特許第6157480号(P6157480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6157480
(24)【登録日】2017年6月16日
(45)【発行日】2017年7月5日
(54)【発明の名称】雪を造成する装置
(51)【国際特許分類】
   F25C 3/04 20060101AFI20170626BHJP
   F25C 1/00 20060101ALI20170626BHJP
【FI】
   F25C3/04
   F25C1/00 301Z
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-532280(P2014-532280)
(86)(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公表番号】特表2014-534403(P2014-534403A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】EP2012004110
(87)【国際公開番号】WO2013045116
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年9月29日
(31)【優先権主張番号】99-2011
(32)【優先日】2011年10月1日
(33)【優先権主張国】SK
(73)【特許権者】
【識別番号】513278220
【氏名又は名称】オケアノス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Okeanos Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】サムエル グレガ
(72)【発明者】
【氏名】ズザナ ムルチィンコヴァ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴヴァ リンダ ノイローア
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/075689(WO,A1)
【文献】 特公昭46−005873(JP,B1)
【文献】 米国特許第06161769(US,A)
【文献】 特開昭62−026467(JP,A)
【文献】 特開平04−116362(JP,A)
【文献】 特開平09−210525(JP,A)
【文献】 特開平03−251668(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0294547(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 3/04
F25C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング装置(2.2)が接続されるポンプ装置(2.1)を備えた低圧ハイドロリック装置(2)と、
スノーガン(3.3)および/または雪を造成する別の装置(3.4)を有する高圧装置(3)が接続される、少なくとも1つの高圧ポンプを備えた分配装置と、を有する、雪を造成する置であって、
低圧装置(2)および/または高圧装置(3)は、メイン励起装置(2.3)および/または吐出側励起装置(3.5)を有しており、前記メイン励起装置(2.3)は、リーニング装置(2.2)の下流側に配置されているか、もしくは低圧装置(2)のポンプ装置(2.1)ならびに貯水部(2.11)に、または前記ポンプ装置(2.1)および前記貯水部(2.11)の上流側に配置されており、
前記吐出側励起装置(3.5)は、記高圧装置(3)においてスノーガン(3.3)および/または雪を造成する別の装置(3.4)の上流側に配置されており、
前記メイン励起装置(2.3)は、1つの共通の室(2.42)を有しており、該共通の室(2.42)の流入開口(2.45)の近傍に、制御電極(2.43)が配置されており、かつ前記共通の室(2.42)の流出開口(2.46)の近傍に、分極電極(2.44)が配置されており、
少なくとも前記共通の室(2.42)の一部で、シース(膜)(2.421)および制御電極(2.43)が、固定的にまたは取外し可能に高出力源(8)に接続されており、該高出力源(8)は、0.1〜100Wの強さで100〜500MHzの電磁的な交流信号を出力する、
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記メイン励起装置(2.3)は、第2の制御された開閉機構(2.31)を備えた流入側のハイドロリック分岐路を有し、該流入側のハイドロリック分岐路は、少なくとも1つの温度測定器(2.32)および/または圧力測定器(2.33)を備えた分配分岐路に通じており、
前記流入側のハイドロリック分岐路と流出側のハイドロリック分岐路との間に、少なくとも1つの励起装置(2.35)が固定的にかつ/または取外し可能に取り付けられており、制御されたメイン開閉機構(2.31)およびメイン開閉機構(2.36)に通じている、請求項記載の装置。
【請求項3】
前記吐出側励起装置(3.51)は、1つの共通の室(3.42)を有していて、流入側のシース(膜)(3.490)の流入開口(3.45)の近傍に、制御電極(2.43)が配置されていて、流出側のシース(膜)(3.461)の流出開口(3.46)の近傍に、分極電極(3.44)が配置されていて、前記流入側のシース(膜)(3.490)と前記流出側のシース(膜)(3.491)とは変形シース(膜)(3.47)を介して互いに結合されており、
前記制御電極(3.43)は、前記高出力源(8)に固定的にまたは取外し可能に接続されており、該高出力源(8)は、0.1〜100Wの強さで100〜500MHzの電磁的な交流信号を出力する、請求項記載の装置。
【請求項4】
前記制御電極(3.43)は、ケイ酸塩またはセラミックら成る試験管または管の形態のシースを有しており、
前記制御電極(3.43)内には、ロッド状および/または螺旋状アンテナ(3.42)が配置されており、
前記分極電極(3.44)は、類似して構成されているが、内部に固体状、液体状または気体状の分極材料(3.44)を有している
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記制御電極(3.43)および前記分極電極(3.44)のガラスから成る前記シース(3.41)の主な部分はSであり、30MPaの引張強度および2.53g cm−3の密度を有している、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記制御電極(3.43)および前記分極電極(3.44)の前記シース(3.41)は、少なくとも99.7%のAl含有量を有する酸化物系の焼結セラミックから成っており、380〜400GPaの引張弾性係数と、300MPaの曲げ強度と、3.8g cm−3の密度とを有している、請求項記載の装置。
【請求項7】
前記制御電極(3.43)および前記分極電極(3.44)の前記シース(3.41)は、複合セラミックC/SiCから成っており、2.65g cm−3の密度と、250〜350GPaの弾性係数と、少なくとも160〜200MPaの曲げ強度を有している、請求項記載の装置。
【請求項8】
前記給電部(8.1)が高出力源(8)を有しており、該高出力源(8)は、230V源を有しており、該電源は12Vまたは24Vの電圧に変換される、請求項からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
弾性的な吐出側励起装置(3.51)は、1つの共通の室(2.42)を有しているか、または少なくとも一部に被覆部(2.421)を少なくとも有しており、該室(2.42)または被覆部(2.421)は、水組成に応じて、貴の電気化学電位を有する材料(C,Cu)または卑の電気化学電位を有する材料(Al,Fe)から成っており、
支承ケーシング(2.47)は、非導電性の絶縁材料、たとえばポリプロピレンから成っており、
前記制御電極(2.43)および前記分極電極(2.44)は、支持体(2.40)に支持されており、
前記制御電極(2.43)および分極電極(2.44)は、閉じられたシース(2.431)内に配置されている、請求項からまでのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
前記制御電極(2.43,3.43)は、−3.04V(リチウム)〜+1.52V(金)の電極電位を有する白金電極である、請求項記載の装置。
【請求項11】
前記吐出側励起装置(3.511)は、1つのシース(16)内に位置しており、該シース(16)は、内側または外側に断熱材(17)を有している、請求項記載の装置。
【請求項12】
ハイドロリック式に互いに接続されている前記吐出側励起装置(3.511)および別の吐出側励起装置(3.521)は、1つの共通のシース(16)内に配置されており、
各吐出側励起装置(3.511,3.512)は、固有の高出力源(8)を有しており、該高出力源(8)は、固有のまたは共通の給電部(8.1)に接続されている、請求項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に雪を造成する請求項1の前提部に記載の方法と、該方法を実施する装置とに関する。
【0002】
本発明は、特に人工雪、氷を形成する新規の方法およびハイドロリック式、電子式かつニューマチック式の装置または同様の技術的プロセスに関する。
【0003】
特に雪または氷を形成する現行の方法および装置は、どのような種類の水源を有しているかに応じて、種々異なって設計されている。水源は、海、人造湖、河川、貯水槽、泉等である。これらの水源には長所もあれば短所もある。時間的にも容量的にも利用を制限する人造湖が形成されている。人工雪の実際の形成は、造雪機(スノーガンまたは雪を造成する別の装置)において、適切に配置された給水ノズルと吸気ノズルとの組合せにより行われる。雪を造成するための工業用水を冷却し、化学的に処理するか、もしくはマイクロ材料を化学的に添加する造雪方法もある。この場合、雪つまり氷粒子は、水でコーティングされることによって加速されて形成される。スノーガンまたは雪を造成する別の装置は、多数の実施の形態を有している。しかし、その共通する特徴は、水平方向および垂直方向での可動性であり、この場合、少なくとも1つの運動が自動的に制御され得る。スノーガンまたは雪を造成する別の装置は、多数のノズルを有している。これらのノズルは固定的であるか、または回動可能であり、好適には空気流源の上流側で、方向通過室内に配置されている。
【0004】
雪または氷を形成する公知の装置の欠点は、該装置が、特に温度および空気湿度ならびに雪の造成用の工業用水の温度および量に依存することにある。氷点下数度および0℃で形成された雪は湿っぽく、このことは高められた仰角、水量の減少、圧力変化または水の冷却のような存在する手段では改善することができない。このような条件では、人工雪の造成を中止するか、人工降雪のための条件が好都合である場合、しばしば夜間に人工降雪を行う必要がある。
【0005】
国際公開第2007/045467号明細書には、媒体が回路を流れ、この場合に媒体の温度が高められる装置が記載されている。このことは高められたエネルギ消費につながる。
【0006】
本発明の課題は、雪を造成する方法を改良して、使用水の超分子の水構造において水分子の結合が変化し、これにより雪の造成が改善されるようにすることである。
【0007】
上記課題は、請求項1に記載の特徴により解決される。
【0008】
新規の方法の本質は、雪を造成するために使用される水を、交流電磁場を同時に作用させながら電離場および/または分極場にさらすことにある。これによって、使用水の超分子的な水構造における水分子の力エネルギ結合が変化する、つまり弱まることが達成される。この場合に、媒体(液体および/または気体)は、顕著な温度上昇なしに装置を貫流する。装置を通過する媒体の流量は有利には調節され得る。
【0009】
本発明に係る方法を実施する装置の好適な態様は従属請求項から判る。
【0010】
ハイドロリック回路の低圧部分および/または高圧部分は、その回路内に直接に固定的にかつ/または間接的にバイパス(周辺)を介して接続されたメイン励起装置および/または吐出側励起装置を有している。メイン励起装置および/または吐出側励起装置により、液体の流れが遮断され得る。メイン励起装置は、好適にはクリーニング装置の下流側に配置されている。メイン励起装置は、有利にはハイドロリック導路の任意の箇所に、またはポンプ装置の上流側で水源に設置されていてもよい。吐出側励起装置は、好適には高圧装置においてスノーガンおよび/または雪を造成する別の装置の上流側に接続されている。
【0011】
メイン励起装置は、第2の制御される開閉機構を備えた流入側のハイドロリック分岐路を有している。流入側のハイドロリック分岐路は、少なくとも1つの温度測定器および/または圧力測定器を有する分配分岐路に、制御されたメイン開閉機構の近傍で通じている。流入側のハイドロリック分岐路と流出側のハイドロリック分岐路との間に、複数の励起装置が固定的にかつ/または取外し可能に取り付けられている。流出側のハイドロリック分岐路は、中間分岐路に通じている。中間分岐路は、第3の制御された開閉機構とメイン開閉機構との間に配置されている。
【0012】
吐出側励起装置は、1つの共通の室を有している。共通の室内には、該室の流入部において、少なくとも1つの制御電極が固定的に、取外し可能にかつ/またはフレキシブルに取り付けられている。流れ方向で見て共通の室の基体の流出部に、少なくとも1つの分極電極が固定的に、かつフレキシブルに取り付けられている。共通の室の基体は、硬いシースおよび/またはフレキシブルなシース(膜)を形成する。
【0013】
主励起装置に設けられた励起装置では、共通の基体は、主にシース(膜)から成っていて、該シースは、少なくとも部分的に周面に被覆部を有している。
【0014】
特に雪を造成するための装置の利点は、高品質の雪を既に0℃で形成することにある。形成された雪は比較的乾燥しており、多重にコーティングされている場合に水が流出することはない。これにより、雪の品質は引き続き保持され、雪の層を圧縮するために規定された機械による分散による負荷の後も保持される。機械による圧縮時に、水は絞りだされない。この場合に、氷の層が形成されることはない。同様に春の期間のいわゆるあられの形成の前提もない。形成された人工雪は溶けるまでに長い時間を要し、これにより、頻繁に追加降雪する必要性が生じない。このことは、スノーガンの運転のためのコスト、特に電気コストの低下をもたらす。なぜならば、常に大量に人工降雪する必要がないからである。同時に、使用される水の量が減じられ、このことは、環境にも良好に作用する。これにより、スキーシーズンは延長されるか、もしくは比較的に標高の低い地域に人工雪の改善された品質で移される。このことは、水または別の媒体が、本発明による処理により、熱/冷たさの吸収および排出において、予想外の、予期していなかった、新たに発見された特性を得ることにより達成された。このことは物理的に立証される。
【0015】
本発明を以下に図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】装置のハイドロリック式、電子式かつニューマチック式のブロック図である。
図2】雪を造成するメイン励起装置の具体的な実施の形態を備えるハイドロリック装置の具体的な実施の形態を示す図であり、メイン励起装置は固有の制御部を有する制御されたメイン開閉機構を備えている。
図3】高出力源の図を有するメイン励起装置における励起装置を示す図であり、高出力源は固有の制御装置内に支持されており、類似の実施の形態では励起装置に直接に接続されている。
図4】吐出側励起装置を示す図であり、流入部と流出部との間の部分がフレキシブルなシースを有している。
図5】相前後して配置された2つの装置から成る吐出側励起装置および類似の装置の具体的な実施の形態を示す図であり、装置は断熱装置を有する空気室内に支持されており、ハイドロリック部分の内部にかつ/または空気室の内部に制御された熱部材を有している。
図6】媒体の温度および/または運動調節部の簡単な態様を示す図である。
図7】電磁的な信号の態様を示す図である。
【0017】
特に雪を造成する方法および装置は、少なくとも1つの高圧ポンプを備えるハイドロリック式の分配装置2.4を有している。高圧装置3は、多数の実施の形態を有する圧力管路3.1を有している。圧力管路3.1は、硬性かつ/またはフレキシブルであってよく、鋼、ポリエチレン、ポリプロピレン、織布、ゴムから成っていて、分配装置3.2に接続されている。高圧装置3には、需要に応じて、スノーガン3.3および/または雪を造成する別の装置3.4が接続されていて、これにより、スノーガン3.3および/または別の雪を造成する装置3.4の上流側で、圧力管路3.1には少なくとも1つの吐出側励起装置3.51を備える吐出側励起ブロック3.5が接続されている。スノーガン3.3は、分配装置3.31を有している。この分配装置3.31は、ノズル装置3.32にハイドロリック式に接続されている。ノズル装置3.32は中間室内に配置されているか、またはその端部で好適には内側に配置されている。ノズル装置3.32は、空気モジュール3.33からの空気流の方向に配置されている。分配装置3.31は、固有の制御モジュールおよび物理的なサイズのアルゴリズムを有する圧力センサ、温度センサ、流量センサおよび湿度センサ等に接続されている。
【0018】
同様に、ロッド状のスノーブロックを形成する装置3.4は、技術的な第2の分配装置3.41を有している。分配装置3.41は、第2のノズル装置3.42に接続されている。スノーガン3.3およびロッド状のスノーブロックを形成する装置3.4は、ゲレンデの種類に応じて配置されている。
【0019】
ハイドロリック装置1の低圧装置2は、ポンプ装置を有している。ポンプ装置には、クリーニング装置が接続されている。クリーニング装置は、固定的にまたは取外し可能にメイン励起装置2.3に接続されている。メイン励起装置2.3の下流側には、分配装置2.4が接続されている。分配装置2.4の少なくとも1つの高圧ポンプ23は、低圧装置2を高圧装置3から分離している。
【0020】
ポンプ装置2.1は、貯水部2.11を有している。貯水部2.11は、泉、河川、海、貯水槽であり、貯水部2.11内には吸込み管路が入れられている。吸込み装置の下流側には、フィルタ2.13がポンプ2.12の上流側に配置されている。ポンプ装置2.1は、多数の実施の形態を有しており、流量、温度、圧力、水位等を測定する測定器を有しており、これらの測定器は有利にはポンプ2.12と同様にメイン励起装置9に電気的に接続されている。
【0021】
クリーニング装置2.2は、技術的な分岐路を有している。この技術的な分岐路には、第1の開閉機構2.21が配置されている。該第1の開閉機構2.21の下流側には、好適にはフィルタ2.22が接続されている。フィルタ2.22の下流側には、第2の開閉機構2.23が配置されている。接続分岐路は、第3の開閉機構2.24を有している。技術的な分岐路は、接続分岐路に、ポンプ装置2.12の下流側でかつ第2の開閉機構2.23の下流側で接続されている。技術的な分岐路の下流側に、第1の制御される開閉機構4が配置されている。この場合、第1の開閉機構4の下流側に、別の接続分岐路が位置している。この接続分岐路は、分配装置2.4への流入部の上流側で、圧力測定器5、脱気装置6および流量測定器7を有している。
【0022】
メイン励起装置2.3は、流入側のハイドロリック分岐路に、第2の制御される開閉機構2.31を有している。流入側のハイドロリック分岐路は、少なくとも1つの温度測定器2.32および圧力測定器2.33を備えた分配分岐路に通じている。分配分岐路は、メイン開閉機構2.34の上流側に位置している。分配分岐路と流出側のハイドロリック分岐路との間には、少なくとも1つの励起装置2.35が固定的にまたは取外し可能に取り付けられている。流入側のハイドロリック分岐路は、中間分岐路に通じている。中間分岐路は、第3の制御された開閉機構2.34をメイン開閉機構2.36に接続し、かつ中間分岐路には有利には流出側の圧力測定器2.37が配置されている。流出側のハイドロリック分岐路に少なくとも1つの脱気励起装置6.1が接続されていると有利である。
【0023】
吐出側励起装置(Druck-Anregungseinrichtung)3.5は、1つの共通の室3.42を備えた少なくとも1つの吐出側励起装置3.51から成っている。該共通の室3.42は、流入開口3.45の近傍に少なくとも1つの制御電極3.43を有していて、流出開口3.46の近傍に分極電極3.44を有している。制御電極3.43は、フレキシブルにかつ/または固定的にかつ水密に支持体3.40に支持されている。支持体340は、流入側のシース(膜)3.490に水密に結合されている。流入側のシース3.490は流入開口3.45を有している。分極電極3.44は、フレキシブルにかつ/または固定的にかつ水密に支持体3.40に支持されている。この支持体3.40は、流出側のシース(膜)3.491に水密に結合されていて、流出側のシース(膜)3.491は、流出開口3.46を有している。流入側のシース(膜)3.490と流出側のシース(膜)3.491とが互いに、フレキシブルで可撓性の、耐圧材料(Druckmaterial)から成る変形シース(膜)3.47を介して結合されていると有利である。結合部の具体的な実施の形態は、連結器3.48であってよい。連結器3.48は、たとえばプラスチック製のゴムから成るハイドロリックチューブである。プラスチック製ゴムは、摩耗および環境からの影響に対する高い耐性を有している。共通の室3.42の少なくとも一部が、卑の電気化学的な電位を有する材料から成っている、かつ/または変形シース(膜)3.47の外側に配置されていると有利である。制御電極3.43は、ケイ酸塩、セラミック等から成る試験管または管の形態のシース3.41を有していて、該シース3.41内には、ロッドおよび/または螺旋状アンテナ3.432が配置されている。分極電極3.44も同様に実施されているが、分極電極3.44は、内部に固体、液体または気体状の分極材料3.441を有している。制御電極3.43のシース3.41および分極電極3.44のシースは、励起水(媒体)の種類および励起水の負荷に応じて多数の実施の形態を有している。最も低い負荷のためには、シースは、大部分がSiOである技術的なガラスから成っている。技術的なガラスは、均質な、非結晶の、等方性の、固体の、脆い物質であり、準安定状態で、30MPaの引張強度と、2.53g cm−3の密度を有している。これは、誘電性を有する絶縁材料であり、この絶縁材料は分極性を有している。少なくとも99.7%のAl含有量を有する酸化物系の焼結セラミックまたは380〜400GPaの引張弾性係数、少なくとも300MPaの破砕強度および3.8g cm−3の密度を有する、酸素を含むマイクロ構造化セラミックが適している。非酸化物系の技術的なセラミックに属する、短い炭素繊維を有する複合セラミックC/SiCが最適である。短い炭素繊維は、K/SiCの優れた機械的かつ熱的な特徴を改善する。その密度は、2.65g cm−3であり、弾性係数は、250〜350GPaであり、曲げ強度は少なくとも160〜200MPaである。複合セラミックC/SiCは、3〜6mmの長さおよび12kのロビンス(Rovince)太さ(1k=10フィラメント)を有する短い炭素繊維を有していて、この炭素繊維は、体積中で乱雑に位置調節されていてよく、これにより材料は、等方性を有している。分極電極3.44または制御電極3.43に極端な負荷がかけられる場合に、短い炭素繊維は有利にはたとえば軸線に対して垂直に意図的に整列されていてよく、これにより材料は異方性を得ることができる。螺旋状またはロッド状のアンテナ3.432は、高出力源8に取外し可能に、または固定的に結合されており、高出力源8は、電流供給部8.1に接続されている。高出力源8は、励起装置が水中に位置している場合に、ロッド状および/または螺旋状アンテナ3.432に、0.1〜2.0Wの強さで100−500MHzの電磁的な交流信号を導入する。給電部8.1とは、230V〜電源であり、230V〜電源は、12V(24V等)に変換されている。給電部は、バッテリ、太陽発電エレメントまたは感光起電エレメントのような別の技術的に類似するものであってもよい。択一的な形態では、高出力源8は、吐出側励起装置3.51の外側に配置されていてもよい。
【0024】
メイン励起装置2.3には、弾性的な吐出側励起装置3.51に相当する励起装置2.35が配置されている。励起装置2.35は、共通の室2.42を備えている。共通の室2.42内には、少なくとも1つの制御電極が流入開口2.45の近傍に固定的にまたは取外し可能に水密に取り付けられている。流出開口2.46の近傍には、分極電極2.44が固定的にまたは取外し可能にかつ水密に取り付けられている。共通の室2.42の周面には、または少なくとも共通の室2.42の一部には、水組成(媒体)に応じて、貴の電気化学的な材料(C,Cu,...)または卑の電気化学的な材料(Al,Fe,...)から成る被覆部、膜またはシース2.421が位置している。説明した実施の形態では、支持ケーシング2.47は非導電性の絶縁材料、プラスチック(誘電性)から成っている。具体的な実施の形態では、プラスチックはポリプロピレンである。制御電極2.43および分極電極2.44は、支持体2.40に支持されている。制御電極2.43は、管状の閉じられたシース2.431を有していて、該シース2.431内には、ロッド状または螺旋状アンテナ2.432が配置されている。分極電極2.44は、同様に構成されていて、内部には貴および/または卑の電気化学的な電位を有する固体状、液状、または気体状の内容物2.441を有している。分極電極2.44が、別の実施の形態によれば、開放されるべき、かつ閉鎖可能な脱気およびスラッジ除去開口を有していると有利である。幾つかのエレメントおよび雪もしくは氷を形成する新規の装置を形成するユニットは、電子的にメイン制御装置9およびニューマチック装置11に接続されている。ニューマチック装置11は、たとえばポンプ2.12、高圧ポンプ23、流量測定器7、温度測定器および圧力測定器ならびに物理的な大きさのための測定器である。メイン励起ユニット2.3は、固有の制御装置10およびニューマチック装置11を有している。この場合、これらの制御装置10およびニューマチック装置11は、第1の制御される開閉機構4、第2の制御される開閉機構2.31、制御されるメイン開閉機構2.34および第3の開閉機構2.36に接続されている。固有の制御装置10は、温度測定器2.32、圧力測定器2.33および流出側の圧力測定器2.37もしくは外気測定器(図示せず)に接続されている。低圧ハイドロリック装置2が、励起装置の下流側で少なくとも1つの脱気ユニット15を有しているか、メイン励起装置2.3が、固有の脱気装置6.1を有していると有利である。貴もしくは卑の電気化学的な電位を有する材料という概念は、電極電位Eであると理解される。部材の、特定の電極および参照電極もしくは参照電極により形成される起電電圧だけが測定される。標準参照電極は、ゼロに等しい電極電位E=0を有している。標準の参照電極は、標準的に製造された白金電極に相当する。標準電極電位の値は、−3.04V(リチウム)〜+1.52V(金)である。特に良好な結果は、室のシースが完全にまたは単に部分的に特殊鋼から成っている場合に、銀から成る分極電極で達成される。この方法は、先だってスロバキア国特許第279429号に係る、発明者POLAKOVIC,POLAKOVICOVAによる装置により分析される。POLAKOVIC,POLAKOVICOVA法では、励起装置内で処理される水分子が、処理されていない水に比べて、相互に弱く結合されていることが証明されかつ立証された。この方法は、液状の媒体である水またはその体積の少なくとも一部が、分極空間および/または電離空間を、電磁的な交流信号の作用下で通過することであると定義される。これにより、媒体の分子、つまり超分子的な構造における水分子が弱い結合を有していることが達成される。分子的かつ超分子的な水構造における結合の力エネルギが変化し、この場合、流動性は変化するが、液状特性は維持される程度にのみ変化する(励起状態は変更しない)。
【0025】
図5に示した実施の形態は、シース16を有している。このシース16には、外側または内側に断熱材17が配置されている。シース16内には、吐出側励起装置3.511および第2の吐出側励起装置3.512またはハイドロリック式に互いに接続された複数の励起装置が位置している。この場合、各吐出側励起装置は、個別の高出力源8を有している。高出力源8は、固有のまたは共通の給電部8.1に接続されている。ハイドロリック装置の内部には、少なくとも1つの加熱エレメント18が配置されている。加熱エレメント18は、媒体のための温度制御装置20および/または運動制御部に接続されている。別の具体的な実施の形態では、制御装置20がシース16内に位置している。制御装置20は、センサ21を有していて、該センサ21は、評価ユニット22(たとえばサーモスタット)に接続されている。評価ユニット22は、切換えエレメント23に接続されている。加熱エレメント18は、抵抗体の、ロッド状の、または螺旋状の線材により形成されている。内側の加熱エレメント18は、適当な出力を有するレーザ光線、誘導加熱エレメント18、場合によってはプラズマ加熱エレメントであってよい。このことは、凍結および引続きの損傷を阻止するか、もしくは回避するために必要である。メイン励起装置2.3は、制御された開閉機構(2.34;2.36;2.31;4)無しに接続されてもよく、しかしバイパスの形態の手動の制御が必要である。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7