特許第6157083号(P6157083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6157083トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157083
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20170626BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   C08L21/00
   B60C1/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-211087(P2012-211087)
(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公開番号】特開2014-65799(P2014-65799A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年6月9日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 慶太郎
【審査官】 前田 孝泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−131860(JP,A)
【文献】 特表2004−519551(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/076456(WO,A1)
【文献】 特表2004−515564(JP,A)
【文献】 特開2001−214187(JP,A)
【文献】 特表2008−505613(JP,A)
【文献】 特表2008−540701(JP,A)
【文献】 特開2014−065798(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0121170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/16
B60C 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分と、遺伝的に改変された植物から搾油された植物油とを含有し、
前記植物油がキャノーラ油であり、
前記植物油の構成脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量が85質量%以上、リノール酸の含有量が1〜8質量%、リノレン酸の含有量が1〜10質量%であるトレッド用ゴム組成物。
【請求項2】
請求項1記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴム用の可塑剤又は軟化剤として、配合物性に優れる芳香族系オイルが一般的に用いられている。しかしながら、芳香族系オイルは多環芳香族成分を含み、発がん性の問題がある。また、将来の化石資源枯渇の問題や、環境へ与える負荷が大きいという問題もある。
【0003】
そこで、芳香族系オイルの代替品として、植物油を配合した例が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、芳香族系オイルと同等以上の配合物性を示すには至っていないという点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−263956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記課題を解決し、石油資源に由来する成分の使用量を低減しながら、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性をバランスよく改善できるトレッド用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ゴム成分と、遺伝的に改変された植物によって生産された植物油とを含有するトレッド用ゴム組成物に関する。
【0007】
上記植物油の構成脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量が85質量%以上であることが好ましい。
【0008】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゴム成分と、遺伝的に改変された植物によって生産された植物油とを含有するトレッド用ゴム組成物であるので、石油資源に由来する成分である芳香族系オイルの使用量を低減しながら、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性がバランスよく改善された空気入りタイヤを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、遺伝的に改変された植物によって生産された植物油とを含有する。
【0011】
(ゴム成分)
ゴム成分としては特に限定されないが、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などの石油外資源由来のゴムを好適に使用できる。
【0012】
本発明のゴム組成物がNRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、耐摩耗性が悪化したり、脆化温度が高くなる傾向がある。NRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%をこえると、グリップ性能が低下する傾向がある。
【0013】
ENRのエポキシ化率は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上である。5モル%未満であると、ゴム組成物に対する改質効果が小さい傾向がある。ENRのエポキシ化率は、好ましくは80モル%以下、より好ましくは60モル%以下である。80モル%をこえると、ポリマー成分がゲル化し易くなる傾向がある。
なお、エポキシ化率とは、エポキシ化前の天然ゴム成分中の炭素間二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合の平均値を意味し、例えば、滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析などにより求められる。
【0014】
本発明のゴム組成物がENRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のENRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。ENRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%をこえると、グリップ性能が低下する傾向がある。
【0015】
また、所望に応じて、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムも使用できる。低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性をバランスよく改善できるという理由から、合成ゴムとしては、BR及びSBRからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、BRがより好ましい。
【0016】
上記合成ゴムを使用する場合、将来の石油枯渇や環境への配慮から、再生可能な生物由来原料をモノマーとして製造された合成ゴムを使用することが好ましい。このような生物由来原料から製造された合成ゴムは、例えばBRの場合、バイオエタノールに触媒を作用させてブタジエンを得て、それを重合するなどの方法により得ることができる。
【0017】
本発明のゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。BRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。70質量%をこえると、低燃費性が低下する傾向がある。
【0018】
(植物油)
本発明のゴム組成物は、遺伝的に改変された植物(トランスジェニック植物)によって生産された植物油を含有する。
【0019】
植物油は基本的にトリアシルグリセロール(TAG)分子で構成されており、TAG分子はグリセロール骨格にエステル化された3本の脂肪酸鎖から構成されている。植物油は、主に食用油として使用されており、栄養上の要請から高不飽和脂肪酸を減らすという目的で、オレイン酸に富むものが求められている。そこで、植物中のオレイン酸合成に関する代謝経路及びこれらの経路のための酵素をコードする遺伝子についての研究がなされてきた。その結果、遺伝子Fad2がコードするΔ12−デサチュラーゼの働きを抑制する事によりオレイン酸の含有量が上昇するという事が、幾つかの植物において認められた。この成果に基づき、遺伝的に改変された植物によりオレイン酸を高含有率で含むヒマワリ油やダイズ油が開発され、既に市販されている。
【0020】
このように、遺伝的に改変された植物から生産された植物油(以下、遺伝子改変植物油ともいう。)は、通常の植物から得られる植物油とは異なる特性を有する。遺伝子改変植物油を配合することで、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性を芳香族系オイルと同等以上に改善することができる。
【0021】
遺伝子の改変には、細胞に遺伝子を導入する際に用いられる公知の形質転換法を採用でき、例えば、目的の遺伝子(標的遺伝子)を構成するDNAを含むプラスミドなどのベクターを導入したアグロバクテリウム属菌を植物細胞に感染させて遺伝子を導入する方法(アグロバクテリウム法)、標的遺伝子を構成するDNAを担持させた金粒子をパーティクルガンにより細胞内に撃ち込む方法(パーティクルガン法)、標的遺伝子を組み込んだベクターを含む溶液中で電圧により細胞膜に孔を開け、そこから当該ベクターを導入する方法(エレクトロポレーション法)などが挙げられる。
【0022】
植物の種類は特に問わないが、生産性が高いという点から、菜種(キャノーラ)、コーン、大豆、ヒマワリ及びコットンが好ましく、キャノーラがより好ましい。
【0023】
植物中の遺伝子の改変箇所についても特に問わないが、オレイン酸の含有量を多く、かつリノール酸及びリノレン酸の含有量を少なくできるという点から、Fad2でコードされたΔ12−デサチュラーゼ及びΔ6−デサチュラーゼからなる群より選択される少なくとも一種の酵素の働きを抑制したものであることが好ましい。
【0024】
遺伝子改変植物油の構成脂肪酸100質量%中のオレイン酸の含有量は、好ましくは85質量%以上である。85質量%未満であると、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性の改善効果が低い傾向がある。オレイン酸の含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、耐加硫戻り性が悪化する傾向がある。
【0025】
遺伝子改変植物油の構成脂肪酸100質量%中のリノール酸の含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。15質量%を超えると、加工性及び耐加硫戻り性が悪化する傾向がある。リノール酸の含有量の下限は特に限定されないが、好ましくは1質量%以上である。
【0026】
遺伝子改変植物油の構成脂肪酸100質量%中のリノレン酸の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。10質量%を超えると、加工性及び耐加硫戻り性が悪化する傾向がある。リノレン酸の含有量の下限は特に限定されないが、好ましくは1質量%以上である。
【0027】
なお、上記脂肪酸組成(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の含有量)は、GLC(気−液クロマトグラフィー)により測定できる。
【0028】
遺伝子改変植物油の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜80質量部である。5質量部未満では充分な軟化効果が得られない傾向があり、また、80質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
【0029】
本発明のゴム組成物は、遺伝子改変植物油を使用しているため、良好な配合物性を確保しながら、芳香族系オイルなどの石油資源に由来するオイルの使用量を低減することができる。全オイル100質量%中、遺伝子改変植物油の含有量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。また、全オイル100質量%中、石油資源に由来するオイルの含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0質量%(実質的に含有しない)である。
【0030】
(フィラー)
本発明のゴム組成物は、更に、補強剤(フィラー)を含有してもよい。フィラーとしては特に限定されず、シリカ、カーボンブラックなどが挙げられるが、シリカを使用することが好ましい。シリカとしては、特に制限はなく、例えば、湿式法又は乾式法により調製されたものを使用できる。
【0031】
本発明のゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは45質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であれば、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性を高次元でバランスよく改善することができる。
【0032】
また、シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来からタイヤの分野において用いられているものであれば特に制限はないが、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシランなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、又は任意に組み合わせて用いることができる。なかでも、シランカップリング剤の補強性効果と加工性が良好であるという点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランを用いることが好ましく、更に、加工性が特に良好であるという点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを用いることがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは4〜12質量部である。
【0033】
(その他材料)
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で使用される配合剤、例えば、ワックス、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸などを必要に応じて適宜配合することができる。
【0034】
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
【0035】
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
【実施例】
【0036】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0037】
以下、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:SIR20
ENR:クンプーランガスリー社製のENR50(エポキシ化率:50モル%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエース0355
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
植物油1:Dow AgroSciences社製のNatreonキャノーラ油(遺伝子改変植物油、オレイン酸の含有量:70質量%、リノール酸の含有量:18質量%、リノレン酸の含有量:7質量%)
植物油2:Dow AgroSciences社製のNatreonキャノーラ油(遺伝子改変植物油、オレイン酸の含有量:85質量%、リノール酸の含有量:8質量%、リノレン酸の含有量:4質量%)
プロセス油:JX日鉱日石エネルギー(株)製のアロマオイル
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ−G(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
【0038】
<実施例及び比較例>
(株)神戸製鋼所製の1.7Lのバンバリーミキサーを用いて、表1に示した配合量の薬品のうち、硫黄及び加硫促進剤以外を充填率が58%になるように投入して、回転数80rpmの条件下で、混練機の表示温度が140℃になるまで3〜8分間混練りした。なお、シリカについては2回にわけて投入した。この混合物に対して硫黄及び加硫促進剤を加え、オープンロールを用いて、50℃の条件下で3分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、下記の評価に必要なサイズに成形し、160℃で20分間プレス加硫することで、各実施例及び比較例の加硫ゴム組成物を得た。
【0039】
(転がり抵抗の測定)
加硫ゴム組成物からなる2mm×130mm×130mmのゴムスラブシートを作製し、そこから測定用試験片を切り出し、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、各測定用試験片のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、各配合のtanδを指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
【0040】
(耐摩耗性の測定)
ランボーン摩耗試験機にて、負荷荷重2.5kg、温度20℃、スリップ率40%、試験時間2分間の条件下で、各加硫ゴム組成物から得られたランボーン摩耗試験用試験片のランボーン摩耗量を測定し、比較例1のランボーン摩耗量を100として、各配合のランボーン摩耗量を指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
【0041】
(フィラー分散性の測定)
加硫ゴム組成物からなる2mm×130mm×130mmのゴムスラブシートを作製し、そこから測定用試験片を切り出し、JIS K6812に準じて測定用試験片中のシリカの凝集塊をカウントして、比較例1の分散率(%)を100として、各配合の分散率を指数表示した。指数が大きいほどフィラーが分散しており、良好であることを示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から、遺伝子改変植物油(植物油1、2)を配合した参考例、実施例は、該遺伝子改変植物油の代わりに芳香族系オイル(プロセス油)を配合した比較例と比較して、低燃費性、耐摩耗性及びフィラー分散性がバランスよく改善された。また、植物油2を配合した実施例4〜6、10〜12は、植物油1を配合した参考例1〜3、7〜9よりも各性能の改善効果が大きい傾向があった。