(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第1の光源を点灯させている間、前記第2の光源を消灯させ、前記第2の光源を点灯させている間、前記第1の光源を消灯させる、請求項1に記載の遊技機。
前記第1表示部材において前記第2の光源からの光が照射される照射領域における前記第2の光源からの光による照度は、前記照射領域における前記第1の光源からの光による照度よりも大きい、請求項2に記載の遊技機。
前記第2の光源は、前記第2表示部材に形成された前記第2の表示パターンを第1の角度で照射する第1の発光素子と、前記第1の角度と相違する第2の角度で前記第2の表示パターンを照射する第2の発光素子とを有し、
前記制御部は、前記第1の発光素子を点灯させている間、前記第2の発光素子を消灯し、前記第2の発光素子を点灯させている間、前記第1の発光素子を消灯する、請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態による表示装置を備えた遊技機を、図を参照しつつ説明する。この遊技機は、入射した光を拡散して出射する拡散面を有する第1表示部材に設けられた第1の表示パターンと、第1表示部材の後方に配置された第2表示部材に透過領域と不透過領域とにより形成された第2の表示パターンとを切り換えて表示する表示装置を有する。表示装置は、第1の表示パターンを表示するとき、第1表示部材と第2表示部材との間に配置される導光部材により第1の光源からの光を拡散させた光を第1の表示パターンを有する第1表示部材に照射することにより、第1表示部材を全面に亘って照明する。一方、表示装置は、第2の表示パターンを表示するとき、第2の光源を点灯させて、第2の表示パターンに対応する第2表示部材の透過領域及び導光部材を透過した第2の光源からの光を第1表示部材の拡散面で拡散させることにより、第2の光源からの光が照射された部分を光らせる透過スクリーンとして第1表示部材の拡散面を機能させる。これにより、この遊技機では、第1の表示パターンと第2の表示パターンの何れも、第1表示部材に表示されるように見えるので、第1の表示パターンと第2の表示パターンは、奥行を生じさせずに観察者に観察される。
なお、以下では、説明の便宜上、観察者すなわち遊技者に対向する側を正面とし、その反対側を背面とする。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を備えた回動遊技機の概略構成図である。
【0015】
回動遊技機100は、遊技機本体である本体筺体1と、発光ドラム2a〜2cと、スタートレバー3と、ストップボタン4a〜4cと、表示装置5とを有する。また、回動遊技機100は、本体筺体1内に、回動遊技機100の各部を制御する制御回路(図示せず)、回動遊技機100の各部に電力を供給する電源回路(図示せず)及び制御回路からの制御信号に応じてメダルを一時貯留し、かつメダルを排出するためのメダル貯留及び排出機構を有する。
【0016】
本体筺体1の前面の中央上部には開口11が形成されており、その開口11を通じて、発光ドラム2a〜2cが視認可能になっている。また開口11の下側の枠12の上面には、メダルを投入するためのメダル投入口13が形成されている。発光ドラム2a〜2cは、制御回路からの制御信号に応じて、本体筺体1の前面に対して略平行かつ略水平な回転軸(図示せず)を回転中心として、それぞれ、別個に回転可能となっている。各発光ドラム2a〜2cの表面は、それぞれ、回転方向に沿って複数の略同一幅を持つ領域に区切られ、領域ごとに様々な図柄が描かれている。なお、発光ドラム2a〜2cの代わりに、液晶ディスプレイなどの表示装置が、その表示画面が開口11を介して視認可能なように設けられてもよい。この場合、表示装置は、制御回路からの制御信号に応じて、複数のドラムを模擬的に示した表示パターンを表示画面に表示させる。スタートレバー3は、本体筺体1の枠12の前面に向かって左側に設けられている。また、枠12の前面略中央には、ストップボタン4a〜4cが設けられている。ストップボタン4a〜4cは、それぞれ、発光ドラム2a〜2cに対応する。
【0017】
本体筺体1の前面の下部には、下パネルとして、本発明の1つの実施形態に係る表示装置5が設けられている。なお、表示装置5の詳細については後述する。さらに、表示装置5の下方において、本体筺体1には、メダルを排出するためのメダル排出口14が形成されている。そしてメダル排出口14の下方には、排出されたメダルが落下することを防止するためのメダル受け皿15が取り付けられている。
【0018】
メダルがメダル投入口13に投入された後に、スタートレバー3が操作されると、スタートレバー3が操作されたことを示す信号が制御回路へ伝達される。そして制御回路は、発光ドラム2a〜2cの回転を開始させる。その後、本体筺体1の枠12の前面略中央に設けられたストップボタン4a〜4cの何れかが押下されると、制御回路は、その押下されたスイッチから押下されたことを示す信号を受信し、その押下されたスイッチに対応する発光ドラムの回転を停止させる。あるいは、制御回路は、発光ドラム2a〜2cのうち、回転を開始してから所定期間が経過するまでに、対応するストップスイッチが押下されなかった発光ドラムを、その所定期間経過後に停止させる。そして、全ての発光ドラムが停止した時点で、同一の図柄が全ての発光ドラムにわたって一列に並んでいると、制御回路は、その図柄に応じた所定枚数のメダルをメダル排出口14を通じて排出する。
【0019】
図2(a)は本発明の第1の実施形態に係る表示装置5の概略構成図であり、
図2(b)は表示装置5の部分分解斜視図である。
【0020】
表示装置5は、第1表示板51と、導光板52と、第1の光源53と、第2表示板54と、第2の光源55と、制御部56と、筺体57とを有する。第1表示板51は、第1表示板51に設けられた第1の表示パターン及び第2表示板54に設けられた第2の表示パターンが観察者に視認可能なように、観察者の正面に配置される。導光板52は第1表示板51の背面側に配置され、第1の光源53は導光板52の側面に配置され、第2表示板54は導光板52の背面側に配置され、第2の光源55は第2表示板54の背面側に配置される。第1の光源53からの光は、導光板52に入射し、導光板52内を伝搬することで拡散され、第1表示板51に入射して第1表示板51に設けられた第1の表示パターンを照明する。一方、第2の光源55からの光は、第2表示板54に設けられた第2の表示パターンに対応する透過領域及び導光板52を透過し、第1表示板51に入射されて第1表示板51の拡散面に照射されることで、第1表示板51の正面に位置する観察者が第2の表示パターンを観察できるようにする。
【0021】
図3は、第1表示板51の側面図である。
【0022】
第1表示板51は、平板状の第1基材511と、第1表示パターン形成層512と、拡散層513とを有する平板状の部材である。第1基材511は、光に対して透明であり、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー等の光に対して透明な樹脂を成型することにより作成される。
【0023】
第1表示パターン形成層512は、第1の光源53からの光が第1表示板51を照明したときに、第1表示板51の正面に位置する観察者に第1の表示パターンを提示するものであり、例えば、第1基材511の背面に複数の色のインクを使用してカラー印刷することにより形成される。第1表示パターン形成層512を形成するときに使用されるインクは、例えば、光透過性の顔料又は染料である。また、第1表示パターン形成層512を形成するときに使用されるインクの一部を、光不透過性の顔料又は染料にしてもよい。一例では、
図2(b)に示される第1形成領域5121〜第3形成領域5123のそれぞれを、濃紺色、白色及び青色の光透過性のインクで印刷することにより、第1表示パターン形成層512を形成することができる。
【0024】
拡散層513は、第1表示板の背面から入射した光を拡散する拡散面を形成するシボ加工された透明フィルムであり、第1表示パターン形成層512に透明な接着部材により接着される。また、拡散層513は、第1表示パターン形成層512に透明なインクを使用してチヂミ印刷することにより形成されてもよい。第1表示板51を形成する第1基材511、第1表示パターン形成層512及び拡散層513のそれぞれは、光に対して透過性を有する。本実施形態では、第1表示パターン形成層512及び拡散層513は、第1基材511の背面側に配置されるが、第1表示パターン形成層512及び拡散層513は、第1基材511の正面側に配置されてもよい。また、本実施形態では、第1表示パターン形成層512及び拡散層513は、正面から見て第1表示パターン形成層512、拡散層513の順に第1基材511の背面側に配置されるが、正面から見て拡散層513、第1表示パターン形成層512の順に配置されてもよい。
【0025】
図4(a)は導光板52の部分斜視図であり、
図4(b)は第1の光源53から導光板の入射面に垂直入射する光の伝搬方向に沿った導光板52の部分側面断面図である。
【0026】
導光板52は、第1の光源53が点灯している場合、第1の光源53からの光をその内部で伝搬させると共に拡散させて、第1表示板51へ向けて出射させることで第1表示板51を照明する。また導光板52は、第2の光源55が点灯している場合、第2の光源55から発して第2表示板54を透過した光を、背面から第1表示板51側が位置する正面に透過させる。そのために、導光板52は、第1表示板51の表示領域よりも大きい面積を持つシート状の部材であり、第1表示板51の背面に対向するように配置される。また導光板52は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーといった、光に対して透明な樹脂を成型することで形成される。一例では、導光板52の厚さは、2〜3mmである。
【0027】
導光板52の側面の一面に、第1の光源53に対向する第1入射面52aが形成され、第1の光源53からの光は第1入射面52aから導光板52の内部に入射する。そして導光板52の内部を伝搬した光は、背面側に位置し且つ拡散面として機能する第2入射面52bで全反射された後、第1表示板51の背面に対向する出射面52cから出射して、第1表示板51に入射する。
【0028】
また、第2の光源55が点灯している場合、第2の光源55から発し、第2表示板54の透過領域を透過した光は、導光板52の第2入射面52bから導光板52に入射し、そのまま導光板52を透過して、出射面52cから第1表示板51へ向けて出射する。
【0029】
本実施形態では、第1入射面52aは、第2入射面52b及び出射面52cと直交するように形成される。なお、第1入射面52aは、第1の光源53から入射する光の指向性を高めるようコリメートレンズとして動作するように、第1の光源53へ向けて凸面状に形成されてもよい。
【0030】
第2入射面52bには、第1入射面52aから入射した光を反射して、出射面52c全体から均一に出射させ、かつ、第1表示板51に対して略垂直に入射するように、複数のプリズム521が形成されている。
【0031】
複数のプリズム521は、第1入射面52aから入射した入射光の伝搬方向に沿って所定のピッチで並べて形成される。各プリズム521は、第2入射面52bにおいて、第1入射面52aからの入射光の伝搬方向に対して略垂直な方向に延伸された略三角形状の溝として形成される。そして各プリズム521は、第2入射面52bに対して所定の角度をなす反射面522を有する。所定の角度は、入射光の伝搬方向及び導光板52から光を出射させる方向に応じて決定される。本実施形態では、入射光の伝搬方向は第2入射面52bに対して略平行であり、かつ導光板52は、出射面52cに対して略垂直に光を出射させる。そのため、各反射面522は、例えば、第2入射面52bに対して37°〜45°をなすように形成される。この場合、入射光の各反射面522に対する入射角は臨界角よりも大きくなるため、矢印401に示されるように、入射光は各反射面522において全反射する。そのため、導光板52は、第1の光源53からの入射光が第2入射面52b側から出射することを抑制して、第1表示板51の照明に利用されない光量を抑制できる。また、第1の光源53が発する光の半値角が例えば±7°〜±20°であり、その光の中心が第2入射面52b及び出射面52cに対して平行となるように第1の光源53が配置される場合、15°以上の視野角が確保される。
【0032】
また、出射面52cから出射される光の強度が場所によらず均一となるように、隣接するプリズム521間のピッチは一定となるように形成されることが好ましい。例えば、ピッチが略100μmとなるように各プリズム521は形成される。
【0033】
図5は、目視実験による、パターン密度及びヘイズ値と観察者による導光板52の背面に配置された物体(不図示)の見え方の関係を表すテーブルを示す図である。テーブル500において、左端の列はパターン密度を表し、中央の列はヘイズ値を表し、右端の列は、視認結果を表す。この実験において、第2の光源55として、チップ型白色LED(LP-3020H196W)を1個使用した。また、ヘイズ値は、ヘイズメータHM-150L2(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。そして目視により、導光板52及び第1表示板51を介して第2の光源55で照明された物体を観察したときに、物体の前にある部材が透明な部材であると感じられたときをOKとし、物体の前に不透明な部材があると感じられたときをNGとした。
【0034】
テーブル500に示されるように、パターン密度が30%を超えるか、あるいは、ヘイズ値が28%を超えると、視認結果はNGとなる。そこで、例えば、パターン密度が30.0%以下となるように各プリズム521は形成されることが好ましい。あるいは、ヘイズ値が28%以下となるように各プリズム521は形成されることが好ましい。
【0035】
第1の光源53は、例えば、白色発光ダイオード又は蛍光灯といった発光素子を有し、その発光面が導光板52の第1入射面52aに対向するように配置される。例えば、第1の光源53は、その発光強度が最も強い方向が第1入射面52aに対して直交するように配置される。また、第1の光源53として、光の利用効率を高めるために、例えば、指向性がある発光素子を用いることが好ましい。あるいは、第1の光源53から発した光の指向性を高くするために、第1入射面52aと第1の光源53の間にコリメートレンズが配置されてもよい。なお、第1の光源53は、複数の発光素子を有してもよい。そして第1の光源53は、制御部56からの制御信号に応じて点灯又は消灯する。
【0036】
図6は、第2表示板54の側面図である。
【0037】
第2表示板54は、平板状の第2基材541と、第2表示パターン形成層542とを有する平板状の部材である。第2基材541は、第1基材511と同様に光に対して透明であり、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーの光に対して透明な樹脂を成型することにより作成される。第2表示パターン形成層542は、第2の光源55からの光を第1表示板51の正面に位置する観察者が観察するときに第2の表示パターンを提示するものであり、第2基材541の一方の面に光を透過しないインクを使用して印刷することにより形成される。第2表示パターン形成層542を形成するときに使用されるインクは、例えば、光を遮蔽する顔料又は染料である。第2表示パターン形成層542が形成される不透過領域は光を透過しない一方、第2表示パターン形成層542が形成されていない透過領域は光を透過する。光を透過する透過領域を透過した第2の光源55からの光を導光板52の正面側に位置する第1表示板51側に透過する。一例では、
図2(b)に示すように第2表示パターン形成層542は、英文字列「CHANCE」を示す透過領域を光が透過するように印刷される。本実施形態では、第2表示パターン形成層542は、第2基材541の背面側に配置されるが、第2基材541の正面側に配置されてもよい。また、第2表示板54は、不透明な樹脂を平板状に成形することにより、形成してもよい。この場合、透過領域は、光を透過する単数又は複数の貫通孔として形成される。
【0038】
第2の光源55は、第2表示板54の背面側に配置され、例えば、白色発光ダイオード等を備える第1発光素子551〜第6発光素子556を有し、第2表示板54を照明する。第1発光素子551〜第6発光素子556のそれぞれは、第2表示板54に光を透過する透過領域として形成される英文字列「CHANCE」のそれぞれの文字を示す透過領域の何れかを照射するように配置される。拡散層513において第2の光源55からの光が照射される照射領域における第2の光源55からの光による照度が、その照射領域における第1の光源53からの光による照度よりも大きくなるような輝度を有する発光素子が、第1発光素子551〜第6発光素子556のそれぞれとして選択されることが好ましい。第2の光源55からの光による拡散層513における照度を大きくすることにより、第1の光源53を消灯させ且つ第2の光源55を点灯させるときに、第1表示板51の第1の表示パターンを白飛びさせて、第1の表示パターンを観察者に視認し難くするためである。なお、第2の表示パターンを特定の色の光源で照明したい場合には、その特定の色で発光するダイオードなどの発光素子を第2の光源55として利用してもよい。第2の光源55は、第1の光源53と同様に、制御部56からの制御信号に応じて点灯又は消灯する。
【0039】
制御部56は、例えば、プロセッサと、メモリ回路とを有し、上位の制御装置(図示せず)からの制御信号に応じて、第1の光源53及び第2の光源55を制御する。制御部56は、第1表示板51の第1の表示パターンを表示するときは、第1の光源53を点灯させる一方、第2の光源55を消灯させる。また、制御部56は、第2表示板54の第2の表示パターンを表示するときは、第1の光源53を消灯させる一方、第2の光源55を点灯させる。制御部56は、第1の光源53及び第2の光源55の交互の点滅を所定の周期で繰り返すことができる。
【0040】
筺体57は、第1表示板51、導光板52、第1の光源53、第2表示板54、第2の光源55を収納し、不図示の固定部材により本体筺体1に固定される。
【0041】
図7は表示装置に表示される表示パターンの例を示す図であり、
図7(a)は第1の光源53を点灯させ且つ第2の光源55を消灯させたときの表示パターンの一例を示し、
図7(b)は第1の光源53を消灯させ且つ第2の光源55を点灯させたときの表示パターンの一例を示す。
【0042】
図7(a)に示す表示パターン603を表示するとき、制御部56は、第1の光源53を点灯させ且つ第2の光源55を消灯させる。第1の光源53を点灯させることにより、第1の光源53からの光は、導光板52の内部を伝搬することで拡散されて、第1表示板51へ向けて出射される。第1の光源53からの光が導光板52の内部で拡散されることにより、第1表示板51は、第1の光源53からの光によって全面が光らされる。これによって、第1表示板51の第1の表示パターンが表示される。一方、第2の光源55は消灯しているので、第2表示板54の第2の表示パターンは表示されない。
【0043】
図7(b)に示す表示パターン605を表示するとき、制御部56は、第1の光源53を消灯させ且つ第2の光源55を点灯させる。第2の光源55を点灯させることにより、第2表示板54の第2の表示パターンに応じた透過領域及び導光板52を透過した第2の光源55からの光は、第1表示板51の拡散層513に照射されて拡散される。第2の表示パターンに応じた透過領域を透過した光が拡散層513で拡散されることにより、拡散層513は、第2表示板54の第2の表示パターンを表示する透過スクリーンとして機能する。第2の光源55からの光は第2の表示パターンに応じた透過領域を透過しているので、第2の光源55からの光が入射するとき、第1表示板51は、全面ではなく第2表示板54の第2の表示パターンに対応する領域のみが光って見える。そのため、第2表示板54の第2の表示パターンは、拡散層513に表示されたように観察者に観察される。
【0044】
第1の表示パターンは、拡散層513に隣接する第1表示パターン形成層512に応じて表示され、第2の表示パターンは拡散層513で拡散された光により表示されるので、第1の表示パターン及び第2の表示パターンの間には奥行が生じない。
【0045】
以上に説明してきたように、この遊技機が有する表示装置は、第1の表示パターンを表示するときに、導光部材で拡散された第1の光源からの光を第1表示部材に照射することにより、第1表示部材を全面に亘って照明する。一方、表示装置は、第2の表示パターンを表示するときに、第2表示板54の第2の表示パターンに応じた透過領域及び導光板を透過した第2の光源からの光を、第1表示部材の拡散面で拡散させることにより、第1表示部材の拡散面において第2の光源からの光が照射された部分を光らせる。このため、第1の表示パターンと第2の表示パターンを観察する観察者は、第1の表示パターンと第2の表示パターンとの間で奥行を感じずに観察できる。
【0046】
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る表示パターンの例を示す図であり、
図8(a)は第1の光源53及び第2の光源55の双方を消灯させたときの表示パターンの一例を示し、
図8(b)は第1の光源53及び第2の光源55の双方を点灯させたときの表示パターンの一例を示す。
図8(b)に示す変形例の表示パターンを表示するとき、第1の光源53及び第2の光源55の輝度は、第1表示板51の表示パターンが白飛びせずに表示可能なように調整される。
【0047】
図8(a)に示す表示パターン610を表示するとき、制御部56は、第1の表示パターン及び第2の表示パターンの双方を表示させないように、第1の光源53及び第2の光源55の双方を消灯させる。
図8(b)に示す表示パターン611を表示するとき、制御部56は、第1の表示パターン及び第2の表示パターンの双方を表示するために第1の光源53及び第2の光源55を点灯する。第1の光源53及び第2の光源55を交互に点滅することに加えて、第1の光源53及び第2の光源55の双方を同時に点灯、及び消灯させることにより、表示装置5に表示させる表示パターンを観察する観察者に多彩な演出を提供できる。
【0048】
図9は本発明の第2の実施形態に係る表示装置の部分分解斜視図である。
【0049】
第2実施形態に係る表示装置6は、第2の光源55の代わりに第2の光源65を有することが第1実施形態に係る表示装置5と相違する。第2の光源65は、第1発光素子551〜第6発光素子556に加えて、第1発光素子551〜第6発光素子556のそれぞれから一定の間隔でそれぞれ配置された第7発光素子651〜第12発光素子656を更に有する。一例では、第1発光素子551と第7発光素子651との間の距離は第1の距離であり、第2発光素子552と第8発光素子652との間の距離は同様に第1の距離である。以下、同様に、第3発光素子553〜第6発光素子556のそれぞれと第9発光素子653〜第12発光素子656のそれぞれとの間の距離は、第1の距離である。第7発光素子651〜第12発光素子656のそれぞれは、第1発光素子551〜第6発光素子556と同様に、第2表示板54に光を透過する透過領域として形成される英文字列「CHANCE」のそれぞれの文字を示す透過領域を照射するように配置される。すなわち、左端に位置する文字「C」を示す透過領域は第1発光素子551及び第7発光素子651の双方からの光に照射され、文字「H」を示す透過領域は第2発光素子552及び第8発光素子652の双方からの光に照射される。以下、順次、対になる発光素子からの光は同一の文字を示す透過領域を照射する。
【0050】
第1発光素子551〜第6発光素子556及び第7発光素子651〜第12発光素子656のそれぞれは、英文字列「CHANCE」のそれぞれの文字を示す透過領域を照射するが、透過領域を照射する角度が相違する。すなわち、第1発光素子551〜第6発光素子556それぞれの文字を示す透過領域を第1の角度で照射するのに対し、第7発光素子651〜第12発光素子656はそれぞれの文字を示す透過領域を第1の角度と相違する第2の角度で照射する。一例では、第1発光素子551〜第6発光素子556のそれぞれは、第2表示板54の法線と、第2表示板54のそれぞれの文字を示す透過領域の重心とそれぞれの発光素子の重心とを通る直線との間の角度が0度となるように配置される。一方、第7発光素子651〜第12発光素子656のそれぞれは、第2表示板54の法線と、第2表示板54のそれぞれの文字を示す透過領域の重心とそれぞれの発光素子の重心とを通る直線との間の角度が10度となるように配置される。
【0051】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る表示パターンの例を示す図である。
図10(a)は、第1の光源53及び第7発光素子651〜第12発光素子656を消灯させ且つ第1発光素子551〜第6発光素子556を点灯させたときの第1表示パターンの一例を示す。
図10(b)は、第1の光源53及び第1発光素子551〜第6発光素子556を消灯させ且つ7発光素子651〜第12発光素子656を点灯させたときの第2表示パターンの一例を示す。
【0052】
図10(a)に示す表示パターン621を表示するとき、制御部56は、第1の光源53を消灯させ、第2の光源65の第7発光素子651〜第12発光素子656を点灯させ且つ第2の光源65の第1発光素子551〜第6発光素子556を消灯させる。
図10(b)に示す表示パターン622を表示するとき、制御部56は、第1の光源53を消灯させ、第2の光源65の第1発光素子551〜第6発光素子556を消灯させ且つ第2の光源65の第7発光素子651〜第12発光素子656を点灯させる。
図10(a)に示す表示パターン621と
図10(b)に示す表示パターン622とを比較すると、表示される英文字列「CHANCE」の位置が横方向に移動している。第1発光素子551〜第6発光素子556それぞれの文字を示す透過領域を第1の角度で照射するのに対し、第7発光素子651〜第12発光素子656はそれぞれの文字を示す透過領域を第1の角度と相違する第2の角度で照射するためである。すなわち、透過領域を照射する角度を第1の角度から第2の角度にすることにより、導光板の厚さに応じた移動距離を表示パターンが移動することになる。制御部56が第1発光素子551〜第6発光素子556と第7発光素子651〜第12発光素子656とを交互に点滅させることにより、表示される英文字列「CHANCE」が横方向に交互に移動する演出が可能になる。
【0053】
本発明の第2の実施形態の変形例によれば、それぞれの文字を照射する発光素子の数は3つ以上でもよい。それぞれの文字を照射する発光素子の数を3つ以上にし、照射する発光素子を順次切り替えることにより、英文字列「CHANCE」が徐々に移動していく演出が可能になる。
【0054】
以上の実施形態では、表示装置5及び6は、発光ドラム2a〜2cの下方に配置されるが、本発明の実施形態に係る表示装置は、発光ドラム2a〜2cの両側又は発光ドラム2a〜2cの右側又は左側に何れか一方に配置されてもよい。また、発明の実施形態に係る表示装置は、発光ドラム2a〜2cの表示装置としてもよい。
【0055】
図11は、第3の実施形態に係る表示装置の部分側面図である。
図11では、第3の実施形態に係る表示装置は、発光ドラム2aの内部に配置される例を示すが、発光ドラム2b及び2cにも同様に配置することが可能である。
【0056】
表示装置7は、第1表示フィルム71と、導光フィルム72と、第1の光源731〜733と、第2表示フィルム74と、第2の光源751〜753と、制御部76とを有し、リール表示窓21の背面側に配置される。第1表示フィルム71、導光フィルム72及び第2表示フィルム74のそれぞれは、可とう性のフィルムである。第1表示フィルム71は発光ドラム2aの最外周に配置され、導光フィルム72は第1表示フィルム71の内側に配置され、第2表示フィルム74は導光フィルム72の内側に配置される。第1の光源731〜733のそれぞれは、導光フィルム72の端面に対向するように配置され、導光フィルム72の端面から導光フィルム72に光を照射する。第1の光源731〜733のそれぞれは、第2表示フィルム74の内側に位置する架台22に固定され、第2表示フィルム74の内側の面に光を照射する。制御部76は、第1の光源731〜733及び第2の光源751〜753の交互の点滅を所定の周期で繰り返すことができる。
【0057】
第1表示フィルム71は、第1表示板51と同様に光を拡散する拡散層と、複数の色の光透過性インクを使用してカラー印刷された表示パターン形成層とを有するフィルムである。導光フィルム72は、導光板52と同様に複数のプリズムが形成され、第1の光源731〜733からの光をその内部で伝搬させると共に拡散させて、第1表示フィルム71へ向けて出射させる。第2表示フィルム74は、第2表示板54と同様に光を透過しない材料により形成される表示パターンを有する光透過性フィルムである。
【0058】
第3の実施形態に係る表示装置7によれば、発光ドラム2a〜2cの表示パターンを第1表示フィルム71の表示パターンと、第2表示フィルム74の表示パターンとを切り替えることにより、多彩な演出を観察者に提供できる。
【0059】
上記の実施形態又は変形例による表示装置を備えた遊技機は、弾球遊技機又は回動遊技機といった遊技機であってもよい。
【0060】
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。