(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像形成情報送受信部は、前記対価算出部が算出した対価情報及び/または印刷実績データを前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
前記画像記録手段は、送信先の機器からの要求に応じて当該送信先の機器へ通信手段を介し画像情報を送信する他の装置としての画像情報管理装置から、当該画像情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の外観図である。
本実施の形態の画像形成装置1は、例えば、コンビニエンスストア、図書館、ホテル、学校などに設置される。そして印刷を行う対価として使用者(ユーザ)に料金が課される装置である。
【0013】
画像形成装置1は、記録材(以下、代表して「用紙」と記す場合もある。)に画像を形成する画像形成手段2と、ユーザが画像形成手段2で画像形成を行う際に課される料金を受け付けるコインキット3と、ユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに種々の情報を提供するユーザインタフェース(UI)4と、画像形成手段2で画像形成を行うための画像データを読み込むためのリーダライタ5と、無線通信により外部装置との間で通信を行う無線モジュール6とを備える。
【0014】
図2は、本実施の形態に係る画像形成手段2の内部構造を示す図である。
画像形成手段2は、原稿の画像を読み取る画像読取手段100と、用紙上に画像を記録する画像記録手段200と、を備えている。また、画像形成手段2は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを有し、装置全体の動作を制御する制御手段300を備えている。
画像読取手段100は、画像形成手段2の上部に配置される。そして画像記録手段200は、画像読取手段100の下側に配置され、制御手段300を内蔵している。
【0015】
まずは、画像読取手段100について説明する。
画像読取手段100は、プラテンガラス111と、光を原稿の被読取面(画像面)へ照射する光照射ユニット112と、光照射ユニット112から原稿の被読取面へ光Lが照射されて原稿の被読取面で反射した光Lを導く導光ユニット113と、導光ユニット113によって導かれた光Lの光学像を結像する結像レンズ114と、を備えている。また、画像読取手段100は、結像レンズ114によって結像された光Lを光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の光電変換素子で構成され、結像された光学像を検出する検出部115と、検出部115と電気的に接続されて、検出部115によって得られた画像情報としての電気信号が送られる画像処理部116と、を備えている。
画像読取手段100は、プラテンガラス111に載せられた原稿の画像を読み取る。
【0016】
次に、画像記録手段200について説明する。
画像記録手段200は、画像読取手段100により生成された画像情報(画像データ)を基に、用紙に画像の形成を行なう画像形成部20と、画像形成部20に対して用紙Pを供給する用紙供給部60と、画像形成部20にて画像が形成された用紙Pを排出する用紙排出部70と、画像形成部20にて一方の面に画像が形成された用紙Pの表裏を反転させて再度画像形成部20に向けて搬送する反転搬送部80と、を備えている。
【0017】
画像形成部20は、一定の間隔を置いて並列的に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kを備えている。各画像形成ユニット21は、感光体ドラム22と、感光体ドラム22の表面を帯電する帯電器23と、後述する光学系ユニット50によるレーザ照射によって形成された静電潜像を予め定められた色成分トナーで現像し可視化する現像器24とを備えている。また、画像形成部20には、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの現像器24に対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ29Y、29M、29C、29Kが設けられている。
【0018】
画像形成部20は、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの下方に、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に対してレーザ光を照射する光学系ユニット50を備えている。光学系ユニット50は、図示しない半導体レーザ、変調器の他、半導体レーザから出射されたレーザ光を偏向走査するポリゴンミラー(不図示)と、レーザ光を通過するガラス製のウィンドウ(不図示)と、各構成部材を密閉するためのフレーム(不図示)とを備えている。
【0019】
また、画像形成部20は、画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト31上に多重転写させる中間転写ユニット30と、中間転写ユニット30上に重畳されて形成されたトナー像を用紙Pに転写する二次転写ユニット40と、用紙P上に形成されたトナー像を加熱および加圧して定着する定着装置45と、を備えている。
【0020】
中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31を駆動するドライブローラ32と、中間転写ベルト31に一定のテンションを付与するテンションローラ33と、を備えている。また、中間転写ユニット30は、各感光体ドラム22と中間転写ベルト31を挟んで対向して感光体ドラム22上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31上に転写するための複数(本実施の形態においては4つ)の一次転写ローラ34と、中間転写ベルト31を介して後述する二次転写ローラ41と対向するバックアップローラ35とを備えている。
【0021】
中間転写ベルト31は、ドライブローラ32、テンションローラ33、複数の一次転写ローラ34、バックアップローラ35および従動ローラ36などの複数の回転部材に張りかけられている。そして、中間転写ベルト31は、駆動モータ(不図示)によって回転駆動されるドライブローラ32により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動される。この中間転写ベルト31は、例えば、ゴムまたは樹脂にて成形されたものが使用される。
また、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置37を備えている。クリーニング装置37は、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト31の表面から残留トナーや紙粉等を除去する。
【0022】
二次転写ユニット40は、二次転写位置に設けられ中間転写ベルト31を介してバックアップローラ35を押圧し、用紙P上に画像を二次転写する二次転写ローラ41を備えている。二次転写ローラ41と、中間転写ベルト31を介して二次転写ローラ41と対向するバックアップローラ35とで、中間転写ベルト31に転写されたトナー画像が用紙Pに転写される二次転写位置が構成される。
定着装置45は、中間転写ユニット30によって二次転写された用紙P上の画像(トナー像)を、加熱定着ローラ46と加圧ローラ47とにより、熱および圧力を用いて用紙Pに定着させる。
【0023】
用紙供給部60は、画像が記録される用紙Pを収容する用紙収容部61と、用紙収容部61の各々に収容された用紙Pを送り出す送出ロール62と、送出ロール62にて送り出された用紙Pが搬送される搬送路63と、搬送路63に沿って配置され送出ロール62によって送り出された用紙Pを二次転写位置へ搬送する搬送ロール64、65、66と、を備えている。
【0024】
用紙排出部70は、画像形成部20の上方に設けられて、画像形成部20で画像が形成された用紙Pを積載する積載部の一例としての積載トレイ71を備えている。
用紙排出部70は、定着装置45よりも搬送方向下流側に設けられて、トナー画像が定着された用紙Pを搬送する搬送ロール75と、この搬送ロール75の搬送方向下流側に設けられて、用紙Pの搬送方向を切り替える切替ゲート76と、を備えている。また、用紙排出部70は、切替ゲート76の搬送方向下流側に、用紙Pを積載トレイ71に排出する排出ロール79と、を備えている。
【0025】
反転搬送部80は、定着装置45の側方に、排出ロール79を積載トレイ71に用紙Pを排出する方向とは反対の方向に回転させることで反転された用紙Pが搬送される反転搬送路81を備えている。用紙Pは、切替ゲート76を切替え、用紙Pの搬送方向を変更することで反転搬送路81に送り込まれる。この反転搬送路81には、反転搬送路81に沿って複数の搬送ロール82が設けられている。これらの搬送ロール82によって搬送された用紙Pは、搬送ロール82によって、再度二次転写位置へ送り込まれる。
【0026】
また、画像記録手段200は、画像形成部20、用紙供給部60、用紙排出部70、反転搬送部80および制御手段300を内蔵し、画像形成手段2の外面を形成する装置筐体12と、を備えている。
【0027】
また、画像記録手段200は、装置筐体12の一部として、画像形成部20の手前側に設けられるとともに、開閉可能に装着されるフロントカバー15(
図1参照)を備えている。
ユーザは、フロントカバー15を開くことで、画像形成部20の中間転写ユニット30やトナーカートリッジ29Y、29M、29C、29Kを新しい物と取り替えることが可能となっている。
【0028】
以上のように構成された画像形成手段2は、以下のように動作する。
画像読取手段100によって読み取られた原稿の画像や、後述するリーダライタ5やタブレット型端末等から受信した画像データは、予め定められた画像処理が施され、画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、光学系ユニット50に出力される。
【0029】
光学系ユニット50は、入力された色材階調データに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光を、f−θレンズ(不図示)を介してポリゴンミラーに出射する。ポリゴンミラーでは、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22に照射する。
【0030】
画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22では、帯電器23で帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。画像形成ユニット21Y、21M、21C、21Kの感光体ドラム22上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト31上に多重転写される。
【0031】
一方、用紙供給部60では、画像形成のタイミングに合わせて送出ロール62が回転して用紙収容部61に収容されている用紙Pを取り上げ、搬送路63を介して搬送ロール64、65にて搬送される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト31の移動タイミングに合わせて搬送ロール66が回転し、用紙Pは、バックアップローラ35および二次転写ローラ41によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて、下方から上方に向けて搬送される用紙Pには、圧接力および予め定められた電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された用紙Pは、定着装置45によって熱および圧力で定着処理を受けた後に排出され、積載トレイ71に積載される。
【0032】
両面印刷の要求があった場合には、一方の面に画像が形成された用紙Pは、反転搬送部80にて表裏が反転するように搬送され、再度二次転写位置に送られる。そして、二次転写位置にて、用紙Pの他方の面にトナー像が転写され、定着装置45にて転写された画像が定着される。その後、両面に画像が形成された用紙Pは、排出され、積載トレイ71に積載される。
【0033】
コインキット3は、ユーザが画像形成手段2で画像形成を行う際にユーザに課される料金を受領し、精算する装置である。本実施の形態では、ユーザは、画像形成を行うにあたり、まずコインキット3に適当な額の料金を予め支払う必要がある。そして画像形成手段2は、ユーザの料金の支払い後に画像の形成を開始する。また画像の形成が終了した後は、コインキット3は、余分に支払われた分の料金を釣り銭として返却する機能も有する。なお画像の形成の最中に料金に不足が生じた場合は、画像形成手段2における画像の形成は中断される。このときは、ユーザが、コインキット3に対し追加の料金を支払うことで画像の形成が再開される。
【0034】
UI4は、タッチパネル等により構成され、ユーザは、このタッチパネルを操作することで、画像の形成条件の入力や画像形成手段2で提供されるサービスの選択等を行うことができる。またUI4は、タッチパネルに画像を表示することで、ユーザに種々の情報を提供することができる。例えば、現在設定されている画像の形成条件やサービスの種類の表示や、上述した料金の不足等が生じたときの警告画面の表示などを行うことができる。
【0035】
リーダライタ5は、例えば、SDメモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、あるいはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどが挿入可能であり、このメモリカード等に記録された画像データを読み込むことができる装置である。またリーダライタ5は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等に記録された画像データを読み込むことができる光学式ドライブ装置であってもよい。ユーザは、例えば、リーダライタ5により、メモリカード等に記録された画像データを読み込ませ、そしてこの画像データに基づいて画像形成手段2で画像を形成することができる。
【0036】
しかしながら従来の画像形成装置では、以下のような問題が生じることがあった。
(1)本実施の形態の画像形成装置は、上述の通り、コンビニエンスストア等に設置されるものである。即ち、ユーザは、外出先でこの画像形成装置を使用することになる。この場合、例えば、画像の形成を行うための画像データの選択やページの選択等の煩雑な操作をその場で行う必要がある。しかしユーザは、設置されている画像形成装置の操作に慣れていないことが多い。そのため画像の形成(印刷)を開始するまでの操作に時間を要することが多く、操作ミスも生じやすい。
【0037】
(2)ユーザは、画像形成装置で形成する画像について画像の形成条件を設定したい場合がある。画像の形成条件としては、例えば、用紙のサイズや、拡大/縮小の設定、カラー/白黒の選択などである。しかしこの作業も煩雑になる場合がある。例えば、1枚の用紙に複数ページを両面印刷する場合の綴じ方向の設定などである。そしてこの場合も操作に慣れていない画像形成装置では、画像の形成を開始するまでの操作に時間を要することが多く、操作ミスも生じやすい。
【0038】
(3)コンビニエンスストア等に設置される画像形成装置は、広く一般の人が利用するため、使いやすくする必要がある。よって画像形成装置側で複雑な画像の形成条件を設定できる機能があったとしても、あえてより簡単な画像の形成条件しか設定できないようにしている場合が多い。そのためオフィス用途のものに対しユーザが所望する印刷物が作成できない場合がある。なお複雑な画像の形成条件の例としては、例えば、形成する画像の濃度、画質のタイプなどである。
【0039】
(4)画像形成装置で大量の画像を形成した場合等に適用される割引サービス(モーダル課金方式)を提供することが困難である。つまり画像形成装置で大量の画像を形成した場合でも、同じユーザにより画像が形成されたのかが、画像形成装置側では判別できない。そのため割引サービスを提供することが難しくなる。
【0040】
そこで本実施の形態の画像形成装置1では、無線モジュール6を設け、この無線モジュール6を利用することで、上記問題の抑制を図っている。
無線モジュール6は、外部機器と無線通信回線を介して接続するための装置であり、この無線通信回線を利用して外部機器と通信を行うことができる。無線通信回線の種類としては、NFC(近接場型の無線通信:Near Field Communication)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、UWB(Ultra Wideband)等の方式による回線が使用可能である。本実施の形態では、無線モジュール6は、NFCおよびWi−Fiにより通信を行うことができる。
【0041】
そして本実施の形態では、外部機器として例えば、タブレット型の端末装置を用い、この端末装置に画像形成装置1で画像の形成を行う際の画像についての情報および画像の形成条件を含む画像形成情報を予め設定しておく。そして無線モジュール6を使用して、画像形成装置1と端末装置500との間で通信を行い、この画像形成情報を画像形成装置1に送信する。画像形成装置1の画像形成手段2では、この画像形成情報に基づき用紙に画像の形成を行う。ここで無線モジュール6は、端末装置500にて予め設定され、用紙に形成する画像の形成条件の情報を含む画像形成情報を端末装置500よりNFCにて取得する画像形成情報送受信部として機能する。
以下、この事項について詳しく説明を行う。
【0042】
図3は、端末装置のハードウェア構成を示した図である。
本実施の形態の端末装置500は、コンピュータ装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、PC(パーソナルコンピュータ)等が例示される。
図示するように、端末装置500は、CPU(Central Processing Unit)511と、記憶手段であるメモリ512とを備える。ここで、CPU511は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行する。また、メモリ512は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。
【0043】
また端末装置500は、外部との通信を行うための無線モジュール513と、画像を表示する表示部514とを備える。無線モジュール513は、画像形成装置1の無線モジュール6と通信が可能な装置であり、無線モジュール6と同様の機能を有する。そのため本実施の形態では、無線モジュール513は、は、NFCおよびWi−Fiにより通信を行うことができるようになっている。表示部514は、ユーザに対し種々の情報を提供するために画像を表示する。
【0044】
なお端末装置500は、記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリを備えていてもよい。この場合、HDDやフラッシュメモリは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する。また端末装置500は、さらにキーボードやマウス等の入力デバイスを備えていてもよい。ここでCPU511は、表示部514で表示する画像を制御し、無線モジュール513による通信を制御する端末制御部として捉えることができる。
【0045】
図4は、端末装置500の外観について説明した図である。
ここで例示する端末装置500は、いわゆるスマートフォンである。そして表示部514としてタッチパネルを採用している。よって表示部514は、人の指、スタイラスペンに代表される接触物が接触したときに、接触物が表示部514に接触した位置を検知する位置検知部(図示せず)を備えている。本実施の形態において表示部514として使用するタッチパネルは、特に限定されるものではなく、抵抗膜方式や静電容量方式など種々の方式のものを使用することができる。
【0046】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
図5は、第1の実施の形態における画像形成装置1および端末装置500の機能構成例を示したブロック図である。
画像形成装置1は、
図1で説明したように画像形成手段2と、コインキット3と、UI4と、リーダライタ5と、無線モジュール6とを備える。そして
図2で説明したように画像形成手段2は、画像読取手段100と、画像記録手段200と、制御手段300とを備える。制御手段300は、画像形成手段2内の画像読取手段100および画像記録手段200を制御するとともに、コインキット3、UI4、リーダライタ5、無線モジュール6との間で情報の送受信を行ない、これらの制御も行う。さらに制御手段300は、無線モジュール6により取得された画像形成情報を基に、画像記録手段200にて画像の形成を行う対価を算出する対価算出部301を備える。
【0047】
端末装置500は、
図3と同様にCPU511と、メモリ512と、無線モジュール513と、表示部514とを備える。そしてCPU511が、メモリ512に記憶された各種ソフトウェアを実行し、無線モジュール513、表示部514をそれぞれ制御する。
【0048】
次に
図5に図示するブロック図を用いて、画像形成装置1および端末装置500の動作について説明を行なう。
本実施の形態では、上述したように端末装置500に画像形成装置1で画像の形成を行う際の画像についての情報および画像の形成条件を含む画像形成情報を予め設定しておく。画像についての情報は、本実施の形態では、画像データであり、ユーザが予めメモリ512に記憶させておく。また画像の形成条件についてもユーザが予めメモリ512に記憶させておく。実際には、例えば、端末装置500で動作するアプリケーションとして、この2つを設定するためのものを用意する。そしてこのアプリケーションからの指示により、ユーザは画像形成装置1で画像の形成を行うための画像データや画像の形成条件を設定する。
【0049】
そして端末装置500を画像形成装置1の無線モジュール6にかざすと端末装置500の無線モジュール513と画像形成装置1の無線モジュール6とが通信を開始する。このとき端末装置500からは、上記のようにして設定した画像形成情報が送信される。なおこのときまず画像形成情報のうち画像の形成条件についてのデータがNFCを使用して送信される。これにより画像形成装置1は、画像の形成を行なうジョブの存在を認識し、自動的にサービスが起動する。そして送信された画像の形成条件に合わせ、画像記録手段200の制御を開始する。
【0050】
次に画像形成情報のうち画像データがWi−Fiを使用して送信される。画像データは、画像の形成条件についてのデータよりも一般的に容量が大きく、NFCよりも高速にデータの送信が可能なWi−Fiを使用した方がより短時間で画像形成情報を送信できるためである。これは、画像形成情報に含まれる情報のうち画像データについては、無線モジュール6は、無線構内通信網を利用して画像データを取得すると言い換えることもできる。
【0051】
次に対価算出部301が無線モジュール6により取得された画像形成情報を基に、画像記録手段200にて画像の形成を行う対価を算出する。具体的には1枚の用紙の片面に複数ページを印刷する場合は、1枚分の対価として算出する、両面に印刷する場合は、2枚分の対価として算出する等である。
【0052】
また対価算出部301が算出した対価情報(対価の情報)を、無線モジュール6を使用して端末装置500に送信されるようにしてもよい。これによりユーザは端末装置500で対価情報を管理することが可能となる。
【0053】
画像形成装置1では、画像形成情報を全て受信すると、UI4に、ユーザに対する確認画面を表示する。具体的には、画像データに付けられたデータ名、画像の形成条件、画像のサムネイル等が表示される。
ユーザは、UI4に表示された確認画面を確認し、内容に問題がなければ、コインキット3に適当な額の料金を投入し、図示しないスタートボタン等を押下げる。そして制御手段300がこれらの操作を認識すると、画像記録手段200の画像形成動作を開始する。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
【0055】
図6は、第2の実施の形態の画像形成装置1および端末装置500の機能構成例を示したブロック図である。
図示した画像形成装置1は、
図5に図示した機能構成部を全て有する。一方、
図6に図示した画像形成装置1は、他にネットワーク600と接続するためのインターフェース部7をさらに備える。このインターフェース部7についても制御手段300によりその動作が制御される。なお端末装置500の構成は、
図5の場合と同様である。
【0056】
このネットワーク600は、クラウドプリントサーバ700とさらに接続されている。
ネットワーク600は、画像形成装置1とクラウドプリントサーバ700との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットである。
【0057】
クラウドプリントサーバ700は、画像形成装置1で画像を形成できるようにするサービスであるクラウドプリントサービスを提供するサーバコンピュータである。つまりユーザは、端末装置500等を使用して画像データを予めクラウドプリントサーバ700にアップロードしておく。そしてクラウドプリントサーバ700は、画像形成装置1から画像を形成する旨を指示する問い合わせがあるまでこの画像データを蓄積しておく。そして問い合わせがあると、画像形成装置1で処理可能な形式の画像データを生成して画像形成装置1に対しネットワーク600を介して画像データを送信する。よってクラウドプリントサーバ700は、画像データを蓄積し、送信先の機器(この場合、画像形成装置1)からの要求に応じて送信先の機器へネットワーク600を介し画像データを送信する他の装置としての画像情報管理装置として機能する。
【0058】
本実施の形態では、端末装置500を画像形成装置1の無線モジュール6にかざすと画像形成情報のうち画像の形成条件についてのデータがNFCを使用して送信される。一方、画像データについては、端末装置500からは送信されず、画像データがクラウドプリントサーバ700に存在する旨の情報を受け取る。即ち画像形成情報に含まれる画像についての情報は、ここでは、画像データが存在するインターネット上の場所を表わす。例えば、画像についての情報として、クラウドプリントサーバ700のURL(Uniform Resource Locator)が端末装置500から画像形成装置1に送信される。
【0059】
そしてこの場合、画像形成装置1は、インターフェース部7を使用し、クラウドプリントサーバ700に上記問い合わせを行なう。そしてクラウドプリントサーバ700から画像データを受信し、その後は上述した場合と同様の手順で画像形成動作を開始する。
【0060】
以上説明した第1の実施の形態および第2の実施の形態によれば、画像形成情報として画像についての情報および画像の形成条件について、既に端末装置500に設定されている。そして端末装置500の無線モジュール513および画像形成装置1の無線モジュール6を使用することで、端末装置500を無線モジュール6にかざすだけで、画像形成装置1におけるサービスが起動するとともに、画像形成情報を画像形成装置1に送信することができる。そのためユーザは、画像の形成条件等をその場で設定する作業を行なう必要はない。よって画像の形成開始までの操作に時間がかかりにくく、操作ミスも生じにくい。
さらに端末装置500で動作するアプリケーションを使用して画像の形成条件の設定をすることで、より複雑な画像の形成条件を設定することも可能となる。
またさらに、大量の画像を形成した場合等に適用される割引サービスを提供することが容易となる。つまり画像形成装置1では、端末装置500と通信を行なっている間は、同じユーザにより印刷が行なわれていると判断できる。そのため画像形成装置1は、この間に印刷が行なわれた用紙の枚数を算出し、予め定められた枚数以上になった場合、割引サービスを提供する。
【0061】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態の詳細な構成及び動作について説明する。
【0062】
図7は、第3の実施の形態の画像形成装置1および端末装置500の機能構成例を示したブロック図である。
図示した画像形成装置1および端末装置500は、
図6に図示したものと同様の構成を有する。
【0063】
ただし本実施の形態では、端末装置500と画像形成装置1との間で印刷実績データの送受信が行なわれる。
この印刷実績データは、端末装置500を使用して過去に画像形成装置1において上述した方法で画像の形成(印刷)を行なった場合の印刷実績に関するデータであり、これが端末装置500のメモリ512に記憶されている。また印刷実績は、1つの箇所に設置されている画像形成装置1についての印刷実績に限らず、例えば、同系列のコンビニエンスストアに設置され同様の構成を有する画像形成装置1を使用して、端末装置500を使用し印刷を行なった場合についても含まれる。印刷実績データは、例えば、端末装置500と画像形成装置1を使用して印刷を行なった日付や枚数などが記録されたデータである。
【0064】
本実施の形態では、端末装置500を画像形成装置1の無線モジュール6にかざすと、
図5で説明した場合と同様に画像形成情報のうち画像の形成条件についてのデータがNFCを使用して送信される。そして画像についての情報としてクラウドプリントサーバ700のURL等についても、端末装置500からWi−Fiを使用して送信される。
【0065】
続いて本実施の形態では、
図6に説明した場合と同様に、端末装置500に記録されている印刷実績データが端末装置500から画像形成装置1に対し送信される。この印刷実績データは、暗号化されていることが好ましい。そして
図6で説明した手順で画像の形成が開始される。そして印刷が終了した後は、画像形成装置1では、割引サービスを適用するか否かの判断が行なわれる。
【0066】
具体的には、端末装置500から送信された印刷実績データは、制御手段300において、まず復号化が行なわれる。暗号化された印刷実績データを復号化するために必要な暗号化鍵は、例えば、クラウドプリントサーバ700に保存されており、画像形成装置1は、画像データとともにこの暗号化鍵を取得する。そして制御手段300は、印刷実績データと今回印刷を行なった枚数とから割引サービスを提供するか否かを判断する。この判断の基準は種々存在するが、例えば、直近1ヶ月に印刷を行なった枚数が予め定められた枚数になったときに割引サービスを適用すると判断する。また現在の月内(例えば4月のときは、4/1〜4/30の間)で、印刷を行なった枚数が予め定められた枚数になったときに割引サービスを適用すると判断する。また枚数でなく、金額を基準にしてもよい。
【0067】
そして制御手段300は、印刷実績データに今回印刷を行なった枚数を加算し、再び暗号化鍵を使用して印刷実績データを暗号化する。さらに暗号化された新たな印刷実績データは、画像形成装置1から無線モジュール6を使用して端末装置500に送信され、端末装置500では、この新たな印刷実績データをメモリ512に保存する。
【0068】
このように本実施の形態では、無線モジュール6は、画像形成情報として端末装置500から過去に画像の形成を行なった実績に関する情報として印刷実績データをさらに取得する。そして対価算出部301は、無線モジュール6により取得された印刷実績データを基にして料金としての対価を算出する。
【0069】
以上説明した第3の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態による効果に加え、過去の印刷実績も考慮した割引サービスが提供可能となる。
【0070】
なお上述した例で、コインキット3は、硬貨のみでなく、紙幣を扱うことができる装置であってもよく、さらにnanaco(登録商標)やSuica(登録商標)などの電子マネーを扱うことができる機能を備えていてもよい。さらに電子マネーを扱う場合は、コインキット3ではなく、無線モジュール6を使用することも可能である。
また上述した例では、画像形成情報として印刷実績データの送受信を行なっていたが、これに限られるものではなく、例えば、クーポンの情報を送受信し、これにより割引サービスを適用させてもよい。
さらに上述した例では、端末装置500やクラウドプリントサーバ700に保存された画像データに基づき画像形成装置1で画像の形成を行なう場合について説明を行なったが、これに限られるものではない。例えば、原稿のコピーを行なうなど画像読取手段100を使用して画像を形成する場合は、画像データは、画像読取手段100により生成されることになる。この場合においても端末装置500に画像の形成条件を予め設定し、この画像の形成条件を画像形成装置1に送信することで、上述した場合と同様の効果を得ることができる。
【0071】
なお上述した画像形成装置1および端末装置500は、画像の形成条件の情報を含む画像形成情報を設定する端末装置500と、端末装置500にて予め設定された画像形成情報に基づき画像を形成する画像形成装置1とを備える画像形成システムとして捉えることができる。
【0072】
なお上述した制御手段300が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。例えば、制御手段300内部の図示しないCPUが、制御手段300の各機能を実現するプログラムをメモリ512にロードして実行することにより行なわれる。
【0073】
よってこのプログラムは、コンピュータに、端末装置500にて予め設定され、用紙に形成する画像の形成条件の情報を含む画像形成情報を端末装置500よりNFCにて取得する機能と、取得された画像形成情報を基に、用紙に画像の形成を行なう画像記録手段200を制御する機能と、取得された画像形成情報を基に、画像記録手段200にて画像の形成を行う対価を算出する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることができる。