特許第6156156号(P6156156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156156
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170626BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 S
   H01M2/20 A
   H01M2/20 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-3903(P2014-3903)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133228(P2015-133228A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高田 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5590079(JP,B2)
【文献】 特開2009−043637(JP,A)
【文献】 特開2012−248512(JP,A)
【文献】 特開2002−200946(JP,A)
【文献】 特開平09−153387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20 − 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する蓄電素子を複数個並べてなる蓄電素子群に取り付けられる配線モジュールであって、
前記蓄電素子に嵌合されて電気的に接続され、前記蓄電素子の状態を検出するコネクタと、前記コネクタを前記蓄電素子との嵌合位置から前記コネクタが前記蓄電素子に嵌合する嵌合方向とは交差する方向にずれた位置で保持する保持部を有し、絶縁材料からなる絶縁プロテクタと、を備える配線モジュール。
【請求項2】
前記保持部には前記コネクタを受け入れて保持する凹部が形成されている請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記凹部は、前記コネクタを前記コネクタの嵌合方向と交差する方向に差し込んだ状態で保持可能な形状である請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記保持部には、前記コネクタを係止する係止部が設けられている一方、前記コネクタには前記保持部の係止部に係止される被係止部が設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車やハイブリッド車両に搭載される蓄電モジュールは、一般に、多数の蓄電素子を接続部材を介して直列あるいは並列に接続することにより構成されている。
【0003】
このような蓄電モジュールとは、例えば、単電池群の状態(電圧や温度等)を検出するための端子や、当該端子とECU等のコントローラとを接続する電線を備える(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−91003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、電圧検知線(電線)が圧着された電圧検知端子(端子)が、単電池間を接続するバスバーとともに電極にボルト締めされており、これにより、電圧検知端子が単電池群およびバッテリを制御するECU等のコントローラと電気的に接続可能とされる。
【0006】
ところで、端子とバッテリを制御するコントローラ等の機器とを接続する方法として、ボルト締め以外に、コネクタを用いる方法がある。ここで、コネクタを複数用いるものにおいて、運搬性を向上するために複数のコネクタを一体化することが考えられる。しかしながら、コネクタを単に一体化するだけでは、コネクタを一体化したモジュールとバッテリとの間にコネクタが挟まれ、接続すべき端子(または相手方コネクタ)と位置ずれが生じることがあり、モジュールを取り付ける作業の作業性が悪いという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、配線モジュールの取り付け作業の作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、正極及び負極の電極端子を有する蓄電素子を複数個並べてなる蓄電素子群に取り付けられる配線モジュールであって、前記蓄電素子と電気的に接続され、前記蓄電素子の状態を検出するコネクタと、前記コネクタを前記蓄電素子との接続位置からずれた位置で保持する保持部を有し、絶縁材料からなる絶縁プロテクタと、を備え、前記コネクタは、前記保持部における保持状態を解除してから、前記蓄電素子と電気的に接続される位置に移動可能とされる配線モジュールである。
【0009】
本発明において、コネクタの接続は以下のような手順で行う。まず、絶縁プロテクタにおいて、蓄電素子との接続位置からずれた位置でコネクタを保持しておき、蓄電素子群に取り付ける。絶縁プロテクタを蓄電素子群に取り付けたのち、コネクタを保持部における保持状態から解除し、蓄電素子と接続する作業を行う。
【0010】
本発明では、蓄電素子と接続する前の段階ではコネクタが絶縁プロテクタの保持部に保持されているので、配線モジュールと蓄電素子群との間にコネクタが挟まれるなどの問題は生じない。また、本発明では、コネクタを保持部における保持状態を解除してから蓄電素子と接続するので、相手方の端子またはコネクタとの位置ずれにより接続できなくなるという事態を防止することができる。
したがって、本発明によれば、コネクタを蓄電素子群に接続する作業を円滑におこなうことができるので、配線モジュールの取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【0011】
本発明は以下の構成であってもよい。
保持部には前記コネクタを受け入れて保持する凹部が形成されていてもよい。
このような構成とするとコネクタを凹部内に挿入することでコネクタを保持することができるので、簡易な方法によりコネクタを保持させることができる。
【0012】
前記凹部は、前記コネクタを前記コネクタの嵌合方向と交差する方向に差し込んだ状態で保持可能な形状であってもよい。
このような構成とすると、コネクタが蓄電素子と接続されていない状態のときには嵌合姿勢と相違する姿勢をとっているので、コネクタと蓄電素子とが接続状態か否かの判断を容易に行うことができる。
【0013】
前記保持部には、前記コネクタを係止する係止部が設けられている一方、前記コネクタには前記保持部の係止部に係止される被係止部が設けられていてもよい。
このような構成とすると、保持部の被係止部がコネクタの係止部に係止されるので、蓄電素子と接続する前のコネクタが絶縁プロテクタから抜け止めされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線モジュールの取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1の蓄電モジュールの背面図
図2】正面側配線モジュールのみが取り付けられた蓄電素子群の正面図
図3】蓄電素子群の正面図
図4】蓄電素子群の背面図
図5】正面側配線モジュールの平面図
図6】背面側配線モジュールの平面図
図7】コネクタが蓄電素子との接続位置からずれた位置で保持されている正面側配線モジュールが取り付けられた蓄電素子群の正面図
図8】コネクタが蓄電素子との接続位置からずれた位置で保持されている背面側配線モジュールと、正面側配線モジュールとが取り付けられた蓄電素子群の背面図
図9図5の要部拡大図
図10図9のA−A線における断面図
図11】実施形態2の配線モジュールの要部拡大図
図12図11のB−B線における断面図
図13】実施形態3の配線モジュールの要部拡大図
図14図13のC−C線における断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。本実施形態の配線モジュール20,30を備える蓄電モジュールM1は、電気自動車又はハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、車両を駆動するための電源として使用される。
【0017】
蓄電モジュールM1は、複数の蓄電素子11(本実施形態では10個)を並べてなる蓄電素子群10を有し、蓄電素子群10の正面側および背面側には本実施形態の配線モジュール20,30がそれぞれ取り付けられている。以下の説明において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略することがある。
【0018】
(蓄電素子群10)
本実施形態の蓄電モジュールM1は、図1に示すように、蓄電素子11を複数並べてなる蓄電素子群10を有する。蓄電素子11の内部には蓄電要素(図示せず)が収容されている。
【0019】
各蓄電素子11は扁平な略直方体形状をなし、図3に示すように、正面側の面は正極および負極の電極端子12,12が形成されている電極端子面14である。2つの電極端子12,12は同形同大である。各電極端子12,12は、平板状をなしており、後述する接続部材29と接続されるようになっている。複数の蓄電素子11は、隣り合う電極端子12,12が異なる極性となるように配置されている。
【0020】
各蓄電素子11の電極端子面14において、正極および負極の電極端子12,12の間には、図3に示すように、上方が開口した筒状のコネクタ部13が設けられている。コネクタ部13には、蓄電素子11の状態を検出するコネクタ36が電気的に接続可能とされる。
【0021】
各蓄電素子11の電極端子面14の裏側の面(背面15)にも、図4に示すように、上方が開口した筒状のコネクタ部13が設けられている。コネクタ部13には、蓄電素子11の状態を検出するコネクタ36が電気的に接続可能とされる。
【0022】
(配線モジュール20,30)
蓄電素子群10の電極端子面14(正面)および背面15にはそれぞれ配線モジュール20,30が取り付けられている(図1および図2参照)。蓄電素子11の正面側に取り付けられた配線モジュールを正面側配線モジュール20とし、蓄電素子群10の背面側に取り付けられた配線モジュールを背面側配線モジュール30とする。両者を区別しないときは配線モジュール20,30とする。
【0023】
各配線モジュール20,30は、蓄電素子11と電気的に接続され蓄電素子11の状態を検出するコネクタ36と、コネクタ36を蓄電素子11との接続位置からずれた位置で保持するコネクタ保持部22,32(保持部の一例)を有する絶縁プロテクタ21,31と、を備える。まず、2つの配線モジュール20,30に共通する部材であるコネクタ36について説明する。
【0024】
(コネクタ36)
各配線モジュール20,30の絶縁プロテクタ21,31に保持されるコネクタ36は、蓄電素子11と電気的に接続され蓄電素子11の状態(電圧や温度)を検出するためのものであり、詳細は図示しないが、公知の構成のハウジングと端子と端子に接続される電線とを備える。
【0025】
コネクタ36の絶縁プロテクタ21,31に保持される側壁の下側の領域には、図10に示すように、溝部38が設けられている。コネクタ36の溝部形成領域39Aにおける幅寸法(図示左右方向の寸法)は、溝部形成領域の上方の領域39Bよりも小さくなるように設定されており、コネクタ保持部22,32に抜け止めされるようになっている。
【0026】
(正面側配線モジュール20)
正面側配線モジュール20は、図5に示すように、隣り合う蓄電素子11,11の正極の電極端子12および負極の電極端子12に接続される金属製の複数の接続部材29と、絶縁材料からなる絶縁プロテクタ21と、絶縁プロテクタ21に保持されるコネクタ36と、を備える。
【0027】
接続部材29は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等からなる金属製の板材を所定の形状にプレス加工することにより形成され、図2に示すように、全体として略長方形状をなしている。接続部材29の表面には、スズ、ニッケル等の金属がメッキされていてもよい。
【0028】
絶縁プロテクタ21は、接続部材29を保持する接続部材保持部26およびコネクタ3630を保持するコネクタ保持部22(保持部の一例)を有する。
【0029】
接続部材保持部26は、上方に開口すると共に外部と仕切って接続部材29を保持可能な仕切壁27を有し、絶縁プロテクタ21の長手方向(蓄電素子11の並び方向)に沿って設けられている。各接続部材保持部26には、接続部材29が上方に抜けるのを防止する押さえ部28が複数形成されている。
【0030】
正面側配線モジュール20の絶縁プロテクタ21において、接続部材保持部26は2列に並んで設けられており、2列の接続部材保持部26,26の間にコネクタ保持部22(詳細は後述する)が設けられている。
【0031】
(背面側配線モジュール30)
背面側配線モジュール30は、図6に示すように、絶縁材料からなる絶縁プロテクタ31と、絶縁プロテクタ31に保持されるコネクタ36と、を備える。
背面側配線モジュール30の絶縁プロテクタ31にも、コネクタ36を保持するコネクタ保持部32(保持部の一例)が設けられている。
【0032】
(コネクタ保持部22,32)
2つの配線モジュール20,30に設けられているコネクタ保持部22,32について説明する。各コネクタ保持部22,32は、コネクタ36を、蓄電素子11との接続位置(蓄電素子11のコネクタ部13の位置)からずれた位置で保持する。
【0033】
コネクタ保持部22,32には、図9および図10に示すように、コネクタ36を受け入れる凹部23が設けられている。凹部23を構成する一対の側壁部24,24には、図10における上方に近づくに従い先細りとなる傾斜面25がそれぞれ形成されており、当該傾斜面25がコネクタ36を図10における下方に案内するガイド部として機能する。
【0034】
凹部23を構成する一対の側壁部24,24の間隔は、コネクタ36の溝部形成領域の幅寸法とほぼ同じ大きさに設定されており、凹部23の側壁部24,24がコネクタ36の溝部に嵌りこむことによりコネクタ36が保持されるようになっている。
【0035】
(配線モジュール20,30の組立方法)
本実施形態の配線モジュール20,30の組み立て方法について説明する。
正面側配線モジュール20を組み立てる際には、接続部材29を絶縁プロテクタ21,31の接続部材保持部26内に収容したのち、コネクタ36を絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32に保持させる。
【0036】
背面側配線モジュール30を組み立てる際には、コネクタ36を絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32に保持させる。
【0037】
各配線モジュール20,30においてコネクタ36を保持させる方法について説明する。
絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32内にコネクタ36を差し込むと、凹部23を構成する側壁部24,24の傾斜面25にコネクタ36が案内されながらコネクタ36が凹部23内に進入する。側壁部24,24がコネクタ36の溝部内に嵌りこむとコネクタ36がコネクタ保持部22,32により保持された状態に至る(図10参照)。接続部材29を収容し、各コネクタ36を絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32に保持させると、図5に示すような正面側配線モジュール20が得られる。各コネクタ36を絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32に保持させると、図6に示すような背面側配線モジュール30が得られる。
【0038】
(蓄電素子群10への組み付け方法)
あらかじめ複数の蓄電素子11を、隣り合う電極端子12,12が異なる極性となるようにならべておく。コネクタ36をコネクタ保持部22,32に保持させるとともに接続部材29を収容した正面側配線モジュール20、および、コネクタ36をコネクタ保持部22,32に保持させた背面側配線モジュール30を、蓄電素子群10の電極端子面14(正面)と背面15とにそれぞれかぶせつける。
【0039】
詳しくは、正面側配線モジュール20を、蓄電素子群10の電極端子面14側に被せ付けると、図7に示すように、コネクタ36は蓄電素子11のコネクタ部13からずれた位置(すなわち蓄電素子11との接続位置からずれた位置)に配される。
【0040】
背面側配線モジュール30を、蓄電素子群10の背面15側に被せ付けると、図8に示すように、コネクタ36は蓄電素子11のコネクタ部13からずれた位置(すなわち蓄電素子11との接続位置からずれた位置)に配される。
【0041】
次に、正面側配線モジュール20の絶縁プロテクタ21,31に収容された接続部材29を、各電極端子12と接続するとともに、各配線モジュール20,30において、コネクタ36を蓄電素子11と接続する作業を行う。
【0042】
正面側配線モジュール20において、コネクタ36をコネクタ保持部22から抜き取って、コネクタ保持部22による保持状態を解除してから、コネクタ36を蓄電素子11のコネクタ部13に挿入すると、図2に示すように、コネクタ36が蓄電素子11のコネクタ部13に嵌合して蓄電素子11と電気的に接続可能な状態となる。
【0043】
背面側配線モジュール30において、コネクタ36をコネクタ保持部32から抜き取って、コネクタ保持部32による保持状態を解除してから、コネクタ36を蓄電素子11のコネクタ部13に挿入すると、図1に示すように、コネクタ36が蓄電素子11のコネクタ部13に嵌合して蓄電素子11と電気的に接続可能な状態となる。
【0044】
接続部材29と電極端子12との接続作業、およびコネクタ36と蓄電素子11との接続作業が完了すると蓄電モジュールM1が得られる。
【0045】
(本実施形態の作用、効果)
本実施形態では、蓄電素子11と接続する前の段階ではコネクタ36が絶縁プロテクタ21,31のコネクタ保持部22,32に保持されているので、配線モジュール20,30と蓄電素子群10との間にコネクタ36が挟まれるなどの問題は生じない。また、本実施形態では、コネクタ36をコネクタ保持部22,32における保持状態を解除してから蓄電素子11と接続するので、コネクタ部13(相手方のコネクタ)との位置ずれにより接続できなくなるという事態を防止することができる。
【0046】
したがって、本実施形態によれば、コネクタ36を蓄電素子群10に接続する作業を円滑におこなうことができるので、配線モジュール20,30の取り付け作業の作業性を向上させることができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、コネクタ保持部22,32にはコネクタ36を受け入れて保持する凹部23が形成されており、コネクタ36を凹部23内に挿入することでコネクタ36を保持することができるから、簡易な方法によりコネクタ36を保持させることができる。
【0048】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11図12によって説明する。
本実施形態では、絶縁プロテクタ41のコネクタ保持部42の形状およびコネクタ46の形状が実施形態1と相違する。以下の説明において実施形態1と同様の構成については同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0049】
コネクタ保持部42の一対の側壁部44の図12における上端部には、コネクタ46を係止する係止片45(係止部の一例)が設けられている一方、コネクタ46にはコネクタ保持部42の係止片45に係止される係止凹部48(被係止部の一例)が設けられている。
【0050】
詳しくは、コネクタ保持部42の一対の側壁部44には、外側方向に弾性変形する係止片45が設けられており係止片45の図12における上端部には係止爪45Aが形成されている。一方、コネクタ46の絶縁プロテクタ41に保持される側壁47の図12における上端部には、図12に示すように、係止爪45Aが嵌りこんで係止される係止凹部48が設けられている。
【0051】
本実施形態の配線モジュール40においてコネクタ46を保持させる方法について説明する。
絶縁プロテクタ41のコネクタ保持部42内にコネクタ46を差し込むと、凹部43を構成する側壁部44の係止片45とコネクタ46の側壁47とが当接して、係止片45が外側方向に撓み変形する。
【0052】
コネクタ46の係止凹部48が、コネクタ保持部42の係止爪45Aと対応する位置まで、コネクタ46を挿入すると、コネクタ46の係止凹部48にコネクタ保持部42の係止爪45Aが受け入れられて係止片45が弾性復帰し、コネクタ46がコネクタ保持部42に係止され、コネクタ保持部42により保持された状態に至る(図12を参照)。
【0053】
コネクタ46とコネクタ保持部42との係止状態を解除して、コネクタ46を凹部43から抜き取るとコネクタ46の保持状態が解除される。その他の構成は実施形態1と概ね同様である。
【0054】
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果に加え以下の効果が得られる。
コネクタ保持部42には、コネクタ46を係止する係止片45(係止部)が設けられている一方、コネクタ46にはコネクタ保持部42の係止片45に係止される係止凹部48(被係止部)が設けられているから、コネクタ保持部42の係止片45がコネクタ46の係止凹部48に係止されるので、蓄電素子11と接続する前のコネクタ46が絶縁プロテクタ41から抜け止めされる。
【0055】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13図14によって説明する。
本実施形態では、絶縁プロテクタ51のコネクタ保持部52の形状およびコネクタ56の形状が実施形態1と相違する。以下の説明において実施形態1と同様の構成については同じ符号を付し、重複した説明は省略する。
【0056】
コネクタ保持部52の凹部53は、図14に示すように、コネクタ56をコネクタ56の嵌合方向(図14における上下方向)と交差する方向に差し込んだ状態で保持可能な形状をなしている。具体的には、凹部53の内壁面は傾斜面とされる。コネクタ56は直方体状をなしている。
【0057】
本実施形態の配線モジュール50においてコネクタ56を保持させる方法について説明する。
絶縁プロテクタ51のコネクタ保持部52内にコネクタ56を差し込むと、凹部53内においてコネクタ56がコネクタ56の嵌合方向と交差する方向に配されて保持される(図14を参照)。
【0058】
コネクタ56を凹部53から抜き取ると、コネクタ56の保持状態を解除することができる。その他の構成は実施形態1と概ね同様である。
【0059】
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果に加え以下の効果が得られる。
本実施形態において、凹部53は、コネクタ56をコネクタ56の嵌合方向と交差する方向に差し込んだ状態で保持可能な形状である。したがって、本実施形態によれば、コネクタ56が蓄電素子11と接続されていない状態のときには嵌合姿勢と相違する姿勢をとっているので、コネクタ56と蓄電素子11とが接続状態か否かの判断を容易に行うことができる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、背面側配線モジュール20,30と正面側配線モジュール20,30の双方を備える蓄電モジュールM1を示したが、いずれか一方のみを備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…蓄電素子群
11…蓄電素子
12…電極端子
13…コネクタ部
14…電極端子面(正面)
15…背面
20…(正面側)配線モジュール
21,31,41,51…絶縁プロテクタ
22,32,42,52…コネクタ保持部
23,33,43,53…凹部
24,34,44…側壁部
25…傾斜面
30…(背面側)配線モジュール
36,46,56…コネクタ
37,47…側壁
38…溝部
39A…溝部形成領域
39B…上方の領域
40,50…配線モジュール
45…係止片(係止部)
45A…係止爪
48…係止凹部(被係止部)
M1…蓄電モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14