特許第6155671号(P6155671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6155671電源装置の補助回路及びこの補助回路を備えた電源回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155671
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】電源装置の補助回路及びこの補助回路を備えた電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   H02M3/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-20430(P2013-20430)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-155246(P2014-155246A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(72)【発明者】
【氏名】花房 一義
(72)【発明者】
【氏名】石澤 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 真義
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−169471(JP,A)
【文献】 特開2005−117814(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0128485(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0078492(US,A1)
【文献】 特開平03−003018(JP,A)
【文献】 特開平05−076170(JP,A)
【文献】 特開昭62−157421(JP,A)
【文献】 特開2008−206271(JP,A)
【文献】 特開2008−283787(JP,A)
【文献】 特開2011−182537(JP,A)
【文献】 特開2011−229300(JP,A)
【文献】 特開2009−183037(JP,A)
【文献】 特開2012−075262(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0103101(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0278134(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0211376(US,A1)
【文献】 特開2005−312175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部制御端子に入力される信号に基づいて動作を停止する機能を備えた電源装置に外付けされる電源装置の補助回路であって、
第1の電圧と当該第1の電圧より高い電圧値である第2の電圧を一定の周期で交互に出力するパルス発生回路と、
前記電源装置の出力電圧と所定の閾値電圧とを比較し、当該比較の結果に基づいて前記第1の電圧又は前記第2の電圧を出力する出力電圧検出回路と、
前記パルス発生回路の出力を第1の入力信号とし、前記出力電圧検出回路の出力を第2の入力信号として論理演算を行い、前記電源装置に与える制御信号を生成する論理回路とを備え、
前記論理回路は、前記第1の入力信号の電圧値と前記第2の入力信号の電圧値とが所定の組合せになったときに、前記制御信号により前記電源装置の動作を停止させることができるように構成されており、
前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くし、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くした電源装置の補助回路。
【請求項2】
外部制御端子に入力される信号に基づいて動作を停止する機能を備えた電源装置に外付けされる電源装置の補助回路であって、
第1の電圧と当該第1の電圧より高い電圧値である第2の電圧を一定の周期で交互に出力するパルス発生回路と、
前記電源装置の入力電流と所定の第1の電流値とを比較し、又は前記電源装置の出力電流と所定の第2の電流値とを比較し、当該比較の結果に基づいて前記第1の電圧又は前記第2の電圧を出力する出力電圧検出回路と、
前記出力電圧検出回路の出力される信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して出力信号の電圧値が前記第1の電圧又は前記第2の電圧に移行するパルス出力回路と、
前記パルス発生回路の出力を第1の入力信号とし、前記パルス出力回路の出力を第3の入力信号として論理演算を行い、前記電源装置に与える制御信号を生成する論理回路とを備え、
前記論理回路は、前記第1の入力信号の電圧値と前記第3の入力信号の電圧値とが所定の組合せになったときに、前記制御信号により前記電源装置の動作を停止させることができるように構成されており、
前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くし、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くした電源装置の補助回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電源装置の補助回路と、電源装置を備えた電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
制御入力端子を備えた電源装置の動作を制御するための補助回路に関し、特に、電源装置が過電流状態になったときに当該電源装置を断続的に動作させるための補助回路に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
電源装置が過負荷状態になったときの保護回路としては、種々の方式がある。例えば、特許文献1には、過電流状態になったときに(過電流が流れたときに)、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す電源装置が開示されている。この電源装置では、過電流状態から脱するまで、制御ICの動作を一旦停止させ、その後、再起動させるという制御が続けられる。
【0003】
また、特許文献2には、過電流状態になったときに、スイッチング動作をラッチ停止する電源装置が開示されている。さらに、この電源装置は、ラッチ停止を解除する信号を与えられたときに再起動する。従って、この電源装置がラッチ停止したときにラッチ停止を解除する信号を与える外付け回路を、この電源装置に加えれば、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す保護動作を行わせることができる。
【特許文献1】特開平5−76170
【特許文献2】特開2003−169471
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2のように、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す保護動作を行う機能を備えていない電源装置で、この保護動作を行わせたい場合がある。また、特許文献2のようにして、この保護動作を実現する場合には、ラッチ停止を解除する信号を与えられたときに再起動する機能(ラッチ停止解除機能)を備えた電源装置を用いなければならない。
【0005】
しかしながら、このラッチ停止解除機能を備えていない電源装置が多数存在し、それらの電源装置においても、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す保護動作を実現したい場合がある。例えば、一般的な電源装置が備えている外部制御機能(外部から与えられる制御信号に基づいてスイッチング動作を停止させる機能)を用いて、この保護動作を実現したい場合がある。
【0006】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであり、外部制御機能を備えた電源装置に、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す保護動作を行わせるための補助回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明に係る電源装置の補助回路は、外部制御端子に入力される信号に基づいて動作を停止する機能を備えた電源装置に外付けされる電源装置の補助回路であって、第1の電圧と当該第1の電圧より高い電圧値である第2の電圧を一定の周期で交互に出力するパルス発生回路と、前記電源装置の出力電圧と所定の閾値電圧とを比較し、当該比較の結果に基づいて前記第1の電圧又は前記第2の電圧を出力する出力電圧検出回路と、前記パルス発生回路の出力を第1の入力信号とし、前記出力電圧検出回路の出力を第2の入力信号として論理演算を行い、前記電源装置に与える制御信号を生成する論理回路とを備え、前記論理回路は、前記第1の入力信号の電圧値と前記第2の入力信号の電圧値とが所定の組合せになったときに、前記制御信号により前記電源装置の動作を停止させることができるように構成されている。
【0008】
前記外部制御端子に入力される信号の電圧が前記第2の電圧(Hレベル)のときに動作を停止する前記電源装置を用いた場合、前記論理回路は以下のように構成することができる。前記電源装置の出力電圧が前記所定の閾値電圧より低いときに前記出力電圧検出回路が前記第2の電圧(Hレベル)を出力し、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧(Hレベル)に維持されている期間を、前記電源装置を停止させる期間に対応させる場合、前記論理回路は論理積の論理演算を行うように構成される。つまり、前記第1の入力信号と前記第2の入力信号の双方が前記第2の電圧(Hレベル)という組合せになったとき、前記電源装置の動作を停止させるように論理回路は構成される。
【0009】
又、本発明に係る電源装置の補助回路は、外部制御端子に入力される信号に基づいて動作を停止する機能を備えた電源装置に外付けされる電源装置の補助回路であって、第1の電圧と当該第1の電圧より高い電圧値である第2の電圧を一定の周期で交互に出力するパルス発生回路と、前記電源装置の入力電流と所定の第1の電流値とを比較し、又は前記源装置の出力電流と所定の第2の電流値とを比較し、当該比較の結果に基づいて前記第1の電圧又は前記第2の電圧を出力する出力電圧検出回路と、前記出力電圧検出回路の出力される信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して出力信号の電圧値が前記第1の電圧又は前記第2の電圧に移行するパルス出力回路と、前記パルス発生回路の出力を第1の入力信号とし、前記パルス出力回路の出力を第3の入力信号として論理演算を行い、前記電源装置に与える制御信号を生成する論理回路とを備え、前記論理回路は、前記第1の入力信号の電圧値と前記第3の入力信号の電圧値とが所定の組合せになったときに、前記制御信号により前記電源装置の動作を停止させることができるように構成されている。
【0010】
又、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くし、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第2の電圧に維持されている期間に前記電源装置が動作を停止するように前記論理回路が構成されている場合は、前記パルス発生回路から出力される信号が前記第1の電圧に維持されている期間を前記電源装置が起動するためにかかる時間よりも長くする。
【0011】
又、本発明に係る電源回路は、上記いずれかの電源装置の補助回路と、電源装置を備える。
【発明の効果】
【0012】
パルス信号を出力するパルス発生回路と、過電流状態や過負荷状態を検出する検出回路と、パルス発生回路から出力されるパルス信号と検出回路から出力される検出信号を入力信号として論理演算を行う論理回路とからなる補助回路を構成することにより、外部制御機能を備えた電源装置に、スイッチング動作の停止と再開を繰り返す保護動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図2】第1の実施例に係る電源装置の補助回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図3】第2の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図4】第3の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図5】第4の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図6】第5の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図7】第5の実施例に係る電源装置の補助回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図8】第5の実施例に係る電源装置の補助回路の構成を示したブロック回路である。
図9】出力電圧検出回路の一例を示した回路図である。
図10】AND(論理積)回路の一例を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電源装置の補助回路を、図面を参照して説明する。尚、この補助回路は、外部制御端子(外部制御機能)を備えた電源装置であれば、AC(交流)入力DC(直流)出力の電源装置であっても、DC入力DC出力の電源装置であっても用いることができる。また、外部制御端子は、電源装置に起動又は停止を指示する信号を入力するための端子であり、電源装置は、この外部制御端子に入力される信号の電圧値に基づいて動作する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係る補助回路を外付け回路として実装した電源回路のブロック図である。このブロック図において、電源装置1は、入力端子(+Vinn,−Vin)、出力端子(+Vout,−Vout)及び外部制御端子(CTL)を備えている。そして、入力端子には入力電圧Vinが入力され、出力端子には負荷2が接続されている。尚、+Vinは、高電位側の入力端子であり、−Vinは低電位側の入力端子であり、+Voutは高電位側の出力端子であり、−Voutは低電位側の出力端子である。この電源装置1は、外部制御端子(CTL)に、−Vinの入力端子の電位である基準電位が印加されているときはスイッチング動作を行うが、この基準電位よりも高い所定電圧が印加されたときはスイッチング動作を停止する。つまり、外部制御端子(CTL)に基準電位よりも高い所定電圧を印加することにより、電源装置1を強制的に停止させることができる。
【0016】
以下の説明においては、信号の電圧値が−Vinの入力端子の電位である基準電位と等しいときをLレベルといい、信号の電圧値がこの基準電位よりも高い所定の電圧値であるときをHレベルという。
【0017】
補助回路10は、出力電圧検出回路11、パルス発生回路12及びAND(論理積)回路13で構成されている。AND回路13には、出力電圧検出回路11から出力される検出信号S1とパルス発生回路12から出力されるパルス信号S2が入力される。そして、AND回路13は、検出信号S1とパルス信号S2に基づいて制御信号S3を出力する。この制御信号S3は、電源装置1の外部制御端子(CTL)に入力される。
【0018】
出力電圧検出回路11は、電源装置1から出力される出力電圧Voutに基づいた検出信号S1を出力する。この出力電圧検出回路11は、出力電圧Voutが所定の閾値電圧(Vref)以上のときには検出信号S1がLレベルになり、出力電圧Voutが所定の閾値電圧(Vref)未満のときには検出信号S1がHレベルになるように構成されている。
【0019】
パルス発生回路12は、LレベルからHレベルへの移行とHレベルからLレベルへの移行を周期的に繰り返すパルス信号S2を出力する。尚、パルス信号S2がLレベルに維持される期間は、電源装置1が起動するためにかかる時間(スイッチング動作を開始後、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に達するまでの時間)よりも長くなるように設定される。又、パルス信号S2がHレベルに維持される期間は、電源装置1が断続的な動作になったときに電源装置1のスイッチング動作が停止している期間に対応する。従って、パルス信号S2がHレベルに維持される期間を長くすると、電源装置1がスイッチング動作を停止している期間が長くなる。
【0020】
AND回路13は、論理積の論理演算を行う論理回路である。このAND回路13は、2つの入力信号が共にHレベルのときだけHレベルを出力し、2つの入力信号のうちの少なくとも一方がLレベルのときはLレベルを出力する。つまり、AND回路13から出力される制御信号S3は、検出信号S1とパルス信号S2の双方がHレベルときはHレベルになり、検出信号S1とパルス信号S2のうちの少なくとも一方がLレベルのときにはLレベルになる。
【0021】
電源装置1の外部制御端子(CTL)には、この制御信号S3が入力されるので、この制御信号S3がHレベルの期間(検出信号S1とパルス信号S2の双方がHレベルの期間)、電源装置1は動作を停止する。検出信号S1がHレベルの期間は、出力電圧VoutがVref未満になっている期間に対応する。従って、出力電圧VoutがVref未満になっている期間において、パルス信号S2がHレベルになったとき、電源装置1はスイッチング動作を停止する。この出力電圧VoutがVref未満になっている期間において、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行したとき、電源装置1の停止状態は解除され、電源装置1は起動を開始する。しかし、パルス信号S2がLレベルの期間内に出力電圧VoutがVref以上の電圧値に到達できなかったときは、パルス信号S2がLレベルからHレベルに移行し、電源装置1は再びスイッチング動作を停止する。
【0022】
次に、本発明に係る補助回路を外付け回路として実装した電源回路の動作を図2に示したタイミングチャートを参照して説明する。図2には、出力電圧Vout、検出信号S1、パルス信号S2及び制御信号S3の電圧波形が示されている。
【0023】
<t0からt1までの動作>
t0において、電源装置1は起動する(スイッチング動作を開始する)。このとき、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満なので、検出信号S1はHレベルになっている。従って、パルス信号S2がLレベルになっているときに電源装置1は起動を開始する。つまり、検出信号S1がHレベルであっても、パルス信号S2がLレベルになれば、制御信号S3がLレベルになるため、電源装置1はパルス信号S2がLレベルになっている期間においてスイッチング動作を開始する。
【0024】
電源装置1がスイッチング動作を開始することにより、出力電圧Voutが上昇していき、t1において、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達する。そして、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達することにより、検出信号S1がHレベルからLレベルに移行する。尚、パルス信号S2がLレベルに維持されている期間T1は、起動から出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達するまでの時間(t0からt1までの時間)よりも長くなるように設定される。また、この期間T1は、電源装置1が過電流状態になったときに、その状態で動作をし続けている期間に対応する。従って、この期間T1は、電源装置1が耐えられる範囲内で設定する必要がある。
【0025】
<t1からt2までの動作>
t1からt2までの期間においては、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)以上になっているため、検出信号S1はLレベルに維持される。検出信号S1がLレベルに維持されているため、パルス信号S2がHレベルになっても、制御信号S3はLレベルに維持される。従って、電源装置1はスイッチング動作を継続する。
【0026】
<t2からt3までの動作>
短絡等により出力電圧Voutが降下し、t2において、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になる。出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になることにより、検出信号S1がLレベルからHレベルに移行する。t2からt3までの期間においては、パルス信号S2がLレベルに維持されているため、検出信号S1がLレベルからHレベルに移行しても、制御信号S3はLレベルに維持され、電源装置1はスイッチング動作を継続する。
【0027】
<t3からt4までの動作>
t3において、パルス信号S2がLレベルからHレベルに移行する。このとき、検出信号S1がHレベルになっているため、パルス信号S2の立ち上がりに同期して、制御信号S3もLレベルからHレベルに移行する。制御信号S3がHレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を停止する。
【0028】
<t4からt5までの動作>
t4において、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行する。このとき、検出信号S1はHレベルに維持されているがパルス信号S2がLレベルになるため、パルス信号S2の立ち下がりに同期して、制御信号S3もHレベルからLレベルに移行する。制御信号S3がLレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を開始する。
【0029】
しかし、電源装置1は短絡等の状態から脱していないため、t4からt5までの期間おいては、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達することができない。従って、検出信号S1はHレベルに維持されている。
【0030】
<t5からt6までの動作>
t5において、パルス信号S2がLレベルからHレベルに移行する。このとき、検出信号S1がHレベルに維持されているため、パルス信号S2の立ち上がりに同期して、制御信号S3もLレベルからHレベルに移行する。制御信号S3がHレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を停止する。
【0031】
<t6からt7までの動作>
t6において、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行する。このとき、検出信号S1はHレベルに維持されているがパルス信号S2がLレベルになるため、パルス信号S2の立ち下がりに同期して、制御信号S3もHレベルからLレベルに移行する。制御信号S3がHレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を開始する。
【0032】
電源装置1は短絡等の状態から脱しているため、出力電圧Voutが上昇を開始し、t7において、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達する。
出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達することにより、検出信号S1がHレベルからLレベルに移行する。検出信号S1がHレベルからLレベルに移行するため、この後、パルス信号S2がHレベルになっても、制御信号S3はLレベルに維持される。
【0033】
以上に説明したように、短絡等により出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になったとき、電源装置1はスイッチング動作の停止と再開を繰り返す。この動作は、短絡等の状態から脱するまで継続される。そして、短絡等の状態から脱して、パルス信号S2がLレベルに維持されている期間T1において、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)に到達できたときに電源装置1は通常の動作に戻る。
【実施例2】
【0034】
図3は、実施例2に係る電源回路のブロック図である。実施例2では、外部制御端子(CTL)に入力される制御信号がLレベルときにスイッチング動作を停止し、制御信号がHレベルになったときにスイッチング動作を再開する電源装置1’を用いている。この場合、図1の補助回路10に対応する補助回路10’においては、AND(論理積)回路13がNAND(否定論理積)回路13に置き換えられている。NAND(否定論理積)回路13から出力される制御信号S4は、制御信号3を反転させた信号になるため、実施例2に係る電源回路は、実施例1に係る電源回路と同様に動作する。
【0035】
つまり、図2において、制御信号3が、制御信号3を反転させた信号である制御信号S4に変わるだけで、電源装置1’がスイッチング動作を行っている期間と停止している期間は全く同じになる。例えば、t0からt3までの期間においては、制御信号S4はHレベルになるので、電源装置1’はスイッチング動作を行う。又、t3からt4までの期間においては、制御信号S4がLレベルになるので、電源装置1’はスイッチング動作を停止する。
【実施例3】
【0036】
図4は、実施例3に係る電源回路のブロック図である。この電源回路では、外部制御信号S5により、電源装置1を強制的に停止させることができるようにするため、OR(論理和)回路15が追加されている。
【0037】
OR(論理和)回路15の一方の入力端子には制御信号S3が入力され、他方の入力端子には外部制御信号S5が入力される。そして、OR(論理和)回路15から出力される論理和信号S6が電源装置1の外部制御端子(CTL)に入力される。
【0038】
論理和信号S6は、外部制御信号S5がHレベルのとき、制御信号S3がHレベルであるか、又はLレベルであるかに関わらずHレベルになる。従って、外部制御信号S5をHレベルにすることにより、電源装置1を強制的に停止させることができる。
【実施例4】
【0039】
図5は、実施例4に係る電源回路のブロック図である。この電源回路では、電源装置1と電源装置3の出力端子が負荷2に対して並列に接続されている。そして、制御信号S3は電源装置3の外部制御端子(CTL)にも入力されている。このようにすれば、電源装置3を電源装置1と同様に動作させることができる。つまり、短絡等により出力電圧Voutが降下したときに、電源装置1と電源装置3の双方がスイッチング動作の停止と再開を繰り返す。
【実施例5】
【0040】
図6は、実施例5に係る電源回路のブロック図である。この電源回路では、出力電圧検出回路11がフリップフロップ回路16及び過電流検出回路17に置き換えられている。過電流検出回路17から出力される過電流検出信号S7は、出力電流Ioutが所定の電流値(Iref1)以上になったときにHレベルになる。フリップフロップ回路16は、セット入力端子(S)に入力される信号の立ち上がりに同期してセットされ、リセット入力端子(R)に入力される信号の立ち下がりに同期してリセットされる。
【0041】
フリップフロップ回路16のセット入力端子(S)には、過電流検出信号S7が入力されているため、過電流検出信号S7がLレベルからHレベルに移行するとき、つまり、出力電流IoutがIref1以上になったときに、フリップフロップ回路16の出力端子(Q)から出力される出力信号S8はLレベルからHレベルに移行する。そして、フリップフロップ回路16のリセット入力端子(R)には、パルス信号S2が入力されているため、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行するときに、出力信号S8はHレベルからLレベルに移行する。
【0042】
次に、本実施例に係る電源回路の動作を図7に示したタイミングチャートを参照して説明する。図7には、出力電圧Vout、フリップフロップ回路16から出力される出力信号S8、パルス信号S2及び制御信号S3の電圧波形が示されている。尚、t0からt2までの期間の動作は実施例1の場合と同様であるため、t2からt7までの期間の動作についてタイミングチャートを参照して説明する。
【0043】
<t2からt3までの動作>
短絡等により出力電流Ioutが増加し、t2において、出力電流IoutがIref1以上になる。出力電流IoutがIref1以上になることにより、過電流検出信号S7がLレベルからHレベルに移行し、この過電流検出信号S7の立ち上がりに同期してフリップフロップ回路16から出力される出力信号S8がLレベルからHレベルに移行する。t2からt3までの期間においては、パルス信号S2がLレベルに維持されているため、出力信号S8がLレベルからHレベルに移行しても、電源装置1はスイッチング動作を継続する。
【0044】
<t3からt4までの動作>
t3において、パルス信号S2がLレベルからHレベルに移行する。このとき、出力信号S8がHレベルに維持されているため、パルス信号S2の立ち上がりに同期して、制御信号S3もLレベルからHレベルに移行する。制御信号S3がHレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を停止する。
【0045】
<t4からt5までの動作>
t4において、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行し、このパルス信号S2の立ち下がりに同期して出力信号S8もHレベルからLレベルに移行する。更に、制御信号S3も、パルス信号S2の立ち下がりに同期して、HレベルからLレベルに移行する。制御信号S3がLレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を開始する。
【0046】
しかし、電源装置1は短絡等の状態から脱していないため、t4’において過電流検出信号S7がLレベルからHレベルに移行し、この過電流検出信号S7の立ち上がりに同期してフリップフロップ回路16から出力される出力信号S8がLレベルからHレベルに移行する。
【0047】
<t5からt6までの動作>
t5において、パルス信号S2がLレベルからHレベルに移行する。このとき、フリップフロップ回路16から出力される出力信号S8がHレベルに維持されているため、パルス信号S2の立ち上がりに同期して、制御信号S3もLレベルからHレベルに移行する。制御信号S3がHレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を停止する。
【0048】
<t6からt7までの動作>
t6において、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行し、このパルス信号S2の立ち下がりに同期して出力信号S8もHレベルからLレベルに移行する。更に、制御信号S3も、パルス信号S2の立ち下がりに同期して、HレベルからLレベルに移行する。制御信号S3がLレベルになるため、電源装置1はスイッチング動作を開始する。電源装置1は短絡等の状態から脱しているため、フリップフロップ回路16から出力される出力信号S8がLレベルに維持され、出力電圧Voutが上昇していく。
【0049】
以上に説明したように、短絡等により出力電流IoutがIref1以上になったとき、電源装置1はスイッチング動作の停止と再開を繰り返す。この動作は、短絡等の状態から脱するまで継続される。そして、短絡等の状態から脱したときに電源装置1は通常の動作に戻る。
【実施例6】
【0050】
図8は、実施例6に係る電源回路のブロック図である。本実施例の電源回路は、実施例5と同様な動作をするが、過電流検出回路18が電源装置1の入力端子側に接続されている。
【0051】
過電流検出回路18から出力される過電流検出信号S9は、入力電流Iinが所定の電流値(Iref2)以上になったときにHレベルになる。フリップフロップ回路16のセット入力端子(S)には、過電流検出信号S9が入力されているため、過電流検出信号S9がLレベルからHレベルに移行するとき、つまり、入力電流IinがIref2以上になったときに、フリップフロップ回路16の出力端子(Q)から出力される出力信号S10はLレベルからHレベルに移行する。そして、フリップフロップ回路16のリセット入力端子(R)には、パルス信号S2が入力されているため、パルス信号S2がHレベルからLレベルに移行するときに、出力信号S10はHレベルからLレベルに移行する。この出力信号S10は、実施例5の出力信号S8と同様な信号になるため、本実施例の電源回路は、実施例5と同様な動作をする
【0052】
つまり、この電源回路では、短絡等により入力電流IinがIref2以上になったとき、電源装置1はスイッチング動作の停止と再開を繰り返す。この動作は、短絡等の状態から脱するまで継続される。そして、短絡等の状態から脱したときに電源装置1は通常の動作に戻る。
【0053】
次に、出力電圧検出回路11の一例を、図面を参照して説明する。図9は、出力電圧検出回路11の一例を示した回路図である。この回路において、端子Aは電源装置1の高電位側の出力端子(+Vout)に接続され、端子Bは低電位側の出力端子(+Vout)に接続される。従って、抵抗R3と抵抗R4からなる分圧回路の両端には出力電圧Voutが印加される。抵抗R3と抵抗R4の接続点の電圧である分圧電圧は、シャントレギュレータ22のリファレンス端子に印加される。抵抗R3と抵抗R4の抵抗値は、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)以上になったときにシャントレギュレータ22がオンするように設定されている。シャントレギュレータ22がオンすると、抵抗R2を介してフォトカプラ21の発光素子(入力側の半導体素子)に電流が流れる。
【0054】
この回路では、フォトカプラ21の出力側の端子と抵抗R1との接続点の電圧が検出信号S1に対応する。従って、フォトカプラ21の出力側の半導体素子がオンすると、出信号S1の電圧は基準電位(Lレベル)になり、この半導体素子がオフすると、出信号S1の電圧は動作電圧Vcc(Hレベル)になる。
【0055】
この例では、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)以上になったときにフォトカプラ21の出力側の半導体素子がオンするように設定されているので、
出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)以上になったときに、出信号S1がLレベルになる。一方、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満のときには、フォトカプラ21の出力側の半導体素子がオフしているため、出信号S1がHレベルになる。
【0056】
以上説明したように、本発明に係る電源装置の補助回路は、LレベルとHレベルを一定の周期で交互に繰り返す信号であるパルス信号を出力するパルス発生回路と、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になったときにHレベルになる検出信号を出力する出力電圧検出回路と、パルス信号と検出信号を入力信号として論理演算を行う論理回路により構成することができる。尚、論理回路は様々な構成が考えられ、本発明の目的を達成できれば、上記実施例以外の回路であってもよい。又、論理回路は論理演算に相当する動作をする回路であれば、トランジスタ等で構成された回路であってもよい。例えば、図10に示したように、トランジスタQ11〜14及び抵抗R11〜13で構成された回路であってもよい。この回路では、端子X及び端子YがAND(論理積)回路の入力端子に対応し、端子ZがAND(論理積)回路の出力端子に対応している。端子Zの電圧は、トランジスタQ13及びトランジスタQ14の双方がオフしたときにだけHレベルになる。トランジスタQ13は、トランジスタQ11がオンしたときにオフし、トランジスタQ14は、トランジスタQ12がオンしたときにオフする。従って、端子X及び端子Yの双方にHレベルが印加されたときにだけ、端子Zの電圧がHレベルになる。
【0057】
又、出力電圧検出回路は、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になったときにLレベルになる検出信号を出力する回路であっても、論理回路を変更することにより本発明の目的を達成することができる。
【0058】
又、上記実施例では、出力電圧Voutが閾値電圧(Vref)未満になった期間において、パルス信号がLレベルであれば電源装置を動作させ、パルス信号がHレベルであれば電源装置の動作を停止させたが、パルス信号がHレベルであれば電源装置を動作させ、パルス信号がLレベルであれば電源装置の動作を停止させるように変更してもよい。
【0059】
又、出力電流Ioutが所定の電流値(Iref1)以上なったとき、又は入力電流Iinが所定の電流値(Iref2)以上になったことを検出する過電流検出回路と、過電流検出回路がこのような過電流状態を検出したのに同期してパルスを出力するパルス出力回路を、出力電圧検出回路の代わりに用いれば、過電流状態になったときにも同様の動作をさせることができる。尚、過電流検出回路は、過電流状態を検出したときにHレベルに移行する信号、又は過電流状態を検出したときにLレベルに移行する信号を出力する回路であればよい。又、パルス出力回路は、過電流検出回路がこのような過電流状態を検出したのに同期して立ち上がるパルス、又はこのような過電流状態を検出したのに同期して立ち下がるパルスを出力する回路、例えば、フリップフロップ回路やラッチ回路であればよい。
【符号の説明】
【0060】
1 電源装置
2 負荷
11 出力電圧検出回路
12 パルス発生回路
13 AND(論理積)回路
14 NAND(否定論理積)回路
15 OR(論理和)回路
16 フリップフロップ回路
17 過電流検出回路
18 過電流検出回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10