【実施例1】
【0031】
図12は、実施例1に係る位相補間回路のブロック図である。
図12を参照し、位相補間回路100は、PIコード生成回路20、ミキサー12から18およびバッファ22を備えている。PIコード生成回路20は、比較例1と同じPIコード(例えば
図4)を生成する。すなわち、4相の参照クロック信号の重み付けを示すPIコードを生成する。ミキサー12から18は、例えば
図3と同じ回路であり、4相の参照クロック信号をPIコードに応じ重み付けして結合する。ミキサー12から18の電流IAからIDは、比較例1のミキサー12および16の1/2とする。これは、後述のように比較例1の2倍の相の参照クロック信号を結合することによりクロック信号を生成するため、比較例1と同じ電流ではクロック信号の振幅が2倍となってしまうためである。ミキサー12から18の電流IAからIDは、比較例1と同じとし、
図3のトランジスタ36の大きさ(例えばゲート幅)を2倍としてもよい。
【0032】
ミキサー12は、4相の参照クロック信号CK0、CK90、CK180およびCK270を重み付けし結合することにより信号OUT11およびOUT21を出力する。ミキサー14は、4相の参照クロック信号CK45、CK135、CK225およびCK315を重み付けし結合することにより信号OUT12およびOUT22を出力する。ノードN1は、信号OUT11とOUT12とを位相を変えず結合し信号OUT1を出力する。例えば、ノードN1は、信号OUT11を伝播させるミキサー12の出力信号線と、信号OUT12を伝播させるミキサー14の出力信号線と、信号OUT1を伝播させる信号線をノードN1において物理的に接続することにより、信号OUT1を出力する。ノードN2は、信号OUT21とOUT22とを位相を変えず結合し信号OUT2を出力する。例えば、ノードN2は、信号OUT21を伝播させるミキサー12の出力信号線と、信号OUT22を伝播させるミキサー14の出力信号線と、信号OUT2を伝播させる信号線をノードN2において物理的に接続することにより、信号OUT2を出力する。
【0033】
ミキサー16は、4相の参照クロック信号CK90、CK180、CK270およびCK0を重み付けし結合することにより信号OUT31およびOUT41を出力する。ミキサー18は、4相の参照クロック信号CK135、CK225、CK315およびCK45を重み付けし結合することにより信号OUT32およびOUT42を出力する。ノードN3は、信号OUT31とOUT32とを位相を変えず結合し信号OUT3を出力する。例えば、ノードN3は、信号OUT31を伝播させるミキサー16の出力信号線と、信号OUT32を伝播させるミキサー18の出力信号線と、信号OUT3を伝播させる信号線をノードN3において物理的に接続することにより、信号OUT3を出力する。ノードN4は、信号OUT41とOUT42とを位相を変えず結合し信号OUT4を出力する。例えば、ノードN4は、信号OUT41を伝播させるミキサー16の出力信号線と、信号OUT42を伝播させるミキサー18の出力信号線と、信号OUT4を伝播させる信号線をノードN4において物理的に接続することにより、信号OUT4を出力する。
【0034】
各参照クロック信号CK0、CK90、CK180、CK270、CK45、CK135、CK225およびCK315の周波数は同じである。
【0035】
図13は、比較例1および実施例1のミキサーからの出力信号OUT1を示す図である。
図13を参照し、比較例1および実施例1ともPIコードを0としている。この場合、比較例1においては、参照クロック信号CK0が出力信号OUT1となる。実施例1においては、ミキサー12の出力信号OUT11は参照クロック信号CK0であり、ミキサー14の出力信号OUT12は参照クロック信号CK45である。このため、信号OUT1は参照クロック信号CK0とCK45とを50:50の比率で重み付けで結合した信号となる。比較例1の信号OUT1はほぼ方形波である。実施例1の信号OUT1は、比較例1に比べ全体として位相が約22.5°シフトしている。実施例1の信号OUT1では、ハイとローの中間点72付近に段が形成される。
【0036】
図14は、実施例1のミキサーからの出力信号OUT1を示す図である。
図14を参照し、実施例1において、ミキサー12が参照クロック信号CK0とCK90をN:Mの比率、ミキサー16が参照クロック信号CK45とCK135をN:Mの比率で重み付けで結合するとする。
図14は、N:Mをそれぞれ39:9(PIコード6)、24:24(PIコード16)および12:36(PIコード24)としたときの信号OUT1の波形を示している。段74が三箇所に形成される。このため、一段当りの段の幅Wは比較例1より小さくなる。
【0037】
図15は、実施例1におけるバッファから出力されるクロック信号OUT0を示す図である。
図15を参照し、
図14において、段74が3箇所あるため、矢印76のように、PIコードに対し立ち上がりが大きく変化する箇所が3箇所となる。一箇所あたりの変化量は、比較例1の
図7より小さくなる。
【0038】
図16は、PIコードに対するクロック信号の位相を示す図である。実線は実施例1におけるPIコードとクロック信号の位相の関係を示す。その他は
図8と同じである。
図16を参照し、実施例1においては、比較例1に比べ、PIコードに対するクロック信号の位相が線形に近づいている。
【0039】
実施例1によれば、ミキサー12(第1回路)が位相の異なる複数の参照クロック信号CK0、CK90、CK180およびCK270(第1参照信号)を第1比率で重み付けし結合する。これにより、ミキサー12は信号OUT11(第1中間信号)を生成する。第1比率が変化することにより信号OUT11の位相が変化する。ミキサー14(第2回路)が複数の参照クロック信号CK45、CK135、CK225およびCK315(第2参照信号)を第2比率で重み付けし結合することにより信号OUT12(第2中間信号)を生成する。第2比率が変化することにより信号OUT12の位相が変化する。ノードN1(第3回路)は、信号OUT11と信号OUT12とを結合させることにより信号OUT1(出力信号)を生成する。PIコード生成回路20は、ミキサー12と14とに、第1比率と第2比率が同じになるように、同じPIコードを出力する。
【0040】
以上のように、ミキサー12と14とは、それぞれ一定位相ずれた参照クロック信号CK0、CK90、CK180およびCK270と、参照クロック信号CK45、CK135、CK225およびCK315とを同じ比率で重み付けする。PIコード生成回路20が、ミキサー12および14に同じPIコードを出力する。これにより、
図16のように、比較例1に比べPIコードに対する位相の線形性を改善できる。例えば、線形性を比較例2と同程度とすることができる。さらに、ミキサー12から18の回路構成は比較例1のミキサーと同じでよく、ミキサー12から18に出力するPIコードも比較例1と同じでよい。これにより、比較例1から複雑な回路変更をしなくてもよい。また、比較例2に比べ回路規模および面積を小さくできる。
【0041】
ミキサー12に入力する参照クロック信号のうち位相が隣接する2つの信号の位相差は、複数の参照クロック信号内で異なってもよいが、同じであることが好ましい。例えば、参照クロック信号CK0、CK90、CK180およびCK270における位相が隣接する2つの信号の位相差は、全て90°である。また、ミキサー14に入力する参照クロック信号のうち位相が隣接する2つの信号の位相差は異なってもよいが、同じであることが好ましい。例えば、参照クロック信号CK45、CK135、CK225およびCK315における位相が隣接する2つの信号の位相差は、全て90°である。これにより、PIコードに対する位相の線形性を高めることができる。
【0042】
ミキサー14に入力する参照クロック信号の位相は、それぞれミキサー12に入力する参照クロック信号のうち位相が隣接する信号の間の位相であることが好ましい。例えば、参照クロック信号CK45、CK135、CK225およびCK315は、それぞれCK0とCK90との間、CK90とCK180との間、CK180とCK270との間、およびCK270とCK0との間の位相である。例えば、ミキサー14に入力する参照クロック信号の位相は、それぞれミキサー12に入力する参照クロック信号のうち位相が隣接する信号の中間の位相であることが好ましい。これにより、PIコードに対する位相の線形性を高めることができる。
【0043】
実施例1においては、8相の参照クロック信号からクロック信号を生成する例を説明したが、さらに線形性を高めるため12相または16相のように、8相以外の参照クロック信号を用いてもよい。12相の参照クロックを用いる場合は、電流IAからIDを比較例1の1/3にする(またはトランジスタ32の大きさを比較例1の3倍とする)ことが好ましい。16相の参照クロックを用いる場合は、電流IAからIDを比較例1の1/4にする(またはトランジスタ32の大きさを比較例1の4倍とする)ことが好ましい。
【0044】
スイッチ等を用い、ミキサー14および18をオフすれば、4相の参照クロック信号を用いた位相補間回路とすることもできる。例えば、周波数の高いクロック信号を生成する場合は、周波数の高いクロック信号を生成する場合に比べ、線形性がよくなる。そこで、周波数の高いクロック信号を生成する場合は、接続されるミキサー数を減らすことにより、寄生容量を小さくし高速動作に対応させることができる。一方、周波数の低いクロック信号を生成する場合は、ミキサー14および18を接続し8相の参照クロック信号を用いた位相補間回路とする。これにより、線形性を高めることができる。
【0045】
実施例1に係る位相補間回路を
図1のようなCDR回路50に用いることができる。CDR回路50は、受信回路に含まれていてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0047】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1)位相の異なる複数の第1参照信号を第1比率で重み付けし結合することにより第1中間信号を生成する第1回路と、前記複数の第1参照信号とはそれぞれ一定位相ずれた複数の第2参照信号を前記第1比率と同じ第2比率で重み付けし結合することにより第2中間信号を生成する第2回路と、前記第1中間信号と前記第2中間信号とを結合させることにより出力信号を生成する第3回路とを具備することを特徴とする位相補間回路。
(付記2)前記複数の第1参照信号のうち位相が隣接する信号間の位相差は同じであり、前記複数の第2参照信号のうち位相が隣接する信号間の位相差は同じであることを特徴とする付記1記載の位相補間回路。
(付記3)前記複数の第2参照信号の位相は、それぞれ前記複数の第1参照信号のうち位相が隣接する信号の間の位相であることを特徴とする付記2記載の位相補間回路。
(付記4)前記第1比率が変化することにより前記第1中間信号の位相が変化し、前記第2比率が変化することにより前記第2中間信号の位相が変化することを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の位相補間回路。
(付記5)前記第3回路は、前記第1中間信号を伝播させる前記第1回路の出力信号線と、前記第2中間信号を伝播させる前記第2回路の出力信号線が出力ノードにおいて物理的に接続することにより、前記出力信号を生成することを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の位相補間回路。
(付記6)前記第1比率及び前記第2比率が同じになるように同一のコードを生成し、前記同一のコードを前記第1回路及び前記第2回路に供給するコード生成回路をさらに具備することを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の位相補間回路。
(付記7)前記複数の第2参照信号の位相は、それぞれ前記複数の第1参照信号のうち位相が隣接する信号の中間の位相であることを特徴とする付記2記載の位相補間回路。
(付記8)前記複数の第1参照信号の位相はそれぞれ0°、90°、180°および270°であり、前記複数の第2参照信号の位相はそれぞれ45°、135°、225°および315°であることを特徴とする付記1から7のいずれか一項記載の位相補間回路。
(付記9)クロック信号に基づき受信信号のデータを取得するレシーバと、前記データに基づいて前記受信信号と前記クロック信号との位相差を検出する検出回路と、前記位相差に基づいて前記クロック信号の位相を調整する位相補間回路と、を具備し、前記位相補間回路は、位相の異なる複数の第1参照クロック信号を第1比率で重み付けし結合することにより第1中間信号を生成する第1回路と、前記複数の第1参照クロック信号とはそれぞれ一定位相ずれた複数の第2参照クロック信号を前記第1比率と同じ第2比率で重み付けし結合することにより第2中間信号を生成する第2回路と、前記第1中間信号と前記第2中間信号とを結合させることにより前記クロック信号を生成する第3回路とを含むことを特徴とする受信回路。
(付記10)前記位相補間回路は、前記位相差に基づいて前記第1比率及び前記第2比率を示すコードを生成し、前記コードを前記第1回路及び前記第2回路に供給するコード生成回路をさらに含むことを特徴とする付記9記載の受信回路。