特許第6156904号(P6156904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6156904
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-203263(P2012-203263)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-59990(P2014-59990A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】長▲崎▼ 泰介
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−063694(JP,A)
【文献】 特開2008−288122(JP,A)
【文献】 特開2007−234421(JP,A)
【文献】 米国特許第07287994(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手コネクタに係止して該相手コネクタを抜け止めするロック部を有するハウジングと、
前記相手コネクタのコンタクトと接触するコンタクトと、
前記ハウジングに対しスライド自在に設けられ、第1方向へスライド操作されて該第1方向にスライドした第1位置で該ハウジングに係止されるとともに第2方向へスライド操作されて該第2方向にスライドした第2位置で該ハウジングに係止され、該第1位置において前記ロック部を前記相手コネクタに係止させる向きに押して該ロック部を該相手コネクタに強制的に係止さた状態に維持するとともに、該第2位置において該相手コネクタから離れる向きに該ロック部を押して該ロック部を該相手コネクタと干渉しない位置に強制的に退避させた状態に維持するスライド部材とを備えたことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ロック部が、前記ハウジングの、互いに逆向きの2面それぞれに設けられるとともに、前記スライド部材が該2面それぞれに備えられ、該2面それぞれに備えられた各スライド部材が、互いに独立にスライドして該2面それぞれに設けられた各ロック部に互いに独立に作用するものであることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は相手コネクタと接続され、信号又は電力の伝達を担うコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より信号や電力の伝達を担う各種の様々なコネクタが用いられている。この各種のコネクタの中には、相手コネクタに係止して相手コネクタとの嵌合外れを防止するロック機構を備えたコネクタが存在する。
【0003】
例えば特許文献1には、相手コネクタに係止するロック片と、そのロック片による相手コネクタへの係止を解除するスライド板とを備えたコネクタが開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示されたコネクタは、ロック片によるロック解除するときにスライド板が操作され、その操作を終了するとスライド板は元の位置に戻りロック片はロック位置に復帰する。したがって、このコネクタを相手コネクタに嵌合させるときは、ロック位置にあるロック片が相手コネクタと干渉して弾性変形しながら嵌合し、相手コネクタとの嵌合完了時に自動復帰して相手コネクタに係止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−63694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上掲の特許文献1のコネクタは、相手コネクタへの嵌合時にロック片が相手コネクタと干渉して弾性変形する構造であるため、そのロック片と相手コネクタとの干渉が嵌合時の挿入抵抗として加算されることになる。例えば多数本のコンタクトを備えたコネクタや大電流を伝送するコネクタは、ロック部材により加算される挿入抵抗を除く本来の挿入抵抗自体が大きいのが一般的である。このため、ロック部材により挿入抵抗がさらに加算されると、挿入抵抗が大きくなり過ぎて取扱いに支障を来たすおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、嵌合時の挿入抵抗が緩和されたロック機構を備えたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のコネクタは、
相手コネクタに係止して相手コネクタを抜け止めするロック部を有するハウジングと、
相手コネクタのコンタクトと接触するコンタクトと、
上記ハウジングに対しスライド自在に設けられ、第1方向へスライド操作されてその第1方向にスライドした第1位置でハウジングに係止されるとともに第2方向へスライド操作されてその第2方向にスライドした第2位置でハウジングに係止され、第1位置においてロック部を相手コネクタに係止させる向きに押してロック部を相手コネクタに強制的に係止さた状態に維持するとともに、第2位置において相手コネクタから離れる向きにロック部を押してロック部を相手コネクタと干渉しない位置に強制的に退避させた状態に維持するスライド部材とを備えたことを特徴とする。

【0009】
本発明のコネクタは、上記のスライド部材を備えたため、そのスライド部材を第2位置で係止させた状態で相手コネクタに嵌合させることにより、ロック部が相手コネクタへ干渉しない状態のまま嵌合させることができる。
【0010】
ここで本発明のコネクタにおいて、上記ロック部が、ハウジングの、互いに逆向きの2面それぞれに設けられるとともに、スライド部材がそれら2面それぞれに備えられ、それら2面それぞれに備えられた各スライド部材が、互いに独立にスライドしてそれら2面それぞれに設けられた各ロック部に互いに独立に作用するものであることが好ましい。
【0011】
例えば大電流の伝送を担うコネクタなどでは、相手コネクタとの嵌合が容易には外れないように十分に硬いロックを行なう必要があり、このためスライド部材のスライド操作もかなり強い力で行なう必要がある。上記の2面それぞれにロック部を設けるとともにそれら2面それぞれにスライド部材を備え、それら2つのスライド部材を1つずつスライド操作できる構造としておくことにより、ロックやロック解除の操作が容易となる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明した通り、本発明のコネクタによれば、嵌合時の挿入抵抗が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態としてのコネクタと相手コネクタとが組み合った状態を示した外観斜視図である。
図2】本発明の一実施形態としてのコネクタと相手コネクタとが組み合った状態を示した図1とは異なる視点から見た外観斜視図である。
図3】本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの分解斜視図である。
図4】本実施形態のコネクタおよび相手コネクタがそれぞれ組み立てられ、かつ互いに嵌合した状態を示した斜視図である。
図5】非嵌合状態における、本実施形態のコネクタと相手コネクタの平面図である。
図6図5に示す矢印A−Aに沿う断面図である。
図7】嵌合状態における本実施形態のコネクタと相手コネクタの平面図である。
図8図7に示す矢印B−Bに沿う断面図である。
図9】非嵌合状態における本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの平面図である。
図10】非嵌合状態における本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの側面図である。
図11図9に示す矢印C1−C1に沿う断面図である。
図12図10に示す矢印D1−D1に沿う断面図である。
図13図10に示す矢印E1−E1に沿う断面図である。
図14図11に示す円R14の部分の拡大図である。
図15図12に示す円R15の部分の拡大図である。
図16図13に示す円R16の部分の拡大図である。
図17】本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの嵌合状態における平面図である。
図18】本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの嵌合状態における側面図である。
図19図17に示す矢印C2−C2に沿う断面図である。
図20図18に示す矢印D2−D2に沿う断面図である。
図21図18に示す矢印E2−E2に沿う断面図である。
図22図20に示す円R22の部分の拡大図である。
図23図21に示す円R23の部分の拡大図である。
図24】本実施形態のコネクタと相手コネクタの、ロック解除状態かつ非嵌合状態を示す平面図ある。
図25】本実施形態のコネクタと相手コネクタの、ロック解除状態かつ非嵌合状態を示す側面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1図2は、本発明の一実施形態としてのコネクタと相手コネクタとが組み合った状態を示した、互いに異なる視点から見た外観斜視図である。
【0016】
ここには、嵌合用の開口301(図2参照)が形成された支持板300に相手コネクタ200が3個ネジ止めされており、それら3個の相手コネクタ200に本実施形態の3個のコネクタ100が1つずつ組み合った状態が示されている。この実施形態のコネクタ100および相手コネクタ200は、ケーブル101,201を経由させて、例えば300A程度の大電流を伝送するコネクタである。
【0017】
本実施形態のコネクタ100には、互いに逆向きの両側面に、ハウジング110に対し図示の矢印P−R方向にスライドするスライド部材120が備えられている。このスライド部材120を矢印P方向にスライドさせると、コネクタ100と相手コネクタ200とが抜け止め用にロックされ、矢印R方向にスライドさせるとそのロックが解除されてコネクタ100を相手コネクタ200から抜き取ることができる。
【0018】
図3は、本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの分解斜視図である。また、図4は、本実施形態のコネクタおよび相手コネクタがそれぞれ組み立てられ、かつ互いに嵌合した状態を示した斜視図である。
【0019】
本実施形態のコネクタ100は、図1図2にも示すハウジング110およびスライド部材120のほか、コンタクト130および板バネ140を備えている。コンタクト130にはケーブル101の芯線101aが接続される。また、相手コネクタ200は、ハウジング210のほか、コンタクト230と板バネ240を備えている。コンタクト230にはケーブル201の芯線201aが接続される。
【0020】
ハウジング110の両側面には片持ち梁形状のロック部111がそれぞれ設けられている。これらのロック部111は、相手コネクタ200のハウジング210に係止して、コネクタ100を抜け止め用に相手コネクタ200にロックする役割を担っている。
【0021】
スライド部材120は、ハウジング110の両側面それぞれに備えられ、互いに独立に、ハウジング110の側面のガイド壁112に沿ってスライド操作される。
【0022】
このスライド部材120を矢印P方向にスライド操作すると、係止爪111a(図10参照)により相手コネクタ200にロックされ、矢印R方向にスライド操作すると係止爪111aによる相手コネクタ200へのロックが解除される。これらのスライド部材120は、矢印P方向にスライドさせた第1位置、および矢印R方向にスライドさせた第2位置の双方でハウジング110に係止され、力を加えるとその係止が解除されてスライドする構造となっている。詳細は後述する。
【0023】
板バネ140は、コンタクト130の、相手コネクタ200のコンタクト230と接触する面に対する裏面131に当接し、このコネクタ100と相手コネクタ200と嵌合させたときに、コンタクト130を相手コネクタ200のコンタクト230に押し当てる役割を担っている。
【0024】
相手コネクタ200についても同様であり、ケーブル201の芯線201aはコンタクト230に接続され、板バネ240は、コンタクト230をコンタクト130に押し当てる役割を担っている。
【0025】
相手コネクタ200のハウジング210は、その嵌合開口211の内側でロック部111と係止する構造を有する。
【0026】
図5は、非嵌合状態における、本実施形態のコネクタと相手コネクタの平面図である。ただし、この図5には、ケーブル101,201が接続された状態のコンタクト130,230をハウジング110,210の外に取り出した状態が示されている。
【0027】
また図6は、図5に示す矢印A−Aに沿う断面図である。
【0028】
さらに、図7は、嵌合状態における本実施形態のコネクタと相手コネクタの平面図、図8は、図7に示す矢印B−Bに沿う断面図である。
【0029】
コンタクト130,230は、ハウジング110,210の内部において、相手側のコンタクトに接触する面に対する裏面131,231に板バネ140,240が当接された状態に配置される。
【0030】
コンタクト100と相手コンタクト200が嵌合すると、コンタクト130,230は、相手側のコンタクト230,130に押されて、当接された板バネ140,240を弾性変形させる向きに姿勢を変える。これにより、板バネ140,240に押されて相手側のコンタクト230,130に所定の強さで接触し、また多少の振動を受けても板バネの弾性により互いの接触が保たれる。
【0031】
図9図10は、非嵌合状態における本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの、それぞれ平面図および側面図である。
【0032】
また、図11は、図9に示す矢印C1−C1に沿う断面図、図12は、図10に示す矢印D1−D1に沿う断面図、図13は、図10に示す矢印E1−E1に沿う断面図である。さらに、図14は、図11に示す円R14の部分の拡大図、図15は、図12に示す円R15の部分の拡大図、図16図13に示す円R16の部分の拡大図である。
【0033】
また、図17図23は、嵌合状態における、図9図16のうちの図14を除く各図にそれぞれ対応する図である。具体的には、次の通りである。すなわち、図17図18は、本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの、嵌合状態におけるそれぞれ平面図および側面図である。また、図19は、図17に示す矢印C2−C2に沿う断面図、図20は、図18に示す矢印D2−D2に沿う断面図、図21は、図18に示す矢印E2−E2に沿う断面図である。さらに、図22は、図20に示す円R22の部分の拡大図、図23は、図21に示す円R23の部分の拡大図である。図9図16のうちの図14に対応する嵌合状態の図は、非嵌合状態の図である図14と同一であるため、ここでの重複掲載は省略する。
【0034】
これら図9図16図17図23は、非嵌合状態と嵌合状態の相違はあるものの、いずれもロック状態を示している図である。
【0035】
コネクタ100のハウジング110の両側面には片持ち梁形状のロック部111がそれぞれ設けられており、各ロック部111の先端部には、相手コネクタ200に係止する係止爪111aが設けられている。
【0036】
また、コネクタ100のハウジング110の両側面それぞれに、スライド部材120が備えられている。
【0037】
スライド部材120は、図10に示す矢印P−R方向にスライド操作され、コネクタ100のハウジング110の両側面に設けられたガイド壁112(図11図14参照)に挟まれてガイドされながらスライドする。
【0038】
ここで、図14に示すように、スライド部材120にはガイド壁112側に突出した係止凸部122が設けられている。一方、ガイド壁112には、スライド部材120を挟む一対のガイド壁112それぞれに、2つの係止凹部112a,112bが設けられている。
【0039】
このスライド部材120は、図10に示す矢印Pの向きにスライド操作されるとその方向にスライドして、係止凸部122が、2つの係止凹部112a,112bのうちの矢印Pの向き前方の係止凹部112aに入り込み、その位置で係止される。ここで説明している図9図23は、このスライド部材120が矢印P方向前方の係止凹部112aに係止した状態を示している。
【0040】
スライド部材120係止凸部122が係止凹部112aに係止した状態では、スライド部材120の先端部121がロック部111の先端部の下に入り込んでそのロック部111の先端部に設けられている係止爪111aを持ち上げた状態となる(図15図16図22図23参照)。
【0041】
この係止爪111aは、持ち上がった状態において相手コネクタ210の嵌合開口211(図3参照)の内壁面に設けられた係止部212(図22参照)に係止し、コネクタ100が相手コネクタ200から不用意に抜かれるのを防止するロック状態となっている。
【0042】
図24図31は、ロック解除状態かつ非嵌合状態を示す、図9図16にそれぞれ対応する図である。具体的には、図24図25は、本実施形態のコネクタと相手コネクタの、それぞれ平面図および側面図である。また、図26は、図24に示す矢印C3−C3に沿う断面図、図27は、図25に示す矢印D3−D3に沿う断面図、図28は、図25に示す矢印E3−E3に沿う断面図である。さらに、図29は、図26に示す円R29の部分の拡大図、図30は、図27に示す円R30の部分の拡大図、図31は、図28に示す円R31の部分の拡大図である。
【0043】
さらに、図32図38は、嵌合状態における、図24図31のうちの図29を除く各図にそれぞれ対応する図である。具体的には、以下の通りである。図32図33は、嵌合状態かつロック解除状態における、本実施形態のコネクタおよび相手コネクタの、それぞれ平面図および側面図である。また、図34は、図32に示す矢印C4−C4に沿う断面図、図35は、図33に示す矢印D4−D4に沿う断面図、図36は、図33に示す矢印E4−E4に沿う断面図である。さらに、図37は、図35に示す円R37の部分の拡大図、図38は、図36に示す円R38の部分の拡大図である。図24図31のうちの図29に対応する嵌合状態の図は、非嵌合状態の図である図29と同一であるため、ここでの重複掲載は省略する。
【0044】
図24図31図32図38は、非嵌合状態と嵌合状態の相違はあるものの、いずれも、ロック解除状態を示している図である。
【0045】
スライド部材120の係止凸部122がガイド壁112の2つの係止凹部112a,112bのうちの係止凹部112aに係止した状態にあるときに、そのスライド部材120を、図10に示す矢印R方向に、その係止力よりも大きな力でスライド操作する。すると、係止凸部122と係止凹部112aとの係止が外れ、スライド部材120が矢印R方向にスライドし、係止凸部122が今度はもう一方の係止凹部112bに係止した状態となる。この状態では、スライド部材120の先端部121は、ロック部111の先端部よりも下がった位置にあり、ロック部111の先端部に設けられた係止爪111aの持ち上げが解除される(図30図31図37図38参照)。
【0046】
このロック部111は、スライド部材120が図10に示す矢印Rの向きにスライドすると、係止爪111aの持ち上げが解除される。ロック部111はさらに、側方の延長部111bがスライド部材120の突部123(図38参照)とカム係合することにより、ロック部111の先端の係止爪111aが相手コネクタの係止部212(図37参照)から離れる向きに強制的に押し下げられる。
【0047】
すなわち、スライド部材120の係止凸部122がロック解除側の係止凹部112bに係止しているときは、ロック部111の係止爪111aは、相手コネクタ200のハウジング210と干渉しない位置に強制的に退避する。したがって、スライド部材120の係止凸部122をロック解除側の係止凹部112bに係止させた状態で、コネクタ100と相手コネクタ200を嵌合させると、ロック部111が挿入抵抗とならず、その分軽い力で嵌合できる。また、コネクタ100と相手コネクタ200を嵌合させた後、係止凸部122がロック側の係止凹部112aに係止したロック位置までスライド部材120をスライドさせることにより、コネクタ100と相手コネクタ200が確実に抜け止めされたロック状態となる。また、不完全嵌合の状態でスライド部材120をロック位置までスライドさせようとしても、ロック部111の係止爪111aが相手コネクタ200のハウジング210の、係止部212以外の部分に突き当たる。このため、スライド部材120をロック位置までスライドさせることができない。すなわち、スライド部材120をロック位置までスライドさせることにより、完全嵌合の状態にあることが確認でき、不完全嵌合の状態のままとなることが防止される。
【0048】
尚、ここでは、大電流を伝送するコネクタを例示したが、本発明は信号伝送用のコネクタにも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 コネクタ
101,201 ケーブル
101a,201a 芯線
110,210 ハウジング
111 ロック部
111a 係止爪
112 ガイド壁
112a,112b 係止凹部
120 スライド部材
121 先端部
122 係止凸部
123 突部
130,230 コンタクト
131,231 裏面
140,240 板バネ
200 相手コネクタ
211 嵌合開口
212 係止部
300 支持板
301 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図20
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
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図38