特許第6157185号(P6157185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157185
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】冷感を有する皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20170626BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20170626BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/49
   A61Q19/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-79090(P2013-79090)
(22)【出願日】2013年4月5日
(65)【公開番号】特開2014-201552(P2014-201552A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100126505
【弁理士】
【氏名又は名称】佐貫 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100151596
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】本郷 嘉人
【審査官】 井上 典之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/074622(WO,A1)
【文献】 特開平06−329528(JP,A)
【文献】 特表2009−519003(JP,A)
【文献】 特開2003−104846(JP,A)
【文献】 特開平10−231238(JP,A)
【文献】 特開2004−161709(JP,A)
【文献】 特開2012−020991(JP,A)
【文献】 特表2004−511504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/
A61Q 19/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A)〜C)を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
A)メントール
B)メントキシプロパンジオール
C)ピロリドンカルボン酸メンチル
【請求項2】
更にポリオキシエチレン付加ヒマシ油を含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
更にエタノールを皮膚外用剤全量に対して20〜50質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
全身に適用することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷感を有する皮膚外用剤、更に詳細には冷感の持続性に優れる皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肌に塗布した場合に冷感を与える、いわゆる冷感剤を含有する冷感化粧料は、使用時に清涼感を得られることから、近年、多用されつつある。発汗等で、肌に不快感を生じる夏に於いては、清涼感により肌の不快感を除去するために、冷感化粧料が特に重用されている。
【0003】
これら冷感化粧料には、冷感が長時間持続し、清涼感を長時間味わえるという特性が求められている。このような課題を解決するため、冷感ピークの異なる種々の冷感剤が開発され、該冷感剤を配合した、冷感持続効果を付与した冷感化粧料が開示されている。
【0004】
たとえば、異なる冷感ピークを有する二種の冷感剤を配合した化粧料(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)、冷感剤と温感剤を併用して冷感を増幅させる化粧料(例えば、特許文献4参照)、異なる冷感ピークを有する二種の冷感剤と感覚性エキステンダーを併用した化粧料(例えば、特許文献5参照)が開示されている。しかしながら、これらの化粧料においては、冷感持続時間が不充分である、冷感ピークを感じる時間に差がありすぎるため、冷感の中だるみが生じるという課題が生じる場合があった。
【0005】
また、異なる冷感ピークを有する三種の冷感剤を含有する組成物(例えば、特許文献6参照)も知られているが、該組成物の用途は、口腔に清涼感を与える、チューイングガムであり、異なる冷感ピークを有する三種の冷感剤を含有する皮膚外用剤、取り分け、全身を対象とした冷感化粧料は知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−217083号
【特許文献2】特開2002−80335号
【特許文献3】特開2003−73248号
【特許文献4】特開2000−44924号
【特許文献5】特表2002−542176号
【特許文献6】特表2009−519003号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、肌に塗布した場合の冷感の持続性に優れ、長時間、清涼感を感じることができる皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した、従来技術の課題を鑑み、発明者等は、肌上での冷感が長時間持続し、長時間にわたって清涼感を感じる皮膚外用剤を求めて鋭意研究した結果、異なる冷感ピークを有する、特定の三種の冷感剤を含有する皮膚外用剤が課題を解決することを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)下記成分A)〜C)を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
A)メントール
B)メンチル基及びOH基を有する化合物
C)カルボン酸のメントールエステル
(2)更にポリオキシエチレン付加ヒマシ油を含有することを特徴とする(1)記載の皮膚外用剤。
(3)エチルアルコールを20〜50質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
(4)成分B)がメントキシプロパンジオールであり、かつ成分C)がピロリドンカルボン酸メンチルであることを特徴とする(1)〜(3)、いずれかに記載の皮膚外用剤。
(5)全身に適用することを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば肌に塗布した場合の冷感の持続性に優れ、長時間、清涼感を感じることができる皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明の皮膚外用剤の必須成分であるメントール
本発明の皮膚外用剤は必須成分として、メントールを含有する。メントールは、肌に冷感を付与する冷感剤としてよく知られており、本発明に於いては、比較的、初期に冷感ピークを有する冷感剤としての役割を果たす。
【0011】
<2>本発明の皮膚外用剤の必須成分であるメンチル基及びOH基を有する化合物
本発明の皮膚外用剤は必須成分として、メンチル基及びOH基を有する化合物を含有する。該化合物はOH基を一つだけ有していても良いし、二つ以上有していても良い。これらの化合物は、本発明の皮膚外用剤において、メントールの冷感が消失し始める時間に冷却ピークを有する。
【0012】
本発明の皮膚外用剤には、メンチル基及びOH基を有する化合物のただ一種を含有させても良いし、二種以上を含有させても良い。該化合物としては、具体的には、メントキシプロパンジオール、メチルメントキシプロパンジオール、メントキシプロパノール、メントキシエタノール等が好適に例示される。これらの中では、特に冷感持続性に優れるメントキシプロパンジオールが好ましい。
また、該化合物には、市販品も多く存在するので、これら市販品を入手して使用することもできる。
【0013】
<3>本発明の皮膚外用剤の必須成分であるカルボン酸のメントールエステル
本発明の皮膚外用剤は必須成分として、カルボン酸のメントールエステルを含有する。該エステルは、本発明の皮膚外用剤において、メントール及びメンチル基及びOH基を有する化合物の冷感が消失し始める時間に冷却ピークを有する。
【0014】
本発明の皮膚外用剤には、カルボン酸のメントールエステルのただ一種を含有させても良いし、二種以上を含有させても良い。カルボン酸のメントールエステルとしては、具体的には、ピロリドンカルボン酸メンチル、乳酸メンチル、酢酸メンチル等が好適に例示される。これらの中では、特に冷感持続性に優れるピロリドンカルボン酸メンチルが好ましい。
また、該化合物には、市販品も多く存在するので、これら市販品を入手して使用することもできる。
【0015】
<4>本発明の皮膚外用剤
また、本発明の皮膚外用剤は必須成分として、メントール、メンチル基及びOH基を有する化合物及びカルボン酸のメントールエステルの冷感ピークの異なる3種の冷感剤を必須成分として含有する。該冷却剤の皮膚外用剤における含有量としては、3種の冷感剤の総量が皮膚外用剤全量の0.5〜2.0質量%であることが好ましく、0.7〜1.5質量%であることがより好ましい。下限値以下では、冷感が充分でない場合があり、また、上限値以上では、塗布時の刺激が強すぎる場合があり好ましくない。
【0016】
また、本発明の皮膚外用剤はローション、乳液、クリーム、ジェル等に活用され、特に、清涼感の持続性に優れることから、全身に摘要する化粧料に活用することが好ましい。
本発明の乳化剤形の皮膚外用剤は発明の効果を損なわない範囲で、通常、皮膚外用剤に使用する成分を、任意成分として含有することができる。かかる任意成分としては、具体的に、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル及、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
【0017】
これら、任意成分の中では、皮膚外用剤と肌との親和性を向上させ、清涼感を増幅させることから、ポリオキシエチレン付加ヒマシ油を含有させることが好ましい。ポリオキシエチレン付加ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン付加水添ヒマシ油がより好ましく、具体的には、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-100水添ヒマシ油等が好適に例示できる。これらのほとんどは市販品として入手可能である。また、皮膚外用剤にポリオキシエチレン付加ヒマシ油を含有させる場合は、その含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.02〜2質量%であることが好ましい。下限値以下では、肌と皮膚外用剤の親和性を充分向上させることができない場合があり、また、上限値以上では、皮膚外用剤の塗布時にべたつきを生じる場合があり好ましくない。
【0018】
さらに、蒸発熱により、清涼感を増幅させる点から、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを含有させることが好ましい。これらアルコールを皮膚外用剤に含有させる場合は、その含有量を皮膚外用剤全量に対して、20〜50質量%とすることが好ましい。
本発明の皮膚外用剤としては、水性溶液、水性ゲル、可溶化剤形、乳化剤形等、特に限定されないが、清涼感が増幅される点で、乳化剤形であることが好ましい。下限値以下では、効果が充分でない場合があり、また、上限値以上では、塗布時の刺激が強すぎる場合があり好ましくない。
【0019】
本発明の皮膚外用剤はローション、乳液、クリーム、ジェル等に活用され、特に、清涼感の持続性に優れることから、全身に摘要する化粧料に活用することが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、上記必須成分と任意成分とを常法にしたがって処理することにより製造することができる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<実施例、比較例1〜
表1に従って本発明の皮膚外用剤である全身ローション及び比較例の全身ローションを調整した。すなわち、成分(イ)を室温で攪拌混合し、均一溶解した。成分(ロ)を攪拌混合し均一溶解したものを成分(イ)の混合物に添加し、室温で攪拌混合し全身ローションを得た。なお表中の数字は質量%を表す。
【0021】
【表1】
*1)「クーリングエージェント10」(高砂香料株式会社製)
*2)特開2012−224600に記載の方法で調製
*3)「QUESTICE LIQUID CQ」(ジボダン社製)
*4)「Frescolat ML」(シムライズ社製)
*5)アルドリッチ社製
*6)「ラポナイトXLG](ラポルテ・インダストリリミテッド社製)
【0022】
<試験例1>冷感の持続性の評価
実施例及び比較例1〜の全身ローションをスプレー容器に充填し、パネラーの前腕内側に噴霧塗布した。塗布後、30分、1時間、2時間後、3時間後に冷感を感じるかどうかを自己申告させた。20名のパネラーで評価を行い、冷感を感じたパネラーの%を求めた。結果を表2に示す。
【0023】
<試験例2>冷感スコアの評価
試験例1の各時点における冷感の強さを以下の6段階で評価した。20名のスコアの平均値をその時間における冷感スコアとした。結果を表2に示す。

評価基準 かなり冷感を感じる・・・・・5点
冷感を感じる・・・・・・・・4点
やや冷感を感じる・・・・・・3点
わずかに冷感を感じる・・・・2点
ほとんど冷感を感じない・・・1点
全く冷感を感じない・・・・・0点
【0024】
【表2】
表2から明らかなように本発明の皮膚外用剤は、長時間にわたって、比較的強い冷感が連続的に維持されることがわかる。
【0025】
<実施例2〜4、比較例5〜7
表3に従って本発明の皮膚外用剤である全身ローション及び比較例の全身ローションを調整した。すなわち、成分(イ)を室温で攪拌混合し、均一溶解した。成分(ロ)を攪拌混合し均一溶解したものを成分(イ)の混合物に添加し、室温で攪拌混合する。その後、成分(ハ)を成分(イ)と(ロ)の混合物に添加し、室温で攪拌混合を続け全身ローションを得た。なお表中の数字は質量%を表す。実施例2〜4、比較例5〜7の全身ローションを用いて、試験例1及び2と同様に冷感の持続性及び冷感スコアを評価した。結果を表4に示す。
【0026】
【表3】
*1)「クーリングエージェント10」(高砂香料株式会社製)
*2)特開2012−224600に記載の方法で調製
*3)「QUESTICE LIQUID CQ」(ジボダン社製)
*4)「Frescolat ML」(シムライズ社製)
*5)アルドリッチ社製
*6)「ラポナイトXLG](ラポルテ・インダストリリミテッド社製)
*7)「ニッコールDC50」(日光ケミカルズ株式会社製)
【0027】
【表4】
表4より明らかなように、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、エタノールを20%以上添加することで本発明の効果は高められ、両者を併用することがさらに好ましいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、化粧料などに使用される。