(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部と、該光学検出部の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して前記不良品及び/又は異物を前記原料から除去する選別部とを備えて構成される色彩選別機の筐体内に、前記選別部で使用される圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサを内装し、
前記選別部には、前記光学検出部の検出結果に基づいて不良品及び/又は異物を原料から除去するためのエジェクターノズル及びエジェクターバルブが備えられ、該エジェクターバルブと前記電動エアコンプレッサとの間は、大気開放用の電磁弁及び管内を一定圧に保持する逃し弁を介してエア管によって連絡し、
前記色彩選別機には、操作パネル上に配置される運転ボタンを設け、該運転ボタンをオン操作したときは、前記電磁弁を駆動させて前記エア管を大気開放状態から閉鎖するとともに、前記電動エアコンプレッサの駆動を開始させる電磁接触器を設けてなる色彩選別機。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、農家における籾摺ラインに適した性能と低価格を実現することをコンセプトとした小型の色彩選別機を開発し、複数の特許出願を行っている。
このうち、特許文献1に記載の色彩選別機によれば、原料を上昇させる昇降機を複数備える昇降部と、少なくとも1台の前記昇降機により上昇させられる原料を選別する光学選別部と、を備えてなる色彩選別機において、当該色彩選別機の高所には機外に良品を排出する排出部が設けられ、前記昇降機の1台は、光学選別部で良品と判定された原料を当該排出部に向けて上昇させることを特徴とする色彩選別機としたものである。
これにより、光学選別部で良品と判定された原料を昇降機の1台により上昇させて、当該色彩選別機の高所に設けられる排出部から排出するものであるので、当該排出部から後工程における計量機や袋詰機に直接原料を供給することが可能となり、籾摺ラインの各装置の配置を簡単に行うことができるという作用・効果がある。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の色彩選別機にあっては、原料の流れから不良品及び異物を分離するために、エジェクターノズルから圧縮空気を噴射して不良品及び異物の除去を行っており、この技術を利用するためには、圧縮空気を生成するエアコンプレッサ、エアタンク、レギュレータ及び配管等の空圧機器を準備しておく必要がある。
【0004】
すなわち、農家等においてこの種の色彩選別機を利用するには、当該色彩選別機への専用の空圧機器を手配しておくか、又は他の機械で利用していたエアコンプレッサを、色彩選別機の仕様に合わせて配管の連結作業をやり直す等、据付けや配管の接続作業が煩わしいといった問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点にかんがみ、色彩選別機専用の空圧機器の準備や、据付け、エア配管の連結作業が不要であり、誰でも簡単に選別作業を行うことが可能な色彩選別機を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため本発明は、原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部と、該光学検出部の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して前記不良品及び/又は異物を前記原料から除去する選別部とを備えて構成される色彩選別機の筐体内に、前記選別部で使用される圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサを内装し
、前記選別部には、前記光学検出部の検出結果に基づいて不良品及び/又は異物を原料から除去するためのエジェクターノズル及びエジェクターバルブが備えられ、該エジェクターバルブと前記電動エアコンプレッサとの間は、大気開放用の電磁弁及び管内を一定圧に保持する逃し弁を介してエア管によって連絡し、前記色彩選別機には、操作パネル上に配置される運転ボタンを設け、該運転ボタンをオン操作したときは、前記電磁弁を駆動させて前記エア管を大気開放状態から閉鎖するとともに、前記電動エアコンプレッサの駆動を開始させる電磁接触器を設けてなることを特徴とする。
【0010】
また、前記エジェクターバルブと前記電動コンプレッサとの間を連絡するエア管に、清掃用エアガンを接続した。
【0011】
さらに、前記逃し弁のエア逃し口に、前記光学部及び/又は前記昇降部の残留米除去用のスイーパを接続した。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部と、光学検出部の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して不良品及び/又は異物を原料から除去する選別部とを備えて構成される色彩選別機1の筐体内に、選別部で使用される圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサを内装したものであるから、別途、専用の空圧機器の準備や、色彩選別機と電動エアコンプレッサとの据付け、エア配管による連結作業が不要であり、誰でも簡単に速やかに選別作業を開始することが可能となる。
また、選別部は、光学検出部の検出結果に基づいて不良品及び/又は異物を原料から除去するためのエジェクターノズル及びエジェクターバルブを備え、該エジェクターバルブと前記電動エアコンプレッサとの間は、大気開放用の電磁弁及び管内を一定圧に保持する逃し弁を介してエア管によって連絡したものであるから、圧縮空気をいったん貯留する圧力タンクが不要で、小型化を実現し得て、色彩選別機の筐体内に電動エアコンプレッサを収容することが可能となった。
そして、色彩選別機には、操作パネル上に配置した運転ボタンを設け、運転ボタンをオン操作したときは、電磁弁を駆動させてエア管を閉鎖するとともに、電動エアコンプレッサの駆動を開始させる電磁接触器を設けたものであるから、抵抗が少なくスムーズな始動が可能となる。
【0015】
さらに、請求項
2記載の発明によれば、前記エジェクターバルブと前記電動コンプレッサとの間を連絡するエア管に、清掃用エアガンを接続しているから、清掃用エアガンからの圧縮空気によりエアブローが施され、運転が一時停止された際にシュート等に付着した糠等の除去が可能となる。
【0016】
また、請求項
3記載の発明によれば、前記逃し弁のエア逃し口に、前記光学部及び/又は前記昇降部の残留米除去用のスイーパを接続しているから、逃がしエアを再利用して残留米を除去することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の色彩選別機の全体を示す斜視図であり、
図2は本発明の色彩選別機の内部構造を示す概略縦断面図であり、
図3は本発明の色彩選別機のエア配管の構成図であり、
図4は本発明の色彩選別機に内装された電動エアコンプレッサの電気的な配線図である。
【0019】
本発明の色彩選別機1は、穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物を原料として良品と不良品、あるいは原料に混入する異物を色彩により選別することができるものである。
【0020】
図1に示すように、本発明の色彩選別機1は、原料を受け入れるための投入ホッパ6を備えた昇降部2と、該昇降部2の前面側に位置し、原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部3と、該光学検出部3の下方に位置し、前記光学検出部3の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して不良品及び/又は異物を原料から除去する選別部4とを備えて構成される。符号5は前記光学検出部3と昇降部2との間に設けた貯留タンク部であり、符号7は前記色彩選別機1の筐体であり、符号8は安全カバーであり、符号9は筐体7内に内装される電動エアコンプレッサであり、符号10は施設内で色彩選別機を移動するためのキャスターであり、符号11は機体を水平状態で固定するためのアジャスターである。
【0021】
図2に示すように、前記昇降部2は、昇降部筐体12内の上下位置に駆動プーリ13と従動プーリ14とをそれぞれ設け、前記駆動プーリ13と前記従動プーリ14との間には、多数のバケット15を取り付けられた無端状ベルト16を回動可能に掛け回すことによって構成されている。そして、前記無端状ベルト16が前記プーリ13,14間を回動することで、前記投入ホッパ6から受け入れた原料が上昇搬送され、多数のバケット15が従動プーリ14により転回される瞬間に、前記貯留タンク部5に投擲(てき)されることで原料の搬送が行われる。
【0022】
前記投入ホッパ6は左右一対の側壁6f,6gと、前記昇降部筐体12側の前壁6bと、該前壁6bと対向する後壁6cと、前記前壁6b下部から傾斜して延設される短尺状の傾斜棚板6dと、該傾斜棚板6dよりも下方に位置し、かつ、前記後壁6c下部から前記昇降部筐体12の供給口12aに向けて傾斜して延設される長尺状の傾斜棚板6eとにより形成してある。
【0023】
そして、投入ホッパ6の傾斜棚板6e下部には、前記貯留タンク部5と連係して原料の受け入れ量を調節する流量調節バルブ17が設けられる。該流量調節バルブ17は、回動軸18により軸着されており、該回動軸18はアーム19を固定し、該アーム19にはバネ20の一端を固定する一方、バネ20の他端は昇降部筐体12に設置した固定部に固定し、常時はバネ20の引っ張り力により流量調節バルブ17が傾斜棚板6eに接近するように回動させておく。その一方で、アーム19の回動軸18と対向する位置には、第1ロッド21の一端側を固定するとともに、該第1ロッド21の他端側は中継アーム部22の一端側を固定する。そして、該中継アーム部22の第1ロッド21の他端側と対向する位置には、第2ロッド23の一端側を固定するとともに、該第2ロッド23の他端側は前記貯留タンク部5のタンク中間金具24に接続する。
【0024】
前記貯留タンク部5を形成する一時貯留タンク25は、昇降部2の昇降部筐体12上部との間で、上部リンク26及び下部リンク27からなるリンク機構によって自由度を有する構造で取り付けられている。そして、前記昇降部筐体12上部の前面側には流下樋28が突設され、該流下樋28の下方で前記一時貯留タンク25を保持するよう、前記上部リンク26には吊バネ29の一端側を固定するとともに、吊バネ29の他端側は流下樋28に設置した固定部30に固定し、一時貯留タンク25を吊設する構成としてある。
【0025】
これにより、前記一時貯留タンク25の貯留量の多寡によって第2ロッド23が上下動し、流量調節バルブ17は実線の位置と一点鎖線の位置とに回動可能になる。すなわち、一時貯留タンク25の貯留量が少なければ、第2ロッド23の下動は少なく、流量調節バルブ17は実線の位置となって供給口12aが大きく開口された状態となり、大流量の原料がケース底部12bに供給可能となる。一方で、一時貯留タンク25の貯留量が多ければ自重により第2ロッド23の下動が大きくなり、流量調節バルブ17は一点鎖線の位置となって供給口12aの開口度が制限された状態となり、流量の制限された原料がケース底部12bに供給可能となる。
【0026】
前記一時貯留タンク25の流出口25aには、その開口度を調節することができる開閉シャッター31を設け、該開閉シャッター31は手動で開閉できる構成となっている。これにより、原料中に不良品の混入率が高い場合に、操作者は開閉シャッター31を操作して光学検出部3のシュート上を流れる被選別物を確認しながらシュート上を流れる原料の流量の変更が可能となる。
【0027】
次に、前記光学検出部3の構成について詳述する。光学検出部3は、水平位置から約60度の角度で傾斜して配置したシュート32と、前記一時貯留タンク25からの原料をシュート32に搬送するための棚板33と、シュート32下端から落下する原料の落下軌跡の上下を挟んで設けられる光学部34と、を備えたものである。
【0028】
前記シュート32の表面形状は、原料となる粒状物を広幅で帯状に滑走させるために溝部のない平板形状で形成するのが好ましい。そして、シュート32からの粒状物の溢流を防止するため、かつ、選別対象の粒状物がシュート32を滑走中に底面から浮き上がるのを防止するために、底面から所定間隔をあけてシュートカバー32aを設けてもよい。
【0029】
また、前記光学検出部3下方の選別部4は、光学検出部3の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して不良品及び/又は異物を原料から除去するエジェクターノズル35と、該エジェクターノズル35下方において前記シュート32と同傾斜線上にあり、エジェクターノズル35からの噴風を受けずにそのまま落下軌跡の粒状物を受ける良品回収ホッパ38と、該良品回収ホッパ38に並設され、エジェクターノズル35からの噴風を受けて正常な原料から不良品を回収するための不良品回収ホッパ37と、を備えている。さらに、前記良品回収ホッパ38には良品排出樋39が、前記不良品回収ホッパ37には不良品排出樋40がそれぞれ接続されている。
【0030】
前記光学部34は、CCDラインセンサー等からなるセンサー41,42と、蛍光灯等からなる光源43,44,45,46と、背景手段としてのバックグラウンド47,48と、ミラー49,50を備えたものである。そして、各センサー41,42は、前記シュート32下端から落下する原料を検出位置において撮像し、該撮像信号に基づいて原料の良品と不良品、あるいは原料に混入する異物を判断するものである。エジェクターノズル35は、不良品及び/又は異物と判断したものを噴風して原料の流れから弾き出し、不良品回収ホッパ37側へ除去する構成である。
【0031】
前記色彩選別機1の筐体7内の選別部4下方には、前記エジェクターノズル35等に供給する圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサ9が内装されている。この電動エアコンプレッサ9の概略寸法は、高さ約200mm、幅約270mm、奥行約170mmの小型のタンクレスタイプを採用するのが好ましく、例えば、株式会社日立産機システム社製の型式LH300FS、300Wスーパーオイルフリーベビコン(登録商標)を採用するのがよい。この種の電動エアコンプレッサ9であれば、小型のタンクレス仕様であるため、筐体7内の選別部4下方に内装することが可能となり、しかも、2気筒であるために低騒音、低振動、長寿命化を実現し得て、精密部品で構成されている光学検出部3への振動等の悪影響を防止することが可能となる。
【0032】
図3は電動エアコンプレッサ9を出発点とするエア配管の構成図であり、これに基づき本発明の色彩選別機1のエア配管の詳細を説明する。前記電動エアコンプレッサ9の吐出口9aと前記エジェクターノズル35との間には、エジェクターバルブ51を介して圧縮空気が供給されるようエア主管52が配管されている。そして、本発明の色彩選別機1において、筐体7内に電動エアコンプレッサ9を内装するため、圧縮空気をいったん貯留する圧力タンクは設けず、圧力タンクに代わる各種のエア制御機構により小型化を実現したものである。
【0033】
まず、電動エアコンプレッサ9近傍のエア主管52には、枝管53を介して大気と連通する大気開放用の電磁弁54を設けてある。これは、
図3のように電動エアコンプレッサ9とエジェクターノズル35との間が閉鎖系である場合に、電磁弁54によって主管52内を大気圧に開放し、電動エアコンプレッサ9の始動性を向上させる制御である。すなわち、電動エアコンプレッサ9は、モータの回転運動をクランクとピストンによって往復運動に変え、ピストンの往復運動によってシリンダー内の空気を圧縮させるものであるが、シリンダーが大気に開放されていることにより、抵抗が少なくスムーズな始動が可能となるのである。電動エアコンプレッサ9が始動後は電磁弁54を閉鎖して、エア主管52内を圧縮空気が通過できるように制御する。
【0034】
次に、電磁弁54近傍のエア主管52には、枝管55を介して逃し弁56を設けてある。これは、電動エアコンプレッサ9に接続されたエア主管52内が最大圧力を超過した場合に、圧縮空気を大気に放出してエア主管52内を一定圧に保持するものである。
図3に示すように、逃し弁56の構造は、弾性バネ56aにより支持された弁体56bが一定圧以上となると下動し、逃し口56cから圧縮空気を大気に放出するというシンプルなものである。本実施形態では、空気圧が0.4MPa(4気圧)以上となったらエアを抜くような逃し弁56を採用してある。そして、大気に逃がしたエアを再利用できるよう、逃し口56cには、光学部34の清掃用のエアーパージ57、光学部34の残留米除去用のスイーパ58、及び昇降部底部12bの残留米除去用のエアーパージ59等をそれぞれ接続可能な構成となっている。
さらに、エア主管52には、枝管60、ホース61を介して清掃用エアガン62を接続してもよい。
【0035】
そして、主管52は、ドレンセパレータ63、エアフィルタ64、マイクロミストセパレータ65及びレギュレータ66を介してエジェクターバルブ51に接続するのがよい。これらドレンセパレータ63、エアフィルタ64及びマイクロミストセパレータ65は大掛かりなエアドライヤ装置の代替手段となり得るために、本発明の色彩選別機1には好適となる。レギュレータ66には圧力ゲージ66aが備えられている。これにより、本実施形態では、最終的にエジェクターバルブ51に対して0.25MPa(2.5気圧)の圧縮空気が供給されることになる。
【0036】
図4は本発明の色彩選別機に内装された電動エアコンプレッサの電気的な配線図である。
図4に示すように、電動エアコンプレッサ9及び大気開放用の電磁弁54は、色彩選別機1の主電源スイッチ67及び操作パネル68上に配置した運転ボタン69に電気的に接続され、電動エアコンプレッサ9の始動性を向上させる制御となっている。すなわち、本発明の色彩選別機1はAC100Vの主電源70で駆動され、この主電源70から主電源スイッチ67及び電磁接触器71を介して電動エアコンプレッサ9のモータに接続されている。同様に、主電源70から主電源スイッチ67及び電磁接触器72を介して電磁弁54に接続されている。そして、電磁接触器71と操作パネル68の運転ボタン69との間は電磁接触器71のコイル73を介して連絡される一方、電磁接触器71と電磁接触器72との間は電磁接触器72のコイル74を介して連絡されている。また、電磁接触器71からは昇降部2を駆動する昇降部モータ75にも連絡されている。
【0037】
上記の回路構成により、操作者が主電源スイッチ67をオンすると、電磁接触器72を介して大気開放用の電磁弁54がオンし、これにより、主管52内が大気圧に開放されることになる。次いで、2〜3秒経過後、操作者が操作パネル68上の運転ボタン69をオンすることで、電磁接触器71のコイル73及び電磁接触器72のコイル74に通電され、電磁弁54がオフし、これにより、主管52が閉鎖系の状態となる。これと同時に、電動エアコンプレッサ9及び昇降部モータ75が駆動されることになる。すなわち、電動エアコンプレッサ9の始動直前に、電動エアコンプレッサ9のシリンダーが大気に開放され、始動時には主管52が閉鎖されるため、抵抗が少なくスムーズな始動が可能となるのである。
【0038】
以下、本発明の実施の形態における作用を説明する。
本発明の実施の形態にあっては、原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部3と、光学検出部3の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して不良品及び/又は異物を原料から除去する選別部4とを備えて構成される色彩選別機1の筐体7内に、選別部4で使用される圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサ9を内装したものであるから、別途、専用の空圧機器の準備や、色彩選別機と電動エアコンプレッサとの据付け、エア配管による連結作業が不要であり、誰でも簡単に速やかに選別作業を開始することが可能となる。
【0039】
また、選別部4は、光学検出部3の検出結果に基づいて不良品及び/又は異物を原料から除去するためのエジェクターノズル35及びエジェクターバルブ51が備えられ、該エジェクターバルブ51と前記電動エアコンプレッサ9との間は、大気開放用の電磁弁54及び管内を一定圧に保持する逃し弁56を介してエア管52によって連絡したものであるから、圧縮空気をいったん貯留する圧力タンクが不要で、小型化を実現し得て、色彩選別機1の筐体7内に電動エアコンプレッサ9を収容することが可能となった。
【0040】
さらに、色彩選別機1には、主電源スイッチ67と操作パネル上に配置した運転ボタン69とを設け、主電源スイッチ67をオン操作したときは、電磁弁54を駆動させてエア管52を大気に開放する一方、運転ボタン69をオン操作したときは、電磁弁54を駆動させてエア管52を閉鎖するとともに、電動エアコンプレッサ9の駆動を開始させる複数の電磁接触器71,72を設けたものであるから、電動エアコンプレッサ9の始動直前に、電動エアコンプレッサ9のシリンダーが大気に開放され、数秒経過後の始動時にはエア管52が閉鎖されるため、抵抗が少なくスムーズな始動が可能となる。
【0041】
そして、エジェクターバルブ51と電動コンプレッサ9との間を連絡するエア管52に、清掃用エアガン62を接続しているから、清掃用エアガン62からの圧縮空気によりエアブローが施され、運転が一時停止された際にシュート32等に付着した糠等の除去が可能となる。
【0042】
また、逃し弁56のエア逃し口56cに、前記光学部34及び/又は前記昇降部2の残留米除去用のスイーパ58,59を接続してあるから、逃がしエアを再利用して残留米を除去することができる。
【0043】
原料を投入ホッパ6の開口部6aから投入すると、傾斜棚板6d,6eによって衝撃が緩和されながら流下し、傾斜棚板6e底部に至る。投入ホッパ6の傾斜棚板6e底部には、前記貯留タンク部5と連係して原料の受け入れ量を調節する流量調節バルブ17が設けられている。このとき、一時貯留タンク25は未だ空の状態であるため、流量調節バルブ17は
図2の実線の位置にあって供給口12aが全開された状態にある。このため、比較的大流量の原料がケース底部12bに供給されることになる。ケース底部12bに供給された原料は、バケット15により昇降部筐体12内を上昇し、従動プーリ14で転回される瞬間に投擲(てき)されて流下樋28から一時貯留タンク25に貯留される。このとき、一時貯留タンク25の流出口25aが開閉シャッター31により閉鎖された状態にあると、一時貯留タンク25は原料が充満してきて重くなり、吊バネ29に抗して下動する。これに伴い、タンク中間金具24に接続した第2ロッド23も下動する。これにより、第2ロッド23に連係した中継アーム部22が回動し、さらに、第1ロッド21が下動することになる。これにより、アーム19が回転軸18を中心に回動して流量調節バルブ17が
図2の一点鎖線の位置となって供給口12aの開口度が制限された状態となり、流量の制限された原料がケース底部12bに供給される。そして、一時貯留タンク25が満量になれば、流量調節バルブ17によって供給口12aが閉鎖されることになる。
【0044】
そして、一時貯留タンク25の貯留量が満量となった段階で、操作者が開閉シャッター31を操作して流出口25aを開口すると、原料はその開口度に応じた流量で棚板33に落下し、次いで、シュート32上に供給されることになる。一方、一時貯留タンク25はその貯留量の減少に伴って重量が軽くなるため、第2ロッド23が上動することとなる。これにより、流量調節バルブ17が閉鎖状態から開放されて投入ホッパ6から新たな原料が供給されるようになる。
【0045】
シュート32上を流下する原料は、その下端から落下して光学検出部3のセンサー41,42により検出されることになる。そして、センサー41,42の撮像信号に基づいて原料の良品と不良品、あるいは原料に混入する異物が判断される。不良品及び異物と判断されたものは、エジェクターノズル33からの噴風によって原料の流れから弾き出され、不良品回収ホッパ35を介して不良品排出樋37から機外に排出される。一方、良品と判断されたものはエジェクターノズル33の噴風を受けずに良品回収ホッパ34から良品排出樋36を経て機外に排出される。
【0046】
以上説明したように、本発明にあっては、原料中に混入する不良品及び/又は異物を光学的に検出する光学検出部3と、光学検出部3の検出結果に基づいて圧縮空気を噴射して不良品及び/又は異物を原料から除去する選別部4とを備えて構成される色彩選別機1の筐体7内に、選別部4で使用される圧縮空気を生成するための電動エアコンプレッサ9を内装したものであるから、別途、専用の空圧機器の準備や、色彩選別機と電動エアコンプレッサとの据付け、エア配管による連結作業が不要であり、誰でも簡単に速やかに選別作業を開始することが可能となる。そして、選別部4は、光学検出部3の検出結果に基づいて不良品及び/又は異物を原料から除去するためのエジェクターノズル35及びエジェクターバルブ51が備えられ、該エジェクターバルブ51と前記電動エアコンプレッサ9との間は、大気開放用の電磁弁54及び管内を一定圧に保持する逃し弁56を介してエア管52によって連絡したものであるから、圧縮空気をいったん貯留する圧力タンクが不要で、小型化を実現し得て、色彩選別機1の筐体7内に電動エアコンプレッサ9を収容することが可能となるのである。なお、本発明の色彩選別機は、上記実施の形態に限らず、種々の設計変更が可能である。