特許第6156178号(P6156178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156178
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   G03G15/16 103
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-28885(P2014-28885)
(22)【出願日】2014年2月18日
(65)【公開番号】特開2015-152866(P2015-152866A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 政明
(72)【発明者】
【氏名】下平 善樹
【審査官】 杉山 輝和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−83479(JP,A)
【文献】 特開2008−020782(JP,A)
【文献】 特開2000−293054(JP,A)
【文献】 特開2005−164722(JP,A)
【文献】 特開2012−194477(JP,A)
【文献】 特開2004−077931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写体と、
金属顔料を含むトナーで第1転写画像と第1非転写画像とを前記転写体に形成する第1形成部と、
金属顔料を含まないトナーで第2転写画像を前記転写体に形成すると共に、金属顔料を含まないトナーで前記第1非転写画像上に重なるように第2非転写画像を前記転写体に形成する第2形成部と、
前記転写体と接触して前記転写体との間に転写ニップを形成する転写部材と、
前記転写部材に転写電圧を印加することで、前記転写ニップを記録媒体と共に通過する前記第1転写画像及び前記第2転写画像を該記録媒体に転写し、前記転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過する前記第1非転写画像及び前記第2非転写画像が前記転写体に保持されるように前記転写電圧とは逆極性の電圧を前記転写部材に印加する印加部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記第2形成部は、複数設けられ、複数の前記第2非転写画像を前記第1非転写画像上に重ねて形成する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1形成部は、前記第1非転写画像及び前記複数の第2非転写画像を含む非転写画像のうち最も前記転写体側に前記第1非転写画像を形成する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2形成部は、前記第1非転写画像よりも面積が大きい前記第2非転写画像を形成する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、感光体ドラムと、感光体ドラムの表面のトナー像を転写材に転写する転写ローラと、感光体ドラムの表面に画像制御用パッチが形成された場合に画像制御用パッチの濃度を検出するパッチセンサと、転写ローラを静電的にクリーニングするファーブラシと、感光体ドラムの表面から転写された転写ローラの表面の画像制御用パッチがファーブラシを通過するときに、パッチセンサが検出した画像制御用パッチの濃度に基づいて転写ローラ及びファーブラシの間に印加される清掃電流を変化させるコントローラと、を備える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2012−83479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、金属顔料を含むトナーで転写体に形成された非転写画像が、該転写体と転写部材との間の転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過した際に、該転写部材に転移されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、転写体と、金属顔料を含むトナーで第1転写画像と第1非転写画像とを前記転写体に形成する第1形成部と、金属顔料を含まないトナーで第2転写画像を前記転写体に形成すると共に、金属顔料を含まないトナーで前記第1非転写画像上に重なるように第2非転写画像を前記転写体に形成する第2形成部と、前記転写体と接触して前記転写体との間に転写ニップを形成する転写部材と、前記転写部材に転写電圧を印加することで、前記転写ニップを記録媒体と共に通過する前記第1転写画像及び前記第2転写画像を該記録媒体に転写し、前記転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過する前記第1非転写画像及び前記第2非転写画像が前記転写体に保持されるように前記転写電圧とは逆極性の電圧を前記転写部材に印加する印加部と、を備える。
【0006】
請求項2の発明は、前記第2形成部は、複数設けられ、複数の前記第2非転写画像を前記第1非転写画像上に重ねて形成する。
【0007】
請求項3の発明は、前記第1形成部は、前記第1非転写画像及び前記複数の第2非転写画像を含む非転写画像のうち最も前記転写体側に前記第1非転写画像を形成する。
【0008】
請求項4の発明は、前記第2形成部は、前記第1非転写画像よりも面積が大きい前記第2非転写画像を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の構成によれば、第2非転写画像を第1非転写画像上に重ねない場合に比べ、第1非転写画像が、転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過した際に、転写部材に転移されることを抑制できる。
【0010】
本発明の請求項2の構成によれば、単一の第2非転写画像を第1非転写画像上に重なる場合に比べ、第1非転写画像が、転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過した際に、転写部材に転移されることを抑制できる。
【0011】
本発明の請求項3の構成によれば、転写体から離れた位置に第1非転写画像が形成される場合に比べ、第1非転写画像が、転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過した際に、転写部材に転移されることを抑制できる。
【0012】
本発明の請求項4の構成によれば、第2非転写画像の面積が第1非転写画像の面積以下である場合に比べ、第1非転写画像が、転写ニップに記録媒体が位置しない状態で該転写ニップを通過した際に、転写部材に転移されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を正面側から見た構成を示す概略図である。
図2】本実施形態に係るトナー画像形成部を示す概略図である。
図3】本実施形態に係る転写装置を示す概略図である。
図4】転写ベルト上の非転写画像と転写画像とを示す図である。
図5】使用開始時における第1清掃ブラシ及び第2清掃ブラシに印加する電圧の絶対値と、二次転写ベルトに残留するトナーの残留量と、の関係を示すグラフである。
図6】使用経過後の第1清掃ブラシ及び第2清掃ブラシに印加する電圧の絶対値と、二次転写ベルトに残留するトナーの残留量と、の関係を示すグラフである。
図7】清掃ブラシで生じるトナーへの電荷注入を示す図である。
図8】非転写画像の配置を示す図である。
図9】非転写画像の配置を変えた変形例を示す図である。
図10】非転写画像の面積を変えた変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。
【0015】
<画像形成装置10の構成>
図1は、画像形成装置10を正面側から見た構成を示す概略図である。この図に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により記録媒体としてのシート部材Pに画像を形成する画像形成部12と、シート部材Pを搬送する搬送装置50と、を有している。
【0016】
(画像形成部12)
画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写装置30と、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置40と、を有している。
【0017】
トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計6色のトナー画像形成部20が設けられている。図1に示す(V)、(W)、(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色を示している。転写装置30は、各色のトナー画像が重畳して一次転写された転写ベルト31から、転写ニップNTにおいてシート部材Pに、その重畳されたトナー画像を転写するようになっている。
【0018】
なお、第1特別色(V)及び第2特別色(W)には、画像形成装置10の使用者が使用したい任意の色が用いられる。具体的には、第1特別色(V)及び第2特別色(W)として、例えば、金属顔料を含むトナーによる銀色や金色等の金属色が用いられる。また、トナー画像形成部20V及びトナー画像形成部20Wの少なくとも一方を使用しなくてもよい。
【0019】
本実施形態では、第2特別色(W)として、金属顔料を含むトナーによる銀色を用いると共に、第1特別色(V)のトナー画像形成部20を使用しない例について説明する。なお、金属顔料を含むトナーにおいては、金属顔料以外の顔料を含んでいてもよい。
【0020】
〔トナー画像形成部20〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。したがって、以下、各色のトナー画像形成部20について、特に区別することなく説明する。トナー画像形成部20は、図2に示されるように、感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像装置24と、清掃装置25と、除電装置26と、を有している。
【0021】
[感光体ドラム]
感光体ドラム21は、円筒状に形成されて接地され、図示しない駆動手段によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の表面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。図1に示されるように、各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並べて配置されている。
【0022】
[帯電器]
帯電器22は、図2に示されるように、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。この実施形態では、帯電器22は、コロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
【0023】
[露光装置]
露光装置23は、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70から受け取った画像データに応じて、変調した露光光Lを帯電器22により帯電された感光体ドラム21の表面に照射するようになっている。この露光装置23によって露光光Lが照射された部分は、正極性を呈し、感光体ドラム21の表面には静電潜像が形成される。
【0024】
[現像装置]
現像装置24は、トナー(現像剤)を現像ロール241で保持し、現像ロール241で保持したトナーで感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像することで、感光体ドラム21の表面にトナー画像を形成するようになっている。具体的には、現像ロール241で保持したトナーを感光体ドラム21に静電力によって付着させてトナー画像を形成するようになっている。すなわち、負極性のトナーが、正極性を呈する静電潜像に付着して現像される。
【0025】
[清掃装置]
清掃装置25は、転写装置30へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを感光体ドラム21の表面から掻き取るブレード状とされている。
【0026】
[除電装置]
除電装置26は、転写後の感光体ドラム21に光を照射して除電を行う。これにより、感光体ドラム21の表面の画像履歴がキャンセルされるようになっている。
【0027】
〔転写装置〕
転写装置30は、図1に示されるように、各色の感光体ドラム21のトナー画像を、転写体の一例としての転写ベルト31(中間転写体)に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像をシート部材Pに二次転写するようになっている。具体的には、転写装置30は、転写ベルト31と、一次転写ロール33と、二次転写ベルト36(転写部材の一例)と、二次転写ベルト36の清掃装置60と、転写ベルト31の清掃装置35と、を備えている。
【0028】
[転写ベルト]
転写ベルト31は、図1に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。
【0029】
転写ベルト31は、矢印A方向に周回することで、一次転写された画像を転写ニップNT(二次転写位置)へ搬送するようになっている。
【0030】
また、複数のロール32のうち、図1に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Bは、後述する二次転写ロール34の対向ロール32Bとして機能する。対向ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
【0031】
[一次転写ロール]
転写ベルト31の内側には、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させる一次転写ロール33(形成部の一例)が配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の一次転写電圧が印加されるようになっている。この一次転写電圧の印加により、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が、転写ベルト31に転写される。このように、感光体ドラム21上のトナー画像が転写ベルト31に転写されることで、トナー画像が転写ベルト31に形成される。
【0032】
[二次転写ベルト36]
また、転写装置30は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ベルト36を備えている。二次転写ベルト36は、無端状をなし、二次転写ロール34と、従動ロール37と、に巻き掛けられている。
【0033】
二次転写ロール34は、ロール32Bとの間に転写ベルト31及び二次転写ベルト36を挟むように配置されており、二次転写ベルト36と転写ベルト31とは予め定められた荷重にて接触している。この接触部分が転写ニップNTとされる。この転写ニップNTには、媒体供給部52から適時にシート部材Pが供給されるようになっている。二次転写ベルト36は、二次転写ロール34が回転駆動されることで、矢印B方向へ周回移動される。
【0034】
本実施形態では、給電部39(印加部の一例)によって、対向ロール32Bに二次転写電圧(負の電圧)が印加されることで、対向ロール32Bと二次転写ロール34との間に電位差が生じる。すなわち、対向ロール32Bに二次転写電圧(負の電圧)が印加されることで、対向ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34にトナー極性と逆極性の電圧(正の電圧)が間接的に印加される。これにより、転写ニップNTを通過するシート部材Pに、転写ベルト31からトナー画像が転写されるようになっている。
【0035】
[二次転写ベルト36の清掃装置60]
さらに、転写装置30は、二次転写ベルト36を清掃する清掃装置60を備えている。清掃装置60は、図3に示されるように、第1清掃ブラシ61(清掃部材の一例)と、第2清掃ブラシ62(清掃部材の一例)と、を有している。第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62は、軸部61A、62Aと、軸部61A、62Aの外周にその全周にわたって設けられたブラシ部61B、62Bと、を有している。第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62は、軸部61A、62Aが回転駆動されることで、回転するようになっている。第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62は、一例として、二次転写ベルト36の周回方向と同じ方向(図3における時計方向)に回転するようになっている。なお、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62は、二次転写ベルト36の周回方向と逆方向(図3における反時計方向)に回転する構成であってもよい。また、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62が二次転写ベルト36の周回方向と逆方向に回転する場合には、例えば、二次転写ベルト36の周速度に対して周速度差を有して回転するように構成される。
【0036】
また、清掃装置60は、第1清掃ブラシ61のブラシ部61Bに接触する第1回収ローラ63と、第2清掃ブラシ62のブラシ部62Bに接触する第2回収ローラ64と、を有している。
【0037】
さらに、清掃装置60は、第1回収ローラ63に正極性の清掃電圧(クリーニング電圧)を印加する印加部としての第1給電部65と、第2回収ローラ64に負極性の清掃電圧(クリーニング電圧)を印加する印加部としての第2給電部66と、を有している。
【0038】
第1給電部65が、第1回収ローラ63に、正極性の清掃電圧を印加することで、二次転写ロール34と第1清掃ブラシ61と第1回収ローラ63とに直流に清掃電流(クリーニング電流)が流れる。これにより、二次転写ロール34に対して第1清掃ブラシ61が正極性となり、第1清掃ブラシ61に対して第1回収ローラ63が正極性となる。
【0039】
この構成により、二次転写ベルト36上のトナーのうち、負極性に帯電したトナーが静電的に第1清掃ブラシ61に吸着されて移動した後、第1回収ローラ63に移動し、二次転写ベルト36から除去される。
【0040】
また、第2給電部66が、第2回収ローラ64に、負極性の清掃電圧を印加することで、二次転写ロール34と第2清掃ブラシ62と第2回収ローラ64とに直流に清掃電流(クリーニング電流)が流れる。これにより、二次転写ロール34に対して第2清掃ブラシ62が負極性となり、第2清掃ブラシ62に対して第2回収ローラ64が負極性となる。
【0041】
これにより、二次転写ベルト36上のトナーのうち、正極性に帯電したトナーが静電的に第2清掃ブラシ62に吸着されて移動した後、第2回収ローラ64に移動し、二次転写ベルト36から除去される。
【0042】
なお、第1回収ローラ63及び第2回収ローラ64に移動したトナーは、ブレード等の除去部材(図示省略)により、第1回収ローラ63及び第2回収ローラ64から除去される。第1回収ローラ63及び第2回収ローラ64から除去されたトナーは、収容容器(図示省略)に収容(回収)される。
【0043】
[転写ベルト31の清掃装置35]
さらに、転写装置30は、二次転写後に転写ベルト31を清掃する清掃装置35を備えている。清掃装置35は、転写ベルト31の周回方向において、二次転写が行われる部分(転写ニップNT)の下流側で、かつ一次転写が行われる部分の上流側に配置されている。清掃装置35は、転写ベルト31の表面に残留したトナーを転写ベルト31の表面から掻き取るブレード351を備えている。
【0044】
〔定着装置〕
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写されたシート部材Pに、該トナー画像を定着させるようになっている。具体的には、定着装置40は、加熱ロール41と、加圧ロール42によって、定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像をシート部材Pに定着する構成とされている。
【0045】
(搬送装置)
図1に示されるように、搬送装置50は、媒体供給部52と、中間搬送部58と、下流側搬送部54と、を有している。
【0046】
〔媒体供給部〕
媒体供給部52は、シート部材Pが積載して収容される収容器521を備えている。収容器521から二次転写位置である転写ニップNTまでには、複数の搬送ロール対522及び図示しないガイド等によって媒体供給経路52Pが形成されている。
【0047】
そして、収容器521の上側には、収容器521に積載された最上位のシート部材Pを送り出す送出ロール523が配置されている。複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向の最上流側の搬送ロール対522Sは、送出ロール523によって収容器521から重なって送り出されたシート部材Pを一枚ずつに分離する分離ロールとして機能する。また、複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向において転写ニップNTの直上流に位置する搬送ロール対522Rは、転写ベルト31上のトナー画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせるように動作されるようになっている。
【0048】
〔中間搬送部〕
図1に示されるように、中間搬送部58は、転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFまでの間に配置され、ロールに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備えたベルト搬送部材581を複数備えている。
【0049】
ベルト搬送部材581の内側から空気を吸引(負圧吸引)してシート部材Pを搬送ベルトの表面に吸い付けながら搬送ベルトが周回してシート部材Pを搬送するようになっている。
【0050】
〔下流側搬送部〕
図1に示されるように、下流側搬送部54は、定着装置40の下流側に配置され、ロールに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備えたベルト搬送部材541を備えている。ベルト搬送部材541は、定着装置40でトナー画像が定着されたシート部材Pを、シート部材Pを収容する排出部(図示省略)へ向けて搬送するようになっている。
【0051】
<要部構成>
ここで、本実施形態では、トナー画像形成部20Wは、第2特別色(W)としての銀色のトナーを用いてトナー画像を形成する構成とされている(図1参照)。そして、このトナー画像は、一次転写ロール33W(第1形成部の一例)によって、転写位置TWにて、感光体ドラム21から転写ベルト31へ転写される。すなわち、一次転写ロール33Wによって、銀色のトナーによるトナー画像が転写ベルト31に形成される。
【0052】
トナー画像形成部20Wで用いられる銀色トナーは、金属顔料とバインダー樹脂とを含んで構成されている。金属顔料としては、例えば、アルミニウム等の金属が用いられる。トナー画像形成部20Wが形成するトナー画像としては、シート部材Pに転写される転写画像(第1転写画像の一例)と、シート部材Pに転写されない非転写画像(第1非転写画像の一例)と、がある。以下、当該転写画像を「銀色転写画像」と称し、当該非転写画像を「銀色非転写画像」と称する。
【0053】
銀色非転写画像としては、転写ベルト31上のトナー画像のトナー濃度を検出するための濃度検出用画像(パッチ)や、転写ベルト31上のトナー画像における各色間の位置ずれを検出するための色ずれ検出用画像(パッチ)や、劣化した現像剤(トナー)を消費するための画像(バンド)等がある。
【0054】
なお、本実施形態では、前述のとおり、第1特別色(V)のトナー画像形成部20Vは、稼働されない構成となっている。
【0055】
一方、トナー画像形成部20Y、20M、20C、20K(以下、20Y〜20Kと示す)で用いられるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーは、金属顔料を含まず、金属顔料以外の顔料とバインダー樹脂とを含んで構成されている。
【0056】
従って、トナー画像形成部20Y〜20Kでは、金属顔料を含まないトナーが感光体ドラム21に付着されて各色のトナー画像が形成される。この各色の画像は、一次転写ロール33Y〜33K(第2形成部の一例)によって、転写位置TY、TM、TC、TKにて、感光体ドラム21から転写ベルト31へ転写される。すなわち、一次転写ロール33Y〜33Kによって、他色のトナーによるトナー画像が転写ベルト31に形成される。
【0057】
なお、本明細書では、説明の便宜上、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)を「他色」と称し、他色のトナーを「他色トナー」と称する。
【0058】
前述のように、他色トナーが金属顔料を用いていないのに対して、銀色トナーは金属顔料を用いているため、銀色トナーの導電性は他色トナーの導電性よりも高くなっている。このため、銀色トナーは、他色トナーに比べ、電荷が注入されやすい性質を有している。また、銀色トナーは、粒径が他色トナーよりも大きくなっている。
【0059】
トナー画像形成部20Y〜20Kが形成するトナー画像としては、シート部材Pに転写される転写画像(第2転写画像の一例)と、シート部材Pに転写されない非転写画像(第2非転写画像の一例)と、がある。以下、当該転写画像を「他色転写画像」と称し、当該非転写画像を「他色非転写画像」と称する。
【0060】
他色非転写画像としては、銀色非転写画像と同様に、濃度検出用画像(パッチ)や、色ずれ検出用画像(パッチ)、劣化した現像剤(トナー)を消費するための画像(バンド)等がある。
【0061】
なお、図4に示されるように、銀色非転写画像410及び他色非転写画像420は、転写ベルト31上の銀色転写画像310及び他色転写画像320が形成(転写)される転写画像領域R1の間の非転写画像領域R2に形成(転写)される。転写画像領域R1の銀色転写画像310及び他色転写画像320が、シート部材Pと共に転写ニップNTを通過して、当該銀色転写画像310及び他色転写画像320がシート部材Pに転写される。一方、非転写画像領域R2の銀色非転写画像410及び他色非転写画像420は、シート部材Pと共に転写ニップNTを通過せずに、単独で転写ニップNTを通過する。
【0062】
本実施形態では、銀色転写画像及び他色転写画像を転写ベルト31からシート部材Pに転写する場合には、前述のように、対向ロール32Bに負極性の電圧(トナー極性と同極性の電圧)が印加されることで、対向ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34に正極性の二次転写電圧(トナー極性と逆極性の電圧)が間接的に印加される。これにより、シート部材Pと共に転写ニップNTを通過する銀色転写画像及び他色転写画像が、転写ベルト31からシート部材Pへ転写されるようになっている。
【0063】
一方、銀色非転写画像及び他色非転写画像が転写ニップNTを通過する際には、転写ベルト31上の銀色非転写画像及び他色非転写画像が転写ベルト31に保持されるように、対向ロール32Bに正極性の電圧(トナー極性と逆極性の電圧)が印加される。これにより、対向ロール32Bと二次転写ロール34との間に電位差が生じ、対向ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34に負極性の非転写電圧(トナー極性と同極性の電圧)が間接的に印加される。
【0064】
そして、転写ベルト31上の銀色非転写画像及び他色非転写画像のトナーは、二次転写ロール34から反発力を受けて、二次転写ベルト36に転写されずに、転写ベルト31に保持される。これにより、当該銀色非転写画像及び他色非転写画像のトナーは、転写ベルト31に保持されたまま、転写ニップNTを通過して清掃装置35へ搬送され、清掃装置35によって転写ベルト31から除去される。
【0065】
ここで、二次転写ベルト36と転写ベルト31とは、予め定められた荷重にて接触しているため、銀色非転写画像及び他色非転写画像のそれぞれを転写ベルト31の表面に独立して(単独で)形成した場合(比較例)には、各色のトナーの一部は、静電的な反発力を受けても二次転写ベルト36に転移されてしまう。また、銀色非転写画像及び他色非転写画像のトナーの一部が、正極性の電荷の注入を受けて正極性に帯電した状態で、転写ニップNTを通過した場合には、当該一部が静電的な吸引力を受けて二次転写ベルト36に転移されてしまう。
【0066】
正極性の電荷の注入は、例えば、感光体ドラム21から転写ベルト31への転写の際に生じる放電などによって生じる。また、前述のように、電荷の注入は、銀色トナーにおいて生じやすく、銀色トナーが二次転写ベルト36に転移されやすい傾向にある。
【0067】
二次転写ベルト36に転移したトナーは、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62で除去される。具体的には、二次転写ベルト36に転移されたトナーのうち、負極性に帯電したトナーが静電的に第1清掃ブラシ61に吸着されて二次転写ベルト36から除去される。二次転写ベルト36上のトナーのうち、正極性に帯電したトナーが静電的に第2清掃ブラシ62に吸着されて二次転写ベルト36から除去される。
【0068】
ここで、図5及び図6には、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62に印加する電圧の絶対値と、二次転写ベルト36に残留するトナーの残留量と、の関係がグラフにて示されている。図5は、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用開始時における当該関係を示すグラフである。図6は、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用が相当期間(例えば、特定の期間)経過した後の当該関係を示すグラフである。
【0069】
図5及び図6において、線Aは銀色トナーを示し、線Bは他色トナーを示す。また、破線Cは、銀色トナーにおいて許容できる残留量を示し、太線Dは、他色トナーにおいて許容できる残留量を示す。
【0070】
図5に示されるように、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用開始時においては、例えば、電圧の絶対値がV1の範囲であれば、銀色トナー及び他色トナーの残留量は、許容範囲内となる。
【0071】
しかしながら、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用が相当期間経過した場合では、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62(又は二次転写ロール34)が劣化し、電気抵抗が上昇してしまうため、電圧の絶対値を上昇させないと、他色トナーが除去できなくなる。このため、図6に示されるように、電圧の絶対値がV2の範囲とした場合に、他色トナーの残留量が許容範囲内となる。一方、銀色トナーの残留量は、電圧の絶対値がV1の範囲において、許容範囲内となる。このように、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用が相当期間経過した後においては、銀色トナーを除去するのに適した電圧値と、他色トナーを除去するのに適した電圧値とが、異なる。
【0072】
なお、銀色トナーにおいて、電圧の絶対値が高い場合に残留量が増加するのは、以下の現象が発生するためと推察される。すなわち、図7に示されるように、例えば、第1清掃ブラシ61と二次転写ベルト36との接触部分の上流側において、第1清掃ブラシ61と二次転写ベルト36との間で放電が生じ、当該放電によって正極性の電荷がトナーに注入されて正極性に帯電する現象が発生するためだと考えられる。トナーが正極性に帯電した場合には、トナーが第1清掃ブラシ61から静電的な反発力を受けるため、トナーは第1清掃ブラシ61に吸着されずに二次転写ベルト36に残留する。
【0073】
第2清掃ブラシ62においても同様に、第2清掃ブラシ62と二次転写ベルト36との接触部分の上流側において、第2清掃ブラシ62と二次転写ベルト36との間で放電が生じ、当該放電によって負極性の電荷がトナーに注入されて負極性に帯電する現象が発生するためだと考えられる。トナーが負極性に帯電した場合には、第2清掃ブラシ62から静電的な反発力を受けるため、第2清掃ブラシ62に吸着されずに二次転写ベルト36に残留する。
【0074】
前述のように、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用期間によって、銀色トナーを除去するのに適した電圧値と、他色トナーを除去するのに適した電圧値とが異なる場合があるため、本実施形態では、以下のように構成される。すなわち、本実施形態では、一次転写ロール33Y〜33Kは、図4に示されるように、銀色非転写画像410上に他色非転写画像420が重なるように、他色非転写画像420を転写ベルト31に形成(転写)する構成となっている。
【0075】
具体的には、本実施形態では、図8に示されるように、一次転写ロール33Wが転写ベルト31の表面に銀色非転写画像410を形成し、一次転写ロール33Y〜33Kがその銀色非転写画像410上に重ねて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の非転写画像420(Y)420(M)420(C)420(K)をこの順で形成するようになっている。すなわち、銀色、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順で、非転写画像が転写ベルト31の表面上に積層される。このように、本実施形態では、非転写画像のうち、最も転写ベルト31側に銀色非転写画像410が形成される。
【0076】
前述のように、銀色非転写画像410上に重ねて他色非転写画像420を積層する場合において、他色非転写画像420が、濃度検出用画像(パッチ)や、色ずれ検出用画像(パッチ)である場合は、当該画像を検出するための検出部(センサ)49は、各色ごとに配置される。具体的には、検出部(センサ)49は、転写位置TY、TM、TC、TKの間で転写ベルト31上の画像を検出すべく、例えば、トナー画像形成部20Y〜20Kの各間に配置される。
【0077】
なお、本実施形態では、銀色非転写画像の画像サイズと他色非転写画像の画像サイズは、同じとされている。
【0078】
また、銀色非転写画像410上に他色非転写画像420を重ねる前述の構成は、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62の使用が相当期間経過した場合に実行するように構成してもよい。この相当期間経過は、例えば、画像形成を行ったシート部材Pの枚数が予め定められた枚数を超えた否かによって判断される。
【0079】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0080】
転写画像(銀色転写画像及び他色転写画像)を形成する画像形成指令を制御部70が受けると、制御部70は、図1に示されるように、銀色のトナー画像形成部20W及び他色のトナー画像形成部20Y〜20K、転写装置30、定着装置40を作動させる。これにより、トナー画像形成部20W及びトナー画像形成部20Y〜20Kでは、転写画像が形成される。具体的には、トナー画像形成部20W及びトナー画像形成部20Y〜20Kにおいて、以下の画像形成工程(プロセス)にて転写画像が形成される。
【0081】
すなわち、各色の感光体ドラム21は、回転されながら帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部で画像処理が施された画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射して、帯電した各感光体ドラム21に露光する。すると、各感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤によって現像される。これにより、各色の感光体ドラム21には、銀色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の転写画像が形成される。
【0082】
各色の感光体ドラム21に形成された各色の転写画像は、各色の一次転写ロール33を通じた転写電圧の印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、各色の転写画像が重畳された転写画像が形成される。この重畳された転写画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。
【0083】
この転写ニップNTには、図1に示されるように、媒体供給部52の搬送ロール対522Rによって重畳トナー画像の搬送にタイミングを合わせてシート部材Pが供給される。この転写ニップNTをシート部材Pが通過する際に、転写電圧が印加されることで、転写ベルト31から転写画像がシート部材Pに転写される。
【0084】
転写画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて、搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び圧力を付与する。これにより、シート部材Pに転写されたトナー画像が定着される。定着装置40から排出されたシート部材Pは、下流側搬送部54のベルト搬送部材541によって、図示しない排出部に向けて搬送される。
【0085】
転写画像の形成に加えて非転写画像を形成する場合には、トナー画像形成部20Wの感光体ドラム21において、前述の画像形成工程を経て、銀色非転写画像が形成され、トナー画像形成部20Y〜20Kの各感光体ドラム21において、前述の画像形成工程を経て、他色非転写画像が形成される。
【0086】
各色の一次転写ロール33によって、トナー画像形成部20Wの感光体ドラム21に形成された銀色非転写画像が、周回する転写ベルト31に最初に転写される。その後、一次転写ロール33Y〜33Kによって、他色のトナー画像が、転写ベルト31に順次転写される。
【0087】
これにより、図8に示されるように、銀色非転写画像410上に重ねて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の非転写画像420(Y)420(M)420(C)420(K)がこの順で形成される。
【0088】
この非転写画像410、420は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。銀色非転写画像410及び他色非転写画像420が転写ニップNTを通過する際に、転写ニップNTにシート部材Pが位置しない状態において、転写ベルト31上の銀色非転写画像410及び他色非転写画像420が転写ベルト31に保持されるように、対向ロール32B(二次転写ロール34)に非転写電圧が印加される。
【0089】
ここで、銀色非転写画像410上に他色非転写画像420が重なっており、銀色非転写画像410が他色非転写画像420で覆われるので、銀色非転写画像410は、転写ニップNTを通過した際に二次転写ベルト36に接触しない。このため、銀色非転写画像410と二次転写ベルト36と接触による二次転写ベルト36への銀色トナーの付着が生じず、銀色非転写画像410が二次転写ベルト36に転移することが抑制される。
【0090】
特に、本実施形態では、非転写画像のうち、銀色非転写画像が最も転写ベルト31側に配置されている。このため、銀色非転写画像が複数層の他色非転写画像で覆われるので、銀色非転写画像が二次転写ベルト36に転移することが効果的に抑制される。
【0091】
また、銀色非転写画像が、銀色トナーよりも導電性が低い(絶縁性が高い)他色トナーによる他色非転写画像で覆われるので、例えば、転写位置TM、TC、TKの上流又は下流で生じる放電による銀色トナーへの電荷注入が抑制される。このため、銀色非転写画像の銀色トナーが、静電力によって二次転写ベルト36に転移することも抑制される。従って、二次転写ベルト36にトナーが転移したとしても、電荷注入が生じ難い他色トナーが転移することになる。
【0092】
他色トナーが二次転写ベルト36に転移しても、当該他色トナーは、電荷注入が生じにくいため、二次転写ベルト36に残留する前述の残留現象が起こりにくく、第1清掃ブラシ61及び第2清掃ブラシ62で良好に除去される。
【0093】
また、銀色トナーは前述のとおり電荷注入を受けて二次転写ベルト36に転移しやすいため、銀色トナーを含むトナーが二次転写ベルト36に転移する場合(比較例)では、他色トナーのみが二次転写ベルト36に転移する場合よりも、二次転写ベルト36に転移するトナー量が増加する。これに対して、本実施形態では、銀色トナーが二次転写ベルト36に転移されにくいため、二次転写ベルト36に転移するトナー量が低減される。これにより、二次転写ベルト36から除去されるトナー量が低減されるため、該トナーを収容(回収)する容器の小型化が図れる。
【0094】
<変形例>
前述の本実施形態では、非転写画像のうち、銀色非転写画像410が最も転写ベルト31側に配置される構成となっていたが、これに限られない。例えば、図9に示されるように、1層の他色非転写画像420が、銀色非転写画像410上に重なる構成であってもよい。すなわち、1層以上の他色非転写画像420が、銀色非転写画像410上に重なる構成であればよい。なお、1層の他色非転写画像420が、銀色非転写画像410上に重なる構成では、トナー画像形成部20Y〜20K、20Wは、例えば、トナー画像形成部20Y、20M、20C、20W、20Kの順で、転写ベルト31の搬送方向上流側から配置される。
【0095】
前述の実施形態では、トナー画像形成部20Y〜20Kは、銀色非転写画像と同じ画像サイズの他色非転写画像を形成する構成であったが、図10に示されるように、銀色非転写画像410よりも面積が大きい他色非転写画像420を形成する構成であってもよい。この構成では、銀色非転写画像410と他色非転写画像420との転写ベルト31上での位置ずれが生じても、他色非転写画像420で銀色非転写画像410の全体を覆える。このため、銀色非転写画像410が露出してしまうことが抑制される。
【0096】
前述の実施形態では、転写部材の一例として二次転写ベルト36を用いていたが、これに限られず、例えば、転写ロールを用いてもよい。
【0097】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0098】
10 画像形成装置
31 転写ベルト(転写体の一例)
33W 一次転写ロール(第1形成部の一例)
33Y 一次転写ロール(第2形成部の一例)
36 二次転写ベルト(転写部材の一例)
39 給電部(印加部の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10