特許第6156963号(P6156963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6156963
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】採光構造を有する墓石
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20170626BHJP
【FI】
   E04H13/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-24919(P2017-24919)
(22)【出願日】2017年2月14日
【審査請求日】2017年2月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517049297
【氏名又は名称】マグネター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】特許業務法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小宮 孝介
(72)【発明者】
【氏名】小宮 良介
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−106209(JP,A)
【文献】 特許第4362833(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戒名を刻む棹石(5)、名字を刻む上台(4)、中台(3)、土台となる芝台(2)からなる石搭と、骨壷、遺骨を納めるカロート(6)とで構成されている墓石(1)において、
前記カロート(6)の開口部の一部を開閉自在に閉塞するように配置された、骨壷、遺骨を納める際に蓋石として機能する拝石(7)と、
前記拝石(7)に貫通穴(13)を開け、該貫通穴(13)に縦型の採光部(16a)と横型の出射部(16b)とから成る導光体(16)が固定された採光構造(12)と、から成り、
前記採光構造(12)の導光体(16)の採光部(16a)から外光を採り入れ、その外光を前記出射部(16b)から前記カロート(6)内に出射されるように構成された、ことを特徴とする採光構造を有する墓石。
【請求項2】
前記採光構造(12)は、導光体(16)の採光部(16a)に図柄(24)を表示した、ことを特徴とする請求項の採光構造を有する墓石。
【請求項3】
前記カロート(6)に、該カロート(6)の周壁に採光穴(22)を開け、ここに透光性部材(23)を嵌め込み固定した採光構造(21)を設けた、ことを特徴とする請求項1又は2の採光構造を有する墓石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、墓のカロート(納骨室)内に太陽光などの外光を採り入れることができる墓石に係り、特に既存の墓石にも採光構造を設けることができる採光構造を有する墓石に関する。
【背景技術】
【0002】
墓は、その中心となる石塔(棹石、上台、中台、芝台)と、遺骨を納めるカロート(納骨室)、墓地区画を囲む外柵の3つを基本として構成されている。その他に、付属品として、花立て、水鉢、香炉、拝石、塔婆立て、灯篭、墓誌などの様々な墓飾品が設置されている。墓の中心となる石塔(棹石、上台、中台、芝台)は、開眼供養の際、僧侶によって魂が入れられる墓石の中心となる石である。石塔の形には原則的に決まりはなく、この石塔と墓飾品の構成は、和型又は洋型で相違する。更に、日本の各地方毎に墓、石塔の形状が相違する。但し、墓地によっては墓、石塔の形状についてある程度の規制や統一をしている場合がある。本発明では主に石塔(棹石、上台、中台、芝台)、カロート(納骨室)及び拝石を墓石と称する。
【0003】
和型の石塔は、棹石、上台、中台、芝台の4つで構成される場合と、芝台を省いた3つで構成される場合がある。また、地域の相違によっては、棹石と上台の間に蓮華を簡略化した形のスリンという石を用いることもある。棹石は、竿石、佛石、軸石などとも称され、表面には「お題目」、「先祖代々之墓」、「○○家之墓」などの文字が刻まれる。上台には蓮華模様や家紋・家名などが刻まれる。芝台は墓の土台となる石で、カロート(納骨室)の保護や香炉・花立ての置き台になることがある。
【0004】
カロート(納骨室)は、遺骨(骨壷)が納められる墓の心臓部ともいえる場所である。カロートは石塔(棹石、上台、中台、芝台)の下に位置している。材質としては一般的にコンクリートで構成されているが、湿気を吸収する大谷石も使われている。カロートの大きさや形状は墓地自体の形や広さによって様々なものがある。
【0005】
カロートは大きく分けると地上式・半地下式・地下式に分けられ、それぞれ一段型・二段以上型がある。和型墓地の場合は半地下式の二段型か三段型のカロートを設置するのが一般的である。比較的小さな墓地では「丘カロート」という、カロートと外柵を兼ねた地上式の一段カロートが多くなる。また、芝生墓地や壁墓地の場合は、墓地の形状からカロートは一段、または二段の地下式となる。
【0006】
一般的なカロート(納骨室)は、外部から太陽光が入射されない状態にある。このカロート内は湿度が高く、またカビが生えやすい。そこで、カロート内に太陽光を採り込めるようにしたカロート、墓石に関する技術が種々されている。例えば特許文献1の特開2001−132277号公報「採光窓部材付き納骨室を備えた墓石」のように、墓石の下方部の納骨室壁部に窓穴を1乃至複数箇所穿設し、該窓穴に外径部を嵌合するように形成した採光窓部材を嵌め込み装着して、納骨室内に採光してなる採光窓部材付き納骨室を備えた墓石が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−132277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の「採光窓部材付き納骨室を備えた墓石」の構造では、地下式又は半地下式の構造のカロートでは、その周囲に採光窓部材を設けても採光することができない場合があるという問題を有している。
【0009】
また、特許文献1のように納骨室壁部に取り付けた採光窓部材は長期間外気に曝されているために破損、又は劣化することがある。このような場合には十分に外光を採り入れることができないことがある。納骨室壁部は、墓石を構成する重要な部分であり、簡単に修理、交換ができないという問題を有している。
【0010】
本発明の発明者は、墓を構成する拝石に採光構造を設けることに着目した。拝石は、墓の入口と石塔(墓石)を結ぶ通路になる敷石である。拝石は、カロート(納骨棺)の上に配置され、納骨の際にはこの拝石を上げて遺骨(骨壷)を納める。そこで、この拝石に採光構造を設けることにより、既存の墓石にも採光構造を容易に設けることができると考えた。
【0011】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、拝石に採光構造を設けることで、カロート(納骨室)内に外光を採り入れることができ、更に既存の墓石にも採光構造を有するように変えられる採光構造を有する墓石を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、戒名を刻む棹石(5)、名字を刻む上台(4)、中台(3)、土台となる芝台(2)からなる石搭と、骨壷、遺骨を納めるカロート(6)とで構成されている墓石(1)において、
前記カロート(6)の開口部の一部を開閉自在に閉塞するように配置された、骨壷、遺骨を納める際に蓋石として機能する拝石(7)と、
前記拝石(7)に貫通穴(13)を開け、該貫通穴(14)に縦型の採光部(16a)と横型の出射部(16b)とから成る導光体(16)が固定された採光構造(12)と、から成り、
前記採光構造(12)の導光体(16)の採光部(16a)から外光を採り入れ、その外光を前記出射部(16b)から前記カロート(6)内に出射されるように構成された、ことを特徴とする。
【0013】
前記採光構造(12)は、導光体(16)の採光部(16a)に図柄(24)を表示することができる。
前記カロート(6)に、該カロート(6)の周壁に採光穴(22)を開け、ここに透光性部材(23)を嵌め込み固定した採光構造(21)を設けることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、カロート(6)(納骨室)の蓋石として機能する拝石(7)に採光構造(12)を設けたので、太陽光(外光)を広い範囲、奥深い所まで採り入れることができる。これによりカロート(6)(納骨室)を明るくすることで、除湿、除菌効果を高めることができる。遺骨になった故人に太陽光を届けることができ、参拝者との一体感を醸成することができる。
【0015】
また、採光構造(12)は拝石(7)に設けられた構成である。この拝石(7)は1枚の石材であるため、既存の墓、墓石(1)にこの拝石(7)のみを交換することができる。既存の墓石を簡単に採光構造(12)を有する墓石(1)に変えることができる。
【0016】
採光構造(12)は拝石(7)の所望の位置に設けることができるため、拝石(7)の形状、拝石(7)とカロート(6)(納骨室)の形状に応じて、種々対応することができる。
【0017】
拝石(7)の採光構造(12)と共に、カロート(6)の壁面にも複数の採光構造(21)を設けた墓石(1)では、太陽光(外光)をカロート(6)内の広い範囲、奥深い所まで満遍なく採り入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1の採光構造を有する墓石を示す斜視図である。
図2】実施例1の採光構造を有する墓石を示す正面図である。
図3】実施例1の採光構造を有する墓石を示す平面図である。
図4】実施例1の採光構造を有する墓石を示すカロートの側断面図である。
図5】採光構造を有する拝石を示し、(a)は拡大平面図、(b)は拡大側断面図、(c)は拡大底面図である。
図6】採光構造の変形例1であり、採光構造の透光性部材に家紋などの図柄を表示した平面図である。
図7】採光構造の変形例2の拝石を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は底面図である。
図8】変形例2の導光体の他の形態を示す側断面図である。
図9】導光体の変形例を示す側断面図である。
図10】実施例2の採光構造を有する墓石を示す側面図である。
図11】実施例2の採光構造を有する墓石を示す背面図である。
図12】実施例2の採光構造の変形例であり、採光構造の透光性部材に家紋などの図柄を表示した部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、戒名を刻む棹石、名字を刻む上台、中台、土台となる芝台からなる石搭と、骨壷、遺骨を納めるカロート(納骨室)とで構成されている墓石に、墓のカロート(納骨室)内に太陽光などの外光を採り入れることができる採光構造を設けたものである。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<墓石の構成>
図1は実施例1の採光構造を有する墓石を示す斜視図である。図2は実施例1の採光構造を有する墓石を示す正面図である。図3は実施例1の採光構造を有する墓石を示す平面図である。
図1から図3に示すように、一般的な和型の墓石について説明する。墓石1は、下から土台となる芝台2、中台3、名字を刻む上台4、戒名を刻む棹石5により構成される。墓石1によっては芝台2を省略することがある。棹石5と上台4の間に蓮華を簡略化した形の「スリン」という石が用いられることもある。墓石1は、その格式、地域、宗派に応じて構成が異なる。本発明の採光構造は、和型の墓石に限定されず洋型の墓石にも実施することができる。
【0021】
芝台2の下に位置されるカロート6(納骨室)は、骨壷、遺骨が納められる墓の心臓部ともいわれる重要な場所である。カロート6の材質としてはコンクリートや石などが用いられ、大きさや形状は骨壷、遺骨の埋蔵の方法によって変わる。因みに、関東地方では遺骨は骨壺に納めた状態で安置される。関西地方では骨壺から遺骨を出してカロート6に納められる。カロート6の底は遺骨を土に還すことを目的とする場合は土のままに、骨壷のまま納骨する場合は石が敷かれている。
更に、墓前に敷かれ、カロート6(納骨室)の蓋石ともなる拝石7がある。この拝石7は通常拝み石と称される。
【0022】
墓石1の付属品としては、生花を立てる花立て8、水を入れる水鉢9、線香を立てる香炉10、塔婆立て11などがある。花立て8は現在ではステンレス製が普及している。香炉10は線香を立てて供える立置型と、寝かせて供える「くりぬき型」がある。図1、2に示すものは「くりぬき型」である。水鉢9は芝台2に彫る「切り出しもの」と、別造りするものとがある。
【0023】
<採光構造を有する拝石の構成>
図4は実施例1の採光構造を有する墓石を示すカロートの側断面図である。図5は採光構造を有する拝石を示し、(a)は拡大平面図、(b)は拡大側断面図、(c)は拡大底面図である。
関東型の墓では、図1から図3に示したように、拝石7の上に香炉10を置くことがある。本発明の拝石7には、カロート6(納骨室)内に外光を採り入れる採光構造12を有する。この採光構造12は、拝石7の一部に上下方向に貫通穴13を開け、この貫通穴13に透光性部材14を嵌め込んだものである。この透光性部材14は、例えばガラス、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの耐久性の高い素材を用いる。
【0024】
図5に示すように、拝石7に円形状の貫通穴13を開け、ここに円板状又は円筒状の透光性部材14を嵌め込む。本発明の採光構造を有する墓石1は、拝石7自体に採光構造12を設けた。透光性部材14は、拝石7の貫通穴13の外壁面と面一になるようにして接着剤等で固定する。または、拝石7の貫通穴13に薄いゴムシート等のクッション材を介在させて接着剤等で固定しても良い。
【0025】
図示例では拝石7の上には香炉10を配置しているので、採光構造12の貫通穴13を参拝者側にずらして開けている。勿論香炉10を置かない場合は、貫通穴13を所望の位置に開けることができる。また採光構造12(貫通穴13)の数は1か所に限定されず数か所設けることが可能である。またその位置も墓石1の形状、墓石1の付属品も配置に応じて決められる。
【0026】
なお、透光性部材14は円板状又は円筒形状に限定されず、四角形状、三角形状、六角形状、直方体形状、逆円錐台形状、逆角錐台形状と種々の形状にすることができる。特に逆円錐台形状、逆角錐台形状にすると長期間経過して貫通穴13に塗布した接着剤が劣化した際にも透光性部材14のズレや落下を防止することができる。
【0027】
透光性部材14は透明なものより、半透明なものが良い。透光性部材14からカロート6内が覗けないようにするためである。透光性部材14は図示するように太陽光を採り入ればよいので、大きくする必要はない。
【0028】
なお、透光性部材14は半透明なものに代えて模様を施したものでも良い。または、後述するように家紋を立体的に表示した構成でも良い。カロート6内が覗けないような構成であれば良い。透光性部材14の素材全体が半透明なものでなくても、透光性部材14のカロート6側に半透明なシートを貼着したものでも良い。
【0029】
このように構成した拝石7の採光構造12により、カロート6内に太陽光を採り入れることができる。これでカロート6内を明るくすることで、カロート6内を除湿、除菌、乾燥、保温を高め環境の良い衛生的な状態に維持することができる。また、カロート6内における遺骨になった故人に太陽光が射し込み、暖かな雰囲気を醸成することもできる。参拝に来た人にとっても安心して墓参りができるようになる。
【0030】
<採光構造の変形例1(家紋)>
図6は採光構造の変形例1であり、採光構造の透光性部材に家紋などの図柄を表示した平面図である。
採光構造12の透光性部材14の外側(表面)には、家紋などの図柄15を表示することができる。図示例では、図柄15を透光性部材14に線画で描画し、それ以外の部分は光が透るように構成した。この家紋の図柄15は一例であって、それぞれの墓ごとに異なるものを表示できることは勿論である。
なお、図柄15は透光性部材14の外側(表面)に限定されず、透光性部材14の内側(裏面)に表示することも可能である。
【0031】
<採光構造の変形例2(L字形状の導光体)>
図7は採光構造の変形例2の拝石を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は底面図である。図8は変形例2の導光体の他の形態を示す側断面図である。
拝石7における採光構造12の直下が、カロート6の開口部に配置されない場合がある。例えば、拝石7の上に香炉10を配置すると、採光構造12を拝石7の参拝者側に設ける必要がある。このような構成の採光構造12では、カロート6の開口部の開口縁で一部が遮られる場合がある。このような構造の拝石7では、カロート6内に外光を十分に採り入れることができない。
【0032】
変形例2の採光構造12は、拝石7に貫通穴13を設けるが、ここに上述した円板状又は円筒状の透光性部材14のみを取り付けるのではない。図示するように、側方から視認したときに略L字形状になる導光体16を取り付けた。この導光体16は縦型部16aと水平部16bとから成る。素材は上述した円板状又は円筒状等の透光性部材14と同じガラス製、プラスチック製の材料から成る。
【0033】
縦型の採光部16aと横型の出射部16bとの連結部は、それぞれ軸方向に対して45度に傾斜した反射面部16cを設けてもよい。このように構成すると、採光部16aから取り込んだ採光を効率よく出射部16bへ導光し、出射部16bからカロート6内に出射することができる。これでカロート6内に外光を十分に採り入れることができる。
【0034】
<採光構造の変形例3(L字形状の導光体)>
図9は導光体の変形例を示す側断面図である。
変形例3の採光構造12の略L字形状の導光体16は、出射部16bが拝石7の下面に出っ張った状態になる。これではカロート6の開口部に隙間なく敷くことができない。そこで、変形例3では、拝石7に採光部16aが嵌る貫通穴13と共に、出射部16bが嵌る溝部17を形成した。この溝部17に出射部16bを嵌めることで、拝石7の下面に出っ張りが生じないようになる。
【実施例2】
【0035】
図10は実施例2の採光構造を有する墓石を示す側面図である。図11は実施例2の採光構造を有する墓石を示す背面図である。
採光構造は必ずしも拝石7のみに設ける必要はない。カロート6の周囲が地中にないときは、このカロート6の周壁にも採光構造を設けることができる。実施例2の採光構造21を有する墓石1は、カロート6の周壁に採光穴22を開け、ここに透光性部材23を嵌め込み固定した。実施例2の採光構造を有する墓石1は、その周囲に柵などが配置された構成に適している。図示例では、カロート6の側壁にそれぞれ2か所、カロート6の背面壁にも2か所設けたものを示しているが、この数に限定されない。また、採光穴22の大きさ、取付位置も適宜変更することができる。
【0036】
カロート6の周囲の採光構造21により、カロート6内に太陽光を採り入れることができる。これでカロート6内を明るくすることで、カロート6内を除湿、除菌、乾燥、保温を高め環境の良い衛生的な状態に維持することができる。実施例2のように拝石7の採光構造12と共に、カロート6の壁面にも複数の採光構造21を設けた墓石1では、太陽光(外光)をカロート6内の広い範囲、奥深い所まで満遍なく採り入れることができる。
【0037】
実施例1の採光構造12と同様に、カロート6内における遺骨になった故人にまで、より明るい太陽光が射し込み、暖かな雰囲気を醸成することもできる。参拝に来た人にとっても安心して墓参りができるようになる。
【0038】
<実施例2の採光構造の変形例(家紋)>
図12は実施例2の採光構造の変形例であり、採光構造の透光性部材に家紋などの図柄を表示した部分側面図である。
実施例2の採光構造21の透光性部材23の外側(表面)には、家紋などの図柄24を表示することができる。図示例では、図柄24を透光性部材23に線画で描画し、それ以外の部分は光が透るように構成した。この家紋の図柄24は一例であって、それぞれの墓ごとに異なるものを表示できることは勿論である。
なお、図柄24は透光性部材23の外側(表面)に限定されず、透光性部材23の内側(裏面)に表示することも可能である。
【0039】
なお、本発明は、拝石7に採光構造12、21を設けることで、カロート6(納骨室)内に外光を採り入れることができ、更に既存の墓石1にも採光構造12、21を有するように変えることができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、石塔(棹石、上台、中台、芝台)と、遺骨を納めるカロート(納骨室)を有する墓(墓石)であれば、和型、洋型いずれの墓石に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 墓石
2 芝台
3 中台
4 上台
5 棹石
6 カロート(納骨室)
7 拝石
13 貫通穴
14 透光性部材
15 図柄
16 導光体
16a 採光部
16b 出射部
21 採光構造
22 採光穴
23 透光性部材
24 図柄
【要約】
【課題】拝石に採光構造を設けることで、カロート(納骨室)内に外光を採り入れることができ、更に既存の墓石にも採光構造を有するように変えられる。
【解決手段】戒名を刻む棹石5、名字を刻む上台4、中台3、土台となる芝台2からなる石搭と、骨壷、遺骨を納めるカロート(納骨室)6とで構成されている墓石1において、カロート5の開口部の一部を開閉自在に閉塞するように配置された、骨壷、遺骨を納める際に蓋石として機能する拝石7と、拝石7に貫通穴13を開け、貫通穴13に透光性部材14が嵌め込まれた採光構造12と、から成り、採光構造12から外光をカロート6内に採り入れられるように構成された。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12