離され得る。この構成を有することにより、マイクロストリップライン208−B1の幅、及びマイクロストリップライン208−B1と接地平面308−Bとの間の距離は、所望のインピーダンス(すなわち約50Ω)を提供するような寸法とされ得る。典型的に、この例の場合、マイクロストリップライン208−B1の一部は概して矩形であり、遷移領域内の部分はより広くなっている。例えば、幅は約50Ωの所望のインピーダンスを達成するような幅を有し得る。この例に示されるように、接地平面308−Bが接地平面306−Bに電気的に(すなわち、はんだボール301−Bを介して)結合され得るように、接地平面308−Bの一方の側から延びるバイア316も存在する。
【0040】
図9及び
図10において、アンテナシステム及び遷移領域314−Cに関する別の構成例(システム200−C)が見られる。回路アセンブリ206−C1(例えば)用のアンテナシステムは、概して、マイクロストリップライン208−C1(これは、パッケージ基板304−C内に位置し、IC302−Bに電気的に結合される)、マイクロストリップライン320−1(これはPCB202−C内に位置する)、接地平面306−C(これは、パッケージ基板304−C内に位置し、マイクロストリップライン208−C1の一部に概して平行である)、及びバイア318(これは、パッケージ基板304−Cの一方の側とマイクロストリップライン208−C1との間に延在し、マイクロストリップライン208−C1がはんだボール301−C”を介してマイクロストリップライン320−1に電気的に結合され得るようにする)で構成される。例えば、マイクロストリップライン208−C1の一部(これは、IC302−Cから遷移領域314−Cとの境界まで延在しているように示される)と接地平面306−Cとは、約0.2mm離され得る。接地平面308−B(これは、図示されるように及び例として、PCB202−B内に位置する)は、遷移領域314−C内のマイクロストリップライン208−C1の一部と平行であり、遷移領域314−C内のマイクロストリップライン208−C1の一部から離れている。また、マイクロストリップライン208−B1との間の距離は、例えば、接地平面308−Bから約1mm離され得る。この構成を有することにより、マイクロストリップライン208−C1の幅、及びマイクロストリップライン208−B1と接地平面306−Cとの間の距離は、所望のインピーダンス(すなわち約50Ω)を提供するような寸法とされ得る。典型的に、この例の場合、マイクロストリップライン208−C1の一部(これは、IC302−Cから遷移領域314−Cまで延在しているように示される)は、所望のインピーダンス(すなわち約50Ω)を提供するような寸法とされた幅(すなわち約25μm)を有し、別の部分(これは、遷移領域314−Cの境界からパッケージ基板304−Cの端部まで延在しているように示される)は、マイクロストリップライン320−1(これは、この放射を伝搬するような寸法ともされる)と接地平面308−Bとの間の領域への遷移を可能にするような寸法とされる。典型的に、IC302−Cから遷移領域314−Cまで延在しているように示されるマイクロストリップライン208−C1の部分は、遷移領域314−Cの境界からパッケージ基板304−Cの端部まで延在しているように示されるマイクロストリップライン208−C1の部分よりも概して広い。この例に示されるように、接地平面308−Cが接地平面306−Cに電気的に(すなわち、はんだボール301−C’を介して)結合され得るように、接地平面308−Bの一方の側から延びるバイア316も存在する。
【0041】
遷移領域314−Cの一部として、誘電性導波路204−Cのコア310−Cが延在する金属導波路322も存在し、金属導波路322の例が
図12に示されている。誘電性導波路204−Cとの所望の結合(システム200−Bのいずれかに関して)を達成するために、金属導波路322は、プレート402及び404、接地平面308−C、及びバイア408で形成され得る。この例に示されるように、プレート404(これは、例えば、銅で形成され得、マイクロストリップライン320−1に電気的に結合される)は、狭部及びテーパされた部分を含み、プレート402(これは例えば銅で形成され得る)に概して平行である。プレート404の狭部は、所望のインピーダンスを達成するように(すなわち、システム200−Cのアンテナシステムからのインピーダンスと合致するように)選択される。また、プレート402は概して、プレート404と同一平面上にあり得プレート404に電気的に結合され得る。加えて、バイア408はこの例では、プレート402及び404並びに接地平面308−Cが共に電気的に結合されるように、プレート402と接地平面308−Cとの間に延在するように示されている。また、バイア408は、誘電性導波路204−Cが金属導波路322に延び得るように離間される。また、誘電性導波路204−Cの端部の形状は、遷移領域314−Cの特性に影響を与え得、この例において、誘電性導波路の端部(これは金属導波路322に延びる)はテーパされる。しかしながら、他の形状も可能である。
【0042】
当業者であれば、本発明の特許請求の範囲内で、多くの改変が実行可能であること、及び多くの他の実施形態が可能であることを理解されよう。