(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記網羅的適合文献検索式では、前記特許文献集合Xの階層別キーワード表の全階層毎に階層別検索式を作成、該作成した全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記網羅的適合文献検索式のキーワードと、前記マスター特許文献集合の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として決定した特許分類とを使用することを特徴とする請求項1に記載の特許文献の検索方法。
前記マスター特許文献集合の文献件数が不足していてキーワード用文献件数充足度基準値を満足する文献件数を前記マスター特許文献集合から無作為抽出して作成する前記文献集合Xを作成することができない場合は、前記マスター文献集合の文献件数を任意の方法で前記マスター特許文献集合の文献件数充足度判定用散布図によってキーワード飽和点適合文献件数が求められない場合は、前記マスター文献集合の文献件数を任意の方法でキーワード飽和点適合文献件数がもとめられるようになるまで増加させ、該増加させた適合文献集合を前記マスター特許文献集合として使用して、前記文献集合作成ステップ、前記特許データベース検索ステップ、前記スクリーニングするステップを実行することを特徴とする請求項1に記載の特許文献の検索方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の特許文献の検索方法の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0019】
図1により、公開特許公報や特許公報等のように特許分類が付与されている特許文献が複数個集まってできる特許文献集合の分析に用いる特許文献分析ソフトと表計算ソフトがインストールされているコンピュータ2を備えた特許文献分析装置1の構成について説明する。
【0020】
この特許文献分析装置1は、制御装置3、演算装置4、記憶装置5及びI/O6がバスラインを介して接続されたコンピュータ2を有し、このコンピュータ2のI/O6の入力側には、キーボード7、マウス8、入力装置9、MOドライブ等を含むCD−ROMドライブ10が接続されており、I/O6の出力側には、CRT(液晶ディスプレイを含む)からなる表示装置11、プリンタ12等が接続されている。さらに通信回線14を通してSRPARTNERやNRIサイバーパテントデスク等のASPの特許データベース13に接続することもできる。特許データベース13には書誌情報および明細書内容などの特許文献が保存されている。
【0021】
特許文献分析装置1の有する主要機能は以下の通りである。
入力装置9を操作して、コンピュータ2の記憶装置5に予めインストールされている前記特許文献分析ソフトを用いて分析対象特許文献集合のファイルを開くとフロントページが表示されるので、該ページからマップ、検索/リスト等のデータオブジェクトを選択して作業を進める。
【0022】
特許マップの作成は、データオブジェクトとしてマップを選択、マップの作成条件の設定画面を表示装置11に描画、該設定画面で種々のマップ作成条件を設定することにより、種々の特許マップ、例えばランキング特許マップ(1列目を特許分類、キーワード、出願人等の各表示項目列、2列目を表示項目列のキーワードが付与されている文献件数列で1列目のキーワードの配列は2列目の文献件数を整列のキーとして降順に整列した数値テーブルをマップ化したもので、数値テーブルとマップの切り替は入力装置9により容易にできる)や、キーワード別2文献集合の文献件数比較マップ(1列目を特許分類、キーワード等の表示項目列、2列目を文献集合1の文献件数列、3列目を文献集合2の文献件数、4列目を2列目目の文献件数の3列目の文献件数に対する割合とし、1列目の表示項目のキーワードの配列は4列目の割合を整列のキーに降順に整列してある数値テーブルをマップ化したもので、数値テーブルとマップの切り替は入力装置9により容易にできる)等を作成することができる。
【0023】
また、前記種々のマップの数値テーブルを該数値テーブル画面とは別画面に表示されている前記表計算ソフトのシートにコピー&ペイスト、該コピー&ペイストした数値テーブルを、前記表計算ソフトを用いて行や列の追加、削除、各セルへの文字の記載、削除、セル間の数字の四則演算、特定の行又は列の文字をキーに特定の範囲のデータを昇順または降順に整列させる等の加工は自由自在にできるようになっている。
【0024】
記憶装置5に保存してある特許文献集合を検索対象とする各種特許分類やキーワードによる検索、記憶装置5に保存してある特許文献集合のオブジェクトとして保存してあるファイル同士の論理和集合、論理差集合、論理積集合の作成は特許情報の検索画面を表示装置11の画面に描画、該画面上で入力装置9を用いて自由に検索、演算をすることが出来る。
【0025】
記憶装置5に保存してある特許文献集合を検索対象として検索キーワードを特定の特許文献項目の特定のキーワードと部分一致しているキーワード又は前方一致しているキーワード又は後方一致しているキーワードにしたい場合は、特許情報検索画面から覗くことが出来る前記特定の特許文献項目のキーワード一覧表画面に設置されている絞込用キーワード欄に前記特定のキーワードをインプット、絞込みタイプを部分一致、前方一致、後方一致のいずれか希望のタイプを選択、絞込みを実行すると、指定された条件のキーワード一覧表が描画されるので、該一覧表から使用したいキーワードを選択することができるようになっている。
【0026】
分析に必要な特許文献集合の作成方法は、先ず、入力装置9を操作して、特許データベース13にアクセスするか、又は、CD−ROM等ドライブ10にセットした公開特許公報CDにアクセスして、特許分類やキーワード等で構成されている検索式を用いて、特許文献検索を行い、該ヒットした文献集合に名前を付して記憶装置5に保存、該記憶装置5に保存してある特許文献集合を、予め記憶装置5にインストールされているデータ形式変換プログラムを用いて、前記特許文献分析ソフトで処理できる形式に変換、該変換した特許文献集合を必要に応じてスクリーニングして分析用特許文献集合を作成、記憶装置5に保存する。
【0027】
本願での特許分類とは、IPC、FIのセクション、クラス、サブクラス、メイングループ、サブグループ及びFタームのテーマコード、テーマコード+観点、Fターム等の特許分類記号のことを意味し、特許文献とは前記特許分類が付与されている文献の事を意味する。
【0028】
本願で記載の
特許文献項目とは発明の名称、要約、請求の範囲、明細書全文及びのこれらの項目の組合せの総称のことであり、
網羅的適合文献検索式とは、検索目的に適合する特許文献を網羅的に検索するための検索式のことあり、
網羅的適合文献集合とは、検索目的に適合する文献を網羅的に収集してある文献集合のことである。
【0029】
以下に任意の方法で収集したマスター特許文献集合の特許分類とキーワードを用いて適合文献を網羅的に収集するための特許文献検索方法について
図1〜
図19を用いて説明するが請求項1、2に関わる説明は、スクリーニングにより得られた適合文献増大集合の適合文献網羅性が官能評価で合格するまで文献検索を実施する場合であり、請求項3、4に関わる説明はマスター特許文献集合の(注6)キーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来る場合であり、請求項5に関わる説明はマスター特許文献集合のキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来ない場合である。
【0030】
請求項1、2に関わる特許文献の検索方法のステップにはSAを、請求項3、4に関わるステップにはSBを、請求項5に関わるステップにはSCを冠して記載する。
【0031】
1.請求項1、2に関わる特許文献の検索方法
SA1、マスター特許文献集合Aを作成する。
【0032】
本ステップのマスター特許文献集合Aの作成方法は任意の方法で良いが、例えば適合特許文献から抽出したキーワード、あるいは、特許情報プラットフォームで調査した特許分類と思いついたキーワードを用いて作成した検索式で特許文献検索を行い、ヒットした文献集合をスクリーニングして作成する方法がある。
【0033】
SA2、前記マスター特許文献集合Aの(注1)累積特許分類別文献件数表の(注2)累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として適合文献増加検索式Aに用いる特許分類を決定する。
【0034】
(注1)特定の適合文献集合の累積特許分類別文献件数表(例として
図5、
図11、
図17参照)とは該特定の適合文献集合に使用されている特許分類から適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式に用いる特許分類を抽出するための特許分類の整理表であって、該適合文献集合の文献に付与されている特許分類を、該特許分類が付与されている文献件数を整列のキーとして降順に配列した▲1▼特許分類列と該特許分類列の特許分類が付与されている文献件数が記載されている▲2▼文献件数列と該文献件数列1位の特許分類は1行目の、文献件数1位と2位の特許分類の論理和は2行目の、文献件数1位と2位と3位の特許分類の論理和は3行目のように、各行には各行の順位までの特許分類の論理和集合(該集合を以下、累積特許分類と記載する)が記載されている▲3▼累積特許分類列と検索対象を前記特定の適合文献集合、検索キーワードを前記▲3▼の累積特許分類として検索、該検索でヒットした文献件数が記載されている▲4▼累積特許分類別文献ヒット件数列と▲4▼列の文献件数の前記適合文献集合の全文献件数に対する割合が記載されている▲5▼累積特許分類別文献件数割合列で構成されている表で、該表の作成方法は▲1▼特許分類列▲2▼文献件数列には前記特許文献分析ソフトを使用して作成した前記特定の適合文献集合の特許分類別文献件数ランキング表の特許分類と文献件数を記載(例として
図5、
図11、
図17の▲1▼列、▲2▼列参照)、▲3▼列の累積特許分類欄には▲1▼列の特許分類を使用して記載、▲4▼列の累積特許分類別文献ヒット件数列の文献件数は前記特許文献分析ソフトの特許情報の検索画面で検索対象を前記特定の特許文献集合、検索キーワードを前記▲3▼列の累積特許分類で検索を実行することにより求め、前記▲5▼列の特許分類別文献件数割合は▲4▼列の文献件数を前記特定の特許文献集合の全文献件数で除した値を記載する。
【0035】
(注2)特定の適合文献集合の累積特許分類別文献件数割合とは該特定の適合文献集合に使用されている特許分類から適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式に用いる特許分類を抽出する篩の役割をする評価尺度であり、前記特定の適合文献集合の累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合列(例として
図4、
図11、
図17の▲5▼列参照)に記載されている割合のことである。
【0036】
SA3、前記マスター特許文献集合Aから適合文献増加検索式A用に抽出したキーワードを層別して作成した(注3)階層別キーワード表を使用して(注4)階層別検索式を作成する。
【0037】
(注3)特定の適合文献集合の階層別キーワード表(例として
図7、
図12、
図18参照)とは特許文献増加検索式や網羅的適合文献検索式を構成する検索式となる階層別検索式に使用する前記特定の適合文献集合から抽出したキーワードを階層別に層別する表で、複数の階層列と複数の行により構成されており、前記特定の適合文献集合の特定の特許文献項目に使用されているキーワードの中から特許文献増加検索式や網羅的適合文献検索式に使用するために抽出したキーワードを、発明のカテゴリーを表現しているキーワードの全てを第1階層列の任意の行にそれぞれ配置、第1階層列のいずれかのキーワードを直接修飾する機能を有するキーワードの全てを第2階層列の任意の行にそれぞれ配置、第2階層列のいずれかのキーワードを直接修飾する機能を有するキーワードの全てを第3階層列の任意の行にそれぞれ配置、のように前記適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式に使用するキーワードとして抽出したキーワードを日本語の語順の観点から層別して配置してある表で、例えば、見守、装置、独居老人、生活という4個のキーワードの場合は、発明のカテゴリーを表現しているキーワードは装置、該装置を基準にすると日本語としての語順は、独居老人(の)生活(を)見守(る)装置となるので、装置を第1階層列に、見守を第2階層列に、生活を第3階層列に、老人を第4階層列に配置、階層列数は前記特定の適合文献集合から前記適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式用に抽出したキーワードの全てのキーワードがいずれかの階層列に配置できるように設置、配置すべきキーワードの中で複数の階層列に属するキーワード(複合語)がある場合は該キーワードを単一の階層列に配置できるように分離、該分離したキーワードをそれぞれの該当する階層列に配置、同一階層列に部分一致するキーワードがある場合は部分一致している部分のキーワードのみを配置、重複しているキーワードがある場合は重複をなくしてキーワードを配置する。
【0038】
前記特定の適合文献集合の特定の特許文献項目に使用されているキーワードの具体的抽出方法は前記特許文献分析ソフトを開きランキングマップの作成画面を表示装置11に描画、該描画された画面上で分析対象文献集合は前記特定の適合文献集合、表示するデータはキーワード別文献件数とした後、表示対象のキーワードの特許文献項目は発明の名称とか要約等の必要とする特許文献項目をマウス8で選択、実行キーを操作すると前記選択された特許文献項目のキーワード別文献件数ランキングマップが描画されるので、該マップをマウス8の操作でリストに切替えると前記選択した特許文献項目のキーワード別文献件数ランキング表が得られるので、必要な特許文献項目毎に作成したキーワードランキング表を重ね合せ、該重ね合せて作成したキーワード別文献件数表のキーワードを昇順又は降順に整列して作成した前記特定の適合文献集合の特定の特許文献項目のキーワード別文献件数表(例として
図5参照)から前記適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式に使用するキーワードを抽出する。
【0039】
特定の特許文献項目のキーワードの個数が多い場合は、前記適合文献増加検索式又は網羅的適合文献検索式に使用すると決定したキーワードを、前記特定の特許文献項目のキーワード別文献件数表(例として
図5参照)と同一の行数と前記特定の適合文献集合の階層別キーワード表と同一の階層列を有するキーワードの階層別整理表(例として
図6参照)に記載、該記載したキーワードで部分一致しているキーワードがあれば共通部分のキーワードに、重複キーワードがあれば1個のキーワードに整理して前記特定の適合文献集合の階層別キーワード表を作成すれば容易に作成することができる。
【0040】
(注4)特定の適合文献集合の階層別検索式とは適合文献増加検索式や網羅的適合文献検索式の論理式を構成する検索式の一種で、前記特定の適合文献集合の階層別キーワード表の階層列毎に、検索項目は特定の特許文献項目、検索キーワードは前記特定の適合文献集合の階層別キーワード表の同一階層列に配置されているキーワードの論理和、検索方式は部分一致検索として作成した検索式(例として
図8の式、K1、K2、K3、K4、
図13の式、K1、K2、K3、K4、
図19の式、K1、K2、K3、K4参照)のことで該検索式を論理演算子で結合して適合文献増加検索式(例として
図8の適合文献増加式参照)や網羅的適合文献検索式(例として
図13、
図19の網羅的適合文献検索式参照)に適用する。
【0041】
SA4、ステップSA2で適合文献増加検索式Aに用いると決定した前記マスター特許文献集合Aから抽出した特許分類(例として
図4の▲5▼列の値が判定基準を満足しているG08B25/)とステップSA3で作成した階層別検索式(例として
図8の式、K1、K2、K3、K4参照)を使用して前記適合文献増加検索式A(例として
図8の適合文献増加検索式a参照)を作成する。
【0042】
前記ステップで適合文献増加検索式Aに用いると決定した特許分類は論理和として(例として
図4の▲5▼列の値が判定基準を満足している▲3▼列の累積特許分類、G08B25/参照)前記適合文献増加検索式Aへ適用する。
【0043】
ステップSA3で作成した階層別検索式の前記適合文献増加検索式Aへの適用方法は、前記ステップSA3で作成した全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に、該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記適合文献増加式のキーワードとして適用する。
【0044】
前記階層別検索式の前記適合文献増加検索式Aへの適用方法について
図8の階層別検索式、K1、K2、K3、K4を用いて具体的に説明すると、K1*K2*K3*K4の検索式で、例えばK4に使用されているキーワードが不十分であると判断したら、該キーワードが不十分であると判断した検索式K4を含まないK1*K2*K3の検索式を前記K1*K2*K3*K4の替わりに使用する方法をとれば、ヒットする文献集合の不適合文献件数も増加するが適合文献件数も増加させることができるので、該方法をキーワードが不十分であると判断した階層別検索式の全てに適用して適合文献件数を増加させる方法を簡潔に記載した結果が前記全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に、該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記適合文献増加式のキーワードとして適用するという記載になっている。
【0045】
前記階層別検索式Aの中で該階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献件数を増加させたい階層別検索式の選択に関しては階層別検索式単独の特許データベース検索の文献ヒット件数(例として
図8、
図19中のヒット件数が該当しており、該ヒット件数が少ない階層別検索式ほど前記該階層別検索式同士の論理積に含めない場合の特許データベース検索のヒット件数は増大する)を参照して決定するとよい。
【0046】
SA5、適合文献増加検索式Aによる特許データベース検索を実施、ヒットした文献集合をヒット文献集合Ai(サフィックスiの初期値は1、増分値は1とする)とする。
【0047】
具体的には、特許分析装置1と通信回線14を介して特許データベース13と接続、入力装置9の操作により、前記適合文献増加検索式Aにより特許データベース13の文献検索を実施、ヒットした文献集合を記憶装置5に保存、該保存した文献集合を前記特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換して記憶装置5に保存する。
【0048】
SA6、前記ステップでヒットした文献集合であるヒット文献集合Aiと前記マスター特許文献集合Aを用いて、iが1の場合は、ヒット文献集合Aiと前記マスター特許文献集合Aの論理和集合である文献増大集合Aiを、iが2に等いか以上の場合は、ヒット文献集合Aiと文献増大集合A(i−1)の論理和集合である文献増大集合Aiを作成する。
【0049】
前記ヒット文献集合Aiと前記マスター特許文献集合A又は文献増大集合A(i−1)の論理和集合である文献増大集合Aiの作成方法は、前記特許文献分析ソフトの文献検索画面を表示装置11に描画、該画面上でマウス8を使って前記ヒット文献集合Aiと前記マスター特許文献集合A又は前記文献増大集合A(i−1)の論理和集合の作成を指定して実行すれば容易に作成することができる。
【0050】
SA7、前記文献増大集合Aiのスクリーニングを実施、適合文献増大集合Aiを作成する。
【0051】
前記文献増大集合Aiを任意の方法でスクリーニング、該抽出した適合文献で適合文献増大集合Aiを作成する。
【0052】
SA8、官能評価により前記適合文献増大集合Aiの文献件数の網羅性を判定する。
【0053】
注目している特許文献が前記適合文献増大集合Aiに含まれているか、前記適合文献増大集合Aiの文献件数は使用目的に適合しているか等の官能評価を実施、官能評価で合格であれば該適合文献増大集合Aiが目的とする網羅的適合特許文献集合であり、不合格であればスタートのステップに戻りSA1で作成した前記マスター特許文献集合Aの替わりに前記適合文献増大集合Aiを用いてSA8の適合文献増大集合Aiが官能評価で合格するまで各ステップを実施する。
【0054】
SA9、SA8の官能評価で合格した前記適合文献増大集合Aiが目的とする網羅的適合特許文献集合となる。
【0055】
2.請求項3、4に関わる特許文献の検索方法を以下に記載するが、該方法はマスター特許文献集合Bの(注5)文献件数充足度判定用散布図から(注6)キーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来る場合の適合文献網羅的検索方法である。
【0056】
(注5)特定の適合文献集合の文献件数充足度判定用散布図とは前記特定の適合文献集合の文献件数が網羅的適合文献検索式に用いるキーワードを抽出するのに十分か否かを判定するための文献件数とキーワード個数の散布図(例として
図10、
図15、
図16参照)のことであり、該散布図の作成方法は、前記特定の適合文献集合の文献をランダムに配列、該配列した文献に1からNまで連続的に変化するiの番号(i=1、2、3、,・・・・、N)を付し、1からiまでのi件の文献で構成される適合文献集合iのiを変化させた文献集合iを作成、該iを変化させた各文献集合iから抽出した前記網羅的適合文献検索式に使用する目的で抽出したキーワードの個数と該キーワードを抽出した適合文献集合iの文献件iの散布図を描いて作成する。
【0057】
例として
図10(マスター特許文献集合bの文献件数は277件)について説明すれば、マスター特許文献集合bの277件の文献を、乱数を用いてランダムに配列、該配列した文献に1〜277の番号を付し、該番号の1〜20、1〜50、1〜100、1〜150で構成する文献集合20、文献集合50、文献集合100、文献集合150を作成、該それぞれの文献集合から網羅的適合文献検索式に用いるキーワードを抽出し、それぞれの集合の階層別キーワード表を作成、該キーワード表のキーワード個数を数えると、文献集合20は31個、文献集合50は50個、文献集合100は56個、文献集合150は59個だったので、これ等の数値を使用して描いた散布図が
図10である。
【0058】
(注6)特定の特許文献集合のキーワード飽和点適合文献件数とは、前記特定の適合文献集合の文献件数充足度判定用散布図(例として
図10、
図15、
図16参照)において、適合文献件数の増分に対するキーワード個数の増分がゼロに該当する文献件数のこと、換言するとキーワード飽和点適合文献件数以上の文献件数が増加しても網羅的適合文献検索式用キーワードはほとんど増加しないと推定される文献件数のことであり、該文献件数の求め方は、前記特定の適合文献集合の文献件数充足度判定用散布図上で文献件数とキーワード個数の測定点を参照して推定した曲線の接線の勾配がゼロになる適合文献件数として求めてもよいし、前記散布図を2次曲線(例として
図10、
図16の図中の2次曲線参照)で近似し、該2次曲線の微分値がゼロになる適合文献件数として求めてもよい。
【0059】
SB1、マスター特許文献集合Bを作成する。
【0060】
本ステップのマスター特許文献集合Bの作成方法は任意の方法で良いが、例えば適合特許文献から抽出したキーワード(該キーワードによる検索式例として
図9参照)、あるいは、特許情報プラットフォームで調査した特許分類と思いついたキーワードを用いて作成した検索式で特許文献検索を行い、ヒットした文献集合を任意の方法でスクリーニングして作成する方法がある。
【0061】
SB2、マスター特許文献集合Bの文献件数充足度判定用散布図(例として
図10参照)を作成する。
【0062】
前記(注5)の方法でマスター特許文献集合Bの文献件数充足度判定用散布図を作成する。
【0063】
SB3、マスター特許文献集合Bのキーワード飽和点適合文献件数を求める。
【0064】
前記(注6)の方法でマスター特許文献集合Bのキーワード飽和点適合文献件数を求める。
【0065】
請求項2に関わる本項の場合は前記マスター特許文献集合Bの文献件数がキーワード飽和点適合文献件数以上の場合なので、適合文献を増加させる工程を経ず、直接網羅的適合文献検索式を作成するステップへ進む。
【0066】
SB4、網羅的適合文献検索式Bに用いる特許分類をマスター特許文献集合Bの累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として決定する。
【0067】
前記SA2と同一方法を用いて前記SB1のマスター特許文献集合Bより網羅的適合文献検索式Bに用いる特許分類を決定する。
【0068】
SB5、前記マスター特許文献集合Bの(注7)キーワード用文献件数充足度基準値を満足する適合文献件数をランダムに前記マスター特許文献集合Bから抽出して作成した文献集合から網羅的適合文献検索式B用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表(例として
図12参照)を使用して階層別検索式(例として
図13の式、K1、K2、K3、K4)を作成する。
【0069】
(注7)特定の適合特許文献集合のキーワード用文献件数充足度基準値とは前記特定の適合特許文献集合のキーワード飽和点適合文献件数に対する、前記特定の適合文献集合からランダムに抽出する網羅的適合文献検索式用キーワードの抽出源となる文献集合の文献件数の割合を評価尺度とした判定基準値のことで、該判定基準値を満足する文献集合から網羅的適合文献検索式用キーワードを抽出すれば適合文献を網羅的に収集できる検索式を作成するに必要十分のキーワードを抽出できると考えられる。
【0070】
理論上は前記網羅的適合文献検索式に用いるキーワードを100%抽出するには前記網羅的適合文献検索式用キーワードの抽出源となる文献集合の前記キーワード用文献件数充足度基準値を100%以上にする必要があるが、前記特定の適合特許文献集合の文献件数充足度判定用散布図において前記適合文献のキーワード飽和点近傍の散布図の近似曲線の勾配はゼロに近いので、実用に際してはこのことを考慮して適合文献収集目的に応じて前記キーワード用文献件数充足度基準値を決定すればよい。
【0071】
SB6、網羅的適合文献検索式Bを作成する。
【0072】
前記SB4で網羅的適合文献検索式Bに用いると決定した特許分類は論理和として(例として
図11の▲5▼列の値が判定基準を満足している▲3▼列の累積特許分類、G08B25/参照)前記網羅的適合文献検索式Bへ適用する。
【0073】
ステップSB5で作成した階層別検索式の前記網羅的適合文献検索式Bへの適用方法は、前記ステップSB5で作成した全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に、該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記適合文献増加式のキーワードとして適用する。
【0074】
SB7、前記網羅的適合文献検索式Bを用いて特許データベース検索を行う。
【0075】
前記SA5と同一方法で前記網羅的適合文献検索式Bを用いて特許データベース検索を行う。
【0076】
SB8、SB7の特許データベース検索でヒットした文献集合とマスター特許文献集合Bの論理和集合を作成、該論理和集合をスクリーニングする。
【0077】
SB9、前記SB8の論理和集合のスクリーニングで抽出した適合文献の文献集合が網羅的適合特許文献集合Bとなる。
【0078】
3.請求項5に関わる特許文献の検索方法を以下に記載するが、該方法はマスター特許文献集合Cの文献件数充足度判定用散布図からキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来ない場合の適合文献網羅的検索方法である。
【0079】
SC1、マスター特許文献集合C(例として
図3参照)を作成する。
【0080】
本ステップのマスター特許文献集合Cの作成方法は任意の方法で良いが、例えば適合特許文献から抽出したキーワード、あるいは、特許情報プラットフォームで調査した特許分類と思いついたキーワードを用いて作成した検索式で特許文献検索を行い、ヒットした文献集合を任意の方法でスクリーニングして作成する方法がある。
【0081】
SC2、マスター特許文献集合Cの文献件数充足度判定用散布図を作成する。
【0082】
前記(注5)の方法で前記マスター特許文献集合Cの文献件数充足度判定用散布図(例として
図15参照)を作成する。
【0083】
SC3、マスター特許文献集合Cのキーワード飽和点適合文献件数を求める。
【0084】
前記(注6)の方法でマスター特許文献集合のキーワード飽和点適合文献件数を求めようとしても、請求項5に関わる本項の場合は前記マスター特許文献集合Cのキーワード飽和点適合文献件数を求めることができない場合(例として
図15からは前記マスター特許文献集合キーワード飽和点適合文献件数を求めることができない)であるため、適合文献を増加させる工程を経て網羅的適合文献検索式Cを作成するステップへ進む。
【0085】
SC4、マスター特許文献集合Cの累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として適合文献増加検索式Cに用いる特許分類を決定する。
【0086】
前記(注1)の方法でマスター特許文献集合Cの累積特許分類別文献件数表(例として
図4参照)を作成、該累積特許分類別文献件数表中の累積特許分類別文献件数割合(例として
図4の▲5▼欄参照)を評価尺度として適合文献増加検索式Cに用いる特許分類を決定する。
【0087】
SC5、マスター特許文献集合Cから適合文献増加検索式Cに使用するキーワードを抽出して階層別キーワード表を作成、該階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成する。
【0088】
前記、注3に記載する方法で適合文献増加検索式Cに用いるキーワードを決定するためのマスター特許文献集合Cの階層別キーワード表(例として
図7参照)を作成、該階層別キーワード表を用いて前記、注4の方法で階層別検索式(例として
図8の式K1、K2、K3、K4)を作成する。
【0089】
SC6、適合文献増加検索式Cを作成する。
【0090】
前記SC4で適合文献増加検索式Cに用いると決定した特許分類は論理和として(例として
図4の▲5▼列の値が判定基準を満足している▲3▼列の累積特許分類、G08B25/参照)前記適合文献増加検索式Cへ適用する。
【0091】
前記SC5で作成した階層別検索式の前記適合文献増加検索式Cへの適用方法は、前記ステップSC5で作成した全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に、該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記適合文献増加式のキーワードとして適用する。
【0092】
SC7、適合文献増加検索式Cによる特許データベース検索を実施、ヒットした文献集合をヒット文献集合Ci(サフィックス、iの初期値を1、増分値を1とする)とする。
【0093】
前記SA5と同一方法で前記適合文献増加検索式Cによる特許データベース検索をする。
【0094】
SC8、前記ステップでヒットした文献集合Ciと前記マスター特許文献集合Cを用いて、iが1の場合は、ヒット文献集合Ciと前記マスター特許文献集合Cの論理和集合である文献増大集合Ciを、iが2に等いか以上の場合は、ヒット文献集合Ciと文献増大集合C(i−1)の論理和集合である文献増大集合Ciを作成する。
【0095】
前記ヒット文献集合Ciと前記マスター特許文献集合C又は文献増大集合C(i−1)の論理和集合である文献増大集合Ciの作成方法は、前記特許文献分析ソフトの文献検索画面を表示装置11に描画、該画面上でマウス8を使って前記ヒット文献集合Ciと前記マスター特許文献集合C又は前記文献増大集合C(i−1)の論理和集合の作成を指定して実行すれば容易に作成することができる。
【0096】
SC9、前記文献増大集合Ciのスクリーニングを行い、適合文献増大集合Ciを作成する。
【0097】
任意の方法で前記文献増大集合Ciのスクリーニングを行い、適合文献増大集合Ciを作成する。
【0098】
SC10、前記適合文献増大集合Ciの文献件数充足度判定用散布図を作成する。
【0099】
前記(注5)に記載の方法で前記適合文献増大集合Ciの文献件数充足度判定用散布図(例として
図16参照)を作成する。
SC11、前記適合文献増大集合Ciのキーワード飽和点適合文献件数を求める。
【0100】
前記(注6)に記載の方法で前記適合文献増大集合Ciのキーワード飽和点適合文献件数を求める。
【0101】
前記適合文献増大集合Ciの文献件数が不足して、キーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来ない場合はスタートのステップに戻りSC1で作成したマスター特許文献集合Cの替わりに前記適合文献増大集合Ciを用いて該適合文献増大集合Ciのキーワード飽和点適合文献件数が求まるSC11までのステップを実施する。
【0102】
SC12、前記適合文献増大集合Ciに使用されている特許分類から網羅的適合文献検索式Cに用いる特許分類を決定する。
【0103】
前記(注1)の方法で前記適合文献増大集合Ciの累積特許分類別文献件数表(例として
図17参照)を作成、該累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合(例として
図17の▲5▼欄参照)を評価尺度として網羅的適合文献検索式Cに用いる特許分類を決定する。
【0104】
SC13、適合文献増大集合Ciからランダムに抽出したキーワード用文献件数充足度基準を満足する文献件数を有する文献集合から網羅的適合文献検索式C用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成する。
【0105】
前記適合文献増大集合Ciからランダムに抽出したキーワード用文献件数充足度基準を満足する文献件数から成る文献集合から網羅的適合文献検索式Cに用いキーワードを抽出して前記適合文献増大集合Ciの階層別キーワード表(例として
図18参照)を作成、該階層別キーワード表から、前記適合文献増大集合Ciの階層別検索式(例として
図19の式、K1、K2、K3、K4参照)を作成する。
【0106】
SC14、前記網羅的適合文献検索式Cを作成する。
【0107】
前記SC12で前記網羅的適合文献検索式Cに用いると決定した特許分類は論理和として(例として
図17の▲5▼列の値が判定基準を満足している▲3▼列の累積特許分類、G08B25/参照)前記網羅的適合文献検索式Cへ適用する。
【0108】
SC13で作成した階層別検索式の前記網羅的適合文献検索式Cへの適用方法は、前記ステップSC13で作成した全階層別検索式同士の論理積に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい全ての階層別検索式毎に、該階層別検索式以外の全ての階層別検索式同士の論理積を作成、該作成した論理積の全てを論理和とする検索式を作成、該検索式を前記網羅的適合文献検索式Cのキーワードとして適用する。
【0109】
SC15、前記網羅的適合文献検索式Cを用いて特許データベース検索を行う。
【0110】
前記SA5と同一方法で前記網羅的適合文献検索式Cを用いて特許データベース検索を行う。
【0111】
SC16、SC15の特許データベース検索でヒットした文献集合と前記適合文献増大集合Ciの論理和集合である適合文献網羅的収集集合Cを作成、該集合をスクリーニングする。
【0112】
SC17、前記SC16の適合文献網羅的収集集合Cをスクリーニングして抽出した適合文献の文献集合が網羅的適合特許文献集合Cとなる。
【0113】
以下、任意の方法で収集した独居老人や高齢者等弱者の安否確認、緊急時通報、浴室監視等の生活見守りに関する文献集合を用いて適合文献を増大させる特許文献検索方法の実施例を以下の三つのケースについて記載する。
【0114】
実施例1は請求項1、2に関する、マスター特許文献集合aの特許分類とキーワードを使用して増大させた適合文献増大集合が官能評価で合格するまで適合文献検索を実施する場合、実施例2は請求項3、4に関する、マスター特許文献集合bのキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来る場合、実施例3は請求項5に関する、マスター特許文献集合cのキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来ない場合である。
【0115】
実施例1(請求項1、2に対応、増大させた適合文献増大集合が官能評価で合格するまでの文献検索方法)
【0116】
A1、マスター特許文献集合aを作成するステップである。
【0117】
マスター特許文献集合aは特許情報プラットフォームを使用して検索した適合文献の中から任意に選んだ
図3に示す5件の適合文献とした。
【0118】
A2、マスター特許文献集合aの累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として適合文献増加検索式aに用いる特許分類を決定するステップである。
【0119】
本実施例のマスター特許文献集合aの累積特許分類別文献件数表は
図4であり、該図中の▲5▼累積特許分類別文献件数割合欄の割合が判定基準値の80%を超えているのはG08B25/なので、該特許分類を適合文献増加検索式aに用いる特許分類と決定する。
【0120】
A3、マスター特許文献集合aから適合文献増加検索式a用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成するステップである。
【0121】
本実施例のマスター特許文献集合aの文献件数は5件、該5件の発明の名称と要約と請求の範囲に使用されているキーワードの総数は384個,該個数は工数的に見て処理能力範囲内であるため前記特許文献項目のキーワードを層別して作成した階層別キーワード表が
図7である。
【0122】
前記階層別キーワード表(
図7)を作成する場合、抽出対象キーワード個数が384個のように多くなると、抽出基となるマスター特許文献集合aの発明の名称と要約と請求の範囲のキーワード別文献件数表(
図5)の1部分を見ながらのキーワード抽出となるので重複抽出となるキーワード、分解が必要な複合語のキーワードを直接階層別キーワード表に層別するのは困難の為、抽出したキーワードを一旦、階層別整理表(
図6)に纏め、該整理表で、同一階層列に部分一致するキーワードがある場合は部分一致している部分のキーワードに統合、重複しているキーワードがある場合は重複をなくして
図7のマスター特許文献集合aの階層別キーワード表を作成、該階層別キーワード表を使用して階層別検索式(
図8中の式、K1、K2、K3、K4)を作成した。
【0123】
A4、ステップA2で適合文献増加検索式aに用いると決定した前記マスター特許文献集合aから抽出した特許分類とステップA3で作成した階層別検索式を使用して前記適合文献増加検索式aを作成するステップである。
【0124】
ステップA2で適合文献増加検索式a用に決定した特許分類はG08B25/だけなので該特許分類を
図8の適合文献増加検索式aに適用した。
【0125】
ステップA3で作成した階層別検索式の適合文献増加検索式a(
図8の適合文献増加検索式a)への適用方法は、全階層別検索式同士の論理積、K1*K2*K3*K4に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい階層別検索式は
図8の式、K1、K2、K3、K4なので該K1、K2、K3、K4毎に該階層別検索式を含めない階層別検索式同士の論理積、K1*K2*K3、K2*K3*K4、K3*K4*K1、K4*K1*K2を作成、該論理積の論理和、(K1*K2*K3+K2*K3*K4+K3*K4*K1+K4*K1*K2)を前記適合文献増加検索式aへ適用した。
【0126】
A5、適合文献増加検索式aによる特許データベース検索を実施、ヒットした文献集合をヒット文献集合ai(サフィックス、iの初期値は1、増分値は1とする)とするステップである。
【0128】
通信回線14を用いて特許データベース13と接続、前記適合文献増加検索式aを用いて特許文献検索を実施した結果1173件の文献がヒットした、本ステップのiは1であるので、従ってヒット文献集合aiはヒット文献集合a1となり該文献集合の文献件数は1173件となった。
【0129】
A6、iが1であるので前記A5でヒットした文献集合であるヒット文献集合a1とマスター特許文献集合aの論理和集合である文献増大集合a1を作成するステップである。
【0130】
ヒット文献集合a1の文献件数は1173件、本実施例のマスター文献集合aの5件の全ての文献はヒット文献集合a1に含まれているので、文献増大集合a1の文献件数は1173件となった。
【0131】
A7、前記文献増大集合a1のスクリーニングを行い、適合文献増大集合a1を作成するステップである。
【0132】
前記文献増大集合a1の1173件の特許文献をスクリーニングして607件の適合文献を抽出した、従って適合文献増大集合a1の文献件数は607件となった。
【0133】
A8、適合文献増大集合a1を官能評価するステップである。
【0134】
適合文献増大集合a1の文献件数は607件、マスター特許文献集合aは5件で、該5件の特許文献は全て前記適合文献増大集合a1に含まれていること、及び該5件の文献件数を基準にすると前記適合文献増大集合a1の文献件数は121倍になっているので前記適合文献増大集合a1は合格とする。
【0135】
A9、前記適合文献増大集合a1が目的とする網羅的適合特許文献集合となる。
【0136】
実施例2(請求項3、4に対応、マスター文献集合bのキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来る場合)
【0137】
B1、マスター特許文献集合bを作成するステップである。
【0138】
実施例2のマスター特許文献集合bは特許分類を使用せず、見守りに関する思いついたキーワードだけで検索式、
図9を作成、該検索式で特許データベース検索を実施、ヒットした490件をスクリーニングして277件の適合文献を抽出、該抽出した文献集合をマスター特許文献集合bとした。
【0139】
B2、前記マスター文献集合bの文献件数充足度判定用散布図を作成するステップである。
【0140】
前記マスター文献集合bの文献件数充足度判定用散布図は
図10である。
【0141】
B3、前記マスター特許文献集合bのキーワード飽和点適合文献件数を求めるステップである。
【0142】
図10の中の2次式は該図中の散布図の近似曲線で、該近似曲線から適合文献件数に対するキーワード個数の微分値がゼロの適合文献件数(該適合文献件数は、0.0026*2*X=0.6349のXとなる)を求めると122件となるので前記マスター特許文献集合bのキーワード飽和点適合文献件数は122件と求めることができるのでステップB4へ進む。
【0143】
B4、前記マスター特許文献集合bの累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として網羅的適合文献検索式bに用いる特許分類を決定するステップである。
【0144】
前記マスター特許文献集合bの累積特許分類別文献件数表は
図11に示す通りであり、該図において▲5▼累積特許分類別文献件数割合欄で判定基準を満足している特許分類はNO1のG08B25/であるので該特許分類を網羅的適合文献検索式bに用いる特許分類とする。
【0145】
B5、前記マスター特許文献集合bからランダムに抽出したキーワード用文献件数充足度基準値を満足する文献件数を有する文献集合から網羅的適合文献検索式b用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成するステップである。
【0146】
実施例2のキーワード用文献件数充足度基準値を100%以上とするとマスター特許文献集合bのキーワード飽和点適合文献件数は前記B3より122件であるので網羅的適合文献検索式bの階層別キーワード表のキーワードを抽出する文献集合の文献件数は122件以上である必要があるので、実施例2では150件の文献を前記マスター特許文献集合bから無作為抽出して作成した文献集合のキーワードを用いて
図12の階層別キーワード表を作成、該階層別キーワード表を使用して階層別検索式(
図13中の式、K1、K2、K3、K4)を作成した。
【0147】
B6、網羅的適合文献検索式bを作成するステップである。
【0148】
B4で網羅的適合文献検索式bに使用すると決定した特許分類はG08B25/であるので該特許分類と、B5で網羅的適合文献検索式b用に作成した階層別キーワード表のキーワードを用いて作成した
図13中の階層別検索式、K1、K2、K3、K4を組合せて網羅的適合文献検索式bを作成した。
【0149】
図13の網羅的適合文献検索式bに適用する階層別検索式、K1、K2、K3、K4の組合せは、該階層別検索式、K1、K2、K3、K4の全てについて全階層別検索式同士の論理積に含めないことで適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたいため、階層別検索式K1、K2、K3、K4毎に該階層別検索式を含まない階層別検索式同士の論理積、(K1*K2*K3、K2*K3*K4、K3*K4*K1、K4*K1*K2)を作成、該論理積の論理和を
図13の網羅的適合文献検索式bに適用した。
【0150】
B7、前記網羅的適合文献検索式bを用いて特許データベース検索を行うステップである。
【0151】
通信回線14を用いて特許データベース13と接続、前記網羅的適合文献検索式bを用いて特許文献検索を実施した結果8401件の文献がヒットした。
【0152】
B8、ヒットした文献集合とマスター特許文献集合bの論理和集合である適合文献網羅的収集集合bを作成、該適合文献網羅的収集集合bをスクリーニングするステップである。
【0153】
ヒットした文献集合の8401件とマスター特許文献集合bの277件の論理和集合である実施例2の前記適合文献網羅的収集集合bの文献件数は8456件であり、前記ヒットした文献集合の8401件と比較して55件増加している。
【0154】
前記マスター特許文献集合bの277の適合文献の全てが前記ヒットした文献集合に含まれているならば前記適合文献網羅的収集集合bの文献件数は増加しないはずであるが55件増加している理由は13図の検索式の式番号▲1▼のFIは
図11の▲5▼累積特許分類別文献件数割合が80%のG08B25/を
図13の網羅的適合文献検索式bに適用しているため、該検索式でヒットした文献集合には前記277件の適合文献の20%に相当する55件の適合文献が含まれていないからであり、従って網羅的適合文献検索式による特許データベース検索でヒットする文献集合に含むマスター特許文献集合の文献の割合を高めるためには前記マスター特許文献集合の累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合の判定基準を100%に近づければよいことがわかる。
【0155】
前記適合文献網羅的収集集合bの8456件に含まれている適合文献件数をサンプリング法で±10%の精度で推定するために、前記適合文献網羅的収集集合bからランダムに100件のサンプル文献を抽出(
図14参照)、該抽出した文献集合に含まれている適合文献の割合は17%だったので前記適合文献網羅的収集集合bに含まれている適合文献件数は1294件に等しいか、以上と1581件と等しいか以下の間の件数であると推定される。
【0156】
B9、前記スクリーニングにより抽出した1294件に等しいか、以上と1581件と等しいか以下の間の適合文献集合が目的とする網羅的適合特許文献集合bとなる。
【0157】
実施例3(請求項5に対応、マスター文献集合cのキーワード飽和点適合文献件数を求めることが出来ない場合)
【0158】
C1.マスター特許文献集合cを作成するステップである。
【0159】
実施例3のマスター特許文献集合cは実施例1で用いた文献集合と同一の
図3に示す5件の適合文献集合とした。
【0160】
C2、マスター特許文献集合cの文献件数充足度判定用散布図を作成するステップである。
【0161】
前記マスター文献集合cの文献件数充足度判定用散布図は
図15である。
【0162】
C3、前記マスター文献集合cのキーワード飽和点適合文献件数を求めるステップである。
【0163】
実施例3のマスター文献集合cの文献件数充足度判定用散布図、
図15からは飽和点適合文献件数を求めることが出来ないので、該マスター文献集合cの適合文献件数を増加するため以下のステップを実施する。
【0164】
C4、マスター特許文献集合cの累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として適合文献増加検索式cに用いる特許分類を決定するステップである。
【0165】
本ステップのマスター特許文献cは実施例1と同一の為、前記適合文献増加検索式cに用いる特許分類は前記A2の
図4から抽出した特許分類と同一のG08B25/である。
【0166】
C5、マスター特許文献集合cから適合文献増加検索式c用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成するステップである。
【0167】
本ステップのマスター特許文献はcは実施例1と同一の為、本実施例の階層別キーワード表は前記
図7、階層別検索式は
図8中の式、K1、K2、K3、K4となる。
【0168】
C6、適合文献増加検索式cを作成するステップである。
【0169】
本ステップのマスター特許文献cは実施例1と同一の為、本実施例の適合文献増加検索式cは前記A4と同一の
図8の適合文献増加検索式cとなる。
【0170】
C7、前記適合文献増加検索式cによる特許データベース検索を実施、ヒットした文献集合をヒット文献集合i(iはサフィックス、iの初期値は1、増分値は1とする)とする。
【0171】
本実施例の適合文献増加検索式cは実施例1と同一の為ヒット文献集合は前記A5のヒット文献集合1と同一の1173件の文献集合になる。
【0172】
C8、本ステップはサフィックス、iが1であるのでC7でヒットした文献集合であるヒット文献集合c1とマスター特許文献集合cの論理和集合である文献増大集合c1を作成するステップである。
【0173】
前記ヒット文献集合c1(文献件数1173件)と前記マスター文献集合c(文献件数5件)の論理和集合である文献増大集合c1の文献件数は1173件となった。
【0174】
C9、前記文献増大集合c1のスクリーニングを行い実施例3の適合文献増大集合c1を作成するステップである。
【0175】
前記文献増大集合c1の1173件の文献をスクリーニングして607件の適合文献を抽出した、従って適合文献増大集合c1の文献件数は607件となった。
【0176】
C10、適合文献増大集合c1の文献件数充足度判定用散布図を作成すするステップである。
【0177】
前記C9で作成した適合文献増大集合c1の607件を使用して作成したキーワード文献件数充足度判定用散布図は
図16の通りである。
【0178】
C11、前記適合文献増大集合c1のキーワード飽和点適合文献件数を求めるステップである。
【0179】
前記適合文献増大集合c1のキーワード飽和点適合文献件数は
図16の散布図の近似曲線である該図中の2次近似曲線の文献件数に対するキーワード個数の微分値がゼロの文献件数(該文献件数は、0.0018*2*X=0.4184のXとなる)として求めると116件となるので、適合文献件数607件の前記適合文献増大集合c1は網羅的適合文献検索式cのキーワードを抽出するのに十分な文献件数を有することが確認されたので以下のステップへ進む。
【0180】
C12、前記網羅的適合文献検索式cに用いる特許分類を適合文献増大集合c1の累積特許分類別文献件数表の累積特許分類別文献件数割合を評価尺度として決定するステップである。
【00181】
実施例3の適合文献増大集合c1の累積特許分類別文献件数表は
図17の通りであり、該図の▲5▼累積特許分類別文献件数割合が判定基準値の80%を満足している特許分類はG08B25/であるので、該特許分類を網羅的適合文献検索式cに用いる特許分類と決定する。
【0182】
C13、前記適合文献増大集合c1からランダムに抽出したキーワード用文献件数充足度基準値を満足する文献件数を有する文献集合から網羅的適合文献検索式用に抽出したキーワードを層別して作成した階層別キーワード表を使用して階層別検索式を作成するステップである。
【0183】
実施例3のキーワード用文献件数充足度基準値を100%以上とすると、前記適合文献増大集合c1のキーワード飽和点適合文献件数は116件であるので前記網羅的適合文献検索式cの階層別キーワード表のキーワードを抽出する文献集合の文献件数は116件以上である必要があるので、実施例3では150件の文献を前記適合文献増大集合c1から無作為抽出して作成した文献集合のキーワードを用いて
図18の階層別キーワード表を作成、該階層別キーワード表を使用して階層別検索式(
図19中の式、K1、K2、K3、K4)を作成した。
【0184】
C14、前記網羅的適合文献検索式cを作成するステップである。
【0185】
C12で前記網羅的適合文献検索式cに使用すると決定した特許分類はG08B25/であるので該特許分類と、C13で前記網羅的適合文献検索式c用に作成した階層別キーワード表のキーワードを用いて作成した
図19中の階層別検索式、K1、K2、K3、K4を組合せて適合文献網羅的検索式cを作成した。
【0186】
図19中の網羅的適合文献検索式cに適用する階層別検索式、K1、K2、K3、K4の組合せは、全階層別検索式同士の論理積、K1*K2*K3*K4に含めないことでヒットする適合文献を含む文献集合の文献件数を増加させたい階層別検索式は
図19の式、K1、K2、K3、K4で前記A4と同一の為前記A4と同様の組合せをして前記網羅的適合文献検索式c(
図19)に適用した。
【0187】
C15、網羅的適合文献検索式cを用いて特許データベース検索を行うステップである。
【0188】
通信回線14を用いて特許データベース13と接続、前記網羅的適合文献検索式cを用いて特許文献検索を実施した結果8154件の文献がヒットした。
【0189】
C16、前記ヒットした文献集合cと前記適合文献増大集合c1の論理和集合である適合文献網羅的収集集合cを作成、該適合文献網羅的収集集合cをスクリーニングするステップである。
【0190】
前記ヒットした文献集合cの8154件と前記適合文献増大集合c1の607件の論理和集合である実施例3の適合文献網羅的収集集合cの文献件数は8185件であり、前記ヒットした文献集合cの8154件と比較して31件増加している。
【0191】
前記適合文献増大集合1cの277の適合文献の全てが前記ヒットした文献集合cに含まれているならば前記例3の適合文献網羅的収集集合cの文献件数は増加しないはずであるが31件増加している理由は、前記網羅的適合文献検索式cの特許分類の抽出基の適合文献増大集合c1の特許分類は、
図4のマスター特許文献集合cの累積特許分類別文献件数表の▲5▼累積特許分類別文献件数割合が100%のG08B25/を使用しているが、該G08B25/の▲5▼累積特許分類別文献件数割合が100%になっているのは実施例3のマスター特許文献集合の文献件数は5件と少なく、G08B25/以外の特許分類がG08B25/と併記されている特許文献が含まれていなかったものと考えられ、実施例3のマスター特許文献集合cの文献件数は5件よりはるかに多くなるとG08B25/の▲5▼累積特許分類別文献件数割合が100%より小さくなり、その分だけG08B25/以外特許分類が付与されている適合文献がヒットしてくるためと推定される。
【0192】
前記適合文献網羅的収集集合cの8185件に含まれている適合文献件数をサンプリング法で±10%の精度で推定するために、前記適合文献網羅的収集集合cからランダムに100件のサンプル文献を抽出(
図19参照)、該抽出した文献集合に含まれている適合文献の割合は18%だったので前記適合文献網羅的収集集合cに含まれている適合文献件数は1326件に等しいか、以上と1621件と等しいか以下の間の件数であると推定される。
【0193】
C17、前記スクリーニングにより抽出した1326件に等しいか、以上と1621件と等しいか以下の間の適合文献集合が目的とする網羅的適合特許文献集合cとなる。
【解決手段】任意の方法で作成したマスター特許文献集合の特許分類とキーワードを使用して、適合文献増加検索式を作成し、該検索式を用いて特許データベース検索を行い、ヒットした文献集合と前記マスター特許文献集合の論理和集合を作成する。該論理和集合をスクリーニングして適合文献集合を作成し、該適合文献集合の網羅性を官能で評価する。官能評価の結果、不合格の場合は、任意の方法で前記マスター特許文献集合の文献件数を増加させて、前記スクリーニングして作成した適合文献集合が官能評価で合格するまで適合文献検索を行う。