【実施例】
【0032】
図1は、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例を構成する第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11,第2のコネクタを成すプラグコネクタ12及び可動操作部材13を相互に分離された状態をもって示す。
【0033】
図1に示されるリセプタクルコネクタ11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング15(第1のハウジング)を備えており、リセプタクルコネクタ11が実用に供される際には、ハウジング15は、後述される
図7に仮想線をもって示されている一対の相互に対面近接するものとされた配線基板16及び29のうちの下方側に位置する配線基板16における
図7において上方に向いた面(以下、上面という。)に固定される。以下においては、ハウジング15は配線基板16の上面に固定されているものとする。
【0034】
ハウジング15には、各々が弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成す複数のリセプタクル側コンタクト17(第1のコンタクト)が、相互対向する2個の列を成して配列配置されている。複数のリセプタクル側コンタクト17の夫々には、配線基板16の上面に設けられた配線端子部16a(後述される
図23に示されている。)に接続される基板接続部17aと、後述されるプラグコネクタ12に備えられるプラグ側コンタクトに当接する接触接続部17bとが、夫々帯状部材の両端部分を成すものとして設けられている。
【0035】
また、ハウジング15には、第1の金属部材18が固定されている。第1の金属部材18は、
図2に単独で示されていて、斯かる
図2から明瞭に把握できるように、全体として矩形筒状体を成しており、ハウジング15の外周面部を配線基板16の上面に沿って包囲するものとされている。そして、第1の金属部材18には、配線基板16の上面に連結される複数の基板連結部19が設けられているとともに、一対の固定係合係止部20及び21が形成されている。第1の金属部材18は、それに設けられた複数の基板連結部19が、配線基板16の上面に連結されることにより、ハウジング15と共に配線基板16に固定される。それにより、第1の金属部材18は、ハウジング15の配線基板16に対する固定に寄与するものとなっている。また、一対の固定係合係止部20及び21は、各々がハウジング15における複数のリセプタクル側コンタクト17の配列方向 (以下、第1のコンタクト配列方向という。)の両端部22に対応する位置に夫々配されていて、固定係合係止部20に、例えば、切欠き部20a(
図1)が形成されており、また、固定係合係止部21に、例えば、切欠き部21aが形成されている。固定係合係止部20及び21の夫々は、それに対して後述される可動操作部材13に設けられる可動係合係止部が係合係止状態をとるものとされている。
【0036】
このようにして第1の金属部材18に設けられた一対の固定係合係止部20及び21は、配線基板16の上面に沿うとともに第1のコンタクト配列方向に沿う方向において相互対向するものとされている。
【0037】
図1に示されるプラグコネクタ12は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング23(第2のハウジング)を備えており、プラグコネクタ12が実用に供される際には、ハウジング23は、後述される
図7に仮想線をもって示されている一対の相互に対面近接するものとされた配線基板16及び29のうちの上方側に位置する配線基板29における
図7において下方に向いた面(以下、下面という。)に固定される。以下においては、ハウジング23は配線基板29の下面に固定されているものとする。
【0038】
ハウジング23には、各々が弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成す複数のプラグ側コンタクト24(第2のコンタクト)が、相互対向する2個の列を成して配列配置されている。複数のプラグ側コンタクト24の夫々には、配線基板29の下面に設けられた配線端子部(図示が省略されている。)に接続される基板接続部24aと、第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11が備えるリセプタクル側コンタクト17に設けられた接触接続部17bに当接するものとされる接触接続部(図示が省略されている。)とが、プラグ側コンタクト24の両端部分を成すものとして設けられている。
【0039】
ハウジング23は、配線基板29の下面に対接する平板状部25を有している。そして、平板状部25の外面部には、複数のプラグ側コンタクト24に設けられた基板接続部24aが配列配置されている。
【0040】
さらに、ハウジング23には、複数のプラグ側コンタクト24の配列方向(以下、第2のコンタクト配列方向という。)における両端部である一対の端部26に、一対の第2の金属部材を成す金属部材27及び金属部材28が、第2のコンタクト配列方向において相互対向するものとして夫々取り付けられている。
【0041】
金属部材27は、
図3に示されるように、ハウジング23における一対の端部26の一方の外周面部を覆うコ字状部30を有しており、コ字状部30における中央部分30aには、透孔31(
図1にあらわれている。)が形成されており、また、コ字状部30における中央部分30aの両端部から伸びて相互対向する一対の側壁部分の夫々には、基板連結部32が設けられており、さらに、コ字状部30における一対の側壁部分のうちの一方の自由端部には、それから伸びるカム部33が金属部材27の一部を成すものとして設けられている。カム部33は、第1の端面部34a及び第2の端面部34bを含んだカム端面34を有している。透孔31は、それを後述される可動操作部材13に設けられる可動係合係止部が係合するものとされており、また、カム部33は、それに設けられたカム端面34に従って可動操作部材13が変位するものとされている。
【0042】
また、金属部材28は、
図4に示されるように、ハウジング23における一対の端部26の他方の外周面部を覆うコ字状部35を有しており、コ字状部35における中央部分35aに透孔36が形成されており、また、コ字状部35における中央部分35aの両端部から伸びて相互対向する一対の側壁部分の夫々には、基板連結部37が設けられており、さらに、コ字状部35における一対の側壁部分のうちの一方の自由端部には、それから伸びるカム部38が金属部材28の一部を成すものとして設けられている。カム部38は、第1の端面部39a及び第2の端面部39bを含んだカム端面39を有している。コ字状部35における中央部分35aに形成された透孔36は、それを後述される可動操作部材13に設けられる可動係合係止部が係合するものとされており、また、カム部38は、それに設けられたカム端面39に従って可動操作部材13が変位するものとされている。
【0043】
ハウジング23における一対の端部26に夫々取り付けられた、一対の第2の金属部材を成す金属部材27及び金属部材28は、金属部材27における一対の基板連結部32及び金属部材28における一対の基板連結部37が、配線基板29の下面に連結されることにより、ハウジング23と共に配線基板29に固定される。それにより、一対の第2の金属部材を成す金属部材27及び金属部材28は、ハウジング23の配線基板29に対する固定に寄与するものとなっている。
【0044】
図1に示される可動操作部材13は、その全体が、例えば、弾性を有した棒状金属材料に屈曲加工が施されて形成された屈曲棒状体を成すものとされており、プラグコネクタ12のハウジング23に移動可能に配されて、ハウジング23に対して伏した第1の静止位置とハウジング23に対して起き上がった第2の静止位置とを選択的にとる。そして、可動操作部材13は、プラグコネクタ12のハウジング23に対して移動可能に配されたとき、第2のコンタクト配列方向に直線的に伸びることになる中間部40と、中間部40の両端部から夫々屈曲して伸びる一対の連結部41及び42と、連結部41からさらに屈曲して伸びる端部43と、連結部42からさらに屈曲して伸びる端部44とを有している。
【0045】
連結部41は、第1の連結部分41a,第2の連結部分41b及び第3の連結部分41cを含んで屈曲して伸びて、中間部40の一端と端部43とを連結するものとされている。また、連結部42も、第1の連結部分42a,第2の連結部分42b及び第3の連結部分42cを含んで屈曲して伸びて、中間部40の他端と端部44とを連結するものとされている。
【0046】
端部43は、可動操作部材13の一端部であって、プラグコネクタ12における金属部材27のコ字状部30における中央部分に形成された透孔31に係合して金属部材27を貫通し、金属部材27によって支持される可動係合係止部を成している(以下、端部43を可動係合係止部43という。)。同様に、端部44は、可動操作部材13の他端部であって、プラグコネクタ12における金属部材28のコ字状部35における中央部分に形成された透孔36に係合して金属部材28を貫通し、金属部材28によって支持される可動係合係止部を成している(以下、端部44を可動係合係止部44という。)。
【0047】
このように構成された可動操作部材13は、その一端部における可動係合係止部43がプラグコネクタ12における金属部材27に形成された透孔31に係合して金属部材27を貫通し、金属部材27によって支持されるとともに、その他端部における可動係合係止部44がプラグコネクタ12における金属部材28に形成された透孔36に係合して金属部材28を貫通し、金属部材28によって支持された状態をもって、プラグコネクタ12のハウジング23に移動可能に配される。
【0048】
このようなもとで、移動可能に配された可動操作部材13を伴ったプラグコネクタ12のハウジング23が固定された配線基板29における下面が、リセプタクルコネクタ11のハウジング15が固定された配線基板16における上面に対向するものとされて、配線基板29が配線基板16に対面近接して重ね合わせられるとき、第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11と第2のコネクタを成すプラグコネクタ12とが相互係合状態をとる。斯かる際には、
図5〜7及び
図13〜15に示されるように、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に嵌合するものとされる。なお、
図5(斜視図),
図6(平面図),
図13(斜視図)及び
図14(平面図)においては、便宜上、配線基板16及び29の図示が省略されており、
図7(側面図)及び
図15(側面図)においては、便宜上、配線基板16及び29の夫々が仮想線をもってあらわされている。
【0049】
このとき、プラグコネクタ12のハウジング23に配列配置された複数のプラグ側コンタクト24が夫々有する複数の接触接続部が、リセプタクルコネクタ11のハウジング15に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクト17が夫々有する複数の接触接続部17bに当接して、複数のプラグ側コンタクト24と複数のリセプタクル側コンタクト17とが夫々電気的に相互接続状態におかれる。
【0050】
図5〜7に示される相互係合状態におかれたリセプタクルコネクタ11及びプラグコネクタ12にあっては、プラグコネクタ12のハウジング23に移動可能に配された可動操作部材13が、ハウジング23に対して伏した第1の静止位置をとるものとされている。斯かるもとでは、
図5における二点鎖線枠A内を拡大図示する
図8,
図6における二点鎖線枠B内を拡大図示する
図9、及び、
図6における X−X 線断面をあらわす
図10に示されるように、可動操作部材13の連結部41における第2の連結部分41bが、プラグコネクタ12の金属部材27に設けられたカム部33におけるカム端面34に含まれる第1の端面部34aに当接して位置決めされる。同様に、図示は省略されているが、可動操作部材13の連結部42における第2の連結部分42bも、プラグコネクタ12の金属部材28に設けられたカム部38におけるカム端面39に含まれる第1の端面部39aに当接して位置決めされる。このように、連結部41における第2の連結部分41bがカム部33におけるカム端面34に含まれる第1の端面部34aに当接して位置決めされるとともに、連結部42における第2の連結部分42bがカム部38におけるカム端面39に含まれる第1の端面部39aに当接して位置決めされるものとされた可動操作部材13は、カム部33及びカム部38によって連結部41と連結部42とを相互離隔させるように弾性変形せしめられたものとされる。それにより、可動操作部材13は、連結部41から屈曲して伸びて、プラグコネクタ12における金属部材27に形成された透孔31に係合して金属部材27を貫通し、金属部材27によって支持された可動係合係止部43を、金属部材27の外方に向けて変位させるとともに、連結部42から屈曲して伸びて、プラグコネクタ12における金属部材28に形成された透孔36に係合して金属部材28を貫通し、金属部材28によって支持された可動係合係止部44を、金属部材28の外方に向けて変位させる状態におかれる。
【0051】
図11は、斯かる際における第1の静止位置をとる状態にある可動操作部材13とプラグコネクタ12の金属部材27及び28との相互係合状態を、プラグコネクタ12及び金属部材27及び28のみを取り出して示している。
図11に示されるように、第1の静止位置をとって、カム部33及びカム部38によって連結部41と連結部42とを相互離隔させるように弾性変形せしめられた可動操作部材13は、可動係合係止部43を透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aからその外部へと突出させ、また、可動係合係止部44を透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35a からその外部へと突出させる。
【0052】
上述のようにして、第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11と第2のコネクタを成すプラグコネクタ12とが相互係合状態をとるものとされたときには、プラグコネクタ12に備えられた金属部材27のコ字状部30における透孔31が形成された中央部分30aが、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における切欠き部21aが形成された固定係合係止部21に近接対向する位置に配されるとともに、プラグコネクタ12に備えられた金属部材28のコ字状部35における透孔36が形成された中央部分35aが、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における切欠き部20aが形成された固定係合係止部20に近接対向する位置に配される。
【0053】
そして、可動操作部材13が、ハウジング23に対して伏した第1の静止位置をとるものとされると、
図10及び
図10における二点鎖線枠C内を拡大図示する
図12に示されるように、前述のようにして、プラグコネクタ12に備えられた金属部材27のコ字状部30における中央部分30aに形成された透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aの外部へと突出する、可動操作部材13における可動係合係止部43が、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21に形成された切欠き部21aに係合して、固定係合係止部21に対する係合係止状態をとる。また、それとともに、
図10に示されるように、前述のようにして、プラグコネクタ12に備えられた金属部材28のコ字状部35における中央部分35aに形成された透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35aの外部へと突出する、可動操作部材13における可動係合係止部44が、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20に形成された切欠き部20aに係合して、固定係合係止部20に対する係合係止状態をとる。
【0054】
斯かる際には、
図12に示されるように、可動操作部材13における可動係合係止部43が、その中心軸方向が金属部材27のコ字状部30における透孔31が形成された中央部分30aに対して直交することになる姿勢をとるものとされ、また、可動操作部材13における可動係合係止部44が、その中心軸方向が金属部材28のコ字状部35における透孔36が形成された中央部分35aに対して直交することになる姿勢をとるものとされる。
【0055】
このようにして、可動操作部材13における可動係合係止部43がリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部21に対する係合係止状態をとるとともに、可動操作部材13における可動係合係止部44がリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部20に対する係合係止状態をとるもとにあっては、第1の静止位置をとる可動操作部材13が、プラグコネクタ12のハウジング23をリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止することになる。そして、可動操作部材13によってプラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止されることにより、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12との相互係合状態が安定に維持される。
【0056】
続いて、可動操作部材13が、
図5〜7に示されるハウジング23に対して伏した第1の静止位置から、
図13〜15に示されるハウジング23に対して起き上がった第2の静止位置に移行するものとされると、斯かる移行にあたり、可動操作部材13の連結部41が、プラグコネクタ12の金属部材27に設けられたカム部33のカム端面34に案内されて移動するとともに、可動操作部材13の連結部42が、プラグコネクタ12の金属部材28に設けられたカム部38のカム端面39に案内されて移動する。
【0057】
そして、可動操作部材13が第2の静止位置への移行を完了したときには、
図13における二点鎖線枠D内を拡大図示する
図16,
図14における二点鎖線枠E内を拡大図示する
図17、及び、
図14における XVIII−XVIII 線断面をあらわす
図18に示されるように、可動操作部材13の連結部41における第3の連結部分41cが、プラグコネクタ12の金属部材27に設けられたカム部33におけるカム端面34に含まれる第2の端面部34bに当接して位置決めされる。同様に、図示は省略されているが、可動操作部材13の連結部42における第3の連結部分42cも、プラグコネクタ12の金属部材28に設けられたカム部38におけるカム端面39に含まれる第2の端面部39bに当接して位置決めされる。このように、連結部41における第3の連結部分41cがカム部33におけるカム端面34に含まれる第2の端面部34bに当接して位置決めされるとともに、連結部42における第3の連結部分42cがカム部38におけるカム端面39に含まれる第2の端面部39bに当接して位置決めされるものとされた可動操作部材13は、カム部33及びカム部38によって連結部41と連結部42とを相互離隔させるように弾性変形せしめられた状態から、自らの弾性によって連結部41と連結部42とを互いに近付き合う方向に移動させて、弾性変形せしめられていない元の状態に戻るものとされる。それにより、可動操作部材13は、連結部41から屈曲して伸びて、プラグコネクタ12における金属部材27に形成された透孔31に係合して金属部材27を貫通し、金属部材27によって支持された可動係合係止部43を、金属部材27の内側に向けて変位させるとともに、連結部42から屈曲して伸びて、プラグコネクタ12における金属部材28に形成された透孔36に係合して金属部材28を貫通し、金属部材28によって支持された可動係合係止部44を、金属部材28の内側に向けて変位させる状態におかれる。
【0058】
図19は、斯かる際において第1の静止位置から第2の静止位置に移行する過程にある可動操作部材13とプラグコネクタ12の金属部材27及び28との相互係合状態を、
可動操作部材13及び金属部材27及び28のみを取り出して示している。さらに、
図20は、第2の静止位置をとる可動操作部材13とプラグコネクタ12の金属部材27及び28との相互係合状態を、
可動操作部材13及び金属部材27及び28のみを取り出して示している。
【0059】
図20に示されるように、第2の静止位置をとって、弾性変形せしめられていない元の状態に戻った可動操作部材13は、可動係合係止部43を、透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aの内側へ引き込んで、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部21から離隔させるべく変位させ、また、可動係合係止部44を、透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35aの内側へ引き込んで、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部20から離隔させるべく変位させる。
【0060】
上述のようにして、第1のコネクタを成すリセプタクルコネクタ11と第2のコネクタを成すプラグコネクタ12とが相互係合状態をとるもとで、可動操作部材13が、ハウジング23に対して起き上がった第2の静止位置をとるものとされると、
図18及び
図18における二点鎖線枠F内を拡大図示する
図21に示されるように、前述のようにして、プラグコネクタ12に備えられた金属部材27のコ字状部30における中央部分30aに形成された透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aの内側に引き込まれ、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部21から離隔すべく変位せしめられた可動操作部材13における可動係合係止部43が、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21に形成された切欠き部21aとの係合を解除し、固定係合係止部21に対する係合係止解除状態をとる。また、それとともに、
図18に示されるように、前述のようにして、プラグコネクタ12に備えられた金属部材28のコ字状部35における中央部分35aに形成された透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35aの内側に引き込まれ、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部20から離隔すべく変位せしめられた可動操作部材13における可動係合係止部44が、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20に形成された切欠き部20aとの係合を解除し、固定係合係止部20に対する係合係止解除状態をとる。
【0061】
斯かる際には、
図21に示されるように、可動操作部材13における可動係合係止部43が、その中心軸方向が金属部材27のコ字状部30における透孔31が形成された中央部分30aに対して傾斜することになる姿勢をとるものとされ、また、可動操作部材13における可動係合係止部44が、その中心軸方向が金属部材28のコ字状部35における透孔36が形成された中央部分35aに対して傾斜することになる姿勢をとるものとされる。
【0062】
このようにして、可動操作部材13における可動係合係止部43がリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部21に対する係合係止解除状態をとるとともに、可動操作部材13における可動係合係止部44がリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18に設けられた固定係合係止部20に対する係合係止解除状態をとるもとにあっては、第
2の静止位置をとる可動操作部材13が、プラグコネクタ12のハウジング23をリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する機械的な係止から解放することになる。そして、可動操作部材13によってプラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する機械的な係止から解放されることにより、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12との相互分離が可能とされる。
【0063】
図22は、上述の本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例を構成するリセプタクルコネクタ11,プラグコネクタ12及び可動操作部材13について、リセプタクルコネクタ11が、そのハウジング15が配線基板16の上面に固定されたものとされるとともに、プラグコネクタ12が、そのハウジング23が配線基板29とは異なる配線基板50の下面に固定されたものとされたもとで、配線基板50における下面が配線基板16における上面に対向するものとされて配線基板50が配線基板16に対面近接して重ね合わされて、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態をとり、さらに、可動操作部材13が第1の静止位置をとるものとされた状態を示す。
【0064】
図23(斜視図)及び
図24(平面図)に示されるように、プラグコネクタ12のハウジング23が下面に固定された配線基板50には、一対の透孔51及び52が設けられている。透孔51は、それを可動操作部材13における連結部41
における第3の連結部分41c、即ち、可動操作部材13における一端部である可動係合係止部43の近傍部分が貫通する位置に形成されており、また、透孔52は、それを可動操作部材13における連結部42
における第3の連結部分42c、即ち、可動操作部材13における他端部である可動係合係止部44の近傍部分が貫通する位置に形成されている。そして、配線基板50における下面に対向する上面の外部から、透孔51を通じて、可動操作部材13における連結部41及び可動係合係止部43についてのプラグコネクタ12における金属部材27及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21との係合状態を覗き観ることができ、同様に、配線基板50の上面の外部から、透孔52を通じて、可動操作部材13における連結部42及び可動係合係止部44についてのプラグコネクタ12における金属部材28及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20との係合状態を覗き観ることができる。
【0065】
また、リセプタクルコネクタ11のハウジング15が上面に固定された配線基板16には、複数の配線端子部16aが配列配置されている。これら複数の配線端子部16aには、リセプタクルコネクタ11における複数のリセプタクル側コンタクト17の基板接続部17aが夫々接続されている。
【0066】
リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態をとり、可動操作部材13が第1の静止位置をとったもとで、
図25に示されるように、可動操作部材13における可動係合係止部43が、プラグコネクタ12に備えられた金属部材27のコ字状部30における中央部分30aに形成された透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aの外部へと突出し、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21に形成された切欠き部21aに係合して、固定係合係止部21に対する係合係止状態を適正にとるものとされるときには、
図24における二点鎖線枠G内を拡大して示す
図26に示されるように、配線基板50の上面の外部から配線基板50に設けられた透孔51を通じて覗き観ることができる、可動操作部材13における連結部41及び可動係合係止部43についてのプラグコネクタ12における金属部材27及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21との係合状態にあっては、可動操作部材13における可動係合係止部43が、その大部分がプラグコネクタ12に備えられた金属部材27及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21によって隠され、その僅かな部分が金属部材27と固定係合係止部21との間において見えるに過ぎないものとされる。
【0067】
また、斯かる際、図示は省略されているが、可動操作部材13における可動係合係止部44が、プラグコネクタ12に備えられた金属部材28のコ字状部35における中央部分35aに形成された透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35aの外部へと突出し、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20に形成された切欠き部20aに係合して、固定係合係止部20に対する係合係止状態を適正にとるものとされるときには、配線基板50の上面の外部から配線基板50に設けられた透孔52を通じて覗き観ることができる、可動操作部材13における連結部42及び可動係合係止部44についてのプラグコネクタ12における金属部材28及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20との係合状態にあっては、可動操作部材13における可動係合係止部44が、その大部分がプラグコネクタ12に備えられた金属部材28及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20によって隠され、その僅かな部分が金属部材28と固定係合係止部20との間において見えるに過ぎないものとされる。
【0068】
それに対して、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態をとり、可動操作部材13が第1の静止位置をとったもとで、例えば、
図27に示されるように、可動操作部材13における可動係合係止部43が、プラグコネクタ12に備えられた金属部材27のコ字状部30における中央部分30aに形成された透孔31を通じて金属部材27のコ字状部30における中央部分30aの外部へと突出するが、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21に形成された切欠き部21aには係合せず、固定係合係止部21に対する係合係止状態を適正にとるものとされないときには
、図28に示されるように、配線基板50の上面の外部から配線基板50に設けられた透孔51を通じて覗き観ることができる、可動操作部材13における連結部41及び可動係合係止部43についてのプラグコネクタ12における金属部材27及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21との係合状態にあっては、可動操作部材13における可動係合係止部43が、その一部分がプラグコネクタ12に備えられた金属部材27によって隠されるが、他の部分はリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部21によって隠されることなく、固定係合係止部21の上方に見えるものとされる。
【0069】
また、斯かる際、図示は省略されているが、例えば、可動操作部材13における可動係合係止部44が、プラグコネクタ12に備えられた金属部材28のコ字状部35における中央部分35aに形成された透孔36を通じて金属部材28のコ字状部35における中央部分35aの外部へと突出するが、リセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20に形成された切欠き部20aには係合せず、固定係合係止部20に対する係合係止状態を適正にとるものとされないときには、配線基板50の上面の外部から配線基板50に設けられた透孔52を通じて覗き観ることができる、可動操作部材13における連結部42及び可動係合係止部44についてのプラグコネクタ12における金属部材28及びリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20との係合状態にあっては、可動操作部材13における可動係合係止部44が、その一部分がプラグコネクタ12に備えられた金属部材28によって隠されるが、他の部分はリセプタクルコネクタ11に備えられた第1の金属部材18における固定係合係止部20によって隠されることなく、固定係合係止部20の上方に見えるものとされる。
【0070】
従って、プラグコネクタ12がそのハウジング23が配線基板50の下面に固定されたものとされたときには、配線基板50における下面が配線基板16における上面に対向するものとされて配線基板50が配線基板16に体面近接して重ね合わされて、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態をとり、さらに、可動操作部材13が第1の静止位置をとるものとされたもとにおいて、配線基板50に一対の透孔51及び52が設けられていることにより、配線基板50の上面の外部から、透孔51を通じて、可動操作部材13における可動係合係止部43が固定係合係止部21に対する係合係止状態を適正にとるものとされていることを視覚的に確認することができ、また、配線基板50の上面の外部から、透孔52を通じて、可動操作部材13における可動係合係止部44が固定係合係止部20に対する係合係止状態を適正にとるものとされていることを視覚的に確認することができることになる。
【0071】
上述のようなリセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12と可動操作部材13とを含んで構成される本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例においては、リセプタクルコネクタ11とプラグコネクタ12とが相互係合状態をとるもとで、可動操作部材13の両端部分の夫々が成す可動係合係止部43及び44が、リセプタクルコネクタ11における第1の金属部材18に形成された固定係合係止部21及び20に対する係合係止状態をとって、プラグコネクタ12のハウジング23をリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止するときには、可動操作部材13が、プラグコネクタ12が備えるカム部33及び38によって弾性変形せしめられた状態にあり、また、可動係合係止部43及び44が固定係合係止部21及び20に対する係合係止解除状態をとって、プラグコネクタ12のハウジング23をリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する機械的な係止から解放するときには、可動操作部材13が、プラグコネクタ12が備えるカム部33及び38によって弾性変形せしめられた状態から元の状態に戻される。このように、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止されるときには、両端部分の夫々が可動係合係止部43及び44を成すものとされた可動操作部材13が弾性変形せしめられ、それにより可動係合係止部43及び44に固定係合係止部21及び20に対する係合係止状態を強制的にとらせるので、たとえ、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対して機械的に係止される状態と、プラグコネクタ12のハウジング23がリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する機械的な係止から解放される状態とが繰り返される場合においても、弾性変形せしめられた可動操作部材13の両端部分が成す可動係合係止部43及び44を、固定係合係止部21及び20に対する係合係止状態を適正かつ確実にとるものとすることができ、その結果、プラグコネクタ12のハウジング23についてのリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する係止を十分な信頼性をもって安定に行うことがでる。
【0072】
また、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例にあっては、可動操作部材13の両端部分が成す可動係合係止部43及び44がプラグコネクタ12における第2の金属部材を成す金属部材27及び28を夫々貫通して支持されるとともに、固定係合係止部21及び20がリセプタクルコネクタ11における第1の金属部材18に形成されており、それにより、大なる剛性を有した金属部材27及び28を夫々貫通して支持された可動係合係止部43及び44が、大なる剛性を有した第1の金属部材18に形成された固定係合係止部21及び20に対する係合係止状態をとるものとされる。それゆえ、例えば、リセプタクルコネクタ11及びプラグコネクタ12の夫々の小型・軽量化が図られて、プラグコネクタ12のハウジング23及びリセプタクルコネクタ11のハウジング15の夫々の肉厚等が低減せしめられるもとにあっても、可動係合係止部43及び44による固定係合係止部21及び20に対する係合係止を強固に行うことができ、その結果、プラグコネクタ12のハウジング23についてのリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する係止を十分な信頼性をもって堅固に行うことがでる。
【0073】
さらに、本願発明に係る相互係合コネクタ装置の一例においては、可動係合係止部43及び44による固定係合係止部21及び20に対する係合係止を解除するにあたっての操作は、プラグコネクタ12のハウジング23に変位可能に配されて第1の静止位置と第2の静止位置とを選択的にとることができる可動操作部材13を、第1の静止位置から第2の静止位置へと変位させることで足りるので、プラグコネクタ12のハウジング23についてのリセプタクルコネクタ11のハウジング15に対する係止の解除を、特別な工具等の使用を必要としない極めて簡単で容易な操作により確実に行うことができることになる。