特許第6156812号(P6156812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6156812
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】車両用階段
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/02 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   B60R3/02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-242605(P2016-242605)
(22)【出願日】2016年12月14日
【審査請求日】2017年1月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514219444
【氏名又は名称】ハートリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】金井 弘幸
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0239609(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0167379(US,A1)
【文献】 米国特許第04106790(US,A)
【文献】 特開2001−315640(JP,A)
【文献】 特開2013−166486(JP,A)
【文献】 特開平10−230790(JP,A)
【文献】 実開平1−172940(JP,U)
【文献】 実開平1−175945(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 3/00−3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側板の間に不動に固定される複数の踏み板を有する階段ユニットと、車両の荷台床下に設けられ、該階段ユニットを荷台床面に沿って引き出し可能、且つ引き出した該階段ユニットを回転可能に支持するとともに回転した該階段ユニットを所定の角度で支持する支持ユニットとを備える車両用階段であって、
前記階段ユニットは、前記側板の外面から突き出す外向き突起と、該側板の内面から突き出す内向き突起とを有し、
前記支持ユニットは、前記側板の両外側に設けられる一対の支持板と、該支持板に形成され前記外向き突起が挿入される案内溝と、前記階段ユニットが所定の角度に回転した際に該階段ユニットに当接するストッパーとを備え、
前記案内溝は、荷台床面の内側から外側に向かって延在する第一溝と、該第一溝から荷台床面の外側に向かって下向きに傾斜しながら延在し、外側溝端部で前記階段ユニットを支持する第二溝とを有し、
前記ストッパーは、前記階段ユニットを引き出す前における前記支持板の外側端部で該支持板を相互につなぐとともに該階段ユニットが所定の角度に回転した際に前記内向き突起に当接する棒状部材であり、
前記内向き突起は四角柱状であり、前記棒状部材は円柱状であって、該階段ユニットが所定の角度に回転した際に該内向き突起は該棒状部材の中心軸よりも上方において該棒状部材に当接する車両用階段。
【請求項2】
前記第一溝は、荷台床面の内側から外側に向かって上向きに傾斜しながら延在するものであり、
前記側板は前記階段ユニットを引き出す前における該側板の外側端部に設けられる切り欠きを有し、
前記ストッパーは、前記切り欠きに係合して該階段ユニットの引き出しを阻止するものである請求項1に記載の車両用階段。
【請求項3】
前記複数の踏み板のうち、前記階段ユニットを引き出す前において荷台床面の最も外側に位置する最外踏み板は、足を掛ける部位となる踏み板本体部と、該踏み板本体部から荷台床面の外側に向かって延在し該階段ユニットを引き出す際の持ち手となる踏み板補強部とを有する請求項1又は2に記載の車両用階段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面と車両の荷台床面との間を上り下りするのに好適な車両用階段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地面と車両の荷台床面との間を上り下りする際に使用する車両用階段としては、例えば特許文献1に示されるものが知られている。この車両用階段は、車両の荷台床下に設けた開口の内側に階段ユニットが収納されており、階段ユニットを引き出してその先端を地面に下ろすことによって、折り畳まれていた踏み板が階段状に展開して階段として使用することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−191853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1の車両用階段では、踏み板が主支柱と副支柱とに回転可能に取り付けられていてリンク機構を構成しているため、車両の開口内に納めたときには踏み板、主支柱、及び副支柱が水平方向を向いて高さが抑えられるという利点がある。しかし、可動部分が増えることから故障につながりやすくなる懸念があるうえ、部品点数が増えるためにコストの上昇が免れないという問題がある。またこの車両用階段は、主支柱の先端を地面に設置させて使用するものであるが、地面の凹凸や荷台に積んだ荷物の量による車高の変動によって地面からの荷台の高さは変わるため、地面からの荷台の高さが低くなれば階段の角度は緩やかになり、地面からの高さが高くなれば階段の角度は急になる。すなわち、使用状況によって階段の角度が変わってしまうという問題もある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、従来よりも構造が簡単で部品点数も少なく、また階段の角度は常に一定になる車両用階段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一対の側板の間に不動に固定される複数の踏み板を有する階段ユニットと、車両の荷台床下に設けられ、該階段ユニットを荷台床面に沿って引き出し可能、且つ引き出した該階段ユニットを回転可能に支持するとともに回転した該階段ユニットを所定の角度で支持する支持ユニットとを備える車両用階段であって、
前記階段ユニットは、前記側板の外面から突き出す外向き突起と、該側板の内面から突き出す内向き突起とを有し、
前記支持ユニットは、前記側板の両外側に設けられる一対の支持板と、該支持板に形成され前記外向き突起が挿入される案内溝と、前記階段ユニットが所定の角度に回転した際に該階段ユニットに当接するストッパーとを備え、
前記案内溝は、荷台床面の内側から外側に向かって延在する第一溝と、該第一溝から荷台床面の外側に向かって下向きに傾斜しながら延在し、外側溝端部で前記階段ユニットを支持する第二溝とを有し、
前記ストッパーは、前記階段ユニットを引き出す前における前記支持板の外側端部で該支持板を相互につなぐとともに該階段ユニットが所定の角度に回転した際に前記内向き突起に当接する棒状部材であり、
前記内向き突起は四角柱状であり、前記棒状部材は円柱状であって、該階段ユニットが所定の角度に回転した際に該内向き突起は該棒状部材の中心軸よりも上方において該棒状部材に当接する車両用階段である。
【0007】
このような車両用階段において、前記第一溝は、荷台床面の内側から外側に向かって上向きに傾斜しながら延在するものであり、
前記側板は前記階段ユニットを引き出す前における該側板の外側端部に設けられる切り欠きを有し、
前記ストッパーは、前記切り欠きに係合して該階段ユニットの引き出しを阻止するものであることが好ましい。
【0008】
そして、前記複数の踏み板のうち、前記階段ユニットを引き出す前において荷台床面の最も外側に位置する最外踏み板は、足を掛ける部位となる踏み板本体部と、該踏み板本体部から荷台床面の外側に向かって延在し該階段ユニットを引き出す際の持ち手となる踏み板補強部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用階段は、踏み板が側板の間に不動に固定されているため、従来のものよりも構造が簡単で部品点数も少なくて済む。また、階段ユニットを引き出すことによって、階段ユニットの外向き突起は、支持ユニットの案内溝にガイドされて荷台床面の内側から外側に移動することになるが、案内溝を構成する第二溝は荷台床面の外側に向かって下向きに傾斜しながら延在しているため、外向き突起が第二溝にさしかかるまで階段ユニットを引き出せば、外向き突起は、階段ユニットの自重でもって第二溝の外側溝端部まで自動的に移動する。ここで、前述のように第二溝は荷台床面の外側に向かって下向きに傾斜するものであるため、第二溝の外側溝端部で下向きの移動が拘束されている外向き突起は、荷台床面の内側及び外側に対しても拘束されて、階段ユニットは位置決めされることになる。またこの状態において階段ユニットは、支持ユニットに設けたストッパーが当接することによって所定の角度で支持されるため、階段ユニットの姿勢も一意に定まることになる。すなわち本発明によれば、階段ユニットを地面の影響を受けずに所定の角度で支持することができる。
【0010】
また、第一溝が荷台床面の内側から外側に向かって上向きに傾斜しながら延在するものであれば、階段ユニットを引き出す前において第一溝内にある外向き突起は、階段ユニットの自重でもって常に第一溝の内側溝端部に向けて移動することになる。このため、車両が走行する際の加速、減速によって階段ユニットを前後方向へ移動させる力が加わっても、階段ユニットの位置を維持することができる。更に、階段ユニットを引き出す前において、側板の外側端部に設けられる切り欠きに棒状部材を係合させることによって階段ユニットの引き出しが阻止されるため、意図せずに階段ユニットが車両の外側に飛び出してしまうことはない。
【0011】
そして、階段ユニットを引き出す前において荷台床面の最も外側に位置する最外踏み板において、踏み板本体部から荷台床面の外側に向かって延在する踏み板補強部を設けておけば、この踏み板補強部を持ち手として使用できるため、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従う車両用階段の一実施形態につき、車両に取り付けた状態で示した斜視図である。
図2図1に示す階段ユニットにつき、(a)は平面図であり、(b)は正面図(車両前側から後側に向かって見た図)であり、(c)は側面図であり、(d)は(a)に示すA−Aに沿う断面図である。
図3図1に示す支持ユニットにつき、(a)は平面図であり、(b)は正面図(車両前側から後側に向かって見た図)であり、(c)は側面図であり、(d)は(a)に示すB−Bに沿う断面図である。
図4図1に示す車両用階段において、階段ユニットを引き出す前の状態を示した図であって、(a)は平面図であり、(b)は側面視での断面図である。
図5図1に示す車両用階段において、階段ユニットが所定の角度で支持される状態を示した図であって、(a)は平面図であり、(b)は側面視での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明に従う車両用階段の一実施形態について説明する。図1における符号1は、本発明に従う車両用階段の一実施形態を示していて、符号100は、車両用階段1を取り付ける車両を示している。本実施形態の車両100は、トラックのような貨物自動車であって、荷物を載置するための荷台床101を有している。また、荷台床101の外側(本実施形態では車両100の後側)には、荷物の積み卸しの際に使用する扉102が設けられていて、車両用階段1は車両100の後側における荷台床101の下方に取り付けられている。なお、車両用階段1を取り付ける位置は車両100の後側に限られるものではなく、車両100の右側、或いは左側であってもよい。ここで、本明細書等における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」とは、図1に示すように車両用階段1を車両100に取り付けた状態での向きである(左右は、後から前に向かって見る場合の向きをいう)。なお、本明細書等では、車両用階段1について単独で説明する場合でも、図1に示す状態で取り付けられるとして、上述の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の向きで説明する。
【0014】
車両用階段1は、地面と荷台床101との間を上り下りするための階段ユニット2と、荷台床101の下方に取り付けられる支持ユニット3とで構成されている。
【0015】
階段ユニット2は、図2に示すように前後方向に延在する一対の側板2aを備えている。側板2aは、比較的厚みのある金属板で形成されていて、側板2aの外面(対向する側板2aに対して反対側の面)における前側には、円柱状をなす外向き突起2bが設けられている。なお、本実施形態の外向き突起2bは、一対の側板2a間の長さよりも長い金属製の円柱状の棒を予め側板2aに設けていた穴に挿通することによって形成されるものである。また外向き突起2bには、外向き突起2bよりも大径になる幅方向位置決め部材2cが設けられている。なお、幅方向位置決め部材2cはドーナツ板状をなしていて、階段ユニット2と支持ユニット3とを組み合わせる際に外向き突起2bに挿入して取り付けを行う。
【0016】
そして側板2aの内面における前側には、四角柱状の内向き突起2dが設けられている。更に側板2aの内面における下側には、対向する側板2aに向けて延在して、側板2aとの間でL字状をなす側板補強部2eが設けられている。また側板2aの後側端部には、その下方を切り欠く切り欠き2fが設けられている。
【0017】
また、対をなす側板2aの間には、金属製の踏み板2gが合計3つ設けられている。踏み板2gは、例えば溶接等によってそれぞれの側板2aに不動に固定されている。踏み板2gは、足を掛ける部位となる踏み板本体部2g1と、踏み板本体部2g1に対して直角をなすように設けられる一対の踏み板補強部2g2とが設けられていて、全体としてコ字状をなすものである。なお、本実施形態の踏み板本体部2g1は、図2に示すように前側から後側に向かって上方に延在していて、踏み板補強部2g2は、前方から後方に向かって下向きに延在している。また、図示した踏み板本体部2g1は板状であるが、複数の穴を設けたメッシュ状のものであってもよい。
【0018】
支持ユニット3は、図3に示すように前後方向に延在する一対の支持板3aを備えている。支持板3aは比較的厚みのある金属板で形成されている。ここで、支持板3a間の長さは側板2a間の長さよりも長くなっていて、図4(a)に示すように階段ユニット2を支持ユニット3に組み込んだ状態において、支持板3aは側板2aの外側に位置する。
【0019】
支持板3aには、この支持板3aを貫く案内溝3bが設けられている。案内溝3bは、前側から後側に向かって上向きに傾斜しながら延在する第一溝3b1と、第一溝3b1から後側に向かって下向きに傾斜しながら延在する第二溝3b2とを備えている。また、案内溝3bの溝幅は、外向き突起2bよりも僅かに大きくなっている。
【0020】
更に支持板3aの前側端部には、支持板3a同士を連結する2つの連結板3cが設けられている。また、支持板3aの後側端部には、本実施形態では円柱状をなしていて支持板3a同士を連結する棒状部材3dが設けられている。このように連結板3cと棒状部材3dが両方の支持板3aを連結しているため、支持ユニット3は高い剛性を有している。また支持板3aの外面における上側及び下側には、右側(或いは左側)に向けて延在する支持板補強部3eが設けられていて、この支持板補強部3eによっても支持ユニット3の剛性が高められている。
【0021】
このような形態になる階段ユニット2と支持ユニット3を組み立てるにあたっては、階段ユニット2を傾けて外向き突起2bを案内溝3bに挿通させながら支持ユニット3の内側に載置する。そして、ドーナツ板状をなす幅方向位置決め部材2cを外向き突起2bの両端に挿入し、割ピン等で抜け止めをしたうえで、支持板3aの外面に対して接するか、僅かに隙間をあける位置で、例えば溶接等によってこの棒に固定する。これにより、支持ユニット3に対して階段ユニット2は、幅方向のがたつきが抑えられた状態で、外向き突起2bが案内溝3bにガイドされるようにして移動することができる。なお、本実施形態では、外向き突起2bを形成する円柱状の棒を予め階段ユニット2に取り付けていたが、最初はこの棒を階段ユニット2に取り付けず、階段ユニット2と支持ユニット3とを組み立てる際に取り付けるようにしてもよい。
【0022】
このようにして組み立てた階段ユニット2と支持ユニット3は、例えば図4に示すような吊り金具4を用いて、荷台床101の下方において車両100に取り付けて使用される。図示は省略するが、荷台床101の下方には、荷台床101を支持する複数本のフレームが設けられていて、吊り金具4はこのフレームにボルト等によって固定される。なお、フレームのピッチは車両100の種類によって様々であるが、吊り金具4には長穴を設けているため、任意の位置で固定することができる。また、吊り金具4を支持ユニット3に固定する支持板補強部3eには複数の穴が設けられていて、吊り金具4は、これらの穴と吊り金具4に設けた長穴を使って任意の位置に取り付けることができる。
【0023】
図4は、階段ユニット2が支持ユニット3から引き出される前の状態を示している。ここで第一溝3b1は、前側から後側に向かって上向きに傾斜しながら延在するものであるため、第一溝3b1にある外向き突起2bは、階段ユニット2の自重でもって常に第一溝3b1の前側溝端部に向けて移動することになる。このため、車両100が走行する際の加速、減速によって階段ユニット2を前後方向へ移動させる力が加わっても、階段ユニット2の位置を維持することができる。更に、階段ユニット2の切り欠き2fは、支持ユニット3の棒状部材3dに係合しているため、意図せずに階段ユニット2が車両100の外側に飛び出してしまうことはない。
【0024】
支持ユニット3に収納されている階段ユニット2を引き出すにあたっては、まず階段ユニット2を引き上げて、切り欠き2fと棒状部材3dとの係合を解除する必要がある。ここで階段ユニット2の踏み板2gは、踏み板本体部2g1から後側に向かって踏み板補強部2g2が延在しているため、下方からこの踏み板補強部2g2に手をかけることができる。そして階段ユニット2を持ち上げれば、切り欠き2fと棒状部材3dとの係合を解除することができ、そのまま手を掛けた状態で階段ユニット2を引き出すことができる。すなわち、踏み板補強部2g2を持ち手として使用できる。
【0025】
そして階段ユニット2を引き出していくと、第一溝3b1を移動した外向き突起2bは第二溝3b2にさしかかる。ここで第二溝3b2は、第一溝3b1から後側に向かって下向きに傾斜しながら延在するものであるため、第二溝3b2まで移動した外向き突起2bは、階段ユニット2の自重でもって第二溝3b2の後側溝端部まで自動的に移動する。そして、第二溝3b2の外側溝端部で下向きの移動が拘束されている外向き突起2bは、傾斜する第二溝3b2によって前側及び後側に対しても拘束されることになるため、階段ユニット2はこの位置で位置決めされることになる。その後は、階段ユニット2を支えていた力を緩めることで階段ユニット2は外向き突起2bを中心に回転し、階段ユニット2の内向き突起2dが支持ユニット3の棒状部材3dに当接して、階段ユニット2を所定の角度で支持することができる。ここで棒状部材3dは、その両側端部が支持板3aに連結していて高い剛性を有しているため、階段ユニット2は所定の角度で安定的に支持される。なお階段ユニット2は、図5(b)に示すように地面Gとは接触しないものである。このため階段ユニット2は、地面Gの影響を受けずに常に一定の角度で支持される。
【0026】
以上、本発明に従う車両用階段の一実施形態について説明したが、本発明の車両用階段は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で適宜変更可能なものである。例えば左右2つの外向き突起2bは、本実施形態では一対の側板2a間の長さよりも長い1本の棒によって構成したが、長さの短い2本の棒で外向き突起2bをそれぞれ形成するようにしてもよい。また階段ユニット2を所定の角度で支持するものとして、前述の実施形態では階段ユニット2の側板2aに設けた内向き突起2dを棒状部材3dに当接させるようにしたが、内向き突起2dを省略して側板2aを棒状部材3dに当接するようにしてもよい。更に、第一溝3b1は、前側から後側に向かって上向きに傾斜しながら延在することが好ましいが、前側から後側に向かって水平方向に延在するものであってもよい。また案内溝3bは、支持板3aを貫く長穴状のものに限られず、支持板3aの内面から内側にむけて平行な板片を突出させて、これらの板片で挟まれる空間を案内溝としてもよい。
【符号の説明】
【0027】
1:車両用階段
2:階段ユニット
2a:側板
2b:外向き突起
2c:幅方向位置決め部材
2d:内向き突起
2e:側板補強部
2f:切り欠き
2g:踏み板
2g1:踏み板本体部
2g2:踏み板補強部
3:支持ユニット
3a:支持板
3b:案内溝
3b1:第一溝
3b2:第二溝
3c:連結板
3d:棒状部材(ストッパー)
3e:支持板補強部
4:吊り金具
100:車両
101:荷台床
102:扉
G:地面
【要約】      (修正有)
【課題】構造が簡単で部品点数も少なく、また階段の角度は常に一定になる車両用階段を提案する。
【解決手段】車両用階段は、一対の側板2aの間に不動に固定される踏み板2gを有する階段ユニット2と、車両の荷台床下に設けられ、引き出した階段ユニット2を所定の角度で支持する支持ユニット3とを備え、階段ユニット2は、側板2aの外面から突き出す外向き突起2bを有し、支持ユニット3は、一対の支持板3aと、支持板3aに形成され外向き突起2bが挿入される案内溝3bと、階段ユニット2が所定の角度に回転した際に階段ユニット2に当接するストッパー3dとを備え、案内溝3bは、荷台床面の内側から外側に向かって延在する第一溝3b1と、第一溝3b1から荷台床面の外側に向かって下向きに傾斜しながら延在する第二溝3b2とを有する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5