特許第6155877号(P6155877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155877
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】ねじの転造方法
(51)【国際特許分類】
   B21H 3/04 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   B21H3/04 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-125685(P2013-125685)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-413(P2015-413A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】門脇 哲広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆之
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−026041(JP,U)
【文献】 米国特許第04592221(US,A)
【文献】 特開平07−251230(JP,A)
【文献】 実開昭50−071534(JP,U)
【文献】 実開昭63−095619(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21H 3/02−3/04
B21H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状のワークをその軸線を中心として回転させながら第1および第2の転造ダイスの間をこれらの軸線に沿った方向へ通すことにより前記ワークの外周面に対して前記第1および第2の転造ダイスの山に対応するねじ溝を塑性加工するねじの転造方法において、
前記第1の転造ダイスはその軸線方向への移動が規制された状態に設ける一方、前記第2の転造ダイスはその軸線方向への移動が一定範囲内で許容された状態に設けることにより前記第1の転造ダイスは前記第2の転造ダイスに先立って前記塑性加工を開始するようにし、
前記第2の転造ダイスは前記ワークをその径方向に加圧する状態に維持し、この状態で前記第2の転造ダイスの山は前記第1の転造ダイスにより形成されたねじ溝に倣って前記塑性加工を行い、
前記ワークにおける所定領域の塑性加工が完了したとき、前記ワークを前記塑性加工時と逆方向に回転させて引き抜くねじの転造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のねじの転造方法において、
前記第2の転造ダイスは、その軸線方向において対向配置された2つの支持部の間を連結する支持軸の外周面に対して摺動回転可能に嵌めるとともに、前記第2の転造ダイスの両端部と前記2つの支持部との間にはそれぞれ隙間を設けるねじの転造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじの転造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、ボールねじの転造方法として歩み転造方式(通し転造方式)が知られている。歩み転造は複数の転造ダイスによって棒状のワークをその軸線方向に移動させながら当該ワークの外周面にねじ溝を塑性加工する方法をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−224780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の転造ダイスによって適切なねじ溝を形成するためには、各転造ダイスにより形成される溝のピッチを一致させる必要があるところ、各転造ダイスの軸線方向における位置(位相)のずれなどに起因して各転造ダイスにより形成される溝のピッチが軸線方向にずれる、いわゆるピッチずれが発生することが懸念される。
【0005】
このため、実際に製品を加工する際の段取り作業の一つとして、ピッチずれの有無を確認するための試し転造が行われることがある。ピッチずれが確認された場合には各転造ダイスの位置調節が行われる。以後、溝ピッチのずれがなくなるまで試し転造と転造ダイスの位置調節とが繰り返される。しかし、このような作業は面倒である。
【0006】
本発明の目的は、複数の転造ダイスにより形成されるねじ溝のピッチずれの発生を抑制することにより転造時の段取り作業を軽減することができるねじの転造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成し得るねじの転造方法は、棒状のワークをその軸線を中心として回転させながら第1および第2の転造ダイスの間をこれらの軸線に沿った方向へ通すことにより前記ワークの外周面に対して前記第1および第2の転造ダイスの山に対応するねじ溝を塑性加工するものである。そして、前記第1の転造ダイスはその軸線方向への移動が規制された状態に設ける一方、前記第2の転造ダイスはその軸線方向への移動が一定範囲内で許容された状態に設ける。これにより、前記第1の転造ダイスは前記第2の転造ダイスに先立って前記塑性加工を開始する。前記第2の転造ダイスは前記ワークをその径方向に加圧する状態に維持し、この状態で前記第2の転造ダイスの山は前記第1の転造ダイスにより形成されたねじ溝に倣って前記塑性加工を行い、前記ワークにおける所定領域の塑性加工が完了したとき、前記ワークを前記塑性加工時と逆方向に回転させて引き抜く
【0008】
この転造方法によれば、第2の転造ダイスの山は第1の転造ダイスにより先行して形成されるねじ溝に倣う。このため、第1の転造ダイスにより形成されるねじ溝と第2の転造ダイスにより形成されるねじ溝とが軸線方向においてずれる、いわゆるピッチずれが抑制される。したがって、第1および第2の転造ダイスの軸線方向における位置調整作業が不要になる。
【0009】
また、たとえば第1および第2の転造ダイスに対してワークを通過させて取り出す場合よりも早く取り出せることがある。
【0010】
上記のねじの転造方法において、前記第2の転造ダイスは、その軸線方向において対向配置された2つの支持部の間を連結する支持軸の外周面に対して摺動回転可能に嵌めるとともに、前記第2の転造ダイスの両端部と前記2つの支持部との間にはそれぞれ隙間を設けるようにしてもよい。
【0011】
この転造方法によれば、第2の転造ダイスはその両端部と2つの支持部との間にそれぞれ設けられた隙間の範囲内においてスライド移動することが可能となる。第2の転造ダイスの両端部が2つの支持部に当接することにより第2の転造ダイスの軸線方向への移動が規制される。第2の転造ダイスの軸線方向への移動を一定範囲内で許容する構成を簡単に構築することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の転造ダイスにより形成される溝のピッチずれの発生が抑制されるので転造時の段取り作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施の形態における第1および第2の転造ダイスの位置関係を示す平面図。
図2】(a),(b),(c)は、一実施の形態における転造過程を示す第1および第2の転造ダイスの平面図。
図3】(a),(b)は一実施の形態における転造開始時の第1および第2の転造ダイスの位置関係のバリエーションを示す平面図。
図4】比較例における第1および第2の転造ダイスの位置関係を示す平面図。
図5】(a)は比較例におけるねじ溝の形状を示すワークの要部断面図、(b)は一実施の形態におけるねじ溝の形状を示すワークの要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ねじの転造方法の一実施の形態を説明する。本例では転造装置を使用してボールねじを転造する。
図1に示すように、転造装置は中空円筒状の第1および第2の転造ダイス11,12を有している。第1および第2の転造ダイス11,12は同一品であって、それらの外周面には複数の環状の山(突条)11a,12aが設けられている。各山11a,12aは第1および第2の転造ダイス11,12の軸線方向に沿って一定間隔をおいて並んでいる。
【0015】
第1の転造ダイス11は、転造装置に設けられる2つの支持部13a,13bの間を連結する支持軸14に対して摺動回転可能に挿通支持されている。第1の転造ダイス11の軸線方向における両端面はそれぞれ2つの支持部13a,13bの平面部分に対して摺動回転可能に接触している。
【0016】
第2の転造ダイス12は、転造装置に設けられる2つの支持部15a,15bの間を連結する支持軸16に対して摺動回転可能に挿通支持されている。第2の転造ダイス12の軸線方向における2つの支持部15a,15bの間の距離D2は第1の転造ダイス11を支持する2つの支持部13a,13bの間の距離D1よりも大きく設定されている。このため、図1に二点鎖線で示されるように、たとえば第2の転造ダイス12の軸線方向における中心位置を支持軸16の軸線方向における中心位置Cに一致させたとき、第2の転造ダイス12の両端面と2つの支持部15a,15bとの間にはそれぞれ隙間D3,D4が形成される。このときの隙間D3,D4の長さは同じである。第2の転造ダイス12は隙間D3,D4の範囲内において支持軸16に沿って往復動することが可能である。
【0017】
ここで、第1および第2の転造ダイス11,12の軸線は互いに平行をなしている。また、第1の転造ダイス11の山11aと第2の転造ダイス12の山12aとの間の距離D5は、第1および第2の転造ダイス11,12の間に供給される棒状のワーク(ねじブランク)19の外径D6よりも少し短く設定されている。また、第1の転造ダイス11とワーク19との間の距離D7は、第2の転造ダイス12とワーク19との間の距離D8よりも少し長く設定されている。これらの距離D7,D8の長さはワーク19に形成すべきねじ溝19aの深さに応じて設定される。第1および第2の転造ダイス11,12の間にそれらの軸線方向に沿ってワーク19が供給されることによりワーク19の外周面に山11a,12aが押し付けられてねじ溝19aが塑性加工される。ねじ溝19aは第1および第2の転造ダイス11,12の山11a,12aと逆形状となる。
【0018】
<ボールねじの転造方法>
つぎに、ボールねじの転造方法について説明する。
図2(a)に二点鎖線で示されるように、第2の転造ダイス12の初期位置は支持軸16の中心位置Cを基準として図中の矢印で示されるワーク19の供給方向20と反対側(図中の左側)に片寄っている。第2の転造ダイス12の第1の端部(図中の左端部)は第1の転造ダイス11の第1の端部(図中の左端部)よりも供給方向20と反対側に位置している。
【0019】
この初期状態において、第1および第2の転造ダイス11,12の間にワーク19が回転しながら図中の左方から供給方向20へ向けて直線的に送られてくる。ワーク19はその軸線が第1および第2の転造ダイス11,12の軸線と平行をなす状態に維持される。
【0020】
すると図2(a)に二点鎖線で示されるように、ワーク19の端部はまず第2の転造ダイス12の山12a(正確には、最も供給方向20と反対側に位置する山12a)に当接する。
【0021】
ワーク19が供給方向20へ向けてさらに送られると、ワーク19に押されて第2の転造ダイス12は同方向にスライド移動する。そして図2(a)に実線で示されるように、ワーク19はやがて第1の転造ダイス11の山11a(正確には、最も供給方向20と反対側に位置する山11a)に当接する。
【0022】
図2(b)に示すように、ワーク19が供給方向20へ向けてさらに送られると、ワーク19の端部外周面に第1の転造ダイス11の山11aが押し付けられることによりねじ溝19aが形成されはじめる。ワーク19が回転しながら送られることによって第1の転造ダイス11の山11aがワーク19の外周面に連続的に食い込む。これにより、第1の転造ダイス11はワーク19と反対方向に回転する。このとき、第2の転造ダイス12はワーク19に押されてワーク19の送り量と同じ距離だけ供給方向20へ向けてスライド移動する。
【0023】
図2(c)に示されるように、ワーク19がさらに回転送りされると、やがてねじ溝19aの始端(第1の転造ダイス11による形成開始の部分)は第2の転造ダイス12の山12aに対応する。このタイミングで第2の転造ダイス12の山12aは第1の転造ダイス11により形成されたねじ溝19aに乗り移る。なお、ねじ溝19aの始端が第2の転造ダイス12の山12aに対応するまでの間、ワーク19の回転送りに伴い第2の転造ダイス12はその第2の端部(図中の右端部)が支持部15bに近接する方向へ移動し、第1の転造ダイス11のみによってねじ溝19aが形成される。
【0024】
第2の転造ダイス12の山12aが第1の転造ダイス11により形成されたねじ溝19aに乗り移った以降、ワーク19の回転送りに伴い第2の転造ダイス12の山12aは先に形成されたねじ溝19aに順次案内されるかたちでねじ溝19aに倣って連続的に食い込む。すなわち、第2の転造ダイス12とワーク19との間の距離D8は、第1の転造ダイス11とワーク19との間の距離D7よりも少し短く設定されている(図1参照)。このため、第2の転造ダイス12はワーク19をその径方向に加圧する状態を維持しつつ、第1の転造ダイス11により形成されたねじ溝19aに対して第2の転造ダイス12の山12aがさらに押し付けられる。先に形成されたねじ溝19aが第2の転造ダイス12によってさらに転造されることにより適切な深さおよび適切な形状を有するねじ溝19aが形成される。
【0025】
ワーク19における所定領域の溝加工が完了したとき、ワーク19を逆回転させて引き抜く。
なお、転造加工の開始時における第1および第2の転造ダイス11,12の位置関係は問わない。
【0026】
図3(a)に示すように、第1の転造ダイス11の第1の端面(左端面)と第2の転造ダイス12の第1の端面(左端面)とがこれらの軸線方向において同じ位置に存在していてもよい。また、図3(b)に示すように、第2の転造ダイス12の第1の端面が第1の転造ダイス11の第1の端部よりも供給方向20に片寄った位置に存在していてもよい。図3(a),(b)のいずれの状態であれ、前述と同様にして転造を行うことができる。
【0027】
<転造方法の作用>
つぎに、本例の転造方法による作用を説明する。まず比較例としてつぎのような転造方法を検討する。
【0028】
図4に示すように、第2の転造ダイス12を第1の転造ダイス11と同様に軸線方向に移動しない構成を採用した場合、つぎのような事象が発生する。すなわち、第1および第2の転造ダイス11,12の軸線方向における位置ずれなどに起因して第1の転造ダイス11により形成されるねじ溝19a1と第2の転造ダイス12により形成されるねじ溝19a2との間にも軸線方向におけるピッチずれΔPが発生する。なお図4では、ねじ溝19a1,19a2を太い実線により簡略化して示す。
【0029】
図5(a)に示すように、ピッチずれΔPが発生した場合、適切なねじ溝の形状が得られない。ねじ溝19a1,19a2はピッチずれΔPの分だけワーク19の軸線方向へずれて形成されるので、滑らかな形状を有するねじ溝が得られない。リード誤差も大きくなる。これに対し、本例のように第2の転造ダイス12をその軸線方向へ移動可能とすることによりピッチずれΔPの発生を抑えることができる。これは、第2の転造ダイス12の山12aが第1の転造ダイス11により形成されたねじ溝19a1に倣うことによる。
【0030】
図5(b)に示すように、本例によれば、第1の転造ダイス11によるねじ溝19a1と第2の転造ダイス12によるねじ溝19a2とが一致する。このため、滑らか形状を有する適切なねじ溝19aが得られる。リード誤差の発生もなく本来要求されるリードが得られる。
【0031】
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第2の転造ダイス12の山12aは第1の転造ダイス11により先行して形成されたねじ溝19aに倣う。このため、第1の転造ダイス11により形成されるねじ溝と第2の転造ダイス12により形成されるねじ溝とが軸線方向においてずれる、いわゆるピッチずれΔPの発生が抑制される。したがって、転造加工を開始する際、段取り作業として第1および第2の転造ダイス11,12の軸線方向における位置調整作業(ピッチ合わせ作業)を行う必要がない。したがって、転造時の段取り作業を軽減することができる。製造工数が低減するので製品コストの点でも有利である。
【0032】
(2)ワーク19における所定領域のねじ溝19aの加工が完了したとき、ワーク19を逆回転させて引き抜くことにより、第1および第2の転造ダイス11,12に対してワーク19を通過させて取り出す場合よりも早く取り出せることがある。
【0033】
(3)第2の転造ダイス12はその両端部と2つの支持部15a,15bとの間にそれぞれ設けられた隙間の範囲内においてスライド移動することが可能となる。第2の転造ダイス12の両端部が2つの支持部15a,15bに当接することにより第2の転造ダイス12の軸線方向への移動が規制される。第2の転造ダイス12の軸線方向への移動を一定範囲内で許容する構成を簡単に構築することができる。
【0034】
(4)第1の転造ダイス11により形成されたねじ溝19aに第2の転造ダイス12の山12aが倣うことにより、ワーク19の軸線に対する直交方向で切断した断面形状の真円度が向上する。
【0035】
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態はつぎのように変更して実施してもよい。
・本例では第1および第2の転造ダイス11,12を設けたが、3つ以上のダイスを設けてもよい。各ダイスはワーク19の軸線回りに一定の角度間隔で設ける。たとえば3つのダイスを設ける場合には120°ごとにダイスを配置する。各ダイスのうちいずれか1つのダイスはその軸線方向において固定する。残りの各ダイスはそれらの軸線方向に沿って移動可能とし、固定された1つのダイスにより形成されるねじ溝に残りの各ダイスの山を倣わせる。各ダイスにより少しずつねじ溝を深く形成するので、ダイスの数が増えるほど1つのダイスにかかる負荷が低減される。
【0036】
・本例ではボールねじの適用例については特に記載していないが、たとえば自動車部品用あるいは工作機械用のボールねじが挙げられる。自動車部品としてはたとえば電動パワーステアリング装置(EPS)のラック軸が挙げられる。
【0037】
・本例ではボールねじのねじ溝19aを転造する場合を例に挙げたが、三角ねじ、多条ねじ、ウォームねじなど他の種類のねじの転造に適用してもよい。ウォームねじとしては電動パワーステアリング装置の減速機用のウォームねじが挙げられる。
【0038】
・本例では第2の転造ダイス12を支持軸16に対してスライド移動させるようにしたが、第2の転造ダイス12を支持部15a,15bごと移動させるようにしてもよい。
・第1および第2の転造ダイス11,12のリード角の設定を通じて歩み現象を発生させるようにしてもよい。
【0039】
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記ねじはボールねじであること。
【0040】
(ロ)棒状のワークをその軸線を中心として回転させながら第1および第2の転造ダイスの間をこれらの軸線に沿った方向へ通すことにより前記ワークの外周面に対して前記第1および第2の転造ダイスの山に対応するねじ溝を塑性加工するねじの転造装置において、前記第1の転造ダイスはその軸線方向への移動が規制された状態に、前記第2の転造ダイスはその軸線方向への移動が一定範囲内で許容された状態に設けられてなるねじの転造装置。
【符号の説明】
【0041】
11…第1の転造ダイス、11a…山、12…第2の転造ダイス、12a…山、15a,15b…第2の転造ダイスの支持部、19…ワーク、D3,D4…隙間。
図1
図2
図3
図4
図5