(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156861
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21K 9/232 20160101AFI20170626BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20170626BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20170626BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170626BHJP
【FI】
F21K9/232
F21V33/00 430
H04Q9/00 301E
H04Q9/00 341
F21Y115:10
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-199293(P2012-199293)
(22)【出願日】2012年9月11日
(65)【公開番号】特開2014-56652(P2014-56652A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】715008296
【氏名又は名称】株式会社アカリネ
(72)【発明者】
【氏名】森宮祐次
【審査官】
丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−193189(JP,A)
【文献】
特開2007−194132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/23−9/27
F21S 2/00
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジライト照明とスピーカーを制御する手段を覆ったカバーにスピーカーが固定され、このカバーの外側が光を反射する部材を備え、前記エッジライト照明と、前記スピーカーと、放熱素子と、を備えた一体化型の装置であって、照明用給電ソケットに取り付け可能な口金を電源供給部として備えることを特徴とする照明音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置における光の拡散方法と音響装置の構造に関する。ただし、この発明の利用は、上述した照明装置および音響装置には限られない。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの観点からLED(発光ダイオード)を光源とした電球型照明装置が多く商品化されている。設計上の課題は、LEDの発光過程に発生する熱を効率的に放熱し、さらに光の拡散効果を電球全体に広げるかが重要である。
【0003】
スマートフォンを初めとする携帯機器の普及はすさまじく、近傍無線発信装置を備え、これから送信される音楽再生信号をコードレスで受信するための音響装置も数多く商品化されている。これら音響機器は、単に無線受信機能を備えただけのもので、その形態や使い方が変わるものではない。
【0004】
また、電力線に取り付けられ電力線通信によって接続されるる照明装置に、音声出力手段と、発光手段のON/OFF入力を検出し、制御する手段を備えた構成とされている照明装置がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、照明用給電ソケットに取り付け可能な口金を電源供給部として備え、音声入力手段にワイヤレス通信信号処理手段を備えることを特徴とした照明付音声再生装置がある(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4724504号公報
【特許文献2】特開2008-193189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電力線通信に接続される照明装置では、音楽信号を送信する装置が限られることと、電力線に信号を載せるための中間装置が必要とされ、一般的な使い勝手の良いものではない。また、電力線通信そのものが普及しているとは言いがたい。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の照明付音声再生装置では、光源の扱いが下向きのみの構成で、灯りをまんべんなく照らすという照明機器としての機能と、その灯りの質感に欠ける問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題に対して、本発明は発光モジュールの光を電球カバーのエッジライトで電球カバー全体に光を拡散させる手段と、電力線通信に拠らない、無線受信機能を有した音響装置とスピーカーを配置し、灯りと音の両方の機能を提供する。
【0010】
本発明の実施例は、複数の発光モジュールと、エッジライト効果を有した電球カバー、スピーカーと、無線機能と、を有する照明音響装置を提供する。以下、本発明の実施例は、照明音響装置と称する。
【0011】
この構成によれば、電球カバーの端面から内側に導入された発光モジュールからの光は、電球カバー内側に施されたブラスト処理によって肉厚内面での全反射を繰り返し上部へ進行する。この反射効果によって電球カバー全体が均一的に明るくなる。
【0012】
本発明の照明音響装置によれば、肉厚の電球カバーによりスピーカーボックスとしての音響特性に優れ、無線受信機能を有することで、音楽信号の入力が容易となる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、電源を気にすることなく音響装置が無線で使え、直下照明のみならず、スタンド等の明るさがむらなく拡散する必要のある照明器具での利用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例の照明音響装置を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施例の照明音響装置を示す正面図である。
【
図3】本発明の実施例の照明音響装置を
図1AAの線に沿って断面した断面構造を示す側断面図である。
【
図4】本発明の実施例の照明音響装置を構成する電球カバー12を取り去り、内部構造を説明するための斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の前述及びその他の技術内容、特徴及び効果に関して、以下で参考図を合わせた実施例の詳細説明において、明確に示している。
【実施例】
【0016】
図1、
図2、
図3及び
図4によれば、本発明の実施例の照明音響装置1は、放熱素子11と、少なくとも一つの発光モジュールと、スピーカー13と、エッジライト効果の電球カバー12と、を有する。ある実施例において、照明音響装置1は、発光ダイオード照明器具であってもよく、発光モジュールは発光ダイオードモジュール14であってもよい。
【0017】
上述の説明に続き、
図3によればエッジライト効果の電球カバー12は、回路板15に配置された発光ダイオードモジュール14と、内面ブラスト仕上げ111と、を有する。
【0018】
上述の説明に続き、
図4によれば回路板15に配置された発光ダイオードモジュール14は、内周に沿って複数個が配置される。
【0019】
この電球カバー12は、たとえばアクリル、ホ゜リカーホ゛ネイトなどの高屈折率の透明樹脂材が好適に用いられる。
【0020】
ついで、本実施形態における音響装置例について、
図3を参照しながら説明する。
【0021】
図3を参照すると、近傍無線受信回路を配した基板17と、電源基板18と、発光ダイオードモジュール14が乗った回路板15で回路が構成され、これを覆うカバー16にスピーカー13が固定されている。
【0022】
ここで近傍無線とは、電波や赤外線、超音波などを用いて行われる通信である。この無線通信を可能とする規格には、例えば無線LAN、IrDA,Bluetooth(登録商標)などの各種技術があるが、本実施例では、これら公知の無線通信技術を利用することができる。
【0023】
また、近傍無線受信回路は、もう1台の本実施例との間で通信を行い、マルチチャンネルによる再生を制御する通信モジュールであっても良い。
【0024】
上述の説明に続き、発光ダイオードモジュール14の熱を廃するための放熱素子11が、回路板15の背面に配置されている。この放熱素子11によって、外気に熱を効率的に廃する。
【0025】
上述の説明に続き、カバー16により、発光ダイオードモジュール14から発した熱を防ぎ、熱から近傍無線受信回路を配した基板17の電子部品を守る。
【0026】
上述の説明に続き、カバー16の外側は、発光ダイオードモジュール14から電球カバー12の端面からもれた光を反射させ、電球カバー12の内側の空間に光を拡散させる。
【0027】
回路板15は機能回路を有し、発光ダイオードモジュール14及び、近傍無線基板17と、電源基板18と、スピーカーと、に電気的に接続され、発光ダイオードモジュール14と近傍無線基板17と、スピーカーを制御及び/または駆動する。電源基板18は、電源接点19を通して、外部のランプソケットに電気的に接続され、照明音響装置1に必要な電源を提供する。例えば、
図2が示した電源接点19はねじ込み式コネクターであるが、これに限定されず、ピンタイプコネクターでもよい。
【0028】
本発明は上記のように、発明の実施形態を示したが、それは本発明を制限するものではない。本発明は、発光モジュール光源をエッジライトに用いないものにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、一般家庭のスタンド照明器具のみならず、ホテル、病院などの幅広い施設で利用可能である。また、誘導灯や避難場所を指示する照明には、非常用電源を用いれば、緊急時に無線を利用した音声による誘導も将来可能性があり、広い分野で活用できる。
【符号の説明】
【0030】
1:照明音響装置
11:放熱素子
12:電球カバー
13:スピーカー
14:発光ダイオードモジュール
15:回路板
16:カバー
17:近傍無線受信基板
18:電源基板
19:電源接点
111:電球カバー内面ブラスト処理