(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の複脚構造体において、結束する管体の外径は、その用途に応じて異なっており、想定している連結具の長さを超える外径の脚部材の結束ができない。そこで、この問題に対応するために、外径の異なる管体を取付ける際には、各管体の外形に適合した長さの連結具を別途準備することや、その長さに許容性を持たせた連結具を使用することが必要であった。
【0006】
しかし、前者の場合に、種々の寸法の連結具を準備しておくことは、非常に煩雑であるという問題を有していた。また、後者の場合には、オーバースペックになるばかりでなく、意匠性に優れず、収納時に連結部が突出して邪魔になるなどの問題点を有していた。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決し、外径の異なる棒状部材を簡易かつ適切に結束することができる結束具並びに当該結束具を用いた複脚構造体及びその組立キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の結束具
(権利請求外)は、筒状体を備える、複数の棒状部材を結束するための結束具において、上記筒状体は、複数個の連結具の貫通孔と、上記各々の貫通孔に対向する部位に形成されている、複数個の上記連結具の装着孔とを有し、上記装着孔に上記連結具を固定可能となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、棒状部材とは、所定の長さを有する長寸法の部材であり、脚部を構成する脚部材、管部材等を含むものである。この棒状部材は、材質等に制限はなく、金属製、合成樹脂製の他、竹材、木材等であってもよい。
また、連結具には、各種のボルトを使用することが一般的であるが、結束具と棒状部材を固定することができる機能を有する部材であれば、その他の金具等を用いるものであってもよい。
【0010】
また、筒状体には、円筒体、多角筒体等が含まれるものである。さらに、筒状体の高さ寸法に関しても、各種の貫通孔及び挿通孔の形成に影響がない範囲で適切に設定可能であり、環状体に近似する形態であってもよい。
【0011】
本発明の結束具によれば、貫通孔と、当該貫通孔に対向する部位に形成されている連結具の装着孔とを有しているため、筒状体の外側から上記連結具の装着孔に連結具を固定し易い構造となっている。したがって、並列に立設させた複数本の棒状部材を、容易に結束することができる。
【0012】
また、本発明の結束具
(権利請求外)は、筒状体を備える、複数の棒状部材を結束するための結束具において、上記筒状体は、複数個の連結具の装着孔を有し、上記装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための案内孔が連設されており、上記装着孔に上記連結具を固定可能となるように形成されていることを特徴としている。
【0013】
ここで、案内孔は、連結具を、筒状体の側壁面に形成されている装着孔に対して、上面又は下面における開口部から斜め方向に向かって挿入する際に、当該連結具の動きを一定方向に規制し、その作業をし易くする目的で設けられるものである。その形状は限定されるものではなく、半円形や楕円形状とすることが特に好適である。
【0014】
本発明の結束具によれば、連結具の装着孔に、連結具を誘導するための案内孔が連設されているため、当該連結具を筒状体の開口部から案内孔に沿って挿通し、その後、適宜のタイミングでその向きを変えることにより、連結具の装着孔に挿通しやすくなっている。そのため、上記連結具の装着孔に連結具を固定することにより、並列に立設させた複数本の棒状部材を結束することができる。
【0015】
また、本発明の結束具は、筒状体を備える、複数の棒状部材を結束するための結束具において、上記筒状体は、高さ方向における2層の帯状部から形成されており、上記2層の帯状部は、複数個の連結具の第1の装着孔を有し、かつ、上記第1の装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための案内孔が連設されている第1帯状部と、複数個の連結具の貫通孔と、上記各々の貫通孔に対向する部位に形成されている、複数個の上記連結具の第2の装着孔と、を有する第2帯状部とを有し、上記各装着孔の部分において、上記連結具を固定可能となるように形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の結束具によれば、2層の帯状部を備えており、各帯状部における装着孔の種類、数、形状、寸法等の形態(以下、「形態等」という。)を変えることにより、1種類の結束具で、種々の連結具の規格に対応させて、並列に立設させた複数本の棒状部材を結束することができるため、より利便性を高めることができる。
【0017】
また、本発明の結束具は、筒状体を備える、複数の棒状部材を結束するための結束具において、上記筒状体は、高さ方向における2層の帯状部から形成されており、上記2層の帯状部は、複数個の連結具の第1の装着孔を有し、かつ、上記第1の装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための第1の案内孔が連設されている第1帯状部と、複数個の連結具の第2の装着孔を有し、かつ、上記第2の装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための第2の案内孔が連設されている(接続して設けられている)第2帯状部とを有し、上記各装着孔の部分において、上記連結具を固定可能となるように形成されていることを特徴としている。
【0018】
ここで、第1及び第2の装着孔の形態は、同一であっても異なるものであっても良いが、利便性を高めるためには、その形態等を変えることが好適である。また、第1及び第2の案内孔の形態及び向きに関しても、その機能を阻害しなければその態様に制限はないが、案内孔の向きを変えることにより、結束具の上面又は下面のいずれの方向からも連結具を挿入し易くなるため好適である。
【0019】
本発明の結束具によれば、2層の帯状部を備えており、各帯状部における装着孔の形態を変えることにより、1種類の結束具で、種々の連結具の規格に対応させて、並列に立設させた複数本の棒状部材を結束することができるため、より利便性を高めることができる。
【0020】
また、本発明の結束具は、筒状体を備える、複数の棒状部材を結束するための結束具において、上記筒状体は、高さ方向における3層以上である複数層の帯状部から形成されており、上記帯状部は、少なくとも、複数個の連結具の第1の装着孔を有し、かつ、上記第1の装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための案内孔が連設されている第1帯状部と、複数個の連結具の貫通孔と、上記各々の貫通孔に対向する部位に形成されている、複数個の上記連結具の第2の装着孔と、を有する第2帯状部と、複数個の連結具の第3の装着孔を有し、かつ、上記第3の装着孔には、一面側の開口部から上記連結具を挿通する際において、当該連結具を誘導するための他の案内孔が連設されている第3帯状部とを有し、上記各装着孔の部分において、上記連結具を固定可能となるように形成されていることを特徴としている。
【0021】
ここで、帯状部は3層以上であれば、その層数は問わないものであり、第1帯状部又は第2帯状部、或いは第3帯状部と同様の構成要素から形成される他の帯状部(貫通孔と、挿通孔の形態等が異なるもの)をさらに、有する構成とするものであってもよい。
また、各帯状部の配置に関しては必ずしも制限があるものではないが、第2帯状部及び第3帯状部は、連結具の挿通し易い筒状体の各開口部に近い側に配置することがより好ましい。
【0022】
本発明の結束具によれば、3層の帯状部を備えており、各帯状部における装着孔の形態等を変えることにより、1種類の結束具で、種々の連結具の規格に対応させて、並列に立設させた複数本の棒状部材を結束することができるため、さらに利便性を高めることができる。
【0023】
また、本発明の複脚構造体は、所定数の棒状部材と、上記の各結束具とを備える複脚構造体であって、上記各棒状部材は、上記連結具を挿通するための連結具挿通孔を備え、上記結束具の上記各装着孔と、上記連結具挿通孔とに、上記連結具が挿入された状態で上記棒状部材と上記筒状体とが固定されていることを特徴としている。
【0024】
ここで、複脚構造体とは、複数本の棒状部材を脚部とする簡易な構造体を意味するものである。上記棒状部材の本数には制限はないが、安定性や経済性等を考慮すると、3脚又は4脚等に利用される場合が多いものである。
【0025】
また、本発明は、椅子、テーブルなどの家具や、各種のアウトドア用品等の多用途の構造体として使用可能である。さらに、結束具の位置も制限されるものではなく、複脚構造体の用途に応じて、棒状部材の頂部(その近傍も含む)、中間部等、適切な位置に設けることができる。
【0026】
さらに、本発明の複脚構造体の組立キットは、所定数の連結具と、所定数の上記連結具を挿通するための連結具挿通孔を備える棒状部材と、上記各結束具とを備えることを特徴としている。
【0027】
上記のとおり、本発明の結束具及び複脚構造体の組立キットを用いることにより、簡易に複脚構造体を形成することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、外径の異なる棒状部材を簡易かつ適切に結束可能である結束具並びに当該結束具を用いた複脚構造体及びその組立キットを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の結束具(以下、「本結束具」という場合がある。)及び複脚構造体(以下、「本複脚構造体」という場合がある。)の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、図面に基づく説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0031】
[第1実施形態
(権利請求外)]
(1)本結束具の構成
図1(a),(b)に示すように、本結束具K1は、3本までの棒状部材(竹材71)を結束するために用いられるものであり、中空の円柱形状である筒状体10を主要部としている。
【0032】
上記筒状体10の側面部には、同一の高さにおいて、周方向に等間隔となるように3箇所(筒状体10の中心を基準として、等しい角度である120度の位置)に円孔である連結具貫通孔16が形成されている。連結具貫通孔16の直径は、連結ボルト81(連結具)の頭部81aが通過できる寸法に形成されている。
【0033】
各々の上記連結具貫通孔16に対向する部位には、正方形孔である連結具装着孔17が形成されている。連結具装着孔17は、連結ボルト81の先端のネジ部81bを貫通させることができる一方、頭部81aを通過させずに固定できる寸法に形成されている。このような構成により、連結ボルト81を筒状体10の外側から連結具貫通孔16を通して、連結具装着孔17に向けて挿入し、固定することができるようになっている。
なお、連結ボルト81の頭部81aに接続する筒部81cは、連結具装着孔17に嵌合するように直方体形状に形成されている。
【0034】
(2)本複脚構造体の構成
続いて、上記結束具K1を使用した本複脚構造体F1の構成を説明する。
図2に示すように、本複脚構造体F1は、アウトドア用品であるランタン87を吊り下げるための三脚である。
【0035】
本複脚構造体F1は、同一長さ(所定長)である自生する3本の竹材71を用いて形成されている。各竹材71の所定高さ位置には、連結ボルト81の先端のネジ部81bを挿通して貫通させるための円孔である連結具挿通孔71aが設けられている。
【0036】
図3に示すように、上記本結束具K1は、平面視で中央部に配置され、本結束具K1(円筒体10)の中心を基準として120度の角度となる位置関係で、隣接する竹材71が配設されている。そして、各竹材71の連結具挿通孔71aと、本結束具K1の連結具装着孔17とを一致させた状態で、本結束具K1の内側から連結ボルト81が挿通されている。そして、連結具装着孔17に連結ボルト81の筒部81cが嵌装され、本結束具K1の内周壁の部分に連結ボルト81の頭部81aが当接した状態で、竹材71の外側面に蝶ナット82が締結されることにより、本結束具K1と各竹材71が一体的に結束されている。
【0037】
(3)本結束具の使用方法
次に、上記本結束具K1を使用して、上記複脚構造体F1を作成するため方法を説明する。
【0038】
まず、本結束具K1の外側から各連結具貫通孔16を通して、3本の連結ボルト81を連結具装着孔17に挿通する。次に、3本の竹材71の各連結具挿通孔71aに連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて、当該連結ボルト81を固定して各竹材71を一体的に結束することで、本複脚構造体F1を作成することができる(
図2)。
【0039】
一方、本複脚構造体F1は、連結ボルト81及び蝶ナット82の締結を弱めることにより、竹材71の立設角度の調整や、取り外しを容易に行うことができる。
【0040】
(4)本結束具及び本複脚構造体の作用効果
本結束具K1によれば、連結具装着孔17が設けられている筒状体10を用い、連結具装着孔17に連結ボルト81を固定することにより、容易に立設させた3本の各竹材71を結束することができる。加えて、筒状体10には、連結ボルト81を貫通させることができる連結具貫通孔16が設けられており、当該連結具貫通孔16に対向する部位に連結具装着孔17が設けられているため、連結ボルト81を連結具装着孔17に挿入させる作業を効率的に行うことができる。
【0041】
また、本複脚構造体F1に使用する竹材71には、連結具挿通孔71aが形成されていれば良いことから、現地で入手できる自然の素材に穿設加工をすることにより、簡易に作成することができる。したがって、本結束具K1と、連結ボルト81及び蝶ナット82を持参することで、手軽にアウトドア活動を楽しむことができる。
【0042】
[第2実施形態
(権利請求外)]
(1)本結束具の構成
図4(a),(b)に示すように、本結束具K2は、4本までの棒状部材(スチール製の管材72)を結束するために用いられるものであり、中空の円柱形状である筒状体20を主要部としている。
【0043】
上記筒状体20の側面部には、同一の高さにおいて、周方向に等間隔となるように4箇所(筒状体20の中心を基準として、等しい角度である90度の位置)に正方形孔である連結具装着孔28が形成されている。連結具装着孔28は、連結ボルト81の先端のネジ部81bを貫通させることができる一方、その頭部81aを通過させずに固定できる寸法に形成されている。
なお、連結ボルト81の頭部81aに接続する筒部81cは、連結具装着孔28に嵌合するように直方体形状に形成されている。
【0044】
上記連結具装着孔28には、上面側の開口部から連結ボルト81を挿通可能となるように、その下側に半円形状の案内孔28aが、円弧部が下向きに連設されている。このような構成により、連結ボルト81のネジ部81bを、筒状体20の上面部から内側の案内孔28aに向けて斜め方向から挿通し、所定長の挿通が終了した段階でその向きを水平方向に変えることにより、連結具装着孔28に向けて挿入し易くなるように形成されている。
【0045】
(2)本複脚構造体の構成
続いて、上記結束具K2を使用した本複脚構造体F2の構成を説明する。
図5に示すように、本複脚構造体F2は、アウトドア用品である鍋88を吊り下げるための四脚である。
【0046】
この本複脚構造体F2は、同一長さ(所定長)である4本の管材72を備えている。この管材72の上端部には、筒体状であるジョイント金具77が被嵌されている。このジョイント金具77の先端部には、連結ボルト81の先端のネジ部81bを挿通して貫通させるための円孔である連結具挿通孔77aが形成されている。
【0047】
上記本結束具K2は、平面視で中央部に配置され、本結束具K2の筒状体20の中心を基準として、90度の角度となる位置関係で、隣接する管材72が配設されている。各管材72のジョイント金具77の連結具挿通孔77aと、本結束具K2の連結具装着孔28とを一致させた状態で、本結束具K2の内側から外側に向かって連結ボルト81が挿通されている。そして、連結具装着孔28に連結ボルト81の筒部81cが嵌装され、本結束具K2の内周壁の部分に連結ボルト81の頭部81aが当接した状態で、管材72のジョイント金具77の外側に蝶ナット82が締結されることにより、本結束具K2と各管材72が一体的に固定されている。
【0048】
なお、符号78は、各スチール管材を接地面に安定的に設置するためのスパイク金具であり、符号89は、鍋88を吊下げるためのチェーンである。
【0049】
(3)本結束具の使用方法
次に、上記本結束具K2を使用して、上記複脚構造体F2を作成するため方法を説明する。
【0050】
まず、4本の連結ボルト81を、本結束具K2の上面開口部の内側から斜め下方に向けて、案内孔28aを利用しながら連結具装着孔28に挿通する。次に、4本の管材72におけるジョイント金具77の連結具挿通孔77aに、連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定して、各管材72を一体的に結束することで、複脚構造体F2を作成することができる(
図5)。
【0051】
(4)本結束具及び本複脚構造体の作用効果
本結束具K2によれば、連結具装着孔28に、連結ボルト81を誘導するための案内孔28aが連設されているため、当該連結ボルト81を筒状体20の上面の開口部から案内孔28aに沿って挿通し、その後、適宜のタイミングでその向きを変えることにより、連結具装着孔28に挿通しやすくなっている。そのため、上記連結具装着孔28に連結ボルト81を固定することにより、立設させた4本の管材72を結束することができる。また、本複脚構造体F2に使用する管材72の先端部には、予めジョイント金具77が取り付けられているため、その組み立てを、より正確かつ容易に行うことができる。
【0052】
[第3実施形態]
(1)本結束具の構成
図6(a),(b)に示すように、本結束具K3は、4本までの管材を結束するために用いられるものであり、中空の円柱形状である筒状体30を主要部としている。
【0053】
上記筒状体30は、高さ方向における層厚が略同一である2層の第1帯状部31及び第2帯状部32から形成されている。
上部の第1帯状部31には、第2実施形態の結束具K2と同様の形態で、第1連結具装着孔38と第1案内孔38aが設けられている。また、下部の第2帯状部32には、第1実施形態の結束具K1と同様の形態で、連結具貫通孔36と第2連結具装着孔37が設けられている。また、展開
図6(b)に示すように、中央部の第1連結具装着孔38Aと連結具貫通孔36Aの水平位置が一致するように配置されている。
【0054】
(2)本結束具の作用効果
上記のように、本結束具K3は、4本までの管材を結束することができることに特徴を有しており、その作用効果を説明する。
【0055】
例えば、3本の管材73を結束する場合には、本結束具K3の外側から各連結具貫通孔36を通して、3本の連結ボルト81を、第2帯状部32の第2連結具装着孔37に挿通する。そして、3本の管材73の各連結具挿通孔73aに連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材73を一体的に結束する(本結束具K3を使用した複脚構造体F3は、
図9参照)。
【0056】
また、4本の管材(図示せず)を結束する場合には、本結束具K3の上面開口部の内側から斜め下方に向けて、第1帯状部31の第1案内孔38aを利用しながら、4本の連結ボルト81を第1連結具装着孔38に挿通する。そして、4本の管材の各連結具挿通孔に連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材を一体的に結束する。
【0057】
このように、本結束具K3によれば、2層の第1帯状部31及び第2帯状部32を備えており、各帯状部31,32における連結具装着孔38,37の形態が異なることから、1種類の本結束具K3のみで、種々の連結ボルト81の規格に対応させて、容易に立設させた複数本の管材73を結束することができるため、利便性を向上させることができる。
【0058】
[第4実施形態]
(1)本結束具の構成
図7(a),(b)に示すように、本結束具K4は、6本までの管材を結束するために用いられるものであり、中空の円柱形状である筒状体40を主要部としている。
【0059】
上記筒状体40は、高さ方向における層厚が略同一である2層の第1帯状部41及び第2帯状部42から形成されている。
上部の第1帯状部41には、第2実施形態の結束具K2と同様の形態で、第1連結具装着孔48と第1案内孔48aが設けられている。
【0060】
また、下部の第2帯状部42には、同一の高さにおいて、周方向に等間隔となるように6箇所(筒状体40の中心を基準として、等しい角度である60度の位置)に正方形孔である第2連結具装着孔49が形成されている。第2連結具装着孔49は、連結ボルト81の先端のネジ部81bを貫通させることができる一方、その頭部81aを通過させずに固定できる寸法に形成されている(本実施形態では、第1連結具装着孔48と第2連結具装着孔49は同一形状に形成されている)。
【0061】
上記第2連結具装着孔49には、下面側の開口部から連結ボルト81を挿通可能となるように、その上側に半円形状の案内孔49aが、円弧部が上向きに連設されている(本実施形態では、第1案内孔48aと第2案内孔49aは、その向きは異なるが、同一形状に形成されている)。
また、展開
図7(b)に示すように、中央の第1連結具装着孔48の両側における2つの第1連結具装着孔48A,48Bと、対応する2つの第2連結具貫通孔49A,49Bとの水平位置が一致するように配置されている。
【0062】
このような構成により、連結ボルト81のネジ部81bを、筒状体40の上面側の開口部及び下面側の開口部の双方から、近接する第1案内孔48a及び第2案内孔49aに向けて斜め下方又は斜め上方から挿通し、所定長の挿通が終了した段階でその向きを水平方向に変えることにより、連結具装着孔48,49に向けて挿入し易くなっている。
【0063】
(2)本結束具の作用効果
上記のように、本結束具K4は、6本までの管材を結束することができることに特徴を有しており、その作用効果を説明する。
【0064】
例えば、4本の管材(図示せず)を結束する場合には、本結束具K4の上面開口部の内側から斜め下方に向けて、第1帯状部41の第1案内孔48aを利用しながら、4本の連結ボルト81を第1連結具装着孔48に挿通する。そして、4本の管材の各連結具挿通孔に連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材を一体的に結束する。
【0065】
また、6本の管材74を結束する場合には、本結束具K4の下面内側から斜め上方に向けて、第2帯状部42の第2案内孔49aを利用しながら、6本の連結ボルト81を第2連結具装着孔49に挿通する。そして、6本の管材74の各連結具挿通孔74aに連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材74を一体的に結束する(本結束具K4を使用した複脚構造体F4は、
図10参照)。
【0066】
このように、本結束具K4によれば、2層の第1帯状部41及び第2帯状部42を備えている。各帯状部41,42における連結具装着孔48,49の形態が異なることから、1種類の本結束具K4のみで、種々の連結ボルト81の規格に対応させて、容易に立設させた複数本の管材74を結束することができるため、利便性を向上させることができる。
【0067】
[第5実施形態]
(1)本結束具の構成
図8(a),(b)に示すように、本結束具K5は、5本までの管材を結束するために用いられるものであり、中空の円柱形状である筒状体50を主要部としている。
【0068】
上記筒状体50は、高さ方向における層厚が略同一である3層の第1帯状部51乃至第3帯状部53から形成されている。
上部の第1帯状部51には、第2実施形態の本結束具K2と同様の形態で、第1連結具装着孔58と第1案内孔58a(請求項における案内孔に相当)が設けられている。また、中間部の第2帯状部52には、第1実施形態の本結束具K1と同様の形態で、連結具貫通孔56と第2連結具装着孔57が設けられている。
【0069】
さらに、下部の第3帯状部53には、第4実施形態の本結束具K4における第2帯状部42と類似の形態で、第3連結具装着孔59と第3案内孔59a(請求項における他の案内孔に相当)が設けられている。すなわち、本結束具K5と第4実施形態の本結束具K4とでは、連結具装着孔の個数が異なっており、第3帯状部53には、同一の高さにおいて、周方向に等間隔となるように5箇所(筒状体50の中心を基準として、等間隔である72度の位置)に正方形孔である第3連結具装着孔59が形成されている。
【0070】
また、展開
図8(b)に示すように、上記第1帯状部51における中央部の第1連結具装着孔58Aと、第2帯状部52における中央部の連結具貫通孔56A(
図8(b))の水平位置が一致するように配置されている。また、第3帯状部53における中央部の2つの第3連結具貫通孔59A,59Bの中間位置に、中央部の連結具貫通孔56Aが配置されている。
【0071】
このような構成により、第1帯状部51及び第3帯状部53を使用して、連結ボルト81のネジ部81bを、筒状体50の上面側の開口部及び下面側の開口部の双方から、近接する第1案内孔58a及び第3案内孔59aに向けて斜め下方又は上方から挿通し、所定長の挿通が終了した段階でその向きを水平方向に変えることにより、第1連結具装着孔58及び第3連結具装着孔59に向けて挿入し易くなるように形成されている。
【0072】
また、第2帯状部52を使用して、連結ボルト81を、筒状体50の外側から連結具貫通孔56を通して、第2連結具装着孔57に向けて、挿入することができるようになっている。
【0073】
(2)本結束具の作用効果
上記のように、本結束具K5は、5本までの管材を結束することができることに特徴を有しており、その作用効果を説明する。
【0074】
例えば、3本の管材(図示せず)を結束する場合には、本結束具F5の第2帯状部52の各連結具貫通孔56を通して、3本の連結ボルト81を対向する第2連結具装着孔57に挿通する。そして、3本の管材の各連結具挿通孔に連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材を一体的に結束する。
【0075】
また、4本の管材75を結束する場合には、本結束具K5の上面内側から斜め下方に向けて、第1帯状部51の第1案内孔58aを利用して、連結ボルト81を第1連結具装着孔58に挿通する。そして、4本の管材の各連結具挿通孔75aに連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材75を一体的に結束する(本結束具K5を使用した複脚構造体F5は、
図11参照)。
【0076】
さらに、5本の管材(図示せず)を結束する場合には、本結束具K5の下面内側から斜め下方に向けて、第3帯状部53の第3案内孔59aを利用して、連結ボルト81を第3連結具装着孔59に挿通する。そして、5本の管材の各連結具挿通孔に連結ボルト81を挿通し、蝶ナット82を用いて当該連結ボルト81を固定することにより、各管材を一体的に結束する。
【0077】
このように、本結束具K5によれば、第1帯状部51乃至第3帯状部53の3層の帯状部を備えており、各帯状部51〜53における各連結具装着孔57〜59の形態が異なることから、1種類の本結束具K5のみで種々の連結ボルト81の規格に対応させて、容易に立設させた複数本の管材を並列させて結束することができる。
【0078】
[その他の本複脚構造体の実施形態]
本結束具を用いたその他の本複脚構造体の実施形態について説明する。
図9に示すように、本複脚構造体F3(第3実施形態)は、組立式の椅子であり、第3実施形態の本結束具K3の第2帯状部32を用い(
図6)、同一長さである3本の管材73を略中間高さ位置の部分に介装させて結束し、上部に椅子用布材91を設けることにより形成されている。
【0079】
また、
図10に示すように、本複脚構造体F4(第4実施形態)は、組立式の机であり、第4実施形態の本結束具K4の第2帯状部42を用い(
図7)、同一長さである6本の管材74を略中間高さ位置の部分に介装させて結束し、上部に天板92を設けることにより形成されている。
【0080】
また、
図11に示すように、本複脚構造体F5(第5実施形態)は、組立式の机であり、第5実施形態の本結束具K5の第1帯状部51を用い(
図8)、同一長さである4本の管材75を略中間高さ位置の部分に介装させて結束し、上部に天板93を設けることにより形成されている。
【0081】
このように、種々の実施形態の本結束具と管材を、その用途に応じて適宜に選択し使用することにより、多種類の複脚構造体を作成することができる。
【0082】
[本複脚構造体の組立キット]
所定
数の連結ボルト81と、所定本数の連結具挿通孔を備える管体7
3〜75と、上記第
3実施形態乃至第5実施形態のいずれか1項に記載の結束具K
3〜K5と、必要により、用途に応じた椅子用布材、天板等を一組として組立キットとて提供することもできる。
【0083】
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0084】
例えば、各要素の材質、形態等は、用途及び棒状部材の規格等に応じて、適切に選択可能である。また、各連結具貫通孔、各連結具装着孔、案内孔、連結具挿通孔の形態、間隔、帯状部の層数及び高さ等についても適切に設計が可能である。特に、連結具の形状に応じて、嵌装しやすいように、各連結具貫通孔、各連結具装着孔、案内孔を形成することができる。
【0085】
さらに、本複脚構造体の種類についても制限はなく、結束具の位置等も、複脚構造体の用途に応じて、棒状部材の頂部(その近傍)、中間部等、適切な位置に設けることができる。
【解決手段】 筒状体10を備える、複数の棒状部材(竹材71)を結束するための結束具K1において、上記筒状体は、複数個の連結具(連結ボルト81)の貫通孔16と、各々の貫通孔に対向する部位に形成されている、複数個の連結具の装着孔17と、を有し、当該装着孔に連結具を固定可能となるように形成されている構成とした。