【実施例】
【0119】
(実施例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−1の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−1(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)17.6質量部
(B)成分−1:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)5.5質量部
(B)成分−2:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「P
R−55617」)5.9質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)2.9質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)17.4質量部
(F)成分:トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、商品名「TPP」)0.2質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.5質量部
【0120】
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−1を、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃で5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルムが形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
【0121】
<ダイシングテープ一体型接着フィルム>
(1)ダイシングテープの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cm
2を照射
し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
【0122】
(2)ダイシングテープの粘着層の形成
アクリル酸ブチル70質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約500,000の共重合体100質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部とを混合したダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。上記ダイシングテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングテープの粘着層を成膜した。その後、ダイシングテープの基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートを上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングテープを得た。
【0123】
(3)ダイシングテープ一体型接着フィルムの製造
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られたベースフィルム付き接着フィルムとを、介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングテープの粘着層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記第2積層体の一方の面側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングテープの粘着層とが接するように、これらをラミネートした。
これにより、ダイシングテープの基材層、ダイシングテープの粘着層、介在層、接着フィルムおよびベースフィルムの5層がこの順でラミネートされたダイシングテープ一体型接着フィルムを得た。
【0124】
<電子部品の製造−1>
本発明の電子部品として、上記で得られた本発明の接着シートを用いて、下記の手順で半導体装置(1)を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を有する半導体チップ(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、上記各実施例および比較例で得られた各接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の接着フィルム側と半導体チップとが接合するように、真空ラミネーター(名機製作所株式会社製、MVLP)を用い、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、接着フィルム付き半導体チップを得た。
次に、上記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する回路基板(電極の高さ10μm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔30μm)を用意した。
次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上記回路基板の銅電極と、半導体チップの半田を有する銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら回路基板に半導体チップを150℃、29.4N、3秒間で仮圧着した後に、235℃、29.4N、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物を介して接着された半導体装置(1)を得た。
【0125】
<電子部品の製造−2>
本発明の電子部品として、上記で得られた本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムを用いて、下記の手順で半導体装置(2)を作製した。
半田バンプを有するシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ100μm)を用意した。ダイシングテープ一体型接着フィルムからベースフィルムを剥離し、その剥離面と、シリコンウエハの半田バンプを有する面とが接するように、ダイシングテープ一体型接着フィルムとシリコンウエハとを積層した。これをラミネーターで、貼り合わせ温度80℃、接着フィルム(ダイシングテープ一体型接着フィルム)にかける圧力0.8MPa、30秒間の条件でラミネートして、ダイシングテープ一体型接着フィルム付きのシリコンウエハを得た。
【0126】
次いで、このダイシングテープ一体型接着フィルム付きのシリコンウエハを、シリコンウエハ側から、ダイシングソー(株式会社ディスコ製、DFD6360)を用いて下記の条件でダイシング(切断)した。これにより、シリコンウエハが個片化され、下記のダイシングサイズの半導体チップを得た。なお、このダイシングにより形成された切り込みは、その先端が介在層内に達していた。
【0127】
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.130mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
【0128】
次いで、半導体チップの1つをダイシングテープ一体型接着フィルムの支持フィルム側(ダイシングテープの基材層側)からニードルで突き上げ、突き上げた半導体チップの表面をダイボンダーのコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、接着フィルム付き半導体チップをピックアップした。
【0129】
次に、パッドを有する回路基板を用意し、この回路基板のパッドと、上記で得られた接着フィルム付き半導体チップが有する半田バンプとが当接するように位置合わせを行いながら、回路基板に半導体チップを235℃、5秒間の条件で加熱して、半田バンプを溶融させて半田接合を行った。
そして、180℃、60分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置(2)を得た。
【0130】
(実施例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−2の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−2(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、 商品名「jER 1032H60」)11.7質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)3.7質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)、0.3質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)15.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:ジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)9.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
【0131】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−2を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0132】
(実施例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−3の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−3(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)27.9質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)10.0質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)3.6質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)7.5質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
【0133】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−3を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0134】
(実施例4)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−4の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−4(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」5.1質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)11.8質量部
(B)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)8.8質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「FX−280S」)8.6質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業株式会社製)7.2質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)2.5質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.3質量部
【0135】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−4を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0136】
(実施例5)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−5の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−5(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)17.7質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.5質量部
(B)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)12.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.8質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)7.4質量部
(F)成分:2−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2MZ−H」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)5.6質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)1.3質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.3質量部
【0137】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−5を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0138】
(実施例6)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−6の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−6(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)9.5質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)22.1質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.4質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)8.8質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
【0139】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−6を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0140】
(実施例7)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−7の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−7(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)34.0質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)18.7質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量3150)5.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)30.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)5.1質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製」)6.0質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.4質量部
【0141】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−7を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0142】
(実施例8)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−8の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−8(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)13.5質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.8質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量3150)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.
1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
【0143】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−8を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0144】
(実施例9)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−9の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−9(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)12.6質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)6.3質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)0.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「FX−280S」)3.4質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)7.2質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)6.0質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.4質量部
【0145】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−9を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0146】
(実施例10)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−10の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−10(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)14.9質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量=3150)4.0質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
【0147】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−10を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0148】
(実施例11)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−11の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−11(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)13.9質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.8質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量=3150)0.2質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
【0149】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−11を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0150】
(比較例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−21の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−21(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)7.7質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)7.7質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)18.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:ジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)6.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
【0151】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−21を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0152】
(比較例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−22の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−22(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)11.5質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)11.5質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)11.4質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)14.2質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
その他:アクリロニトリル・ブタジエン共重合体:(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X33」、重量平均分子量3900)0.8質量部
【0153】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−22を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0154】
(比較例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−23の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−23(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)21.9質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)7.8質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)2.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)5.9質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
その他:カルボキシル基を有する固形アクリロニトリル・ブタジエン共重合体:(日本ゼオン株式会社製、商品名「Nipol 1072」)11.3質量部
【0155】
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−23を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
【0156】
<物性評価>
上記実施例、比較例にて製造した接着フィルム形成用樹脂組成物、ならびに、これらの接着フィルム形成用樹脂組成物を用いて製造した接着シートの特性評価結果について、表1に示した。特性評価は以下に記載した手法により実施した。
【0157】
【表1】
【0158】
<接着フィルムの可撓性評価>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、25℃雰囲気下、4mm径の円柱に接着フィルム面を外側(基材面を内側)にして巻きつけ、接着フィルムの割れ、欠
けを確認した。
○:接着フィルムに割れ、欠けが全く発生しない。
×:接着フィルムの一部に割れ、欠けが発生している。
【0159】
<ガラス転移温度>
接着フィルムの硬化物のガラス転移温度Tgについて、測定方法を以下のように示す。各実施例および比較例で得られた厚み25μmの接着フィルムを4枚積層することによって厚み100μmのサンプルを作製し、180℃、2時間熱処理することによって接着フィルムの硬化物サンプルを得た。この硬化物サンプルを25mm×3mmに切って試験片とし、試験片の測定面の平行度を高めるために、♯1500またはそれより粗さが細かいサンドペーパーで研磨した。その後、セイコーインスツルメンツ社製、Thermal Mechanial Analysis、TMA/SS 6000を用いてTMA(引張法)にて測定した。測定条件は昇温5℃/分で30℃から330℃まで昇温し、荷重30mNで測定した。ガラス転移温度の算出は、最終昇温時のデータより求め、50℃と150℃の最小二乗法より求めた接線の交点より算出した。
【0160】
<接続部の半田濡れ性>
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子部品(半導体装置(1))について、断面を切断し、SEMによりバンプ接続部を20箇所確認し、接続部において回路基板の銅電極の上面および側面への半田の濡れ状態について評価した。各符号の意味は以下の通りである。
○:20箇所全ての接続部において、回路基板の銅電極の上面および側面に半田が濡れている。
△:20箇所の接続部において、回路基板の銅電極の上面および側面に半田が濡れている
箇所と、上面のみに半田が濡れている箇所が混在している。
×:20箇所の接続部において、回路基板の銅電極に半田が濡れていない箇所がある。
【0161】
<反りの評価>
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子部品(半導体装置)について反り量を測定した。半導体装置の反り量は、半導体装置の中心における回路基板の下面の高さを0としたときの、半導体装置の中心から対角線上に7mm離れた位置までの回路基板の下面の高さのうちの最も大きい値とした。反りの評価は、この反り量の値を指標として用い、値が小さいほど反りが小さいことを示す。
【0162】
上記評価の結果、実施例1〜11はいずれも、(A)成分〜(D)成分を含有する本発明の樹脂組成物から形成された本発明の接着フィルムであり、可撓性、ガラス転移温度、接続部の半田濡れ性に優れ、応力緩和性(反り量)においても良好な結果が得られた。
一方、比較例1は(C)成分を配合しない樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、可撓性が低下し、応力緩和性(反り量)においても大きく劣るという結果となった。さらに、接続部の半田濡れ性も低下した。また、比較例2は、(C)成分の代わりに、カルボキシル基を備えないアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、接続部の半田濡れ性が低下した。そして、比較例3は、(C)成分の代わりに、カルボキシル基を有する固形アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、固形物で分子量が大きく分散性が低いため、配合量を多くしないと可撓性を確保することができず、ガラス転移温度が大きく低下するという結果になった。また、接続部の半田濡れ性も低下した。