(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156704
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】ポンピング式チューブ容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20170626BHJP
B65D 35/40 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D35/40
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-533188(P2014-533188)
(86)(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公表番号】特表2014-531370(P2014-531370A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】KR2012007429
(87)【国際公開番号】WO2013048044
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0098868
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505475921
【氏名又は名称】ヨンウー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソン−ウン
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−024544(JP,U)
【文献】
米国特許第05183185(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 47/34
B65D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ型に構成されて、内部に内容物が収容されるチューブ本体と、
前記チューブ本体の上端部に結合されて、チューブ本体を支持するチューブネックと、
前記チューブネックに結合されて、ポンピング部材を支持する支持体と、
前記支持体に支持され、チューブ本体と連通されて、チューブ本体に収容された内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするポンピング部材とを含むポンピング式チューブ容器において、
前記ポンピング部材の下端にはポンピング部材の下方向に延長されて、内容物を吸い込む吸入管が備えられ、
前記吸入管は、チューブ本体に収容された前記内容物を使用するため前記ポンピング部材が最初に作用する時に空打ちを最小化するために、前記チューブ本体を斜めに傾斜させた状態で前記吸入管の下端部が前記内容物に浸る状態が保持されるほどの長さに形成され、前記内容物に浸った前記吸入管の下端部長さL1は前記内容物に浸らない吸入管の長さL2より短く形成されるように構成されることを特徴とするポンピング式チューブ容器。
【請求項2】
チューブ型に構成されて、内部に内容物が収容されるチューブ本体と、
前記チューブ本体の上端部に結合されて、チューブ本体を支持するチューブネックと、
前記チューブネックに結合されて、ポンピング部材を支持する支持体と、
前記支持体に支持され、チューブ本体と連通されて、チューブ本体に収容された内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするポンピング部材とを含むポンピング式チューブ容器において、
前記ポンピング部材の下端にはポンピング部材の下方向に延長される結合部と、前記結合部に結合されて内容物を吸い込む吸入管とを含み、
前記吸入管は、チューブ本体に収容された前記内容物を使用するため前記ポンピング部材が最初に作用する時に空打ちを最小化するために、前記チューブ本体を斜めに傾斜させた状態で前記吸入管の下端部が前記内容物に浸る状態が保持されるほどの長さに形成され、前記内容物に浸った前記吸入管の下端部長さL1は前記内容物に浸らない吸入管の長さL2より短く形成されるように構成されることを特徴とするポンピング式チューブ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポンピング式チューブ容器に関するもので、さらに詳しくは、ポンピング部材の下方向に延長され、その下端部が内容物に浸るように位置する吸入管が備えられることによって、ポンピング部材のポンピング作用の時空打ちを最少化することができるので、使用者に便宜を提供することができるポンピング式チューブ容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ポンピング式チューブ容器は、内容物が収容されるチューブ本体の上端部にポンピング部材が位置して、ポンピング部材のポンピング作用を通じて内容物が外部に排出されるように構成されたもので、このようなポンピング式チューブ容器は、
図1及び2に示したように、チューブ型に構成されて、内部に内容物が収容されるチューブ本体10と、上記チューブ本体10の上端部に結合されて、チューブ本体10を支持し、上記内容物が排出される排出部が形成されるチューブネック20と、上記チューブネック20に結合されて、ポンピング部材40を支持する支持体30と、上記支持体30に支持されて内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするポンピング部材40と、上記ポンピング部材40を囲み、支持体30に着脱可能に結合されるオーバーキャップ60とで構成される。
【0003】
上記のようなポンピング式チューブ容器は、
図1に示したように、チューブ本体10を逆様にした状態で、チューブ本体10の内部に内容物を充填させた後、その下端部11をシーリングして仕上げ処理をするが、内容物を最後まで充填させた後、シーリング作業を行う場合、内容物がチューブ本体10の外部に溢れたりシーリング面に内容物が付いて円滑に接着を行うことができなくてシーリング作業が難しくなる。
【0004】
そこで、シーリング作業を容易にするように、シーリング作業のための空間を確保のために、所定高さだけ内容物を充填させる。
【0005】
上記のように、内容物の充填を完了して、シーリング作業が終わった状態で容器を立て直すと、
図2に示したように、シーリング作業のために、内容物が充填されていないチューブ本体10内に空間が形成される。これによって、内容物を排出させるために、ポンピング部材40を作動させる際に空打ちが発生されて、内容物が円滑に排出されなくなり、内容物を排出させるために、使用者が数回ポンピング作動をしなければならないという煩わしい問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、ポンピング部材の下方向に延長され、その下端部が内容物に浸るように位置する吸入管が備えられることによって、ポンピング部材のポンピング作用の時、空打ちを最少化することができるので、使用者に便宜を提供することができるポンピング式チューブ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題点を解決するために、本発明によるポンピング式チューブ容器は、チューブ型に構成され、内部に内容物が収容されるチューブ本体と、上記チューブ本体の上端部に結合されて、チューブ本体を支持するチューブネックと、上記チューブネックに結合されて、ポンピング部材を支持する支持体と、上記支持体に支持され、チューブ本体と連通されてチューブ本体に収容された内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするポンピング部材とを含むポンピング式チューブ容器において、上記ポンピング部材の下端にはポンピング部材の下方向に延長されて、内容物を吸い込む吸入管が備えられ、上記吸入管の下端部は内容物に浸るように構成されることを特徴とする。
【0008】
また、チューブ型に構成されて、内部に内容物が収容されるチューブ本体と、上記チューブ本体の上端部に結合されて、チューブ本体を支持するチューブネックと、上記チューブネックに結合されて、ポンピング部材を支持する支持体と、上記支持体に支持され、チューブ本体と連通されて、チューブ本体に収容された内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするポンピング部材とを含むポンピング式チューブ容器において、上記ポンピング部材の下端にはポンピング部材の下方向に延長される結合部と、上記結合部に結合されて、内容物を吸い込む吸入管とを含み、上記吸入管の下端部は内容物に浸るように構成されることを特徴とする。
【0009】
また、上記吸入管はチューブ本体を斜めに傾斜させた状態で、吸入管の下端部が内容物に浸る状態が保持されるほどの長さに形成され、内容物に浸った吸入管の下端部長さL1は内容物に浸らない吸入管の長さL2より短く形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上、上述したように、本発明によれば、ポンピング部材の下方向に延長され、その下端部が内容物に浸るように位置する吸入管が備えられることによって、ポンピング部材のポンピング作用の時、空打ちを最少化することができるので、使用者に便宜を提供することができるという効果を奏する。
【0011】
また、内容物に浸る吸入管の長さを最適化することによって、チューブ本体を所定角度傾斜させた状態でも円滑に内容物を排出することができ、また、材料を節減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】従来技術におけるポンピング式チューブ容器の構成を示した断面図である。
【
図2】従来技術におけるポンピング式チューブ容器の構成を示した断面図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例によるポンピング式チューブ容器の構成を示した斜視図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例によるポンピング式チューブ容器の使用状態を示した状態図である。
【
図5】本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器の構成を示した斜視図である。
【0013】
【
図6】本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器の使用状態を示した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。各図面に提示された同じ符号は同じ部材を現わす。
【0015】
図3は本発明の好ましい実施例によるポンピング式チューブ容器の構成を示した斜視図であり、
図4は本発明の好ましい実施例によるポンピング式チューブ容器の使用状態を示した状態図である。
【0016】
図3及び4によれば、本発明の好ましい実施例によるポンピング式チューブ容器は、チューブ本体100、チューブネック200、支持体300、ポンピング部材400、ボタン部500、オーバーキャップ600及び吸入管700が含まれる。
【0017】
上記チューブ本体100は、内部に内容物aが収容されるチューブ型に構成されたもので、内容物aが収容されるように空間が形成され、内容物aが充填された状態で、その下端部が閉鎖されるようにシーリング処理されるシーリング部110が形成される。
【0018】
上記チューブネック200は、上記チューブ本体100の上端部に結合されて、チューブ本体100を支持するもので、中央部には後述するポンピング部材400が結合されることができるように中空が形成されることが好ましい。
【0019】
上記支持体300は、上記チューブネック200に結合されて、ポンピング部材400を支持するもので、その外側にはボタン部500の誤作動を防止するために後述するオーバーキャップ600が結合される。
【0020】
上記ポンピング部材400は、上記支持体300に支持され、チューブ本体100と連通されて、チューブ本体100に収容された内容物が外部に排出されるようにポンピング作用をするもので、上記チューブネック200の中空に結合され、内側下端にチェックバルブ411が備えられるポンプハウジング410と、一側は後述するボタン部500の内側に結合され、他側は上記ポンプハウジング410の内側に位置して、ボタン部500の上下移動によって移動するステム420と、上記ステム420の下部に結合されるピストンロッド430と、上記ピストンロッド430の下部でピストンロッド430の外周面を囲んで結合されて、ポンプハウジング410の内壁に沿って移動するシールキャップ440と、上記ステム420の周りを囲んで結合されて、ボタン部500が繰り返し的にポンピングができるように、上方に弾性力を提供するスプリング450とで構成される。
【0021】
上記ボタン部500は、上記ポンピング部材400のステム420の上部に結合されるもので、使用者の加圧によって上下に移動し、ポンピング部材400のポンピング作用が可能にする。
【0022】
上記オーバーキャップ600は、上記支持体300及びボタン部500を囲み、支持体300に着脱可能に結合されるもので、普段には上記支持体300に結合されて、ボタン部500の誤作動を防止し、使用の時には上記支持体300から脱離されて、ボタン部500の加圧を通じるポンピング作用を可能にする。
【0023】
上記吸入管700は、上記ポンピング部材400の下端からポンピング部材400の下方向に延長されて内容物を吸い込むもので、本発明において、上記吸入管700は吸入管700の下端部が内容物に浸るようにポンプハウジング410の下端から下方向に延長して形成されることが特徴である。
【0024】
上記吸入管700は、その下端部がチューブ本体100に収容された内容物aに浸るように構成されることによって、ポンピング部材400が最初ポンピング作用の時、内容物aが吸入管700の内部に直ちに吸入されることができるので、空打ちを最少化させることができる。
【0025】
一方、上記吸入管700は、長さが短く形成されて、内容物aに浸らない場合、ポンピング部材400のポンピング作用の時、吸入管700に内容物を吸い込むための空打ちがたくさん発生し、長さが長く形成される場合、ポンピング部材400のポンピング作用の時、吸入管700の長さだけ空打ちが発生するので、その長さを最適化させることが好ましい。
【0026】
また、上記吸入管700は、
図4に示したように、使用者がチューブ本体100を斜めに傾斜させた状態で製品を用いる場合にも内容物aを円滑に排出することができるように、吸入管700の下端部が内容物aに浸った状態が保持されるほどの長さに形成された方が好ましい。
【0027】
上記のように、上記吸入管700はあまり長くもなくて短くもない最適な長さで構成されることが可能になるように、
図3に示したように、内容物に浸る吸入管700の下端部の長さL1が内容物に浸らない吸入管700の長さL2より短く形成されるように構成されることが好ましい。
【0028】
以下では、
図5及び6を参照して本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器を説明する。
【0029】
図5は本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器の構成を示した斜視図であり、
図6は本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器の使用状態を示した状態図である。
【0030】
図5及び6によれば、本発明のまた他の実施例によるポンピング式チューブ容器は、ポンピング部材400の下端から下方向に延長して形成されて、内容物を吸い込む吸入管700`を支持する結合部412が備えられることが特徴であり、上記結合部412は吸入管700`の上部を囲んで支持するように、ポンプハウジング410の下端から下方向に延長して形成されることによって、上記吸入管700`の結合の時に吸入管700`がチューブ本体100の内部に脱離されることを防止する。
【0031】
その他の構成は本発明の好ましい実施例で説明されたのと同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0032】
図面及び明細書に最適な実施例が開示された。ここで特定用語を用いたが、これは本発明を説明するための目的で用いられたものであって、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するためのものではない。従って、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解すべきである。また、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。