(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155363
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】組立式パレット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/32 20060101AFI20170619BHJP
【FI】
B65D19/32 A
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-103226(P2016-103226)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-57010(P2017-57010A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2016年5月24日
(31)【優先権主張番号】104130353
(32)【優先日】2015年9月14日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】104141001
(32)【優先日】2015年12月7日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】105112691
(32)【優先日】2016年4月22日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】516153018
【氏名又は名称】エア−バッグ パッキング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR−BAG PACKING CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516153029
【氏名又は名称】リョウ, タイ−アン
【氏名又は名称原語表記】LIAO, TAI−AN
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 彰文
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】リョウ, タイ−アン
(72)【発明者】
【氏名】リョウ, カオ−ヒイン
(72)【発明者】
【氏名】リョウ, ジエ−ホア
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−345737(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3196885(JP,U)
【文献】
実開昭62−006225(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3136478(JP,U)
【文献】
米国特許第3577937(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00 − 19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式パレットであって、パレットフレームと、前記パレットフレームの隅角箇所に位置する複数の第1ベース座体と、2つの前記第1ベース座体の間にそれぞれ位置する複数の第2ベース座体と、デッキボード部とを含み、
前記パレットフレームは、複数の縦棒と複数の横棒を含み、前記複数の縦棒と前記複数の横棒とは、それぞれ階段状位置決め部を備え、
各前記複数の第1ベース座体は、第1ベース座体本体と、複数の第1階段状結合部を含み、
前記第1ベース座体本体は、第1上面、第1底面及び複数の第1側面を含み、前記複数の第1側面は、前記第1上面と前記第1底面とに連接され、
前記複数の第1階段状結合部は、前記第1ベース座体本体の前記第1上面と2つの前記第1側面との間に位置し、前記複数の第1階段状結合部は、相互に連接され、かつ1つの前記縦棒の前記階段状位置決め部と1つの前記横棒の前記階段状位置決め部との位置が合うようにガイドし、前記縦棒と前記横棒とを前記第1ベース座体本体上に結合させ、
各前記第2ベース座体は、第2ベース座体本体と、第2階段状結合部とを含み、
前記第2ベース座体本体は、第2上面、第2底面及び複数の第2側面を含み、前記複数の第2側面は、前記第2上面と前記第2底面とに連接され、
前記第2階段状結合部は、前記第2ベース座体本体の前記第2上面と1つの前記第2側面との間に位置し、前記第2階段状結合部は、1つの前記縦棒の前記階段状位置決め部または1つの前記横棒の前記階段状位置決め部の位置が合うようにガイドして、前記縦棒または前記横棒を前記第2ベース座体本体上に結合させ、
前記デッキボード部は、前記パレットフレーム上に固定され、かつ前記パレットフレームと、前記複数の第1ベース座体の前記複数の第1上面と、前記複数の第2ベース座体の前記複数の第2上面とに密着されることを特徴とする、組立式パレット。
【請求項2】
前記複数の第1階段状結合部と前記複数の第2階段状結合部との階段数は、前記階段状位置決め部の階段数より多いことを特徴とする、請求項1に記載の組立式パレット。
【請求項3】
前記パレットフレームは、さらに複数の底部支持棒を含み、
各前記第1ベース座体は、さらに前記第1底面に位置する第1位置決め溝を含み、
各前記第2ベース座体は、さらに前記第2底面に位置する第2位置決め溝を含み、
一部の数量の前記複数の底部支持棒は、2つの前記第1位置決め溝に嵌合されて、2つの前記第1ベース座体を位置決めし、
別の一部の数量の前記複数の底部支持棒は、2つの前記第2位置決め溝に嵌合されて、2つの前記第2ベース座体を位置決めすることを特徴とする、請求項1または2に記載の組立式パレット。
【請求項4】
前記パレットフレームは、さらに複数の連結棒を含み、
前記複数の連結棒は、1つの前記縦棒と1つの前記底部支持棒とにそれぞれ連結されるか、または1つの前記横棒と1つの前記底部支持棒とにそれぞれ連結されることを特徴とする、請求項3に記載の組立式パレット。
【請求項5】
各前記第1ベース座体は、さらに1つの前記第1側面に位置する第1連結溝を含み、
前記第1連結溝は、1つの前記第1階段状結合部と前記第1位置決め溝とに連結され、
各前記第2ベース座体は、さらに1つの前記第2側面に位置する第2連結溝を含み、
前記第2連結溝は、前記第2階段状結合部と前記第2位置決め溝とに連結され、
前記複数の連結棒は、前記複数の第1位置決め溝と前記複数の第2位置決め溝とに嵌合されることを特徴とする、請求項4に記載の組立式パレット。
【請求項6】
前記パレットフレームはさらに、前記複数の縦棒または前記複数の横棒に連結された複数の強化棒を含むことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の組立式パレット。
【請求項7】
1つの前記強化棒は、前記複数の縦棒に連結され、隣接する前記強化棒は、前記複数の横棒に連結されることを特徴とする、請求項6に記載の組立式パレット。
【請求項8】
前記縦棒の前記階段状位置決め部の一端が延伸されて凸部が形成され、前記横棒の前記階段状位置決め部に嵌入されて前記縦棒と前記横棒とが結合されることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の組立式パレット。
【請求項9】
前記横棒の前記階段状位置決め部の一端が延伸されて凸部が形成され、前記縦棒の前記階段状位置決め部に嵌入されて前記縦棒と前記横棒とが結合されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の組立式パレット。
【請求項10】
前記パレットフレームは、さらに斜め棒及び中央座体を含み、
前記中央座体は、さらに中央対角方向溝部を含み、
前記第1ベース座体は、さらに対角方向結合部を含み、
前記斜め棒の両端は、前記中央対角方向溝部と前記対角方向結合部とにそれぞれ挿入され、前記中央座体と前記第1ベース座体とが位置決めされることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の組立式パレット。
【請求項11】
前記中央対角方向溝部は、中央外部拡張部、中央連結部、中央内部拡張部を含み、
前記中央連結部は、前記中央外部拡張部と前記中央内部拡張部とに連結され、かつ前記中央連結部の幅は、前記中央外部拡張部と前記中央内部拡張部の幅より小さいことを特徴とする、請求項10に記載の組立式パレット。
【請求項12】
前記対角方向結合部は、結合部外部拡張部、結合部連結部、結合部内部拡張部を含み、
前記結合部連結部は、前記結合部外部拡張部と前記結合部内部拡張部に連結され、
前記結合部連結部の幅は、前記結合部外部拡張部と前記結合部内部拡張部の幅より小さいことを特徴とする、請求項10または11に記載の組立式パレット。
【請求項13】
前記中央座体、前記複数の第1ベース座体、前記複数の第2ベース座体は、さらに複数の位置決め挿入孔を含み、
前記複数の位置決め挿入孔は、前記中央対角方向溝部、前記複数の第1階段状結合部、前記複数の第2階段状結合部内にそれぞれ位置し、
前記複数の縦棒と前記複数の横棒とは、両端にそれぞれ突出構造を呈する複数の位置決め部を備え、
前記複数の位置決め部は、前記複数の位置決め挿入孔内にそれぞれ挿入され、
前記パレットフレームは、前記複数の第1ベース座体、前記複数の第2ベース座体及び前記中央座体上に固定されることを特徴とする、請求項10ないし12のいずれかに記載の組立式パレット。
【請求項14】
前記中央座体、前記複数の第1ベース座体、前記複数の第2ベース座体の側面に保護ストリップが延伸されて設けられたことを特徴とする、請求項10ないし13のいずれかに記載の組立式パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパレットに関し、特に、組立式パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
貨物の輸送または管理において、パレットは、非常によく見受けられる補助具であり、貨物をその上に置き、機器(フォークリフトなど)を利用して貨物を運ぶために用いられ、便利で迅速であるという利点のほか、貨物が運搬または保管の過程で破損したり、湿気を受けたりしないようにすることもできる。
【0003】
しかしながら、現在市場で見受けられるプラスチック製パレットは、ほとんどが一体成型で成り、異なるサイズのプラスチック製パレットを使用する必要がある場合、相応の金型で製造する必要があるが、金型の費用は非常に高い。このほか、パレットに物を置いた後、四方から包装するとき、板面が引き裂かれやすく、またパレットもぶつかって欠損を生じやすい。そのため、板面の割れでも、小さな角が欠けただけの破損でも、パレット全体を廃棄しなければならず、使用を継続できない。このため、コストが低く、修理しやすいパレットをいかに製造するかということは、本分野の技術者が解決を期待している課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の問題に鑑み、本発明の目的は、組立ての利便性と効率を増進させ、修理コストを抑制できる、組立式パレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の組立式パレットは、パレットフレームと、前記パレットフレームの隅角箇所に配置された複数の第1ベース座体と、2つの前記第1ベース座体の間にそれぞれ配置された複数の第2ベース座体と、前記パレットフレーム上に固定されたデッキボード部とを含み、前記パレットフレームが複数の縦棒と複数の横棒を含み、前記複数の縦棒と前記複数の横棒はそれぞれ階段状位置決め部を備え、前記各第1ベース座体が、第1上面、第1底面、複数の第1側面を含む第1ベース座体本体と、前記第1ベース座体本体の前記第1上面と2つの前記第1側面との間に配置された複数の第1階段状結合部を含み、前記複数の第1側面が前記第1上面と前記第1底面とに連接され、前記複数の第1階段状結合部が相互に連接され、かつ1つの前記縦棒の前記階段状位置決め部と1つの前記横棒の前記階段状位置決め部との位置が合うようにそれらをガイドし、前記縦棒と前記横棒とを前記第1ベース座体本体上に結合させ、前記各第2ベース座体が、第2上面、第2底面、複数の第2側面を含む第2ベース座体本体と、前記第2ベース座体本体の前記第2上面と1つの前記第2側面との間に配置された第2階段状結合部を含み、前記複数の第2側面が前記第2上面と前記第2底面とに連接され、前記第2階段状結合部が1つの前記縦棒の前記階段状位置決め部または1つの前記横棒の前記階段状位置決め部の位置が合うようにそれらをガイドし、前記縦棒または前記横棒を前記第2ベース座体本体上に結合させ、前記デッキボード部に前記パレットフレーム、前記複数の第1ベース座体の前記複数の第1上面と前記複数の第2ベース座体の前記複数の第2上面とが密着される。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、階段状構造の設計により、組立て時は縦棒と横棒の位置が合うようにそれらをガイドし、縦棒と横棒をベース座体上に結合させることができる。即ち、先に縦棒と横棒でパレットフレームを構成し、階段状構造の設計でパレットフレームの位置を合わせガイドして、ベース座体に結合させることができる。また、先に階段状構造設計で縦棒と横棒の位置が合うようにガイドして、ベース座体に結合させてから、縦棒と横棒でパレットフレームを構成することもできる。これにより、階段状構造設計を組立てのポカよけ設計として、組立て時に歪みや突出を生じることがなく、組立ての利便性と効率を増進することができる。このほか、一部の構成部材が破損したとき、破損した構成部材のみを取り外して交換できるため、効果的に修理の手間を省き、修理コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の実施例1のパレットフレームの立体図である。
【
図3A】本発明の実施例1の第1ベース座体とパレットフレームの組み立てを示す立体図である。
【
図3B】本発明の実施例1の縦棒と横棒の別の組み立て態様を示す立体図である。
【
図4】本発明の実施例1の第1ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体外観図である。
【
図5】本発明の実施例1の第2ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体分解図である。
【
図6】本発明の実施例1の第2ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体外観図である。
【
図9】本発明の実施例2のパレットフレームの立体図である。
【
図10】本発明の実施例2の別のパレットフレームの結合態様を示す立体分解図である。
【
図11】本発明の実施例2の第1ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体分解図である。
【
図12】本発明の実施例2の第1ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体外観図である。
【
図13】本発明の実施例2の第2ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体分解図である。
【
図14】本発明の実施例2の第2ベース座体とパレットフレームの組立てを示す立体外観図である。
【
図15】本発明の実施例2の別の第2ベース座体とパレットフレームの組立て態様を示す立体分解図である。
【
図16】本発明の実施例2の別の第2ベース座体とパレットフレームの組立て態様を示す立体外観図である。
【
図17】本発明の実施例3のパレットフレームの立体外観図である。
【
図18】本発明の実施例3の中央座体と斜め棒の立体分解図である。
【
図19】本発明の実施例3の中央座体と斜め棒の結合を示す立体外観図である。
【
図20】本発明の実施例3の中央座体の実施態様を示す外観
図1である。
【
図21】本発明の実施例3の中央座体の実施態様を示す外観
図2である。
【
図22】本発明の実施例3のデッキボード部の実施態様を示す外観図の実施態様を示す外観図である。
【
図24】本発明の実施例4の中央座体の立体外観図である。
【
図25】本発明の実施例4の第2ベース座体の立体外観図である。
【
図26】本発明の実施例4の第1ベース座体の立体外観図である。
【
図29】本発明の実施例4の第1ベース座体と斜め棒の拡大図である。
【
図30】本発明の実施例4の保護ストリップ構造を備えた組立式パレットの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1の本発明の立体外観図を参照する。本実施例において、組立式パレット1は、主にパレットフレーム2、複数の第1ベース座体3、複数の第2ベース座体4、デッキボード部6から構成することができる。
【0009】
図2の本発明のパレットフレームの立体外観図を参照する。パレットフレーム2は、主に複数の縦棒21と複数の横棒22とで構成され、そのうち、縦棒21と横棒22は中空の管状とすることができるが、これに限らない。ここで、縦棒21と横棒22はそれぞれ階段状位置決め部211、221を備え、かつ階段状位置決め部211、221は1つまたは2つ以上の階段状構造を備えている。
図2と
図3Aに示すものは2段の階段状構造であり、
図11に示すものは1段の階段状構造である。
【0010】
図1と
図3Aに示すように、複数の第1ベース座体3はパレットフレーム2の隅角箇所に配置され、各第1ベース座体3は主に第1ベース座体本体31と複数の第1階段状結合部32とから構成される。そのうち、前記第1ベース座体本体31は第1上面311、第1底面312、複数の第1側面313から構成され、前記複数の第1側面313が前記第1上面311と第1底面312に連接される。前記複数の第1階段状結合部32は、第1ベース座体本体31の第1上面311と2つの第1側面313との間に位置する。複数の第1階段状結合部32は、相互に連接されてL字形に配列され、かつ1つの縦棒21の階段状位置決め部211と1つの横棒22の階段状位置決め部221との位置が合うようにガイドし、縦棒21と横棒22を第1ベース座体本体31上に結合させる。つまり、縦棒21または横棒22のどちらでも、第1階段状結合部32にガイドされて、第1ベース座体本体31に位置が合う。そのため、
図4に示すように、組立て時に歪んだり、第1上面311に突出したりすることがなく、組立て作業者が縦棒21と横棒22の位置を調整する必要がなく、縦棒21と横棒22の上面と第1上面311で実質的に平坦な面を構成でき、これにより組立てのポカよけという目的を達することができる。
【0011】
本実施例において、第1階段状結合部32の階段数は、階段状位置決め部211、221の階段数より多く、好ましくは第1階段状結合部32の階段数が階段状位置決め部211、221の階段数より1つ多い。例えば
図3Aと
図4に示すように、階段状位置決め部211、221の階段数が2段の階段状構造の場合、第1階段状結合部32の階段数は3段の階段状構造とする。
【0012】
図1と
図5に示すように、複数の第2ベース座体4は2つの第1ベース座体3の間にそれぞれ位置し、各第2ベース座体4は主に第2ベース座体本体41と第2階段状結合部42とから構成される。そのうち、前記第2ベース座体の本体41は第2上面411、第2底面412、複数の第2側面413を備え、複数の第2側面413が前記第2上面411と前記第2底面412に連接される。前記第2階段状結合部42は、前記第2ベース座体の本体41の第2上面411と1つの第2側面413との間に位置する。前記第2階段状結合部42は、1つの縦棒21の階段状位置決め部211または1つの横棒22の階段状位置決め部221の位置が合うようにガイドして、縦棒21または横棒22を第2ベース座体の本体41上に結合させる。その位置が合うようにガイドすることで、前述したように、また
図6に示すように、縦棒21と横棒22の上端面と第2上面411が実質的に平坦な面を構成し、組立てのポカよけという目的を達することができる。
【0013】
本実施例において、第2階段状結合部42の階段数は、階段状位置決め部211、221の階段数より多く、好ましくは第2階段状結合部42の階段数が階段状位置決め部211、221の階段数より1つ多い。例えば
図5と
図6に示すように、階段状位置決め部211(または階段状位置決め部221)の階段数が2段の階段状構造の場合、第2階段状結合部42の階段数は3段の階段状構造とする。
【0014】
デッキボード部6はパレットフレーム2上に固定され、その底面がパレットフレーム2の上面、第1ベース座体3の第1上面311及び第2ベース座体4の第2上面411に密着される。ここで、デッキボード部6は、単一の板体(
図1参照)または複数の長方形の板体で構成(
図22参照)することができ、固定部材による螺着、接着剤による接着等の方式でパレットフレーム2上に固定される。かつ、その両端に概ね弧状を呈する弧状端部61(
図22参照)がそれぞれ設けられ、弧状の設計により、鋭角の構造を排除して使用者が怪我をしないようにする。
【0015】
図1に示すように、階段状構造の設計により、組立て時は縦棒21と横棒22の位置が合うようにガイドして、縦棒21と横棒22を第1ベース座体3と第2ベース座体4上に結合させることができる。即ち、先に縦棒21と横棒22でパレットフレーム2を構成し、階段状構造の設計でパレットフレーム2と位置が合うようにガイドし、第1ベース座体3と第2ベース座体4を結合してもよい。また、先に階段状構造の設計で縦棒21と横棒22の位置が合うようにガイドして、第1ベース座体3および第2ベース座体4と結合させてから、縦棒21と横棒22でパレットフレーム2を構成してもよい。
【実施例2】
【0016】
図7、
図8、
図9を参照する。
図7に本発明の別の態様の立体外観
図1、
図8に本発明別の態様の立体外観
図2、
図9に本発明の別の態様のパレットフレームの立体外観図をそれぞれ示す。この態様は、縦棒21と横棒22が階段状位置決め部211、221をそれぞれ備え、かつ階段状位置決め部211、221が1つの階段の階段状構造を備えている(
図11参照)。
【0017】
本実施態様において、第1階段状結合部32の階段数は、階段状位置決め部211、221の階段数より多く、好ましくは第1階段状結合部32の階段数が階段状位置決め部211、221の階段数より1つ多い。例えば
図11と
図12に示すように、第1階段状結合部32の階段数が2段の階段状構造の場合、第2階段状結合部42の階段数は2段の階段状構造とする。
【0018】
図1と
図2に示すように、パレットフレーム2はさらに複数の底部支持棒23と複数の連結棒24とが設けられてもよい。それぞれ縦棒21と底部支持棒23が連接される、または横棒22と底部支持棒23が連接される。かつ、
図3Aおよび
図4に示すように、第1ベース座体3はさらに第1底面312に位置する第1位置決め溝33が設けられ、
図5と
図6に示すように、第2ベース座体4はさらに第2底面412に位置する第2位置決め溝43が設けられる。そのうち、一部の数量の底部支持棒23が2つの前記第1位置決め溝33に嵌合されて、2つの第1ベース座体3が位置決めされ、別の一部の数量の底部支持棒23が2つの前記第2位置決め溝43に嵌合されて、2つの第2ベース座体4が位置決めされる。
図3Aと
図4に示すように、第1ベース座体3にはさらに第1側面313に位置する第1連結溝34が設けられる。これは、連結棒24を嵌合するために用いられ、連結棒24と第1側面313に実質的に平坦な面を構成させる。そのうち前記第1連結溝34は、1つの第1階段状結合部32と第1位置決め溝33とに連接される。
図5と
図6に示すように、第2ベース座体4にはさらに第2側面413に位置する第2連結溝44が設けられる。これは、連結棒24を嵌合するために用いられ、連結棒24と第2側面413に実質的に平坦な面を構成させる。そのうち第2連結溝44は、第2階段状結合部42と第2位置決め溝43とに連接される。このほか、さらに、
図15と
図16に示すように、第2階段状結合部42は第2上面411の略中央箇所に位置し、第2連結溝44は第2階段状結合部42の内側面に位置して第2底面412まで貫通され、縦棒21及び連結棒24がそれぞれ挿入される。かつこの方式はさらに第1ベース座体3上にも適用することができる。
【0019】
図9と
図10に示すように、パレットフレーム2の縦棒21と横棒22は1つの階段を備えた階段状位置決め部211、221をそれぞれ備え、かつパレットフレーム2はさらに複数の底部支持棒23と複数の連結棒24とを設けることができる。これは前述のとおりであるため、ここでは説明を省略する。
【0020】
図2と
図9に示すように、パレットフレーム2はさらに複数の強化棒26を設け、複数の縦棒21に連接する、または複数の横棒22に連接することができる。好ましくは、そのうち1つの強化棒26が複数の縦棒21に連接され、隣接する強化棒26が複数の横棒22に連接される。つまり、隣接する2つの強化棒26が相互に垂直に設置される。例えば
図2と
図9に示すパレットフレーム2の右上部分の強化棒26は複数の横棒22に縦方向に連接され、左上部分と右下部分の強化棒26は複数の縦棒21に横方向に連接されている。強化棒26を互い違いに配列する方式により、パレットフレーム2の全体的強度を効果的に高めることができる。
【0021】
図3Aに示すように、横棒22の階段状位置決め部221の一端が延伸されて凸部222が形成され、縦棒21の階段状位置決め部211に嵌入されて、縦棒21と横棒22とが結合される。凸部を相互に嵌合する設計により、縦棒21と横棒22の結合をより強固にすることができる。凸部の相互嵌合は、その他の変更が可能であり、例えば
図3Bに示すように、縦棒21の階段状位置決め部211の一端が延伸されて凸部212が形成され、横棒22の階段状位置決め部221に嵌入されて、縦棒21と横棒22とが結合される。
【実施例3】
【0022】
さらに
図17、
図18、
図19に示すように、本実施例において、組立式パレット1はさらに中央座体5を含み、その全体はプラスチック射出成型の構造体、またはプラスチックと木屑を混合した射出成型の構造体とすることができる。本実施例において、中央座体5は多辺形体(正方形体、長方形体など)であるが、円形、楕円形または不規則の形状としてもよく、本発明はこれに限定されない。複数の第1ベース座体3、複数の第2ベース座体4は、中央座体5を中心として中央座体5の側辺に配列される。
【0023】
中央座体5はさらに中央座体本体51と、互いに交差して配列された複数の中央位置決め溝52とを含み、複数の中央位置決め溝52は中央座体本体51の中心から対称に交差して配列される。即ち、中央位置決め溝52は複数の中央溝部53を含み、複数の中央溝部53が相互に連通し、かつ中央座体本体51の中心を通って十字形の態様を呈する。
【0024】
中央座体5はさらに複数の中央対角方向溝部54を含み、複数の中央対角方向溝部54は中央座体本体51の上面に凹設される。本実施例において、中央座体5は、具体的には4つの中央対角方向溝部54を備え、中央座体本体51の4つの角部の位置にそれぞれ配置されている。各中央対角方向溝部54は、中央座体本体51の中心方向に向かって延伸され、かつ相互に連通していない。本発明はこれに限定されず、中央対角方向溝部54は、中央座体本体51の中心方向に向かって延伸され、相互に連通してもよい。このほか、さらに、中央座体5上に4つの中央対角方向溝部54を設置しない使用方式としてもよい(
図20参照)。
【0025】
図17、
図18に示すように、このほか、複数の中央溝部53と複数の中央対角方向溝部54は交互に配置され、米字形の態様を呈する。これに基づき、各中央対角方向溝部54と各中央溝部53は相互に連通してもよい。かつ、各第1ベース座体3はさらに対角方向結合部39を含み、対角方向結合部39は凹溝の構造を形成し、第1上面311に位置する。各対角方向結合部39は、各中央対角方向溝部54にそれぞれ対応する。パレットフレーム2はさらに複数の斜め棒29を含み、各斜め棒29は前述の平行と垂直に配列された縦棒21と横棒22の間に位置する。これに基づき、各斜め棒29は両端が各対角方向結合部39と各中央対角方向溝部54に配置され、パレットフレーム2全体が複数の第1ベース座体3、複数の第2ベース座体4及び中央座体5上でしっかりと固定される。このほか、各対角方向結合部39及び各中央対角方向溝部54の溝状の構造は口が広く中心が狭い構造を呈し、組立式パレット全体が横方向と縦方向及び対角方向の3つの方向すべてでサイズを調整できるようにされている(
図24と
図26参照)。
【0026】
このほか、中央座体5、各第1ベース座体3、各第2ベース座体4はさらに複数の位置決め挿入孔35/45/55を含み、各位置決め挿入孔35/45/55は中央位置決め溝52、複数の第1階段状結合部32、第2階段状結合部42内にそれぞれ位置する。縦棒21、横棒22、斜め棒29は、突出した構造を呈する位置決め部214/224/294(
図18、
図19、
図21参照)を備える。各位置決め部214/224/294は各位置決め挿入孔35/45/55内にそれぞれ挿入され、パレットフレーム2が複数の第1ベース座体3、複数の第2ベース座体4及び中央座体5上でしっかりと固定される。
【実施例4】
【0027】
さらに
図23、
図24、
図26に本発明の実施例4の外観図を示す。本実施例と前述の実施例の違いは、中央座体5と第1ベース座体3が概ね8の字形(瓢箪の形状)の対角方向溝部構造を備えている点である。ここで、中央座体5の各中央対角方向溝部54は、外側からベース座体の中心方向に向かって形成された、中央外部拡張部541、中央連結部542及び中央内部拡張部543を含み、全体を見ると、中央対角方向溝部54は俯瞰で見たとき概ね8の字形(瓢箪の形状)である。つまり、中央対角方向溝部54の中央連結部542は中間が徐々に窄まった部分であり、その幅が両端の中央外部拡張部541と中央内部拡張部543の幅より小さい。中央外部拡張部541は、実際には中央内部拡張部543の幅と同じまたはより小さくすることができる。このほか、中央外部拡張部541は開放の形態を呈し、外部の棒体を中央外部拡張部541から中央対角方向溝部54中に挿入するために供することができる。
【0028】
図23と
図26に示すように、各第1ベース座体3の対角方向結合部39は、外側からベース座体の中心方向に向かって形成された、結合部外部拡張部391、結合部連結部392及び結合部内部拡張部393を含む。ここで、結合部外部拡張部391、結合部連結部392及び結合部内部拡張部393は、前述の中央外部拡張部541、中央連結部542及び中央内部拡張部543と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
図23、
図24、
図26に示すように、組立て時は、斜め棒29の一端を中央外部拡張部541に穿通して中央対角方向溝部54内に挿入し、中央連結部542により斜め棒29を保持して、斜め棒29が中央連結部542を中心とし、中央外部拡張部541と中央内部拡張部543の空間内で回動できるようにする。斜め棒29の他端を結合部外部拡張部391に穿通して対角方向結合部39に挿入し、結合部連結部392により斜め棒29を保持して、斜め棒29が結合部連結部392を中心とし、結合部外部拡張部391と結合部内部拡張部393の空間内で回動できるようにする(
図29参照)。斜め棒29と縦棒21の間の挟角は、θ1からθ1’に変化する。
【0030】
図23から
図28に示すように、斜め棒29が中央対角方向溝部54と対角方向結合部39内で回動し、斜め棒29と縦棒21(または横棒22)との間の挟角角度に、異なる寸法または方形、長形等異なる形状のパレットフレーム2を構成させることができる。この部分についてさらに図面を参照しながら以下のように説明する。
図24と
図27に示すように、組立式パレット1の全体長さL1(すなわち縦方向の2つの第1ベース座体3の相対する外側の距離)と全体幅L2(すなわち横方向の2つの第1ベース座体3の相対する外側の距離)が同じであり、例えば組立式パレット1の全体長さL1と全体幅L2が1100cmであるとき、斜め棒29、縦棒21と横棒22の相互間の挟角θ1は45度、挟角θ2は90度、挟角θ3は45度である。このとき、斜め棒29の両端はそれぞれ結合部連結部392と中央連結部542により挟持される。
図24と
図28に示すように、パレットの全体長さL1’(つまり縦方向の2つの第1ベース座体3の相対する外側の距離)が1000cmであり、全体幅L2’(つまり横方向の2つの第1ベース座体3の相対する外側の距離)が1200cmであるとき、斜め棒29、縦棒21と横棒22の相互間の挟角θ1’は52度、挟角θ2’は90度、挟角θ3’は38度である。このとき、
図27の組立式パレット1全体及びその挟角θ1と挟角θ3の角度は
図28の組立式パレット1全体及びその挟角θ1’と挟角θ3’の角度とそれぞれ異なるが、斜め棒29の両端はやはりそれぞれ結合部連結部392と中央連結部542に挟持させることができる。つまり、中央外部拡張部541及び中央内部拡張部543を利用して斜め棒29の一端の角度を変えた後も、中央連結部542により斜め棒29を挟持することができ、斜め棒29の他端も結合部外部拡張部391及び結合部内部拡張部393中で角度を変えた後も、結合部連結部392により斜め棒29を挟持することができる。このため、パレットフレーム2の寸法が変化しても、またはパレットフレーム2の形状が方形または長形であっても、同じ中央座体5と第1ベース座体3を適用(共用)することができる。
【0031】
このほか、
図30に示すように、各ベース座体には保護ストリップ構造を設置してもよく、第1ベース座体3、第2ベース座体4の一側面に保護ストリップ7Aを延伸することができる。そのうち、保護ストリップ7Aは、突出構造であり、外部の衝撃を緩衝するとともに、パレットフレーム2を位置決めするために用いることができる。
【0032】
図11、
図13、
図14に示すように、特に説明すべきは、縦棒21と横棒22上に連結棒24のみを連結して使用したり、あるいは位置決め部214/224のみを設置して使用したり(
図21参照)、または連結棒24と位置決め部214/224を一緒に組み合わせて使用したりすることもできる点である。縦棒21と横棒22上に連結棒24のみを設置して使用する例をみると、縦棒21と横棒22と第1ベース座体3を相互に連結して組立て、安定した状態で固定して位置決めする作用を備えることができる。この状況では、位置決め部214/224の構造設置を省略し、構造コストを抑えることができる。このほか、縦棒21と横棒22上に溶接する複数の連結棒24の使用時は、各連結棒24は縦棒21と横棒22上の任意の位置に設置することができる。例えば
図11、
図13図に示すように、各連結棒24は縦棒21と横棒22の底面の二端と中央位置に溶接固定されているが、これに限らず、一部の実施態様において、各連結棒24は縦棒21と横棒22の側辺に溶接固定される。各第1連結溝34及び第2連結溝44の位置と各連結棒24の位置が相互に対応し、各連結棒24を第1連結溝34及び第2連結溝44に挿入して支持作用を提供することができる。
【0033】
本発明は、階段状構造の設計により、組立て時は縦棒と横棒の位置が合うようにそれらをガイドし、縦棒と横棒をベース座体上に結合させることができる。即ち、先に縦棒と横棒でパレットフレームを構成し、階段状構造の設計でパレットフレームの位置を合わせガイドして、ベース座体に結合させることができる。また、先に階段状構造設計で縦棒と横棒の位置が合うようにガイドして、ベース座体に結合させてから、縦棒と横棒でパレットフレームを構成することもできる。これにより、階段状構造設計を組立てのポカよけ設計として、組立て時に歪みや突出を生じることがなく、組立ての利便性と効率を増進することができる。このほか、一部の構成部材が破損したとき、破損した構成部材のみを取り外して交換できるため、効果的に修理の手間を省き、修理コストを抑制することができる。
【0034】
上述の説明は、単に本発明の最良の実施例を挙げたまでであり、本発明を限定しない。その他本発明の開示する要旨を逸脱することなく完成された同等効果の修飾または置換はいずれも後述の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
1 組立式パレット
2 パレットフレーム
21 縦棒
211 階段状位置決め部
212 凸部
214 位置決め部
22 横棒
221 階段状位置決め部
222 凸部
224 位置決め部
23 底部支持棒
24 連結棒
26 強化棒
29 斜め棒
294 位置決め部
3 第1ベース座体
31 第1ベース座体本体
311 第1上面
312 第1底面
313 第1側面
32 第1階段状結合部
33 第1位置決め溝
34 第1連結溝
35 位置決め挿入孔
39 対角方向結合部
391 結合部外部拡張部
392 結合部連結部
393 結合部内部拡張部
4 第2ベース座体
41 第2ベース座体本体
411 第2上面
412 第2底面
413 第2側面
42 第2階段状結合部
43 第2位置決め溝
44 第2連結溝
45 位置決め挿入孔
5 中央座体
51 中央座体本体
52 中央位置決め溝
53 中央溝部
54 中央対角方向溝部
541 中央外部拡張部
542 中央連結部
543 中央内部拡張部
55 位置決め挿入孔
6 デッキボード部
61 弧状端部
7A 保護ストリップ