【文献】
自動的に文字に下線が引かれる(赤い波線、緑の波線、青い波線、青の実線、紫の実線),日本,2011年10月26日,[online],<URL:http://web.archive.org/web/20111026175138/http://soft1.jp/trouble/o/o038.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。本開示は、一例として「
2.本開示の実施形態の詳細な説明」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.情報処理装置の基本構成
1−1.概要
1−2.本開示の比較例
1−3.ハードウェア構成
2.本開示の実施形態の詳細な説明
2−1.構成
2−2.動作
2−3.効果
3.変形例
【0013】
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて変更候補テキスト220aおよび変更候補テキスト220bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、変更候補テキスト220aおよび変更候補テキスト220bを特に区別する必要が無い場合には、単に変更候補テキスト220と称する。
【0015】
<1.情報処理装置の基本構成>
[1−1.概要]
最初に、本開示の実施形態による情報処理装置10の基本構成について、
図1を参照して説明する。
図1に示したように、情報処理装置10は、ディスプレイを有した情報処理端末である。この情報処理装置10は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、テレビ受像機、デジタルカメラ、メガネ型コンピュータ、腕時計、ゲーム機などであってもよい。
【0016】
情報処理装置10は、例えば
図2に示したように、テキスト列30を含む表示画面20を表示することが可能である。また、情報処理装置10は、タッチパネルデバイスを有しており、表示画面20において利用者が指でタッチした位置を検出することが可能である。
【0017】
また、情報処理装置10は、例えばメモなどのテキストを編集するためのソフトウェアや、表示画面20にソフトウェアキーボードを表示させるためのソフトウェアを実装することが可能である。例えば、利用者は、表示画面20に表示されるソフトウェアキーボードを用いて、自由にテキスト列を入力したり、編集することができる。
【0018】
また、情報処理装置10は、入力済みのテキスト列から、利用者が入力を意図しているテキストを予測する予測候補提示機能を有することが可能である。この予測候補提示機能は、例えば利用者により入力されたテキストの履歴や一般的な文章表現が記録されたデータベースに基づいて、入力済みのテキストに後続するテキスト、または、入力途中のテキストにおけるカーソル位置以降の文字列を予測して表示画面20に表示させる。例えば、予測候補提示機能は、利用者により“h”と“e”の2文字が入力された時点において“hello”というテキストを予測提示する。または、“good”と利用者により入力された時点において、後続するテキストの候補として“morning”、“bye”などのテキストを予測提示する。
【0019】
また、情報処理装置10は、例えば情報処理装置10に備えられたマイクロフォンなどにより集音された音声を認識する機能を有することも可能である。さらに、情報処理装置10は、認識された音声をテキスト列に変換した後、表示画面20に表示させることも可能である。なお、情報処理装置10は、音声が記録された電子データを基にして音声認識を行い、そして、テキスト列に変換することも可能である。
【0020】
[1−2.本開示の比較例]
ところで、音声認識機能やソフトウェアキーボードなどを利用して利用者によりテキストが入力される場合には、例えば音声認識の認識誤りや、利用者のタイプミスなどにより、テキストが誤入力される可能性がある。また、テキストが正しく入力された場合であっても、入力後において、テキスト列の一部の修正を利用者が希望する場合もある。このため、入力されたテキスト列を利用者が容易に修正可能であることが望ましい。
【0021】
(1−2−1.第1の比較例)
本開示の第1の比較例として、利用者がテキスト列の修正を希望する場合には、まず、テキスト列から該当のテキストを利用者に削除させ、そして、再度テキストを入力させるという方法が考えられる。しかし、第1の比較例は、利用者の手作業を多数必要とするので、利便性が低く、かつ、修正するために長時間がかかる。
【0022】
(1−2−2.第2の比較例)
また、第2の比較例として、入力されたテキスト列の中から、文法上入力誤りの可能性が高いテキストを下線等で利用者に提示し、さらにその単語の変換候補を提示する修正システムが考えられる。例えば、この修正システムは、利用者により“This are books.”と入力されると、表示画面において、文法上誤りである“This are”の部分に下線を表示する。そして、利用者により“This”の部分が例えばカーソルを当てられ右クリックされる等により選択されると、“These”という修正候補をコンテキストメニューの中に表示する。
【0023】
しかしながら、第2の比較例は、あくまで文法上の誤りを修正するための仕組みであるので、修正可能な誤りの種類が限定される。一例として、利用者により“I don’t have money.”と発声され、そして、音声認識機能により誤って“I don’t hug money.”と認識された場合について考える。この場合、“hug money”という表現は、文脈上不自然であるので修正対象とすべきである。しかし、文法上誤りではないので、第2の比較例では、修正対象として判断されないという課題が生じる。
【0024】
(1−2−3.第3の比較例)
また、第3の比較例として、予測候補提示機能を用いて、入力されたテキストの修正候補を提示する方法が考えられる。この第3の比較例では、利用者により選択された修正対象テキストに対して、修正対象テキストの前方に位置するテキストに基づいて複数の修正候補のテキストを提示する。例えば、
図3に示したように、表示画面20において利用者により修正対象テキストとして単語“hug”が選択された場合には、単語“hug”の前方に位置する“I don’t”というテキストに基づいて、例えば“eat”などの修正候補のテキストを提示する。
【0025】
しかしながら、第3の比較例では、修正対象テキストの後方に位置するテキストが予測のための手掛かりとして利用されないので、
図3に示したように“eat”、“walk”、“go”など、“money”と接続されにくい単語が修正候補として提示される。このため、利用者はテキスト列を希望通りに修正することができない。
【0026】
上述したように、第1の比較例〜第3の比較例のいずれに関しても、利用者が効率的にテキスト列を修正することができない。
【0027】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の実施形態による情報処理装置10を創作するに至った。本開示の実施形態による情報処理装置10は、利用者がより効率的にテキスト列を修正することができる。以下、このような本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0028】
[1−3.ハードウェア構成]
なお、情報処理装置10は、例えば
図4に示すようなハードウェア構成を有する。
図4に示したように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)150、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)154、内部バス156、インターフェース158、入力装置160、出力装置162、ストレージ装置164、および通信装置166を備える。
【0029】
CPU150は、例えば、後述する制御部100の一例として構成される。このCPU150は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置10内の動作全般を制御する。このCPU150は、マイクロプロセッサであってもよい。
【0030】
ROM152は、CPU150が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。また、RAM154は、CPU150の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU150、ROM152、およびRAM154は、CPUバスなどから構成される内部バス156により相互に接続されている。
【0031】
インターフェース158は、入力装置160、出力装置162、ストレージ装置164、および通信装置166を、内部バス156と接続する。例えば入力装置160は、このインターフェース158および内部バス156を介して、CPU150などとの間でデータをやり取りする。
【0032】
入力装置160は、例えば、後述する入力部122の一例として構成される。この入力装置160は、例えばタッチパネル、ボタン、マイクロフォン、およびスイッチなど利用者が情報を入力するための入力手段と、利用者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU150に出力する入力制御回路などから構成されている。利用者は、入力装置160を操作することにより、情報処理装置10に対して各種のデータを入力したり、処理動作を指示したりすることができる。
【0033】
出力装置162は、例えば、後述する出力部120の一例として構成される。この出力装置162は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置162は、スピーカーなどの音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像などを表示する。一方、音声出力装置は、音声データ等を音声に変換して出力する。
【0034】
ストレージ装置164は、例えばハードディスクなどのデータ格納用の装置である。ストレージ装置164は、例えば、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このストレージ装置164は、CPU150が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0035】
通信装置166は、例えば公衆網やインターネットなどの通信網に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、通信装置166は、無線LAN対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、または有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0036】
<2.本開示の実施形態の詳細な説明>
[2−1.構成]
続いて、本開示の実施形態による構成について詳細に説明する。
図5は、本開示の実施形態による情報処理装置10の構成を示した機能ブロック図である。
図5に示したように、本開示の実施形態による情報処理装置10は、制御部100、出力部120、および入力部122を有する。また、制御部100は、変更候補テキスト特定部102、変更テキスト選出部104、出力制御部106、修正対象テキスト選択部108、および差し替えテキスト決定部110を有する。
【0037】
(2−1−1.制御部100)
制御部100は、情報処理装置10に内蔵されるCPU150、RAM154などのハードウェアを用いて、情報処理装置10の動作を全般的に制御する機能を有する。例えば、制御部100は、出力部120、および入力部122の動作を制御する。
【0038】
(2−1−2.変更候補テキスト特定部102)
変更候補テキスト特定部102は、テキスト列から選択される修正対象テキストに対して、修正対象テキストの一側に位置する第1のテキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定する。ここで、第1のテキストは、テキスト列において修正対象テキストの前方に位置するテキスト(以下、前方テキストとも称する)であってもよい。なお、テキストは、単語であってもよいし、2以上の単語が連結された文字列であってもよい。また、テキスト列の言語が例えば日本語や中国語などの場合には、テキストは、例えば変更候補テキスト特定部102により形態素解析が行われた後の形態素であってもよいし、2以上の形態素が連結された文字列であってもよい。
【0039】
より具体的には、変更候補テキスト特定部102は、例えば予測候補提示機能を用いて、前方テキストの後ろに連結することの評価値(以下、スコアAとも称する)の高い順に所定の数以下の変更候補テキストを特定することが可能である。例えば、
図6は、前方テキストが“I don’t”である場合に、前方テキストに基づいて特定された複数の変更テキストを示した説明図である。
図6に示した例において、スコアAの値が高い順は“eat”(7.0%)、“walk”(5.0%)、“go”(3.0%)の順番であるので、変更候補テキスト特定部102は、“eat”、“walk”、“go”の順に例えば20個など、所定の数以下の変更候補テキストを特定する。
【0040】
なお、修正対象テキストがテキスト列の先頭の単語である場合には、変更候補テキスト特定部102は、前方テキストをNULL値、つまり前方テキストが存在しないものとして、変更候補テキストを複数特定してもよい。また、この場合には、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストに含まれる先頭の文字または一部の文字と同じになるように、変更候補テキストを複数特定してもよい。
【0041】
なお、上記の評価値(スコアA)は、例えば変更候補テキスト特定部102により算出されてもよいし、あるいは、予め前方テキストと複数の変更テキストの各々とに対応付けて算出され、かつ、データベースとして記録されてもよい。また、情報処理装置10は、上記のデータベースを記憶することも可能であるし、あるいは、上記のデータベースが記憶されている他の装置から評価値を受信することも可能である。
【0042】
また、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストと発音が一致する部分のあるテキストを変更候補テキストとして特定することも可能である。例えば、修正対象テキストが“hug”である場合には、先頭の文字の音が同じである“have”を変更候補テキストとして特定してもよい。この効果として、例えば修正対象テキストが“hug”である場合には変更候補テキストとして“eat”が特定されないなど、修正対象テキストと発音が大きく異なるテキストが変更候補テキストとして特定されることを防止できる。
【0043】
なお、上記の例に限定されず、変更候補テキスト特定部102は、例えば、修正対象テキスト全体と音の類似度が高いテキストを変更候補テキストとして特定してもよいし、または、修正対象テキストと音の長さが近いテキストを変更候補テキストとして特定してもよい。
【0044】
(2−1−3.変更テキスト選出部104)
変更テキスト選出部104は、修正対象テキストの他側に位置する第2のテキストに基づいて複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出する。ここで、第2のテキストは、テキスト列において修正対象テキストの後方に位置するテキスト(以下、後方テキストとも称する)であってもよい。
【0045】
より具体的には、変更テキスト選出部104は、後方テキストが複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値(以下、スコアBとも称する)に基づいて複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出することが可能である。例えば、変更テキスト選出部104は、スコアA、つまり複数の変更候補テキストの各々が前方テキストの後ろに連結することの評価値、およびスコアBに基づいて、複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出することが可能である。
【0046】
なお、修正対象テキストの後方に位置する単語が例えば“a”や“the”などの冠詞である場合には、変更テキスト選出部104は、例えば冠詞と冠詞に後続する名詞との組み合わせを後方テキストとして定めてもよい。また、修正対象テキストがテキスト列に含まれるいずれかの文の文末の単語である場合には、変更テキスト選出部104は、次の文の先頭の単語を後方テキストとして定めてもよい。
【0047】
ここで、
図7を参照して、上述した変更候補テキストを選出する機能についてより詳細に説明する。
図7は、前方テキストが“I don’t”であり、後方テキストが“money”である場合において、変更テキスト選出部104により変更候補テキストを選出する例を示した説明図である。
【0048】
例えば、変更テキスト選出部104は、まず、(変更候補テキスト特定部102により特定された)複数の変更候補テキストの各々について、前方テキストと変更候補テキストとを連結させて第1予測候補テキスト212を生成する。次に、変更テキスト選出部104は、例えば予測候補提示機能を用いて、第1予測候補テキスト212の後ろに連結することの評価値(つまり、スコアB)が高いテキストである第2予測候補テキスト214を複数特定する。なお、変更テキスト選出部104は、第2予測候補テキスト214を、利用者によるテキスト列の入力中において特定することも可能であるし、すでに入力済みのテキスト列に対してバックエンドにおいて特定することも可能である。
【0049】
次に、変更テキスト選出部104は、複数の変更候補テキストの中から、後方テキスト(つまり“money”)が第2予測候補テキスト214として特定された変更候補テキストを抽出する。そして、変更テキスト選出部104は、抽出された変更候補テキストの中から、例えばスコアBの高い順に一部の変更候補テキストを選出する。
【0050】
図7に示した例において、スコアBの値が高い順は“have”(4.0%)、“want”(2.0%)、“save”(0.8%)の順番であるので、変更候補テキスト特定部102は、“have”、“want”、“save”の順に、所定の数以下の変更候補テキストを選出してもよい。この選出例によれば、スコアBの高さを考慮して変更候補テキストを選出するので、文脈上自然な変更候補を選出することが可能になる。
【0051】
なお、上記の評価値(スコアB)は、例えば変更テキスト選出部104により算出されてもよいし、あるいは、予め第1予測候補テキスト212と複数の第2予測候補テキスト214の各々とが対応付けて算出され、かつ、データベースとして記録されてもよい。また、情報処理装置10は、上記のデータベースを記憶することも可能であるし、あるいは、上記のデータベースが記憶されている他の装置から評価値を受信することも可能である。
【0052】
また、変形例として、変更テキスト選出部104は、複数の変更候補テキストの各々が前方テキストの後ろに連結することの評価値(つまり、スコアA)と、後方テキストが複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値(つまり、スコアB)との和に基づいて、複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出することも可能である。例えば、
図8に示した例では、スコアAとスコアBとの和の値が高い順は“have”(6.0%)、“want”(3.0%)、“like”(1.35%)の順番であるので、変更候補テキスト特定部102は、“have”、“want”、“like”の順に、所定の数以下の変更候補テキストを選出してもよい。
【0053】
また、変更テキスト選出部104は、複数の変更候補テキストの各々が前方テキストの後ろに連結することの評価値(つまり、スコアA)と、後方テキストが複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値(つまり、スコアB)との積に基づいて、複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出することも可能である。例えば、
図8に示した例では、スコアAとスコアBとの
積の値が高い順は“have”(0.080%)、“want”(0.020%)、“save”(0.004%)の順番であるので、変更候補テキスト特定部102は、“have”、“want”、“save”の順に、所定の数以下の変更候補テキストを選出してもよい。
【0054】
これらの選出例によれば、スコアBの高さだけでなく、スコアAの高さも考慮して変更候補テキストを選出するので、文脈上さらに自然な変更候補を選出することが可能になる。
【0055】
なお、上記の例に限定されず、変更テキスト選出部104は、例えば、1:2や1:3などの所定の比でスコアAとスコアBとを重みづけした和あるいは積の値に基づいて、変更候補テキストを選出してもよい。この選出例によれば、例えばスコアAに対するスコアBの重みを大きくすることができるので、変更候補テキストと後方テキストとのつながりをより重視して変更候補テキストを選出することが可能になる。
【0056】
(2−1−4.出力制御部106)
出力制御部106は、例えば
図9に示したように、変更テキスト選出部104により選出された変更候補テキストの中から修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを利用者が選択するための表示画像を表示画面20に表示させることが可能である。なお、出力制御部106は、
図9に示した変更候補テキスト220a〜変更候補テキスト220cのそれぞれに対応する表示画像の背景色を異ならせる等、各変更候補テキストに対応する表示画像の表示態様を異ならせてもよい。この効果として、各々の変更候補テキストをより強調して利用者に知覚させることが可能になることが挙げられる。
【0057】
また、例えば
図9に示した表示画面20において、利用者により例えば”have”など変更候補テキスト220のいずれかが選択された場合には、出力制御部106は、
図10に示したように、選択された変更候補テキスト222に修正対象テキストを差し替えて表示画面20に表示させることが可能である。
【0058】
(2−1−5.修正対象テキスト選択部108)
修正対象テキスト選択部108は、テキスト列から入力誤りの可能性が高いテキストを抽出することが可能である。例えば、修正対象テキスト選択部108は、テキスト列において先頭から1単語ごとに、当該単語より前方に位置する1以上の単語に基づいて当該単語の入力誤りの可能性を検証し、そして、入力誤りの可能性が高い単語を抽出する。
図2に示した例において、テキスト列30が情報処理装置10に入力された場合には、修正対象テキスト選択部108は、入力誤りの可能性が高いテキストとして“hug”を自動的に抽出することが可能である。
【0059】
なお、修正対象テキスト選択部108により入力誤りの可能性が高いテキストが抽出された場合には、例えば
図11に示したように、出力制御部106は、抽出されたテキスト230の表示態様を他のテキストと異ならせて表示画面20に表示させることが可能である。例えば、出力制御部106は、抽出されたテキスト230の背景色を変更したり、フォントを変更して、表示画面20に表示させる。この効果として、入力誤りの可能性が高いテキストの視認性を高めることができるので、利用者は修正対象テキストをより速く発見できたり、または修正漏れを低減させることが可能になることが挙げられる。
【0060】
また、修正対象テキスト選択部108は、利用者の発声に基づいてテキスト列から修正対象テキストを選択することも可能である。例えば、
図11に示した例において、利用者により“Select ‘hug’!”と発声された場合には、修正対象テキスト選択部108は、利用者の発声を音声認識し、そして、修正対象テキストとして“hug”を選択してもよい。この変形例によれば、例えば、情報処理装置10が利用者から少し離れた位置に置かれている場合などにおいて、利用者は表示画面20に触れることなく、修正対象テキストを選択することが可能になる。この変形例は、特に情報処理装置10がテレビ受像機である場合において有効である。
【0061】
(2−1−6.差し替えテキスト決定部110)
差し替えテキスト決定部110は、利用者の発声や表示画面20に対するタップなどに基づいて、変更テキスト選出部104により選出された変更候補テキストの中から修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを決定する。例えば、
図9に示した例において、利用者により“Replace ‘have’!”と発声された場合には、差し替えテキスト決定部110は、利用者の発声を音声認識し、そして、修正対象テキストである“hug”に差し替える変更候補テキストとして“have”を決定してもよい。この効果として、利用者は、表示画面20に触れることなく、テキスト列を修正することが可能になることが挙げられる。
【0062】
(2−1−7.出力部120)
出力部120は、出力制御部106の指示により例えば表示画面20を表示したり、音声を出力したりする。
【0063】
(2−1−8.入力部122)
入力部122は、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、入力部122は、表示画面20に対する利用者のタッチ操作を受け付けたり、利用者による発声を受け付ける。
【0064】
なお、本開示の実施形態によれば、情報処理装置10に内蔵されるCPU150、ROM152、およびRAM154などのハードウェアを、上述した情報処理装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも提供可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0065】
また、本開示の実施形態による構成は、上述した構成に限定されない。例えば、出力部120、または入力部122のいずれか一つ以上は情報処理装置10に含まれず、他の装置に備えられてもよい。
【0066】
[2−2.動作]
以上、本開示の実施形態による構成について説明した。続いて、本開示の実施形態による動作について説明する。
図12は、本開示の実施形態による動作例の一部を示すフローチャートである。
【0067】
図12に示したように、まず、入力部122は、利用者によるテキスト列の入力を受け付ける。そして、出力制御部106は、入力されたテキスト列を表示画面20に表示させる(S101)。
【0068】
続いて、修正対象テキスト選択部108は、例えば利用者の発声や、表示画面20に対するタップなどに基づいて、利用者による修正対象テキストの選択を受け付ける(S102)。あるいは、修正対象テキスト選択部108は、入力されたテキスト列から入力誤りの可能性が高いテキストを自動的に抽出することも可能である。
【0069】
続いて、変更候補テキスト特定部102は、選択された修正対象テキストに対して、修正対象テキストの前方に位置する前方テキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定する(S103)。
【0070】
続いて、変更テキスト選出部104は、複数の変更候補テキストの各々が前方テキストの後ろに連結することの評価値(スコアA)を算出する(S104)。なお、上述したように、変更テキスト選出部104は、情報処理装置10または他の装置に記憶されているデータベースから、この評価値(スコアA)を取得してもよい。
【0071】
続いて、変更テキスト選出部104は、修正対象テキストの後方に位置する後方テキストが複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値(スコアB)を算出する(S105)。なお、上述したように、変更テキスト選出部104は、情報処理装置10または他の装置に記憶されているデータベースから、この評価値(スコアB)を取得してもよい。
【0072】
次に、
図13を参照して、S105より後の動作について説明する。
図13に示したように、S105の後、変更テキスト選出部104は、S104およびS105で算出された評価値に基づいて、変更候補テキスト特定部102により特定された複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出する(S111)。
【0073】
続いて、出力制御部106は、修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを利用者が選択するための表示画像を表示画面20に表示させる(S112)。
【0074】
続いて、差し替えテキスト決定部110は、例えば利用者の発声や表示画面20に対するタップなどに基づいて、変更テキスト選出部104により選出された変更候補テキストの中から修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを決定する(S113)。
【0075】
続いて、出力制御部106は、選択された変更候補テキストに修正テキストを差し替えて表示画面20に表示させる(S114)。その後、情報処理装置10は、再びS102の動作を繰り返す。
【0076】
[2−3.効果]
以上、例えば
図5、
図7、
図12〜13等を参照して説明したように、本開示の実施形態による情報処理装置10は、テキスト列から選択される修正対象テキストに対して、修正対象テキストの前方に位置する前方テキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定する。そして、情報処理装置10は、修正対象テキストの後方に位置する後方テキストに基づいて複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出する。このため、情報処理装置10は、後方テキストとのつながりを考慮して望ましい修正候補を提示することができるので、利用者は効率的にテキスト列を修正することができる。
【0077】
例えば、情報処理装置10は、テキスト列において文法上正確であり、かつ、文脈上自然になるような修正候補テキストを選出することが可能であるので、利用者が希望する修正候補を提示できる可能性が高い。また、利用者は、利用者の発声や表示画面20におけるタップなどにより、選出された変更候補テキストの中から所望の候補を選択することが可能である。このため、例えば、テキスト列から修正対象のテキストを一旦削除した後で、再度テキストを入力し直すといった作業が不要であり、修正速度を向上させることができる。
【0078】
また、情報処理装置10は、複数の変更候補テキストの各々が前方テキストの後ろに連結することの評価値、および、後方テキストが複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値に基づいて複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出する。このため、情報処理装置10は、前方テキストおよび後方テキストの両方とのつながりを考慮して変更候補テキストを選出するので、文脈上さらに自然になるような変更候補テキストを選出することが可能である。
【0079】
また、情報処理装置10は、テキスト列から入力誤りの可能性が高いテキストを抽出し、そして、抽出されたテキストの表示態様を他のテキストと異ならせて表示画面20に表示させる。このため、入力誤りの可能性が高いテキストの視認性を高めることができるので、利用者は修正対象テキストをより速く発見することができ、テキストの修正速度をさらに向上させることができる。
【0080】
<3.変形例>
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
[3−1.変形例1]
例えば、変更候補テキスト特定部102は、利用者により選択される文法の種別に基づいて修正対象テキストから変換可能な複数の第2の変更候補テキストをさらに特定することも可能である。また、出力制御部106は、複数の第2の変更候補テキストを表示画面20にさらに表示させることも可能である。
【0082】
ここで、
図15〜
図18を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。
図15〜
図18は、この変形例による表示画面20の表示例をそれぞれ示した説明図である。なお、
図15〜
図18はそれぞれ、
図14に示したテキスト列30aが情報処理装置10に誤入力された場合の表示例を示している。
【0083】
図15に示したように、変更候補テキスト特定部102は、利用者により表示画面20において語尾変化タブ300bが選択された場合には、修正対象テキストの語尾を変化させたテキストを第2の変更候補テキストとして複数特定することが可能である。
図15に示した例では、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストが“young”である場合には、修正対象テキストの比較級である“younger”、および修正対象テキストの最上級である“youngest”を第2の変更候補テキストとして特定する。この特定例によれば、例えば音声認識機能により単語の語尾が誤認識された場合などにおいて、利用者は効率的にテキストを修正することが可能になる。
【0084】
また、
図16に示したように、変更候補テキスト特定部102は、利用者により表示画面20において単数・複数タブ300cが選択された場合には、修正対象テキストを単数形から複数形、あるいは複数形から単数形へ変形させたテキストを第2の変更候補テキストとして特定することが可能である。
図16に示した例では、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストが“son”である場合には、第2の変更候補テキストとして“sons”を特定する。この特定例によれば、例えば音声認識機能により単語の語尾が誤認識された場合などにおいて、利用者は効率的にテキストを修正することが可能になる。
【0085】
また、
図17に示したように、変更候補テキスト特定部102は、利用者により表示画面20において結合・分割タブ300dが選択された場合には、1個の単語から成る修正対象テキストを2個以上の単語に分割したり、あるいは2個以上の単語からなる修正対象テキストを1個の単語に結合することにより、第2の変更候補テキストを特定することが可能である。
図17に示した例では、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストが“everyday”である場合には、第2の変更候補テキストとして“every day”を特定する。この特定例によれば、例えば音声認識機能により単語の区切りが適切になされない場合において、利用者は効率的にテキストを修正することが可能になる。
【0086】
また、
図18に示したように、変更候補テキスト特定部102は、利用者により表示画面20において「.,」挿入タブ300eが選択された場合には、修正対象テキストおよび後方テキストに基づいて、修正対象テキストの後ろに「.」や「,」が挿入されたテキストを第2の変更候補テキストとして特定することが可能である。例えば、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストと後方テキストの間に「.」が挿入され、かつ後方テキストの先頭の文字が大文字に変換されたテキストを第2の変更候補テキストとして特定してもよい。また、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストと後方テキストの間に「,」が挿入されたテキストを第2の変更候補テキストとして特定してもよい。
図18に示した例では、修正対象テキストが“sons”であり、後方テキストが“the”である場合には、変更候補テキスト特定部102は、第2の変更候補テキストとして“sons.The”、および“sons,the”を特定する。この特定例によれば、例えば音声認識機能により文の区切りが適切になされない場合に、利用者は効率的にテキストを修正することが可能になる。
【0087】
なお、第2の変更候補テキストの特定例は、上記の例に限定されない。例えば、変更候補テキスト特定部102は、修正対象テキストの品詞を変化させたテキストを第2の変更候補テキストとして特定してもよい。
【0088】
また、
図15〜
図18に示した表示例において、通常タブ300aが利用者により選択された場合には、出力制御部106は、変更テキスト選出部104により選出された変更候補テキストを表示画面20に表示させてもよい。
【0089】
[3−2.変形例2]
また、上記の説明では、本開示の実施形態による、例えば変更候補テキスト特定部102や変更テキスト選出部104などの、制御部100に含まれる各構成要素が情報処理装置10に備えられる例について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。上述した制御部100に含まれる各構成要素は、情報処理装置10に備えられる代わりに、例えばサーバ装置などの、情報処理装置10と通信可能な通信装置に備えられてもよい。また、上述した制御部100に含まれる各構成要素と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムは、情報処理装置10に記憶される代わりに、上記の通信装置に記憶されてもよい。
【0090】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
テキスト列から選択される修正対象テキストに対して、前記修正対象テキストの一側に位置する第1のテキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定する変更候補テキスト特定部と、
前記修正対象テキストの他側に位置する第2のテキストに基づいて前記複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出する変更テキスト選出部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記第1のテキストは、前記テキスト列において前記修正対象テキストの前方に位置し、
前記第2のテキストは、前記テキスト列において前記修正対象テキストの後方に位置する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記変更テキスト選出部は、前記第2のテキストが前記複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値に基づいて前記複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記変更候補テキスト特定部は、前記第1のテキストの後ろに連結することの評価値の高い順に所定の数以下の変更候補テキストを特定する、前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記変更テキスト選出部は、さらに、前記複数の変更候補テキストの各々が前記第1のテキストの後ろに連結することの評価値に基づいて前記複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出する、前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記変更テキスト選出部は、前記複数の変更候補テキストの各々が前記第1のテキストの後ろに連結することの評価値と、前記第2のテキストが前記複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値との和に基づいて、前記複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記変更テキスト選出部は、前記複数の変更候補テキストの各々が前記第1のテキストの後ろに連結することの評価値と、前記第2のテキストが前記複数の変更候補テキストの各々の後ろに連結することの評価値との積に基づいて、前記複数の変更候補テキストの中から一部の変更候補テキストを選出する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(8)
変更候補テキスト特定部は、前記修正対象テキストと発音が一致する部分のあるテキストを前記変更候補テキストとして特定する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記情報処理装置は、前記変更テキスト選出部により選出された変更候補テキストの中から前記修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを利用者が選択するための表示を表示画面に表示させる出力制御部をさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記変更候補テキスト特定部は、利用者により選択される文法の種別に基づいて前記修正対象テキストから変換可能な複数の第2の変更候補テキストをさらに特定し、
前記出力制御部は、前記複数の第2の変更候補テキストを前記表示画面にさらに表示させる、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記情報処理装置は、前記テキスト列から入力誤りの可能性が高いテキストを抽出する修正対象テキスト選択部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記修正対象テキスト選択部により抽出されたテキストの表示態様を他のテキストと異ならせて前記表示画面に表示させる、前記(9)または(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記情報処理装置は、利用者の発声に基づいて前記テキスト列から前記修正対象テキストを選択する修正対象テキスト選択部と、
利用者の発声に基づいて、前記変更テキスト選出部により選出された変更候補テキストの中から前記修正対象テキストに差し替える変更候補テキストを決定する差し替えテキスト決定部と、をさらに備える、前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(13)
前記テキストは、単語である、前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
テキスト列から選択される修正対象テキストに対して、前記修正対象テキストの一側に位置する第1のテキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定するステップと、
前記修正対象テキストの他側に位置する第2のテキストに基づいて前記複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出するステップと、
を備える、情報処理方法。
(15)
コンピュータを、
テキスト列から選択される修正対象テキストに対して、前記修正対象テキストの一側に位置する第1のテキストに基づいて複数の変更候補テキストを特定する変更候補テキスト特定部と、
前記修正対象テキストの他側に位置する第2のテキストに基づいて前記複数の変更候補テキストから一部の変更候補テキストを選出する変更テキスト選出部、
として機能させるための、プログラム。