特許第6155459号(P6155459)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155459
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】遊技機の可動装飾装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-110535(P2013-110535)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-226452(P2014-226452A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148287
【氏名又は名称】株式会社浅間製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】森部 警司
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 康智
【審査官】 遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−205758(JP,A)
【文献】 特開2011−062431(JP,A)
【文献】 特開2012−110433(JP,A)
【文献】 特開2010−220865(JP,A)
【文献】 特開2008−035976(JP,A)
【文献】 特開2006−061552(JP,A)
【文献】 特開平07−059917(JP,A)
【文献】 特開2009−014113(JP,A)
【文献】 特開2004−314905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、該モータの駆動力により本体に対して正逆両方向に回転可能とした回転体とからなる遊技機の可動装飾装置において、前記回転体の回転数を規制する回転数規制手段を備え、前記回転数規制手段により規制された範囲内で正逆回転する回転体の回転体軸の外周に、フレキシブルフラットケーブルを渦巻状に巻き付け、このフレキシブルフラットケーブルを通じて該回転体に設けられた電気、電子部品への給電を行うものとし、また、前記回転数規制手段は、ゼネバ機構により回転するゼネバ従動輪に突起を形成し、該突起と該本体の内部に形成したストッパとを当接させるものとしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項2】
前記フレキシブルフラットケーブルの巻き付け回数が、該回転体の回転数以上であることを特徴とする請求項1記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項3】
前記フレキシブルフラットケーブルを収納するフレキシブルフラットケーブルケースを該本体の内部に取付け、該フレキシブルフラットケーブルの一方の端部が、該フレキシブルフラットケーブルケースに形成したスリットを介してフレキシブルフラットケーブルケース外部に導出されることを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項4】
前記フレキシブルフラットケーブルケースの外部に導出された該フレキシブルフラットケーブルを、電子回路基板方向に略90°回転させて圧押するフレキシブルフラットケーブル押さえを備えたことを特徴とする請求項3記載の遊技機の可動装飾装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光体等の電気、電子部品が搭載された回転体を持つ遊技機の可動装飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、興趣を高めるために様々な可動装飾装置が取付けられており、例えば特許文献1のような回転発光体がある。このような回転発光体に搭載された発光体には給電をする必要があり、給電には、回転体に対して同心円状に配置された環状の電路に、ブラシを接触させることによって電力や信号を伝達することを可能としたスリップリングが採用されている。しかしながら、スリップリングは高価であり、またブラシが接触により次第に摩耗するため、耐久性に優れない点が問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2005−224436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は前記した従来の問題点を解決し、安価で耐久性に優れ、回転体に搭載された電気、電子部品への給電を行うことができる遊技機の可動装飾装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明は、モータと、該モータの駆動力により本体に対して正逆両方向に回転可能とした回転体とからなる遊技機の可動装飾装置において、前記回転体の回転数を規制する回転数規制手段を備え、前記回転数規制手段により規制された範囲内で正逆回転する回転体の回転体軸の外周に、フレキシブルフラットケーブルを渦巻状に巻き付け、このフレキシブルフラットケーブルを通じて該回転体に設けられた電気、電子部品への給電を行うものとし、また、前記回転数規制手段は、ゼネバ機構により回転するゼネバ従動輪に突起を形成し、該突起と該本体の内部に形成したストッパとを当接させるものとしたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機の可動装置において、前記フレキシブルフラットケーブルの巻き付け回数が、該回転体の回転数以上であることを特徴とするものである。
【0007】
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1、または請求項2記載の遊技機の可動装置において、前記フレキシブルフラットケーブルを収納するフレキシブルフラットケーブルケースを該本体の内部に取付け、該フレキシブルフラットケーブルの一方の端部が、該フレキシブルフラットケーブルケースに形成したスリットを介してフレキシブルフラットケーブルケース外部に導出されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の遊技機の可動装置において、前記フレキシブルフラットケーブルケースの外部に導出された該フレキシブルフラットケーブルを、電子回路基板方向に略90°回転させて圧押するフレキシブルフラットケーブル押さえを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る遊技機の可動装飾装置は、モータと、該モータの駆動力により本体に対して正逆両方向に回転可能とした回転体とからなる遊技機の可動装飾装置において、前記回転体の回転数を規制する回転数規制手段を備え、前記回転体規制手段により規制された範囲内で正逆回転する回転体の回転体軸の外周に、フレキシブルフラットケーブルを渦巻状に巻き付けた。これにより、回転体が回転した際には、その回転数が規制されているため、回転体軸に渦巻状に取付けられたフレキシブルフラットケーブルの巻き付きが緩む、または強くなる変化のみが生じることから、電気、電子部品への給電を維持することができ、さらにフレキシブルフラットケーブルに対する引張応力が少ないため、耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の内部構造を示す背面斜視図である。
図2】本実施形態の回転体の回転前を示す正面斜視図である。
図3】本実施形態の回転体の回転前を示す背面斜視図である。
図4】本実施形態のフレキシブルフラットケーブル取付箇所を示す拡大図である。
図5】本実施形態のフレキシブルフラットケーブル取付前を示す拡大図である。
図6】本実施形態の回転体の回転途中の内部構造を示す背面斜視図である。
図7】本実施形態の回転体の回転途中を示す正面斜視図である。
図8】本実施形態の回転体の回転途中を示す背面斜視図である。
図9】本実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。図2のように、本実施形態の可動装飾装置は、表カバー5と、裏カバー22と、表カバー5に取付けられた回転体7と、回転体に設置された発光体6とからなる。回転体7は図7のようにモータの駆動力により回転すると同時に、発光体6は複数のLEDを備え、電子回路基板からの給電によって、興趣を高めるために発光を行う。
【0014】
図1、および図9に示すように、モータ1と、モータ1のモータギア2に噛合するアイドルギア列3と、アイドルギア列3に噛合する回転体ギア4とが、表カバー5の裏面に取付けられている。本実施形態において、回転体ギア4には、発光体6を備えた回転体7が固定されている。なお、本実施形態においては、モータ1を表カバー5の裏面の端部に取付け、モータ1の駆動力をモータギア2ならびにアイドルギア列3を介して回転体7へと伝導するものとしたが、これに限定されることはなく、モータ1の駆動力を回転体7に伝導できるものであればよい。
【0015】
回転体7の回転数規制手段として、回転体ギア4に形成した1つの突起8と、ゼネバ従動輪9に複数形成した凹部10とが、回転ギア4が一回転する毎に順に噛合するゼネバ機構を備えるものとし、さらにゼネバ従動輪9に凸部11を形成し、表カバー5の裏面にはこの凸部11が当接するストッパ12を2か所に形成することにより、回転体7の回転数を規制するものとした。したがって、モータ1の駆動により回転体7が回転するとき、回転体ギア4に形成した突起8は、回転体ギア4が一回転する毎に、ゼネバ従動輪9に形成した凹部10のうち、10a、10b、10c、10d、10eの順に噛合する。このとき、ゼネバ従動輪9に形成した凸部11の回転角度は、ストッパ12aからストッパ12bの角度範囲に規制されるため、回転体7の回転数を規制することが可能となる。本実施形態においては、凹部10を5か所に形成したため、回転体7は正方向に4回転することができ、その後モータ1を逆回転させることにより、回転体7を逆方向に4回転させることができる。なお、回転体7の回転数はこれに限定されることはない。
【0016】
回転体7に設置した発光体6への給電は、図4に示すように、回転体7に形成した回転体軸13に設けられた給電先としての回転体側コネクタ14と、電子回路基板15に設けられた給電元としての基板側コネクタ16とをフレキシブルフラットケーブル17によって接続することにより行う。フレキシブルフラットケーブル17は、平型の構造を有する薄型の電線であり、本実施形態においては、フレキシブルフラットケーブル17を、回転体軸13の外周に、渦巻状に巻き付けて取付けた。これにより、回転体7が正逆4回転する間には、フレキシブルフラットケーブル17の回転体軸13への巻き付きが緩くなる、または強くなる変化のみが生じ、この間発光体6への給電を継続して行うことができる。本実施形態においては、回転体軸13に対してフレキシブルフラットケーブル17を時計回りに巻き付けているため、回転体軸13が反時計回りに4回転する間にフレキシブルフラットケーブル17の巻き付きは強くなり、さらに回転体軸13が時計回りに4回転して戻る際には、フレキシブルフラットケーブル17の巻き付きは緩くなる。したがって、回転数規制手段により回転体7の回転数を規制した上で、フレキシブルフラットケーブル17を回転体軸13に巻き付けることにより、発光体6への給電が可能となり、さらにフレキシブルフラットケーブル17に対する引張応力が少ないため、耐久性に優れる。
【0017】
なお、フレキシブルフラットケーブル17の巻き付け回数は、回転体7の回転数以上であることが望ましい。
【0018】
図4のように、フレキシブルフラットケーブル17を収納するために、フレキシブルフラットケーブルケース18が表カバー5の裏面に固定されている。さらに、フレキシブルフラットケーブルケース18にはスリット19を形成し、このスリット19を介してフレキシブルフラットケーブル17の端部を外部に導出することが好ましい。
【0019】
さらに、フレキシブルフラットケーブルケース18の外部に導出されたフレキシブルフラットケーブル17の端部を、電子回路基板15方向に略90°回転させて圧押するフレキシブルフラットケーブル押さえ20を備えることが好ましく、フレキシブルフラットケーブル17は、フレキシブルフラットケーブル押さえ20とフレキシブルフラットケーブルケース18との間を介して基板側コネクタ16に接続されることが望ましい。
【0020】
なお、図1のように、ゼネバ従動輪9に遮蔽部21を形成し、この遮蔽部21を、電子回路基板15に備えた図示しないセンサが検知することにより、回転体7の原点位置を検出する構造とすることもできる。これにより、モータ1の脱調により回転体7の回転数を正確に制御できない場合においても、遮蔽部21をセンサによって検知することにより回転体7の回転を制御することが可能となる。
【0021】
以上のように、回転体7が回転した際には、その回転数が規制されているため、回転体軸13に渦巻状に取付けられたフレキシブルフラットケーブル17の巻き付きが緩む、または強くなる変化のみが生じることから、発光体6への給電を維持することができ、さらにフレキシブルフラットケーブル17に対する引張応力が少ないため、耐久性に優れる。さらに、スリップリングを採用した際と比較して、より安価であるため、製作コストを低下させることが可能となる。
【符号の説明】
【0022】
1 モータ
2 モータギア
3 アイドルギア
4 回転体ギア
5 表カバー
6 発光体
7 回転体
8 突起
9 ゼネバ従動輪
10(10a、10b、10c、10d、10e)凹部
11 凸部
12(12a、12b)ストッパ
13 回転体軸
14 回転体側コネクタ
15 電子回路基板
16 基板側コネクタ
17 フレキシブルフラットケーブル
18 フレキシブルフラットケーブルケース
19 スリット
20 フレキシブルフラットケーブル押さえ
21 遮蔽部
22 裏カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9