(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記二次マッピング部が上記一次マッピング色データを上記第2色域断面へマッピングして上記二次マッピング色データを生成する際に、上記第2色域カスプデータの位置を上記第2色域断面の境界線上で変位させるカスプ位置変位部
を具える請求項2に記載の画像処理装置。
上記二次マッピング部が上記一次マッピング色データを上記第2色域断面へマッピングして上記二次マッピング色データを生成する際に、上記第2色域断面を変形させる色域変形部
を具える請求項2、請求項3又は請求項4の何れかに記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)他の実施の形態
【0023】
(1)第1の実施の形態
(1−1)画像処理印刷システムの構成
図1において、1は全体として第1の実施の形態による画像処理印刷システムを示す。係る画像処理印刷システム1は、互いに色域の異なるパーソナルコンピュータ2とプリンタ3とが有線接続又は無線接続されて構成されている。
【0024】
因みに、パーソナルコンピュータ2の色域(以下、これを第1色域とも呼ぶ)は、例えば、当該パーソナルコンピュータ2に設けられるカラー画像表示用のモニタが表示画像として表現可能な色の範囲である。
【0025】
またプリンタ3の色域(以下、これを第2色域とも呼ぶ)は、印刷用紙のような被印刷媒体にカラー画像を印刷するようにして形成される印刷画像として表現可能な色の範囲である。
【0026】
このため画像処理印刷システム1では、パーソナルコンピュータ2が印刷対象のカラー画像の画像データを用いて、クリッピング方式のガマットマッピング処理等の画像処理を実行して印刷データを生成する。
【0027】
そして画像処理印刷システム1では、パーソナルコンピュータ2が、その生成した印刷データをプリンタ3に送信する。
【0028】
これにより画像処理印刷システム1では、プリンタ3が、パーソナルコンピュータ2から与えられた印刷データに基づいて被印刷媒体にカラー画像を印刷して印刷画像を形成している。
【0029】
(1−2)パーソナルコンピュータの回路構成
図2に示すように、パーソナルコンピュータ2は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)10を有し、当該中央処理ユニット10がシステムバス11に接続されている。
【0030】
そしてシステムバス11には、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)13が接続されると共に、中央処理ユニット10のワークエリアである揮発性のRAM(Random Access Memory)14が接続されている。
【0031】
またシステムバス11には、入力インタフェース15を介してキーボード16及びマウス17が接続されると共に、表示インタフェース18を介してモニタ19が接続されている。
【0032】
さらにシステムバス11には、プリンタインタフェース20を介して、上述のプリンタ3が、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(The Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)、Ethernet(登録商標)、IEEE802(The Institute of Electrical and Electronics Engineers 802)等の有線通信規格又は無線通信規格に準じて有線接続又は無線接続されている。
【0033】
中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ13から、これに予め記憶している基本プログラムや、プリンタ3の第1プリンタドライバ、印刷データ送信処理プログラム、種々のアプリケーションプログラム等の各種プログラムを適宜、RAM14に読み出して展開する。
【0034】
そして中央処理ユニット10は、RAM14上で展開した各種プログラムに従ってパーソナルコンピュータ2全体を制御すると共に、所定の演算処理や、キーボード16及びマウス17に対するユーザ操作によって入力インタフェース15から与えられる操作コマンドに応じた各種処理を実行する。
【0035】
これにより中央処理ユニット10は、例えば、図示しない外部機器インタフェースを介してデジタルカメラや他のパーソナルコンピュータ等の外部機器からカラー写真のようなカラー画像の画像データを取り込むと共に、当該取り込んだ画像データを、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13に送出して記憶することができる。
【0036】
また中央処理ユニット10は、例えば、キーボード16及びマウス17に対するユーザ操作に応じて、オフィス資料のグラフや表のようなカラー画像の画像データを生成すると共に、当該生成した画像データを、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13に送出して記憶することができる。
【0037】
そして中央処理ユニット10は、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13から画像データを読み出すと共に、当該読み出した画像データを、表示インタフェース18を介してモニタ19に送出することにより、当該モニタ19に、その画像データに基づくカラー画像を表示することができる。
【0038】
また中央処理ユニット10は、ユーザによりキーボード16やマウス17が操作され印刷対象のカラー画像の画像データが選択されると、これに応じて当該画像データを用いて第1画像処理を実行して印刷データを生成する。
【0039】
そして中央処理ユニット10は、その印刷データを、プリンタインタフェース20を介してプリンタ3に送信することにより、当該プリンタ3に対し印刷データに基づいて被印刷媒体にカラー画像を印刷させて印刷画像を形成させることができる。
【0040】
ところで、上述したプリンタ3の第1プリンタドライバは、印刷対象のカラー画像の画像データを用いて印刷データ生成用の第1画像処理を実行するためのものである。
【0041】
因みに、以下の説明では、印刷対象のカラー画像の画像データを用いて印刷データ生成用の第1画像処理を実行するための、プリンタ3の第1プリンタドライバを、第1画像処理プログラムとも呼ぶ。
【0042】
よって中央処理ユニット10は、画像印刷時、ユーザにより印刷対象のカラー画像の画像データが選択されると、第1画像処理プログラムに従い第1画像処理として当該画像データに対するクリッピング方式のガマットマッピング処理のような各種処理を実行してマッピング機能のような各種機能を実現している。
【0043】
また中央処理ユニット10は、画像印刷時、ユーザにより印刷対象のカラー画像の画像データが選択されると、上述した印刷データ送信プログラムに従い印刷データ送信処理を実行して印刷データ送信機能を実現している。
【0044】
すなわち、中央処理ユニット10は、画像印刷時、第1画像処理プログラムを、印刷データ送信プログラムと組み合わせて用いて各種処理を実行して各種機能を実現している。
【0045】
因みに、以下の説明では、画像印刷時に中央処理ユニット10が組み合わせて用いる第1画像処理プログラム及び印刷データ送信プログラムを、適宜、まとめて第1印刷データ生成送信処理プログラムとも呼ぶ。
【0046】
また、以下の説明では、画像印刷時に中央処理ユニット10が第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する一連の処理を、適宜、まとめて第1印刷データ生成送信処理とも呼ぶ。
【0047】
よって以下には、
図3及び
図4を用いて、中央処理ユニット10が、第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って実現する各種機能を便宜上、機能回路ブロックとして示し、当該中央処理ユニット10が第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する第1印刷データ生成送信処理としての各種処理を、その機能回路ブロックが実行する処理として具体的に説明する。
【0048】
図3に示すように、画像データ取込部25は、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13から、ユーザにより選択された印刷対象のカラー画像の画像データを読み出して取り込むと共に、当該取り込んだ画像データを色空間変換部26に送出する。
【0049】
因みに、印刷対象のカラー画像の画像データは、当該画像データに含まれる画素毎の色データを例えば、モニタ19の色域が示すsRGB(standard Red Green Blue)色空間の色で表現するようにして(すなわち、一部にプリンタ3の色域外となる色を含む色空間の色を用いて)生成されている。
【0050】
色空間変換部26は、画像データ取込部25から印刷対象のカラー画像の画像データが与えられると、当該画像データに含まれる画素毎のsRGB色空間の色データを順次、画像処理対象として、IEC61966−2−1:1999(International Electrotechnical Commission 61966-2-1:1999)で規定された変換式等のような所定の変換式により例えば、均等色空間であるCIE1976L*a*b*(Commission Internationale de l’Eclairage 1976 L*a*b*)色空間へ色空間変換する。
【0051】
これにより色空間変換部26は、画素毎のsRGB色空間の色データを順次、画像処理対象としてCIE1976L*a*b*色空間へ色空間変換した色データ(以下、これを処理対象色データとも呼ぶ)を生成する。
【0052】
そして色空間変換部26は、このようにして画素毎の処理対象色データを生成する毎に、当該生成した処理対象色データをガマットマッピング部27に送出する。
【0053】
因みに、CIE1976L*a*b*色空間は、パーソナルコンピュータ2及びプリンタ3の何れにも非依存の色空間(すなわち、装置非依存の色空間)である。なお、以下の説明では、CIE1976L*a*b*色空間を、L*a*b*色空間とも呼ぶ。
【0054】
図4に示すように、ガマットマッピング部27は、色空間変換部26から画素毎の処理対象色データが与えられる毎に、当該処理対象色データを色相決定部30及び一次マッピング部31に取り込む。
【0055】
色相決定部30は、色空間変換部26から処理対象色データが与えられる毎に、当該処理対象色データが示す色(以下、これを処理対象色とも呼ぶ)の色相hを、直交座標系から円筒座標系に座標変換するための(1)式
【0057】
により、L*a*b*色空間内での処理対象色データの位置(すなわち、L*a*b*色空間内での処理対象色)を示す極座標(a*,b*)を用いて算出する。
【0058】
このようにして色相決定部30は、処理対象色データの色相を算出する毎に、当該算出した色相を、その処理対象色データに対するマッピング処理用の色相に決定して、その決定した色相を示す色相データを共通色域検出部32に送出する。
【0059】
因みに、以下の説明では、処理対象色データに対するマッピング処理用の色相を、マッピング処理色相とも呼び、当該マッピング処理色相を示す色相データを、マッピング処理色相データとも呼ぶ。
【0060】
ところで、ハードディスクドライブ13には、パーソナルコンピュータ2依存の所定の色空間で表される第1色域の色域データを、装置非依存(すなわち、パーソナルコンピュータ2及びプリンタ3の何れにも非依存)の色空間へ色空間変換するようにして生成された色域データが予め記憶されている。
【0061】
因みに、以下の説明では、パーソナルコンピュータ2依存の所定の色空間で表される第1色域の色域データを、第1色域データとも呼ぶ。
【0062】
また、以下の説明では、第1色域データを、装置非依存の色空間へ色空間変換するようにして生成された色域データを、第1変換色域データとも呼ぶ。
【0063】
この場合、第1色域データは、第1色域をパーソナルコンピュータ2依存の例えば、XYZ色空間で表した場合の、そのXYZ色空間の境界に位置する複数の色データをまとめるようにして生成されている。
【0064】
そして第1変換色域データは、そのXYZ色空間の第1色域データを、色空間変換部26の場合と同様に所定の変換式により装置非依存の均等色空間であるL*a*b*色空間へ色空間変換するようにして生成されている。
【0065】
またハードディスクドライブ13には、プリンタ3依存の所定の色空間で表される第2色域の色域データを、装置非依存の色空間へ色空間変換するようにして生成された色域データも予め記憶されている。
【0066】
因みに、以下の説明では、プリンタ3依存の所定の色空間で表される第2色域の色域データを、第2色域データとも呼ぶ。
【0067】
また、以下の説明では、第2色域データを、装置非依存の色空間へ色空間変換するようにして生成された色域データを、第2変換色域データとも呼ぶ。
【0068】
この場合、第2色域データは、例えば、プリンタ3による所定のカラーパターンの色域測定用画像の印刷結果(すなわち、色域測定用画像を印刷して得られる印刷画像)をもとに測定された第2色域を、プリンタ3依存の例えば、XYZ色空間で表した場合の、そのXYZ色空間の境界に位置する複数の色データをまとめるようにして生成されている。
【0069】
そして第2変換色域データは、そのXYZ色空間の第2色域データを、色空間変換部26の場合と同様に所定の変換式により、装置非依存の均等色空間であるL*a*b*色空間へ色空間変換するようにして生成されている。
【0070】
よって色域データ取込部33は、この際、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13から第1変換色域データ及び第2変換色域データを読み出すようにして取り込む。
【0071】
そして色域データ取込部33は、ハードディスクドライブ13から取り込んだ第1変換色域データ及び第2変換色域データを、共通色域検出部32及び一次マッピング部31に送出すると共に、その第2変換色域データを二次マッピング部34に送出する。
【0072】
共通色域検出部32は、色域データ取込部33から第1変換色域データ及び第2変換色域データが与えられると、L*a*b*色空間に当該第1変換色域データが示す第1色域及び第2変換色域データが示す第2色域をそれぞれ三次元形状で表すように展開する。
【0073】
そのうえで
図5に示すように、共通色域検出部32は、色相決定部30からマッピング処理色相データが与えられる毎に、L*a*b*色空間における当該マッピング処理色相データが示すマッピング処理色相での第1色域の断面GS1と、第2色域の断面GS2とを求める。
【0074】
因みに、以下の説明では、L*a*b*色空間におけるマッピング処理色相での第1色域の断面GS1を、第1色域断面GS1とも呼び、当該L*a*b*色空間におけるマッピング処理色相での第2色域の断面GS2を、第2色域断面GS2とも呼ぶ。
【0075】
そして共通色域検出部32は、所定の演算により第1色域断面GS1と第2色域断面GS2とに共通な領域(図中のハッチングの領域)を、第1色域及び第2色域におけるマッピング処理色相での共通色域CG1として検出する。
【0076】
このようにして共通色域検出部32は、第1色域及び第2色域におけるマッピング処理色相での共通色域CG1を検出する毎に、当該検出した共通色域CG1を示す共通色域データと共に、その共通色域CG1の検出に用いたマッピング処理色相を示すマッピング処理色相データを一次マッピング部31及び二次マッピング部34に送出する。
【0077】
ところで、第1色域断面GS1では、そのカスプ(すなわち、第1色域断面GS1で最も彩度の高い色)を示す色データ(以下、これを第1色域カスプデータとも呼ぶ)KD1が、最も彩度が高い色を示すため、当該第1色域断面GS1の境界線上に位置している。
【0078】
また第2色域断面GS2でも、そのカスプ(すなわち、第2色域断面GS2で最も彩度の高い色)を示す色データ(以下、これを第2色域カスプデータとも呼ぶ)KD2が、最も彩度が高い色を示すため、当該第2色域断面GS2の境界線上に位置している。
【0079】
このため共通色域検出部32によって検出されるマッピング処理色相毎の共通色域CG1では、それぞれ第1色域カスプデータKD1が当該共通色域CG1の境界線上、又は共通色域CG1外である第1色域断面GS1の境界線上の何れか一方に位置している。
【0080】
また共通色域検出部32によって検出されるマッピング処理色相毎の共通色域CG1では、それぞれ第2色域カスプデータKD2も当該共通色域CG1の境界線上、又は共通色域CG1外である第2色域断面GS2の境界線上の何れか一方に位置している。
【0081】
図6に示すように、一次マッピング部31は、色域データ取込部33から第1変換色域データ及び第2変換色域データが与えられると、L*a*b*色空間に当該第1変換色域データが示す第1色域及び第2変換色域データが示す第2色域をそれぞれ三次元形状で表すように展開する。
【0082】
そのうえで一次マッピング部31は、色空間変換部26と共通色域検出部32とから処理対象色データCD1と共通色域データ及びマッピング処理色相データとが与えられる毎に、処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1に対する一次マッピング処理として、HPmindE(Hue Preserved minimum delta E)法やSGCK(Sigmoidal Gaussian lightness mapping、Cusp & Knee)法等のような公知のクリッピング方式のガマットマッピング処理を実行する。
【0083】
これにより一次マッピング部31は、処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1を共通色域CG1へマッピングするようにして、当該共通色域CG1にマッピングした一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成する。
【0084】
実際に一次マッピング部31は、一次マッピング処理を実行した場合、マッピング処理色相データが示すマッピング処理色相での第1色域断面GS1及び第2色域断面GS2を求める。
【0085】
また一次マッピング部31は、そのマッピング処理色相での第1色域断面GS1において上述した第1色域カスプデータKD1を検出する。
【0086】
そして一次マッピング部31は、処理対象色データCD1が共通色域CG1外に位置する場合、当該処理対象色データCD1を例えば、共通色域CG1の境界線上の所定のマッピング先の色を示す一次マッピング色データCD2に変換(すなわち、クリッピング)する。
【0087】
また一次マッピング部31は、第1色域カスプデータKD1が上述のように共通色域CG1外に位置する場合、当該第1色域カスプデータKD1を例えば、共通色域CG1の境界線上の所定のマッピング先の色を示す一次マッピングカスプデータKD3に変換(すなわち、クリッピング)する。
【0088】
これに対して一次マッピング部31は、処理対象色データCD1が共通色域CG1(すなわち、共通色域CG1の境界線上を含む内部)に位置する場合、当該処理対象色データCD1を他の色の色データには変換せずに、そのまま一次マッピング色データCD2とする。
【0089】
また一次マッピング部31は、第1色域カスプデータKD1が上述のように共通色域CG1の境界線上に位置する場合、当該第1色域カスプデータKD1を他の色の色データには変換せずに、そのまま一次マッピングカスプデータKD3とする。
【0090】
ところで、一次マッピング部31は、処理対象色データCD1が示す処理対象色が、第1色域のカスプの色である場合(すなわち、処理対象色データCD1が第1色域カスプデータKD1でもある場合)、同一の色を示す一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成する。
【0091】
このようにして一次マッピング部31は、一次マッピング処理(すなわち、公知のクリッピング方式のガマットマッピング処理)を実行する毎に、その一次マッピング処理によって得た一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を二次マッピング部34に送出する。
【0092】
図7に示すように、二次マッピング部34は、色域データ取込部33から第2変換色域データが与えられると、L*a*b*色空間に当該第2変換色域データが示す第2色域を三次元形状で表すように展開する。
【0093】
そのうえで二次マッピング部34は、一次マッピング部31と共通色域検出部32とから一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3と共通色域データ及びマッピング処理色相データとが与えられる毎に、一次マッピング色データCD2に対する二次マッピング処理として、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域カスプデータKD2へのマッピング(すなわち、変換)を基準とする相対的なガマットマッピング処理を実行する。
【0094】
これにより二次マッピング部34は、一次マッピング色データCD2を第2色域(すなわち、第2色域断面GS2)へマッピングするようにして、当該第2色域へマッピングした二次マッピング色データCD3を生成する。
【0095】
実際に二次マッピング部34は、二次マッピング処理を実行すると、マッピング処理色相データが示すマッピング処理色相での第2色域断面GS2を求める。
【0096】
また二次マッピング部34は、そのマッピング処理色相での第2色域断面GS2の境界線上で第2色域カスプデータKD2を検出する。
【0097】
そして二次マッピング部34は、例えば、共通色域データが示す共通色域CG1において白色点WP1と黒色点KP1の中間の明度を有する色の明度軸上の位置を基準点SP1とする。
【0098】
また二次マッピング部34は、その基準点SP1と一次マッピング色データCD2の位置(以下、これを一次マッピング色位置とも呼ぶ)とを結ぶ仮想直線VL1(すなわち、基準点SP1と一次マッピング色位置とを通る仮想直線VL1)を求め、当該求めた仮想直線VL1と共通色域CG1の境界線との交点PS1を検出する。
【0099】
因みに、
図7に示す二次マッピング処理の例では、一次マッピング色データCD2が共通色域CG1の境界線上に位置しているため、交点PS1と当該一次マッピング色データCD2の一次マッピング色位置とが一致している。
【0100】
そのうえで、二次マッピング部34は、共通色域CG1の境界線上での白色点WP1から交点PS1までの距離(以下、これを第1距離とも呼ぶ)ds1を検出する。
【0101】
また二次マッピング部34は、共通色域CG1の境界線上での白色点WP1から当該境界線上の一次マッピングカスプデータKD3の位置(以下、これを一次マッピングカスプ位置とも呼ぶ)までの距離(以下、これを第2距離とも呼ぶ)ds2も検出する。
【0102】
さらに二次マッピング部34は、共通色域CG1の境界線上での白色点WP1から黒色点KP1までの距離(以下、これを第3距離とも呼ぶ)ds3も検出する。
【0103】
そして二次マッピング部34は、第1距離ds1と第2距離ds2とを比較する。その結果、二次マッピング部34は、第1距離ds1が第2距離ds2以下の場合(すなわち、共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置と一致、又は一次マッピングカスプ位置よりも白色点WP1側に位置する場合)、(2)式
【0105】
で表されるように、第2距離ds2に対する第1距離ds1の割合を第1の割合r1として求める。
【0106】
そして二次マッピング部34は、第2色域断面GS2の境界線上で、その第2色域断面GS2の白色点から第2色域カスプデータKD2の位置(以下、これを第2色域カスプ位置とも呼ぶ)までの距離に対する当該白色点からの距離の割合が第1の割合r1と等しくなる点を、マッピング先を検出するためのマッピング先検出点PD1として求める。
【0107】
一方、二次マッピング部34は、第1距離ds1が第2距離ds2よりも長い場合(すなわち、共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置よりも黒色点KP1側に位置する場合)、(3)式
【0109】
で表されるように、第3距離ds3からの第2距離ds2の減算結果に対する第1距離ds1からの第2距離ds2の減算結果の割合を第2の割合r2として求める。
【0110】
すなわち、二次マッピング部34は、この場合、共通色域CG1の境界線上での一次マッピングカスプ位置及び黒色点KP1間の距離に対する、当該境界線上での交点PS1及び一次マッピングカスプ位置間の距離の割合を第2の割合r2として求める。
【0111】
そして二次マッピング部34は、第2色域断面GS2の境界線上で、第2色域カスプ位置から第2色域断面GS2の黒色点までの距離に対する当該第2色域カスプ位置からの距離の割合が第2の割合r2と等しくなる点を、マッピング先を検出するためのマッピング先検出点PD1として求める。
【0112】
このようにして二次マッピング部34は、マッピング先検出点PD1を求めると、交点PS1からマッピング先検出点PD1までの移動ベクトルPを算出する。
【0113】
また二次マッピング部34は、(4)式
【0115】
で表されるように、交点PS1の色の彩度S2に対する、一次マッピング色データCD2が示す色の彩度S1の割合を第3の割合r3として求める。
【0116】
さらに二次マッピング部34は、一次マッピング色位置から第3の割合r3だけ移動ベクトルPの方向へ離れた位置を、一次マッピング色データCD2のマッピング先として求める。
【0117】
ただし、二次マッピング部34は、この際、一次マッピング色データCD2のマッピング先として求めた色が第2色域外の色であると、例えば、その移動ベクトルPと第3の割合r3とに基づいて求めたマッピング先を第2色域断面GS2の境界線上の最も近い位置に変更する。
【0118】
そして二次マッピング部34は、一次マッピング色データCD2を、そのマッピング先の色を示す二次マッピング色データCD3に変換する。
【0119】
このようにして二次マッピング部34は、二次マッピング処理を実行する毎に、画像データの画素毎の一次マッピング色データCD2を第2色域へマッピングするようにして二次マッピング色データCD3を生成する。
【0120】
そして二次マッピング部34は、このようにして第2色域の色で表現される二次マッピング色データCD3を生成する毎に、当該生成した二次マッピング色データCD3を色変換処理部37に送出する。
【0121】
ここで、ハードディスクドライブ13には、二次マッピング色データCD3を装置非依存のL*a*b*色空間からプリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換するためのルックアップテーブルのような色変換テーブルが予め記憶されている。
【0122】
よって色変換テーブル取込部38は、この際、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13から、色変換テーブルを読み出すようにして取り込み、当該取り込んだ色変換テーブルを色変換処理部37に送出する。
【0123】
色変換処理部37は、色変換テーブル取込部38から色変換テーブルが与えられると、この状態で二次マッピング部34から二次マッピング色データCD3が与えられる毎に、当該色変換テーブルを用いて、そのL*a*b*色空間の二次マッピング色データCD3を、プリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換する。
【0124】
これにより色変換処理部37は、L*a*b*色空間の二次マッピング色データCD3を、プリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換した色データ(以下、これを変換色データとも呼ぶ)を生成する。
【0125】
すなわち、色変換処理部37は、色変換テーブルに、二次マッピング色データCD3に対応するプリンタ3依存の所定の色空間の変換色データが記述されている場合は、当該二次マッピング色データCD3を、その色変換テーブルに記述されている変換色データに変換する。
【0126】
また色変換処理部37は、色変換テーブルに、二次マッピング色データCD3に対応する変換色データが記述されていない場合は、当該色変換テーブルに記述されている他の色データを用いて対応する変換色データを補間して、二次マッピング色データCD3を、その補間した変換色データに変換する。
【0127】
このようにして色変換処理部37は、画素毎のL*a*b*色空間の二次マッピング色データCD3をプリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換して変換色データを生成すると、これら複数の画素の変換色データをまとめて画像データ(以下、これを変換画像データとも呼ぶ)として画像データ処理部39に送出する。
【0128】
画像データ処理部39は、色変換処理部37から変換画像データが与えられると、その変換画像データをハーフトーン変換し圧縮して印刷データ(すなわち、プリンタ3が印刷用に解釈可能なデータ)に変換し、その印刷データを印刷データ送信部40に送出する。
【0129】
印刷データ送信部40は、画像データ処理部39から印刷データが与えられると、その印刷データを、プリンタインタフェース20を介してプリンタ3に送信する。
【0130】
このようにして中央処理ユニット10は、画像印刷時、第1印刷データ生成送信処理を実行して印刷データを生成し、プリンタ3に対し当該印刷データに基づき被印刷媒体にカラー画像を印刷させて印刷画像を形成させることができる。
【0131】
ところで、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理であれば、例えば、
図7に示すように第2色域断面GS2においてカスプ側の部分が共通色域CG1から張り出している場合、その張出部分をマッピングには使用していなかった。
【0132】
これに対して二次マッピング部34は、一次マッピング処理により共通色域CG1にマッピングされた複数(すなわち、画素毎)の一次マッピング色データCD2を、そのマッピング先を共通色域CG1から第2色域断面GS2の張出部分まで拡張して(すなわち、その張出部分もマッピングに使用するようにして)第2色域へマッピングしている。
【0133】
すなわち、二次マッピング部34は、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理に比して、第2色域を有効に利用し印刷画像の表現に使用可能な色を増やすようにして、画素毎の一次マッピング色データCD2をさらにマッピングしている。
【0134】
そして二次マッピング部34は、この際、一次マッピングカスプデータKD3が示す色を共通色域CG1でのカスプの色と見なし、当該一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域カスプデータKD2へのマッピングを基準として、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を第2色域へ相対的にマッピングしている。
【0135】
このため、二次マッピング部34は、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、互いの相対的な位置関係をあまり変化させずに、第2色域内の色を示す二次マッピング色データCD3に変換することができる。
【0136】
これにより二次マッピング部34は、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、元のカラー画像のコントラストをあまり変化させずに、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理よりも彩度の高い色にマッピングすることができる。
【0137】
実際に二次マッピング部34では、処理対象色データCD1の示す処理対象色が第1色域断面GS1のカスプの色である場合、二次マッピング処理対象の一次マッピング色データCD2が一次マッピングカスプデータKD3になる。
【0138】
この場合、二次マッピング部34では、二次マッピング処理対象の一次マッピング色データCD2である一次マッピングカスプデータKD3が共通色域CG1の境界線上に位置しているため、上述した交点PS1が一次マッピングカスプデータKD3の一次マッピングカスプ位置になる。
【0139】
このため二次マッピング部34では、上述した第1距離ds1と第2距離ds2とが等しくなり、第1の割合r1が「1」の値になる。
【0140】
その結果、二次マッピング部34では、第2色域断面GS2の境界線上で白色点から第2色域カスプ位置までの距離に対する、当該白色点からの距離の割合が第1の割合r1と等しくなるマッピング先検出点PD1が第2色域カスプ位置となる。
【0141】
このため二次マッピング部34では、交点PS1からマッピング先検出点PD1までの移動ベクトルPが、一次マッピングカスプ位置から第2色域カスプ位置までの移動ベクトルPになる。
【0142】
また二次マッピング部34では、この場合、交点PS1が一次マッピングカスプ位置になるため、上述した第3の割合r3も「1」の値になる。
【0143】
その結果、二次マッピング部34では、一次マッピングカスプ位置から第3の割合r3だけ移動ベクトルPの方向へ離れた位置である一次マッピングカスプデータKD3のマッピング先が、第2色域カスプ位置となる。
【0144】
従って二次マッピング部34は、二次マッピング処理対象の一次マッピング色データCD2が一次マッピングカスプデータKD3である場合、その一次マッピング色データCD2である一次マッピングカスプデータKD3を第2色域断面GS2のカスプの色を示す二次マッピング色データCD3(すなわち、第2色域カスプデータKD2)に変換することになる。
【0145】
すなわち、二次マッピング部34は、処理対象色データCD1が示す処理対象色が第1色域断面GS1のカスプの色である場合、その第1色域断面GS1のカスプの色である処理対象色を、一次マッピング部31による一次マッピング処理に引き続き二次マッピング処理を施すことで、第2色域断面GS2のカスプの色に変換することができる。
【0146】
これにより二次マッピング部34は、処理対象色データCD1が示す処理対象色が第1色域断面GS1のカスプの色である場合、その第1色域断面GS1のカスプの色である処理対象色の彩度が第2色域断面GS2のカスプの色の彩度よりも低くなることを防止して、当該処理対象色を第2色域断面GS2において最も彩度の高いカスプの色に変換することができる。
【0147】
よって二次マッピング部34は、例えば、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像の画像データが画像処理対象である場合、そのグラフや表の色を第2色域のカスプの色に変換することができる。
【0148】
ところで、二次マッピング部34が実行する二次マッピング処理は、例えば、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いるようにして作成されたカラー画像の画像データが画像処理対象である場合は、そのグラフや表の色を第2色域のカスプの色に変換し得るため効果的である。
【0149】
ただし、二次マッピング処理では、第2色域断面GS2において検出した第2色域カスプデータKD2の第2色域カスプ位置をそのまま利用して一次マッピング色データCD2を第2色域断面GS2へマッピングすると、例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データが画像処理対象である場合、その二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いが元のカラー画像の色合いと異なるようになる場合がある。
【0150】
このためハードディスクドライブ13には、二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置を、第2色域断面GS2の境界線上で実際の第2色域カスプデータKD2の位置から変位させるためのパラメータ(以下、これをカスプ位置変位パラメータとも呼ぶ)が予め記憶されている。
【0151】
カスプ位置変位パラメータは、第2色域カスプ位置として例えば、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出される第2色域カスプデータKD2の位置を示すための「0」のパラメータ値を含んでいる。
【0152】
またカスプ位置変位パラメータは、第2色域カスプ位置として例えば、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出される第2色域カスプデータKD2の位置から白色点までを100等分した位置を示すための「+1」乃至「+100」までのパラメータ値も含んでいる。
【0153】
さらにカスプ位置変位パラメータは、第2色域カスプ位置として例えば、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出される第2色域カスプデータKD2の位置から黒色点までを100等分した位置を示すための「−1」乃至「−100」までのパラメータ値も含んでいる。
【0154】
因みに、カスプ位置変位パラメータでは、例えば、「+100」のパラメータ値が第2色域断面GS2の白色点を示し、「−100」のパラメータ値が当該第2色域断面GS2の黒色点を示している。
【0155】
そしてパラメータ取込部42は、例えば、画像印刷時、ユーザによりキーボード16やマウス17が操作され、カスプ位置変位パラメータの設定が指示されると、表示インタフェース18を介してモニタ19にカスプ位置変位パラメータ設定画面(図示せず)を表示する。
【0156】
この場合、カスプ位置変位パラメータ設定画面には、設定可能な「+100」から「0」を経た「−100」までの複数のパラメータ値を提示すると共に、第2色域カスプ位置を第2色域カスプデータKD2の実際の位置にするためのパラメータ値が「0」であり、第2色域カスプ位置を白色点にするためのパラメータ値が「+100」であり、第2色域カスプ位置を黒色点にするためのパラメータ値が「−100」であることも提示するための提示部が設けられている。
【0157】
またカスプ位置変位パラメータ設定画面には、「+100」から「0」を経た「−100」までのパラメータ値のうち任意に1つのパラメータ値を入力させるためのパラメータ値入力部も設けられている。
【0158】
これによりパラメータ取込部42は、ユーザにキーボード16やマウス17を介してカスプ位置変位パラメータ設定画面上でパラメータ値を任意に選定させることができる。
【0159】
そしてパラメータ取込部42は、ユーザによりカスプ位置変位パラメータ設定画面上で任意に1つのパラメータ値が選定されると、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ13から、カスプ位置変位パラメータに含まれる当該選定されたパラメータ値を読み出して取り込む。
【0160】
またパラメータ取込部42は、そのハードディスクドライブ13から取り込んだパラメータ値を二次マッピング部34に送出する。
【0161】
因みに、パラメータ取込部42は、1回の第1画像処理(すなわち、カラー画像の1回の印刷)において、1度だけ1個のパラメータ値を二次マッピング部34に送出している。
【0162】
そしてパラメータ取込部42は、1回の第1画像処理において、ユーザによりパラメータ値が選定された場合は、その選定されたパラメータ値を二次マッピング部34に送出する。
【0163】
しかしながら、パラメータ取込部42は、1回の第1画像処理において、ユーザによりパラメータ値が何ら選定されない場合は、例えば、自動的に「0」のパラメータ値を二次マッピング部34に送出している。
【0164】
そして二次マッピング部34は、1回の第1画像処理において二次マッピング処理を実行する毎に、パラメータ取込部42から与えられていたパラメータ値により、二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置を設定する。
【0165】
すなわち、二次マッピング部34は、1回の第1画像処理において二次マッピング処理を実行する毎に、同一のパラメータ値により、二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置を設定する。
【0166】
これにより二次マッピング部34は、パラメータ取込部42から「0」のパラメータ値が与えられていると、二次マッピング処理において、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出した第2色域カスプデータKD2の位置をそのまま、当該二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置に設定したうえで、上述した一連の処理を実行する。
【0167】
また二次マッピング部34は、パラメータ取込部42から「+1」乃至「+100」までのパラメータ値のうち何れか1つのパラメータ値が与えられていると、二次マッピング処理において、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出した第2色域カスプデータKD2の位置から白色点までを100等分する。
【0168】
そして二次マッピング部34は、その第2色域断面GS2の境界線上で100等分した個々の位置のうち、パラメータ取込部42から与えられていたパラメータ値に対応する1箇所を、二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置に設定したうえで、上述した一連の処理を実行する。
【0169】
さらに二次マッピング部34は、パラメータ取込部42から「−1」乃至「−100」までのパラメータ値のうち何れか1つのパラメータ値が与えられていると、二次マッピング処理において、第2色域断面GS2の境界線上で実際に検出した第2色域カスプデータKD2の位置から黒色点までを100等分する。
【0170】
そして二次マッピング部34は、その第2色域断面GS2の境界線上で100等分した個々の位置のうち、パラメータ取込部42から与えられていたパラメータ値に対応する1箇所を、二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置に設定したうえで、上述した一連の処理を実行する。
【0171】
よって二次マッピング部34は、二次マッピング処理において例えば、パラメータ値により、上述した一次マッピングカスプ位置を二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置に設定し
た場合は、交点PS1がマッピング先検出点PD1になり移動ベクトルPを「0」の値にすることができる。
【0172】
このため二次マッピング部34は、このような場合、一次マッピング部31による一次マッピング処理の処理結果を、そのまま二次マッピング処理の処理結果として得ることができる。
【0173】
すなわち、二次マッピング部34は、このような場合、一次マッピング部31による一次マッピング処理として公知のクリッピング方式のガマットマッピング処理の処理結果を、そのまま二次マッピング処理の処理結果として後段の色変換処理部37に通知することができる。
【0174】
このようにして二次マッピング部34は、カスプ位置変位パラメータにより、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを、元のカラー画像と同じような色合いにするような所望の色合いに調整することができる。
【0175】
従って二次マッピング部34が実行する二次マッピング処理は、例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データが画像処理対象である場合でも、その二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いが元のカラー画像の色合いと大幅に異なることを回避することができる。
【0176】
因みに、上述した各機能回路ブロックのうち、中央処理ユニット10が第1画像処理プログラムに従って実現する各種機能を示す機能回路ブロックは、画像データ取込部25、色空間変換部26、ガマットマッピング部27(すなわち、色相決定部30、一次マッピング部31、二次マッピング部34、共通色域検出部32)、色域データ取込部33、色変換処理部37、色変換テーブル取込部38、画像データ処理部39、パラメータ取込部42である。
【0177】
また上述した各機能回路ブロックのうち、中央処理ユニット10が印刷データ送信プログラムに従って実現する印刷データ送信機能を示す機能回路ブロックは、印刷データ送信部40である。
【0178】
(1−3)第1印刷データ生成送信処理手順
次いで、
図8に示すフローチャートを用いて、パーソナルコンピュータ2の中央処理ユニット10が、画像印刷時に実行する第1印刷データ生成送信処理手順RT1について説明する。
【0179】
中央処理ユニット10は、ユーザにより印刷対象のカラー画像の画像データが選択されると、ハードディスクドライブ13に予め記憶された第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って、
図8に示す第1印刷データ生成送信処理手順RT1を開始する。
【0180】
中央処理ユニット10は、係る第1印刷データ生成送信処理手順RT1を開始すると、ステップSP1において、ハードディスクドライブ13から印刷対象のカラー画像の画像データを読み出すようにして取り込んで、次のステップSP2に移る。
【0181】
ステップSP2において中央処理ユニット10は、印刷対象のカラー画像の画像データに含まれる複数の画素のsRGB色空間の色データのうち、何れか1つの画素のsRGB色空間の色データを、装置非依存のL*a*b*色空間へ色空間変換することにより処理対象色データCD1を生成して、次のステップSP3に移る。
【0182】
ステップSP3において中央処理ユニット10は、ガマットマッピング処理を実行することにより、処理対象色データCD1を一次マッピング処理して一次マッピング色データCD2を生成した後、当該一次マッピング色データCD2を二次マッピング処理して二次マッピング色データCD3を生成して、次のステップSP4に移る。
【0183】
ステップSP4において中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ13から読み出して取り込んでいた色変換テーブルを用いて、L*a*b*色空間の二次マッピング色データCD3を、プリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換することにより変換色データを生成して、次のステップSP5に移る。
【0184】
ステップSP5において中央処理ユニット10は、画像データに含まれる全ての画素の色データに対するガマットマッピング処理が完了したか否かを判別する。
【0185】
このステップSP5において否定結果が得られると、このことは画像データに含まれる複数の画素の色データの中に、未だガマットマッピング処理していない(すなわち、未だガマットマッピング処理用のステップSP2乃至ステップSP4の一連の処理に用いていない)色データが存在することを表している。
【0186】
従ってステップSP5において中央処理ユニット10は、係る否定結果を得ると、ステップSP2に戻る。
【0187】
これにより中央処理ユニット10は、この後、ステップSP5において肯定結果を得るまでの間、ステップSP2乃至ステップSP5の処理を循環的に繰り返し実行して、画像データに含まれる複数の画素の色データをガマットマッピング処理する。
【0188】
これに対してステップSP5において肯定結果が得られると、このことは画像データに含まれる全ての画素の色データをガマットマッピング処理したことにより、これら全ての画素の変換色データをまとめて変換画像データを生成し得たことを表している。
【0189】
従ってステップSP5において中央処理ユニット10は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP6に移る。
【0190】
ステップSP6において中央処理ユニット10は、変換画像データを印刷データに変換して、次のステップSP7に移る。
【0191】
ステップSP7において中央処理ユニット10は、その印刷データを、プリンタインタフェース20を介してプリンタ3に送信した後、次のステップSP8に移って、係る第1印刷データ生成送信処理手順RT1を終了する。
【0192】
ところで、中央処理ユニット10は、第1印刷データ生成送信処理手順RT1において、上述したステップSP2の処理を経てステップSP3に移った場合、ガマットマッピング処理として
図9に示すガマットマッピング処理サブルーチンSRT1を開始する。
【0193】
中央処理ユニット10は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT1を開始すると、ステップSP11において処理対象色データCD1を用いて、当該処理対象色データCD1に対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定して、次のステップSP12に移る。
【0194】
ステップSP12において中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ13から読み出して取り込んでいた第1変換色域データが示す第1色域においてマッピング処理色相での第1色域断面GS1を求める。
【0195】
また中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ13から読み出して取り込んでいた第2変換色域データが示す第2色域において、そのマッピング処理色相での第2色域断面GS2を求める。
【0196】
さらに中央処理ユニット10は、そのマッピング処理色相での第1色域断面GS1及び第2色域断面GS2に共通な共通色域CG1を検出して、次のステップSP13に移る。
【0197】
ステップSP13において中央処理ユニット10は、第1色域断面GS1及び共通色域CG1において処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1に対する一次マッピング処理(すなわち、公知のクリッピング方式のガマットマッピング処理)を実行する。
【0198】
これにより中央処理ユニット10は、処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1を共通色域CG1にマッピングして一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成し、次のステップSP14に移る。
【0199】
ステップSP14において中央処理ユニット10は、一次マッピング色データCD2に対する二次マッピング処理(すなわち、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域カスプデータKD2へのマッピングを基準とする相対的なガマットマッピング処理)を実行して、次のステップSP15に移る。
【0200】
これによりステップSP15において中央処理ユニット10は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT1を終了して、
図8について上述した、次のステップSP4に移る。
【0201】
また中央処理ユニット10は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT1において、上述したステップSP13の処理を経てステップSP14に移った場合、二次マッピング処理として
図10に示す二次マッピング処理サブルーチンSRT2を開始する。
【0202】
中央処理ユニット10は、二次マッピング処理サブルーチンSRT2を開始すると、ステップSP21において、マッピング処理位相での第2色域断面GS2の境界線上で第2色域カスプデータKD2を検出する。
【0203】
また中央処理ユニット10は、その検出した第2色域カスプデータKD2の位置を基準にして、第2色域断面GS2の境界線上で二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置を、ハードディスクドライブ13から読み出して取り込んでいたカスプ位置変位パラメータのパラメータ値に応じた位置に設定する。
【0204】
そのうえで、中央処理ユニット10は、共通色域CG1の明度軸上の基準点SP1と、当該共通色域CG1上の一次マッピング色データCD2の一次マッピング色位置とを結ぶ仮想直線VL1を求め、その仮想直線VL1と共通色域CG1の境界線との交点PS1を検出して、次のステップSP22に移る。
【0205】
ステップSP22において中央処理ユニット10は、共通色域CG1の境界線上で白色点WP1から交点PS1までの第1距離ds1と、白色点WP1から一次マッピングカスプデータKD3の一次マッピングカスプ位置までの第2距離ds2と、白色点WP1から黒色点KP1までの第3距離ds3とを検出して、次のステップSP23に移る。
【0206】
ステップSP23において中央処理ユニット10は、第1距離ds1が第2距離ds2以下であるか否かを判別する。
【0207】
このステップSP23において肯定結果が得られると、このことは共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置と一致、又は当該一次マッピングカスプ位置よりも白色点WP1側に位置していることを表している。
【0208】
従ってステップSP23において中央処理ユニット10は、係る肯定結果を得ると、共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置と一致、又は当該一次マッピングカスプ位置よりも白色点WP1側に位置している場合の処理を実行するため、次のステップSP24に移る。
【0209】
よってステップSP24において中央処理ユニット10は、第2距離ds2に対する第1距離ds1の割合を第1の割合r1として求める。
【0210】
そして中央処理ユニット10は、第2色域断面GS2の境界線上で、白色点から第2色域カスプ位置までの距離に対する当該白色点からの距離の割合が第1の割合r1と等しくなるマッピング先検出点PD1を求めて、次のステップSP25に移る。
【0211】
ところで、ステップSP23において否定結果が得られると、このことは共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置よりも黒色点KP1側に位置していることを表している。
【0212】
従ってステップSP23において中央処理ユニット10は、係る否定結果を得ると、共通色域CG1の境界線上で交点PS1が一次マッピングカスプ位置よりも黒色点KP1側に位置している場合の処理を実行するため、ステップSP26に移る。
【0213】
よってステップSP26において中央処理ユニット10は、第3距離ds3からの第2距離ds2の減算結果に対する第1距離ds1からの第2距離ds2の減算結果の割合を第2の割合r2として求める。
【0214】
そして中央処理ユニット10は、第2色域断面GS2の境界線上で、第2色域カスプ位置から黒色点までの距離に対する当該第2色域カスプ位置からの距離の割合が第2の割合r2と等しくなるマッピング先検出点PD1を求めて、次のステップSP25に移る。
【0215】
ステップSP25において中央処理ユニット10は、交点PS1からマッピング先検出点PD1までの移動ベクトルPを算出して、次のステップSP27に移る。
【0216】
ステップSP27において中央処理ユニット10は、交点PS1の色の彩度S2に対する、一次マッピング色データCD2が示す色の彩度S1の割合を第3の割合r3として求めて、次のステップSP28に移る。
【0217】
ステップSP28において中央処理ユニット10は、一次マッピング色データCD2を、一次マッピング色位置から第3の割合r3だけ移動ベクトルPの方向へ離れた位置の色(すなわち、第2色域断面GS2内の色)を示す二次マッピング色データCD3に変換して、次のステップSP29に移る。
【0218】
これによりステップSP29において中央処理ユニット10は、二次マッピング処理サブルーチンSRT2を終了して、
図9について上述した、次のステップSP15に移る。
【0219】
このようにして中央処理ユニット10は、上述したステップSP1乃至ステップSP7の処理を順次実行することにより、印刷対象のカラー画像の画像データをもとに印刷データを生成して、プリンタ3に、その印刷データに基づき被印刷媒体にカラー画像を印刷させて印刷画像を形成させることができる。
【0220】
因みに、中央処理ユニット10が第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する上述したステップSP1からステップSP7までの一連の処理のうち、当該ステップSP1からステップSP6までの一連の処理は、中央処理ユニット10が第1画像処理プログラムに従って実行する第1画像処理手順となる。
【0221】
また中央処理ユニット10が第1印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する上述したステップSP1からステップSP7までの一連の処理のうち、ステップSP7の処理は、中央処理ユニット10が印刷データ送信プログラムに従って実行する印刷データ送信処理手順となる。
【0222】
(1−4)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、画像処理印刷システム1のパーソナルコンピュータ2は、画像印刷時、印刷対象のカラー画像の画像データに含まれる色データを、装置非依存のL*a*b*色空間に色空間変換して処理対象色データCD1を生成する。
【0223】
またパーソナルコンピュータ2は、その処理対象色データCD1に対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定する。
【0224】
さらにパーソナルコンピュータ2は、そのマッピング処理色相で、装置非依存のL*a*b*色空間で表される当該パーソナルコンピュータ2の第1色域の第1色域断面GS1と、同様に装置非依存のL*a*b*色空間で表されるプリンタ3の第2色域の第2色域断面GS2とに共通な共通色域CG1を検出する。
【0225】
そしてパーソナルコンピュータ2は、一次マッピング処理を実行することにより、処理対象色データCD1、及び第1色域断面GS1の第1色域カスプデータKD1を共通色域CG1にマッピングして一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成する。
【0226】
次いで、パーソナルコンピュータ2は、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域断面GS2の第2色域カスプデータKD2へのマッピング(すなわち、変換)を基準とする二次マッピング処理を実行することにより、一次マッピング色データCD2を第2色域断面GS2へマッピングして二次マッピング色データCD3を生成する。
【0227】
そしてパーソナルコンピュータ2は、二次マッピング色データCD3を、印刷データの生成用にプリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換する。
【0228】
従ってパーソナルコンピュータ2は、画像印刷時、二次マッピング処理により、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理よりも彩度の高い色の二次マッピング色データCD3に変換することができる。
【0229】
特にパーソナルコンピュータ2は、処理対象色が第1色域断面GS1のカスプの色である場合、そのカスプの色を示す処理対象色データCD1を、一次マッピング処理及び二次マッピング処理を順次実行して第2色域断面GS2の第2色域カスプデータKD2に変換することができる。
【0230】
よって画像処理印刷システム1のパーソナルコンピュータ2は、例えば、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像の画像データが画像処理対象である場合、そのグラフや表の色を第2色域のカスプの色よりも彩度の低い色に変換してしまい、印刷画像の色が元のカラー画像の色よりも薄れたように表現されることを防止することができる。
【0231】
以上の構成によれば、画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により画像印刷時、画像データの画素毎の処理対象色データCD1に対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定し、そのマッピング処理色相で、パーソナルコンピュータ2の第1色域の第1色域断面GS1とプリンタ3の第2色域の第2色域断面GS2とに共通な共通色域CG1を検出して、処理対象色データCD1と第1色域断面GS1の第1色域カスプデータKD1とを共通色域CG1にマッピングして一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成した後、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域断面GS2の第2色域カスプデータKD2へのマッピングを基準として、一次マッピング色データCD2を第2色域断面GS2へマッピングして二次マッピング色データCD3を生成するようにした。
【0232】
これにより画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により画像印刷時、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理よりも彩度の高い色の二次マッピング色データCD3に変換することができると共に、処理対象色が第1色域断面GS1のカスプの色である場合には、そのカスプの色を示す処理対象色データCD1を第2色域断面GS2の第2色域カスプデータKD2に変換することができる。
【0233】
その結果、画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により例えば、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像の画像データが画像処理対象である場合、そのグラフや表の色を第2色域のカスプの色よりも彩度の低い色に変換してしまい、印刷画像の色が元のカラー画像の色よりも薄れたように表現されることを防止することができる。
【0234】
よって画像処理印刷システム1は、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像を印刷する場合に、印刷画像の品質を向上させることができる。
【0235】
また画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により一次マッピング処理として、クリッピング方式のガマットマッピング処理を実行するようにした。
【0236】
従って画像印刷処理システム1は、パーソナルコンピュータ2により、一次マッピング処理の際、共通色域CG1内に既に存在している処理対象色データCD1を他の色の色データには変換せずに、そのまま一次マッピング色データCD2とすることができる。
【0237】
そして画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により、引き続き二次マッピング処理として、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域カスプデータKD2へのマッピング(すなわち、変換)を基準とする相対的なガマットマッピング処理を実行するようにした。
【0238】
よって画像印刷処理システム1は、パーソナルコンピュータ2により、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、互いの相対的な位置関係をあまり変化させずに、第2色域内の色を示す二次マッピング色データCD3に変換することができる。
【0239】
これにより画像印刷処理システム1は、パーソナルコンピュータ2により、共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2を、元のカラー画像のコントラストをあまり変化させずに、従来のクリッピング方式のガマットマッピング処理よりも彩度の高い色にマッピングすることができる。
【0240】
このため画像処理印刷システム1は、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像を印刷する場合に、印刷画像の品質をさらに向上させることができる。
【0241】
さらに画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により、二次マッピング処理の際に、一次マッピングカスプデータKD3のマッピング先にする第2色域カスプ位置を、カスプ位置変位パラメータにより、第2色域断面GS2の境界線上で第2色域カスプデータKD2の実際の位置から変位させ得るようにした。
【0242】
従って画像印刷処理システム1は、パーソナルコンピュータ2による二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを、元のカラー画像と同じような色合いにするような所望の色合いに調整することができる。
【0243】
よって画像印刷処理システム1は、パーソナルコンピュータ2により、例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データが画像処理対象である場合でも、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いが元のカラー画像の色合いと大幅に異なることを回避することができる。
【0244】
このため画像処理印刷システム1は、パーソナルコンピュータ2により処理対象色データCD1に対し2段階のマッピング処理(すなわち、一次マッピング処理及び二次マッピング処理)を実行するものの、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像を印刷する場合に、印刷画像の品質が劣化することを防止することができる。
【0245】
(2)第2の実施の形態
(2−1)画像処理印刷システムの構成
図1との対応部分に同一符号を付して示す
図11は、第2の実施の形態による画像処理印刷システム50を示す。係る画像処理印刷システム50は、パーソナルコンピュータ51の構成を除いて、上述した第1の実施の形態による画像処理印刷システム1と同様に構成されている。
【0246】
(2−2)パーソナルコンピュータの回路構成
図2との対応部分に同一符号を付した
図12に示すように、パーソナルコンピュータ51は、中央処理ユニット52が、ハードディスクドライブ53に予め記憶されている各種プログラムに従って、上述した第1の実施の形態による中央処理ユニット10とは一部異なる処理を実行することを除いて当該第1の実施の形態によるパーソナルコンピュータ2と同様に構成されている。
【0247】
すなわち、ハードディスクドライブ53には、上述した第1の実施の形態によるハードディスクドライブ13と同様に、基本プログラムや印刷データ送信プログラム、種々のアプリケーションプログラム等の各種プログラムが予め記憶されている。
【0248】
ただし、ハードディスクドライブ53は、上述した第1の実施の形態によるプリンタ3の第1画像処理プログラムに換えて、当該プリンタ3の第2プリンタドライバ(以下、これらを第2画像処理プログラムとも呼ぶ)が予め記憶されている。
【0249】
プリンタ3の第2画像処理プログラムは、当該プリンタ3の第1画像処理プログラムとは記述内容が一部異なるように作成されている。
【0250】
このため中央処理ユニット52は、画像印刷時、第2画像処理プログラムと印刷データ送信プログラムとを組み合わせて第2印刷データ生成送信処理プログラムとして用いて、上述した第1の実施の形態による第1印刷データ生成送信処理に新たな処理を追加した第2印刷データ生成送信処理を実行している。
【0251】
そして中央処理ユニット52は、第2印刷データ生成送信処理以外では、上述した第1の実施の形態による中央処理ユニット10と同様の処理を実行している。
【0252】
実際に中央処理ユニット52は、画像印刷時、第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って第2印刷データ生成送信処理を実行する際、特に第2画像処理プログラムに従って第2画像処理を実行する際に、その一部で上述した第1の実施の形態による中央処理ユニット10とは異なる処理を実行している。
【0253】
よって以下には、
図3及び
図4との対応部分に同一符号を付して示す
図13及び
図14を用いて、中央処理ユニット52が、第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って実現する各種機能を便宜上、機能回路ブロックとして示し、当該中央処理ユニット52が第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する第2印刷データ生成送信処理としての各種処理を、その機能回路ブロックが実行する処理として説明する。
【0254】
この場合、ガマットマッピング部55において二次マッピング部56は、基本的には上述した第1の実施の形態による二次マッピング部34と同様の二次マッピング処理を実行する。
【0255】
ただし、二次マッピング部56では、第1の実施の形態でも上述したように、第2色域断面GS2の境界線上で検出した第2色域カスプデータKD2の位置をそのまま第2色域カスプ位置として利用して一次マッピング色データCD2を第2色域へマッピングすると、カラー写真のようなカラー画像の画像データが画像処理対象である場合、被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いが元のカラー画像の色合いと異なるようになる場合がある。
【0256】
このためハードディスクドライブ53には、上述した第1の実施の形態によるハードディスクドライブ13と同様に第1変換色域データ及び第2変換色域データと共にカスプ位置変位パラメータが予め記憶されているものの、これに加えて二次マッピング処理に用いる第2色域断面GS2を変形させるためのパラメータ(以下、これを色域変形パラメータとも呼ぶ)も予め記憶されている。
【0257】
色域変形パラメータは、例えば、第2色域断面GS2を共通色域CG1の形状に一致させるように変形させるための「0」のパラメータ値から、当該第2色域断面GS2を本来の形状にするための「1」のパラメータ値までの複数のパラメータ値を含んでいる。
【0258】
そしてパラメータ取込部57は、例えば、画像印刷時、上述した第1の実施の形態によるパラメータ取込部42と同様に、ユーザに対しカスプ位置変位パラメータのパラメータ値を任意に選定させて、当該選定されたパラメータ値をハードディスクドライブ53から読み出して二次マッピング部56に送出している。
【0259】
ただし、パラメータ取込部57は、例えば、画像印刷時、ユーザによりキーボード16やマウス17が操作され、色域変形パラメータの設定が指示されると、表示インタフェース18を介してモニタ19に色域変形パラメータ設定画面(図示せず)を表示する。
【0260】
この場合、色域変形パラメータ設定画面には、設定可能な「0」から「1」までの複数のパラメータ値を提示すると共に、第2色域断面GS2を共通色域CG1の形状に一致させるためのパラメータ値が「0」であり、第2色域断面GS2を本来の形状にするためのパラメータ値が「1」であることも提示するための提示部が設けられている。
【0261】
また色域変形パラメータ設定画面には、「0」から「1」までの複数のパラメータ値のうち任意に1つのパラメータ値を入力させるためのパラメータ値入力部も設けられている。
【0262】
これによりパラメータ取込部57は、ユーザにキーボード16やマウス17を介して色域変形パラメータ設定画面上でパラメータ値を任意に選定させることができる。
【0263】
このようにしてパラメータ取込部57は、ユーザにより色域変形パラメータ設定画面上で任意に1つのパラメータ値が選定されると、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ53から、色域変形パラメータに含まれる当該選定されたパラメータ値を読み出して取り込む。
【0264】
そしてパラメータ取込部57は、そのハードディスクドライブ53から取り込んだパラメータ値を色域変形部58に送出する。
【0265】
また色域データ取込部59は、画像印刷時、上述した第1の実施の形態による色域データ取込部33と同様に、ハードディスクインタフェース12を介してハードディスクドライブ53から第1変換色域データ及び第2変換色域データを読み出すようにして取り込む。
【0266】
そして色域データ取込部59は、ハードディスクドライブ13から取り込んだ第1変換色域データ及び第2変換色域データを、共通色域検出部60及び一次マッピング部31に送出している。
【0267】
ただし、色域データ取込部59は、この際、第2変換色域データについては二次マッピング部56に換えて色域変形部58に送出している。
【0268】
さらに共通色域検出部60は、画像印刷時、上述した第1の実施の形態による共通色域検出部32と同様にマッピング処理色相での共通色域CG1を検出して、当該マッピング処理色相での共通色域CG1を検出する毎に共通色域データ及びマッピング処理色相データを一次マッピング部31に送出する。
【0269】
ただし、共通色域検出部60は、マッピング処理色相での共通色域CG1を検出する毎に、共通色域データ及びマッピング処理色相データを二次マッピング部56に換えて色域変形部58に送出する。
【0270】
図15に示すように、色域変形部58は、色域データ取込部59から第2変換色域データが与えられると、L*a*b*色空間に当該第2変換色域データが示す第2色域を三次元形状で表すように展開する。
【0271】
この状態で色域変形部58は、共通色域検出部60から共通色域データ及びマッピング処理色相データが与えられる毎に、第2色域においてマッピング処理色相データが示すマッピング処理色相での第2色域断面GS2を求める。
【0272】
そして色域変形部58は、この際、パラメータ取込部57から与えられていたパラメータ値に基づき、そのマッピング処理色相での第2色域断面GS2を二次マッピング処理用に適宜変形させる。
【0273】
実際に第2色域断面GS2は、例えば、その境界線上にそれぞれL*a*b*色空間の座標によって異なる色を示す複数の色データ(図示せず)が配置されており、これら複数の色データの位置を順に線分で結ぶようにして、当該第2色域断面GS2の境界線が形成されている。
【0274】
因みに、以下の説明では、第2色域断面GS2の境界線上の複数の色データを、それぞれ第2色域境界色データとも呼び、当該境界線上の複数の第2色域境界色データの位置を、それぞれ第2色域境界色点とも呼ぶ。
【0275】
また共通色域データが示す共通色域CG1は、例えば、その境界線上に第2色域境界色データと同数の、それぞれL*a*b*色空間の座標によって異なる色を示す色データ(図示せず)が配置されており、これら複数の色データの位置を順に線分で結ぶようにして、当該共通色域CG1の境界線が形成されている。
【0276】
因みに、以下の説明では、共通色域CG1の境界線上の複数の色データを、それぞれ共通色域境界色データとも呼び、当該境界線上の複数の共通色域境界色データの位置を、それぞれ共通色域境界色点とも呼ぶ。
【0277】
よって色域変形部58は、第2色域断面GS2を求めると、第2色域断面GS2及び共通色域CG1の白色点から黒色点にかけて順次、1つの第2色域境界色点と1つの共通色域境界色点とを対応付ける。
【0278】
また色域変形部58は、このようにして対応付けた一対の第2色域境界色点及び共通色域境界色点毎に、共通色域境界色点を始点とし、かつ第2色域境界色点を終点とする仮想直線(図示せず)を求める。
【0279】
さらに色域変形部58は、一対の第2色域境界色点及び共通色域境界色点毎に、それぞれパラメータ取込部57から与えられているパラメータ値と、第2色域境界色点の第2色域境界色データと、共通色域境界色点の共通色域境界色データとに基づき、仮想直線上で新たな第2色域境界色データを線形補間するようにして求める。
【0280】
そして色域変形部58は、その新たに求めた複数の第2色域境界色データの位置を順に線分で結ぶようにして新たな境界線とする第2色域断面GS2乃至GS4を形成する。
【0281】
すなわち、色域変形部58は、パラメータ取込部57から「1」のパラメータ値が与えられている場合は、第2色域境界色点毎の第2色域境界色データを、そのまま新たな第2色域境界色データとする。
【0282】
よって色域変形部58は、パラメータ取込部57から「1」のパラメータ値が与えられている場合は、本来の形状の(すなわち、元の第2色域断面GS2と同一形状の)第2色域断面GS2を形成する。
【0283】
また色域変形部58は、パラメータ取込部57から「0」のパラメータ値が与えられている場合は、共通色域境界色点毎の共通色域境界色データを、そのまま新たな第2色域境界色データとする。
【0284】
よって色域変形部58は、パラメータ取込部57から「0」のパラメータ値が与えられている場合は、本来の形状から共通色域CG1の形状に一致させるように変形させた(すなわち、共通色域CG1と同一形状の)第2色域断面GS3を形成する。
【0285】
さらに色域変形部58は、パラメータ取込部57から「0」よりも大きく、かつ「1」よりも小さいパラメータ値が与えられている場合、対応する第2色域境界色点と共通色域境界色点とが一致する(すなわち、仮想直線の長さが「0」の)箇所では、例えば、第2色域境界色点の第2色域境界色データを、そのまま新たな第2色域境界色データとする。
【0286】
また色域変形部58は、この際、対応する第2色域境界色点と共通色域境界色点とが離れている(すなわち、仮想直線の長さが「0」よりも長い)箇所では、パラメータ値が大きいほど仮想直線上で第2色域境界色点側に位置し、L*a*b*色空間の座標によって色を示す新たな第2色域境界色データを生成する。
【0287】
よって色域変形部58は、パラメータ取込部57から「0」よりも大きく、かつ「1」よりも小さいパラメータ値が与えられている場合は、本来の第2色域断面GS2の境界線と共通色域CG1の境界線との中間に、新たな境界線を位置させるように変形させた第2色域断面GS4を形成する。
【0288】
すなわち、色域変形部58は、この際、本来の第2色域断面GS2の境界線と共通色域CG1の境界線とが一致している部分では、新たな境界線をその部分と一致させ、本来の第2色域断面GS2の境界線と共通色域CG1の境界線とが離れている部分では、新たな境界線をその部分の中間に位置させるように、本来の第2色域断面GS2の一部を変形させた第2色域断面GS4を形成する。
【0289】
このようにして色域変形部58は、本来の第2色域断面GS2の第2色域カスプデータKD2側の部分が共通色域CG1から張り出している場合、その第2色域カスプデータKD2側の部分を共通色域CG1の境界に一致させ、又は近づけるように変形させた第2色域断面GS3、GS4を形成することができる。
【0290】
そして色域変形部58は、このようにして第2色域断面GS2乃至GS4を形成する毎に、当該形成した第2色域断面GS2乃至GS4を示す第2色域断面データを二次マッピング部56に送出する。
【0291】
因みに、パラメータ取込部57は、1回の第2画像処理(すなわち、カラー画像の1回の印刷)において、1度だけ色域変形パラメータに含まれる1個のパラメータ値を色域変形部58に送出している。
【0292】
そしてパラメータ取込部57は、1回の第2画像処理において、ユーザにより色域変形パラメータに含まれるパラメータ値が選定された場合は、その選定されたパラメータ値を色域変形部58に送出する。
【0293】
しかしながら、パラメータ取込部57は、1回の第2画像処理において、ユーザにより色域変形パラメータに含まれるパラメータ値が何ら選定されない場合は、例えば、自動的に「1」のパラメータ値を色域変形部58に送出している。
【0294】
よって色域変形部58は、1回の第2画像処理において、パラメータ取込部57からパラメータ値が与えられると、そのパラメータ値を第2色域断面GS2乃至GS4の形成に用いるように設定する。
【0295】
これにより色域変形部58は、1回の第2画像処理において、共通色域検出部60から共通色域データ及びマッピング処理色相データが与えられる毎に、その設定していたパラメータ値を用いて第2色域断面GS2乃至GS4を形成している。
【0296】
そして二次マッピング部56は、一次マッピング部31と色域変形部58と共通色域検出部60とから、一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3と第2色域断面データと共通色域データ及びマッピング処理色相データとが与えられる毎に、二次マッピング処理を実行している。
【0297】
すなわち、
図16に示すように、二次マッピング部56は、二次マッピング処理を実行した場合、第2色域断面データが示す第2色域断面GS3の境界線上で第2色域カスプデータKD4を検出する。
【0298】
因みに、
図16に示す二次マッピング処理の例では、二次マッピング部56が、本来の第2色域断面GS2の一部が変形した第2色域断面GS3の境界線上で第2色域カスプデータKD4を検出している。
【0299】
そして二次マッピング部56は、このようにして第2色域カスプデータKD4を検出すると、その後は、上述した第1の実施の形態による二次マッピング部34と同様に一連の処理を実行する。
【0300】
これにより二次マッピング部56は、第2色域断面GS3、GS4が変形された場合、二次マッピング処理において共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2に対するマッピング前の位置とマッピング後の位置との距離を短くすることができる。
【0301】
よって二次マッピング部56は、このような場合、二次マッピング処理によって得られる複数の二次マッピング色データCD3が示す色の色合いを、一次マッピング処理によって得られる複数の一次マッピング色データCD2が示す色の色合いに極力近づけることができる。
【0302】
従って二次マッピング部56は、例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データが画像処理対象である場合に第2色域断面GS3、GS4が変形されると、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを元のカラー画像の色合いに近づけることができる。
【0303】
また二次マッピング部56は、第2色域カスプ位置の変位と第2色域断面GS3、GS4の変形とを併用することで、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを所望の色合いとするように、上述した第1の実施の形態の場合よりも、より細かく調整することができる。
【0304】
因みに、上述した色域変形部58は、画像データ取込部25、色空間変換部26、ガマットマッピング部55(すなわち、色相決定部30、一次マッピング部31、二次マッピング部56、共通色域検出部60)、色域データ取込部59、色変換処理部37、色変換テーブル取込部38、画像データ処理部39、パラメータ取込部57と共に、中央処理ユニット52が第2画像処理プログラムに従って実現する各種機能を示す機能回路ブロックである。
【0305】
(2−3)第2印刷データ生成送信処理手順
次いで、
図8との対応部分に同一符号を付した
図17に示すフローチャートを用いて、パーソナルコンピュータ51の中央処理ユニット52が、画像印刷時に実行する第2印刷データ生成送信処理手順RT2について説明する。
【0306】
中央処理ユニット52は、ユーザにより印刷対象のカラー画像の画像データが選択されると、ハードディスクドライブ53に予め記憶された第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って、
図17に示す第2印刷データ生成送信処理手順RT2を開始する。
【0307】
中央処理ユニット52は、係る第2印刷データ生成送信処理手順RT2を開始すると、ステップSP1及びステップSP2の処理を順次実行した後、次のステップSP31に移る。
【0308】
ステップSP31において中央処理ユニット52は、上述した第1の実施の形態によるガマットマッピング処理とは一部異なるガマットマッピング処理を実行することにより、処理対象色データCD1を一次マッピング処理して一次マッピング色データCD2を生成した後、当該一次マッピング色データCD2を二次マッピング処理して二次マッピング色データCD3を生成して、次のステップSP4に移る。
【0309】
そして中央処理ユニット10は、引き続きステップSP4乃至ステップSP7の処理を順次実行した後、次のステップSP32に移って、係る第2印刷データ生成送信処理手順RT2を終了する。
【0310】
実際に中央処理ユニット52は、第2印刷データ生成送信処理手順RT2において、上述したステップSP2の処理を経てステップSP31に移った場合、ガマットマッピング処理として
図9との対応部分に同一符号を付した
図18に示すガマットマッピング処理サブルーチンSRT3を開始する。
【0311】
中央処理ユニット52は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT3を開始すると、ステップSP11乃至ステップSP13の処理を順次実行した後、次のステップSP41に移る。
【0312】
そしてステップSP41において中央処理ユニット52は、ハードディスクドライブ53から読み出して取り込んでいた色域変形パラメータのパラメータ値を用いて、マッピング処理色相での二次マッピング処理用の第2色域断面GS2乃至GS4を適宜変形させるようにして形成して、次のステップSP42に移る。
【0313】
またステップSP42において中央処理ユニット52は、そのステップSP41で形成したマッピング処理色相での第2色域断面GS2乃至GS4を用いて、一次マッピング色データCD2に対する二次マッピング処理(すなわち、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域カスプデータKD2、KD4へのマッピングを基準とする相対的なガマットマッピング処理)を実行して、次のステップSP43に移る。
【0314】
これによりステップSP43において中央処理ユニット52は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT3を終了して、
図17について上述した、次のステップSP4に移る。
【0315】
また中央処理ユニット52は、ガマットマッピング処理サブルーチンSRT3において、上述したステップSP41の処理を経てステップSP42に移った場合、二次マッピング処理として
図10との対応部分に同一符号を付した
図19に示す二次マッピング処理サブルーチンSRT4を開始する。
【0316】
中央処理ユニット52は、二次マッピング処理サブルーチンSRT4を開始すると、ステップSP51において、上述したステップSP41で形成したマッピング処理色相での第2色域断面GS2乃至GS4の境界線上で第2色域カスプデータKD2、KD4を検出する。
【0317】
また中央処理ユニット52は、その検出した第2色域カスプデータKD2、KD4の位置を基準にして、第2色域断面GS2乃至GS4の境界線上で二次マッピング処理に利用する第2色域カスプ位置を、ハードディスクドライブ53から読み出して取り込んでいたカスプ位置変位パラメータのパラメータ値に応じた位置に設定する。
【0318】
そのうえで、中央処理ユニット52は、共通色域CG1の明度軸上の基準点SP1と、当該共通色域CG1上の一次マッピング色データCD2の一次マッピング色位置とを結ぶ仮想直線VL1を求め、その仮想直線VL1と共通色域CG1の境界線との交点PS1を検出して、次のステップSP22に移る。
【0319】
そして中央処理ユニット52は、ステップSP22乃至ステップSP28の処理を順次実行した後、次のステップSP52に移る。
【0320】
これによりステップSP52において中央処理ユニット52は、二次マッピング処理サブルーチンSRT4を終了して、
図18について上述した、次のステップSP43に移る。
【0321】
このようにして中央処理ユニット52は、上述したステップSP1、ステップSP2、ステップSP31、ステップSP4乃至ステップSP7の処理を順次実行することにより、印刷対象のカラー画像の画像データをもとに印刷データを生成して、プリンタ3に、その印刷データに基づき被印刷媒体にカラー画像を印刷させて印刷画像を形成させることができる。
【0322】
因みに、中央処理ユニット52が第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する上述したステップSP1、ステップSP2、ステップSP31、ステップSP4乃至ステップSP7の一連の処理のうち、当該ステップSP1、ステップSP2、ステップSP31、ステップSP4乃至ステップSP6の一連の処理は、中央処理ユニット52が第2画像処理プログラムに従って実行する第2画像処理手順となる。
【0323】
また中央処理ユニット52が第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って実行する上述したステップSP1、ステップSP2、ステップSP31、ステップSP4乃至ステップSP7の一連の処理のうち、ステップSP7の処理は、中央処理ユニット52が印刷データ送信プログラムに従って実行する印刷データ送信処理手順となる。
【0324】
(2−4)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、画像処理印刷システム50のパーソナルコンピュータ51は、画像印刷時、印刷対象のカラー画像の画像データに含まれる色データを、装置非依存のL*a*b*色空間に色空間変換して処理対象色データCD1を生成する。
【0325】
またパーソナルコンピュータ51は、その処理対象色データCD1に対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定する。
【0326】
さらにパーソナルコンピュータ51は、そのマッピング処理色相で、装置非依存のL*a*b*色空間で表される第1色域の第1色域断面GS1と、当該装置非依存のL*a*b*色空間で表される第2色域の第2色域断面GS2とに共通な共通色域CG1を検出する。
【0327】
そしてパーソナルコンピュータ51は、一次マッピング処理を実行することにより、処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1を共通色域CG1にマッピングして一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成する。
【0328】
次いで、パーソナルコンピュータ51は、マッピング処理色相での二次マッピング処理用の第2色域断面GS2乃至GS4を適宜変形させて形成する。
【0329】
そのうえでパーソナルコンピュータ51は、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域断面GS2乃至GS4の第2色域カスプデータKD2、KD4へのマッピング(すなわち、変換)を基準とする二次マッピング処理を実行することにより、一次マッピング色データCD2を第2色域断面GS2乃至GS4へマッピングして二次マッピング色データCD3を生成する。
【0330】
そしてパーソナルコンピュータ51は、二次マッピング色データCD3を、印刷データの生成用にプリンタ3依存の所定の色空間に色空間変換する。
【0331】
従ってパーソナルコンピュータ51は、画像印刷時、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、例えば、オフィス資料のグラフや表のように主に第1色域のカスプの色を用いて作成されたカラー画像の画像データが画像処理対象である場合は、印刷画像の色が元のカラー画像の色よりも薄れたように表現されることを防止することができる。
【0332】
またパーソナルコンピュータ51は、画像印刷時、マッピング処理色相での第2色域断面GS2乃至GS4を二次マッピング処理用に変形させた場合は、二次マッピング処理において共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2に対するマッピング前の位置とマッピング後の位置との距離を短くすることができる。
【0333】
よってパーソナルコンピュータ51は、二次マッピング処理によって得られる複数の二次マッピング色データCD3が示す色の色合いを、一次マッピング処理によって得られる複数の一次マッピング色データCD2が示す色の色合いに極力近づけることができる。
【0334】
これによりパーソナルコンピュータ51は、例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データが画像処理対象である場合に、第2色域断面GS3、GS4を変形させると、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを元のカラー画像の色合いに近づけることができる。
【0335】
以上の構成によれば、画像処理印刷システム50は、パーソナルコンピュータ51により画像印刷時、画像データの画素毎の処理対象色データCD1に対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定し、そのマッピング処理色相での第1色域の第1色域断面GS1と第2色域の第2色域断面GS2とに共通な共通色域CG1を検出して、処理対象色データCD1及び第1色域カスプデータKD1を共通色域CG1にマッピングして一次マッピング色データCD2及び一次マッピングカスプデータKD3を生成した後、マッピング処理色相での二次マッピング処理用の第2色域断面GS2乃至GS4を適宜変形させて形成し、一次マッピングカスプデータKD3に対する第2色域断面GS2乃至GS4の第2色域カスプデータKD2、KD4へのマッピングを基準とし一次マッピング色データCD2を第2色域断面GS2乃至GS4へマッピングして二次マッピング色データCD3を生成するようにした。
【0336】
これにより画像処理印刷システム50は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、マッピング処理色相での第2色域断面GS2乃至GS4を二次マッピング処理用に変形させることで、二次マッピング処理において共通色域CG1内の複数の一次マッピング色データCD2に対するマッピング前の位置とマッピング後の位置との距離を短くすることができ、二次マッピング処理によって得られる複数の二次マッピング色データCD3が示す色の色合いを、一次マッピング処理によって得られる複数の一次マッピング色データCD2が示す色の色合いに極力近づけることができる。
【0337】
また画像処理印刷システム50は、パーソナルコンピュータ51により画像印刷時、二次マッピング処理に用いる第2色域カスプ位置の変位と第2色域断面GS3、GS4の変形とを併用することで、二次マッピング処理の処理結果に基づいて被印刷媒体に形成される印刷画像の色合いを所望の色合いとするように、上述した第1の実施の形態の場合よりも、より細かく調整することができる。
【0338】
(3)他の実施の形態
(3−1)他の実施の形態1
なお上述した第1の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ2により一次マッピング処理及び二次マッピング処理において第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を求めるようにした場合について述べた。
【0339】
しかしながら本発明は、これに限らず、パーソナルコンピュータ2により、一次マッピング処理及び二次マッピング処理では第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を特には求めずに、共通色域CG1を検出する際に求めた第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を一次マッピング処理及び二次マッピング処理に用いるようにしても良い。
【0340】
本発明は、係る構成によれば、パーソナルコンピュータ2による一次マッピング処理及び二次マッピング処理の処理負荷を低減させて、その結果、第1画像処理の処理負荷も低減させることができる。
【0341】
また本発明は、上述した第2の実施の形態においてもパーソナルコンピュータ51により一次マッピング処理及び色域変形処理において第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を求めるようにしたが、その一次マッピング処理及び色域変形処理では第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を特には求めずに、共通色域CG1を検出する際に求めた第1色域断面GS1や第2色域断面GS2を一次マッピング処理及び色域変形処理に用いるようにしても良い。
【0342】
本発明は、係る構成によれば、パーソナルコンピュータ51による一次マッピング処理及び色域変形処理の処理負荷を低減させて、その結果、第2画像処理の処理負荷も低減させることができる。
【0343】
(3−2)他の実施の形態2
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ2、51の中央処理ユニット10、52が、ハードディスクドライブ13、53に予め記憶された第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムに従い、
図8乃至
図10並びに
図17及び
図19について上述した第1及び第2印刷データ生成送信処理手順RT1、RT2を実行するようにした場合について述べた。
【0344】
しかしながら本発明は、これに限らず、パーソナルコンピュータ2、51が第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムの記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって当該第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0345】
また本発明は、パーソナルコンピュータ2、51がローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0346】
そして本発明は、パーソナルコンピュータ2、51の中央処理ユニット10、52が、そのインストールした第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムに従って第1及び第2印刷データ生成送信処理手順RT1、RT2を実行するようにしても良い。
【0347】
因みに、第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムをパーソナルコンピュータ2、51にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスクのようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0348】
また第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムをパーソナルコンピュータ2、51にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)のようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0349】
さらに第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムをパーソナルコンピュータ2、51にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良い。
【0350】
さらに、係るコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、パッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に記憶される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。
【0351】
また、これらコンピュータ読取可能な記憶媒体に第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムを記憶する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用するようにしても良い。
【0352】
さらにコンピュータ読取可能な記憶媒体には、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して第1及び第2印刷データ生成送信処理プログラムを記憶するようにしても良い。
【0353】
また本発明は、印刷画像の形成機能を有するプリンタ3や複合機、ファクシミリ等の画像形成装置を、印刷対象のカラー画像の画像データを取り扱うようにして供給も可能なパーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯端末等の画像取扱装置と通信可能に接続する。
【0354】
そして本発明は、その画像形成装置に設けられる中央処理ユニットのように制御部が、画像取扱装置から印刷対象のカラー画像の画像データを取り込み、当該画像形成装置内のメモリやハードディスク等の記憶媒体に予め記憶された第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムに従って
図8乃至
図10並びに
図17及び
図19について上述した第1印刷データ生成送信処理手順RT1や第2印刷データ生成送信処理手順RT2の一部である第1画像処理手順や第2画像処理手順を実行するようにしても良い。
【0355】
本発明は、係る構成の場合も、上述と同様に画像形成装置が第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムの記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって当該第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0356】
また本発明は、画像形成装置がローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0357】
そして本発明は、画像形成装置の制御部が、そのインストールした第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムに従って第1画像処理手順や第2画像処理手順を実行するようにしても良い。
【0358】
さらに本発明は、印刷対象のカラー画像の画像データを印刷データの生成用に画像処理する画像処理装置を、画像取扱装置及び画像形成装置と通信可能に接続する。
【0359】
そして本発明は、その画像処理装置に設けられる中央処理ユニットのように制御部が、画像取扱装置から印刷対象のカラー画像の画像データを取り込み、当該画像処理装置内のメモリやハードディスク等の記憶媒体に予め記憶された第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムに従って
図8乃至
図10並びに
図17及び
図19について上述した第1印刷データ生成送信処理手順RT1や第2印刷データ生成送信処理手順RT2の一部である第1画像処理手順や第2画像処理手順を実行するようにしても良い。
【0360】
本発明は、係る構成の場合も、上述と同様に画像処理装置が第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムの記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって当該第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0361】
また本発明は、画像処理装置がローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0362】
そして本発明は、画像処理装置の制御部が、そのインストールした第1画像処理プログラムや第2画像処理プログラムに従って第1画像処理手順や第2画像処理手順を実行するようにしても良い。
【0363】
(3−3)他の実施の形態3
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による画像処理装置を、
図1乃至
図19について上述したパーソナルコンピュータ2、51に適用するようにした場合について述べた。
【0364】
しかしながら本発明は、これに限らず、画像データを印刷データの生成用に画像処理するコンピュータやデジタルカメラ、携帯端末等の画像取扱装置、プリンタ3や複合機、ファクシミリ等の画像形成装置、画像形成装置が接続される画像処理装置等のように、印刷データ生成用の画像処理機能を有する、この他種々の構成の画像処理装置に広く適用することができる。
【0365】
(3−4)他の実施の形態4
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、画像データに含まれる色データを、装置非依存の色空間に色空間変換して処理対象色データを生成する色空間変換部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0366】
しかしながら本発明は、これに限らず、マイクロプロセッサや、DSP(Digital Signal Processor)、画像データに含まれる色データを、装置非依存の色空間に色空間変換して処理対象色データを生成するハードウェア回路構成の色空間変換回路等のように、この他種々の構成の色空間変換部を広く適用することができる。
【0367】
(3−5)他の実施の形態5
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、装置非依存の色空間として、
図1乃至
図19について上述したL*a*b*色空間を適用するようにした場合について述べた。
【0368】
しかしながら本発明は、これに限らず、CIECAM02(Commission Internationale de l’Eclairage Color Appearance Model 02)のJab色空間や、CIE1976L*u*v*(Commission Internationale de l’Eclairage 1976 L*u*v*)色空間等のように、この他種々の色空間を広く適用することができる。
【0369】
(3−6)他の実施の形態6
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、処理対象色データに対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定する色相決定部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0370】
しかしながら本発明は、これに限らず、マイクロプロセッサや、DSP、処理対象色データに対するマッピング処理用のマッピング処理色相を決定するハードウェア回路構成の色相決定回路等のように、この他種々の構成の色相決定部を広く適用することができる。
【0371】
(3−7)他の実施の形態7
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、マッピング処理色相で、装置非依存の色空間で表される画像取扱装置の色域の第1色域断面と、装置非依存の色空間で表される画像形成装置の色域の第2色域断面とに共通な共通色域を検出する共通色域検出部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0372】
しかしながら本発明は、これに限らず、マイクロプロセッサや、DSP、マッピング処理色相で、装置非依存の色空間で表される画像取扱装置の色域の第1色域断面と、装置非依存の色空間で表される画像形成装置の色域の第2色域断面とに共通な共通色域を検出するハードウェア回路構成の共通色域検出回路等のように、この他種々の構成の共通色域検出部を広く適用することができる。
【0373】
(3−8)他の実施の形態8
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、画像取扱装置として、
図1乃至
図19について上述したパーソナルコンピュータ2、51を適用するようにした場合について述べた。
【0374】
しかしながら本発明は、これに限らず、画像データを取り扱い画像処理装置に供給可能なコンピュータやデジタルカメラ、携帯端末等の情報処理装置、画像処理機能を有する画像形成装置等のように、この他種々の画像取扱装置を広く適用することができる。
【0375】
(3−9)他の実施の形態9
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、画像データに含まれる色データを、画像形成装置として、
図1乃至
図19について上述したプリンタ3を適用するようにした場合について述べた。
【0376】
しかしながら本発明は、これに限らず、複合機やファクシミリ等のように、この他種々の画像形成装置を広く適用することができる。
【0377】
(3−10)他の実施の形態10
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、処理対象色データ、及び第1色域断面でのカスプの色を示す第1色域カスプデータを共通色域にマッピングして一次マッピング色データ及び一次マッピングカスプデータを生成する一次マッピング部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0378】
しかしながら本発明は、これに限らず、マイクロプロセッサや、DSP、処理対象色データ、及び第1色域断面でのカスプの色を示す第1色域カスプデータを共通色域にマッピングして一次マッピング色データ及び一次マッピングカスプデータを生成するハードウェア回路構成の一次マッピング回路等のように、この他種々の構成の一次マッピング部を広く適用することができる。
【0379】
(3−11)他の実施の形態11
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、一次マッピングカスプデータに対する第2色域断面でのカスプの色を示す第2色域カスプデータへのマッピングを基準として、一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成する二次マッピング部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0380】
しかしながら本発明は、これに限らず、マイクロプロセッサや、DSP、一次マッピングカスプデータに対する第2色域断面でのカスプの色を示す第2色域カスプデータへのマッピングを基準として、一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成するハードウェア回路構成の二次マッピング回路等のように、この他種々の構成の二次マッピング部を広く適用することができる。
【0381】
(3−12)他の実施の形態12
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、二次マッピング部が一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成する際に、第2色域カスプデータの位置を第2色域断面の境界線上で変位させるカスプ位置変位部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0382】
しかしながら本発明は、これに限らず、予めカラー画像の画像データに例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データと、オフィス資料のグラフや表のように主にモニタの色域のカスプの色を用いるようにして作成されたカラー画像の画像データとの何れであるのかを識別可能な識別情報を付加しておき、画像印刷時、印刷対象のカラー画像の画像データに付加されている識別情報に従って自動的に、第2色域カスプデータの位置を第2色域断面の境界線上で変位させるカスプ位置変位部を適用することができる。
【0383】
また本発明は、カスプ位置変位部を、マイクロプロセッサや、DSP、二次マッピング部が一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成する際に、第2色域カスプデータの位置を第2色域断面の境界線上で変位させるハードウェア回路構成のカスプ位置変位回路等のように、この他種々の構成のカスプ位置変位部にも広く適用することができる。
【0384】
(3−13)他の実施の形態13
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、二次マッピング部が一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成する際に、第2色域断面を変形させる色域変形部として、
図1乃至
図19について上述した中央処理ユニット10、52を適用するようにした場合について述べた。
【0385】
しかしながら本発明は、これに限らず、予めカラー画像の画像データに例えば、カラー写真のような自然な色合いのカラー画像の画像データと、オフィス資料のグラフや表のように主にモニタの色域のカスプの色を用いるようにして作成されたカラー画像の画像データとの何れであるのかを識別可能な識別情報を付加しておき、画像印刷時、印刷対象のカラー画像の画像データに付加されている識別情報に従って自動的に第2色域断面を変形させる色域変形部を適用することができる。
【0386】
また本発明は、色域変形部を、マイクロプロセッサや、DSP、二次マッピング部が一次マッピング色データを第2色域断面へマッピングして二次マッピング色データを生成する際に、第2色域断面を変形させるハードウェア回路構成の色域変形回路等のように、この他種々の構成の色域変形部を広く適用することができる。