【実施例】
【0075】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0076】
調製例1
攪拌装置、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に、ナフトール100質量部、メチルエチルケトン90質量部およびジラウリン酸ジブチルスズ0.1質量部を仕込み、60℃まで昇温させた。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート〔昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI〕105質量部を2時間かけて反応容器内に滴下し、3時間熟成させた。
【0077】
次に、前記で得られた反応溶液をn−ヘキサン2000質量部に添加し、析出物を回収し、エバポレーターで当該析出物の質量変化がなくなるまで乾燥させることにより、2−(ナフトキシカルボニルアミノ)エチルメタクリレート(以下、NFMという)を得た。
【0078】
実施例1
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0079】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ベンジルメタクリレート45質量部、n−ブチルメタクリレート30質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6000であった。
【0080】
なお、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価、酸価、エポキシ当量および重量平均分子量は、以下の方法に基づいて測定した。
【0081】
〔水酸基価〕
JIS−K1557に基づいて測定した。
【0082】
〔酸価〕
JIS−K5601に基づいて測定した。
【0083】
〔エポキシ当量〕
JIS−K7147に基づいて測定した。
【0084】
〔重量平均分子量〕
テトラヒドロフランを展開溶媒とし、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー〔(株)東ソー製、品番:HLC−8320GPC〕で測定した。
【0085】
次に、前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0086】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を以下の方法に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
【0087】
〔クリヤーコート組成物の物性の測定方法〕
(1)屈折率
クリヤーコート組成物をポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、塗膜が形成されたフィルムを100℃の恒温槽内に20分間入れて乾燥させることにより、試験片を作製した。得られた試験片の塗膜の屈折率をプリズムカプラー(Metricon社製、商品名:Model 2010)で測定した。
【0088】
(2)光沢感および着色性
(被塗物の作製)
カチオン電着した鋼板上に中塗り塗料〔日本ペイント(株)製、商品名:オルガーP−5U〕を乾燥後の塗膜の厚さが30μmとなるように塗布し、140℃の雰囲気中で20分間加熱した後、形成された塗膜上に黒色に着色されたベース塗料〔日本ペイント(株)製、商品名:アクアレックスAR2100〕を乾燥後の塗膜の厚さが10μmとなるように塗布し、80℃の雰囲気中で10分間加熱することにより、被塗物Aを作製した。
【0089】
ポリプロピレン製樹脂板の表面を洗浄し、脱脂した後、プライマー〔日本ビー・ケミカル(株)製、品番:RB116〕を乾燥後の塗膜の厚さが10μmとなるように塗布し、80℃の雰囲気中で10分間加熱した後、形成された塗膜上に黒色に着色されたベース塗料〔日本ビー・ケミカル(株)製、品番:R301〕を乾燥後の塗膜の厚さが10μmとなるように塗布し、80℃の雰囲気中で10分間加熱することにより、被塗物Bを作製した。
【0090】
(試験片の作製)
表1に示す被塗物Aまたは被塗物Bの表面上に乾燥後の塗膜の厚さが30μmとなるようにクリヤーコート組成物を塗布し、100℃の雰囲気中で20分間加熱することにより、試験片を作製した。
【0091】
この試験片を用いて塗膜を構成している官能基含有(メタ)アクリレート系重合体のガラス転移温度を熱機械分析装置〔セイコーインスツルメンツ(株)製、品番:TMA/SS−6000〕で測定したところ、当該官能基含有(メタ)アクリレート系重合体のガラス転移温度は40℃であった。
【0092】
A.光沢感
前記で得られた試験片の塗膜を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:塗膜に非常に強い光沢が存在する。
○:塗膜に強い光沢感がある。
△:塗膜に光沢感がやや存在する。
×:塗膜に光沢感が存在しない。
【0093】
B.着色性
紫外可視分光光度計〔日本分光(株)製、品番:V−660〕を用いて試験片の塗膜におけるb
*を測定した。なお、b
*の値が小さいほど、塗膜は無色透明となる。
【0094】
実施例2
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0095】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ベンジルメタクリレート75質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6000であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は55℃であった。
【0096】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0097】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0098】
実施例3
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0099】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート15質量部、スチレン60質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は4000であった。
【0100】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0101】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0102】
実施例4
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0103】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート30質量部、スチレン45質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は4500であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0104】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0105】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0106】
実施例5
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0107】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート55質量部、ベンジルメタクリレート20質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は5000であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度硬度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0108】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0109】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0110】
実施例6
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0111】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM25質量部、スチレン50質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6500であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は75℃であった。
【0112】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0113】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0114】
実施例7
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0115】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6200であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は90℃であった。
【0116】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0117】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0118】
実施例8
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0119】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および4−ヒドロキシプチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6000であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は80℃であった。
【0120】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0121】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0122】
実施例9
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0123】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート15質量部、ベンジルメタクリレート60質量部、n−ブチルメタクリレート10質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は72mgKOH/g、重量平均分子量は5500であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0124】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0125】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0126】
実施例10
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0127】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート30質量部、ベンジルメタクリレート20質量部、n−ブチルメタクリレート20質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート30質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は145mgKOH/g、重量平均分子量は5500であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度硬度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0128】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0129】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0130】
実施例11
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0131】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート15質量部、スチレン60質量部およびグリシジルメタクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基としてエポキシ基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体のエポキシ当量が570g/当量、重量平均分子量は4900であった。
【0132】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジメチルベンジルアミン1.0質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とアジピン酸の官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにアジピン酸を混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0133】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0134】
実施例12
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0135】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ベンジルメタクリレート50質量部、ブチルメタクリレート40質量部およびメタクリル酸10質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基としてカルボキシ基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の酸価が20mgKOH/g、重量平均分子量は6300であった。
【0136】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジメチルベンジルアミン1.0質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)と2官能反応型エポキシ樹脂〔(株)ADEKA製、商品名:アデカグリシロールED−503〕の官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるように2官能反応型エポキシ樹脂〔(株)ADEKA製、商品名:アデカグリシロールED−503〕を混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0137】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0138】
実施例13
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0139】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ポリエチレングリコールモノメタクリレート〔日本乳化剤(株)製、商品名:MA−50A〕20質量部およびNFM80質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価が35mgKOH/g、重量平均分子量は6000であった。
【0140】
次に、前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0141】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0142】
実施例14
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0143】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6200であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は90℃であった。
【0144】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部と、ジルコニアフィラーのメチルエチルケトン分散液(ジルコニアフィラーの平均粒子径:10nm、ジルコニアフィラーの含有率:30質量%)20質量部と、ジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0145】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0146】
実施例15
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0147】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート30質量部、スチレン45質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は4500であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0148】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0149】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0150】
実施例16
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0151】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、9−アントリルメチルメタクリレート55質量部、ベンジルメタクリレート20質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は5000であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度硬度は、硬度が高いことから測定することができなかった。
【0152】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0153】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0154】
実施例17
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0155】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6200であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は90℃であった。
【0156】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0157】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0158】
実施例18
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0159】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および4−ヒドロキシプチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6000であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は80℃であった。
【0160】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0161】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0162】
実施例19
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0163】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ポリエチレングリコールモノメタクリレート〔日本乳化剤(株)製、商品名:MA−50A〕20質量部およびNFM80質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価が35mgKOH/g、重量平均分子量は6000であった。
【0164】
次に、前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部とジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0165】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0166】
実施例20
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0167】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、前記で得られたNFM75質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/g、重量平均分子量は6200であり、前記と同様にして作製した試験片の塗膜のガラス転移温度は90℃であった。
【0168】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部と、ジルコニアフィラーのメチルエチルケトン分散液(ジルコニアフィラーの平均粒子径:10nm、ジルコニアフィラーの含有率:30質量%)20質量部と、ジブチル錫ジラウレート0.5質量部とを混合し、官能基含有(メタ)アクリレート系重合体が有する官能基の総量(モル)とヘキサメチレンジイソシアネートの官能基の総量(モル)とのモル比が1:1となるようにヘキサメチレンジイソシアネートを混合することにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0169】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0170】
比較例1
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内に酢酸ブチル230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0171】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ベンジルメタクリレート7質量部、n−ブチルメタクリレート70質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/gであった。
【0172】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部に金属微粒子〔日産化学工業(株)製、商品名:ナノユースOZ−30M〕30質量部を分散させることにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0173】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0174】
比較例2
攪拌装置、窒素ガス導入管、冷却管、温度計および連続滴下用の滴下ロートを備えた反応容器内にシクロペンタノン230質量部を入れ、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下で80℃まで昇温させた。
【0175】
次に、80℃の温度を維持しながら反応容器内にアゾビスイソブチロニトリル10質量部を添加し、当該アゾビスイソブチロニトリルを反応容器内の内容物に溶解させた後、ベンジルメタクリレート7質量部、n−ブチルメタクリレート70質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート25質量部を3時間かけて反応容器内に滴下させた。滴下終了後、反応容器の内容物を80℃で4時間維持することにより、官能基として水酸基を有する官能基含有(メタ)アクリレート系重合体を得た。得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体の水酸基価は121mgKOH/gであった。
【0176】
前記で得られた官能基含有(メタ)アクリレート系重合体100質量部に金属微粒子〔日産化学工業(株)製、商品名:ナノユースOZ−30M〕30質量部を分散させることにより、クリヤーコート組成物を得た。
【0177】
前記で得られたクリヤーコート組成物の物性として、屈折率、光沢感および着色性を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0178】
【表1】
【0179】
以上の結果から、各実施例で得られたクリヤーコート組成物は、着色性が低く、充填材を用いなくても高屈折率を有し、充填材を用いた場合であっても光沢感に優れ、厚膜に塗布することができるものであることがわかる。実施例7と実施例14との対比から、実施例14のように充填材を使用した場合には、塗膜の屈折率を高めることができるとともに、充填材が用いられていても光沢感に優れ、厚膜に塗布することができることがわかる。