特許第6157367号(P6157367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6157367様々な材料および材料流れのための位置合わせシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157367
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】様々な材料および材料流れのための位置合わせシステム
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20170626BHJP
   B41F 33/00 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   G03F9/00 H
   B41F33/00 290
【請求項の数】27
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-557798(P2013-557798)
(86)(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公表番号】特表2014-524038(P2014-524038A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】US2012027842
(87)【国際公開番号】WO2012122155
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】13/041,622
(32)【優先日】2011年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315009699
【氏名又は名称】チャイム ボール テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】ドーゼ,ハンス
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−098725(JP,A)
【文献】 特表2005−536875(JP,A)
【文献】 特開2003−332209(JP,A)
【文献】 特開2007−010851(JP,A)
【文献】 特開2007−314347(JP,A)
【文献】 特開2010−219548(JP,A)
【文献】 特開2009−231169(JP,A)
【文献】 特開2009−016416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027;21/67−21/683
G03F 1/00−1/86;7/20−7/24;9/00−9/02
H05K 3/00
B41F 31/00−35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツールを位置合わせする方法であって、前記方法は、
第1の撮像システムを使用して、移動するワークピースの第1の領域における複数の固有の特徴の第1の拡大画像を第1の位置で取り込むステップを備え、前記方法はさらに、
第2の撮像システムを使用して前記移動するワークピースの同じ前記第1の領域における前記複数の固有の特徴の第2の拡大画像を第2の位置で取り込むステップを備え、前記第1の拡大画像を取り込むステップと前記第2の拡大画像を取り込むステップとの間で期間が経過し、前記方法はさらに、
前記第1の画像において取り込まれた前記ワークピースの前記複数の固有な特徴と前記第2の画像において取り込まれた前記ワークピースの前記複数の固有の特徴との対応を判定するステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像との前記対応を有する前記固有の特徴を分析するための制御部を使用し、前記第1および第2の画像のそれぞれに関する前記移動するワークピースの位置決め情報を判定するステップと、
前記判定された位置決め情報に基づいて前記ワークピースと前記ツールとを位置合わせするステップとを備え、
前記ワークピースの固有の特徴は、ワークピース生来のテクスチャ、木目、粒状性である方法。
【請求項2】
前記位置決め情報は、前記第2の画像と関連した前記ワークピースの位置決めエラーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の画像は、前記第1の画像よりも小さい倍率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の画像は、前記第1の画像よりも大きい倍率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の時期において前記第1の画像を含む前記ワークピースの第1の複数の拡大画像を取り込むステップと、第2の時期において前記第2の画像を含む前記ワークピースの第2の複数の拡大画像を取り込むステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位置決め情報は、変位エラー、回転エラー、および縮尺変化のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ワークピースの前記位置決め情報は、前記ワークピースの前記複数の固有の特徴のうちの第1の特徴の第1の位置決めエラーと、前記ワークピースの前記複数の固有の特徴のうちの第2の特徴の第2の位置決めエラーとを少なくとも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対応を判定するステップおよび前記位置決め情報を判定するステップのうち少なくとも1つは、前記第1の画像および前記第2の画像にパターンマッチングを適用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
搬送機構を使用して前記ワークピースを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
連続的な材料流れを有する搬送機構を使用して前記ワークピースを前記第1の位置から前記第2の位置を通って少なくとも第3の位置に連続的に移動させるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ツールはリソグラフィ装置であり、前記ワークピースと前記ツールとを位置合わせするステップは、前記ワークピースと前記リソグラフィ装置によって前記ワークピースに付加されるパターンとを位置合わせするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ワークピースは、前記第2の画像のために第2の位置に在り、
前記ワークピースは、前記パターンが前記ワークピースに付加される前記第2の位置に在る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ワークピースの少なくとも一部は、前記ワークピースに前記パターンが付加される第3の位置に在り、前記ワークピースおよび前記パターンは、前記ワークピースの少なくとも一部が前記第2の画像のための前記第2の位置に在る状態で判定される前記位置決め情報の外挿法に基づいて位置合わせされる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ワークピースは、前記第1の領域と第2の領域とを含み、
前記位置決め情報は、前記第2の画像のための第2の位置に前記第1の領域が在る状態で前記ワークピースの前記第1の領域に関して判定され、
前記位置決め情報の内挿法に基づき、前記パターンは、前記ワークピースの前記第2の領域に付加され、前記ワークピースの前記第2の領域は、前記第1の位置と前記第2の位置との中間の第4の位置に在る、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ワークピースは、前記第1の領域を有する第1の物品と、前記第2の領域を有する第2の物品とを含み、
前記位置決め情報は、前記第1の物品の前記第1の領域に関して判定され、
前記パターンは、前記第2の物品の前記第2の領域に付加される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ワークピースと前記ワークピースに付加される前記パターンとを位置合わせするステップは、前記ワークピースの横位置決めを調整するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記リソグラフィ装置は、前記ワークピースに前記パターンを付加する投影光学ユニットを有するフォトリソグラフィ装置であり、
前記ワークピースと前記パターンとを位置合わせするステップは、前記位置決め情報によって示される位置決めエラーを補うために前記投影光学ユニットを使用して露光の時期を調整するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記リソグラフィ装置は、投影光学ユニットを有するフォトリソグラフィ装置であり、
前記ワークピースと前記ワークピースに付加される前記パターンとを位置合わせするステップは、前記光学ユニットの照準を調整するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記リソグラフィ装置は、前記ワークピースに前記パターンを付加する空間光変調器を有するフォトリソグラフィ装置であり、
前記ワークピースと前記パターンとを位置合わせするステップは、前記位置決め情報によって示される位置決めエラーを補うために前記フォトリソグラフィ装置における前記空間光変調器のデータセットを調整するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記位置決め情報は前記ワークピースの歪みを示し、
前記データセットを調整するステップは、前記ワークピースの前記歪みを補う、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
位置合わせシステムであって、
ワークピースが第1の位置に在る間に前記ワークピースの領域の第1の画像を取り込み、その後に前記ワークピースが前記第2の位置に在る間に前記ワークピースの同じ前記領域の第2の画像を取り込むように第1および第2の位置に配置された第1および第2の撮像システムと、
前記第1の画像および前記第2の画像における前記ワークピースの複数の固有の特徴を比較し、そこから位置決め情報を生成するように構成されたパターン認識ユニットとを備え、
前記位置合わせシステムは、ツールと前記ワークピースとの位置合わせに前記位置決め情報を使用し、
前記ワークピースの固有の特徴は、ワークピース生来のテクスチャ、木目、粒状性である位置合わせシステム。
【請求項22】
搬送機構をさらに備える、請求項21に記載の位置合わせシステム。
【請求項23】
前記搬送機構は、ロボット操作部を含む、請求項22に記載の位置合わせシステム。
【請求項24】
前記ワークピースを、前記搬送機構により、前記第1の位置から少なくとも前記第2の位置を通って連続的に移動させる、請求項22に記載の位置合わせシステム。
【請求項25】
前記ワークピースは、材料のウェブの一部であり、
前記材料のウェブは前記搬送機構によって移動する、請求項22に記載の位置合わせシステム。
【請求項26】
前記撮像システムは、前記第1の画像を取り込むために前記第1の位置に向けられる第1のストロボカメラと、前記第2の画像を取り込むために第2の位置に向けられる第2のストロボカメラとを含む、請求項21に記載の位置合わせシステム。
【請求項27】
前記ツールは、フォトリソグラフィ装置であり、パターンは、マスクもしくは空間光変調器から前記ワークピースに投影される、請求項21に記載の位置合わせシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明の分野は、概して位置合わせシステムに関し、より具体的にはリソグラフィおよび他のツールをベースとしたシステムにおける位置合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
様々なシステムおよび処理においては、ツールとワークピースとを位置合わせすることにより、ツールを用いてワークピースを処理することが可能になる。ワークピースとツールとの正確な位置合わせには、位置合わせシステムが多くの場合に使用される。位置合わせには、ワークピース、ツール、またはこれら両方の移動が伴い得る。
【0003】
位置合わせシステムを適用可能なシステムおよび処理の例としては、リソグラフィ、フォトリソグラフィ、レーザーエッチング、プリント回路基板のマスキング、プリント回路基板の穿孔、フレキシブル回路基板の製造、微細機械加工、精密組立、ロボティクス、コンピュータを使用した製造、ならびに他の印刷および製造作業が含まれる。
【0004】
フォトリソグラフィシステムにおいては、プリント回路基板もしくは半導体ウエハなどのワークピースと、投影光学ユニットなどのフォトリソグラフィ装置との正確な位置合わせが必要となる。プリント回路基板の製造および半導体ウエハの処理は、基板に付加されるパターンを各層が有する複数の層を伴い得ることから、露光画像を基板に投影する各パターニングステップの前に、投影光学ユニットに対してそれぞれの基板が正確に位置合わせされる。基板とパターンとを適切に位置合わせしなければ、基板上のパターンが正しく位置合わせされず、多くの場合、低い信頼性が原因で再加工、部品の廃棄、または現場故障を招くこととなる。
【0005】
既知のフォトリソグラフィシステムにおける正確な位置合わせには、ターゲット位置合わせパターンが使用される。ターゲット位置合わせパターンは、時に位置合わせレチクルと呼ぶこともあり、マスキングステップにおいて基板上に堆積される。後続のパターン層がアディティブ法で加えられる、もしくはサブトラクティブ法でエッチングにより取り除かれる、またはこれらの組み合わせである後続のマスキングステップは、前に堆積されたターゲット位置合わせパターンへの位置合わせに依存し、さらなる位置合わせパターンを加え得る。品質制御チェックは、多くの場合、複数の層からなるこのような堆積されたターゲットパターンの相対的な位置合わせについての目視検査または自動検査を含む。
【0006】
特定の処理に関しては、ローラーに巻かれ得る連続的なウェブである材料上で行うのが望ましい。このような処理の例としては、連続的なロールからの紙への新聞、雑誌、本、パッケージ、および他の物品の印刷、ならびにフレキシブルプリント回路基板などのフレキシブル基板の印刷が含まれる。
【0007】
「ウェブの上にパターンを形成する方法(METHOD FOR REGISTERING PATTERNS ON A WEB)」と題されたBrostらの米国特許第7,650,839号は、第1のローラーおよび第2のローラーに巻かれたウェブの上にパターンを形成する方法を記載している。ウェブに加えられるパターンの形成は、測定され、エラー信号を提供する。エラー信号は、横方向および縦方向の位置エラー、ならびに横方向および縦方向の縮尺エラーを制御するために使用される。別個の横方向および縦方向の縮尺を制御することにより、非線形の歪みが回避される。インクジェットプリントヘッド、リソグラフィ装置、フレキソ印刷装置、スクリーン印刷装置、または放射エネルギービームパターニング装置などの既知のパターニング装置によって加えられるパターンは、2つのカメラまたは他のセンサによって検知される。縮尺制御は、ウェブの温度またはウェブの引張を変化させることによって実施される。処理ハードウェアの横位置を調整することによって横位置エラーを制御することができ、タイミングを調整することによって縦位置エラーを制御することができる。
【0008】
「リソグラフィシステムおよび装置の製造方法(LITHOGRAPHY SYSTEM AND METHOD FOR DEVICE MANUFACTURE)」と題されたMeisburgerの米国特許第6,753,947号は、リソグラフィシステムに使用される連続的な移動台を開示している。メトロロジ装置は、ワークピース台の位置を測定する。位置合わせシステムは、ワークピース上に前に堆積されたマスクパターンに投影レンズを介して投影されるマスク画像の位置合わせを行う。歪んだグリッドは、残りの照射野の位置を予測するために複数の照射野位置に最良適合され、XY方向の倍率、傾斜、およびXY方向の要部の違いを考慮に入れる。ワークピースは、ワークピース貯蔵ユニットから台に運ばれる。位置合わせマークが撮像され、位置が分析され、ずれが測定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
位置合わせシステムの向上が求められている。特に、様々なワークピースもしくは連続的な材料の流れを伴う様々なシステムおよび処理に使用可能であり、処理ステップの少ない、もしくは加えられる材料の少ないツールとワークピースとの位置合わせに適用可能な、向上した位置合わせシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
フォトリソグラフィおよびリソグラフィに使用可能であって様々なツールを伴う位置合わせシステムおよび方法は、ワークピースの微小な固有の特徴を利用してツールをワークピースに位置合わせする。特徴は2回の時期に撮像され、システムは画像からの結果を使用してツールとワークピースとを位置合わせする。2回の時期の間に、ワークピースは、第1の位置に残ってもよい、または第1の位置から移動されて貯蔵もしくはさらなる処理の後に第1の位置に戻されてもよい、または第2の位置に移動されてもよい。連続的な材料の流れを有する実施形態において、ワークピースは、第2の位置に向かって通過するように連続的に移動させられる。リソグラフィおよびフォトリソグラフィの実施形態において、パターンもしくは露光画像は、ワークピースもしくはその一部が第1の位置、第2の位置、第3の位置、もしくは第4の位置に在る状態でワークピースに付加される。内挿法または外挿法が使用されてもよい。ワークピースの変位、回転、歪み、または他の位置決めエラーを示し、位置決めエラーに対する位置合わせの修正を行ってもよい。
【0011】
方法の第1の実施形態は、ワークピースに対するツールの位置合わせを制御する位置合わせの方法である。ワークピースが第1の位置に在る状態で、ワークピースの表面領域における複数の微小な固有の特徴が第1の時期に撮像システムによって検知される。複数の微小な固有の特徴のうちの少なくとも1つが選択される。第1の時期と第2の時期との間で時間が経過する。
【0012】
第2の時期において、撮像システムは、ワークピースの表面領域における複数の微小な固有の特徴を検知する。選択された少なくとも1つの微小な固有の特徴は、第2の時期において制御部によって探知される。選択された少なくとも1つの微小な固有の特徴の探知に基づき、ワークピースに対するツールの位置合わせが制御される。
【0013】
探知は、パターンマッチングまたは位置情報もしくは位置決めエラーの判定を含む。ワークピースに対するツールの位置合わせを制御することにより、ワークピースの予定された位置決めとワークピースの判定された位置決めとの間の差異が補われてもよい。
【0014】
方法の第2の実施形態は、ツールを位置合わせする方法である。ワークピースは、複数の微小な固有の特徴を有する第1の領域を含む。複数の微小な固有の特徴の第1の拡大画像が撮像システムを使用して取り込まれる。第1の画像について、ワークピースは第1の位置に在る。
【0015】
第1の拡大画像が取り込まれた後に時間期間が経過し、複数の微小な固有の特徴の第2の拡大画像が撮像システムを使用して取り込まれる。第1の画像および第2の画像において取り込まれたワークピースの複数の微小な固有の特徴の間で対応が判定される。
【0016】
制御部は、第1の画像と第2の画像との間で対応する微小な固有の特徴を分析するために使用される。第2の画像と比較したワークピースの位置決め情報が判定される。位置決め情報に基づき、ワークピースとツールとの位置合わせが行われる。位置決め情報は、位置決めエラー、変位エラー、回転エラー、または縮尺変化を含んでもよい。
【0017】
システムの第1の実施形態は、位置合わせシステムである。位置合わせシステムは、撮像システムとパターン認識ユニットとを含む。
【0018】
撮像システムは、ワークピースが第1の位置に在る状態でワークピースの領域の第1の画像を取り込むように配置される。撮像システムは、ワークピースの領域の第2の画像を後に取り込むようにさらに配置される。
【0019】
パターン認識ユニットは、第1の画像および第2の画像における微視的に視認可能なワークピースの特有のテクスチャを比較するように構成される。比較から、パターン認識ユニットは位置決め情報を生成する。位置合わせシステムは、ワークピースに対してツールを位置合わせする際に位置決め情報を用いる。
【0020】
システムの第2の実施形態は、リソグラフィのための位置合わせシステムである。リソグラフィのための位置合わせシステムは、第1の高解像度撮像ユニットと、第2の高解像度撮像ユニットと、制御部とを含む。
【0021】
第1の高解像度撮像ユニットは、ワークピースの領域の第1の画像を取り込むように構成される。第1の画像について、ワークピースは第1の位置に在る。
【0022】
第2の高解像度撮像ユニットは、ワークピースの領域の第2の画像を取り込むように構成される。第2の画像は、第1の画像が取り込まれた後に取り込まれる。
【0023】
制御部は、第1および第2の高解像度撮像ユニットと通信する。制御部は、リソグラフィ装置に接続可能であり、リソグラフィ装置とワークピースとの位置合わせを指示するように構成される。
【0024】
制御部は、第1の画像および第2の画像における微視的に視認可能なワークピースの特有のテクスチャを分析する。画像内のテクスチャを分析することにより、制御部は第2の画像に関連したワークピースの位置決めエラーを判定する。位置決めエラーの判定に応答し、制御部は、リソグラフィ装置とワークピースとの位置合わせを指示する。
【0025】
システムの第3の実施形態は、フォトリソグラフィシステムである。フォトリソグラフィシステムは、搬送機構と、マシンビジョンシステムと、投影光学系とを有する。
【0026】
搬送機構は、材料のウェブを移動させるように構成される。材料のウェブの上の領域は、第1の位置から第2の位置を通って第3の位置に移動する。
【0027】
マシンビジョンシステムは、第1の位置において領域を極めて詳細に撮像するように構成される。マシンビジョンは、搬送機構によって第2の位置に移動させられた領域を第2の位置において極めて詳細に撮像するようにさらに構成される。変形例において、領域は第2の位置で停止する、または連続的に第2の位置を通過して移動する。
【0028】
投影光学系は、材料のウェブの上に投影される画像を置くように構成される。投影画像は、材料のウェブの上において第2の位置、第3の位置、または第1の位置と第2の位置との間にある第4の位置に置かれる。
【0029】
第1の位置および第2の位置で撮像された材料のウェブの上の領域は、微視的に視認可能な領域の特有のテクスチャに属する特徴を有する。投影光学系、搬送機構、およびマシンビジョンシステムは、第1および第2の位置で撮像された領域中のテクスチャの相関する特徴の相対的変位を分析することにより、材料のウェブの上の投影画像と領域とを位置合わせするように協働する。ウェブの歪みは、相関する特徴の相対的変位を分析することによって判定されてもよく、投影画像を修正するために歪みマッピングが適用される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】位置合わせシステムと連動する複数の位置にワークピースが示される、本発明に係る位置合わせシステムを示す斜視図である。
図2】ワークピースが第1の位置に在る第1の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれる、ワークピースの領域の第1の画像を示す図である。
図3図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第1の例であって、ワークピースが回転した状態を示す図である。
図4図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第2の例であって、前方向へのワークピースの横変位を示す図である。
図5図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第3の例であって、横方向へのワークピースの横変位を示す図である。
図6図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第4の例であって、斜め方向へのワークピースの横変位を示す図である。
図7図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第5の例であって、膨張によるワークピースの歪みを示す図である。
図8図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれるワークピースの領域の第2の画像の第6の例であって、収縮によるワークピースの歪みを示す図である。
図9図2の第1の取り込み画像に続いて第2の時期に図1の位置合わせシステムによって取り込まれたワークピースの領域の第2の画像の第7の例であって、複数の要因によるワークピースの歪みを示す図である。
図10】ワークピースを移動させる台を使用する図1の位置合わせシステムの変形例を示す斜視図である。
図11】一部が図1の位置合わせシステムまたはその変形例に適したワークピースである材料の連続的なウェブを示す斜視図である。
図12図1の位置合わせシステムまたはその変形例に適した延在するワークピースまたは二部ワークピース、およびそのようなシステムの一部を示す斜視図である。
図13図1の位置合わせシステムおよびその変形例に適した撮像システムの変形例を示す斜視図である。
図14】ワークピースと位置合わせされるツールとして図1の位置合わせシステムまたはその変形例における使用、またはそれと併せた使用に適した、ワークピースに露光画像を投影するフォトリソグラフィ装置を示す斜視図である。
図15A図1の位置合わせシステムまたはその変形例との使用に適した位置合わせの方法を示すフロー図である。
図15B図15Aの方法および図1の位置合わせシステムもしくはその変形例との使用に適した連続的な材料流れの方法を示すフロー図である。
図16A】リソグラフィ装置において図1の位置合わせシステムまたはその変形例との使用に適した位置合わせのさらなる方法を示すフロー図である。
図16B図16Aの方法および図1の位置合わせシステムもしくはその変形例との使用に適した連続的な材料流れの方法を示すフロー図である。
図17図15Aおよび図16Aの方法ならびに図1の位置合わせシステムもしくはその変形例に適した、第1の時期でのワークピースの第1の画像の取り込み動作を示す斜視図である。
図18図15Aおよび図16Aの方法ならびに図1の位置合わせシステムもしくはその変形例に適した、ワークピースの第2の画像を取り込む動作を示す斜視図である。
図19】位置決めエラーもしくは歪みを補い、図1の位置合わせシステムもしくはその変形例との使用に適した空間光変調器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
図1を参照すると、連続的な材料流れを有する実施形態に適用された本発明に係る位置合わせシステム100が示される。位置合わせシステム100は、連続的もしくは非連続的な材料流れに適している。位置合わせシステム100の様々な実施形態は、第1の位置もしくは基準位置から停止せずに第2の位置に向かって通過するように連続的に移動する物品、第1の位置から移動して第2の位置で停止する物品、第1の位置に残る物品、または保存もしくは他の場所でのさらなる処理のために第1の位置から取り除かれ、第1の位置に戻される物品の位置合わせを維持する。位置合わせシステム100の実施形態は、印刷、半導体処理および回路基板処理、ならびにコンピュータを使用した製造、または物品の正確な位置合わせを必要とする他の処理を目的とするリソグラフィおよびフォトリソグラフィに適用可能である。
【0032】
位置合わせシステム100の様々な実施形態において、第1および第2の位置は、システムの異なる書き込み領域もしくは処理領域に対応し得る。物品が第1の位置もしくは基準位置に在る間、カメラもしくはスキャナなどの1つ以上の第1の高解像度撮像ユニットの各々は、物品の特定領域の画像の第1のセットを第1の時期で取り込む。物品が第1の位置に在る状態、または物品が第2の位置に移動した時など、第2の時期では、1つ以上の第2の高解像度撮像ユニットの各々は、第1の時期で第1の位置もしくは基準位置において取り込まれた1つ以上の画像にほぼ対応する物品の特定領域の画像の第2のセットを取り込む。たとえば、物品の移動に伴い、複数セットのストロボカメラを使用して第1および第2の位置のそれぞれにおいて画像を取り込むことができる。ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアを含み得る撮像分析手段は、画像中に取り込まれた物品の固有のテクスチャ、木目、粒状性、または他の特有の特徴を分析する。第1の位置もしくは基準位置において第1の時期で取得された1つ以上の画像は、第2の時期で取得された1つ以上の画像と比較され、第2の画像と比較した物品の位置決めエラーが判定される。このため、第2の画像と比較した物品の位置決めエラーは、第2の画像の取り込み時の物品の位置に関連したものとなる。位置決めエラーの計算は、変位エラー(たとえば、XY方向の位置決め)、回転エラー(たとえば、角度の位置決め)、および物品の膨張もしくは収縮による縮尺の変化を含むことができる。位置決めエラーの計算は、物品の位置間移動のサーボ制御のための基礎として使用することができ、システムの書き込み手段によって使用されるデータの位置的変換のための基礎としても使用することができる。物品は材料の連続的なウェブの一部とすることができる、および/または物品は中間動作時に行われる処理などを受けることができる。
【0033】
図1に示される実施形態において、位置合わせシステム100は、ツール104とワークピース102とを位置合わせする。ワークピース102は、矢印112が指す第1の位置から矢印116が指す第2の位置を通って少なくとも矢印118が指す第3の位置に搬送機構106によって連続的に移動する。第1の位置と第2の位置との中間は、矢印114が指す第4の位置である。撮像システム110は、ワークピースが第1の時期に第1の位置に在る場合に、およびワークピースが第2の時期に第2の位置に在る場合にワークピース102の画像を取り込む。取り込み画像において視認可能なワークピースの微小な固有の特徴を制御部124を使用して分析し、位置合わせシステム100は位置決めエラー情報および/または位置決め情報を導き出し、ツール104とワークピース102とを位置合わせする。
【0034】
様々な実施形態において、位置合わせシステム100は、搬送機構106もしくはその変形例の通信およびツール104との通信を行う単独型システムである。または、位置合わせシステム100は、搬送機構106と一体化されて、ツール104と通信する。または、位置合わせシステム100は、ツール104と一体化されて、搬送機構106と通信する。または、位置合わせシステム100と、ツール104と、搬送機構106とは、システムとして一体となっている。位置合わせシステム100を使用するワークピース102との位置合わせに適したツールは、スタンピング、機械加工、およびペイントもしくはインクベースのリソグラフィなどの機械ツール、フォトリソグラフィ露光システム、レーザーエッチング、およびレーザー加工などの光学ツール、ならびに当業者によって特定もしくは考案され得る他のツールを含む。
【0035】
位置合わせシステム100を使用するツール104との位置合わせに適したワークピースは、処理の様々な段階におけるプリント回路基板材料などの基板、紙、厚紙、様々なプラスチックおよび金属などからなる印刷媒体、個別の物品、ならびに様々な大きさや縦横比を有する材料のロール、材料のウェブ、もしくは材料のシートなどの延在もしくは連続した物品の一部を含む。平坦かつ矩形のワークピース102が図1に示されているが、他の二次元形状および三次元形状を有するワークピースが位置合わせシステム100との使用に適している。撮像システム110によって撮像される領域は、図1に示される領域126より大きくても小さくてもよく、規則的もしくは不規則に成形され、隣接もしくは非隣接したものであってもよい。
【0036】
撮像システム110は、ワークピースが第1の時期で第1の位置に在る状態でワークピース102の領域126の第1の画像を取り込み、ワークピース102が第2の時期で第2の位置に在る状態で領域126の第2の画像を取り込むように配置される。図1に示される実施形態において、撮像システム110は、矢印112が指す第1の位置に向けられた、適切な光学系を有する高解像度カメラなどの第1の撮像ユニット120を有する。撮像システム110は、矢印116が指す第2の位置に向けられた、適切な光学系を有する高解像度カメラなどの第2の撮像ユニット122を有する。撮像システム110の変形例は、第1の位置に向けられた2つ以上のカメラおよび/もしくは第2の位置に向けられた2つ以上のカメラ、1つ以上の再位置決め可能なカメラ、またはカメラの視野を変更もしくは選定するためのミラーもしくはレンズを有する。照明は示されないが、容易に考案される。取り付けハードウェアは示されないが、容易に考案される。ワークピース102に対して直交する視線を有する第1の撮像ユニット120および第2の撮像ユニット122が図1に示されているが、他の取り付け角度および/または視線を採用してもよい。変形例において、第2の撮像ユニット122は、第1の撮像ユニット120よりも小さい倍率もしくは大きい倍率を有し、対応する小さい倍率もしくは大きい倍率で画像を取り込む。一般に、倍率を小さくすると位置決めにおける大きなエラーを探知するのに有用であり、倍率を大きくすると位置決めにおける小さなエラーを探知するのに有用である。撮像ユニットおよび撮像システムのための較正技術は容易に考案され、較正データは容易に位置決めおよびエラー判定に導入される。
【0037】
図2から図9は、ワークピース102の領域126の様々な取り込み画像を示す。画像は、位置合わせシステム100による分析のために、微視的に視認可能なワークピース102の特有のテクスチャ、木目、粒状性、もしくは他の特有の特徴についての詳細を取り込む。取り込み画像において視認可能な固有の特徴のサブセットを識別、選択、および探知することにより、位置合わせシステム100は、ワークピース102についての位置決め情報を導き出すことができる。位置決め情報は、それぞれの取り込み時において画像に取り込まれるワークピース102の領域126に関連したものとなる。ワークピースが第1の位置に残る、または第1の位置に戻される実施形態において、位置決め情報は、第1の位置に関連したものとなる。ワークピースが第1の位置から第2の位置に移動される実施形態において、位置決め情報は、第1の位置および第2の位置に関連したものとなる。座標システム同士の変換、および静止座標系と移動座標系との変換は、容易に考案される。
【0038】
変形例において、微視的に視認可能なテクスチャ、木目、粒状性、または他の固有の特徴は、画像に取り込まれ、分析に使用することができる。さらなる変形例において、微小な、もしくは微視的に視認可能なテクスチャ、木目、粒状性、または他の固有の特徴は、従来の方法で堆積される位置合わせターゲットと併せて画像に取り込むことができ、この組み合わせは、粗い位置合わせおよび微細な位置合わせにおける分析に使用される。
【0039】
図2に示されるように、ワークピース102が第1の時期で第1の位置に在る状態で撮像システム110によって取り込まれる第1の画像200は、画像の視界内のワークピース102の領域126において視認可能なワークピース102の複数の固有の特徴を有する。たとえば、第1の画像200において視認可能な複数の固有の特徴の中に第1の固有の特徴204および第2の固有の特徴206がある。第1の画像200は、第1の位置および第1の時期と関連したワークピース102の基準位置決めを確立する。
【0040】
ワークピースが第1の位置から第2の位置を通過すると、ワークピース102に様々な要因が作用し得る。製作公差、機構の摩耗および断裂、複数のサブシステムにおける加工の位置合わせ交差、搬送機構106における熱膨張もしくは熱収縮、およびシステムのセットアップもしくはメンテナンスの精度調整などがワークピース102の位置決めに影響を与える。ワークピース102自体の熱膨張もしくは熱収縮、または中間ステップでのさらなる処理の結果として起こるワークピース102の相対的変化が、ワークピースの位置決めにさらに影響を与える。
【0041】
図3から図9に示されるように、第2の時期で撮像システム110によって取り込まれる第2の画像300、400、500、600、700、800、および900は、画像の視界内におけるワークピース102の領域126において視認可能なワークピース102の複数の固有の特徴を有する。第1の位置から第2の位置に移動するワークピース102を有する実施形態において、第2の位置でワークピースと実質的に完全に位置合わせされるワークピース102は、第1の位置から第2の位置で撮像システム110の特徴および能力が実質的に完全に複製されたと仮定すると、第2の画像が第1の画像200の実質的に正確な複製となる。しかしながら、第2の画像の様々な例に見られるように、第1の画像から第2の画像への固有の特徴の相対的な位置決めの変化として、ワークピース102の位置決めの変位が第2の画像に見られる。第1の画像200において視認可能な全ての特徴は、必ずしも第2の画像において視認可能となるわけではない。
【0042】
図3を参照すると、第2の画像300の第1の例においてワークピースの固有の特徴に時計回りの回転が見られることから、ワークピース102は時計回りの方向302に回転している。第2の画像300の第1の例に見られるように、第1の固有の特徴304および第2の固有の特徴306は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0043】
図4を参照すると、第2の画像400の第2の例においてワークピースの固有の特徴に右方向の移動が見られることから、ワークピース102は(図面の配向に対して)右方向402に移動している。第2の画像400の第2の例に見られるように、第1の固有の特徴404および第2の固有の特徴406は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0044】
図5を参照すると、第2の画像500の第3の例においてワークピースの固有の特徴に下方向の移動が見られることから、ワークピース102は(図面の配向に対して)下方向502に移動している。第2の画像500の第3の例に見られるように、第1の固有の特徴504および第2の固有の特徴506は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0045】
図6を参照すると、第2の画像600の第4の例においてワークピースの固有の特徴に右斜め下方向への移動が見られることから、ワークピース102は(図面の配向に対して)右斜め下方向502に移動している。第2の画像600の第4の例に見られるように、第1の固有の特徴604および第2の固有の特徴606は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0046】
図7を参照すると、第2の画像700の第5の例においてワークピースの固有の特徴に広がりが見られることから、ワークピース102は拡張方向702に均一に拡張している。第2の画像700の第5の例に見られるように、第1の固有の特徴704および第2の固有の特徴706は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0047】
図8を参照すると、第2の画像800の第6の例においてワークピースの固有の特徴に相互に近接する移動が見られることから、ワークピース102は収縮方向802に均一に収縮している。第2の画像800の第6の例に見られるように、第1の固有の特徴804および第2の固有の特徴806は、第1の画像200における対応する位置決めと比較して変位している。
【0048】
図9を参照すると、ワークピース102には複数の歪みが生じている。固有の特徴には、それぞれ様々な方向に個別の変位が生じている。明瞭化のため、矢印902は変位方向を示し、固有の特徴は図中に示されていない。複数の固有の特徴を探知することにより、位置合わせシステム100は複雑な歪みを示す位置決め情報を生成することができる。
【0049】
図1に戻り、制御部124は、複数の微小な固有の特徴の少なくとも1つについての探知に基づいて、ワークピースに対する位置合わせを制御する。ここで使用される制御部は、処理を制御する装置もしくは装置の一部として広く定義される。制御部124による制御を適用可能な処理は、撮像、処理、分析、認識、選択、探知、判定、計算、データ提供、アルゴリズムの実行、制御、位置合わせ、および実施形態に適切な他の処理を含む。制御部124は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、もしくはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。様々な実施形態において、制御部124は、画像システム、マシンビジョンシステム、パターン認識システム、パターン認識部、探知システム、探知部、またはコンピュータを利用した製造(CAM)システムを含んでもよい、またはその一部であってもよく、市場で入手可能な特定の制御部、処理部、マイクロプロセッサ、もしくはマイクロコントローラであること、またはそれを含むことに限定されない。様々な実施形態において、ワークピースに対する位置合わせの制御に関し、制御部124は、直接的にツールを制御する、ツールとワークピースとの位置合わせを指示する、および/または位置合わせシステムから独立した自己移動ツールもしくはツールシステムによって使用されるデータを提供する。他の組み合わせおよび変形例が考案されてもよい。
【0050】
第1の実施形態において、制御部124は、第1および第2の画像中のワークピース102の微視的に視認可能な固有のテクスチャを比較するように構成されるパターン識別ユニットを含み、パターンユニットは、そこから位置決め情報を生成する。ある変形例において、制御部124は、ワークピースに対するツールの位置合わせに位置決め情報を採用する。さらなる変形例において、制御部124は、ツールまたはツールを操作するさらなる装置に対して位置決め情報を通信し、ツールおよび装置はワークピースに対してツールを位置合わせする。このため、位置合わせシステムは、ワークピースに対するツールの位置合わせに位置決め情報を用いる。
【0051】
第2の実施形態において、制御部124は、撮像システム110と通信し、リソグラフィ装置などのツールに接続可能である、または接続される。制御部124は、第2の画像と比較したワークピースの位置決めエラーの判定に応答してツールとワークピースとの位置合わせを指示するように構成される。制御部124は、第1および第2の画像におけるワークピースの特有の微視的に視認可能なテクスチャを分析する。
【0052】
第3の実施形態において、制御部124は、ワークピース102の領域126が第1の位置に在る状態、およびその後にワークピース102の領域126が第2の位置に在る状態で微視的にワークピース102の領域126を撮像するように構成されたマシンビジョンシステムを含む。マシンビジョンシステムは、第1および第2の位置で撮像された領域の特有の微視的に視認可能なテクスチャに属する相関する特徴の相対的変位を分析することにより、ツールもしくはツールの特徴部とワークピース102の領域126とを位置合わせするように搬送機構106およびツール104と協働する。変形例において、ツールは投影光学系を有するフォトリソグラフィ装置であり、ワークピースと位置合わせされるツールの特徴部は投影画像である。
【0053】
図1および図10図14は、位置合わせシステム100における使用もしくはそれと併せた使用に適した搬送機構、ワークピース、ならびにワークピースと位置合わせされるツールの配置、用例、および位置の様々な例を示す。搬送機構は、手動、ロボット、または他の自動化された操作(たとえば、従来技術において公知のロボット操作部)を含むことができ、ツールと別個または一体にすることができる。ワークピースは、小型もしくは拡張型とすることができる。ワークピースの撮像された領域、およびツールと位置合わせされるワークピースの領域は、区別および分離させる、隣接させる、重複させる、または同一とすることができる。図1および図10図14の各々を参照して概要および詳細が以下に記載されるように、ツールとワークピースの領域との位置合わせは、ワークピースの範囲および撮像された領域と位置合わせされた領域との関係に応じて変化させ、第1の場合において領域が第2の位置に在る状態で行うことができる、第2の場合において領域が第3の位置に在る状態で行うことができる、および/または第3の場合において領域が第4の位置に在る状態で行うことができる。
【0054】
第1の場合において、位置合わせされる領域が第2の位置に在る状態で、位置決め情報および/または位置決めエラーを位置合わせに直接的に適用することができ、位置合わせされる領域と撮像された領域との間のずれが調整される。
【0055】
第2の場合において、位置合わせされる領域が第3の位置に在る状態で、位置決め情報および/または位置決めエラーを位置合わせに外挿および適用することができ、位置合わせされる領域と撮像された領域との間のずれがさらに調整される。位置決め情報および/または位置決めエラーの外挿法は、位置決めエラー傾向のモデル化に基づく位置決めエラーの予測であり、線形外挿法、近似曲線外挿法、経験ベースの外挿法、または当業者によって考案されるさらなるモデルもしくは技術に基づいた外挿法であってもよい。
【0056】
第3の場合において、位置合わせされる領域が第1の位置と第2の位置との間の第4の位置に在る状態で、位置決め情報および/または位置決めエラーを位置合わせに内挿および適用することができ、位置合わせされる領域と撮像された領域との間のずれがさらに調整される。位置決め情報および/または位置決めエラーの内挿法は、位置決めエラー傾向のモデル化に基づく位置決めエラーの予測であり、線形内挿法、近似曲線内挿法、経験ベースの内挿法、または当業者によって考案されるさらなるモデルもしくは技術に基づいた内挿法であってもよい。
【0057】
小型のワークピース、または撮像される領域に対して十分に近い、重複する、または同じとなるように位置合わせされる領域の選択は、位置決め情報が位置合わせに対して直接的に適用された状態で、上記の第2の場合のように位置合わせシステム100を使用して行うことができる。延在したワークピース、ならびに互いに十分に間隔の空けられた位置合わせされる領域および撮像される領域の選択、または複数部品からなるワークピースは、上記の外挿法または内挿法の対象となる。直接的に適用された、外挿された、または内挿された位置決め情報の使用についての設計の決定は、状況に依存するものであり、位置合わせシステム100は、用途に応じて使用することができる。外挿法または内挿法は、位置決め情報および/または位置決めエラーに適用される非ゼロまたはゼロの要因、量、もしくはベクトルをもたらし得て、要因、量、またはベクトルの大きさは、システム公差、位置合わせ公差、または要件もしくは設計や用途などの他の要因に依存してもよい。
【0058】
ワークピース領域および搬送機構は、図1および図10図14を参照して以下で説明される。
【0059】
図1に戻り、連続的な材料流れのための搬送機構106は、端ローラー132および134のまわりに巻かれる搬送ベルト130を有して示される。ワークピース102は、一方の位置から他方の位置に搬送機構106によって移動可能な個別の物品として図1に示される。ワークピース102の第1の領域126は、上記のように撮像システム110によって撮像され、ツール104はワークピース102の第2の領域128と位置合わせされる。第2の領域128は、第1の領域126から離れているものとして示される。変形例において、第2の領域128は第1の領域126に対してより近くてもよく、隣接してもよく、重複してもよく、または同じであってもよい。さらなる変形例において、第2の領域128は、図1に示されるよりも第1の領域126からより長い距離にあってもよい。領域の様々な変形例において、第1および第2の領域は隣り合わせとすることができ、ワークピース102が連続的に搬送機構106によって移動されることに伴い、第2の領域は第1の領域に続くことができる、または第1の領域は第2の領域に続くことができる。たとえば、ある配向において、第2の領域128は第1の領域126よりも先に第2の位置に到達して通過することができる。
【0060】
図10を参照すると、搬送機構106の変形例として、搬送機構の台1004が示される。取り付け部、モーター、ギア、土台、収容部など、搬送機構106の変形例の他の詳細は示されないが、容易に考案される。台1004は、台1004およびワークピース102の第1の位置1020から、台1004およびワークピース102の第2の位置1024(点線で示される)を通り、少なくとも台1004およびワークピース102の第3の位置1026(点線で示される)に連続的に移動し、第1の位置と第3の位置との中間の第4の位置1022を通過する。
【0061】
図10に示されるツールとワークピースとの位置合わせ、およびツールとワークピースとの連動は、位置合わせシステム100に適用可能であり、位置合わせシステム100は、図10に示されるような台を有する搬送機構などの図1の搬送機構106の変形例、ならびに上記の、および以下に記載する様々なタイプおよび形状のワークピースを含む。図10において、撮像システム110についての詳細は示されないが、図1および変形例を参照して考案することができる。
【0062】
図1を参照して記載したように、位置合わせシステム100は、第2の画像の取り込み時のワークピースの位置に関してワークピースの位置決めエラーおよび/または位置決め情報を判定する。位置合わせシステムは、第2の画像と比較して判定された位置決めエラーおよび/または位置決め情報に基づいて、ツールもしくはツールの特徴部とワークピースとを位置合わせする。ツールもしくはツールの特徴部とワークピースとのこのような位置合わせは、1つ以上の位置で行うことができる。
【0063】
図10を参照すると、位置合わせのための位置について第1の場合では、ワークピース102は第2の位置1024に在る。ツール1008またはツール1010は、第2の位置に関して判定された位置決めエラーおよび/または位置決め情報に直接的に基づいて、位置合わせシステム100によって位置合わせされる。ツール1008またはツール1010が、位置決めエラーを判定するために撮像された領域に対して一致する、または非常に近いワークピース102に適用されることから、位置決めエラーおよび/または位置決め情報は、直接的に使用することができる。
【0064】
続けて図10を参照すると、位置合わせのための位置について第2の場合では、ワークピース102は、第3の位置1026に在る。第2の位置に関して判定された位置決めエラーは、第3の位置に関して位置決めエラーを予測するために外挿され、第3の位置1026でのツール1012とワークピース102との位置合わせに適用される。
【0065】
さらに図10を参照すると、位置合わせのための位置について第3の場合では、いくつかの変形例が適用される。ワークピース102(図示)、ワークピースの領域、または複数部品からなるワークピースの物品は、第1の位置1020と第2の位置1024との中間の第4の位置1022に在る。さらなるワークピース、ワークピースのさらなる領域、または複数部品からなるワークピースのさらなる物品、および第2の位置1024に関して判定される位置決めエラーは、第4の位置1022に関して位置決めエラーを予測するために内挿され、第4の位置1022でのツール1006とワークピース102もしくはその変形例との位置合わせに適用される。このため、この第3の場合における第1の変形例において、あるワークピースは、第2の位置に在る1つのワークピースを用いて判定された位置決めエラーを有し、さらなるワークピースは、第4の位置でさらなるワークピースと位置合わせされたツールを有する。この第3の場合における第2の変形例において、延在するワークピースは、第2の位置で撮像された領域と、第2の位置に在る領域に関して判定された位置決めエラーとを有する。延在ワークピースのさらなる領域は、第4の位置に在るさらなる領域と位置合わせされるツールを有する。この第3の場合における第3の変形例において、複数部品からなるワークピースは、第2の位置で撮像された第1の物品と、第2の位置に在る第1の物品に関して判定された位置決めエラーとを有する。複数部品からなるワークピースの第2の物品は、第4の位置で第2の物品と位置合わせされるツールを有する。
【0066】
図11を参照すると、位置合わせシステム100もしくは変形例との使用に適したワークピース1140および搬送機構1100の例が示される。ワークピース1140は、連続的な材料流れに乗っており、材料1110の連続的なウェブの一部である。開始ロール1112は、材料1110の連続的なウェブおよびその一部を供給または提供し、エンドロール1114は、材料1110の連続的なウェブおよびその一部を取り上げる、または巻き取る。搬送機構1100のスプール、ギア、速度および/もしくは位置制御機構、ならびに他のサブシステムは示されないが、容易に考案される。変形例において、材料1110の連続的なウェブは、ピンチローラーを通って引き出され、分離したワークピースとしての分配もしくはさらなる処理のために部分に切り分けられる。
【0067】
ワークピース1140が第1の位置1102のワークピースから移動することに伴い、ワークピースの第1の領域1120およびワークピース1140の第2の領域1122がワークピース1140の一部として動き、材料1110の連続的なウェブの屈曲、伸長、収縮、ならびに他の動きおよび歪みによって相対的な位置が変化する。また、ワークピース1140の第1の領域1120および第2の領域1122には、たとえば機構の摩耗、セットアップの不正確さ、調整、および製作公差など、上で概略的に記載した搬送機構のさらなる特徴の結果として相対的な位置変化が起こる。
【0068】
上記の例と同様に、ワークピース1140は、第1の位置1102に在るワークピースから第2の位置1106に在るワークピースに向かって通過し、少なくとも第3の位置1108に在るワークピースを通って連続的に移動する。ワークピース1140の第1の領域1120は、第1の画像および第2の画像を取り込む撮像システム110(図1を参照、図11には示されていない)により、ワークピースが第1の位置1102に在る状態で撮像され、ワークピースが第2の位置1106に在る状態でさらに撮像される。ワークピース1140の位置決めエラーは、第2の位置に関して、およびワークピース1140の第1の領域1120に関して判定される。少なくとも第1、第2、および第3の場合において、第2の位置に関して判定される位置決めエラーに基づいて、ツールはワークピースと位置合わせされる。
【0069】
位置合わせの第1の場合において、ワークピース自体が第2の位置1106に在る状態で、ワークピースの第1の領域1128は第2の位置に在る。ワークピースの第2の領域1130は、第2の位置に在ると考えられ、位置決め情報は、第2の位置においてツール(図示せず)を第2の領域1130に位置合わせする際に直接的に使用される。代替的に、ワークピースが延在ワークピースであると考えられ、第2の領域1130が第1の領域1128に対して十分に近くないと考えられる場合、ワークピースの第2の領域1130は第1の位置と第2の位置との間の第4の位置に在ると考えられ、位置合わせの第3の場合にあるように、第4の位置でツール(図示せず)を第2の領域1130に位置合わせする際に位置決め情報の内挿法が使用される。
【0070】
位置合わせの第2の場合において、ワークピースの第2の領域1134は第3の位置に在る。2つの変形例がこのような構成を可能とする。第1の変形例において、図11に示すように、ワークピースは第2の位置を通過し、第3の位置1108に在る。ワークピースが第1の位置1102および第2の位置1106に在る状態で第1の領域を撮像することによって導き出される位置決め情報は、外挿され、第3の位置でツール(図示せず)を第2の領域1134に位置合わせするために使用される。第2の変形例において、延在ワークピース(外形は示されていないが、図11によって導き出され得る)は、第1の領域1128を第2の位置1106に有し、第2の領域1134を第3の位置1108に有する。第1の領域1128を第2の位置1106で撮像することによって導き出される位置決め情報は、外挿され、第3の位置でツール(図示せず)を第2の領域1134に位置合わせするために使用される。
【0071】
位置合わせの第3の場合において、ワークピースの第2の領域1126は、第4の位置に在る。2つの変形例がこのような構成を可能とする。第1の変形例において、図11に示すように、ワークピースは複数部品からなるワークピースとして考えられ、第4の位置1104に在るワークピースの一部は複数部品からなるワークピースの第2の物品として考えられ、第2の位置1106に在るワークピースの一部は複数部品からなるワークピースの第1の物品として考えられる。第2の位置1106に在るワークピースの第1の領域1128は、撮像され、複数部品からなるワークピースの第1の物品の第1の領域を第2の位置で撮像したものと考えられる。この撮像から導き出される位置決め情報は、内挿され、ワークピースが第4の位置1104に在る状態での第2の領域1126に対するツール(図示せず)の位置合わせに適用され、複数部品からなるワークピースの第2の物品の第2の領域1126に対する第4の位置での位置合わせとして考えられる。第2の変形例において、ワークピースは、延在ワークピース(外形は示されていないが、図11によって導き出され得る)であり、位置合わせのために、第2の位置1106で撮像された第1の領域1128と、第4の位置1104に第2の領域1126とを有する。位置決め情報は、内挿され、第4の位置1104で第2の領域1126にツール(図示せず)を位置合わせする際に適用される。
【0072】
図12を参照すると、延在する、もしくは複数部品からなるワークピース1202は、第1の領域1208を有する第1の物品1206と第2の領域1210を有する第2の物品1204とを含む。延在する、もしくは複数部品からなるワークピース1202は、第1の位置1212に在る。第2の領域1210は、位置合わせシステム100の変形例を使用したツール1236への位置合わせの対象である。
【0073】
撮像システム1234は、第1の領域1208、第1の物品1206、および延在する、もしくは複数部品からなるワークピース1202が第1の位置1212に在る状態で、第1の撮像ユニット1230を使用し、第1の領域1208の第1の画像(図示せず)を取り込む。容易に考案される連続的な材料流れ搬送機構(図示せず)は、延在する、もしくは複数部品からなるワークピース1202を第1の位置1212から第2の位置1216に向けて通過して移動させる。撮像システム1234は、第1の領域1240および第1の物品1220が第2の位置1216に在り、第2の領域1242および第2の物品1218が第1の位置と第2の位置との間の第4の位置1214に在る状態で、第2の撮像ユニット1232を使用し、第2の位置1216で第1の領域1240の第2の画像(図示せず)を取り込む。位置決め情報および/または位置決めエラーは、上記のように第1および第2の画像の解析から導き出され、第4の位置1214での第2の領域1242に対するツール1236の位置合わせに適用される。位置決め情報および/または位置決めエラーの内挿法が適用される。位置合わせの変形例および他の場合において、第1の物品1206および第2の物品1204は分離され、示される配向とは逆にされ得る。また、領域がさらなる位置に在る状態でツールと領域とを位置合わせすることができ、また、複数部品からなるワークピースと関連付けた物品を有することなどができる。
【0074】
図13を参照すると、撮像システム110の変形例が示される。複数の撮像ユニット1302、1304、1306、および1308は、ワークピース1310のそれぞれの領域の画像に適用される。撮像ユニット1302、1304、1306、および1308は、直交配列に配置され、複数の撮像ユニットのうちの1つに相当する解像度を有する単一の撮像ユニットよりも正確な位置決め情報を生成することができる。
【0075】
撮像システム110のさらなる変形例において、撮像ユニットは、複数の画像を時間順次に取り込む。撮像ユニットは、複数のレンズまたはミラーを用いて並行して複数の画像を取り込む。撮像システムは、ある位置に在る単一の撮像ユニットと他の位置に在る複数の撮像ユニットとを結合する。撮像ユニットは、1つ以上の位置に向けることができる。撮像ユニットは、非直交配列で配置される。撮像システム110は、1つ以上のストロボカメラを含むことができ、たとえば、第1のストロボカメラは第1の位置に向けられ、第2のストロボカメラは第2の位置に向けられる。ワークピースが特定の位置に在る状態でワークピースの画像を取り込むように2つ以上の撮像ユニットを配置することができる。
【0076】
図14を参照すると、ワークピース1406と位置合わせされたツールの例が示され、ツールはワークピース1406に対する処理を行う。ツールは、フォトリソグラフィ装置1402であり、位置合わせシステム100もしくはその変形例を使用したワークピース1406との位置合わせに適している。パターンは、フォトリソグラフィ装置1402によってワークピース1406の領域1430に付加されている。パターンを、たとえばマスクもしくは空間光変調器を含むフォトリソグラフィ装置1402の投影光学系からワークピースに対して投影することができる。フォトリソグラフィ装置1402とワークピース1406とを位置合わせするために、ワークピース1406を再位置決めすることができ、または、フォトリソグラフィ装置1402を再位置決めすることができ、または、フォトリソグラフィ装置1402の特徴を調整することができ、またはこれらの組み合わせを適用することができる。ワークピース1406の再位置決めにおいて、ワークピース1406の横位置決めは、ワークピース1406を左右方向1410、前後方向1412、または回転方向1416に動かすことによって調整することができる。フォトリソグラフィ装置1402の再位置決めにおいて、フォトリソグラフィ装置1402の横位置決めは、左右方向1418、前後方向1420、もしくは回転方向にフォトリソグラフィ装置1402を動かすことによって調整することができる。または、フォトリソグラフィ装置1402の角度的な位置決めは、フォトリソグラフィ装置1402を側側傾斜方向1424もしくは前後傾斜方向1422に傾斜させることによって調整することができる。位置合わせを行うために調整されるフォトリソグラフィ装置1402の適切な特徴は、投影画像(投影画像は図示せず)の光路1432である。例として、光路1432は、レンズ1404もしくは他の光学要素を2つの直交する傾斜方向1428および1426に傾斜させることにより調整される。上記の調整および/または直交もしくは他の角度調整の組合せが考案されてもよい。ワークピース1406の位置決めおよびフォトリソグラフィ装置1402の位置決めのための他の技術、機構、角度などは、当業者によって考案され得る。ワークピースと位置合わせされる、もしくはワークピースに付加される投影画像および関連するパターンは、パターンが位置合わせされる領域より大きくても小さくてもよく、そのような領域に重複もしくは隣接させることができる。
【0077】
図14のフォトリソグラフィ装置1402の例が示すように、開示される位置合わせの方法、位置合わせシステム、フォトリソグラフィシステム、および変形例への適用において、ツール、ツールの特徴部、ワークピース、もしくはこれらの組み合わせは、考案され得る様々な方法により再位置決め、調整、移動、および照準させることができる。様々な搬送機構、ツール、取り付け部、組立体の集合、通信機構、微細および粗い位置決め機構などが適用可能である。
【0078】
例として、フォトリソグラフィシステムにおいて、図14のフォトリソグラフィ装置1402などにおける投影光学系、図1の搬送機構106、および制御部124を参照して記載されるマシンビジョンシステムは、協働して投影画像とワークピース102の領域126とを位置合わせする。
【0079】
図15Aおよび図15Bを参照すると、連続的な材料流れ1502の有無に関わらず実施され得る位置合わせの方法1500が示される。方法1500は、ワークピースが2つの位置の各々に在る状態で撮影されるワークピースの表面領域の微小な固有の特徴を伴う様々な処理を使用する。ツールと連動する、またはツールを含む、およびワークピースと連動する位置合わせシステムの様々な部材は、方法の様々な動作を行う。
【0080】
連続的な材料流れ(1502)において、ワークピースは、連続的に(1504)第1の位置から(1506)第2の位置に向かって通過し(1508)、第3の位置へ移動する(1510)。ワークピースは、第2の位置で停止しない。変形例において、ワークピースは、第1の位置で停止する、もしくは停止せず、ワークピースは、第3の位置で停止する、もしくは停止しない。
【0081】
対照的な例として、非連続的な材料流れ(図示せず)において、ワークピースは、第3の位置への途中の第2の位置で停止する。非連続的な材料流れのさらなる例において、ワークピースは、第2の位置への途中の第4の位置で停止する。
【0082】
方法1500によれば、ワークピースが第1の位置に在る(1512)第1の時期において、ワークピースの表面領域の微小な固有の特徴が撮像システムによって検知される(1514)。少なくとも1つの固有の特徴が選択される(1516)。
【0083】
時間が経過した後、第2の時期において(1518)、選択された固有の特徴が撮像システムによって検知され(1520)、選択された固有の特徴が探知される(1522)。変形例において、第2の時期では、ワークピースは第1の位置または第2の位置に在ってもよい。
【0084】
ワークピースへの位置合わせは、選択された固有の特徴の探知(1528)に基づいて(1526)、制御される(1524)。変形例においては、2つ以上の固有の特徴が選択および探知され、位置合わせは、選択された固有の特徴の探知に基づく。
【0085】
ある変形例において、探知は、パターンマッチングを含む。第1の画像からの固有の特徴のパターンは、最良適合、最良マッチング、パターン認識、または他のアルゴリズムもしくは技術などのパターンマッチングを使用して、第2の画像においてマッチングされる。
【0086】
ある変形例において、ワークピースへの位置合わせは、リソグラフィ装置において制御される。フォトリソグラフィ装置は、リソグラフィ装置の1種であり、ワークピースへの位置合わせのさらなる対象である。リソグラフィ装置は、ワークピースが第1の位置、第2の位置、第3の位置、または第4の位置に在り、位置合わせが上記のように制御される状態において、パターンをワークピースに付加することができる。露光画像は、ワークピースが上記の位置のうちの1つに在り、位置合わせの制御によって露光画像がワークピースと位置合わせされた状態で、フォトリソグラフィック装置によってワークピースに投影することができる。
【0087】
ある変形例において、第2の時期におけるワークピースの予定される位置決めは、第2の時期において判定されたワークピースの位置決めと比較される。ワークピースに対する位置合わせを制御することにより、予定される位置決めと判定された位置決めとの間の差が補われる。予定される位置決めと判定された位置決めとの間の差は、位置決めエラーである。このため、ワークピースに対する位置合わせを制御することにより、位置決めエラーが補われる。予定される位置決め、判定された位置決め、および位置決めエラーは、位置決め情報の種類である。
【0088】
ある変形例において、微小な固有の1つの特徴もしくは複数の特徴の探知に基づいて、ワークピースの歪みが判定される。固有の特徴をより多く探知することにより、ワークピースのより複雑な歪みの判定が可能となる。関連する変形例においては、ワークピースの位置合わせを制御することにより、ワークピースの歪みが補われる。
【0089】
図16Aおよび図16Bを参照すると、リソグラフィ装置における位置合わせの方法1600が示される。方法1600は、連続的な材料流れ(1602)の使用の有無に関わらず実施されてもよい。方法1600は、図15Aに示される位置合わせの方法1500の変形例であり、ワークピースとの正確な位置合わせに適したツールであるリソグラフィ装置に適用される。リソグラフィ装置は、印刷リソグラフィにおける印刷インクもしくはペイントパターン、またはフォトリソグラフィにおける露光パターンなどのパターンをワークピースに付加する。正確なリソグラフィのために、パターンはワークピースと位置合わせされるべきである。パターンが付加された後にワークピースを位置合わせしようとすると、ワークピースと正確に位置合わせされずにワークピースにパターンが付加されるため、パターンは、位置合わせの後にワークピースに付加される。
【0090】
リソグラフィ装置の連続的な材料流れ(1602)において、ワークピースは、連続的に(1604)第1の位置から(1606)第2の位置を通って(1608)少なくとも第3の位置へ移動する(1610)。ワークピースは、第2の位置で停止しない。変形例において、ワークピースは、第1の位置において停止した状態から始まって移動し、または動いた状態から始まって移動し、第3の位置で停止する、または連続的に移動して第3の位置を通る。
【0091】
方法1600によれば、第1の時期において、撮像システムを使用して第1の拡大画像が取り込まれる(1616)。第1の画像について、ワークピースは第1の位置に在る(1612)。ワークピースの第1の領域の微小な固有の特徴は、第1の画像に取り込まれる。
【0092】
第2の拡大画像は、第2の時期において(1618)、撮像システムを使用して取り込まれる(1620)。第2の画像について、変形例において、ワークピースは、第1の位置または第2の位置にあってもよい。ワークピースの第1の領域の微小な固有の特徴は、この第2の画像においてさらに取り込まれる。
【0093】
第1および第2の画像で取り込まれた固有の特徴間の対応(1622)が判定される(1624)。
【0094】
ワークピースの位置決め情報(1626)が判定される。位置決め情報は、第2の位置と関連したものであり、画像の分析において第1および第2の画像に取り込まれた固有の特徴の間で判定された対応を画像の分析において使用する。
【0095】
ワークピースおよびツールは、位置決め情報に基づいて(1630)位置合わせされる(1628)。変形例において、たとえばリソグラフィ装置からのワークピースおよびパターンは、位置決め情報に基づいて位置合わせされる。
【0096】
ある変形例において、第1および第2の画像の固有の特徴の対応の判定、および/または位置決め情報の判定は、画像に対してパターンマッチングを適用することを含む。パターンマッチングは、第1および第2の画像の両方に同じ固有の特徴が現れているかを判定するため、または第1の画像と比較して第2において同じ固有の特徴が移動しているかを判定するために、画像に適用される。
【0097】
ある変形例において、第1の時期でワークピースの2つ以上の拡大画像が取り込まれ、第2の時期でワークピースの2つ以上の拡大画像が取り込まれる。
【0098】
位置決めエラーは、変位エラー、回転エラー、ならびに/または縮尺変化もしくは他の歪み情報を含む。ある変形例において、ワークピースの位置決めエラーは、ワークピースの第1の微小な固有の特徴の第1の位置決めエラーと、第2の微小な固有の特徴の第2の位置決めエラーとを含む。
【0099】
変形例において、リソグラフィ装置によるワークピースとワークピースに付加されるパターンとの位置合わせは、様々な方法により実現される。ワークピースの横位置決めは調整することができる。ワークピースにパターンを付加する投影光学ユニットを有するリソグラフィ装置において、露光のタイミングは、位置決めエラーを補うように調整することができる。ワークピースにパターンを付加する空間光変調器を有するフォトリソグラフィ装置においては、空間光変調器のデータセットを調整することにより、位置決めエラーを補うことができる。
【0100】
空間光変調器のデータセットを調整することにより、位置決めエラーに示されるように、ワークピースの歪みをさらに補うことができる。例として、歪みマッピングは、判定された位置決めエラーに示される歪みに基づいている。歪みマッピングは、空間光変調器のデータを変更するために適用され、歪みマッピングデータを使用して空間光変調器によってワークピースに付加されたパターンが、ワークピースの歪みを補う。
【0101】
図17および図18を参照すると、ワークピースの第1および第2の画像を取り込む動作は、様々な搬送機構が隔離された状態、および期間と関連して示される。期間は、図17中の時計の設定によって示される第1の時期1708と、図18中の時計におけるさらなる設定によって示される第2の時期1808との間の時間の経過である。
【0102】
図17において、撮像ユニット1706は、第1の時期1708において、ワークピース1702の領域1704の第1の画像を取り込んでいる。ワークピース1702は、第1の位置に在る。
【0103】
第1の画像が取り込まれた後、期間もしくは時間が経過する。第1の時期1708と第2の時期1808との間の期間において、ワークピース1702は第1の位置に残ってもよく、矢印1710が指すように第2、第3、もしくは第4の位置に移動されてもよく、矢印1712が指す第1の位置からさらなる処理のために貯蔵位置に移動され、矢印1714が指す第1の位置に戻されてもよい。第1の位置に残る、第1の位置に戻る、もしくはさらなる位置に移動するワークピース1702のこれらの様々な例は、様々なシステムおよび搬送機構に適用可能であり、位置合わせシステム100、方法1500、1600、および変形例の柔軟性を示す。第1および第2の画像の取り込みの間の期間もしくは時間は、定められたシステムもしくは状況に応じて短くしてもよく、長くしてもよい。期間においてワークピースに追加の処理が発生するかどうか、および位置決めの変化もしくは歪みが発生するかどうかについても、定められたシステムもしくは状況に応じたものとなる。
【0104】
図18において、第1の時期1708より後の第2の時期1808でワークピース1702の領域1704の第2の画像が取り込まれている。変形例において、第2の画像は、撮像ユニット1706によって、さらなる撮像ユニット1810によって、または1つ以上の撮像ユニットを有する撮像システムによって取り込まれる。撮像ユニット1706、1810、またはツール1812は、様々なシステムにおいて静止したもの、または移動可能なものとすることができる。変形例において、第2の画像は、ワークピースの手動搬送もしくはワークピースの搬送機構を伴うシステムにおいて、ワークピースが第1の位置に在る状態で、またはワークピースが第2の位置に在る状態で取り込まれる。
【0105】
図19を参照すると、空間光変調器1902は、位置合わせシステム100もしくはその変形例を使用するフォトリソグラフィシステムにおいて、ワークピース1904の位置決めエラーもしくは歪みを補うことができる。フォトリソグラフィ装置における投影光学系の一部とすることができる空間光変調器1902は、ワークピース1904の上に画像1906を投影する。パターンデータ1908は、位置決め情報1910を適用する制御部1914によって変更される。位置決め情報1910は、位置決めエラーおよび/または歪みマッピングを含むことができる。制御部1914からの変更されたパターンデータ1912は、制御部1914に提供される位置決め情報1910に基づいてワークピース1904の位置決めエラーおよび/または歪みを投影画像1906が修正するように、空間光変調器1902に送られる。さらなる例において、連続的な材料流れを使用するシステムについて、位置決め情報1910は、空間光変調器1902からの投影画像を計時することができるように、またはパターンデータを調整もしくは変更して移動するワークピースのタイミングをマッチングさせることができるように、タイミング情報を含むことができる。
【0106】
示されるように、位置合わせシステム100、方法1500、1600、およびその変形例は、様々なワークピースまたは連続的もしくは非連続的な材料流れと併せて使用可能であり、少ない前処理ステップもしくは適用される材料、ならびに複数の前処理ステップもしくは適用される材料を伴うツールとワークピースとの位置合わせに適用可能である。位置合わせシステム、方法、および変形例は、位置合わせマスクからの事前に堆積した位置合わせレクチルパターンを有さない、または位置合わせレクチルパターンと連動して使用することができるワークピースに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18
図19