特許第6155890号(P6155890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6155890監視システム、表示装置及び表示用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6155890
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】監視システム、表示装置及び表示用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20170626BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20170626BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N21/431
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-129210(P2013-129210)
(22)【出願日】2013年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-5843(P2015-5843A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏之
【審査官】 佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−051517(JP,A)
【文献】 特開2004−172723(JP,A)
【文献】 特開平08−228336(JP,A)
【文献】 特開2006−067225(JP,A)
【文献】 特開2003−101992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00 −21/858
H04N 5/222− 5/257
G08B 23/00 −25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置によって撮影された前記被写体の映像を表示する表示装置と、を備える監視システムであって、
前記表示装置は、
前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像のトラヒック量を測定する測定部と、
前記トラヒック量に基づいて、前記複数の撮影装置が前記表示装置に送信する前記映像の画質を制御する画質制御部と、
前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を前記トラヒック量に基づいて決定した分割数に分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部と、
を有する、
監視システム。
【請求項2】
前記画質制御部は、前記複数の映像のうち所定条件を満たす映像の画質を、前記所定条件を満たさない映像の画質よりも高くする、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記画質制御部は、前記複数の撮影装置のうち、予め関連付けられた複数の撮影装置の画質を連動して変化させる、
請求項1から2のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項4】
映像を撮影する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置によって撮影された前記映像を表示する表示装置と、前記表示装置に表示させる前記映像の画質を制御する映像制御装置と、を備える監視システムであって、
前記映像制御装置は、
前記撮影装置から送信される前記映像のトラヒック量を測定する測定部と、
前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記映像の画質を制御する画質制御部と、
を有し、
前記表示装置は、前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を前記トラヒック量に基づいて決定した分割数に分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部を有する、
監視システム。
【請求項5】
複数の撮影装置から送信される映像のトラヒック量を測定する測定部と、
前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記複数の撮影装置が送信する前記映像の画質を制御するための制御信号を送信する画質制御部と、
前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を前記トラヒック量に基づいて決定した分割数に分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部と、
を備える表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の撮影装置から送信される映像のトラヒック量を測定する測定部、
前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記複数の撮影装置が送信する前記映像の画質を制御する画質制御部、及び
前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を前記トラヒック量に基づいて決定した分割数に分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部、
として機能させるための表示用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の撮影装置で撮影された映像を表示するための監視システム、表示装置及び表示用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の場所において撮影された複数の映像を表示装置の分割画面に表示し、これらの映像を監視可能とする監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−214831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、撮影装置が撮影する映像の画素数が大きくなっている。また、表示装置の解像度が高くなっているので、分割画面の分割数も増えている。さらに、映像は圧縮形式で送信されるため、フレーム数及び画素数が一定であっても、当該映像のトラヒックが変化する場合がある。
【0005】
このため、撮影装置から表示装置に伝送される複数の映像のトラヒック量が増加して通信回線の伝送容量を超えてしまい、不特定の撮影装置で撮影された映像の表示が乱れる場合がある。また、表示装置における分割画面数を多くすると、表示装置で処理すべき映像のデータ量が増加し、表示装置における処理負担が増加してしまう。これにより、表示装置に映像を正常に表示することができなくなるという問題が生じる場合がある。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、トラヒック量の変動にかかわらず、複数の撮影装置で撮影された映像を表示装置に安定的に表示させることができる監視システム、表示装置、表示用プログラム及び映像制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る監視システムは、被写体を撮影する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置によって撮影された前記被写体の映像を表示する表示装置と、を備える監視システムであって、前記表示装置は、前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像のトラヒック量を測定する測定部と、前記トラヒック量に基づいて、前記複数の撮影装置が前記表示装置に送信する前記映像の画質を制御する画質制御部と、前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る監視システムでは、前記画質制御部は、前記複数の映像のうち所定条件を満たす映像の画質を、前記所定条件を満たさない映像の画質よりも高くしてもよい。また、本発明に係る監視システムでは、前記表示制御部は、前記トラヒック量に基づいて、前記表示画面の分割数を決定してもよい。また、本発明に係る監視システムでは、前記画質制御部は、前記複数の撮影装置のうち、予め関連付けられた複数の撮影装置の画質を連動して変化させてもよい。
【0009】
本発明に係る監視システムは、映像を撮影する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置によって撮影された前記映像を表示する表示装置と、前記表示装置に表示させる前記映像の画質を制御する映像制御装置と、を備える監視システムであって、前記映像制御装置は、前記撮影装置から送信される前記映像のトラヒック量を測定する測定部と、前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記複数の撮影装置が前記表示装置に送信する前記映像の画質を制御する画質制御部と、を有し、前記表示装置は、前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、複数の撮影装置から送信される映像のトラヒック量を測定する測定部と、前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記複数の撮影装置が送信する前記映像の画質を制御する画質制御部と、前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る表示用プログラムは、コンピュータを、複数の撮影装置から送信される映像のトラヒック量を測定する測定部、前記トラヒック量を所定の閾値と比較した結果に基づいて、前記複数の撮影装置が送信する前記映像の画質を制御する画質制御部、及び前記複数の撮影装置から送信された複数の前記映像を、表示画面を分割した複数の分割画面に表示させる表示制御部、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、トラヒック量の変動にかかわらず、複数の撮影装置で撮影された映像を表示装置に安定的に表示させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る監視システムの概要図である。
図2】第1の実施形態に係る撮影装置及び表示装置の機能構成図である。
図3】第1の実施形態に係る監視システムにおけるトラヒック量の変化を示す図である。
図4A】第1の実施形態に係る表示部の表示画面が16個の分割画面に分割された状態を示す図である。
図4B】第1の実施形態に係る表示部の表示画面が9個の分割画面に分割された状態を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る監視システムにおける通信シーケンスの一例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る監視システムの概要図である。
図7】第2の実施形態に係る撮影装置、表示装置及び映像制御装置の機能構成図である。
図8】第3の実施形態に係る撮影装置、表示装置及び映像制御装置の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
[監視システムSの概要]
図1は、第1の実施形態に係る監視システムSの概要図である。
監視システムSは、複数の撮影装置1(撮影装置1−1、撮影装置1−2、・・・、撮影装置1−i、ただしiは3以上の自然数)と、表示装置2と、ルータ3とを備える。
【0016】
複数の撮影装置1とルータ3とは、例えば店舗に設置されており、表示装置2は、例えば複数の撮影装置1が撮影した映像を監視する監視施設に設置されている。複数の撮影装置1は、ルータ3と、インターネット等のネットワークNとを介して、表示装置2と通信可能に接続されている。
【0017】
複数の撮影装置1は、被写体を撮影し、撮影された被写体の映像を、ルータ3及びネットワークNを介して表示装置2に送信する。表示装置2は、複数の映像のトラヒック量を測定し、当該トラヒック量に基づいて、撮影装置1が撮影する映像の画質を制御するための画質制御信号を、ネットワークN及びルータ3を介して複数の撮影装置1に送信する。複数の撮影装置1は、画質制御信号を受信すると、表示装置2に送信する映像の画質を調整する。
【0018】
[撮影装置1及び表示装置2の構成例]
続いて、撮影装置1が備える機能について説明する。図2は、第1の実施形態に係る撮影装置1及び表示装置2の機能構成図である。図2では、ルータ3及びネットワークNを省略して説明を行う。
【0019】
複数の撮影装置1は、撮影部11と、送信部12と、受信部13と、画質調整部14とを備える。
撮影部11は、レンズ及びCCD(電荷結合素子)等により構成される。撮影部11は、被写体を撮影し、被写体の映像を取得する。具体的には、撮影部11は、後述の画質調整部14の制御に応じてフレームレート及び画素数の少なくともいずれかを調整して被写体を撮影する。
【0020】
送信部12は、撮影部11が撮影した映像を表示装置2に送信する。受信部13は、表示装置2から画質制御信号を受信する。受信部13は、表示装置2から、表示装置2に対する映像の送信を開始させる送信開始信号と、表示装置2に対する映像の送信を停止させる送信停止信号とを、表示装置2から受信する。送信部12は、受信部13が送信開始信号を受信すると、映像の送信を開始し、受信部13が送信停止信号を受信すると、映像の送信を停止する。
【0021】
画質調整部14は、後述の画質制御部26の制御に応じて、表示装置2に送信する映像の画質を調整する。具体的には、画質調整部14は、受信部13が後述の画質制御部26が生成した画質制御信号を受信すると、当該画質制御信号に基づいて撮影部11のフレームレート及び画素数の少なくともいずれかを調整する。
【0022】
続いて、表示装置2が備える機能について説明する。図2に示すように、表示装置2は、制御部(不図示)と、表示部24と、操作部25とを備える。制御部は、表示装置2が記憶する表示用プログラムを実行することにより、表示装置2を、受信部21と、測定部22と、表示制御部23と、画質制御部26と、送信部27として機能させる。
【0023】
受信部21は、複数の撮影装置1から送信された映像を受信する。
測定部22は、受信部21が受信した映像の受信量に基づいて、複数の撮影装置1から送信された複数の映像のトラヒック量を測定する。
【0024】
表示制御部23は、受信部21が受信した、複数の撮影装置1から送信された複数の映像を、表示部24の表示画面を分割した複数の分割画面に表示させる。ここで、表示部24は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。
【0025】
表示制御部23は、表示装置2のユーザから操作部25を介して、表示画面の分割数を変更する操作入力が行われたことに応じて、表示画面の分割数を変更する。具体的には、表示制御部23は、表示部24に表示する映像数が分割数の変更によって増加した場合、送信部27を介して、増加した映像を撮影している撮影装置1に送信開始信号を送信する。また、表示制御部23は、表示部24に表示する映像数が分割数の変更によって減少した場合、送信部27を介して、減少して表示部24に表示されなくなった映像を撮影している撮影装置1に送信停止信号を送信する。
【0026】
画質制御部26は、測定部22が測定したトラヒック量に基づいて、複数の撮影装置1が表示装置2に送信する映像の画質を制御する。具体的には、画質制御部26は、測定されたトラヒック量が、所定の閾値を所定時間以上継続して超えたか否かを判定する。そして、画質制御部26は、所定の閾値を所定時間以上継続して超えたと判定した場合、複数の撮影装置1が撮影する映像の画質を低く調整するための画質制御信号を生成する。そして、画質制御部26は、送信部27を介して、生成した画質制御信号を表示部24に現在表示されている映像を撮影する撮影装置1に送信する。
【0027】
ここで、映像の画質を低く調整する画質制御信号には、例えば、現在受信している映像の画面解像度に比べて低い画面解像度を示す情報、及び現在受信している映像のフレームレートに比べて低いフレームレートを示す情報の少なくともいずれかが含まれている。例えば、画質制御部26は、表示部24に表示されている複数の映像の画面解像度が、VGA(Video Graphics Array)(画素数640×480)である場合において、トラヒック量が所定の閾値を所定時間以上継続して超えた場合、画面解像度をQVGA(Quarter-VGA)(画素数320×240)に変更する旨を示す画質制御信号を生成してもよい。また、画質制御部26は、表示部24に表示されている複数の映像のフレームレートが30FPSである場合において、トラヒック量が所定の閾値を所定時間以上継続して超えた場合、フレームレートを20FPSに変更してもよい。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係る監視システムSにおけるトラヒック量の変化例を示す図である。例えば、表示部24に表示されている複数の映像のフレームレートが30FPSである場合において、映像のデータ量が増加することによりトラヒック量が増加し、トラヒック量が時刻t1に所定の閾値を超えたとする。そして、時刻t1から、所定時間が経過した時刻t2となると、画質調整部14は、フレームレートを20FPSに変更する旨を示す画質制御信号を撮影装置1に送信する。撮影部11の画質調整部14は、画質制御信号を受信したことに応じて、映像のフレームレートを20FPSに調整する。これにより、トラヒック量が、所定の閾値に比べて低くなる。
【0029】
なお、画質制御部26は、全ての撮影装置1に画質制御信号を送信してもよい。また、画質制御部26は、当該画質制御信号を送信した後、測定されたトラヒック量が第2の所定値を下回った場合、複数の撮影装置1が撮影する映像の画質を高く調整するための画質制御信号を生成し、送信部27を介して撮影装置1に送信してもよい。ここで、映像の画質を高く調整する画質制御信号には、例えば、現在受信している映像の画像解像度に比べて高い画面解像度を示す情報、及び現在受信している映像のフレームレートに比べて低いフレームレートを示す情報の少なくともいずれかを多くする情報が含まれている。
【0030】
また、表示制御部23は、画質制御部26が生成した画質制御信号が複数の撮影装置1に送信されてから測定部22が測定したトラヒック量に基づいて、表示部24の表示画面の分割数を決定してもよい。具体的には、表示制御部23は、画質制御部26が生成した画質制御信号が複数の撮影装置1に送信されてから測定部22が測定したトラヒック量が所定の閾値を所定時間以上継続して超えたか否かを判定する。表示制御部23は、所定の閾値を所定時間以上継続して超えたと判定した場合、表示画面の分割数を減少させる。そして、表示制御部23は、送信部27を介して、表示画面に表示されなくなった撮影装置1に対して、表示装置2への映像の送信を停止させる送信停止信号を送信する。
【0031】
また、画質制御部26は、表示部24に表示されている複数の映像のうち、所定条件を満たす映像の画質を、所定条件を満たさない映像よりも高くしてもよい。ここで、所定条件とは、例えば、表示装置2のユーザから操作部25を介して一の映像の選択を受け付けたこと、又は不審者が映る等の異常を検出したことである。なお、異常の検出は、例えば、測定部22によって行われるものとする。
【0032】
例えば、図4Aに示すように、表示部24に表示されている16個の分割画面に16台の撮影装置1のそれぞれで撮影された、画面解像度がQVGAの映像が表示されている場合において、分割画面D11に係る映像について、画質制御部26が不審者の映像を検出したか、表示装置2のユーザによって操作部25を介して選択されたとする。この場合、画質制御部26は、分割画面D11に表示されている映像の画面解像度を、例えば、メガピクセルの画面解像度(例えば、SXGA(Super-XGA)等)に変更する旨を示す画質制御信号を生成し、送信部27を介して、分割画面D11に表示される映像を撮影する撮影装置1に送信する。ここで、表示制御部23は、画質が調整された映像を、表示部24においてポップアップ表示させてもよい。
【0033】
また、画質制御部26は、複数の撮影装置1のうち、予め関連付けられた複数の撮影装置1の画質を連動して変化させてもよい。ここで、図4Aに示す16個の分割画面D1〜D16において、隣接する画面に表示される映像は、隣接する撮影装置1によって撮影されたものとする。この場合、例えば、分割画面D11に表示される映像を撮影する撮影装置1は、分割画面D6〜8、D10、D12、D14〜16に表示される映像を撮影する撮影装置1の周囲に設置されているものとする。
【0034】
画質制御部26は、例えば、分割画面D11に表示されている映像において異常が検出されると、当該映像を表示する撮影装置1に隣接する複数の撮影装置1の画質を高く調整する。すなわち、画質制御部26は、画面解像度をQVGAからVGAに変更する旨を示す画質制御信号を生成し、送信部27を介して、分割画面D6〜8、D10〜D12、D14〜16に表示される映像を撮影する撮影装置1に送信する。これにより、分割画面D6〜8、D10〜D12、D14〜16に表示される映像が拡大され、表示制御部23は、表示部24に表示される分割画面を、図4Bに示すように、9個の分割画面D6〜8、D10〜D12、D14〜16に変更する。
【0035】
送信部27は、画質制御部26の制御に応じて、画質制御部26が生成した画質制御信号を複数の撮影装置1に送信する。また、送信部27は、表示制御部23の制御に応じて、表示制御部23が生成した送信開始信号及び送信停止信号を複数の撮影装置1に送信する。
【0036】
[監視システムSの通信シーケンス]
図5は、第1の実施形態に係る監視システムSにおける通信シーケンスの一例を示す図である。
まず、複数の撮影装置1の撮影部11が被写体を撮影する(S1)。続いて、複数の撮影装置1の送信部12は、被写体の映像を表示装置2に送信する。
【0037】
続いて、受信部21が映像を受信すると、測定部22は、受信部21が受信した映像の受信量に基づいて、複数の撮影装置1から送信された複数の映像のトラヒック量を測定する(S2)。
【0038】
続いて、画質制御部26は、測定されたトラヒック量が、所定の閾値を所定時間以上継続して超えたか否かを判定する(S3)。そして、画質制御部26は、所定の閾値を所定時間以上継続して超えたと判定した場合、複数の撮影装置1が撮影する映像の画質を低く調整するための画質制御信号を生成し、送信部27を介して送信する。
【0039】
複数の撮影装置1の受信部13が画質制御信号を受信すると、画質調整部14は、当該画質制御信号に基づいて撮影部11のフレームレート及び画素数の少なくともいずれかを調整する(S4)。
【0040】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係る監視システムSは、測定したトラヒック量に基づいて撮影装置1が撮影する映像の画質を調整するので、トラヒック量の変動にかかわらず、複数の撮影装置1で撮影された映像を表示装置2に安定的に表示させることができる。
【0041】
また、表示装置2の画質制御部26は、複数の映像のうち所定条件を満たす映像の画質を、所定条件を満たさない映像の画質よりも高くするので、例えば、表示装置2のユーザが注目したい映像の画質を高くして、当該ユーザに当該映像の詳細を確認させることができる。
【0042】
また、表示装置2の表示制御部23は、トラヒック量に基づいて、表示画面の分割数を変更するので、例えば、表示装置2における映像の表示に係る処理負荷を軽減し、表示画面に継続して表示される映像を安定的に表示させることができる。
【0043】
また、表示装置2の画質制御部26は、複数の撮影装置1のうち、予め関連付けられた複数の撮影装置1の画質を連動して変化させる。よって、表示装置2の画質制御部26は、表示装置2における映像の表示に係る処理負荷の増加を抑えつつ、異常を検知した映像を撮影している撮影装置1の周辺の撮影装置1で撮影された映像についても、表示装置2のユーザに詳細を確認させることができる。
【0044】
<第2の実施形態>
[映像制御装置4が画質を調整する]
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、表示装置2の代わりに映像制御装置4が、複数の撮影装置1が撮影する映像の画質を調整する点で第1の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0045】
[監視システムSの概要]
図6は、第2の実施形態に係る監視システムSの概要図である。
監視システムSは、複数の撮影装置1と、表示装置2と、ルータ3と、映像制御装置4とを備える。
【0046】
複数の撮影装置1と、ルータ3と、映像制御装置4とは、例えば店舗に設置されており、表示装置2は、例えば撮影装置1が撮影した映像を監視する監視施設に設置されている。複数の撮影装置1と映像制御装置4とは、ルータ3を介して通信可能に接続されている。また、複数の撮影装置1と映像制御装置4とは、ルータ3と、インターネット等のネットワークNとを介して、表示装置2と通信可能に接続されている。
【0047】
複数の撮影装置1は、被写体を撮影し、撮影された被写体の映像を、ルータ3を介して映像制御装置4に送信するとともに、ルータ3及びネットワークNを介して表示装置2に送信する。映像制御装置4は、受信した映像のトラヒック量を測定する。そして、映像制御装置4は、当該トラヒック量に基づいて、撮影装置1が撮影する画質を制御するための画質制御信号を、ルータ3を介して複数の撮影装置1に送信する。複数の撮影装置1は、画質制御信号を受信すると、表示装置2に送信する映像の画質を調整する。
【0048】
[撮影装置1、表示装置2及び映像制御装置4の構成例]
続いて、撮影装置1が備える機能について説明する。図7は、第2の実施形態に係る撮影装置1、表示装置2及び映像制御装置4の機能構成図である。図7では、ルータ3及びネットワークNを省略して説明を行う。
【0049】
複数の撮影装置1は、撮影部11と、送信部12と、受信部13と、画質調整部14とを備える。
撮影部11は、被写体を撮影し、被写体の映像を取得する。具体的には、撮影部11は、表示装置2に送信する映像と、映像制御装置4に送信する映像とを取得する。ここで、映像制御装置4に送信される映像の画質は、最高画質であり、調整が行われない。他方、表示装置2に送信される映像の画質は、映像制御装置4によって制御される。ここで、最高画質とは、撮影装置1が出力し得る画面解像度及びフレームレートのうち、最も高い画面解像度及びフレームレートである。例えば、最高画質の映像は、画面解像度がメガピクセルの解像度で、フレームレートが30FPSの映像が最高画質の映像である。
【0050】
送信部12は、表示装置2及び映像制御装置4に、それぞれ異なる画質の映像を送信する。具体的には、送信部12は、以下に示すように表示装置2に映像を送信する。すなわち、送信部12は、受信部13が表示装置2に対する映像の送信を開始させる送信開始信号を表示装置2から受信すると、映像制御装置4によって画質が調整された映像を、表示装置2に送信を開始する。また、送信部12は、受信部13が表示装置2に対する映像の送信を停止させる送信停止信号を受信すると、映像制御装置4によって画質が調整された映像の表示装置2への送信を停止する。
【0051】
送信部12は、映像を映像制御装置4に送信する場合、表示装置2に映像を送信しているか否かにかかわらず、最高画質の映像を映像制御装置4に送信する。また、送信部12は、表示装置2に映像を送信している旨を示す送信通知情報を映像制御装置4に送信する。
画質調整部14は、画質制御部43の制御に応じて、第1の実施形態と同様に、表示装置2に送信する映像の画質を調整する。
【0052】
続いて、映像制御装置4が備える機能について説明する。図7に示すように、映像制御装置4は、受信部41と、測定部42と、画質制御部43と、送信部44と、記憶部45とを備える。
【0053】
受信部41は、複数の撮影装置1から送信された最高画質の映像を受信する。受信部41は、受信した映像を記憶部45に記憶させる。
測定部42は、受信部41が受信した映像の受信量に基づいて、複数の撮影装置1から送信された複数の映像のトラヒック量を測定する。具体的には、測定部42は、表示装置2に映像を送信している旨を示す送信通知情報を送信した撮影装置1から受信した映像の受信量に基づいて、トラヒック量を測定する。1台の撮影装置1から映像制御装置4に送信された映像のトラヒックと、表示装置2に送信された映像のトラヒックとは、関連しているので、映像制御装置4が測定したトラヒック量に基づいて、表示装置2に表示されている複数の映像のトラヒック量を予測することができる。
【0054】
画質制御部43は、測定部42が測定したトラヒック量に基づいて、複数の撮影装置1が表示装置2に送信する映像の画質を制御する。具体的には、画質制御部26は、測定されたトラヒック量が、第2の閾値を所定時間以上継続して超えたか否かを判定する。そして、画質制御部26は、第2の閾値を所定時間以上継続して超えたと判定した場合、撮影装置1が表示装置2に送信する映像の画質を低く調整するための画質制御信号を生成する。そして、画質制御部26は、送信部27を介して、生成した画質制御信号を、表示部24に現在表示されている映像を撮影する撮影装置1に送信する。
【0055】
[第2の実施形態における効果]
以上のとおり、第2の実施形態に係る監視システムSでは、測定したトラヒック量に基づいて撮影装置1が撮影する映像の画質を調整し、自動的にトラヒック量を低減することができる。さらに、映像制御装置4に、最高の画質の映像を記憶部45に記憶するので、リアルタイムに映像を確認できなかった場合であっても、記憶部45に記憶されている映像を参照して確認することができる。また、第2の実施形態に係る監視システムSでは、映像制御装置4において、撮影装置1が撮影する映像の画質を制御するので、表示装置2における処理負荷を軽減して、表示装置2においてさらに安定的に映像を表示させることができる。
【0056】
<第3の実施形態>
[映像制御装置4が表示装置2に映像を送信する]
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、映像制御装置4が撮影装置1から映像を受信し、当該映像の画質を調整して表示装置2に映像を送信する点で第2の実施形態と異なり、その他の点では同じである。
【0057】
[撮影装置1、表示装置2及び映像制御装置4の構成例]
図8は、第3の実施形態に係る撮影装置1、表示装置2及び映像制御装置4の機能構成図である。図8では、ルータ3及びネットワークNを省略して説明を行う。
【0058】
複数の撮影装置1は、撮影部11と、送信部12とを備える。映像制御装置4は、受信部41と、測定部42と、画質制御部43と、送信部44と、記憶部45とを備える。
撮影装置1の送信部12は、撮影部11が撮影した映像を映像制御装置4に送信する。ここで、送信部12が映像制御装置4に送信する映像は、最高画質の映像である。
【0059】
映像制御装置4の受信部41は、複数の撮影装置1から送信された映像を受信し、当該映像を記憶部45に記憶させる。また、受信部41は、表示装置2から、複数の撮影装置1が撮影した映像のそれぞれに対応する、表示装置2に対する映像の送信を開始させる送信開始信号と、表示装置2に対する映像の送信を停止させる送信停止信号とを受信する。ここで、送信開始信号及び送信停止信号には、送信の開始又は停止の対象の映像を特定する映像識別情報が含まれている。
【0060】
測定部42は、受信部41が表示装置2から受信した送信開始信号に含まれている映像識別情報に基づいて、表示装置2に表示されている映像を特定する。測定部42は、撮影装置1から受信した当該映像のうち、特定された映像に係るトラヒック量を測定する。
【0061】
画質制御部43は、測定部42が測定したトラヒック量に基づいて、表示装置2に送信する映像の画質を制御する。具体的には、画質制御部43は、受信部41が表示装置2から受信した送信開始信号に含まれている映像識別情報に基づいて、表示装置2に表示されている映像を特定する。画質制御部43は、当該映像の画質を調整する。ここで、画質制御部43は、例えば、受信部41が記憶部45に記憶した映像を抽出し、当該映像の画質を調整する。
送信部44は、画質が調整された映像を表示装置2に送信する。
【0062】
表示装置2の受信部21は、映像制御装置4によって画質が制御された映像を受信する。表示制御部23は、受信した映像を表示部24の表示画面を分割した分割画面に表示させる。
【0063】
[第3の実施形態における効果]
以上のとおり、第3の実施形態に係る監視システムSでは、映像制御装置4において映像の画質を調整するので、撮影装置1において画質調整機能を省略することができ、撮影装置1のコストを低減することができる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。
【0065】
例えば、上述した実施形態では、複数の撮影装置1とルータ3とが店舗に設置されており、表示装置2が監視施設に設置されているものとして説明したが、これに限らない。例えば、複数の撮影装置1と表示装置2とが同一の施設に設置され、ルータ3を介して通信可能に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1・・・撮影装置、11・・・撮影部、12・・・送信部、13・・・受信部、14・・・画質調整部、2・・・表示装置、21・・・受信部、22・・・測定部、23・・・表示制御部、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・画質制御部、27・・・送信部、3・・・ルータ、4・・・映像制御装置、41・・・受信部、42・・・測定部、43・・・画質制御部、44・・・送信部、45・・・記憶部、N・・・ネットワーク、S・・・監視システム
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8