(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1開口部側芯材および前記第2開口部側芯材のうち少なくとも一方の芯材は、前記中枠と重なるように配置され、且つ前記中枠とともに前記縦枠又は前記横枠に共締めされることを特徴とする請求項1に記載の連窓。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図8に示す従来一般的な連窓では、火災発生時には、互いにねじ止めされて方立部を構成する方立83および縦枠811,821のそれぞれに、特に面内方向(見付方向)の反りや撓みが発生するおそれがある。そのため、左右の窓部81,82のガラスに割れが生じたり、隙間が発生するおそれがあることから、さらなる防火性能の向上が望まれる。これについては、段窓においても同様のことが言える。
【0006】
また、特許文献1の技術では、下枠補強材により障子の脱落が抑制されるものの、十分な防火対策が施されているとは言えず、さらなる防火性能の向上が望まれる。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のガラス又は障子を有し且つ従来よりも優れた防火性能を有する連窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、縦枠(例えば、後述の左右の縦枠330,340)と横枠(例えば、後述の上枠310,下枠320)により枠組みされた枠体(例えば、後述の枠体30)と、該枠体を第1開口部(例えば、後述の第1開口部10a)と第2開口部(例えば、後述の第2開口部20a)に区画する中枠(例えば、後述の方立40)と、を備える連窓(例えば、後述の連窓1)であって、前記縦枠および前記横枠のうち少なくとも一方の内部(例えば、後述の左縦枠第1中空部331a,左縦枠第2中空部331b,右縦枠第1中空部341a,右縦枠第2中空部341b,上枠中空部311a,下枠中空部321a)には、前記枠の延設方向に延びる金属製の芯材(例えば、後述の左縦枠第1芯材333,左縦枠第2芯材334,右縦枠第1芯材343,右縦枠第2芯材344,上枠芯材313,下枠芯材323)が設けられ、該芯材は、前記中枠とともに前記縦枠又は前記横枠に共締めされ
、前記芯材は、前記第1開口部側に配置される第1開口部側芯材(例えば、後述の第1上枠芯材313a,第1下枠芯材323a)と、前記第2開口部側に配置される第2開口部側芯材(例えば、後述の第2上枠芯材313b,第2下枠芯材323b)とに分割されて構成されることを特徴とする連窓を提供する。
【0009】
本発明では、縦枠と横枠により枠組みされた枠体を備える連窓において、該枠体を第1開口部と第2開口部に区画する中枠を設ける。また、縦枠および横枠のうち少なくとも一方の内部に、枠の延設方向に延びる金属製の芯材を設け、該芯材を、中枠とともに縦枠又は横枠に共締めする。
本発明によれば、第1開口部と第2開口部の連結部、即ち連窓であれば方立部を、中枠のみで構成できる。これにより、上述の従来一般的な連窓等と比べて、連結部(方立部)の反りや撓みを抑制できるため、防火性能を向上できる。
また、縦枠又は横枠と、芯材と、中枠とが互いにねじ止め等により固定されるため、火災発生時における枠体の変形を抑制でき、防火性能をより向上できる。
【0011】
この発明では、芯材を、第1開口部側に配置される第1開口部側芯材と、第2開口部側に配置される第2開口部側芯材とに分割して構成する。
これにより、上述の防火性能の向上効果を維持しつつ、例えば嵌め殺し窓のみや縦辷り出し窓のみの単窓に対しても、第1開口部側芯材や第2開口部側芯材を流用できる。即ち、この発明によれば、芯材を、第1開口部側芯材および第2開口部側芯材に分割することで、汎用性を高めることができる。
【0012】
前記第1開口部側芯材および前記第2開口部側芯材のうち少なくとも一方の芯材は、前記中枠と重なるように配置され、且つ前記中枠とともに前記縦枠又は前記横枠に共締めされることが好ましい。
【0013】
この発明では、第1開口部側芯材および第2開口部側芯材のうち少なくとも一方の芯材を、中枠と重なるように配置し、且つ中枠とともに縦枠又は横枠に共締めする。
これにより、火災発生時における枠体の変形抑制効果、ひいては防火性能の向上効果を維持しつつ、汎用性を高めることができる。
【0014】
前記芯材は、前記縦枠とともに、前記横枠に共締めされることが好ましい。
【0015】
この発明では、芯材を、縦枠とともに横枠に共締めする。
これにより、縦枠と、横枠と、芯材とが互いにねじ止め等により固定されるため、火災発生時における枠体の変形をより抑制でき、防火性能をより向上できる。
【0016】
前記中枠の内部(例えば、後述の方立中空部41a)には、前記中枠の延設方向に延びる金属製の中枠芯材(例えば、後述の方立芯材43)が設けられることが好ましい。
【0017】
この発明では、中枠の内部に、中枠の延設方向に延びる金属製の中枠芯材を設ける。
これにより、中枠で構成される連結部(方立部)の反りや撓みを抑制できるため、防火性能をさらに向上できる。
【0018】
前記中枠芯材は、前記縦枠又は前記横枠の芯材に共締めされることが好ましい。
【0019】
この発明では、中枠芯材を、縦枠又は横枠の芯材に共締めする。
これにより、火災発生時における枠体の変形をさらに抑制でき、防火性能をさらに向上できる。
【0020】
また、縦枠(例えば、後述の左右の縦枠330,340)と横枠(例えば、後述の上枠310,下枠320)により枠組みされた枠体(例えば、後述の枠体30)と、該枠体を第1開口部(例えば、後述の第1開口部10a)と第2開口部(例えば、後述の第2開口部20a)に区画する中枠(例えば、後述の方立40)と、を備える連窓(例えば、後述の連窓1)であって、前記中枠の内部(例えば、後述の方立中空部41a)には、前記中枠の延設方向に延びる金属製の中枠芯材(例えば、後述の方立芯材43)が設けられ、前記中枠芯材は、前記中枠に隣接するガラス保持金具(例えば、後述の第1ガラス外れ止め金具44)とともに前記中枠に共締めされることを特徴とする連窓を提供する。
【0021】
この発明では、中枠芯材を、中枠に隣接するガラス保持金具とともに中枠に共締めする。
これにより、ガラス保持金具を中枠および中枠芯材に固定できるため、火災発生時には、ガラスを確実に保持できる。従って、ガラスの脱落をより確実に抑制でき、防火性能をさらに向上できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数のガラス又は障子を有し且つ従来よりも優れた防火性能を有する連窓を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた連窓におけるガラスの面方向(即ち、左右方向)を意味し、「見込方向」とは、上記ガラスの厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る連窓1を屋内側から見たときの正面図である。連窓1は、建物の壁に形成され且つ開口縁に額縁が取り付けられた開口部に納められる。
図1に示すように、連窓1は、見付方向に2つの窓が連設された連窓であり、枠体30と、方立40と、第1開口部10aに納められる第1開口部装置10と、第2開口部20aに納められる第2開口部装置20と、を備える。
【0026】
枠体30は、上枠310と、下枠320と、左右の縦枠330,340により矩形に枠組みされた枠体である。後述するように、枠体30は、金属枠31と、該金属枠31の屋内側に連結された樹脂枠32と、を含んで構成される。即ち、本実施形態に係る連窓1は、屋外側が金属で構成され、屋内側が樹脂で構成された複合型の連窓である。金属枠31の屋内側が樹脂枠32で覆われるため、連窓1は、優れた断熱性を有し、結露が抑制される。
【0027】
金属枠31は、例えばアルミで構成される。より具体的には、金属枠31は、アルミを押出し成形することで得られる。
金属枠31は、後述するように、金属上枠と、金属下枠と、左右の金属縦枠で構成され、連結される枠同士はねじ止めされる。
【0028】
樹脂枠32は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で構成される。より具体的には、樹脂枠32は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を押出し成形することで得られる。
樹脂枠32は、後述するように、樹脂上枠と、樹脂下枠と、左右の樹脂縦枠で構成され、連結される枠同士はねじ止めされる。樹脂上枠は金属上枠に取り付けられ、樹脂下枠は金属下枠に取り付けられ、左右の樹脂縦枠はそれぞれ左右の金属縦枠に取り付けられる。
即ち、上枠310は金属上枠と樹脂上枠で構成され、下枠320は金属下枠と樹脂下枠で構成され、左右の縦枠330,340はそれぞれ、金属縦枠と樹脂縦枠で構成される。
【0029】
方立40は、上枠310と下枠320との間に延設された方立である。後述するように、方立40は、金属方立と、該金属方立の屋内側に連結された樹脂方立と、を含んで構成される。第1開口部10aおよび第2開口部20aは、互いに方立40側に縦框を有しておらず、方立40により連結される。
【0030】
第1開口部装置10は、屋内側から見て、方立40の左側の第1開口部10aに納められる。第1開口部装置10は、例えば嵌め殺し窓であり、方立40の左側の第1開口部10aに嵌め込まれて固定された矩形のガラス51を備える。以下、第1開口部装置10を、嵌め殺し窓10ともいう。
【0031】
第2開口部装置20は、屋内側から見て、方立40の右側の第2開口部20aに納められる。第2開口部装置20は、例えば縦辷り出し窓であり、方立40の右側の第2開口部20aに納められた矩形の障子200を備える。障子200は、後述するように、戸先側を屋外側に押出し、吊元側に設けられた図示しない回動軸を中心として回動させることで、開放可能となっている。以下、第2開口部装置20を、縦辷り出し窓20ともいう。
【0032】
障子200は、上框21と、下框22と、左右の縦框23,24と、により矩形に框組みされた框体25と、框体25内に嵌め込まれて固定されたガラス52と、を含んで構成される。後述するように、框体25は、金属框体26と、該金属框体26の屋内側に連結された樹脂框体27と、を含んで構成される。
【0033】
金属框体26は、例えばアルミで構成される。より具体的には、金属框体26は、アルミを押出し成形することで得られる。
金属框体26は、後述するように、金属上框と、金属下框と、左右の金属縦框で構成され、連結される框同士はねじ止めされる。
【0034】
樹脂框体27は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で構成される。より具体的には、樹脂框体27は、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を押出し成形することで得られる。
樹脂框体27は、後述するように、樹脂上框と、樹脂下框と、左右の樹脂縦框で構成される。樹脂上框は金属上框に取り付けられ、樹脂下框は金属下框に取り付けられ、左右の樹脂縦框はそれぞれ左右の金属縦框に取り付けられる。
即ち、上框21は金属上框と樹脂上框で構成され、下框22は金属下框と樹脂下框で構成され、左右の縦框23,24はそれぞれ、金属縦框と樹脂縦框で構成される。
【0035】
戸先側の左縦框23には、ハンドル28と、グレモン機構29が設けられる。ハンドル28は、左縦框23の屋内側の上下方向略中央に設けられる。障子200が閉鎖された状態でハンドル28を回動すると、グレモン機構29のロックが解除され、この状態で、障子200の戸先側を屋外側に押し出すことで、障子200が吊元側の回動軸を中心として回動して開放される。また、障子200の戸先側を屋内側に引き戻してハンドル28を回動すると、グレモン機構29が作動して障子200が閉鎖状態でロックされる。具体的には、ハンドル28を回動すると、グレモン機構29が備える後述のロッドが上下動し、方立40の左縦框23側の見込面に形成された係止孔にロッドが係止することで、障子200が閉鎖状態でロックされる。
【0036】
図2は、本実施形態に係る連窓1の嵌め殺し窓10側の縦断面図である。
図2に示すように、ガラス51は、屋内側の板ガラス511と、屋外側の板ガラス512と、これら2枚の板ガラスで挟持されたスペーサ51aと、を備える複層ガラスであり、優れた断熱性を有する。
【0037】
図2に示すように、金属下枠321は、下枠中空部321aを有するホロー構造である。下枠中空部321a内には、屋外側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属下枠321の延設方向に延びる下枠芯材323が設けられる。下枠芯材323は、その下方側の見付面323cが下枠中空部321aの屋内側の内周面に面接触している。また、下枠芯材323は、その上面323dが下枠中空部321aの天井面に面接触している。これにより、火災発生時に金属下枠321が溶融して変形した場合に、ガラス51の脱落が抑制される。以下で説明する芯材は、いずれも同様の効果を有する。なお、下枠芯材323については、後段でさらに詳述する。
【0038】
金属下枠321の屋内側の見付面の下方には、屋内側に略水平に延出し且つ先端が上方に屈曲した下枠第1水平部321bが形成される。この下枠第1水平部321bには、樹脂下枠322の樹脂下枠本体部322aの底部が嵌合する。
【0039】
金属下枠321の屋内側の見付面の上方には、該見付面の上端から立設し、その先端が屋外側に屈曲した下枠立設部321cが形成される。この下枠立設部321cには、樹脂下枠322を構成し且つ樹脂下枠本体部322aから立設する下枠ガラス支持部322bが係止する。下枠ガラス支持部322bは、屋外側に緩衝部材322cが取り付けられ、この緩衝部材322cを介してガラス51の周縁部を支持する。
【0040】
金属下枠321の上面部321eは略水平であり、上面部321eには、金属下枠321の延設方向に延び、例えばアルミより融点が高いSUSやスチール等からなる第1ずり下がり防止材324が配設される。ガラス51は、この第1ずり下がり防止材324上に加熱発泡材501を介して支持される。また、上面部321e上の隙間には、加熱発泡材502が取り付けられる。
なお、加熱発泡材501,502は、火災時に発生する熱で発泡して膨張し、周辺の隙間を埋めることで、熱風や煙の侵入を抑制する。以下で説明する加熱発泡材は、いずれも同様の効果を有する。
【0041】
金属下枠321の上面部321eの屋外側端部には、屋外側に略水平に延出する下枠第2水平部321fが形成される。下枠第2水平部321f上には、金属下枠321の延設方向に延びる断面視略コ字状の下枠押縁アタッチメント325が、その開放面を上方に向けて取り付けられる。
下枠押縁アタッチメント325の係止部には、金属下枠321の延設方向に延びる下枠外押縁326が係止する。下枠外押縁326の屋内側には緩衝部材326aが取り付けられており、下枠外押縁326は、緩衝部材326aを介してガラス51の周縁部を押圧する。これにより、上述の下枠ガラス支持部322bと下枠外押縁326との間で、ガラス51の周縁部が挟持される。なお、下枠外押縁326の屋外側の内周面には、加熱発泡材503が取り付けられる。以下で説明する押縁は、いずれも同様の作用効果を有する。
【0042】
また、金属下枠321の上面部321eの屋外側端部には、下方に垂設された下枠垂設部321gと、下枠垂設部321gの下端から屋外側に屈曲し、屋外側に向かうに従い下方に傾斜して延びる傾斜部321hが形成される。この傾斜部が長く延びることで、本実施形態に係る連窓1は深見込みの連窓となっている。
【0043】
金属上枠311は、上枠中空部311aを有するホロー構造である。
図2に示すように、金属上枠311は屋外側に大きく突出して形成されており、これにより、本実施形態に係る連窓1は深見込みの連窓となっている。
【0044】
上枠中空部311a内には、上方側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属上枠311の延設方向に延びる上枠芯材313が設けられる。上枠芯材313は、その上方側の見付面313dが上枠中空部311aの屋内側の内周面に面接触し、その上面313eが上枠中空部311aの天井面に面接触している。また、上枠芯材313は、その下面313cが上枠中空部311aの底面に面接触している。なお、上枠芯材313については、後段でさらに詳述する。
【0045】
金属上枠311の屋内側に設けられる樹脂上枠312は、上述した樹脂下枠322と上下対称で同一の構成である。同様に、金属上枠311の屋外側に取り付けられる上枠外押縁316は、上述した下枠外押縁326と上下対称で同一の構成である。
【0046】
金属上枠311の下面部311eとガラス51の上端部との間には、所定の隙間が設けられる。また、下面部311eには、ガラス51の上端と対向する位置に、金属上枠311の延設方向に延びる断面視略L字状の上枠ガラス保持部材314がガラス51の周縁部を覆うように設けられる。上枠ガラス保持部材314は、例えばアルミよりも融点が高いSUSやスチール等で構成され、その下面側には加熱発泡材504が取り付けられる。
【0047】
図3は、本実施形態に係る連窓1の縦辷り出し窓20側の縦断面図である。より具体的には、
図3は、縦辷り出し窓20を閉鎖している状態で、戸先側から見たときの縦断面図である。ここで、上枠310を構成する金属上枠311および樹脂上枠312と、下枠320を構成する金属下枠321および樹脂下枠322の構成は、上述した通りである。
【0048】
図3に示すように、障子200の框体25に嵌め込まれたガラス52は、屋内側の板ガラス521と、屋外側の板ガラス522と、これら2枚の板ガラスで挟持されたスペーサ52aと、を備える複層ガラスであり、優れた断熱性を有する。
【0049】
金属下框221は、断面視略正方形の下框中空部221aを有するホロー構造である。下框中空部221a内には、屋内側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属下框221の延設方向に延びる下框芯材223が設けられる。下框芯材223は、その上面部223aが下框中空部221aの天井面に面接触し、その屋外側の側面部223bが下框中空部221aの屋外側の内周面に面接触し、その下面部223cが下框中空部221aの底面に面接触している。
【0050】
金属下框221の下部には、金属下枠321上に設けられた下框アーム部材224が連結される。この下框アーム部材224は、障子200の開放時および閉鎖時において、障子200を支持する。なお、金属下枠321上には、加熱発泡材506が取り付けられる。
【0051】
金属下框221の屋外側の面の下端部には、下方に垂設された下框垂設部221bが形成される。下框垂設部221bの下端には、緩衝部材221cが取り付けられる。障子200が閉鎖されると、下框垂設部221bの下端は、緩衝部材221cを介して金属下枠321の下枠第2水平部321fと当接する。障子200が開放されると、下框垂設部221bの下端は、金属下枠321の下枠第2水平部321fから離間する。
【0052】
金属下框221の屋内側に形成された係止部には、樹脂下框222を構成する樹脂下框本体部222aが係止する。樹脂下框本体部222aの上部には、樹脂下框222を構成する下框ガラス支持部222bが形成される。下框ガラス支持部222bの屋外側には緩衝部材222cが取り付けられる。下框ガラス支持部222bは、緩衝部材222cを介してガラス52の周縁部を支持する。
【0053】
金属下框221の上面部221dには、金属下框221の延設方向に延びる第2ずり下がり防止材225が配設される。ガラス52は、この第2ずり下がり防止材225上に加熱発泡材507を介して支持される。第2ずり下がり防止材225の構成は、上述の第1ずり下がり防止材324と同一である。金属下框221の上面の上面部221d上の隙間には、加熱発泡材508が取り付けられる。
【0054】
金属下框221の上面部221dの屋外側端部に形成された係止部には、金属下框221の延設方向に延びる下框外押縁226が係止する。下框外押縁226の屋内側には緩衝部材226aが取り付けられる。下框外押縁226の屋内側の内周面には、加熱発泡材509が取り付けられる。
【0055】
金属上框211は、上述した金属下框221と上下対称で同一の構成である。また、樹脂上框212は、上述した樹脂下框222と上下対称で同一の構成である。
また、金属上框211の下面部211aとガラス52の上端との間には、所定の隙間が設けられる。下面部211aには、ガラス52の上端部と対向する位置に、金属上框211の延設方向に延びる断面視略L字状の上框ガラス保持部材215がガラス52の周縁部を覆うように設けられる。上框ガラス保持部材215は、例えばアルミよりも融点が高いSUSやスチール等で構成され、その下面側および屋内側には加熱発泡材513が取り付けられる。
【0056】
図4は、本実施形態に係る連窓1の横断面図である。先ず、嵌め殺し窓10側の構成について説明する。
金属左縦枠331は、仕切り壁331cで仕切られ、屋外側に配置された左縦枠第1中空部331aと、屋内側に配置された左縦枠第2中空部331bと、を有するホロー構造である。左縦枠第1中空部331a内には、建物の壁側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属左縦枠331の延設方向に延びる左縦枠第1芯材333が設けられる。また、左縦枠第2中空部331b内には、屋外側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属左縦枠331の延設方向に延びる左縦枠第2芯材334が設けられる。
左縦枠第1芯材333は、ガラス51側の見込面333aが左縦枠第1中空部331aの内周面に面接触している。同様に、左縦枠第2芯材334は、ガラス51側の見込面334aが左縦枠第2中空部331bの内周面に面接触している。なお、左縦枠第1芯材333および左縦枠第2芯材334については、後段でさらに詳述する。
【0057】
金属左縦枠331の屋内側の係止部には、樹脂左縦枠332を構成する左縦枠本体部332aが係止する。左縦枠本体部332aのガラス51側には、樹脂左縦枠332を構成する左縦枠ガラス支持部332bが形成される。左縦枠ガラス支持部332bの屋外側には緩衝部材332cが取り付けられる。左縦枠ガラス支持部332bは、緩衝部材332cを介してガラス51の周縁部を支持する。
【0058】
金属左縦枠331とガラス51の左側端部との間には、上下方向に延びる第1ガラス外れ止め金具335が設けられる。第1ガラス外れ止め金具335は、例えばアルミよりも融点が高いSUSやスチール等の長尺部材で構成され、ガラス51の周縁部を隙間を設けて覆うように配置される。これによりガラス51の脱落が抑制される。なお、第1ガラス外れ止め金具335およびその周辺部には、複数の加熱発泡材が取り付けられる。
【0059】
金属左縦枠331の屋外側では、ガラス51側の見込面に形成された係止部に、左縦枠外押縁336が係止する。左縦枠外押縁336の屋内側には、緩衝部材336aが取り付けられる。左縦枠外押縁336の屋内側の内周面には、加熱発泡材514が取り付けられる。
【0060】
後段で詳述する金属方立41とガラス51の右側端部との間には、上下方向に延びる第1ガラス外れ止め金具44が設けられる。第1ガラス外れ止め金具44は、上述の第1ガラス外れ止め金具335と同一の構成である。第1ガラス外れ止め金具44およびその周辺部には、複数の加熱発泡材が取り付けられる。
【0061】
ガラス51の右側縁部の屋内側には、後述する樹脂方立42を構成する方立ガラス支持部42aが設けられ、緩衝部材42cを介してガラス51の周縁部を支持する。
また、ガラス51の右側縁部の屋外側には、後述する金属方立41の見込面に形成された係止部に、方立外押縁45が係止する。方立外押縁45の構成は、左縦枠外押縁336と同一である。
【0062】
次に、縦辷り出し窓20側の構成について説明する。
金属左縦框231は、左縦框中空部231aを有するホロー構造である。左縦框中空部231a内には、方立40側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属左縦框231の延設方向に延びる左縦框芯材233が設けられる。左縦框芯材233の見付面は、左縦框中空部231aのガラス52側の内周面に面接触している。
【0063】
金属左縦框231の屋外側では、上下方向に通しで設けられ方立40側に延出する左縦框延出部234が形成される。左縦框延出部234の先端には、上下方向に通しで設けられえた緩衝部材234aが取り付けられる。障子200が閉鎖されると、左縦框延出部234の先端は、緩衝部材234aを介して金属方立41に当接し、障子200が開放されると、左縦框延出部234の先端は、金属方立41から離間する。
【0064】
金属左縦框231の屋内側の見付面に形成された係止部には、樹脂左縦框232が係止する。樹脂左縦框232のガラス52側の屋外側には緩衝部材232aが取り付けられ、樹脂左縦框232は緩衝部材232aを介してガラス52の周縁部を支持する。
樹脂左縦框232には、上述のハンドル28とグレモン機構29が設けられる。障子200が閉鎖されると、樹脂左縦框232の見付面の方立40側の端部は、樹脂方立42を構成し且つ左縦框23側に延出する樹脂方立延出部42bに、緩衝部材42dを介して当接し、障子200が開放されると、樹脂方立延出部42bから離間する。
【0065】
金属左縦框231の方立40側の見込面には、グレモン機構29を構成するロッド部291が設けられる。ロッド部291は、ハンドル28の回動に応じて上下動し、方立40の左縦框23側の見込面に形成された金具292に係止する。
障子200が閉鎖されると、方立40と金属左縦框231の間には密閉空間が形成される。この密閉空間の内周面には、複数の加熱発泡材516,517,518が取り付けられる。
【0066】
金属左縦框231とガラス52の左側端部との間には、上下方向に延びる第2ガラス外れ止め金具235が設けられる。第2ガラス外れ止め金具235は、例えばアルミよりも融点が高いSUSやスチール等の長尺部材で構成され、ガラス52の周縁部を隙間を設けて覆うように配置される。これにより、ガラス52の脱落が抑制される。なお、第2ガラス外れ止め金具235およびその周辺部には、複数の加熱発泡材が取り付けられる。
【0067】
金属左縦框231の屋外側では、ガラス52側の見込面に形成された係止部に、左縦框外押縁236が係止する。左縦框外押縁236の屋内側には緩衝部材236aが取り付けられる。左縦框外押縁236の屋内側の内周面には、加熱発泡材519が取り付けられる。
【0068】
金属右縦框241は、上述した金属左縦框231と略左右対称で同一の構成である。樹脂右縦框242は、上述した樹脂左縦框232と略左右対称で同一の構成である。
また、金属右縦枠341は、上述した金属左縦枠331と略左右対称で同一の構成である。樹脂右縦枠342は、上述した樹脂左縦枠332と略左右対称で同一の構成である。
【0069】
次に、方立部400の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る連窓1の方立部400の拡大横断面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る連窓1の方立部400は、方立40のみで構成される。即ち、第1開口部10aおよび第2開口部20aは、互いに方立40側に縦框を有しておらず、方立40により連結される。
上述したように、方立40は、屋外側に配置された金属方立41と、金属方立41の屋内側に連結された樹脂方立42と、を含んで構成される。
【0070】
金属方立41は、上枠310と下枠320との間に延設される。金属方立41は、断面視略矩形で、方立中空部41aを有するホロー構造である。金属方立41の屋外側の縦辷り出し窓20側には、内側に凹んだ溝部41bが上下方向に通しで形成される。障子200が閉鎖されると、この溝部41bには、上述した金属左縦框231の左縦框延出部234が、緩衝部材234aを介して当接する。
【0071】
方立中空部41a内には、屋内側が開放された断面視略コ字状の開断面構造を有し、金属方立41の延設方向に延びる方立芯材43が設けられる。方立芯材43の外周面は、金属方立41の内周面に略沿った形状であり、上述の溝部41bに対応する部分が内側に凹んでいる。また、方立芯材43は、嵌め殺し窓10側の見込面43aが嵌め殺し窓10側の金属方立41の内周面に面接触している。これにより、金属方立41の見付方向の変形および見込方向の変形が抑制される。
【0072】
金属方立41の屋内側の見付面41cの見付方向端部には、見付方向に延出する金属方立延出部41d,41eが形成される。嵌め殺し窓10側に延出する金属方立延出部41dと、縦辷り出し窓20側に延出する金属方立延出部41eは、いずれも上下方向に通しで形成される。これにより、火災発生時に後述する樹脂方立42が溶融した場合であっても、方立40と各窓との間が金属方立延出部41d,41eで覆われるため、火災発生時に熱風や煙が通過するのが効果的に抑制される。
【0073】
金属方立41の嵌め殺し窓10側の側面には、上述の第1ガラス外れ止め金具44が、ねじ44aによりねじ止めされて取り付けられる。この第1ガラス外れ止め金具44は、見付面にスリットを有し且つ金属方立41の側面に予めねじ止めされる第1係合部材441と、見込方向に突出する突出部を有し且つ該突出部を第1係合部材441のスリットに係合させることで後付けされる第2係合部材442と、を含んで構成される。
より詳しくは、
図5に示すように第1係合部材441は、方立芯材43とともに、ねじ44aにより金属方立41に共締めされる。これにより、第1ガラス外れ止め金具44が金属方立41および方立芯材43に確実に固定され、ガラス51が確実に保持される。
【0074】
樹脂方立42は、金属方立41と同様に、上枠310と下枠320との間に延設され、金属方立延出部41dおよび金属方立延出部41eに係止することで、金属方立41の屋内側に取り付けられる。樹脂方立42の見付方向の幅寸法は、上述の金属方立41の見付方向の幅寸法よりも大きく、樹脂方立42の見付方向の両端には、上述した方立ガラス支持部42aおよび樹脂方立延出部42bが形成される。
【0075】
ここで、本実施形態に係る方立部400を構成する方立40の作用について、
図6を参照して説明する。
上述したように従来一般的な連窓では、方立と、左右の各窓部を構成する各上枠に連結された2つの縦枠がねじ止めされることで方立部が構成される。そのため、従来一般的な連窓では、方立部を構成する3つの部材、即ち方立および2つの縦枠のそれぞれにおいて、
図6中の破線で示すような面内方向(見付方向)の反りや撓みが発生し易い。これに対して本実施形態に係る方立部400は、上枠310と下枠320との間に延設された方立40のみで構成される。そのため、上述の従来一般的な連窓と比べて、方立部400の反りや撓みが抑制される。さらには、方立中空部41aには、方立芯材43が設けられるため、方立部400の反りや撓みがさらに抑制される。
【0076】
次に、本実施形態に係る連窓1で用いられる各芯材について説明する。
上述した各芯材、具体的には、下枠芯材323、上枠芯材313、下框芯材223、上框芯材213、左縦枠第1芯材333、左縦枠第2芯材334、左縦框芯材233、右縦框芯材243、方立芯材43、右縦枠第1芯材343および右縦枠第2芯材344は、例えばアルミよりも融点が高いSUSやスチール等で構成される。これら芯材は、例えば板状の長尺部材を、その長手方向を折り曲げ軸として、その幅方向に複数回折り曲げ成形することで、所定の形状に形成される。これら芯材により、各枠、各框および方立40の変形が抑制される。
【0077】
図7は、本実施形態に係る連窓1の各芯材を示す図である。
図7に示すように、下枠芯材323および上枠芯材313以外の各芯材は、各枠又は各框の両端近傍まで延びて通しで設けられる。
これに対して、下枠芯材323は、嵌め殺し窓10側に配置される第1下枠芯材323aと、縦辷り出し窓20側に配置される第2下枠芯材323bとに分割されて構成される。また、上枠芯材313は、嵌め殺し窓10側に配置される第1上枠芯材313aと、縦辷り出し窓20側に配置される第2上枠芯材313bとに分割されて構成される。これにより、本実施形態のような連窓のみならず、例えば縦辷り出し窓単窓に対しても、第2下枠芯材323bおよび第2上枠芯材313bを流用できるようになっている。
【0078】
第1上枠芯材313aは、上枠310の左側端部近傍から方立40が延設されている位置まで延びて設けられる。同様に、第1下枠芯材323aは、下枠320の左側端部近傍から方立40が延設されている位置まで延びて設けられる。即ち、これら第1上枠芯材313aおよび第1下枠芯材323aは、上下方向の投影面において方立40と重なるように配置される。このように本実施形態では、例えば第2開口部20aよりも大きい第1開口部10aに納められた嵌め殺し窓10側に配置される各芯材を、上下方向の投影面において方立40と重なるように配置することで、火災発生時における枠体30の変形がより抑制される。
【0079】
第2上枠芯材313bは、第1上枠芯材313aの右側端部から所定間隔を設けて配置され、上枠310の右側端部近傍まで延びて設けられる。同様に、第2下枠芯材323bは、第1下枠芯材323aの右側端部から所定間隔を設けて配置され、下枠320の右側端部近傍まで延びて設けられる。
【0080】
ところで、方立40、上枠310、下枠320および左右の縦枠330,340は、これらが互いに連結される部分において、ねじ止めされる。より詳しくは、金属枠(金属方立含む)同士がねじ止めされ、樹脂枠(樹脂方立含む)同士がねじ止めされる。そこで、本実施形態では、金属上枠311と金属方立41とをねじ止めする際に、上枠芯材313を構成する第1上枠芯材313aを同時にねじ止めする。即ち、上下方向の投影面において方立40と重なる第1上枠芯材313aは、該重なる部分において、方立40とともに上枠310にねじ46,46で共締めされる。これにより、火災発生時における枠体30の変形をより抑制でき、防火性能をより向上できる。
【0081】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、左右の縦枠330,340、上枠310および下枠320により枠組みされた枠体30を備える連窓1において、該枠体30を第1開口部10aと第2開口部20aに区画する方立40を設けた。また、第1開口部10aおよび第2開口部20aに納められるガラス51又は障子200を、互いに方立40側に縦框を有さずに方立40により連結した。さらには、方立40の方立中空部41aに、方立40の延設方向に延びる金属製の方立芯材43を設けた。
本実施形態によれば、第1開口部10aと第2開口部20aを連結する方立部400を、方立40のみで構成できる。これにより、上述の従来一般的な連窓と比べて、方立部の反りや撓みを抑制できる。また、方立中空部41aには、方立40の延設方向に延びる金属製の方立芯材43を設けたため、方立部400の反りや撓みをさらに抑制できる。従って本実施形態の連窓1によれば、従来よりも優れた防火性能が得られる。
【0082】
また本実施形態では、第1開口部10a側の方立40の内周面に、方立芯材43を面接触させた。これにより、火災発生時に方立40の反りや撓みを効果的に抑制できる。従って、本実施形態によればより防火性能を向上できる。
【0083】
また本実施形態では、方立芯材43を、屋内側が開放された開断面構造とした。これにより、特に屋外側で火災が発生した場合に、熱風や煙が屋内に流入するのを効果的に抑制できる。ひいては、可燃性のものがより多く存在する屋内側への延焼を効果的に抑制でき、より優れた防火性能が得られる。
【0084】
また本実施形態では、方立40を、屋外側の金属方立41と屋内側の樹脂方立42により構成するとともに、金属方立41の屋内側の見付面41cの見付方向端部から、見付方向に延出する金属方立延出部41d,41eを設けた。これにより、方立40と、各窓との間を金属方立延出部41d,41eで覆うことができるため、火災発生時に熱風や煙が通過するのを効果的に抑制でき、より優れた防火性能が得られる。
【0085】
また本実施形態では、上枠310の上枠中空部311aに、上枠310の延設方向に延びる金属製の上枠芯材313を設け、上枠芯材313を、方立40とともに上枠310に共締めした。
これにより、上枠310と、上枠芯材313と、方立40とが互いにねじ止め等により固定されるため、火災発生時における枠体30の変形を抑制でき、防火性能をより向上できる。
【0086】
また本実施形態では、上枠芯材313を、第1開口部10a側に配置される第1上枠芯材313aと、第2開口部20a側に配置される第2上枠芯材313bとに分割して構成した。また、下枠芯材323を、第1開口部10a側に配置される第1下枠芯材323aと、第2開口部20a側に配置される第2下枠芯材323bとに分割して構成した。
これにより、上述の防火性能の向上効果を維持しつつ、例えば嵌め殺し窓のみや縦辷り出し窓のみの単窓に対しても、第1上枠芯材313a、第2上枠芯材313b、第1下枠芯材323aおよび第2下枠芯材323bを流用できる。即ち、本実施形態によれば、上枠芯材313を、第1上枠芯材313aおよび第2上枠芯材313bに分割し、下枠芯材323を、第1下枠芯材323aおよび第2下枠芯材323bに分割することで、汎用性を高めることができる。
【0087】
また本実施形態では、第1上枠芯材313aを、上下方向の投影面において方立40と重なるように配置し、且つ方立40とともに上枠310に共締めした。
これにより、火災発生時における枠体30の変形抑制効果、ひいては防火性能の向上効果を維持しつつ、汎用性を高めることができる。
【0088】
また本実施形態では、方立中空部41aに、上下方向に延びる金属製の方立芯材43を設けた。
これにより、方立40で構成される方立部400の反りや撓みを抑制できるため、防火性能をさらに向上できる。
【0089】
また本実施形態では、方立芯材43を、方立40に隣接する第1ガラス外れ止め金具44とともに方立40に共締めした。
これにより、第1ガラス外れ止め金具44を方立40および方立芯材43に固定できるため、火災発生時には、ガラス51を確実に保持できる。従って、ガラス51の脱落をより確実に抑制でき、防火性能をさらに向上できる。
【0090】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態では、第1開口部装置として嵌め殺し窓10を適用し、第2開口部装置として縦辷り出し窓20を適用したが、窓種は限定されず、種々の窓の組合せからなる連窓に適用可能である。
特に、本実施形態に係る芯材の構成については、水平方向に窓を並べた連窓のみならず、上下方向に窓を並べた、いわゆる段窓にも適用可能である。この場合には、本実施形態の方立芯材43に相当する芯材を、段窓の無目に設けることで、段窓の枠体の変形を抑制でき、防火性能を向上できる。
【0091】
上記実施形態では、下枠芯材323および上枠芯材313は、それぞれ、嵌め殺し窓10側と縦辷り出し窓20側とに分割して構成したが、これに限定されない。例えば、下枠芯材および上枠芯材いずれも、下枠320又は上枠310内に通しで設けてもよい。
【0092】
上記実施形態では、第1上枠芯材313aを方立40とともに上枠310にねじ46,46で共締めしたが、同様に、下枠芯材323を構成する第1下枠芯材323aを方立40とともに下枠320にねじで共締めしてもよい。この場合には、火災発生時における枠体30の変形がより抑制され、防火性能がより向上する。
【0093】
また、第1上枠芯材313aを左縦枠330とともに上枠310にねじで共締めしてもよく、第2上枠芯材313bを右縦枠340とともに上枠310にねじで共締めしてもよい。さらには、第1下枠芯材323aを左縦枠330とともに下枠320にねじで共締めしてもよく、第2下枠芯材323bを右縦枠340とともに下枠320にねじで共締めしてもよい。これらの場合には、火災発生時における枠体30の変形がさらに抑制され、防火性能がさらに向上する。
【0094】
また、方立芯材43を、第1上枠芯材313aおよび第1下枠芯材323aのうち少なくとも一方に共締めしてもよい。この場合には、火災発生時における枠体30の変形をさらに抑制でき、防火性能をさらに向上できる。