特許第6156757号(P6156757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6156757クロックを同期するための方法、システム、および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156757
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】クロックを同期するための方法、システム、および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   H04L7/00 930
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-533426(P2015-533426)
(86)(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公表番号】特表2015-534380(P2015-534380A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】CN2013082897
(87)【国際公開番号】WO2014048229
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年5月11日
(31)【優先権主張番号】201210370446.4
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】李 浩
(72)【発明者】
【氏名】幸 俊
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲曉▼宇
(72)【発明者】
【氏名】衷 ▲チィ▼翔
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−219850(JP,A)
【文献】 特開平09−219687(JP,A)
【文献】 特開2000−216741(JP,A)
【文献】 米国特許第06707828(US,B1)
【文献】 特表平11−506591(JP,A)
【文献】 米国特許第06185216(US,B1)
【文献】 特開平10−271100(JP,A)
【文献】 米国特許第06163551(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのクロック信号を受信するステップであって、前記少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、前記クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信されるステップと、
同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、前記少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するステップと、
前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するステップと、
前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属する場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するステップと、
を含み、
前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループ内の全ての前記クロック信号のクロック品質レベル情報が前記スタンバイ・クロック信号の前記クロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するステップをさらに含む、クロックを同期するための方法。
【請求項2】
前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を前記現在追跡されているクロック信号として選択するステップは、
前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を前記現在追跡されているクロック信号として選択するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、前記クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って前記現在追跡されているクロック信号として再選択するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
信号受信モジュール、ソース・グループ設定モジュール、信号選択モジュールおよび信号フィードバック・モジュールを備えたネットワーク要素であって、
前記信号受信モジュールは少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成され、前記少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、前記クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信され、
前記ソース・グループ設定モジュールは同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、前記少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成され、
前記信号選択モジュールは前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成され、
前記信号フィードバック・モジュールは、前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属する場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成され
切替え保護モジュールをさらに備え、
前記切替え保護モジュールは、前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループ内の全ての前記クロック信号のクロック品質レベル情報が前記スタンバイ・クロック信号の前記クロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される、
ネットワーク要素。
【請求項5】
前記信号選択モジュールは特に、前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を前記現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される、請求項に記載のネットワーク要素。
【請求項6】
追跡切替えモジュールをさらに備え、
前記追跡切替えモジュールは、前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、前記クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って前記現在追跡されているクロック信号として再選択するように構成される、
請求項またはに記載のネットワーク要素。
【請求項7】
受信器、送信器およびプロセッサを備えたネットワーク要素であって、
前記受信器は少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成され、前記少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、前記クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信され、
前記プロセッサは同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、前記少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成され、
前記プロセッサはさらに前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成され、
前記送信器は前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属する場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成され
前記送信器はさらに、前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループ内の全ての前記クロック信号のクロック品質レベル情報が前記スタンバイ・クロック信号の前記クロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、前記現在追跡されているクロック信号が属する前記クロック・ソース・グループの中の前記クロック信号の各々にそれぞれ対応する前記双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬する前記スタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される、
ネットワーク要素。
【請求項8】
前記プロセッサは特に、前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、前記少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を前記現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される、請求項に記載のネットワーク要素。
【請求項9】
前記プロセッサはさらに、前記現在追跡されているクロック信号が前記クロック・ソース・グループに属し、前記現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、前記クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、前記クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って前記現在追跡されているクロック信号として再選択するように構成される、請求項またはに記載のネットワーク要素。
【請求項10】
請求項乃至の何れか1項に記載の少なくとも1つのネットワーク要素を備える、クロックを同期するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、発明の名称を「クロックを同期するための方法、システム、および装置」とした、2012年9月28日に出願された中国特許出願第201210370446.4号に対する優先権を主張し、その全体を引用により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は通信の分野に関し、特に、クロックを同期するための方法、システムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0003】
クロック同期は、ネットワーク同期を実現するためのデジタル・ネットワークにおける主要な技術であり、通常、マスタ・スレーブ同期モードが採用されている。一連の階層クロックが当該マスタ・スレーブ同期モードで採用されている。各レベルでのクロックがより高いレベルでクロックと同期され、最高レベルのクロックは通常はマスタ・クロックと呼ばれ、より低いレベルでのクロックは通常はスレーブ・クロックと呼ばれる。
【0004】
当該クロック同期プロセスでは、クロック追跡ループの生成を特に防止する必要がある。所謂クロック追跡ループは、クロックから、それ自体から来る直接的または間接的に来たクロック信号を追跡する現象を指す。先行技術では、標準SSM(Synchronization Status Message、同期ステータス・メッセージ)における品質レベル不使用情報QL_DNUは通常、当該クロック追跡ループの生成、即ち、ITU−T標準G.8264およびG.781で示唆される逆送信DNU(Do Not Use)機能を防止するために使用される。SSMはクロック品質レベルを示し、当該クロック品質レベルは5つのレベルに分割される。即ち、
【0005】
【表1】
【0006】
上から下へ連続的に配置された上の5個のクロック品質レベルは高から低に配置されている。即ち、QL−PRC SSM情報を運搬するクロック・ソースのクロック品質レベルは、QL−SSU−A SSM情報を運搬するクロック・ソースより高い。複数の選択可能なクロック・ソースがネットワーク要素に存在する場合には、より高い品質レベルのクロック・ソースが追跡に関して優先的に選択される。
【0007】
図1Aは、先行技術の逆送信DNU機能を使用しないネットワーク要素によりクロック同期を実装する略図を示す。本図では、ネットワーク要素NE1とNE2のアクティブなクロックとスタンバイクロックはそれぞれ(1)および(2)とラベルを付した2つのクロック信号から来る。2つのクロック信号をQL−PRCレベルのクロック・ソースにより生成された信号とし、NE2が逆送信DNU機能を使用しないとすると、通常の環境下では、(1)とラベルを付したクロック信号はNE1のタイミングとNE2のタイミングの両方に対して追跡される。次に、NE1により受信される(1)とラベルを付したクロック信号のクロック品質が低下(例えばQL−SSU−Aレベルに低下)した場合、NE1は、当該優先度(QL−PRC>QL−SSU−A)に従って、NEから来る(2)とラベルを付したクロック信号をクロック・ソースとして自動的に選択するが、実際には、NE2は常に、NE1から来る(1)とラベルを付したクロック信号をクロック・ソースとして追跡し続けており、明らかに、クロック追跡ループが生成される。
【0008】
図1Bは、先行技術の逆送信DNU機能を使用したネットワーク要素によりクロック同期を実装する略図を示す。図1Aと異なる点は、NE2が逆送信DNU機能を使用すること、即ち、NE2が、NE1から来る(1)とラベルを付したクロック信号をクロック・ソースとして追跡するとき、NE2から来てNE1により受信される(2)とラベルを付したクロック信号のクロック品質レベルがQL−PRCではなくQL−DNUであるという点である。NE1により受信された(1)とラベルを付したクロック信号のクロック品質が低下した(例えばQL−SSU−Aレベルに低下)した場合、NE1は、優先度(QL−SSU−A>QL−DNU)に従って、(1)とラベルを付したクロック信号を依然としてクロック・ソースとして選択し、NE1によりNE2に送信された、(1)とラベルを付したクロック信号のクロック品質レベルはQL−PRCからQL−SSU−Aとなり、NE2は、NE1から来る(1)とラベルを付したクロック信号のクロック品質が低下したことを発見し、優先度(QL−PRC>QL−SSU−A)に従って、(2)とラベルを付したクロック信号に切り替え、一方で、NE2によりNE1に送信された、(2)とラベルを付したクロック信号のクロック品質レベルもQL−DNUからQL−PRCになる。この時点で、NE1は、優先度(QL−PRC>QL−SSU−A)に従って、NE2から来る(2)とラベルを付したクロック信号をクロック・ソースとして自動的に選択する。このプロセスでは、クロック追跡ループは生成されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述の方法は、図1に示したような、2つのネットワーク要素の間に1つの双方向クロック追跡リンクしか存在しない環境のような環境においてのみ、クロック追跡ループを回避するために使用できるにすぎない。2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するときは、上述の方法ではクロック追跡ループの生成を効果的に回避することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
クロック追跡ループの生成が効果的に回避できないという先行技術の問題を解決するために、本発明の諸実施形態では、クロックを同期するための方法、システムおよび装置を提供する。
【0011】
第1の態様では、少なくとも2つのクロック信号を受信するステップであって、当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信されるステップと、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、当該少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するステップと、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するステップと、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するステップと含む、クロックを同期するための方法を提供する。
【0012】
第1の態様の第1の可能な実装形態では、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するステップは、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するステップを含む。
【0013】
第1の態様または第1の態様の第1の可能な実装形態を組み合わせることで第2の可能な実装形態では、当該方法はさらに、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択するステップを含む。
【0014】
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実装形態または第1の態様の第2の可能な実装形態を組み合わせることで第3の可能な実装形態では、当該方法はさらに、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低くなってからクロック切替え保護が行われた場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するステップを含む。
【0015】
第2の態様では、少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成された信号受信モジュールであって、当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される信号受信モジュールと、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、当該少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成されたソース・グループ設定モジュールと、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成された信号選択モジュールと、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成された信号フィードバック・モジュールとを備える、ネットワーク要素を提供する。
【0016】
第2の態様の第1の可能な実装形態では、当該信号選択モジュールは特に、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0017】
第2の態様または第2の態様の第1の可能な実装形態を組み合わせることで第2の可能な実装形態では、当該ネットワーク要素はさらに、追跡切替えモジュールを備える。当該追跡切替えモジュールは、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択するように構成される。
【0018】
第2の態様、第2の態様の第1の可能な実装形態または第2の態様の第2の可能な実装形態を組み合わせることで第3の可能な実装形態では、当該ネットワーク要素はさらに切替え保護モジュールを備える。当該切替え保護モジュールは、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低くなってからクロック切替え保護が行われた場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される。
【0019】
第3の態様では、少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成された受信器であって、当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される受信器と、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、当該少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成され、さらに当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成されたプロセッサと、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成された送信器とを備える、ネットワーク要素を提供する。
【0020】
第3の態様の第1の可能な実装形態では、当該プロセッサは特に、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0021】
第3の態様または第3の態様の第1の可能な実装形態を組み合わせることで第2の可能な実装形態では、当該プロセッサはさらに、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択するように構成される。
【0022】
第3の態様、第3の態様の第1の可能な実装形態または第3の態様の第2の可能な実装形態を組み合わせることで第3の可能な実装形態では、当該送信器はさらに、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低くなってからクロック切替え保護が行われた場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される。
【0023】
第4の態様では、第2の態様、第2の態様の様々な可能な実装形態、第3の態様または第3の態様の様々な可能な実装形態で説明した少なくとも1つのネットワーク要素を備えるクロックを同期するためのシステムを提供する。
【0024】
同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術の問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。
【0025】
本発明の諸実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、諸実施形態の説明に必要な添付図面を簡単に説明する。明らかに、添付図面は本発明の幾つかの例示的な諸実施形態を示すにすぎず、当業者は創造的作業なしにこれらの図面から他の図面を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】先行技術の逆送信DNU機能を使用しないネットワーク要素によりクロック同期を実装する略図を示す図である。
図1B】先行技術の逆送信DNU機能を使用するネットワーク要素によりクロック同期を実装する略図を示す図である。
図2】本発明の1実施形態で必要とする実装環境の略構造図である。
図3】本発明の1実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図である。
図4】本発明の別の実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図である。
図5】本発明の別の実施形態に従うクロックを同期するための方法を実装する略図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態で必要とする実装環境の略構造図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態に従うクロックを同期するための方法を実装する略図である。
図9】本発明の1実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図である。
図10】本発明の別の実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図である。
図11】本発明のさらに別の実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、添付図面を参照して本発明の諸実施形態をさらに詳細に説明する。
【0028】
2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers、米国電気電子技術者協会)標準のLACP(Link Aggregation Control Protocol、リンク集約制御プロトコル)に基づくLAG(Link Aggregation Group、リンク集約グループ)において一般的である。一般に述べられているように、LAGは、2つのEthernet(登録商標)スイッチの、同一のプロパティを有する複数のポートをバインドして、当該2つのEthernet(登録商標)スイッチの間の元の複数のリンクを、1つのリンクに結合されているかのように使用可能とするものである。勿論、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在する状況はEthernet(登録商標) LAG環境に限定されるものではなく、マイクロ波無線インタフェース1+1(SD/FD/HSB)、マイクロ波無線インタフェースLAG、SDH(Synchronous Digital Hierarchy、同期デジタル・ハイアラーキ)等における一部のシナリオに存在することもある。説明を簡単にするために、Ethernet(登録商標) LAGのみを本明細書では例示する。
【0029】
図2を参照されたい。図2は、本発明の1実施形態で必要とする実装環境の略構造図を示す。当該実装環境は2つのネットワーク要素NE1およびNE2を含む。
【0030】
NE1は全部でn+1個のLAGポート、即ち、PORT_A、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nを含む。NE2は全部でn+1個のLAGポート、即ち、PORT_B、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nを含む。
【0031】
NE1のPORT_1、PORT_2,...,PORT_nとNE2の対応するPORT_1、PORT_2,...,PORT_nの間に1つの双方向クロック追跡リンクがそれぞれ存在する。これらのn個の並列リンクがリンク集約グループを形成する。nは自然数である。
【0032】
QL−PRC SSM情報を運搬するアクティブなクロック信号がNE1から送信され、QL−DNU SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号がNE2から送信されると仮定すると、以下の通りである。
【0033】
NE1は、以前のネットワーク要素が送信したアクティブなクロック信号をPORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクから受信し、当該アクティブなクロック信号を現在追跡されているクロック信号とし、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じて当該アクティブなクロック信号をNE2に送信することができる。NE2は、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを介して当該アクティブなクロック信号を受信し、事前構成された優先度に従って、n個の双方向クロック追跡リンクから1つを現在追跡されているクロック信号として選択し、PORT_Bに対応する双方向クロック追跡リンクを通じて当該アクティブなクロック信号を次のネットワーク要素に送信する。
【0034】
さらに、NE2は、次のネットワーク要素が送信したスタンバイ・クロック信号をPORT_Bに対応する双方向クロック追跡リンクから受信し、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じて当該スタンバイ・クロック信号をNE1に送信することができる。NE1は、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じて当該スタンバイ・クロック信号を受信し、PORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクを通じて当該スタンバイ・クロック信号を当該以前のネットワーク要素に送信する。
【0035】
以上のプロセスは主に、NE1およびNE2におけるクロック優先度リストを通じて実現される。特に、NE1のクロック優先度リストでは、PORT_Aは最高優先度を有するように設定され、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nはより低い優先度を有するように設定される。NE2のクロック優先度リストでは、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nの1つが最高優先度を有するように設定され、他のLAGポートはより低い優先度を有するように設定される。例えば、PORT_1は最高優先度を有するように設定され、PORT_2は2番目に高い優先度を有するように設定され、その他のLAGポートはより低い優先度を有するように設定される。
【0036】
明らかに、先行技術におけるクロックを同期するための方法によれば、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクの特定のリンクが故障した場合には、これはNE2が当該リンクにより送信されたアクティブなクロック信号を受信できない原因となり、NE2は、クロック切替え保護を当該リンクに対して実施し、それにより、クロック追跡ループをn個の双方向クロック追跡リンクの他のリンクと形成するかもしれない。
【0037】
図3を参照されたい。図3は、本発明の1実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図を示す。当該実施形態を、図2に示すNE2で適用されるクロックを同期するための方法を例として説明する。クロックを同期するための当該方法は以下を含む。
【0038】
S302で、少なくとも2つのクロック信号を受信する。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0039】
図1を例にとると、NE2はn+1個のクロック信号を受信し、当該クロック信号の各々は対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。n個のクロック信号はNE1から来るアクティブなクロック信号であり、その他の1つのクロック信号は次のネットワーク要素から来るスタンバイ・クロック信号である。
【0040】
S304で、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を、当該少なくとも2つのクロック信号において同一のクロック・ソース・グループに設定する。
【0041】
NE2が、受信したn+1個のクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定する。即ち、NE2が、NE1から来た受信したn個のアクティブなクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定してもよい。
【0042】
「同一のネットワーク要素から来る」とは、当該ネットワーク要素から直接来るクロック信号を指すだけでなく、他のネットワーク要素により転送され当該ネットワーク要素から間接的に来るクロック信号も含むことに留意されたい。
【0043】
S306で、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0044】
NE2は、受信したn+1個のクロック信号における1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択する。特に、NE2は、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、少なくともつのクロック信号における1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号を選択してもよい。一般に、最高クロック品質レベル情報を有するクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック品質レベル情報に従って、現在追跡されているクロック信号として優先的に選択する。最高クロック品質レベル情報を有する2つ以上のクロック信号が存在する場合には、最高クロック優先度を有するクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。図1を例にとると、NE2は、NE1から来る、QL−PRC SSM情報を運搬するn個のアクティブなクロック信号を受信し、次のネットワーク要素から来る、QL−DNU SSM情報を運搬する1つのスタンバイ・クロック信号を受信する。当該QL−PRC SSM情報に対応するクロック品質レベルは当該QL−DNU SSM情報に対応するクロック品質レベルより高いので、NE2は、NE1から来るn個のアクティブなクロック信号の1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として優先的に選択する。NE1から来るn個のアクティブなクロック信号のクロック品質レベルが同一である場合には、NE2が、組込みのクロック優先度リストに従って、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nの中で最高優先度を有するLAGポートに対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択してもよい。例えば、PORT_1のクロック優先度が最高であり、NE2は、PORT_1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0045】
S308で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信する。
【0046】
NE2は、NE1から来るクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号を追跡し、したがって、NE2は、NE1から来るクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクをそれぞれ用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をNE1にそれぞれ送信し戻す。即ち、NE2は、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をPORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクの各リンクにそれぞれ送信し戻す。
【0047】
この時点で、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクの特定のリンクが故障したとしても、クロック追跡ループは生成されない。
【0048】
纏めると、当該実施形態で提供するクロックを同期するための方法では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術における問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。
【0049】
図4を参照されたい。図4は、本発明の別の実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図を示す。当該実施形態を、依然として図2に示すNE2で適用されるクロックを同期するための方法を例として説明する。以前の実施形態と異なるのは、当該実施形態がさらにS410とS412を含むということである。クロックを同期するための当該方法は以下を含む。
【0050】
S402では、少なくとも2つのクロック信号を受信する。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0051】
NE2はn+1個のクロック信号を受信し、当該クロック信号の各々は対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。n個のクロック信号はNE1から来るアクティブなクロック信号であり、その他の1つのクロック信号は次のネットワーク要素から来るスタンバイ・クロック信号である。
【0052】
S404で、当該少なくとも2つのクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定する。
【0053】
NE2は、受信したn+1個のクロック信号における同一のネットワーク要素から来るクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定する。即ち、NE2は、NE1から来た受信したn個のアクティブなクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定することができる。
【0054】
「同一のネットワーク要素から来る」とは、当該ネットワーク要素から直接来るクロック信号を指すだけでなく、他のネットワーク要素により転送され当該ネットワーク要素から間接的に来るクロック信号も含むことに留意されたい。
【0055】
S406で、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0056】
NE2は、受信したn+1個のクロック信号における1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。特に、NE2は、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、1つのクロック信号を少なくともつのクロック信号から当該現在追跡されているクロック信号として選択することができる。一般に、最高クロック品質レベル情報を有するクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック品質レベル情報に従って、現在追跡されているクロック信号として優先的に選択する。最高クロック品質レベル情報を有する2つ以上のクロック信号が存在する場合には、最高クロック優先度を有するクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。図1を例にとると、NE2は、NE1から来る、QL−PRC SSM情報を運搬するn個のアクティブなクロック信号と、次のネットワーク要素から来る、QL−DNU SSM情報を運搬する1つのスタンバイ・クロック信号を受信する。当該QL−PRC SSM情報に対応するクロック品質レベルは当該QL−DNU SSM情報に対応するクロック品質レベルより高いので、NE2は、NE1から来るn個のアクティブなクロック信号の1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として優先的に選択する。NE1から来るn個のアクティブなクロック信号のクロック品質レベルが同一である場合には、NE2は、組込みのクロック優先度リストに従って、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nの中で最高優先度を有するLAGポートに対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択することができる。例えば、PORT_1のクロック優先度が最高であり、NE2は、PORT_1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0057】
S408で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信する。
【0058】
NE2は、NE1から来るクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号を追跡し、したがって、NE2は、NE1から来るクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクをそれぞれ用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をNE1にそれぞれ送信し戻す。即ち、NE2は、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をPORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクの各リンクにそれぞれ送信し戻す。
【0059】
S410で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択する。
【0060】
NE2は、NE1から来るクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号を追跡し、現在NE2によって追跡されているクロック信号が失われている場合には、NE2は、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択する。例えば、PORT_1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されNE2により現在追跡されているクロック信号が紛失し、NE2は、組込みの優先度リストに従って、優先度がPORT_1より低いが他のLAGポートより高いPORT_2に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたクロック信号を現在追跡されている信号として選択することができる。
【0061】
S412で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信する。
【0062】
NE1が受信したアクティブなクロック信号のクロック品質レベルがQL_PRCからQL_SSU_Aに低下し、次のネットワーク要素が切換え保護を実施した後、NE2に送信されたスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベルがQL_DNUからQL_PRCに変化したと仮定すると、NE2もクロック切替え保護を実施する。この時点で、NE2は、図5に示すように、QL_PRCSSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をPORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクの各リンクに送信し戻す。
【0063】
その後、NE1は、当該優先度に従って、PORT_1、PORT_2,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクにおける1つのスタンバイ・クロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択し、QL_DNU SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をNE2に送信し戻す。
【0064】
纏めると、当該実施形態で提供するクロックを同期するための方法では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術における問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。さらに、クロック切替え保護の間に同一のクロック品質レベルを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクに依然としてそれぞれ送信し戻すことによって、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、クロック保護の切換えが必要である場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果がさらに達成される。
【0065】
上述の実施形態は、当該実装環境に存在する2つのネットワーク要素NE1およびNE2を例としてのみ説明した。当該2つのネットワーク要素のうちNE2を主に説明した。複数のネットワーク要素が存在する実装形態をより良く説明するために、当該実装環境に存在する3つのネットワーク要素を例として説明する以下の実施形態を参照されたい。
【0066】
図6を参照されたい。図6は、本発明の別の実施形態で必要な実装環境の略構造図を示す。当該実装環境はつのネットワーク要素NE1、NE2およびNE3を含む。NE1は全部でn+z+1個のLAGポート、即ち、PORT_A、PORT_1,...,PORT_n+zを含み、NE2は全部でn+m+1個のLAGポート、即ち、PORT_B、PORT_1,...,PORT_n+mを含み、NE3は全部でm+z個のLAGポート、即ち、PORT_1,...,PORT_m+zを含む。
【0067】
NE1のPORT_1、PORT_2,...,PORT_nとNE2の対応するPORT_1、PORT_2,...,PORT_nの間に1つの双方向クロック追跡リンクがそれぞれ存在する。これらのn個の並列リンクがリンク集約グループを形成する。
【0068】
1つの双方向クロック追跡リンクがそれぞれ、NE1のPORT_n+1,...,PORT_n+zと対応するNE3のPORT_m+1,...,PORT_m+zとの間に存在する。これらのz個の並列リンクはリンク集約グループを形成する。
【0069】
1つの双方向クロック追跡リンクがそれぞれ、NE2のPORT_n+1,...,PORT_n+mと対応するNE3のPORT_1,...,PORT_mとの間に存在する。これらのm個の並列リンクはリンク集約グループを形成する。
【0070】
QL−PRC SSM情報を運搬するアクティブなクロック信号が右側から送信され、QL−DNU SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号が左側から送信されると仮定すると、以下の通りである。
【0071】
NE1が、以前のネットワーク要素が送信したアクティブなクロック信号をPORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクから受信し、当該アクティブなクロック信号を現在追跡されているクロック信号とし、当該アクティブなクロック信号を、PORT_1,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じてNE2に送信し、当該アクティブなクロック信号を、PORT_n+1,...,PORT_n+zに対応するz個の双方向クロック追跡リンクを介してNE3に送信してもよい。
【0072】
NE3は、当該アクティブなクロック信号を、PORT_m+1,...,PORT_m+zに対応するz個の双方向クロック追跡リンクを通じて受信し、事前構成された優先度に従って当該z個の双方向クロック追跡リンクのうち1つを現在追跡されているクロック信号として選択し、当該アクティブなクロック信号を、PORT_1、…、PORT_mに対応する当該双方向クロック追跡リンクを通じてNE2に送信する。
【0073】
NE2は、NE1から直接来たアクティブなクロック信号を、PORT_1,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じて受信し、NE1から間接的に来たアクティブなクロック信号を、PORT_n+1,...,PORT_n+mに対応するm個の双方向クロック追跡リンクを通じてNE3から受信し、事前構成された優先度に従って、当該n+m個の双方向クロック追跡リンクから1つを現在追跡されているクロック信号として選択し、当該アクティブなクロック信号を、PORT_Bに対応する双方向クロック追跡リンクを通じて当該次のネットワーク要素に送信する。
【0074】
さらに、NE2は、次のネットワーク要素が送信したスタンバイ・クロック信号をPORT_Bに対応する双方向クロック追跡リンクから受信し、当該スタンバイ・クロック信号を、PORT_1,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じてNE1に送信することができる。NE1は、当該スタンバイ・クロック信号を、PORT_1,...,PORT_nに対応するn個の双方向クロック追跡リンクを通じて受信し、当該スタンバイ・クロック信号を、PORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクを通じて当該以前のネットワーク要素に送信する。
【0075】
NE2はまた、スタンバイ・クロック信号を、PORT_n+1,...,PORT_n+mに対応するm個の双方向クロック追跡リンクを通じてNE3に送信する。NE3は、当該スタンバイ・クロック信号を、PORT_1,...,PORT_mに対応する個の双方向クロック追跡リンクを通じて受信し、当該スタンバイ・クロック信号を、PORT_m+1、…、PORT_m+zに対応する双方向クロック追跡リンクを通じてNE1に送信する。
【0076】
図7を参照されたい。図7は、本発明の別の実施形態に従うクロックを同期するための方法の流れ図を示す。当該実施形態を、図6に示すNE1、NE2およびNE3で適用したクロックを同期するための方法を例として説明する。クロックを同期するための当該方法は以下を含む。
【0077】
S702で、少なくとも2つのクロック信号を受信する。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0078】
NE1はn+z+1個のクロック信号を受信し、当該クロック信号の各々は対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。1つのクロック信号は以前のネットワーク要素から来るアクティブなクロック信号であり、他のn個のクロック信号はNE2から来るスタンバイ・クロック信号であり、z個のクロック信号はNE3から来るスタンバイ・クロック信号である。
【0079】
NE2はn+m+1個のクロック信号を受信し、当該クロック信号の各々は対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。n個のクロック信号はNE1から来るアクティブなクロック信号であり、他のm個のクロック信号はNE3から来るアクティブなクロック信号であり、1つのクロック信号は次のネットワーク要素から来るスタンバイ・クロック信号である。
【0080】
NE3はz+m個のクロック信号を受信し、当該クロック信号の各々は対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。z個のクロック信号はNE1から来るアクティブなクロック信号であり、m個のクロック信号はNE2から来るスタンバイ・クロック信号である。
【0081】
S704で、少なくとも2つのクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定する。
【0082】
NE1の点では、NE2から来るn個のスタンバイ・クロック信号とNE3から来るz個のスタンバイ・クロック信号が存在する。しかし基本的には、NE3から来るz個のスタンバイ・クロック信号はNE2から間接的に来たスタンバイ・クロック信号であり、したがって、NE1は、当該n+z個のクロック信号を当該第1のクロック・ソース・グループに均一に設定することができる。
【0083】
NE2の点では、NE1から来るn個のアクティブなクロック信号とNE3から来るm個のアクティブなクロック信号が存在する。しかし基本的には、NE3から来るm個のアクティブなクロック信号がNE1から間接的に来たアクティブなクロック信号であり、したがって、NE2は、当該n+m個のクロック信号が当該第2のクロック・ソース・グループに設定することができる。
【0084】
NE3の点では、NE1から来るz個のアクティブなクロック信号とNE2から来るm個のスタンバイ・クロック信号が存在する。したがって、NE3は、NE1から来るz個のクロック信号を第3のクロック・ソース・グループに設定し、NE2から来るm個のクロック信号を第4のクロック・ソース・グループに設定することができる。
【0085】
S706で、少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0086】
各ネットワーク要素は、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を現在追跡されているクロック信号として選択する。一般に、最高クロック品質レベル情報を有するクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック品質レベル情報に従って、現在追跡されているクロック信号として優先的に選択し、最高クロック品質レベル情報を有する2つ以上のクロック信号が存在する場合には、最高クロック優先度を有するクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0087】
NE1の点では、受信したn+z+1個のクロック信号において、以前のネットワーク要素から来るアクティブなクロック信号のクロック品質レベルが最高であり、したがって、NE1は、PORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信されたアクティブなクロック信号を現在追跡されているクロック信号として送信する。
【0088】
NE2の点では、NE1から来た受信したn個のクロック信号とNE3から来るm個のクロック信号のクロック品質レベルは次のネットワーク要素から来る1つのスタンバイ・クロック信号よりも高いので、NE2は、1つのクロック信号をNE1とNE3から来るn+m個のクロック信号から現在追跡されているクロック信号として選択すべきである。NE1とNE3から来るn+m個のクロック信号のクロック品質レベが同一である場合には、NE2は、組込みのクロック優先度リストに従って、PORT_1,...,PORT_n+mにおいて最高優先度を有するLAGポートに対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択することができる。例えば、PORT_1のクロック優先度が最高であり、NE2は、PORT_1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0089】
NE3の点では、NE1から来た受信したz個のアクティブなクロック信号のクロック品質レベルはNE2から来るm個のスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベルより高く、以前のネットワーク要素から来るアクティブなクロック信号のクロック品質レベルは最高であるので、NE3は、NE1から来るz個のクロック信号からの1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択すべきである。NE1から来るz個のクロック信号のクロック品質レベルが同一である場合には、NE3は、組込みのクロック優先度リストに従って、PORT_m+1,...,PORT_m+zにおいて最高優先度を有するLAGポートに対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択することができる。例えば、PORT_m+1のクロック優先度が最高であり、NE3は、PORT_m+1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0090】
S708で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信する。
【0091】
NE1の点では、PORT_Aに対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたアクティブなクロック信号が追跡され、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号を、既存の逆送信DNU機能に従って以前のネットワーク要素に送信し戻すことができる。
【0092】
NE2の点では、第2のクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号が追跡され、したがって、NE2が、当該第2のクロック・ソース・グループ内のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることで、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信し戻す。即ち、NE2は、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をPORT_1,...,PORT_n+mに対応するn+m個の双方向クロック追跡リンクの各リンクにそれぞれ送信し戻す。
【0093】
NE3の点では、第4のクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号が追跡され、したがって、NE3は、当該第4のクロック・ソース・グループ内のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をNE1にそれぞれ送信し戻す。即ち、NE3は、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号を、PORT_m+1,...,PORT_m+zに対応するz個の双方向クロック追跡リンクの各リンクにそれぞれ送信し戻す。
【0094】
S710で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択する。
【0095】
NE2を例とすると、NE2は第2のクロック・ソース・グループにおける1つのクロック信号を追跡し、NE2によって現在追跡されているクロック信号が失われている場合には、NE2は、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、当該第2のクロック・ソース・グループにおける別のクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。例えば、PORT_1に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されNE2により現在追跡されているクロック信号が紛失し、NE2は、組込みの優先度リストに従って、優先度がPORT_1より低いが他のLAGポートより高いPORT_2に対応する双方向クロック追跡リンクで送信されたクロック信号を現在追跡されている信号として選択することができる。
【0096】
S712で、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信する。
【0097】
NE1が受信したアクティブなクロック信号のクロック品質レベルがQL_PRCからQL_SSU_Aに低下したと仮定すると、NE2とNE3が受信した全てのアクティブなクロック信号のクロック品質レベルがQL_PRCからQL_SSU_Aに低下し、NE3によりNE2に送信されNE2により次のネットワーク要素に送信された全てのアクティブなクロック信号のクロック品質レベルもQL_PRCからQL_SSU_Aに低下する。
【0098】
NE2の次のネットワーク要素が切換え保護を実施した後、NE2に送信されたスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベルがQL_DNUからQL_PRCに変化した場合には、NE2において、NE1から来る第2のクロック・ソース・グループにおける全てのクロック信号のクロック品質レベルは当該次のネットワーク要素から来るスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベルより低く、したがって、NE2もクロック切替え保護を実施する。この時点で、NE2は、当該第2のクロック・ソース・グループに属するPORT_1,...,PORT_n+mに対応するn+m個の双方向クロック追跡リンクの各リンクに、QL_PRC SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号を送信し戻す。
【0099】
NE2により送信されたQL_PRC SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をNE3が受信した後、NE3において、NE1から来る第4のクロック・ソース・グループのクロック品質レベルはNE2から来る第3のクロック・ソース・グループのクロック品質レベルより低く、NE3はクロック切替え保護を実施し、当該第4のクロック・ソース・グループに属するPORT_m+1,...,PORT_m+zに対応するz個の双方向クロック追跡リンクの各リンクに、QL_PRC SSM情報を運搬するスタンバイ・クロック信号を送信する。
【0100】
次に、NE1は、組込みのクロック優先度リストに従って、第1のクロック・ソース・グループの中の1つのスタンバイ・クロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択する。
【0101】
明らかに、上述の各クロック同期プロセスではクロック追跡ループは生成されない。
【0102】
纏めると、当該実施形態で提供するクロックを同期するための方法では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術における問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。さらに、クロック切替え保護の間に同一のクロック品質レベルを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクに依然としてそれぞれ送信し戻すことによって、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、クロック保護の切換えが必要である場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果がさらに達成される。
【0103】
以下の実施形態は装置の本発明の諸実施形態であり、本発明の方法の諸実施形態を実装するために使用することができる。本発明の装置の諸実施形態で説明されない技術的な詳細については、本発明の方法の諸実施形態を参照されたい。
【0104】
図9を参照されたい。図9は、本発明の1実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図を示す。当該ネットワーク要素は、信号受信モジュール920、ソース・グループ設定モジュール940、信号選択モジュール960および信号フィードバック・モジュール980を備える。
【0105】
信号受信モジュール920は少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成される。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々はそれぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0106】
ソース・グループ設定モジュール940は、信号受信モジュール920により受信された少なくとも2つのクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成される。
【0107】
信号選択モジュール960は、1つのクロック信号を、信号受信モジュール920により受信された少なくとも2つのクロック信号から現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0108】
信号フィードバック・モジュール980は、信号選択モジュール960によって現在追跡されているクロック信号がソース・グループ設定モジュール940により設定されたクロック・ソース・グループに属する場合には、現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される。
【0109】
纏めると、当該実施形態で提供するネットワーク要素では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術の問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。
【0110】
図10を参照されたい。図10は、本発明の別の実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図を示す。当該ネットワーク要素は、信号受信モジュール920、ソース・グループ設定モジュール940、信号選択モジュール960、信号フィードバック・モジュール980、追跡切替えモジュール992および切替え保護モジュール994を備える。
【0111】
信号受信モジュール920は少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成される。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々はそれぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0112】
ソース・グループ設定モジュール940は、信号受信モジュール920により受信された少なくとも2つのクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成される。
【0113】
信号選択モジュール960は、1つのクロック信号を、信号受信モジュール920により受信された少なくとも2つのクロック信号から現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。特に、信号選択モジュール960は、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0114】
信号フィードバック・モジュール980は、信号選択モジュール960によって現在追跡されているクロック信号がソース・グループ設定モジュール940により設定されたクロック・ソース・グループに属する場合には、該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される。
【0115】
追跡切替えモジュール992は、信号選択モジュール960によって現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択するように構成される。
【0116】
切替え保護モジュール994は、信号選択モジュール960によって現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合に、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するするように構成される。
【0117】
纏めると、当該実施形態で提供するネットワーク要素では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術の問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。さらに、当該クロック切替え保護の間に同一のクロック品質レベルを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクに依然としてそれぞれ送信し戻すことによって、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、クロック保護の切換えが必要である場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果がさらに達成される。
【0118】
図11を参照されたい。図11は、本発明の1実施形態に従うネットワーク要素の構造ブロック図を示す。当該ネットワーク要素は、受信器1120、プロセッサ1140および送信器1160を備える。
【0119】
受信器1120は、少なくとも2つのクロック信号を受信するように構成される。当該少なくとも2つのクロック信号はスタンバイ・クロック信号を含み、当該クロック信号の各々は、それぞれそれらに対応する双方向クロック追跡リンクにより送信される。
【0120】
プロセッサ1140は、受信器1120により受信された少なくとも2つのクロック信号における同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号を同一のクロック・ソース・グループに設定するように構成される。
【0121】
プロセッサ1140はさらに、1つのクロック信号を、受信器1120が受信した少なくとも2つのクロック信号から現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0122】
送信器1160は現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属する場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するように構成される。
【0123】
纏めると、当該実施形態で提供するネットワーク要素では、同一のネットワーク要素から来る2つ以上のクロック信号をクロック・ソース・グループに設定し、1つのクロック信号をクロック・ソース・グループで追跡するとき、品質レベル不使用情報QL_DNUを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクにそれぞれ送信し戻すことで、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいてクロック追跡ループの生成が避けられないという先行技術の問題が解決され、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、特定の双方向クロック追跡リンクが故障するかまたはそのクロック信号のクロック品質レベルが低下した場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。
【0124】
より好適な実施形態として、図11に示す実施形態に基づいて、当該プロセッサは特に、クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って、当該少なくとも2つのクロック信号から1つのクロック信号を当該現在追跡されているクロック信号として選択するように構成される。
【0125】
当該プロセッサはさらに、現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が失われたかまたはそのクロック品質レベルが低下した場合には、クロック・ソース・グループ内の別のクロック信号を、当該クロック信号の各々に対応するクロック優先度および/またはクロック品質レベル情報に従って現在追跡されているクロック信号として再選択するするように構成される。
【0126】
当該送信器はさらに、当該現在追跡されているクロック信号がクロック・ソース・グループに属し、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループ内の全てのクロック信号のクロック品質レベル情報がスタンバイ・クロック信号のクロック品質レベル情報より低いときにクロック切替え保護が発生した場合には、当該現在追跡されているクロック信号が属するクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々にそれぞれ対応する双方向クロック追跡リンクを用いることによって、切り換えられたクロック品質レベル情報を運搬するスタンバイ・クロック信号をそれぞれ送信するするように構成される。
【0127】
このように、クロック切替え保護の間に同一のクロック品質レベルを運搬するスタンバイ・クロック信号をクロック・ソース・グループの中のクロック信号の各々に対応する双方向クロック追跡リンクに依然としてそれぞれ送信し戻すことによって、当該ネットワーク要素は、2つのネットワーク要素の間に2つ以上の双方向クロック追跡リンクが存在するシナリオにおいて、クロック保護の切換えが必要である場合であってもクロック追跡ループが生成されないという効果を奏する。
【0128】
本発明の1実施形態ではさらに、クロックを同期するためのシステムを提供する。クロックを同期するための当該システムは2つ以上のネットワーク要素を備える。当該システムでは、少なくとも1つのネットワーク要素は、本明細書の装置の実施形態で提供するネットワーク要素である。
【0129】
上述の実施形態の符号は説明のためのものであるが、当該実施形態の好適性を表すのではない。
【0130】
上述の実施形態のステップの全部または一部の実装を、ハードウェアにより、または、プログラム命令に関連するハードウェアにより行いうることは当業者には理解される。当該プログラムをコンピュータ可読記憶媒体に格納してもよい。当該記憶媒体が、読取専用メモリROM、磁気ディスクまたは光ディスク等であってもよい。
【0131】
以上の諸実施形態は本発明の好適な諸実施形態にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明の本質や原理から逸脱しない任意の修正、置換、改良等は本発明の保護範囲において網羅される。
【符号の説明】
【0132】
920 信号受信モジュール
940 ソース・グループ設定モジュール
960 信号選択モジュール
980 信号フィードバック・モジュール
992 追跡切替えモジュール
994 切替え保護モジュール
1120 受信器
1140 プロセッサ
1160 送信器
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11