特許第6156687号(P6156687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156687
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】ジョイントカバー
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/20 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   B62D1/20
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-98740(P2013-98740)
(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公開番号】特開2014-218164(P2014-218164A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100183450
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 太知
(72)【発明者】
【氏名】堀内 惇平
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 章浩
(72)【発明者】
【氏名】石川 慎治
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−001504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D1/00−1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の外部に配置された舵取機構への入力軸を収容するハウジングにおいて前記入力軸の一部を車室側へ露出させる開口を、車室の内外を仕切る仕切板に形成されて前記入力軸の一部が挿通される挿通孔に対して連結するためのジョイントカバーであって、
前記入力軸が挿通され、前記ハウジングの開口に対して嵌め合わされる筒部と、前記入力軸まわりの周方向に沿って前記筒部を取り囲みつつ、前記仕切板における前記挿通孔の周縁部に対して対向配置される環状のフランジ部とを含む台座と、
前記フランジ部において前記仕切板と対向する面に設けられ、前記仕切板と前記フランジ部との間で圧縮された状態で前記入力軸を取り囲む環状の伸縮層と、
前記伸縮層において前記仕切板と対向する面に設けられ、圧縮状態の前記伸縮層によって前記挿通孔の周縁部に押し付けられて当該周縁部に対して全周に亘って密着した状態で前記入力軸を取り囲む環状のシール層と、
前記シール層と前記伸縮層との間に設けられ、前記シール層よりも硬度が高い補強層とを含むことを特徴とする、ジョイントカバー。
【請求項2】
前記シール層の内周部に沿って設けられ、前記シール層よりも前記仕切板側へ突出し、前記仕切板の前記挿通孔に対して挿入される筒状のガイドをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のジョイントカバー。
【請求項3】
前記ガイドは、前記シール層よりも硬度が高いことを特徴とする、請求項記載のジョイントカバー。
【請求項4】
前記ガイドと前記補強層とが同一の材料で一体形成されていることを特徴とする、請求項2または記載のジョイントカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の舵取機構に関連して設けられるジョイントカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ジョイントカバーの一例として、下記特許文献1では、フロアシール部材が開示されている。このフロアシール部材は、舵取機構への入力軸を支持するギヤハウジングを一側に内嵌保持する保持筒と、該保持筒の他側に周設され、一面にスポンジ製の封止板が被着されたフランジ部とを備えている。封止板は、入力軸を取り囲む環状であり、その外側の端面には、ゴム製の滑り止め層が積層形成されている。フロアシール部材では、フランジ部が、車室の内部と外部とを仕切る仕切板に形成された軸挿通孔の周縁に組み付けられる。この組み付けにより、封止板の内側の入力軸は、軸挿通孔を経て仕切板の表面側(車室内)に露出する。このとき、フランジ部は、封止板を圧縮させることによって滑り止め層を仕切板に押し付けている。これにより、軸挿通孔の周縁が滑り止め層によって封止されるので、車室外から軸挿通孔を経て車室内への向かう塵埃の進入を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−243833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、車体側の仕切板およびフロアシール部材のいずれにも、組み付けの際に位置決めとなるものが存在しない。そのため、フロアシール部材を仕切板に組み付ける際(仕切板の軸挿通孔と環状の封止板の中央部分との位置合わせをする際)、フロアシール部材を仕切板に対して斜めに当ててしまうことや、フロアシール部材を仕切板にきつく押し当てしまうことがある。これらの場合、封止板の端面における滑り止め層の表面に対して摩擦力や斜めからの外力等がかかることで、滑り止め層に皺が生じてしまう虞がある。滑り止め層に皺が生じると、滑り止め層と仕切板の間に隙間が発生するので、軸挿通孔まわりにおいてフロアシール部材と仕切板との密封性が低下する虞がある。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、仕切板との間での密封性の向上を図ることができるジョイントカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、車室(15)の外部(16)に配置された舵取機構への入力軸(4)を収容するハウジング(17)において前記入力軸の一部を車室側へ露出させる開口(17D)を、車室の内外を仕切る仕切板(14)に形成されて前記入力軸の一部が挿通される挿通孔(14A)に対して連結するためのジョイントカバー(21)であって、前記入力軸が挿通され、前記ハウジングの開口に対して嵌め合わされる筒部(26)と、前記入力軸まわりの周方向(C)に沿って前記筒部を取り囲みつつ、前記仕切板における前記挿通孔の周縁部(14C)に対して対向配置される環状のフランジ部(27)とを含む台座(22)と、前記フランジ部において前記仕切板と対向する面に設けられ、前記仕切板と前記フランジ部との間で圧縮された状態で前記入力軸を取り囲む環状の伸縮層(23)と、前記伸縮層において前記仕切板と対向する面に設けられ、圧縮状態の前記伸縮層によって前記挿通孔の周縁部に押し付けられて当該周縁部に対して全周に亘って密着した状態で前記入力軸を取り囲む環状のシール層(24)と、前記シール層と前記伸縮層との間に設けられ、前記シール層よりも硬度が高い補強層(25)とを含むことを特徴とする、ジョイントカバーである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記シール層の内周部(24C)に沿って設けられ、前記シール層よりも前記仕切板側へ突出し、前記仕切板の前記挿通孔に対して挿入される筒状のガイド(30)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のジョイントカバーである。
請求項記載の発明は、前記ガイドは、前記シール層よりも硬度が高いことを特徴とする、請求項記載のジョイントカバーである。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記ガイドと前記補強層とが同一の材料で一体形成されていることを特徴とする、請求項2または記載のジョイントカバーである。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ジョイントカバーは、車室の内外を仕切る仕切板とフランジ部との間で圧縮される伸縮層と、仕切板に形成された挿通孔の周縁部に押し付けられて当該周縁部に対して密着するシール層と、シール層と伸縮層との間に設けられ、シール層よりも硬度が高い補強層とを含む。そのため、シール層の姿勢は、補強層に補強されることによって、比較的安定しているので、シール層における皺の発生を防止できる。
【0010】
さらに、ジョイントカバーの姿勢が多少ずれていても、伸縮層が変形することによって、ジョイントカバーの姿勢のずれを吸収するので、これによっても、シール層における皺の発生を防止できる。
以上の結果、ジョイントカバーと仕切板との間での密封性の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、ガイドは、シール層よりも仕切板側へ突出しており、挿通孔に対して挿入される。そのため、仕切板の挿通孔に対してガイドが挿入されることによって、ジョイントカバーが仕切板に対して位置決めされるので、ジョイントカバーは、仕切板における正しい位置に対して正しい姿勢で組み付けられる。これにより、シール層には、変な力が作用することなく、シール層は、仕切板と平行な姿勢で周縁部と密着することができる。これにより、仕切板における挿通孔の周縁部に密着するシール層に皺が発生することを防止できる。さらに、仕切板に対してジョイントカバーの組み付けを行う作業者は、仕切板の挿通孔に対してガイドが挿入されたことを目視することで、ジョイントカバーが仕切板に対して正しく位置決めされたことを確認できる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、ガイドは、シール層よりも硬度が高い(剛性が高い)。そのため、ガイドは、撓むことなく安定した姿勢で挿通孔に挿通される。これにより、ガイドは、仕切板に対してジョイントカバーを確実に位置決めすることができる。
請求項4記載の発明によれば、ガイドと補強層とが同一の材料で一体形成されている。これにより、部品点数が削減されるため、ジョイントカバーのコスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態のステアリングコラム装置1を車体の正面から見た概略断面図である。
図2図2は、ステアリングコラム装置1に含まれるジョイントカバー21の側面図であって、一部を断面で示している。
図3図3は、ジョイントカバー21、ピニオン軸4およびピニオンハウジング17を同軸状に並べた分解斜視図である。
図4図4は、仕切板14に対してジョイントカバー21を組み付ける前の状態におけるステアリングコラム装置1の要部を示した断面図である。
図5図5は、仕切板14に対してジョイントカバー21を組み付けた状態におけるステアリングコラム装置1の要部を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のステアリングコラム装置1を車体の正面から見た概略断面図である。
図1を参照して、ステアリングコラム装置1は、ステアリングシャフト2と、中間シャフト3と、ピニオン軸4と、ラック軸5と、ハウジング6とを主に含んでいる。
【0014】
ステアリングコラム装置1の機能を簡単に説明すると、ステアリングシャフト2の一端(上端)に連結されたステアリングホイール等の操舵部材7から伝達される回転トルク(操舵トルクともいう)により、ステアリングシャフト2が、その中心回りに回転する。この回転に連動して、中間シャフト3とピニオン軸4とが一体的に回転する。この回転によるトルク(回転トルク)は、ピニオン軸4からラック軸5へと伝達される際に、車体の幅方向へスライド運動に変換される。そのため、タイヤなどの転舵輪8を転舵させることができる。
【0015】
なお、以下の説明では、ピニオン軸4の中心軸が延びる方向(図1における上下方向)を軸方向Zとする。ここで、軸方向Zは、実際には前後方向に対して傾斜しつつ、上下に延びている。また、図1における上下方向と直交する方向を、左右方向Yおよび前後方向Xとする。左右方向Yは、図1の紙面の左右方向であって、前述した車体の幅方向と一致している。前後方向Xは、ステアリングコラム装置1や車体の前後方向であって、図1では紙面に直交する方向である。また、図1において、紙面下側が車体の下側であり、紙面上側が車体の上側である。
【0016】
ステアリングシャフト2は、上下方向(厳密には、後上側)へ延びる円筒状または円柱状である。ステアリングシャフト2の上端2Aには、前述した操舵部材7が取り付けられている。一方、ステアリングシャフト2の下端2Bには、第1自在継手9が取り付けられている。
中間シャフト3は、上下方向(厳密には、後上側)へ延びる円筒状または円柱状である。中間シャフト3の上端3Aには、第1自在継手9が連結されている。一方、中間シャフト3の下端3Bには、第2自在継手10が連結されている。
【0017】
ピニオン軸4は、軸方向Zに延びる円筒状または円柱状である。軸方向Zにおけるピニオン軸4の一端(上端)4Aには、第2自在継手10が連結されている。一方、ピニオン軸4の他端(下端)4Bには、ピニオン4Cが一体的に設けられている。
ラック軸5は、左右方向Yに沿って長手であり、左右方向Yにおける所定範囲内において左右方向Yに沿ってスライド可能である。ラック軸5の長手方向途中(ここでは、長手方向中央)には、ラック5Aが当該長手方向に亘って形成されている。ピニオン4Cとラック5Aとが噛み合っており、ラックアンドピニオン機構(舵取機構)が構成されている。ラック軸5の長手方向両端5Bには、タイロッド11が連結されている。タイロッド11は、ラック軸5とは逆側の端部において、リンクピン12を介してナックルアーム13の一方の端部と連結されている。ナックルアーム13の他方の端部には、転舵輪8に取り付けられている。
【0018】
したがって、操舵部材7を操舵して回転させると、ステアリングシャフト2は、操舵部材7と一体的に、ステアリングシャフト2の軸方向に沿った回転中心回りに回転する。そして、ステアリングシャフト2の回転トルクは、第1自在継手9を介して中間シャフト3に伝達される。さらに、この回転トルクは、中間シャフト3から第2自在継手10を介してピニオン軸4およびピニオン4Cに伝達される。このように、操舵部材7を回転させると、ステアリングシャフト2、中間シャフト3、ピニオン軸4およびピニオン4Cが操舵部材7と共回りする。そして、ピニオン軸4およびピニオン4Cの回転に伴ってラック軸5が左右方向Yにおけるいずれかへスライドする。つまり、ピニオン軸4は、ラックアンドピニオン機構(舵取機構)への入力軸として機能している。ラック軸5のスライドに連動して、転舵輪8のナックルアーム13においてタイロッド11につながった部分がラック軸5のスライド方向へ変位する。これに伴って、転舵輪8は、転舵する。
【0019】
ここで、ピニオン軸4の上端4A付近には、ピニオン軸4の径方向(軸方向Zに対する直交方向)に広がる仕切板14が設けられている。仕切板14は、車体の一部をなすパネル(車台パネル)であり、図1では車体の内部空間を上下に二分している。ここで、車体の内部空間における上側(操舵部材7側)領域を車室15と定義し、車体の内部空間における下側(転舵輪8側)領域を外部16と定義する。外部16は、たとえばエンジンルームであって、車体の外(たとえば路面)からの異物(水等)が比較的侵入しやすい領域であり、逆に、車室15は、異物の侵入を極力抑えたい領域である。なお、車室15は、車両において人が居る空間だけに限らない。このように、仕切板14は、車室15の内外を車室15と外部16とに仕切っている。また、仕切板14には、挿通孔14Aが形成されている。挿通孔14Aは、仕切板14を厚み方向に貫通する空間であり、仕切板14の厚み方向から見て円形である。挿通孔14Aには、ピニオン軸4の一部(上端4A側部分)が挿通されている。つまり、ピニオン軸4は、車室15と外部16とに跨って配置されている。言い換えると、ピニオン軸4の上端4Aは、車室15に配置され、下端4Bは、外部16に配置されている。また、図1において、ラック軸5は、外部16に配置されている。このように、ピニオン軸4とラック軸5とで構成された舵取機構では、ピニオン軸4の下端4B側とラック軸5とが、車室15の外部16(車室15の外)に配置されている。また、ステアリングシャフト2と中間シャフト3とは、車室15に配置されている。ここで、仕切板14における外部16側の面(図1における下面)を対向面14Bとする。また、仕切板14の対向面14Bにおける挿通孔14Aの周縁を周縁部14Cとする。
【0020】
ハウジング6は、全体で例えば略T字状の中空体であり、ピニオン軸4およびラック軸5を収容する。ハウジング6は、外部16に配置されている。ハウジング6は、軸方向Zに延びるピニオンハウジング17と、左右方向Yに延びるラックハウジング18とを含んでいる。ピニオンハウジング17とラックハウジング18とは、一体形成されていてもよいし、分割可能であってもよい。
【0021】
ピニオンハウジング17は、ピニオン軸4(ピニオン4Cを除く)を覆う上側の第1部分17Aとし、ピニオン4Cを覆う下側の第2部分17Bとを含んでいる。第1部分17Aおよび第2部分17Bは、いずれも中空体であり、第1部分17Aは、左右方向Yにおいて、第2部分17Bよりも小さい。
ここで、第1部分17Aの内部空間を第1空間19とする。第1空間19は、軸方向Zに延びる円柱状であり、ピニオンハウジング17の上端17Cを軸方向Zに貫通している。つまり、ピニオンハウジング17(第1部分17A)は、上端17Cにおいて開口17Dを有している。ピニオンハウジング17(第1部分17A)における開口17Dの周縁部17E(第1部分17Aの上端面)は、仕切板14の対向面14Bにおける挿通孔14Aの周縁部14Cに対して、間隔を隔てて下から対向配置されている。また、ピニオンハウジング17(第1部分17A)の外周面には、符号「17F」を付することにする。
【0022】
ピニオンハウジング17の第1部分17Aは、第1空間19において、ピニオン軸4を収容している。ピニオン軸4は、第1部分17Aの開口17Dから上側(操舵部材7側)に向かってはみ出している。つまり、開口17Dは、ピニオン軸4の一部を車室15側へ露出させている。さらに、前述したとおり、ピニオン軸4の上端4Aは、車室15に配置されている。このように、ピニオン軸4は、開口17Dおよび挿通孔14Aに挿通されており、車室15まで延びている。
【0023】
一方、第2部分17Bの内部空間を第2空間20とする。第2空間20は、軸方向Zに延び、第1空間19よりも大径の円柱状である。第2空間20には、ピニオン4Cが収容されている。第1空間19と第2空間20とは、ピニオン軸4の下端4B付近(正確には下端4Bよりも車体の下側)で連通している。
ラックハウジング18は、左右方向Yに延びる円柱状の第3空間18Aを有している。第3空間18Aに、ラック軸5全体が収容される。第3空間18Aは、ラックハウジング18の両端部18Bを貫通している。つまり、ラックハウジング18の両端部18Bには、開口18Cが形成されている。開口18Cには、タイロッド11が挿通されている。第3空間18Aは、長手方向中央において、第2空間20と連通している。
【0024】
図2は、ステアリングコラム装置1に含まれるジョイントカバー21の側面図であって、一部を断面で示している。詳しくは、図2では、右半分が側面図であって、左半分が断面図である。
ここで、図2におけるジョイントカバー21の向きは、図1での向きと一致している。そのため、図2における上下方向は、図1における上下方向(軸方向Z)と一致している。また、図2における左右方向は、図1における左右方向Yと一致している。また、図2における紙面と直交する方向は、図1における前後方向Xと一致している。図2における上側は、図1における操舵部材7側(車体の上側)である。また、図2における下側は、図1における転舵輪8側(車体の下側)である。
【0025】
以下では、図1に加えて図2も参照して説明する。
まずは、図1を参照して、ピニオンハウジング17の開口17Dと仕切板14の挿通孔14Aとの間には、ジョイントカバー21が設けられている。詳しくは後述するが、ジョイントカバー21は、仕切板14の挿通孔14Aの周縁部14Cを封止することによって、挿通孔14A経由での外部16から車室15への塵埃、水等の異物の侵入を防ぐものである。
【0026】
図2を参照して、ジョイントカバー21は、台座22と、伸縮層23と、シール層24と、補強層25という環状の部品を含んでいる。台座22の中空部分には、ピニオンハウジング17およびピニオン軸4が挿通される(後述する図4参照)。台座22は、筒部26とフランジ部27とを含んでいる。
図3は、ジョイントカバー21、ピニオン軸4およびピニオンハウジング17を同軸状に並べた分解斜視図である。
【0027】
以下では、図1および図2に加えて図3も参照して説明する。
ここで、図3におけるピニオン軸4の軸方向Zは、図2の軸方向Zと一致している。図3における軸方向Zの手前側は、図2における上側である。また、ピニオン軸4の回転方向を周方向Cとし、ピニオン軸4の径方向(軸方向Zと垂直な方向)には、符号「R」を付すことにする。図3では、台座22と、伸縮層23と、シール層24と、補強層25とは、同軸状(ピニオン軸4の軸方向Z上)に並んでおり、これらを組み付けると図2に示した状態となる。
【0028】
図2および図3を参照して、筒部26は、軸方向Zに延びている。筒部26において、軸方向Zにおける一端部(上端部)には、符号「26A」を付し、軸方向Zにおける他端部(下端部)に符号「26B」を付す。また、筒部26の内周面26Cは、軸方向Zから見て円形状である。また、筒部26の外周面には符号「26D」を付することにする。内周面26Cによって区画される内部空間26Eは、筒部26を両端部(26A、26B)において貫通している。
【0029】
フランジ部27は、(筒部26の内部空間26Eに収容される)ピニオン軸4まわりの周方向Cに沿って筒部26を取り囲む円環体である。フランジ部27の軸方向Zにおける両端面のうち、図3において大きく見える面(図2では、軸方向Zの上側の面)を上面27Aとし、もう一方(反対側)の面を下面27Bとする。上面27Aは、径方向Rに沿って平坦である。図2も参照して、上面27Aにおける径方向Rの外側の端部(外縁部)には、第1リブ27Cが周方向Cの全域において形成されている。また、上面27Aにおける径方向Rの内側の端部(内縁部)には、第2リブ27Dが周方向Cの全域において形成されている。第1リブ27Cおよび第2リブ27Dは、上側に向かって突出している。また、フランジ部27の内周面27Eは、軸方向Zから見て円形状である。内周面27Eは、第2リブ27Dの内周面と同径であり、一体的に形成されている。フランジ部27は、下面27Bにおいて筒部26における上端部26Aと接続されている。フランジ部27の内周面27Eは、筒部26の内周面26Cと同軸状に並んでおり、内周面26Cよりも小径である。そのため、フランジ部27と筒部26との接続部分には、段付き28が形成されている。また、フランジ部27の下面27Bと筒部26の外周面26Dとは、周方向Cの全周に並ぶように複数形成された補強リブ29によってつながれている。補強リブ29は、フランジ部27側へ向けて外周面26Dから径方向Rに広がる三角形状である。
【0030】
図3を参照して、伸縮層23は、軸方向Zに延びる円環状であり、発泡性ポリウレタンフォーム等によって形成されている。伸縮層23は、弾性変形可能であり、少なくとも軸方向Zに伸縮可能である。伸縮層23の軸方向Zにおける両端面のうち、図3において大きく見える面(図2では、上側の面)を上面23Aとし、もう一方(反対側)の面を下面23Bとする。上面23Aおよび下面23Bは、共に径方向Rに沿って平坦である。伸縮層23の内周面には、符号「23C」を付することにする。また、伸縮層23の外周面には、符号「23D」を付することにする。
【0031】
シール層24は、軸方向Zに沿って厚みを有するクロロプレンゴム等で形成された弾性の環状体である。シール層24は、平面に対して押し当てられることで密着可能である。シール層24の軸方向Zにおける両端面のうち、図3において大きく見える面(図2では、上側の面)を上面24Aとし、もう一方(反対側)の面を下面24Bとする。上面24Aおよび下面24Bは、共に径方向Rに沿って平坦である。シール層24の内周面には、符号「24C」を付することにする。また、シール層24の外周面には、符号「24D」を付することにする。
【0032】
補強層25は、軸方向Zに沿って厚みを有する円環体である。補強層25は、シール層24よりも硬度が高い材料(ポリプロピレン等)を用いた硬質層である。補強層25の軸方向Zにおける両端面のうち、図3において大きく見える面(図2では、上側の面)を上面25Aとし、もう一方(反対側)の面を下面25Bとする。上面25Aおよび下面25Bは、共に径方向Rに沿って平坦である。補強層25の上面25Aにおける径方向Rの内側の端部(内縁部)には、ガイド30が周方向Cにおける全域において形成さている。ガイド30は、当該内周部と同径の筒状(円筒状)をなしていて、補強層25と一体化されている。つまり、ガイド30は、補強層25と同一の材料(少なくとも、シール層24よりも硬度が高い材料)で一体形成されている。これにより、部品点数が削減されるため、ジョイントカバー21のコスト低減が可能となる。
【0033】
図2を参照して、ガイド30は、軸方向Zに沿って上側に向かって延びている。厳密には、ガイド30は、上側へ延びつつ、軸方向Zに対して径方向Rの内側へ所定角度(たとえば3度)だけ傾斜している。このように、ガイド30は、軸方向Zの上側に向かって徐々に縮径するテーパー形状となっている。ガイド30は、補強層25とほぼ同じ厚みで形成されている。また、ガイド30の内周面は、補強層25の内周面25Cと一体化している。そのため、補強層25の内周面25Cは、軸方向Zの上側に向かって徐々に縮径するテーパー形状になっている。また、ガイド30の軸方向Zの上側端部には、面取り30Aが周方向Cの全周に亘って形成されている。面取り30Aは、ガイド30の上端面30Bとガイド30の外周面30Cとを面取り(ここでは、C面取り)することで形成されている。
【0034】
次に、ジョイントカバー21の構造について説明する。前述したとおり、図2は、図3の各部品を組み合わせた状態を示した図である。
伸縮層23は、台座22におけるフランジ部27の上面27Aに下面23Bを向けて設置されている。この状態で、伸縮層23の内周面23Cは、フランジ部27の第2リブ27Dと周方向Cの全周に亘って接している。また、伸縮層23の外周面23Dは、フランジ部27の第1リブ27Cと周方向Cの全周に亘って接している。つまり、伸縮層23は、第1リブ27Cと第2リブ27Dとの間に圧入されつつ、フランジ部27の上面27Aに接触しており、これによって、伸縮層23は、フランジ部27に対して同軸状で固定されている。なお、伸縮層23をフランジ部27に対して強固に固定するために、伸縮層23とフランジ部27との間には、接着剤が介在されていてもよい。なお、伸縮層23とフランジ部27との接合部分は、密封されている。
【0035】
補強層25は、伸縮層23の上面23Aに固定(接着)されている。このとき、補強層25の下面25Bの全域が、伸縮層23の上面23Aに面接触している。図2では、補強層25の内周面25Cは、伸縮層23の内周面23Cよりも径方向Rの外側に位置している。なお、補強層25と伸縮層23との接合部分は、密封されている。
シール層24は、補強層25の上面25Aに固定(接着)されている。シール層24の下面24Bの全域が、補強層25の上面25Aに面接触している。さらに、シール層24の内周面24Cは、ガイド30の外周面30Cに対して径方向Rにおける外側から全周に亘って面接触している。つまり、ガイド30は、シール層24の内周面24C(内周部)に沿って設けられていて、シール層24の上面24Aよりも上方へ突出している。なお、シール層24と補強層25との接合部分は、密封されている。
【0036】
このように、いずれも環状体である台座22、伸縮層23、シール層24および補強層25で構成されたジョイントカバー21は、全体として略円柱状の内部空間を有する中空部材である。ジョイントカバー21の内部空間において、フランジ部27の下面27B(段付き28)よりも上側を上側空間21Aとする。また、ジョイントカバー21の内部空間においてフランジ部27の下面27B(段付き28)よりも下側を下側空間21Bとする。この状態で、下側空間21Bは、筒部26の内部空間26Eと同じ部分を示している。
【0037】
図4は、仕切板14に対してジョイントカバー21を組み付ける前の状態におけるステアリングコラム装置1の要部を示した断面図である。
以下では、図1図3に加えて図4も参照して説明する。
次に、車体(仕切板14)に対するジョイントカバー21の組み付けについて説明する。
【0038】
図4を参照して、まず、ジョイントカバー21は、ピニオンハウジング17に対して、筒部26の下端部26Bを下側に向けた状態で外嵌される。詳述すると、ジョイントカバー21の下側空間21Bに対して、ピニオンハウジング17の上端17C側が下から圧入されている。この状態で、ピニオンハウジング17では、外周面17Fが筒部26における内周面26Cと面接触していて、上端17Cがフランジ部27の下面27B(段付き28)に対して下から当接している。これによって、ピニオンハウジング17は、ジョイントカバー21(詳しくは、台座22の筒部26)に対して固定されている。ピニオンハウジング17の上端17Cには開口17Dが形成されていることから、筒部26は、ピニオンハウジング17の開口17Dに対して嵌め合わされた状態になっており、筒部26には、ピニオンハウジング17内のピニオン軸4が挿通された状態になっている。
【0039】
前述したように、ピニオン軸4は、ピニオンハウジング17の開口17Dから車体の上側へ向かって露出している。ジョイントカバー21の内部では、上側空間21Aが、下側空間21Bに対して上側から連続している。そのため、ピニオン軸4においてピニオンハウジング17から露出した部分(露出部分4Dとする)は、上側空間21A内に収容されている。
【0040】
次に、ピニオン軸4の上端4Aを上側に向けた状態でピニオン軸4を仕切板14の挿通孔14Aに挿入する。すると、ピニオン軸4では、上側空間21Aに収容された部分よりも上側の部分(上端4A側の部分)が、前述した仕切板14の挿通孔14Aに挿通された状態となる。この状態のジョイントカバー21では、ガイド30は、最も仕切板14側(つまり、シール層24よりも仕切板14側)へ突出している。また、この状態では、フランジ部27の上面27Aおよび伸縮層23の上面23Aは、仕切板14の対向面14Bおよび周縁部14Cに対して間隔を隔てて下から対向配置されている。このことから、伸縮層23が、仕切板14に対向する面(上面27A)に設けられていることが分かる。また、シール層24は、伸縮層23において仕切板14と対向する面(上面23A)に設けられていることも分かる。
【0041】
図5は、仕切板14に対してジョイントカバー21を組み付けた状態におけるステアリングコラム装置1の要部を示した断面図である。
以下では、図1図4に加えて図5も参照して説明する。
図4の状態から、ピニオンハウジング17およびジョイントカバー21を上昇させ、仕切板14に近づけていく。すると、ジョイントカバー21では、ガイド30が仕切板14の対向面14Bに対して最初に接触する。この状態で、作業者は、ガイド30が仕切板14の挿通孔14Aに対して下から挿入されるように、ジョイントカバー21を仕切板14に対して前後方向Xおよび左右方向Yのそれぞれに位置決めを行う。ここで、前述したように、ガイド30は、車体の上側(仕切板14側)に突出している。仕切板14に対してジョイントカバー21の組み付けを行う作業者は、仕切板14の挿通孔14Aに対してガイド30が挿入されたことを目視することで、ジョイントカバー21が仕切板14に対して正しく位置決めされたことを確認できる。また、ガイド30は、シール層24よりも硬度が高い材料で形成されている。そのため、ガイド30は、挿通孔14Aの周縁部14Cに押し当てられたとしても、撓むことなく挿通孔14Aに挿通される。これにより、ガイド30は、仕切板14に対してジョイントカバー21を確実に位置決めすることができる。また、ガイド30の外周面30Cの外径は、挿通孔14Aに対してガイド30が挿入可能な程度に挿通孔14Aの外径よりもわずかに小さく設定されている。そのため、ガイド30は、挿通孔14Aに対して挿入される。この挿入は、ガイド30に設けられたテーパー形状および面取り30Aによって滑らかに行うことができる。
【0042】
次に、ガイド30が挿通孔14Aに対して挿入された状態から、ピニオンハウジング17をさらに上側へ移動させる。これにより、ジョイントカバー21は、仕切板14における正しい位置に対して正しい姿勢で組み付けられる。これにより、シール層24には、変な力が作用することなく、シール層24は、仕切板14と平行な姿勢で周縁部14Cと密着することができる。これにより、仕切板14における挿通孔14Aの周縁部14Cに密着するシール層24に皺が発生することを防止できる。その結果、ジョイントカバー21は、密封性を保った状態で仕切板14に取り付けられる。
【0043】
さらに、シール層24と伸縮層23との間には、シール層24よりも硬度が高い補強層25が設けられている。そのため、シール層24が挿通孔14Aの周縁部14Cに斜めから押し当てられることによりシール層24と周縁部14Cとの間に摩擦が発生した場合でも、シール層24の形状は、補強層25によって平坦に保たれる。つまり、シール層24の姿勢は、補強層25に補強されることによって、比較的安定している。そのため、シール層24における皺の発生を防止できる。
【0044】
上面24Aが周縁部14Cに接触した後もピニオンハウジング17をさらに上側へ移動させると、伸縮層23は、仕切板14とフランジ部27とによって挟まれることによって、軸方向Zに縮む。つまり、伸縮層23は、仕切板14とフランジ部27との間で圧縮される。
図5を参照して、ピニオンハウジング17が図5に示す所定の組み付け位置(ピニオン軸4の上端4Aが第2自在継手10と連結可能な位置)に到達すると、車体に対するピニオンハウジング17の組み付けが完了するとともに、仕切板14に対するジョイントカバー21の組み付けも完了する。仕切板14に組み付けられたジョイントカバー21において、伸縮層23は、所定の圧縮状態(図5に示した状態)まで圧縮されている。そのため、シール層24は、圧縮状態の伸縮層23によって、仕切板14の周縁部14Cに押し付けられて周縁部14Cに対して周方向C(図3参照)の全周に亘って密着した状態となる。そのため、ジョイントカバー21の姿勢が多少ずれていても、伸縮層23が変形することによって、ジョイントカバー21の姿勢のずれを吸収するので、これによっても、シール層24における皺の発生を防止できる。また、シール層24は、前述したとおり弾性体で形成されているため、仕切板14の周縁部14Cに凹凸があった場合も、その凹凸に追従することによって密封性を確保できる。また、この状態では、ピニオン軸4は、仕切板14の挿通孔14Aとピニオンハウジング17の開口17Dとの間において、フランジ部27(台座22)と伸縮層23とシール層24と補強層25とによって取り囲まれている。仕切板14の挿通孔14A(厳密には周縁部14C)とピニオンハウジング17の開口17D(厳密には周縁部17E)との間は、フランジ部27(台座22)と伸縮層23とシール層24と補強層25とによって密封されている。また、前述したとおり、ピニオンハウジング17は、筒部26に対して圧入されている。つまり、ジョイントカバー21は、ピニオンハウジング17における開口17Dを仕切板14に形成された挿通孔14Aに対して隙間なく連結している。言い換えると、ピニオン軸4の露出部分4Dおよびピニオンハウジング17の開口17Dは、ジョイントカバー21によって、外部16から遮断されつつ、車室15側に連通した状態となっている。そのため、外部16に存在する水や塵埃等が仕切板14の挿通孔14A経由で車室15に侵入することを防ぐことができる。このように、本発明によって、ジョイントカバー21と仕切板14との間での密封性の向上を図ることができる。
【0045】
車両は、このようにジョイントカバー21が組み付けられた状態で走行する。車両が走行する際、転舵輪8からラックアンドピニオン機構(舵取機構)に振動が伝達される(図1も参照)。そのため、転舵輪8から直接振動を受けるハウジング6およびピニオン軸4と車体(仕切板14)とは、別々に振動する。そのため、ピニオンハウジング17と、仕切板14の距離Aは、振動に応じて変化する。伸縮層23には、前述したとおり伸縮性が高い材料を用いているため、この振動に追従して伸縮することができる。そのため、シール層24の上面24Aと仕切板14の周縁部14Cとの間に隙間を発生させることなく、シール層24と周縁部14Cとの密閉性を保つことができる。また、ガイド30は、挿通孔14Aに挿入されているため、この振動を受けてもジョイントカバー21は所定の位置から前後方向Xおよび左右方向Yにずれて挿通孔14Aから外れることがない。そのため、ジョイントカバー21と仕切板14との密着する面(接合部分)およびジョイントカバー21の外形のそれぞれを最小限に設計することができる。
【0046】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、補強層25とガイド30とは、別体として設けられていてもよい。この場合、使用環境に応じて、補強層25の材料とガイド30の材料とを別々に変更することができる。
【0047】
また、ジョイントカバー21が補強層25を含んでいない構成もあり得る。この場合、ジョイントカバー21をより低コストで構成することが可能となる。
また、補強層25は、金属で形成されていてもよい。この場合、補強層25の硬度は、樹脂に比べて高くなる。そのため、補強層25は、ジョイントカバー21と仕切板14との位置決めに関連したシール層24の皺の発生をより効果的に抑えることができる。
【0048】
また、ガイド30は、金属で形成されていてもよい。この場合、ガイド30は、外力を受けても変形しにくくなり、挿通孔14Aに対してより確実に位置決めされる。当然ながら、補強層25とガイド30とは、一体的に形成された金属であってもよい。
また、前述した実施形態のように仕切板14と筒部26とが直交している場合もあれば(図5参照)、そうでない場合もある。たとえば、筒部26が仕切板14に対して傾斜して延びるように配置される場合がある。この場合、フランジ部27は、筒部26の軸方向に対して(90度以外の交差角度で)傾いて設けられていても良い。この場合でも、フランジ部27の上面27Aが仕切板14の対向面14Bに対して平行となるようにジョイントカバー21が仕切板14に組み付けられれば、シール層24と周縁部14Cとの間の密封性を保つことが出来る。
【0049】
また、ガイド30は、挿通孔14Aに圧入されていてもよい。その場合は、ガイド30の外周面30Cと、仕切板14における挿通孔14Aの内周面14Dに密着する。そのため、ジョイントカバー21は、ピニオンハウジング17と仕切板14とを効果的に密封することができる。
また、本発明におけるジョイントカバー21は、ピニオン軸4に適用するものに限られるものではなく、ステアリングコラム装置1の任意の位置(例えば、中間シャフト3が車体側の板状部材の挿通孔に挿通される場合における当該挿通孔部分)にも応用可能である。
【符号の説明】
【0050】
4…ピニオン軸、14…仕切板、14A…挿通孔、14C…周縁部、15…車室、16…外部、17…ピニオンハウジング、17D…開口、21…ジョイントカバー、22…台座、23…伸縮層、24…シール層、24C…内周面、25…補強層、26…筒部、27…フランジ部、30…ガイド、C…周方向
図1
図2
図3
図4
図5